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次世代施設園芸の全国展開 平成26年7月 資料4

次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

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次世代施設園芸の全国展開

平成26年7月

資料4

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目 次

1.施設園芸の現状 (1)日本の施設園芸の現状 (2)園芸用施設の設置実面積 (3)施設園芸の重要性 (4)施設園芸事例①~③ (5)施設園芸の支援策 (6)海外の施設園芸面積 (7)オランダの概要(農業、輸出入、産学官連携) (8)オランダ農業調査①~④(グリーンポート、大学、花き、野菜)

参考1:『次世代施設園芸セミナー』の開催 参考2:日本の植物工場を海外に売り込み 参考3:安倍総理オランダ視察(グリーンポート) 2.今後の展望 (1)今後の展開方向 (2)次世代施設園芸導入団地のイメージ (3)実際にある具体的なアプローチ例 (4)次世代施設園芸拠点におけるコスト削減例 (5)次世代施設園芸で実現すること (6)コンソーシアムで団地を運営 (7)期待される産業界と農業界の連携 (8)次世代施設園芸の中核施設 (9)[新規]次世代施設園芸導入加速化支援事業 (10)次世代施設園芸導入加速化支援事業 実施地区一覧

・・・P1 ・・・P2 ・・・P3 ・・・P4~6 ・・・P7 ・・・P8 ・・・P9~11 ・・・P12~15

・・・P16 ・・・P17 ・・・P18 ・・・P20 ・・・P21 ・・・P22 ・・・P23 ・・・P24 ・・・P25 ・・・P26 ・・・P27 ・・・P28 ・・・P29~38

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0

10

20

30

40

50

60

S50 52 54 56 58 60 62 H元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21

果 樹

花 き

野 菜

資料:農林水産省「園芸用施設及び農業用廃プラスチックに関する調査」

トンネル 簡易ハウス 鉄骨ハウス 太陽光利用型植物工場 完全人工光型植物工場

128

152

193 181 179

160 145

130

24 28 43 48 47 45

38 32

8 14 17 20 20 20 19 18

0

50

100

150

200

S50 55 60 H2 7 12 17 22

千戸

野菜類 花き類・花木 果樹類

○野菜などの園芸作物は長期貯蔵ができないため、周年的に安定供給するためには施設園芸が不可欠。 ○施設園芸の種類としては、トンネルやハウス等があるが、近年は高度な環境制御機能を有した植物工場なども見られる。

○ガラス室及びハウスは、約4万9千ha設置されており、近年微減傾向。このうち、野菜が約7割。 ○一方、施設園芸農家数は、高齢化等により減少傾向にあり、野菜作が13万戸、花き作が3万2千戸。

○ガラス室及びハウスの設置実面積の推移 ○施設園芸農家(販売農家)数の推移

○施設園芸の様々な形態

1.日本の施設園芸の現状

千ha

49,049ha

53,516ha

資料:農林水産省「農林業センサス」 1

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2.園芸用施設の設置実面積 ○園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照等を複合的にコントロールできる温室は816ha。

○今後、天候に左右されずに、安定的な作物生産を行うためには、環境制御装置を導入した温室の割合を増加させることが重要。

○我が国の園芸用施設の設置実面積 植物工場

40ha

ガラス室並びにハウスのうち複合環境制御装

置のあるもの

816ha

ガラス室並びにハウスのうち

複合環境制御装置の無いもの

48,233ha

ガラス室及びハウスの設置実面積

資料:園芸用施設及び農業用廃プラスチックに関する調査(H21)

(一般的なパイプハウス)

(植物工場)

複合環境制御装置を備えた ガラス室・ハウス

2 植物工場40haについては、「植物工場全国実態調査・優良事例調査(H26.3現在)」

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米 2兆286億円(23.8%)

畜産 2兆5,880億円(30.4%)

野菜 2兆1,896億円(25.7%)

果実 7,471億円(8.8%)

花き 3,451億円(4.0%)

いも類 1,842億円 (2.2%)

豆類 658億円 (0.8%)

麦類 440億円 (0.5%)

その他 3,327億円 (3.9%)

資料:農林水産省「生産農業所得統計(H24)」

資料:全国新規就農相談センター「新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成25年度)」

3.施設園芸の重要性

8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月

茨城・千葉県産

【露地栽培】

【露地栽培】

熊本・愛知県産

青森・福島県産

品目 面積(ha)

トマト 7,536

ほうれんそう 5,010

メロン 4,997

いちご 4,631

きゅうり 4,132

資料:農林水産省「園芸用施設及び農業用廃プラスチックに関する調査」(H21)

○野菜・果樹・花きといった園芸作物は、生産面では、我が国の農業産出額の約4割を占めるとともに、自らの工夫で高付加価値化しやすいことなどから、新規就農者の84%が中心作目として選択する重要かつ魅力ある分野。

○消費面では、食料の支出金額に占める割合が最も高い、国民消費生活上重要な品目。 また、消費者ニーズに応えるためには、施設園芸による周年安定供給が必須。

○新規就農時の中心作目 ○1世帯当たりの食料の年間支出額

○トマトの産地リレー出荷の状況 ○施設野菜の栽培延べ面積(上位5品目)

【施設栽培】

5月まで出荷

冬場の施設栽培は

野菜の安定供給上重要!

