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32 日看管会誌 Vol. 12, No. 2, 2009 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 12, No. 2, PP 32-41, 2009 報告 転倒が予測される看護場面の リスク評価に影響する要因 Factors Affecting Risk Assessment in Nursing Situations Where Falls may be Expected 藤井真砂子 1) 米澤弘恵 2) 長谷川智子 3) 上木礼子 3) 大久保清子 4) 大口二美 1) Masako Fuzii 1) Hiroe Yonezawa 2) Tomoko Hasegawa 3) Reiko Ueki 3) Kiyoko Okubo 4) Fumi Oguti 1) Key words: risk assessment, risk taking, nursing situations/everyday situations/traffic situations where falls may be expected, nurse background, thought pattern : リスク評価,リスクテイキング,転倒が予測される看護場面・日常場面・交通場面, 看護師の背景,思考パターン Abstract To identify the factors influencing risk assessment in nursing situations where falls may be expected, a survey was conducted using an anonymous self-completed questionnaire of 752 nurses working in general hospitals. The survey included items on (1) nurses’ backgrounds, (2) nurses’ thought patterns (information-processing style inventory, critical thinking orientation scale, risk aversion–orientation scale), and (3) risk situations. The risk situation items comprised 1) five questions on everyday situations and seven questions on traffic situations from a list of behaviors that are accompanied by risk (used by Haga et al., 1994), and 2) risk assessment for 25 nursing situations where falls may be predicted, taken from the “near miss” phenomenon for falls of Kawamura et al. (2004), and the probability that a risky action will be taken in these situations (risk-taking probability). In the statistical analysis, Spearman simple correlation and multiple regression analysis (reduction method) were performed with a dependent variable of nursing situations where falls may be expected, and independent variables of nurse background, nurse thought patterns, risk assessment and risk-taking probability in everyday and traffic situations, and risk-taking probability in nursing situations. The results showed that “risk assessment in everyday and traffic situations,” “risk-taking probability in everyday situations,” and “risk-taking probability in nursing situations” strongly influenced predictive factors for risk assessment in nursing situations where falls may be expected (p<0.001). These were followed by “years of experience” (p<0.01). This indicates that the ability to notice risk in daily living strongly affects the ability to notice risk in nursing situations. Moreover, since a strong effect is seen in risk-taking probability in nursing situations, the possibility is suggested that people will not adopt risk-taking behaviors in nursing situations if risk is assessed as being high. 受付日:2007 年 12 月 26 日  受理日:2008 年 5 月 30 日 1) 福井大学医学部付属病院 Fukui University Hospital Faculty of Medicine 2) 獨協医科大学看護学部 Dokko Medical University School of Nursing 3) 福井大学医学部看護学科 School of Nursing Fukui University Faculty of Medicine 4) 福井済生会病院 Fukui Saiseikai Hospital

転倒が予測される看護場面の リスク評価に影響する要因 - UMINjanap.umin.ac.jp/mokuji/J1202/10000003.pdf · 2017-02-27 · 志向性尺度,リスク回避-志向性尺度),3.リスク場面として,1)芳賀ら(1994)が用いたリス

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32 日看管会誌 Vol. 12, No. 2, 2009

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 12, No. 2, PP 32-41, 2009

報告

転倒が予測される看護場面の リスク評価に影響する要因

Factors Affecting Risk Assessment in Nursing Situations Where Falls may be Expected

藤井真砂子 1) 米澤弘恵 2) 長谷川智子 3)

上木礼子 3) 大久保清子 4) 大口二美 1)

Masako Fuzii1) Hiroe Yonezawa2) Tomoko Hasegawa3) Reiko Ueki3) Kiyoko Okubo4) Fumi Oguti1)

Key words: risk assessment, risk taking, nursing situations/everyday situations/traffic situations where falls may be expected, nurse background, thought pattern

キーワード : リスク評価,リスクテイキング,転倒が予測される看護場面・日常場面・交通場面,看護師の背景,思考パターン

AbstractTo identify the factors influencing risk assessment in nursing situations where falls may be

expected, a survey was conducted using an anonymous self-completed questionnaire of 752 nurses working in general hospitals. The survey included items on (1) nurses’ backgrounds, (2) nurses’ thought patterns (information-processing style inventory, critical thinking orientation scale, risk aversion–orientation scale), and (3) risk situations. The risk situation items comprised 1) five questions on everyday situations and seven questions on traffic situations from a list of behaviors that are accompanied by risk (used by Haga et al., 1994), and 2) risk assessment for 25 nursing situations where falls may be predicted, taken from the “near miss” phenomenon for falls of Kawamura et al. (2004), and the probability that a risky action will be taken in these situations (risk-taking probability). In the statistical analysis, Spearman simple correlation and multiple regression analysis (reduction method) were performed with a dependent variable of nursing situations where falls may be expected, and independent variables of nurse background, nurse thought patterns, risk assessment and risk-taking probability in everyday and traffic situations, and risk-taking probability in nursing situations.

