1
当日緊急(危機的出血)時の検査科での対応状況 13:40 患者搬送される(救急車ではなくタクシーで)。 15:00過ぎ 手術室からO型RCCの在庫状況を聞かれる。 在庫はO型RCC9単位(内4単位予約)FFP在庫無し。 16:00頃 在庫分5単位をクロスし手術室に搬入。 16:20 在庫分として4単位発注(19時頃まで)(Hb 6.4g/dl) 16:35頃 O型RCC10単位請求される。 16:40 RCC6単位発注 17:20 RCC10単位発注 17:30 RCC10単位・FFP10単位・PC20単位発注 18:10 RCC16単位到着(1時間30分すぐに手術室に搬入(後追いでクロスマッチ)(Hb 2.9g/dl) 18:30 RCC18単位・FFP10単位・PC20単位到着(1時間10分19:00 RCC10単位・FFP10単位発注 20:00 RCC10単位・FFP10単位到着(1時間RCC44単位・FFP20単位・PC20単位 発注 RCC6単位・FFP6単位 返品 手術時、RCC33単位・FFP20単位・PC20単位輸血され、 後日病棟でRCC6単位・FFP4単位輸血されている。 当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見 当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見 出血のスピードが急速となり、循環系が大きく変動 する直前から輸血を開始できたことは結果的に大き かった。 出血源の特定に時間を要したものの、手術的に原因 を除去し、止血できたことが救命に繋がったと思う。 患者が若年女性であったことも好結果をもたらした かもしれない。 手術後の経過 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 0 1 1 2 3 4 7 9 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 WBC Plt pH pCO2 Hb PT-INR SIMV 術後外科転科 抜管 Mチューブ抜去 DOA;10μg/kg/FOY;33mg/kg/UTI30万単位/整形外科転科 FFP4単位 RCC;計10単位 CV抜去 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 () 0 (右上腕骨骨接合術) Foley抜去 ドレーン抜去 () 手術 希望退院 右上腕骨のレントゲン所見 入院時 手術後(プレート固定術) 右上腕骨 近位端骨折 最 終 診 断 #1. 妊娠36週6日、既往帝王切開(2回)、交通外傷 #2. DIC #3. 胎児機能不全 #4. 子宮破裂 #5.弛緩出血 #6.出血性ショック #7.右上腕骨近位端骨折 15時56分、全麻帝切で女児出生、2668g、Ap 1(1’)/4(5’)/6(10’)。 出生直後心拍確認されず、直ちに気管内挿管。1分で心拍聴取。 3分でエピネフリン気管内投与。徐々に回復。生後4日目まで 人工呼吸管理を行ったが、その後経過良好。生後30日目に退院。 新生児の経過 手術術式:帝王切開術+止血術+子宮全摘術 手術時間:4時間42総出血量:7815ml 術中輸血:RCC 28単位(3640ml)+FFP 15単位(1200ml+自己回収血 470ml

手術後の経過 - mhlw...手術時、RCC33単位・FFP20単位・PC20単位輸血され、 後日病棟でRCC6単位・FFP4単位輸血されている。 当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見

  • Upload
    others

  • View
    7

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 手術後の経過 - mhlw...手術時、RCC33単位・FFP20単位・PC20単位輸血され、 後日病棟でRCC6単位・FFP4単位輸血されている。 当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見

当日緊急(危機的出血)時の検査科での対応状況 13:40 患者搬送される(救急車ではなくタクシーで)。 15:00過ぎ 手術室からO型RCCの在庫状況を聞かれる。

在庫はO型RCC9単位(内4単位予約)FFP在庫無し。 16:00頃 在庫分5単位をクロスし手術室に搬入。 16:20 在庫分として4単位発注(19時頃まで)(Hb 6.4g/dl) 16:35頃 O型RCC10単位請求される。 16:40 RCC6単位発注 17:20 RCC10単位発注 17:30 RCC10単位・FFP10単位・PC20単位発注 18:10 RCC16単位到着(1時間30分)

すぐに手術室に搬入(後追いでクロスマッチ)(Hb 2.9g/dl) 18:30 RCC18単位・FFP10単位・PC20単位到着(1時間10分) 19:00 RCC10単位・FFP10単位発注 20:00 RCC10単位・FFP10単位到着(1時間)

計 RCC44単位・FFP20単位・PC20単位 発注RCC6単位・FFP6単位 返品

手術時、RCC33単位・FFP20単位・PC20単位輸血され、後日病棟でRCC6単位・FFP4単位輸血されている。

当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見

当日緊急(危機的出血)時の麻酔科Dr.のご意見

•  出血のスピードが急速となり、循環系が大きく変動する直前から輸血を開始できたことは結果的に大き

かった。

•  出血源の特定に時間を要したものの、手術的に原因を除去し、止血できたことが救命に繋がったと思う。

•  患者が若年女性であったことも好結果をもたらしたかもしれない。

手術後の経過

0.010.020.030.040.050.060.0

0 1 1 2 3 4 7 9

0.02.04.06.08.010.012.0

WBC

Plt

pH

pCO2

Hb

PT-INR

SIMV

術後外科転科

抜管

Mチューブ抜去

DOA;10µg/kg/分

FOY;33mg/kg/日

UTI;30万単位/日

整形外科転科

FFP;4単位

RCC;計10単位

CV抜去

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 (日) 0

(右上腕骨骨接合術) Foley抜去 ドレーン抜去

(日)

手術 希望退院

右上腕骨のレントゲン所見入院時 手術後(プレート固定術)

右上腕骨 近位端骨折

最 終 診 断#1. 妊娠36週6日、既往帝王切開(2回)、交通外傷#2. DIC #3. 胎児機能不全#4. 子宮破裂 #5.弛緩出血#6.出血性ショック #7.右上腕骨近位端骨折

15時56分、全麻帝切で女児出生、2668g、Ap 1(1’)/4(5’)/6(10’)。出生直後心拍確認されず、直ちに気管内挿管。1分で心拍聴取。3分でエピネフリン気管内投与。徐々に回復。生後4日目まで人工呼吸管理を行ったが、その後経過良好。生後30日目に退院。

新生児の経過

治  療

手術術式:帝王切開術+止血術+子宮全摘術 手術時間:4時間42分 総出血量:7815ml 術中輸血:RCC 28単位(3640ml)+FFP 15単位(1200ml)

  +自己回収血 470ml