○我が国の農業産出額

農業産出額

8兆5,251億円

(100%)

資料:総務省「家計調査(H25)」

1世帯当たり

食料の年間支出金額

(897,381円)

3

油脂・調味料 4%

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商 品 ピーマンの施設園芸ハウス団地

○特徴的な取組

・種苗メーカーや県の試験場と連携し、新たな栽培方法で単収を大幅に向上。

・平成16年から同JA管内の高原地帯での夏秋栽培も開始し、周年出荷体制を構築。

・契約販売を基本とし、赤・黄・オレンジの3色1パック販売を実施。

・海外産パプリカと同程度の価格設定とし、機能性やレシピ紹介により新規需要開拓に取り組む。

○宮崎県西都市では、ピーマン価格の低迷を受け、平成12年から中型カラーピーマンを導入し、部会(部会員47戸)として取組んでいる。

○作付の拡大・出荷量の増加により、平成20年は、13.7ha、販売額6.5億円(平成12年の10倍)となり、わずか10年で国内最大の中型カラーピーマン産地を形成。

○今後は、生産技術の向上により単収・所得の向上を目指す。(単収:現状6.9t→目標8.5t)

4.事例①(中型カラーピーマンの産地化)

4

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日照量や温度・湿度を徹底管理できる温室

品質にこだわったランづくり コチョウランが生育しやすい環境

づくりのための複合環境制御

○愛知県豊橋市の花き農家(法人)(従業員48名:家族5名、常時雇用7名、パート31名、研修生5名)に

おいて、観葉植物からコチョウランへの品目転換後、規模拡大により面積13,200㎡、年間出荷量21

万鉢・販売金額4億円を実現。

○特徴的な取組

・複合環境制御システムの導入による高品質生産を行うとともに、作業の機械化による徹底した 合理化や人材育成システムの構築にも取組む。

・また、ニーズを捉えた新商品開発も行い、「大量でありながら高品質」という経営スタイルを実現。

4.事例②(コチョウランの大規模経営者)

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木質ペレットを製造 地域間伐材などの原料 木質ペレット加温機を導入し良質メロンを生産

○特徴的な取組

・遠州地域の温室メロン農家(8戸)が「遠州木質燃料利用組合」を設立し、116aの温室に 木質ペレット温水ボイラーを導入。

・これにより、燃油価格に影響されない経営の実現とともに、国内クレジット制度を活用した CO2排出削減事業にも取り組む。

○静岡県磐田市において、地域の間伐材など木質バイオマス資源の利活用により、森林再生や林業の振興を行うとともに、CO2を排出しない循環型社会の構築に寄与。

○今後、利用拡大を図るために、供給側と利用側が一体となった体制整備が必要。

4.事例③(木質バイオマス資源の利活用)

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5.施設園芸の支援策 要望・課題 効 果 支 援 策

・温度、湿度、CO2等を

制御し、周年栽培ができる丈夫なハウスを建てたい。

・ハウス内の環境を制御

することで、安定生産

を実現。

・品質の安定、契約取引

の増加。

強い農業づくり交付金

低コスト耐候性ハウスの導入

平成25年度補正予算 11,068百万円(補助率:1/2以内等)

平成26年度概算決定 23,385百万円(補助率:1/2以内等)

・木質バイオマスなどの地域資源を活用した生産から調製・出荷を行う大規模な拠点を整備して、周年・計画生産を行いたい。

・化石燃料からの脱却。

・コスト削減を実現。

・周年地域雇用の創出。

・所得向上。

大規模施設の整備

次世代施設園芸導入加速化支援事業

平成25年度補正予算 3,000百万円(補助率:定額、1/2以内)

平成26年度概算決定 2,008百万円(補助率:定額、1/2以内)

・燃油価格が高騰し経営が厳しい。

・暖房代が抑えられるよう、省エネの設備を導入したい。

・燃油価格高騰の影響

を受けにくい経営構造

への転換。

・燃油価格の急上昇によ

る経営への影響を緩和

する仕組みを構築。

燃油価格高騰緊急対策

・施設園芸セーフティネットの構築

ヒートポンプ 木質バイオマス利用加温設備

・省エネ設備の導入

平成24年度補正予算 42,530百万円(補助率:1/2以内等)

・販売力強化のため

他産地と連携したい。

・切り花の日持ち性を向上させたい。

・消費拡大のプロモーション活動をしたい。

・他産地と連携することで

周年供給が可能。

・日持ち保証販売により、

取引が増加。

・花きの無購買層、低購

買層の需要を喚起。

国産花きイノベーション推進事業 ・協議会の設置・運営

・日持ち保証販売の実証

・フラワーコンテスト・花文化展示

会等の開催

平成26年度概算決定 500百万円(補助率:定額、1/2以内)

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6.海外の施設園芸面積

日本 韓国 中国 オランダ 米国 スペイン イスラエル メキシコ

面積

49,049ha(2009)

51,829ha(2010)

2,194,000ha(2008)

9,960ha(2012)

7,980ha(2007)

66,000ha(2012)

13,000ha(2012)

9,948ha(2010)

主な施設の形態

主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主に、ガラス温室主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主に、ネットで被覆されたハウス

主に、プラスチックフィルムで被覆されたハウス

主な作物

トマトイチゴ

果菜類

育苗野菜栽培果樹栽培キノコ栽培

果菜類

花壇用苗ポット類観葉植物トマト

レタスキュウリトマト

トマト等野菜類(トマト等)

(写真

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7.オランダの農業の概要

オランダ 日本

国土面積 415万ha 3,780万ha

地形 ほぼ平坦 急峻

人口 16,575千人 128,507千人

農地面積 192万ha

(国土の約46%) 461万ha

(国土の約12%)

人口1人 あたりの 農地面積

11.6 a/人 3.6 a/人

①オランダは、低湿地帯にあり、国土の4分の1が干拓地。

最高地点は322mとほぼ平坦。

②気候は日本に比べ冷涼で、農産物生産は気候に応じた

生乳(酪農)、ばれいしょ、てんさいが上位。

③農産物の生産額は、個別の品目としては、生乳、豚肉、

牛肉が上位。野菜類、花き類は1位の生乳とほぼ同額。

品目 (上位5品目)

生産量 (万トン)

生乳 1,163

ばれいしょ 684

てんさい 528

小麦 137

豚肉 129

野菜類計 1,661

図1:オランダ位置図

品目 (上位5品目)

生産額 (百万米ドル)

生乳 4,616

豚肉 3,795

牛肉 1,573

鶏肉 1,166

ばれいしょ 1,147

野菜類計 4,813

農作物合計 18,231

花き類計※ 4,822

(参考) 農作物合計+花き 23,053

○概況

表1:日本とオランダの比較 表2:オランダの農作物生産量 表3:オランダの農作物生産額

(出典:国勢調査、作物統計調査等、 オランダ中央統計局(CBS))