The results showed that “risk assessment in everyday and traffic situations,” “risk-taking probability in everyday situations,” and “risk-taking probability in nursing situations” strongly influenced predictive factors for risk assessment in nursing situations where falls may be expected (p<0.001). These were followed by “years of experience” (p<0.01). This indicates that the ability to notice risk in daily living strongly affects the ability to notice risk in nursing situations. Moreover, since a strong effect is seen in risk-taking probability in nursing situations, the possibility is suggested that people will not adopt risk-taking behaviors in nursing situations if risk is assessed as being high.

受付日:2007 年 12 月 26 日  受理日:2008 年 5 月 30 日1) 福井大学医学部付属病院 Fukui University Hospital Faculty of Medicine2) 獨協医科大学看護学部 Dokko Medical University School of Nursing3) 福井大学医学部看護学科 School of Nursing Fukui University Faculty of Medicine4) 福井済生会病院 Fukui Saiseikai Hospital

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要  旨

転倒が予測される看護場面のリスク評価に影響する要因を明らかにすることを目的に,総合病院に勤務している看護師 752 人を対象に,無記名で自記式質問紙による調査を実施した.調査内容は,1.看護師の背景,2.看護師の思考パターン(情報処理スタイル尺度,クリティカルシンキング志向性尺度,リスク回避-志向性尺度),3.リスク場面として,1)芳賀ら (1994) が用いたリスクを伴う行動リストから,①日常場面 5 項目,②交通場面 7 項目,2)川村ら (2004) の転倒のヒヤリハット事象から転倒が予測される看護場面 25 項目についてのリスク評価と,リスク場面でその行動をとる確率(以下リスク敢行確率)とした.分析方法は,転倒が予測される看護場面のリスク評価を従属変数とし,看護師の背景,看護師の思考パターン,日常・交通場面のリスク評価とリスク敢行確率,看護場面のリスク敢行確率を独立変数として,Spearman の単相関,重回帰(減少法)分析を行った.

その結果,転倒が予測される看護場面のリスク評価の予測因子では,「日常・交通場面のリスク評価」「日常場面のリスク敢行確率」「看護場面のリスク敢行確率」で影響が強く(p < 0.001),次いで「経験年数」(p < 0.01)であった.このことから,身近な生活の中で危険に気づくことができることが,看護場面で危険に気づくことに強く影響していることが明らかになった.また,看護場面のリスク敢行確率で強い影響がみられたことから,看護場面でリスク評価が高ければ,リスクテイキング行動はとらない可能性が示唆された.

Ⅰ.はじめに

看護場面における患者の転倒・転落事故は,「療養上の世話」に関連する事例の中で最も多く発生しており,さまざまな要因が複雑にからんで発生するため,決定的な発生防止対策を見出すことは困難である場合が多いとされている(川村 , 2004).しかし,看護師は患者の安全を確保することが責務であり,危険は防止しなければならない.そのため,看護師にはどのような状況においても,まずは危険に気づくことができる能力と適切に対応できる能力が求められている.しかし,実践の場では,転倒の危険性に気づき適切に対応できる看護師とそうではない看護師とがみられることも事実である.

看護師のもつ優れた気づきとは,雰囲気,態度,精神症状,身体症状,経過などをみて,わずかな変化に,違和感,ずれ,不審感をもつことである

(石橋ら , 2003).また,気づきの働くメカニズムは,その人の感性に左右されるといわれており(川島 , 1993),何かに気づくかどうかは,看護師それぞれの考え方や感じ方,これまでの経験が影響してくるのではないかと考える.

