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RTKLIB を用いた森林内における cm 級補強測位
cm-Level Augmentation Positioning by using RTKLIB in a Forest
林田涼 浪江宏宗
Ryo Hayashida Hiromune Namie
防衛省 防衛大学校 電気電子工学科
The Department of Electric and Electronic Engineering, The National Defense Academy, The Ministry of Defense
1. はじめに森林所有者間において境界トラブルが多く、公図や境界
標などを使って所有者の森林を区別している。しかし、公図は測量のプロが作る図ではなく庶民の手で作図するため不正確。また、境界標は時間とともに変化したり、動物によって消されたりと問題が多い。そこで cm 級の誤差内に位置を教えてくれると同時に、一度測位してしまえば変化も消えることもない衛星測位を用いて森林間の境界を明白にすることを目的とした。日本の準天頂衛星は仰角70 度以上をとんでおり測位性能の改善が期待されている現在は 1 機しか打ち上げられていないが、将来には 4 機、さらには 7 機体制を予定しており日本の衛星測位技術を促進するだろう。
2.実験目標JAVAD 社製の LEX 信号対応 GNSS 受信機 DELTA-3 を
使って森林において cm 級の衛星測位を可能にする方法を見つけ出し、森林間の境界をどのように引くのか考える最終的には境界線を AR を用いて可視化したい。図 1 にJAVAD DELTA-3 受信機を示す。
3.現状防衛大学校理工学 3 号館の屋上で 3 種類の受信機 JAVAD
DELTA-3, u-blox M8T, NovAtel ProPak-G2 及 び RTKLIB Ver.2.4.2 を使い単独測位、相対測位また精密単独測位を行い、どの方法が誤差が少ないか実験した。単独測位と fixしていない精密単独測位では m 級の誤差が出た。最も誤差の小さい方法は fix した精密単独測位だったが、測位に数時間かかった。Fix した場合の誤差は約 1 cm で予想を超える精密さであるが fix するまでに数時間かかった。その測位結果を図 2 に示す。
4.今後の予定(1)RTKLIB のマスター
(2)短時間で cm 級の測位
(3)中国の衛星 BeiDou を併用してさらなる結果の追求
(4)森林における cm 級の測位(図 3)
(5)境界線を AR を用いて可視化
謝辞
多忙の中 RTKLIB の質問に答えて下さった東京海洋大学の高須知二先生、JAVAD の使い方を直接教えて下さった測位衛星技術株式会社の大薗伸吾氏、平野説言子氏に感謝申し上げます。
図 1 JAVAD 社製 LEX 信号対応 GNSS 受信機 DELTA-3
図
2
RTKLIB を用いた精密単独測位結果(受信機は JAVAD
DELTA-3 で緑点が fix した時)
図 3 森林