(出典:FAOSTAT(2010))

(出典:FAOSTAT(2010)、 ※:花き類計はEUROSTAT(2010))より引用 9

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7.オランダの農産物の輸出入

①農産物の輸出額は世界第2位。品目は、動植物性原材料(花き、球根、種子等含む)、チーズ、タバコ

等が上位。花き類及び野菜類はそれぞれ輸出額の1割を占める規模となる。 ②オランダは、海運、陸運の便が良く、古くから物流の拠点として発展。このため、加工食品・加工品が

輸出品目の上位に来るのが特徴。

(例:タバコの葉→タバコ 、カカオ豆→チョコレート等) ③輸出の8割は、検疫、関税が無く、その多くが陸続きのEU加盟国。

○概況

品目 (上位5品目)

輸出額 (百万ドル)

動植物性原材料(主に花き等)

10,392 (うち花き 8,474)

チーズ 3,236

タバコ 3,047

調整食料品 2,945

大豆かす 2,067

(野菜類計) 7,742

農作物総額 75,523

全輸出総額 574,662

うち農作物の割合 13.1%

国名(上位5カ国) 割合(%)

ドイツ 25.5

英国 11.0

ベルギー 10.7

フランス 9.9

イタリア 5.8

(EU加盟国合計) 81.4

品目 (上位7品目)

輸入額 (百万ドル)

動植物性原材料 (主に花き等)

2,655

大豆かす 2,242

カカオ豆 2,159

大豆 1,564

パーム油 1,466

調整食料品 1,257

小麦 1,079

総額 46,794

○EU市場という検疫、関税のない単一市場の存在により、栽培に面積を必要とする

小麦等の穀物は輸入に依存しつつ、集約的な栽培が可能で収益性の高い野菜類、花 き類や、地理的条件を活かした加工品を輸出。

表4:オランダの農作物輸入額 表5:オランダの農作物輸出額 表6:オランダの主な農作物輸出先国

(出典:FAOSTAT(2010)) (出典:FAOSTAT, GLOBAL TRADE ATLAS(2010))

(出典:CBS(2008))

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7.オランダ農業の強み(産学官連携)

○ ワーゲニンゲン大学の事業目的の半分は研究開発である。以前はオランダ政府からの補助金だったが、現在はEUからの補助金が多い。実践の場を持つ大学機能はEU内でも少なく、全欧州で高い評価。

○ 研究開発には、企業やコンサルタント会社、農業生産者組合も支出する。定期的に成果報告を行い、彼らのチェックを受け、実践的な研究だけが生き残れる。研究内容が「研究の為の研究」には陥らない。

○ その結果、研究者・企業・生産者の、研究開発分野への意識が共有化され、誰に聞いても、施設園芸の現状と課題、将来何をすべきか、同じ答えが返ってくる。

○ 150㎡ほどの研究室で得られた成果は、1000㎡ほどの実証施設で試験し、実用化される。

○ 農業・食品科学の「智のインフラ」として、フードバレーを設置し、農業技術の研究開発の継続的な進化・発展を図っている。その中心がワーゲニンゲンURであり、国立及び民間の研究機関、企業等が周辺に研究所を設け、日常的な情報交換、研究者交流を行い、日々新たな技術が世に出ている。

○ またそれらの研究開発や新しい農業技術に精通したコンサルティングを生産者が活用することにより、生産性が向上している。

生産者組合ワーゲニンゲンUR

ワーゲニンゲン大学 リサーチセンター 農業コンサルタントグリーンハウス

事業者

農業関連企業

実学的な研究開発の体制

政府・EU→ 研究開発成果「知」の流れ

→ 研究開発費の流れ出典:株式会社 三菱総合研究所 11

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8.オランダ農業調査①(グリーンポート)

オランダは、国内5カ所に園芸生産者や研究機関、関連企業等が集まったグリーンポートと呼ばれるクラスターを形成。

グリーンポートの1つであるウエストランドにて、市長から地域農業について説明。

ウエストランドのパプリカハウスにて、作業台車に乗り、説明を受ける林大臣。

オランダでは、農業分野のIT化も進んでおり、作業者の労務管理にも技術活用。

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8.オランダ農業調査②(ワーヘニンゲン大学)

大臣が視察したワーヘニンゲン大学研究センターでは、産学官連携により最先端の研究を実施。

企業とのタイアップにより、生産エネルギーを60%節約するコチョウラン等の栽培実証(写真:左上、右上)や、光の錯乱度合いを変化させる研究(写真:左下)、バイオマス燃料としての活用を目的とした藻類栽培の研究(写真:右下)等を行っている。

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8.オランダ農業調査③(施設園芸花き)

オランダでは作業の機械化が進み、コチョウラン生産では、ハウス内の移動や出荷のための選別は機械で行われている。(写真:左上、右上) キク生産においても、苗の生産は自動で行われ、生産された苗は各国に販売。(写真:左下、右下)

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8.オランダ農業調査④(施設園芸野菜)

6軒の生産者グループが中心となり、「Tomato World」というトマトの情報交換、展示、研修を行う場を設立。種苗、資材・機材、研究、金融等約40の企業もスポンサーとして支援。

天然ガスエンジンにより、熱、電気、CO2

を利用するトリジェネレーションシステムを導入。

園芸ハウスには出荷パッキングセンターが併設され、流通コスト削減を実現。

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参考1:『次世代施設園芸セミナー』の開催

セミナーの冒頭に林農林水産大臣からあいさつ 経団連農政問題委員会共同委員長 住友化学(株)十倉社長からあいさつ

経団連、日本商工会議所会員の民間企業、 農業者団体、都道府県など約200名が参加

会場では活発な意見交換が行われた

開催日:平成25年10月10日(木) 於 農林水産省本省

目 的 : 次世代の施設園芸を展開するためには、民間企業や生産者、地方自治体等の協力体制の構築が大切である

とともに、産業界の最新技術やノウハウを農業界に活かす異業種連携を具現化することも重要なポイント。本セミ

ナーでは、園芸先進国オランダの状況や、国内の優良事例等について紹介するとともに、農業界から産業界まで

幅広い参加者から意見を聴取し、今後の施策へ反映させる場とした。

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19 植物工場に関する商談・問い合わせに対応。非常に関心が高く、盛況。