私たちは,日常生活の中で日常的に危険な場面に遭遇する.例えば,警報機が鳴り出した踏み切りを渡ってしまうことや,棚の上のものを不安定で転倒しやすい椅子を足場にして取ろうとしたりなど,危険な状況は数多くあげることができる.人の危険に気づくという能力は,日常のさまざまな事故という危険を回避できるかどうかを左右する重要な能力の一つであるが,危険に気づいていても必ずしも安全な行動を取るとは限らないことを示している.このような危険と気づきながらも敢えてその危険な行動をすることはリスクテイキングといわれている(芳賀 , 2000).気づきのメカニズムが,その人の感性に左右されるとするならば,看護師の危険に対する気づきは,日常生活の中で発揮される気づきと密接に関係しており,そして,日常の中でこのようなリスクテイキング行動をよくとる看護師は,看護場面の中においても同様の傾向にあるのではないかと考える.

また,リスクテイキングは,その前のリスク知覚(危険の気づき)をもとにしたリスク評価によって決まるといわれている(芳賀 , 2000).転倒・転落の事例では,「たぶん大丈夫だろう」という思い込みや注意空白で行動していたという報告(平松

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ら , 1999)(山崎ら , 2003)や,ヒューマンエラーや事故と深い関係があるという報告(芳賀 , 2000)もみられるように,危険の気づきをもとにしたリスク評価の傾向や,看護師による個人差,リスク評価後の行動との関係について明らかにすることは,リスクマネージメント教育に役立つものと考える.

そこで本研究では,転倒が予測される看護場面の,看護師の転倒のリスク評価に影響する要因について,看護師の思考パターン,日常・交通・看護のリスク場面(リスク評価,リスク敢行確率)から明らかにすることを目的に検討した.

Ⅱ.用語の定義

1.リスク場面危険や傷害などの望ましくない事象をもたらす

可能性のある場面を表すものとした.

2.リスクテイキング看護師がその場面での状況を危険と認識した上

で,あえて行動するかという一連の意思決定プロセスを表すものとした.

3.リスク評価リスクの大きさを認知し,どれくらい危険が大

きいのか小さいのかを判断することであり,看護師が,リスクを初めから知覚あるいは予測できるかできないかも含めた気づきの程度を表すものとした.

4.リスク敢行確率場面に対するリスク評価から,リスクを回避す

るかあえて危険行動をとるかの主観的評価を確率であらわしたもの.リスク評価から,どの程度危険と知りながらその行動をとる可能性があるかという意志決定を表す.

Ⅲ.研究方法

1.調査方法A 県内にある 3 つの総合病院に勤務し,療養上

の世話を実践している看護師長を除く病棟看護師752 人を対象に,平成 17 年 10 月 4 日~ 10 月 20日の間に,自記式質問紙を用いて留置き法で実施した.

2.調査内容1)看護師の背景看護師の背景は,性別,年齢,臨床経験年数,

職位の有無,プリセプター経験の有無,医療安全研修参加の有無について調査した.2)看護師の思考パターン思考パターンとして,情報処理スタイル,クリ

ティカルシンキング志向性,リスク回避志向性について調査した.(1)情報処理スタイルは,Epstein(1994)が

人は情報処理として合理的処理と直観的処理の 2つの様式をもつという 2 重過程モデルから作成した尺度をもとに,内藤ら(2004)が作成した「情報処理スタイル(合理性―直観性)尺度」を使用した.これは対象者が不確かな状況に遭遇したとき,包括的かつ分析的に考えた上で処理する傾向をみる「合理性能力」「 合理性態度 」 と「きっとこんなことが起こるに違いない」というような決定ルールから情報を処理する「直観性能力」「直観的態度」から成っている.(2)クリティカルシンキング志向性について

は,宮元(1996)がクリティカルシンキング思考をする人の態度測定のために作成した志向性項目を廣岡ら(2000)が統計的に分析した尺度を用いた.この「クリティカルシンキング志向性尺度」は,探求的・追求的思考の「探究心」,客観的冷静な判断の「客観性」,誠実さと他者を尊重する態度の「誠実さ」から構成されている.(3)リスク回避志向性については,楠見(1994)

の「リスク回避―志向性尺度」を用いた.これは「生命に関するリスク回避」,「一般的な不安」,「金

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銭リスク志向」から成り,一般的なリスクに関する傾向性について,危険や障害など望ましくない事象をもたらす可能性のような不確実な現象に対する影響を測定するものである.

