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友 山 ク ラ ブデ ジ タ ル 勉 強 会
解像度
圧縮
第3回 2009/11/26
デジタル用語の理解 その2
2
人間の目の分解能
視力1.0の場合、 分解能 = 約 1’ (1/60°)
7.5mm
1.5mm
視角=1′5m
30cmの距離から 0.08mm を分解・判別できる
インクジェット・プリンターの解像度 = 350 ppi(1ピクセルの大きさ = 0.07mm×0.07mm)
肉眼で、1/300インチ (0.08mm) を識別可能
(pixel per inch)
=
=
300 ppi
3
「解像度」
• 「解像度チャート」を撮影、
単位長さの中に、像が分解(視認)可能
なライン・スペースがいくつあるか?
例: 1インチあたり200本
高解像度 低解像度
:フィルム撮影の場合
• 解像度を左右する要因:
レンズ: シャープさ、収差
フィルム: 粒子の細かさ (小さいほど高解像度、しかし低感度)
4
カラーフィルムの情報量は? (画素相当数)
約15百万画素相当
645 66 67
69
4×5 (10.1×12.7cm)
約50百万
画素相当
約65百万
画素相当
約75百万
画素相当
約100百万
画素相当
約230百万
画素相当
35mmフィルム
36×24mm
=
5
解像度: デジタルの場合
3000ピクセル
500ピクセル
2000
ピクセル
333
ピクセル
600万画素
17万画素
本来は、1インチあたりの画素の密度を言う (例: 350 ピクセル / インチ)
一般的に、画面を構成する横・縦のピクセル数を言うことが多い
解像度が高い = ピクセルの密度が高い
= 画像を構成する画素の密度
例1: 横3000ピクセル、縦2000ピクセル
例2: 横 500ピクセル、 縦 333ピクセル
例2解像度が低い = ピクセルの密度が低い
小さな画面では 差が見えないが、
→ 小さな単位の情報で詳細に表現している
→ おおまかな情報で大ざっぱに表現している
部分を拡大すると 粗さが表れる
例1
6
原画 3008×2000
画素の密度(解像度)の違い、見え方の違い
100×66
7
解像度は、高ければ良いのか?
• 画像データは極端に重い!
中編小説 (250枚)1冊 = 100,000字 = 200,000バイト(200Kb)
写真・RAW 1枚 = 約15,000,000バイト(15Mb) = 中編小説 75冊分!
JPEG圧縮後 (約1.5Mb) でも、1枚 = 中編小説 8冊分!
• データが重いと困ること:
パソコンのメモリー容量をドンドン食い、やがてパソコンが動かなくなる
パソコンの処理速度・表示速度が鈍り、固まることがある (フリーズ)
ネット上で他人に迷惑をかける (ネット・マナー違反)
• 回線を渋滞させる
• 相手側に重負担 (相手端末のメモリーを食う、ファイルが開かない)
⇒ 使用目的に合った画像データの最適化が必要
データ量はピクセル数に比例 ⇒ 解像度を落とすのが最も有効
8
3000×2000 500×333
縦6×横6 (36画素) を統合
統合後の1画素に
36画素の平均的色調を付与
解像度を変更すると、画素はどうなる?
横1/6 (画素数1/36)
作品作りは、作業の前に必ず原画をコピーして作業!(原画はそのまま保存)
一旦統合された画素は、元の画素に戻らない!