安倍総理の冒頭あいさつ 日本施設園芸協会の篠原会長の

プレゼンテーション

“日・カタール・ビジネスフォーラム”

(平成25年8月28日(水)、場所:シェラトンホテル・ドーハ)

植物工場のプレゼンテーションも実施。 カタールでは、2社の植物工場を紹介。 ・エスペックミック株式会社 ・ジャパンドームハウス株式会社

参考2:日本の植物工場を海外に売り込み

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参考3:安倍総理オランダ視察(グリーンポート)

林大臣と同じ視察先を訪問

シャロン・ダイクスマ農相の 挨拶を受ける安倍総理ほか

温室で作業台車に乗る安倍総理

日 時:平成26年3月25日(火) 現地時間16:40~17:20

場 所:オランダウエストランド パプリカ農場(Valster Brothers社) ● 核セキュリティサミット後、施設園芸農場を訪問。当日は、室内説明の後、パプリカを栽培する温室を視察。総理は、パプリカの試食や高所作業台に乗り温室内を一望し、天然ガスエンジンとICT技術の活用に高い関心を示された。

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今後の展望 ~地域の中核となる施設園芸~

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次世代施設園芸拠点のイメージ

【展開方向】 オランダを参考に、地域資源によるエネルギー供給から生産、調製・出荷までを一気通

貫して行う次世代施設園芸拠点を推進し、コスト削減と地域雇用創出を行いながら所得倍増を実現させる。

林農林水産大臣によるオランダ視察

【目 的】産学官が一体となった施設園芸の視察 【視察先】グリーンポート(施設園芸クラスター) ワーヘニンゲン大学研究センター 【視察日】平成25年5月31日

IT技術により自動化された栽培システム

大規模化された 視察先の園芸施設

各団地で30~100名の雇用

各団地間で雇用調整 →周年雇用体制

団地の雇用者は、 地域の草刈り、水路保全等 地域を支える役割も担う

花き団地 トマト団地

きゅうり団地 ピーマン団地

植物工場でクリーンな苗を生産

種苗供給センター

出荷

種苗

出荷

出荷センター

種苗

出荷

出荷

木質バイオマスや家畜・水産バイオマス等地域の未利用エネルギーの活用。 原料の収集・運搬・搬入

エネルギー供給センター

例:木質ペレット加温機

< 大規模な施設園芸団地を集結 >

コンソーシアム

研究者 生産者 民間企業

コンサル 自治体 ●地産地消のエネルギーを利活用。

●高度な環境制御技術により周年・計画生産を実施。

●出荷センターを併設することにより、調製・出荷を効率化。

●コスト削減と地域の雇用創出。

1.今後の展開方向

20

Page 23: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

2.次世代施設園芸団地のイメージ

種苗供給 センター

出荷 センター

完全人工光型植物工場

大規模な温室

先端技術導入 [例]

遠隔管理による大規模施設の環境制御技術

集積された団地

マイコン基盤「USE」

気象観測装置

屋外温湿度計暖房機

各種スイッチ設定コンソール

循環扇

天窓制御装置

温湿度計 カーテン制御装置

側窓制御装置

インターネット

先進技術導入 [例] トマトの一段密植 養液栽培

エネルギー供給

種苗

木質バイオマス等の地域資源エネルギー

集積効果を最大化!

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Page 24: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

エネルギー

生産技術

種苗供給

流通販売

・安定生産に良質な苗の供給が不可欠。

・完全人工光型植物工場である「苗テラス」は、温度、光、 CO2を制御し、20~30日で苗を生産。

・気象条件に左右されないため、 計画的に、病害虫に侵されない

クリーンな苗の安定供給を実現し、新たな栽培技術の要となる。

・高知県内に142台、熊本県内に は60台の木質バイオマスボイラー が導入済み。今後、更なる転換を 推進していく体制。(H24年度時点) ・両県ともに、燃料の安定確保のた め、県や原料供給業者、燃料製造 業者、利用者等で構成される協議 会で円滑な運営に繋げる。 ●1000kcalあたり単価

A重油: 9.5円(H24年の年平均単価を基に計算) 木質ペレット:9.25円前後 木質チップ:4.4円前後 ※計算に用いたペレット、チップの価格は 高知県内に流通する単価を使用

左:チップ 右:ペレット

ペレットボイラー

・JA全農の一段密植養液栽培の 様子。現在、トマトの全国平均 収量は約11t/10aであるが、苗テラ スを活用したこの栽培システム により、約20t/10aを達成。 ・その他、栽培方法は異なるが、 (株)誠和は、ハウス内の環境を 制御することで、約50t/10aを達成。

・オランダでは、集約された施設 に出荷センターが併設されてい る。 ・流通コストを削減するばかり ではなく、生産状況を素早く且 つ正確に把握することで有利販 売に繋げている。

→ 化石燃料依存からの脱却 → クリーンな苗を安定供給

→ 高収量で所得アップ → 流通コスト削減、有利販売

● 次世代施設園芸団地を実現させるためには、これらを集結させ、拠点となる地域で実証するのみ。

3.実際にある具体的なアプローチ例

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Page 25: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

4.次世代施設園芸拠点におけるコスト削減例 ● 重油から木質バイオマスへの転換や、施設の集約化により、各種コストを実現。

バイオマス燃料製造工場

燃料ストックヤード

出荷センター 燃料運搬

出荷運搬

次世代施設園芸拠点

燃料ストックヤード

出荷センター

バイオマス燃料製造工場

従来の産地

20t

3t

20戸の産地

3500㎡/戸

70000㎡/団地

3500㎡/戸が20戸集まった

3台/戸

出荷:往復30分10㎞

燃料運搬:往復30分10㎞

1戸3,500㎡の農家20戸が地域に散在した産地 1戸3,500㎡の農家20戸が1つの団地を形成した産地

≪主な条件≫ 品目:大玉トマト 産地全体面積:70,000㎡ 産地全体の重油使用量:210,000L(3,000L/1,000㎡) 燃料価格・・・重油:90円/L ペレット:30円/kg チップ:11円/kg