 各項目の配点については,(1)「情報処理スタイル(合理性―直観性)尺度」は,「まったく当てはまらない」1点から「非常に当てはまる」5点の 5 段階評価で,(2)「クリティカルシンキング志向性尺度」および(3)「リスク回避―志向性尺度」は,「まったく当てはまらない」1点から「非常に当てはまる」7点の 7 段階評価とし,分析には(1)~(3)の各項目の平均得点を百分率に換算して用いた.

本研究におけるそれぞれの尺度の Cronbach’α係数は,「情報処理スタイル(合理性―直観性)尺度」0.85,「クリティカルシンキング志向性尺度」0.90,

「リスク回避―志向性尺度」0.69 であった.3)日常・交通のリスク場面リスク場面については,芳賀ら(1994)が用い

た「リスクを伴う行動リスト」から,身近にあるリスク場面として,①「手の届かないところにあるものをとろうとして,座面が回転する椅子に乗った」などの日常場面 5 項目,②「踏み切りを渡ろうとしたときに警報機が鳴り,遮断機が降り始めたので走って渡った」などの交通場面 7 項目を用いた.配点は,各リスク場面でどのくらい危険を感じるかを「リスク評定」とし,「まったく安全」0%から「非常に危険」100%とし,また,危険な行動をとるかを「リスク敢行」とし,その行動は「決して行わない」0%から「必ず行う」100%で最も適切な数字で表現するように回答を求め得点とし,これをリスク敢行確率とした.Cronbach’α係数は 0.70 であった.4)看護のリスク場面転倒が予測される看護のリスク場面については,

川村(2004)の「ヒヤリハット 11000 事例によるエラーマップ完全版」の転倒・転落の分析をもとに,転倒・転落の 3 タイプ 10 種の中から,川村が「患者が何をしようとして,どのような状況で,転倒・転落しかけたのか」という事実を整理したヒヤリ

ハット事象を用いた.看護師の直接介入がない場面ではこのときの看護師の行動を質問紙に追加した.項目は,「見当識障害のある片麻痺の患者に設置した転倒防止用具が鳴ったがすぐに行かなかった」,「排泄中患者の体を支えていたが,ちり紙をとるために手を離した」などの 25 項目とし,各場面の配点は,各リスク場面でどのくらい危険を感じるかを「リスク評定」とし,「まったく安全」0%から「非常に危険」100%とし,また,その行動は「決して行わない」0%から「必ず行う」100%で最も適切な数字で表現するように回答を求め,これをリスク敢行確率とした.Cronbach のα係数は 0.89であった.

4.分析方法看護場面のリスク評定を従属変数とし,看護師

の背景,看護師の思考パターンとして,情報処理スタイル,クリティカルシンキング志向性,リスク回避志向性尺度,日常・交通場面のリスク評価とリスク敢行確率,看護場面のリスク敢行確率の20 項目を独立変数とし,Spearman による単相関,重回帰(減少法)分析を行った.有意水準は 0.05%未満とした.分析には統計ソフト SPSS11.5J for Windows を使用した.

5.倫理的配慮調査にあたって対象施設の施設長,看護部長に

研究目的,調査内容,調査方法,参加者への倫理的配慮について書面を用いて説明し,承諾の得られた施設で実施した.対象者への配布は看護部長を通して配布し,調査後の回収は個別に封をして個人が特定されないように配慮し,各病棟の回収袋に入れ回収した.

また,調査への参加者には,書面で研究の目的,方法,参加を拒否する権利やプライバシーを保護すること,結果は統計処理し,個人が特定できないようにすること,調査票はデータ化した後,速やかに廃棄処分することを保証すること,調査結果は本研究以外には使用しないことを説明し,調査票の回収をもって同意が得られたものとした.

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Ⅳ.結果

1.看護師の背景対 象 は 752 人 で, 回 収 数 は 704 人( 回 収 率

93.6%)であった.有効回答は 580 人(有効回答率82.4%)であった.