一見、変化は見られないが
9
解像度の設定と変更
最大値: 画素密度をカメラ仕様の最大値で撮影したもの
例: Canon D5 MkⅡ 5616×3744 ピクセル
Nikon D-300 4280×2848 ピクセル
撮影時の解像度よりも高くする手段はない
• 後処理で画素の水増しは可能なるも、画質は劣化
• 作品作りが目的の撮影では、必ず最大値で撮影、が原則
解像度の変更: 画素を間引いて解像度を減少させる処理
カメラの解像度を最大値より低く設定して撮影
• スナップ写真等、大判プリントの作品を作らない場合
• メモリーを節約したい場合
例:Canon D5 MkⅡ: ミドル:4080×272、 スモール:2784×1856
後処理: パソコン上でレタッチソフトを使って変更
(この後、説明します)
10
原画像の解像度 ・ 表示装置の解像度の関係
16801050
1600900
1024
768
1024
768
ノート型
デスクトップ用デイスプレイ
プロジェクター
XGA
WSXGA
XGA
全紙判プリント 560×360mm (3:2)
7700 × 5100 ≒ 40百万ピクセル
350 ppi で出力した場合
3000×2000
Nikon D-100
11
3000ピクセル
1680ピクセル
1050
ピクセル
2000
ピクセル
ピクセル等倍表示ではピクセル等倍表示ではこの部分は表示からはみ出すこの部分は表示からはみ出す
(スクロールして見る)(スクロールして見る)
原画像
表示画面表示画面
ピクセル等倍表示ではピクセル等倍表示ではこの部分しか表示されないこの部分しか表示されない
「ピクセル等倍」 :原画像の画素と表示画面の画素が夫々1:1に対応した状態
12
3000ピクセル
表示可能なピクセル数まで画素を間引き処理して表示
1680ピクセル
画面全体を表示するには、
WSXGA
13
表示装置の解像度の自動処理は? 1024
768
1024×768
1680
10507700
5100
表示画面の解像度に自動調整
用紙サイズに合わせて解像度を計算、自動調整
パソコン内のグラフィックボードで
内蔵の画像処理回路で
パソコンにインストールしたプリンタードライバー(ソフト)で
表示装置の解像度に自動調整
3000×2000の元データ
14
プロジェクターの解像度 = XGA (1024×768 pix) (4:3)
XGAより画素密度の高い作品 ⇒ 画素を間引き加工 ⇒ XGAサイズで投影
⇒ 横長作品は、横 1024 pix が最適
縦長作品は、横 600 pix 程度に
(縦横のアスペクト比によって異なる)
提出された作品の画素数が過大だと、 ⇒
プロジェクター内の画像処理(間引き)で待ち時間ロス
プロジェクターの処理回路に過負荷、過熱・故障の原因に
講評作品の「最適化」(リサイズ)にご協力願います!
例会 デジタル作品の最適解像度
15
解像度変更の実際 レタッチソフトの「画像サイズ・解像度」 変更機能で
Nikon Capture NX の場合
Adobe Photosghop の場合
16
3000ピクセル
2000
ピクセル
トリミングトリミング
トリミングと解像度
6百万ピクセル
17
1000ピクセル
667
ピクセル
トリミング → 画素密度が1/9に減少 → 解像度低下
全紙判に引伸すと → 1 ピクセル のサイズ ≒ 0.6mm×0.6mm
部分をトリミングして大きく伸すと、ボケが目立つ (フィルム作品と同じ)
67万ピクセル
18
36mm
24mm
23.6mm
15.8mm
17.3mm
13mm
フルサイズ
APS-Cサイズ
フォーサーズ
1/1.8インチ
1/2インチ
コンパクトデジカメ用
フルサイズ
の
3/4
フルサイズ
の
1/2
参考: 撮像素子のサイズ比較
APS-Cの
3/4
19
参考: 撮影素子のピクセルのサイズ
5,616 ピクセル
3,744
ピクセル
フルサイズ機例Canon 5D Mk-Ⅱ
APS-C機例:Nikon D300
1290万画素
0.0064mm
0.0055mm
1290万画素
ピクセルのサイズ (単純計算)
⇒ 感度が高い ⇒ あまり増幅しなくてもよい
⇒ ノイズ発生を抑制できる
フォーサーズ機例: Panasonic G
オリンパス EP-1
4000ピクセル2672
ピクセル
0.0043mm
(3:2モード)
コンパクトデジカメ