< 試 算 結 果 >

重油から木質燃料に変 えた場合

●燃料を重油から木質バイオマスに変えると年間約30~35%の燃料費削減。

木質燃料の運搬方法を 変えた場合

●ハウスが20箇所に散在している場合と、1箇所に集約されている場合を比較すると、集約化により、最大85%の運搬コスト削減。

共同のボイラーを導入し た場合

●集約化した団地に共同の大型ボイラーを導入することで、約56%のボイラー本体コスト削減。

併設した出荷センターを 利用した場合

●散在する20箇所から、各農家が調整した農産物を出荷センターに運ぶ場合と、20戸が1箇所に集約化した団地に併設される出荷センターで調整・出荷する場合を比較すると、集約化することで、年間約41%の出荷コスト削減。

23

Page 26: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

●地産地消エネルギーを利活用 ●高度な環境制御技術により周年・計画生産を実施

●出荷センターを併設することにより、調製・出荷を効率化

●コスト削減と地域雇用の創出

5.次世代施設園芸で実現すること

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Page 27: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

○最新栽培技術開発・実証 ○機能性分析

○地域活性化プランの推進、用地調整、 計画とりまとめ

都道府県等

○生産システムのマネジメント

○出荷・取引に係る計画策定・実行

○経営・技術指導

普及機関 ○施設の開発・導入 ○低コスト化

民間企業

○ニーズ把握 ○直接買取り

連携

● 先端技術をもつ民間企業や強固な販路を持つ実需者等がメンバーとなるコンソーシアムで団地を運営。

● 研究機関や普及機関も新技術導入等を重点的に支援。 ● 養液システムやフィルムメーカー等の農業分野の民間企業による高度な技術指導を実施。 ● 商社やカット野菜メーカー等が生産から流通販売まで参画し、作付品目、数量等を決定。 ● 参画する担い手の経営診断を実施し、長期にわたる団地経営の健全化。

研究機関

導入時の支援、新技術導入実証

支援 支援 支援

実需者 生産者

コンソーシアム

共同で団地を運営

6.コンソーシアムで団地を運営

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Page 28: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

7.期待される産業界と農業界の連携

産業界では当たり前の知見やノウハウも、農業にとっては飛躍的に発展させる要素となり得るものが多く存在。これからは、農業界の発想、取組の枠にとどまることなく、産業界の最先端の技術を活用し、農業の成長産業化に繋げていきたい。

産業界にとっても新たなビジネスチャンスになることを期待。

通信メーカー等が開発する先端的な高度環境制御システムの開発・導入

カット野菜メーカーや物流業者の販売網を活用した販売

養液メーカー等が参画し、先端技術の導入・指導

金融機関による経営指導やビジネスマッチング

外食・中食メーカーとの契約販売による販売先の確保

農業の体質強化、成長産業化を進めるために

農業の成長産業化、イノベーション

連携

家電メーカーが開発した製品(エアコンや光源等)を団地に導入

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Page 29: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

エネルギー供給センター

○木質バイオマス等地域の未利用エネルギーの活用。

・木質バイオマスエネルギー等、地域のエネルギーを活用し、抜本的な化石燃料からの脱却を推進。 ・エネルギー供給センターを設置し、団地にエネルギーを供給することで、個別のハウスに燃料を輸送する経費を削減することも可能。

種苗供給センター

○植物工場でクリーンな苗を生産。

・環境が制御された苗供給センターを活用。多品目で構成される団地に年間を通じて計画的に種苗を供給。

施設園芸団地における生産

・トマトやピーマン、花き等の多品目、大規模な施設園芸団地を集結。 ・環境制御システムや新技術導入を行い、生産性向上。 ・周年雇用を実現し、地域の農地整備等、集落機能の維持にも活用。

出荷センター

・団地に出荷センターを併設。 ・調製・出荷コスト削減や生産情報管理による有利販売を実現。 ・企業と直結した出荷を実現。

ペレットボイラー

苗生産施設 トマト苗

トマト レタス

収集・運搬

出荷

ハウス団地

※高収量を実現するトマトの新たな栽培技術である一段密植養液栽培では、年間を通して苗が必要となるため、完全人工光型植物工場を活用し、クリーンで高品質な苗を計画的に生産。

林地残材

ペレット

種苗

8.次世代施設園芸の中核施設

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Page 30: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

対策のポイント

政策目標

主な内容

1.次世代施設園芸推進に必要な環境整備

民間企業や生産者をはじめ、地方自治体や研究機関等が構成員となるコンソーシアム(協議会)で運営方針等を協議し、異業種連携・直接流通等の差別化販売のためのマッチング等の取組を支援します。

2.次世代施設園芸拠点の整備

次世代施設園芸拠点の中核施設となる木質バイオマス等の地域の未利用資源を活用するエネルギー供給センター、完全人工光型植物工場を活用した種苗供給センター、高度な環境制御を行う温室、集出荷施設等の整備を支援します。

3.次世代施設園芸推進に必要な技術実証の推進

生産コスト縮減のための新技術実証や野菜の機能性等を向上させる生産技術実証、未利用資源・エネルギーの活用に係る実証等の取組を支援します。

整備地区において、化石燃料使用量を5年間で3割削減するとともに、地域の所得向上や雇用創出を実現。

先端技術と強固な販売力を融合させ、生産から調製・出荷までを一気通貫して行うとともに、地域資源を活用したエネルギーを活用する次世代施設園芸拠点の整備を進めます。

補助率:定額、1/2 実施主体:民間企業、生産者、地方自治体等からなるコンソーシアム等

26年度当初予算:2,008百万円

25年度補正予算:3,000百万円 9.[新規]次世代施設園芸導入加速化支援事業

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Page 31: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

北海道(苫小牧市) イチゴ (4ha) 木質バイオマス

富山県(富山市) トマト(2.9ha) トルコギキョウ等花き(1.2ha) 廃棄物由来固形燃料 静岡県(小山町)