看護師の背景について表 1 に示した.対象者の平均年齢は 30.4 ± 8.7 歳で,年代は 20 歳代が 363人(62.6%)と最も多く,次いで 30 歳代が 112 人

(19.3%),40 歳代 81 人(14%)で,50 歳代以上は24 人(4.1%)であった.経験年数では,1 年以下が 127 人(21.9%)で,2 ~ 3 年 103 人(17.8%),4 ~ 6 年 102 人(17.6%),7 ~ 10 年 83 人(14.3%),11 ~ 15 年は 40 人(6.9%)で最も少なかった.職位では役職が 58 人で全体の 10%で,スタッフは522 人で 90%を占めていた.医療安全研修の参加の有無では,「ある」と答えた人が 451 人(77.8%)であった.プリセプター経験については,「ある」と答えた人が 309 人(53.3%)で半数以上の人がプリセプターを経験していた.

表1.対象者の背景

n=580 人 (%)

性別 女性 569 (98.1)

男性 11 ( 1.9)

平均年齢 30.4 ± 8.7 歳

年代 20 ~ 29 歳 363 (62.6)

30 ~ 39 歳 112 (19.3)

40 ~ 49 歳 81 (14.0)

50 歳以上 24 ( 4.1)

経験年数 1 年以下 127 (21.9)

2 ~ 3 年 103 (17.8)

4 ~ 6 年 102 (17.6)

7 ~ 10 年 83 (14.3)

11 ~ 15 年 40 ( 6.9)

16 年以上 125 (21.5)

職位 スタッフ 522 (90.0)

主任・副看護師長・看護係長 58 (10.0)

医療安全の研修参加 あり 451 (77.8)

なし 129 (22.2)

プリセプタ-経験 あり 309 (53.3)

なし 271 (46.7)

2.看護師の思考パターン看護師の思考パターンの平均点と標準偏差を表

2 に示した.情報処理スタイル得点では,合計点の平均が最

も高かったのは「合理性態度」52.8 ± 11.8 点,ついで「直観性態度」47.8 ± 9.9 点,「直観性能力」45.7 ± 10.0 点で,最も低かったのは「合理性能力」

表2.看護師思考パターン(情報処理スタイル・クリティカルシンキング志向性・リスク回避志向性)の平均得点と標準偏差

平均値± SD( 点) n =580

 項目 範囲 百分率に換算した得点

1.情報処理スタイル

 合理性能力 26.9 ± 5.1 10 ~ 46 42.2 ± 12.8

 合理性態度 28.0 ± 4.3 9 ~ 44 52.8 ± 11.8

 直観性能力 25.3 ± 3.6 13 ~ 36 45.2 ± 10.0

 直観性態度 29.2 ± 4.0 14 ~ 44 47.8 ± 9.9

2.クリティカルシンキング志向性

 探究心 30.2 ± 4.0 10 ~ 42 55.3 ± 9.5

 客観性 45.3 ± 6.0 22 ~ 64 62.7 ± 10.1

 誠実さ 41.9 ± 5.4 17 ~ 57 52.0 ± 9.1

3.リスク回避-志向性

 生命リスク回避 25.7 ± 7.2 7 ~ 44 44.6 ± 17.2

 一般的な不安 19.8 ± 3.4 7 ~ 30 49.3 ± 11.3

 金銭リスク志向 18.7 ± 4.1 5 ~ 31 45.7 ± 13.8

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42.2 ± 12.8 点であった.また,クリティカルシンキング志向性得点では,

最も高かったのは「客観性」62.7 ± 10.1 点であり,ついで「探究心」55.3 ± 9.5 点,「誠実さ」52.0 ± 9.1点であった.

リスク回避志向性得点では,「一般的不安」で49.3 ± 11.3 点であり,次いで「金銭リスク志向」45.7 ± 13.8 点,「生命リスク回避」44.6 ± 17.2 点であった.

3.日常場面・交通場面・転倒が予測される看護場面のリスク評定とリスク敢行確率

日常場面・交通場面・看護場面のリスク評定得点とリスク敢行得点の平均点と標準偏差を表 3 に示した.リスク評定では,得点の高い順でみると,日常場面 73.1 ± 17.1 点,看護場面 69.7 ± 16.7 点,交通場面 61.0 ± 20.0 点,であり,リスク敢行確率では,交通場面 41.2 ± 23.0 点,看護場面 28.1 ±17.7 点,日常場面 23.8 ± 18.1 点であった.

4.各項目と看護場面のリスク評定の単相関看護場面のリスク評定と各項目との相関につい

て,表 4 に示した.看護師の背景では,「年齢」「経験年数」「職位の

有無」(p <0.01),「プリセプター経験」(p <0.05)に有意な正の相関がみられた.しかし,「医療安全研修の参加」には相関は認められなかった.