0.0025mm2848
ピクセル
4,288ピクセル
ピクセルのサイズ 大 = 貯められる電子量が多い
2110万画素
36mm
24mm
1221万画素
23.6mm15.8mm
13mm 1069万
画素
17.3mm
20
プリンター と 解像度の関係
横 4800 dpi縦 2400 dpi
dpi:dot per inch1インチあたりの
インクドットの密度
インクジェットプリンターの解像度:
A3ノビ 483mm×329mm
A4 297mm×210mm
2L
L
178×127
127×89
A3ノビ 約6,650×4,530ピクセル(約3千万画素)
A4 約4,095×2,900ピクセル
2L 約2,450×1,610ピクセル(約4百万画素)
L 約1,610×1,225ピクセル(約2百万画素)
微量の色インクを紙面に噴射、微細な色点(dot)が混合して発色
約 350 ppi (pixel per inch)
(約12百万画素)プリンタードライバー(ソフト)の機能:
光の三原色(RGB)を色の三原色に変換
用紙サイズに合わせて解像度を調整
インク噴射量を制御、色を正しく再現
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圧縮
• 目的: メモリー負担を軽減、データ伝送速度を向上
• 方法: 周辺の画素との数値差を演算し、データ圧縮をかける
• 可逆圧縮 (PNG、GIFなど) (GIFは減色処理するので写真には不適)
– 画素の情報の記録方法を工夫して情報量を減らす
– 画素の情報は維持されるので、復元すると元の画質に戻る
以下6個同じ
圧縮前のデータ 圧縮されたデータ 復元されたデータ
コンセプト: (実際は更に高度な論理計算を行う)
22
• 非可逆圧縮 (JPGなど)
人間の視覚が色の微妙な違いに鈍感なことを利用し、
隣接する類似の色調を持つ画素を統合して、情報量を減らす
画素相互間の微妙な差異が失われる (画質が劣化)
• 高圧縮(低画質): 大きく括って差異を吸収、画質の劣化が多い
• 低圧縮(高画質): 括り方が小さく、画質への影響が少ない
一度圧縮されたデータは元の状態に復元しない (非可逆)
• 非可逆圧縮を繰り返すと、画質劣化が加速する
圧縮前のデータ
圧縮後のデータ
コンセプト:
画像の加工は非圧縮データ (RAWなど) を使う
JPGへの変換は最後に一度だけ
23
圧縮による画質劣化の実際
JPG 最高画質
JPG 最低画質
JPG圧縮による画質劣化は
解像度の低い画面では殆ど認識できない
24
部分拡大して比較すると:
非圧縮(TIFF)
25
JPG圧縮を繰り返すと、
変換の都度、画素のグループでズレが生じ、色の濁り・飛び、微細な変形が起きる場合がある (画質の劣化)。
大切な作品をJPGに変換する時は、最後に一発で、が原則。
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画質とデータ量 (例)
画質による違い
解像度による違い
110最低画質
144中画質
343JPG 最高画質
1,930TIFF (非圧縮)1000×667
380最低画質
524中画質
1,660JPG 最高画質
17,200TIFF (非圧縮)
9,765RAW (NEF)3008×2000
データ量Kb画質解像度
9 : 1
4 : 1
3 : 1
4 : 1
1.4 : 1実用的!
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まとめ: ひとつの考え方-使用目的に合った最適化
• 全ての写真を最高画質(重いデータ)で保存するのはムダ
• メモリー濫費のムダ、パソコン処理時間のムダ
索引・閲覧用: 解像度 横1000px、圧縮 JPG「中」で保存
• パソコン閲覧、小判プリント(2L、ハガキ)はこれで十分
• 友山クラブ例会の発表も、これでOK
• メール添付・ホームページ用は、更に低解像度・高圧縮を
• パソコン故障に備え、複数媒体(外付けHDD等)に重複保存
自慢の作品は: 撮影時データ(RAW)を並列保存
• 後日、最良の環境(設備・技術)で、作品の作り直しが可能
– 作品提出時にTIFF、JPGなど汎用データに変換
• 故障・災害に備え、複数媒体(DVD等)に保存 (保存場所も分散)
– 別宅(あれば)、別居家族宅、ネット上のレンタルサーバー等