トマト(3.2ha) ミニトマト(0.8ha) 木質バイオマス 兵庫県(加西市)

トマト(4ha) 木質バイオマス

高知県(四万十町) トマト(4.3ha) 木質バイオマス

宮崎県(国富町) ピーマン(2.3ha) きゅうり(1.8ha) 木質バイオマス

埼玉県(久喜市) トマト(4ha) 木質バイオマス

宮城県(石巻市) トマト(1.2ha) パプリカ(1.2ha)

木質バイオマス、地下水

大分県(九重町) パプリカ(2.4ha) 温泉熱

※赤字の地区は、平成26年度新規採択地区

10.次世代施設園芸導入加速化支援事業 実施地区一覧

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Page 32: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 北海道拠点

コンソーシアム構成員

施設整備主体

栽培品目・面積(ha)・栽培方法

・イチゴ 4ha

収量(t)

事業実施概要

①新商品の企画・試作による地域ブランドの確立、②次世代施設園芸コンソーシアムの運営検討会の開催、③ホームページの作成等取組のPR活動、④海外販路拡大に向けた取組、⑤イチゴ生産技術等調査等を実施する。

環境整備

2haのハウス2棟を整備する。併せて収穫物の選果、貯蔵、出荷調製を行う集出荷貯蔵施設、並びにウィルスフリーの苗生産センター(完全人工光型苗生産施設)を整備し、高品質で安価な苗を安定的に生産する。エネルギー供給センターについては、木質チップを燃料としたチップボイラーから熱を供給し、化石燃料使用量を31% (チップ年間約800t) 、燃料費39%をそれぞれ削減する。

拠点整備

①イチゴ栽培ベンチ内の暖房、ベンチ周辺の暖房(温度)、細霧冷房、CO2を施用する技術、 ②高度な環境制御技術の実証を実施する。

技術実証

太陽光利用型植物工場

(2.0ha)

住所:北海道苫小牧市柏原41-1苫小牧東部工業団地内

北海道

木質チップボイラー施設

200kW×2

集出荷センター兼管理センター

744㎡

完全人工光型苗生産施設

500㎡

ポイント

● 夏季の冷涼な気候を生かしたイチゴの周年生産の実現。 ● 高度な環境制御技術により単収10t/10aを目指す。

・イチゴ 443t(10.6t/10a×2ha×2)

民間事業者、生産者、実需者、地方自治体、研究機関、その他

北海道次世代施設園芸コンソーシアム

農業生産法人

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

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Page 33: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 宮城拠点

コンソーシアム構成員

民間企業、生産者、地方自治体、実需者、 研究機関、普及機関、その他

施設整備主体

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

栽培品目・面積(ha)・栽培方法 ・トマト ・パプリカ

1.2ha(長期多段栽培) 1.2ha(長期多段栽培)

収量(t)

・トマト 420t ・パプリカ 240t

事業実施概要

東日本における次世代施設園芸の取組が地域に理解され、拠点となって普及発展させるための協議、研修、情報発信を行なう。

環境整備

1.2haの温室を2棟整備し、木質チップを燃料としたバイオマスボイラー、石巻の整備地区の環境を生かした地中熱・帯水層利用の冷暖房設備、LPGボイラーから熱とCO2を供給し、燃料コストを30%カット。完全人工光型植物工場での種苗供給設備、収穫物を選別、保管、出荷調整する出荷センターを整備する。

拠点整備

・木質バイオマスや帯水層由来のエネルギー利用による冷暖房とLPGボイラーの排ガス利用によるCO2施用を通じ、季節、天候、時間帯で複合環境制御を行う省エネ・省力に向けた技術の実証。5年後に化石燃料使用量30%削減、燃量費30%削減を目指す。 ・水分、施肥などの栽培条件により、生産物の品質、収獲量を向上させ、更に機能性成分を高める養液栽培技術の実証。

技術実証

● 次世代施設園芸の実践による農業復興の加速化。 ● オランダの高度な栽培技術を取り入れ、地域エネルギーとして木質バイオマスと地下水を活用。

住所:宮城県石巻市北上町橋浦字北釜谷崎226

農業生産法人

エネルギー供給センター1000㎡

トマト

12,320㎡

パプリカ

12,096㎡

出荷センター

2,976㎡

種苗供給センター

45.9㎡

石巻北上プロジェクト

ポイント

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Page 34: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 埼玉拠点

コンソーシアム構成員

民間企業、生産者、地方自治体、研究機関、 普及機関、その他

施設整備主体

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

栽培品目・面積(ha)・栽培方法 ・トマト 4ha(密植栽培)

収量(t) ・トマト 1,200t(30t/10a×4ha)

事業実施概要

「トマト」の高糖度・高リコピントマトなど差別化による高品質・安定生産技術に向けた調査・検討会を実施。販売価格の維持、向上のため、異業種との意見交換やマーケティング調査を実施。

環境整備

1haのハウス4棟を整備し各ハウスごとに木質ペレットボイラー(50万kw)を設置、完全人工光型の種苗供給施設と出荷センターを整備。 →化石燃料の使用量を30%削減。

拠点整備

「トマト」の密植栽培4ha。 →複合環境制御施設を導入し、生産コストの削減を図るとともに、ICTを活用した大規模実証を実施。

技術実証

● 低段密植栽培技術により、トマトの単収30t/10aを目指す。 ● 高度なICT技術であるユビキタス環境制御システム(UECS)を大規模に導入。

農業生産法人

ポイント

埼玉次世代施設園芸コンソーシアム

エネルギー供給センター (木質ペレットボイラー) (100㎡×4か所)

出荷センター (500㎡)

種苗供給センター (500㎡)