看護師の思考パターンでは,クリティカルシンキング志向性の「探求心」「誠実さ」「客観性」において有意な(p <0.01)正の相関がみられた.また,情報処理スタイルは「直観性態度」で有意な

(p <0.01)負の相関がみられたが,「直観的能力」には相関はみられず,リスク評定が高い人ほど直

観的に行動しない傾向がみられた.リスク回避-志向性は,「生命リスク回避」で有意な(p <0.05)正の相関がみられたが,「一般的不安」や「金銭リスク志向」では相関はみられなかった.

リスク場面では,「日常場面」「交通場面」のリスク評定において有意な(p <0.01)正の相関がみられ,「日常場面」「交通場面」のリスク敢行確率においては,有意な(p <0.01)負の相関がみられた.また「看護場面」のリスク敢行確率においても有意な(p <0.01)負の相関がみられた.

5.看護場面のリスク評定と各項目との重回帰分析

看護場面におけるリスク評定を従属変数とし,単相関で有意であった項目を独立変数として変数減少法による段階的重回帰分析を行った.その結果は表 5 に示した.

第 1 段階の看護師の背景とでは,寄与率 0.026 で「職位」にのみ有意(p< 0.05)な影響が認められた.第 2 段階では,寄与率 0.047 で背景の「職位」と思考パターンの情報処理スタイルの「直観的態度」にのみ有意(p< 0.05)な影響がみられた.第 3 段階では,寄与率 0.435 で,背景の「経験年数」

(p< 0.01),「職位」(p< 0.05)と,日常・交通リスク場面の「日常場面のリスク評定」,「交通場面のリスク評定」(p< 0.001)に強い影響がみられ,その他の項目では有意な影響は認められなかった.

また,看護場面のリスク敢行確率を加えた第 4段階では,寄与率 0.489 で,「経験年数」(p< 0.01)とリスク場面のうち「日常場面のリスク評定」「日常場面のリスク敢行確率」「交通場面のリスク評定」,「看護場面のリスク敢行確率」(p< 0.001)に強い影響がみられた.しかし,「交通場面のリス

表3.日常場面・交通場面・看護場面のリスク評定得点とリスク敢行得点の平均と標準偏差

n= 580(点)

日常場面 交通場面 看護場面平均 SD 平均 SD 平均 SD

リスク評定得点 73.1 17.1 61.0 20.0 69.7 16.7

リスク敢行得点 23.8 18.1 41.2 23.0 28.2 17.7

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ク敢行確率」には有意な影響はみられなかった.そして,第 3 段階まで有意であった「職位」の影響力が消え,「経験年数」(p< 0.01)は残った.

表4.看護師の背景・思考パターン・リスク場面と

看護場面のリスク評定との単相関n= 580

項目リスク評定

背景

年齢 .136**

経験年数 .177**

職位 .145**

プリセプタ-経験 .082*

医療安全研修の参加 .027

思考パターン

情報処理スタイル

合理性能力 .119**

合理性態度 .111**

直観性能力 -.023

直観性態度 -.155**

クリティカルシンキング志向性

探究心 .140**

誠実さ .143**

客観性 .173**

リスク回避 - 志向性

生命リスク回避 .099*

一般的不安 .018

金銭リスク志向 -.060

日常・交通リスク場面

日常場面のリスク評定 .566**

日常場面のリスク敢行確率 -.227**

交通場面のリスク評定 .542**

交通場面のリスク敢行確率 -.237**

看護リスク場面

看護場面のリスク敢行確率 -.486**

Spearman の相関係数    * : P< 0.05 ** : P< 0.01

Ⅴ.考察

1.看護場面のリスク評定と背景,思考パターン,日常・交通・看護リスク場面との関連

看護場面のリスク評定と各項目の単相関では,看護師の背景で,プリセプター経験がある人の方がリスク評価が高い傾向がみられた.プリセプターとして新人指導をするためには,自分自身が看護

場面の中での危険に対する考えや気づきを持つ必要があるため,看護場面の中で危険に気づきやすくなり,リスク評価を高めることに影響している可能性が考えられた.また,看護師の思考パターンでは,看護場面のリスク評価が高い看護師ほど,不確かな状況では,包括的かつ分析的に考えた上で合理的に情報処理する傾向や,問題に対して注意深く観察し,じっくり考えようとする態度を示すクリティカルシンキング志向性が高い傾向がみられた.このことから「大丈夫だろう」というような思い込みをさけ,その状況をじっくり考えて判断していこうとする態度が,リスクを客観的に判断し,リスク評価を高めることに役立っていることが考えられた.

看護場面のリスク評定とリスク場面との関係では,「日常場面」「交通場面」のリスク評定得点において有意な正の相関がみられた.また,「日常場面」「交通場面」のリスク敢行得点では,有意な負の相関がみられ,「看護場面」のリスク敢行得点においても有意な負の相関がみられた.このことは,どの場面においても,リスクが高いと評価する看護師ほどリスクを回避しようとする行動を取ろうとする可能性が高く,反対にリスクに気づかない,あるいはリスクが低いと思っているほどリスクテイキング行動をとる可能性が高いことが推察され,ある場面で慎重な人は他の場面でも慎重であり,またリスクテイキング行動をとりやすい人は,他の場面でもとりやすいという場面一貫性があり,松嵜ら(2004)や赤塚ら(1998)の研究と同様の結果であった.

2.看護場面のリスク評価に影響する要因看護場面のリスク評価に影響する要因について

は,第 1 段階では「職位」に正の影響がみられ,背景に思考パターンを加えた第 2 段階では「職位」と情報処理スタイルの「直観的態度」に負の影響がみられた.今回の研究では,副看護師長・主任・看護係長を職位としている.第一線の監督者として,また臨床場面でのスタッフの規範として,スタッフに直接的・具体的指導や援助役割,病棟の

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管理責任など役割を持つことが,日々の看護の中でリスク評価を高めることに影響していることが考えられる.また,思考パターンでは「これまでなんともなかったので,たぶん大丈夫だろう」というような考えで判断しないことが,看護場面のリスク評価を高めることに影響していることが考えられた.

背景,思考パターンに加え,日常・交通リスク場面を加えた第 3 段階では,「職位」「経験年数」,

「日常場面のリスク評定」「交通場面のリスク評定」に有意な影響がみられた.しかし,「看護場面のリスク敢行確率」を投入して分析を行った第 4 段階の結果では,背景においては,第 3 段階まで有意であった「職位」の影響が消え,「経験年数」のみに有意な負の影響がみられた.重森ら(2004)が危険の気づきと職業経験やスポーツ経験の影響について調査した研究では,「作業や職業に関する知識や経験が増えると,その作業を行う際に目に見

える危険に気づきにくくなり,当たり前の危険として見逃してしまう可能性がある」と述べている.第 3 段階まで影響がみられた「職位」が,「看護場面のリスク敢行確率」を加えた第 4 段階でその影響がなくなったことは,知識や経験をつんだ職位を持つ看護師でもリスクが高いと評価した場合に,これまでの経験から当たり前の危険としてリスクテイキング行動している可能性があることが推察された.一方,「経験年数」については,経験年数の少ない看護師の方が,看護場面の状況に含まれる危険にはっきり気づいていないせいで,かえってリスクを高く評価し行動しない可能性が考えられた.したがって知識や経験を持つ看護師には当たり前の危険にどのように注意するかや,反対に知識や経験を持たない看護師にはどのように危険に気づくようにするかなどの具体的な指導や教育を考えていく必要性があることが示唆された.