嵐山町

さいたま市川越市

熊谷市

川口市

行田市

所沢市

加須市

東松山市

狭山市

羽生市

鴻巣市

深谷市

上尾市

草加市

春日部市

越谷市

久喜市 幸手市

杉戸町

宮代町白岡町

蓮田市

松伏町

吉川市

三郷市

八潮市鳩ヶ谷市蕨市

戸田市

和光市

朝霞市

志木市

新座市

富士見市

三芳町

ふじみ野市

入間市

伊奈町桶川市

北本市

吉見町

川島町坂戸市

鶴ヶ島市

日高市

毛呂山町

越生町

鳩山町

滑川町小川町

ときがわ町

秩父市

飯能市

本庄市

横瀬町

小鹿野町

皆野町

寄居町長瀞町

美里町

上里町

神川町

東秩父村

久喜市

住所:埼玉県久喜市六万部

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Page 35: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 静岡拠点

コンソーシアム構成員

栽培品目・面積(ha)・栽培方法 トマト ミニトマト

3.2 ha (低段密植栽培) 0.8 ha (低段密植栽培) 計4.0 ha

事業実施概要

県立大学の協力により高糖度トマトのマーケティング戦略策定とブランド化を図り、平均単価とともに販路拡大を図る。生産面は、オランダ等の先進地研究により生産効率の向上、低コスト化を図る。

環境整備

4haの団地を整備し、農業法人により高糖度トマトを3.2ha、ミニトマトを0.8ha生産する。エネルギーは、近隣の既存ペレット工場より供給し、木質ペレットと重油を組み合わせたハイブリッド暖房を行う。これにより、化石燃料の50%削減、燃油経費の15%の削減を図る。

拠点整備

温湿度、二酸化炭素等の制御により光合成を最大とする環境制御装置を、全施設(4.0ha)で導入・実証する。エネルギーについては、木質ペレットボイラーを主体とする重油ボイラーとのハイブリッド制御について、技術確立と実証を行う。

技術実証

住所 : 静岡県駿東郡小山町湯船原

N

収量(t)

トマト 228 t/年( 7.1 t/10a× 3.2 ha) ミニトマト 24 t/年

トマト(4ha) 種苗・出荷センター

既存木質ペレット工場(2,000t/年)

ポイント

● 豊富な木質資源の有効活用による化石燃料削減。 ● 豊富な日照、交通インフラ等の地の利を生かした高糖度トマトの周年栽培及び雇用創出。 ● ICTを活用した統合環境制御による生産性の向上と、マーケティング戦略策定によるブランド化推進。

施設整備主体

民間企業、生産者、実需者、地方自治体、研究機関、普及機関

富士小山次世代施設園芸推進コンソーシアム

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

農業生産法人

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Page 36: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 富山拠点

収量(t・本)

事業実施概要

平成25年度は該当なし、平成26年度は、次世代施設園芸コンソーシアムの運営検討会の開催や推進のための効果的な運営を実施する。また、異業種(医療等)連携のための取組、障がい者雇用や福祉への貢献、そして消費者及び実需者ニーズの把握(花卉分野等)を実施する。

環境整備

拠点整備

技術実証

民間企業、実需者、地方自治体、研究機関、その他

フルーツトマト 養液土耕 2.8584ha トルコキキョウ、ラナンキュラス、カンパニュラ 土耕 1.2ha

ポイント

● 安定的に供給される廃棄物燃焼熱を利用。 ● 米専作地帯における大規模施設園芸のモデル的導入。

富山スマートアグリ次世代施設園芸拠点整備協議会

栽培品目・面積(ha)・栽培方法

施設整備主体

コンソーシアム構成員

民間企業

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

・フルーツトマト 505t(17.67t/10a×2.8584ha) ・トルコキキョウ 459千本

・ラナンキュラス 762千本

・カンパニュラ 210千本

富山県

▼富山県全体図

種苗施設

種苗施設

集荷場

住所:富山県富山市婦中町

<平成25年度>フルーツトマトの温室及び冷暖房設備を9棟(1.8504ha) を整備し、非化石燃料である廃棄物由来の固形燃料等を利活用した既存の発電付きボイラー(約1,500kw)からの熱電併給システム(オフライン供給設備)を整備することで、コスト競争力のある拠点形成を実現。また、フルーツトマト用の育苗施設を備えた種苗供給施設、収穫物を選果、保管出荷調製する施設を整備する。<平成26年度>フルーツトマトの温室及び冷暖房設備を9棟(1.0080ha) 、花卉の温室及び冷暖房設備を10棟(1.2ha) を整備、また、花卉用の育苗施設を備えた種苗供給施設を整備する。

ICT活用による経験と勘に基づく農業から科学に基づく農業の実証結果が得られ、またウェアラブル端末等を活用し、センサーではデータ化が困難な専門農家等のナレッジの共有化を図り、作業効率向上、次世代人材の迅速な育成を実現するための実証を行う。<平成25年度>フルーツトマトの温室にてICT等を活用した高度環境制御システムの導入実証<平成26年度>花卉の温室にてICT等を活用した高度環境制御システムの導入実証。

34

Page 37: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

次世代施設園芸 兵庫拠点

・トマト 4ha(長期長段栽培)

収量(t)

事業実施概要

環境整備

●1haのフェンロー型ガラス温室4棟を整備しトマトを生産。 ●木質チップを燃料としたチップボイラーから熱源を供給し、化石燃料の使用量を83%削減。 ●温室生産に係る光熱動力費を、環境制御技術、木質バイオマス利用等により、収量1kgあたり50.3円(県の指導指針)から5年後には42.2円へと16%削減を目指す。

●施設園芸の計画生産のため、完全人工光の施設を備えた種苗生産施設を整備するとともに、集出荷貯蔵施設を一体的に整備し、効率的な施設運営を行う。

拠点整備

●トマト4haで統合環境制御技術、細霧冷房による温度・湿度管理技術、農薬に頼らない安全安心な生産技術等を大規模実証。 ●栽培技術力の向上のための検討会の開催や先進地調査を行う。 ●既存の施設園芸農家の品質・収量アップと収入向上に繋がる生育・作業データ等の還元・ 助言を行うなど団地外への普及拠点に位置づける。

技術実証

県公社

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

住所:兵庫県加西市鶉野町・野条町

ポイント

● 統合環境制御技術によりトマトの単収35t/10aを目指す。 ● 大型チップボイラーによる低コストなエネルギー供給。

兵庫県次世代施設園芸モデル団地運営協議会

・トマト 1,400t(35t/10a×4ha)

栽培品目・面積(ha)・栽培方法

施設整備主体

コンソーシアム構成員

民間企業、生産者、実需者、地方自治体、研究機関、普及機関、その他

トマト (1ha)

トマト (1ha)

トマト (1ha)

トマト (1ha)

駐車場 エネルギー供給施設

種苗生産施設

管理棟

集出荷施設

●民間企業や生産者をはじめ、県・市町や研究機関等が構成員となるコンソーシアムを組織する。

●先端技術や実需者ニーズのほか、海外向けの販売や若手農業者の育成についても情報共有や課題抽出・解決に向け取り組んでいく。

●取組成果を広く周知していく。 35

Page 38: 次世代施設園芸の全国展開 - maff.go.jp...2.園芸用施設の設置実面積 園芸用施設の設置実面積は、ガラス室、ハウス併せて49,049ha。 このうち、植物工場のような高度な環境制御装置を備えているのは40ha。温湿度、日照

トマト (1.4ha)

トマト (1.5ha)

トマト (1.4ha) 種苗供給センター

エネルギー供給施設

LPGタンク

エネルギー供給施設

次世代施設園芸 高知拠点

事業実施概要

コンソーシアム構成員

住所:高知県高岡郡四万十町黒石

集出荷施設 1,000㎡×3棟

ポイント

● おが粉を利用した、大型木質バイオマスボイラーの導入により、化石燃料の使用量を削減。 ● 隣接する担い手育成センターと連携し、拠点の成果を農業者に普及。

高知県次世代施設園芸団地推進協議会

拠点整備

技術実証

環境整備

・4.3ha(1.5ha×1棟、1.4ha×2棟)の高軒高ハウスを整備し、大型木質バイオマスボイラーにより、ハウスに熱源を供給し、化石燃料の使用量を大幅削減。 ・選果プラントを備えた集出荷施設と整備。

・複合環境制御装置や炭酸ガス施用装置、細霧装置を導入し、トマト4.3haで多収穫技術を大規模実証。 ・高軒高ハウスにおいて養液栽培システムを利用し、トマト4.3haで長期多段取り周年安定生産を大規模実証。 ・大学との連携により、栽培環境及び植物の生体情報計測・植物診断等の実証。

・先進地技術研修、外部講師による先進技術・経営セミナーの実施などによる技術研修を実施。 ・安定販売のための契約出荷。また、県園芸連の物流システムを活用した県内外への市場出荷。 ・市場調査や商談会への参加などによる実需者とのマッチング。高知県の進んだIPM技術や、四万十川の知名度を活かしブランド化。

民間企業、生産者、実需者、地方自治体、研究機関、普及機関、その他

施設整備主体

栽培品目・面積(ha)・栽培方法

・トマト 4.3ha(長期多段栽培)

収量(t)

・トマト 1,591t/年

園芸施設 エネルギー供給施設 集出荷施設

種苗生産施設 県

農業生産法人

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次世代施設園芸 大分拠点

コンソーシアム構成員

民間企業、生産者、地方自治体、実需者、普及機関、その他

施設整備主体

農業生産法人

栽培品目・面積(ha)・栽培方法 ・パプリカ 2.4ha(ハイワイヤー栽培)

収量(t)

・パプリカ 393t/年

事業実施概要

契約販売を確保するため国内量販店の仕入れ代行業務を行う(株)新三協食品流通センターと販売先の開拓や商品開発を行う。

また、国内外のマッチングイベントへの参加によりニーズ調査や販路拡大を行う。更には、生産状況等の情報発信を行い販売力の強化を図る。

環境整備

2.4ha(1棟)のパプリカ温室を整備し、地熱水(40万kcal×井戸2本)を熱交換器により、高いエネルギー効率で一括供給し、施設内暖房に活用し、燃料コスト50.5%削減。その他、育苗施設、収穫物を保管、出荷調整する出荷センターを整備する。

拠点整備

高品質、高収量を実現するため、高度環境制御システムによる生産性向上の実証を行う。

技術実証

● 地域エネルギーとして温泉熱を活用した大規模施設園芸の実践。 ● 高度環境制御技術によるパプリカの周年安定供給。

泉源①

泉源②

住所:大分県玖珠郡九重町大字野上3905-1

泉熱供給

ポイント

大分県次世代施設園芸推進協議会

泉熱供給

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

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次世代施設園芸 宮崎拠点

コンソーシアム構成員

栽培品目・面積(ha)・栽培方法

収量(t)

事業実施概要 環

境整備

拠点整備

技術実証

ポイント

● 高度なICT技術であるユビキタス環境制御システムを導入。 ● JAの担い手育成システムと連携し大規模・集約化のモデルとして地域へ波及。

宮崎中央地域次世代施設園芸団地運営コンソーシアム

・ピーマン 345t(15t/10a×2.3ha) ・きゅうり 450t(25t/10a×1.8ha)

民間企業、生産者、実需者、地方自治体、その他

施設整備主体

農協

・ピーマン 2.3ha(促成栽培) ・きゅうり 1.8ha(抑制・半促成栽培)

高度な環境制御が可能なハウスを整備する他、2次育苗施設を備えた育苗施設、収穫物を保管、出荷調整する集出荷施設を一体的に整備する。

複合環境制御システムを核として、高度な多収栽培技術や木質バイオマス暖房機等の有効活用によるコスト削減、栽培管理履歴・生育データを取り込んだ高度生産管理システムの導入・実証を行う。

契約販売率を高めるため、天敵等を活用した減農薬栽培等による差別化販売に取り組むとともに、販売先確保や生産技術の情報収集のため先進地調査を行う。

園芸施設 エネルギー供給施設 種苗生産施設 集出荷施設

拠点

きゅうり1.8ha

ピーマン2.3ha

住所:宮崎県国富町向高地区

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ご清聴ありがとうございました

お問い合わせ先: 生産局 花き産業・施設園芸振興室(03-3593-6496)