また,第 4 段階では第 3 段階と同様に,「日常場

表5. 看護場面のリスク評価に影響する要因の重回帰分析

n= 580

第 1 段階 第2段階 第3段階 第 4 段階β β β β

背景

年齢  0.154 ns 0.151 ns

経験年数 -0.126 ns -0.167 ns -0.141 ** -0.108 **

職位 0.116 * 0.095 * 0.075 * 0.045 ns

プリセプターの経験 0.050 ns 0.063 ns 0.048 ns 0.044 ns

思考パターン

情報処理スタイル          合理性能力 0.026 ns

合理性態度 0.042 ns 0.016 ns

直観性態度 -0.098 * -0.063 ns -0.046 ns

クリティカルシンキング志向性      探究心 0.037 ns 0.055 ns 0.024 ns

誠実さ 0.060 ns 0.026 ns 0.030 ns

客観性 0.018 ns -0.033 ns -0.039 ns

リスク回避 - 志向性        生命リスク回避 0.025 ns -0.047 ns -0.045 ns

日常・交通リスク場面

日常場面のリスク評定 0.500 *** 0.505 ***

日常場面のリスク敢行確率 0.064 ns 0.202 ***

交通場面のリスク評定 0.230 *** 0.212 ***

交通場面のリスク敢行確率 -0.012 ns 0.024 ns

看護リスク場面

看護場面のリスク敢行確率 -0.295 ***

F 値 4.106 3.618 32.899 37.991

⊿R2値 0.026 0.047 0.435 0.489

β=標準偏回帰係数  p =有意確率  *:p<0.05 **:p<0.01 ***:p<0.001 ns : not significant

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面のリスク評定」「交通場面のリスク評定」に有意な正の影響がみられ,「看護場面のリスク敢行確率」で負の影響がみられた.看護場面のリスク評価に,日常・交通場面のリスク評価の影響が強かった点については,日常生活の中での危険に対する評価が,看護場面にも影響していることが考えられ,身近な生活の中で危険に気づくことできることが,看護場面で危険に気づくことに強く影響していることが明らかになった.また,「看護場面のリスク敢行確率」で負の強い影響がみられた点については,看護場面ではリスク評価が高ければ高いほど,リスクテイキング行動をとらないことが考えられ,看護場面では看護師が感じる主観的なリスクの大きさが,安全行動を取るかどうかに大きく影響していることが推察された.

一方,第 4 段階では,第 3 段階で影響がなかった「日常場面のリスク敢行確率」に正の影響がみられた.芳賀(2000)は「リスクを回避するか敢えてを行うかを判断する意思決定は,リスクの大きさの評価結果だけからなされるのではない.」と述べ,「危険をおかしてでも得られる目標の価値や,リスクを回避するための手間,『みんながやっているとか,いつもやっている.』などの状況が影響する.」という.このことから,「看護場面」で行う判断は看護師として患者の安全を守るために行う判断であり,主観的なリスクの大きさが安全行動をとるかどうかの判断の基準となっているのに比べ,「日常場面」で行う判断は自分の安全のために行う判断であり,主観的リスクの大きさ以外に,「リスクを回避することで手間がかかる」,「リスクが大きくても何かを達成したい」という思いや,そのときの周囲の状況が影響し,その後の行動を決定している可能性が考えられた.また,「交通場面のリスク敢行確率」では,第 3・第 4 段階とも影響はみられなかった.日常・交通・看護場面のリスク評定得点とリスク敢行得点の平均点と標準偏差を示した表 3 をみると,「交通場面」では「看護場面」や「日常場面」に比べリスク評価の平均は低くリスク敢行確率では高い.このことから,日常・看護場面よりも行動しても危険度が小さいと判断

していることが影響していることが考えられた.一方,思考パターンについては,第 3 段階以降

どの項目にも影響がみられなかった.松嵜ら(2004)は「看護場面のように多くの他者の利害あるいは生命に関わる状況では,一般的傾向・行動傾向は直接的には影響を及ぼさない可能性がある」と述べている.このことから,今回測定に使用した尺度が看護独自のものでなかった点が影響しているのではないかと考え,今後検討していく必要がある.

Ⅵ.結論

転倒が予測される看護場面のリスクの評価に影響する要因について検討した結果,以下のことが明らかになった.

1.看護場面のリスク評価には,「経験年数」が影響しており,経験年数の少ない看護師の方が,看護場面の状況に含まれる危険にはっきり気づいていないせいで,かえってリスクを高く評価し行動しない可能性が考えられた.一方,知識や経験を持つ看護師は,これまでの経験から当たり前の危険としてリスクテイキング行動している可能性があることが推察された.

2.看護場面のリスク評価には,日常・交通リスク場面のリスク評価が強く影響しており,身近な生活の中での危険に気づくことできることが,看護場面で危険に気づくことに強く影響していることが明らかになった.

3.看護場面のリスク評価には,看護場面のリスク敢行確率で強い影響がみられ,看護場面でリスク評価が高ければ,リスクテイキング行動はとらないことが示唆された.このことから,看護場面では日常・交通場面に比べ,看護師が感じる主観的なリスクの大きさが,安全行動を取るかどうかに大きく影響していることが明らかになった.

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謝辞:本研究にご協力いただきました看護部の皆様

に深謝申し上げます.

なお本研究は,福井大学大学院医学系研究科修士論

文に加筆・修正したものです.

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