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Kyoto Academic Racing Team 京都大学フォーミュラプロジェクト 2008 年度企画書

京都大学フォーミュラプロジェクト 2008年度企画書本団体の軌跡 私たち京都大学フォーミュラプロジェクトKART は、2003 年12 月に結成されました。初

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Page 1: 京都大学フォーミュラプロジェクト 2008年度企画書本団体の軌跡 私たち京都大学フォーミュラプロジェクトKART は、2003 年12 月に結成されました。初

Kyoto Academic Racing Team

京都大学フォーミュラプロジェクト

2008 年度企画書

Page 2: 京都大学フォーミュラプロジェクト 2008年度企画書本団体の軌跡 私たち京都大学フォーミュラプロジェクトKART は、2003 年12 月に結成されました。初

はじめに

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

私たち京都大学フォーミュラプロジェクト KART(Kyoto Academic Racing Team)へのご

支援をご検討くださいますことを心より御礼申し上げます。昨年度獲得した上位校の地位

を確固たるものにするため、メンバー一同、総力をあげてプロジェクトに取り組んでまい

ります。よろしくお願い申し上げます。

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大会背景

学生フォーミュラ大会は 1981 年ものづくりの実践的な教育活動の一環としてアメリカで

始まりました。当時アメリカは日本を始めとするほかの工業国に押されており、自国のも

のづくりの衰退への危惧がきっかけでした。4 校の参加から始まったこの大会は、今では世

界中から 100 校を超える大学が参加する大規模な大会となっております。また、現在はア

メリカ大会に加え、イギリス、オーストラリア、イタリア、ブラジルでも大会が開催され、

韓国でも近く開催予定となるなど国際的なものになってきております。近年ものづくりへ

の危機感が高まる日本では、2003 年に第 1 回大会が開催され、今年度(2008 年度)で 6 回目

となります。

この大会ではフォーミュラカーの製作を通して、学生が実際のものづくりの現場で行わ

れるマーケティング、企画、設計、製作、コスト管理などの活動を通じてその能力を競う

ものであり、その経験は教室の中だけでは会得できない大きな財産です。

大会ではこれらを反映し、静的審査 3 項目(コスト・デザイン・プレゼンテーション)と

動的審査 5 項目(75 m 加速・8 の字旋回・1 周タイムアタック・耐久走行・燃費)の計 8 審査

の総合獲得ポイントで競う形となっております。

7550

150

400

100

150

75

大会で競う得点(1,000点満点)

プレゼン審査

デザイン審査

コスト審査

耐久・燃費性能

1周タイムアタック

旋回性能

加速性能

静的審査3分の1

動的審査3分の2

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本団体の軌跡

私たち京都大学フォーミュラプロジェクト KART は、2003 年 12 月に結成されました。初

参戦の 2004 年度大会では、34 チーム中総合 20 位、2005 年度は 45 チーム中 12 位と順調に

成績を伸ばしておりましたが、続く 2006 年度には、51 チーム中 14 位と参戦以来はじめて

順位を落とす悔しい結果となりました。

そして、雪辱を果たすべく参戦した 2007 年度は、過去最多となる 61 チームが出場する

中、発足当初からの悲願でありました総合優秀賞 6 位を獲得するとともに、オートクロス

賞 2 位、さらには特別賞として ASME Japan 賞をいただきました。

初年度から脈々と受け継がれるアルミフレームや、独自の製法によるプリプレグ製カウ

ルをはじめとした技術力の高さと、チームとしての結束力が認められた結果となっており

ます。

2004 年度

2005 年度

2006 年度

2007 年度

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本団体の目的

本団体は、学生がレーシングチームという組織の中で、座学では学ぶことの出来ない経

験を積むことを目的としています。

具体的には設計ソフトや工作機械などを利用し、設計から製造までの過程を学び、さら

にはチームマネジメントをはじめ渉外、広報、会計処理に至るまで学生自らの手で行いま

す。その過程において様々な問題に直面し、それを克服していくことで、ものづくりの厳

しさと面白さを実際に味わい、世界でも有数の工業大国である日本をいずれ支えてゆくこ

とになる学生の能力を養っていくことを目標としております。

昨年度活動内容 昨年度はプロジェクトリーダーと 2 名のサブリーダーの計 3 名の首脳陣を中心に、エン

ジン班、フレーム班、シャシー班、カウル班、という 4 つの技術部門と、会計や広報を受

け持つマネジメント班という体制でチームを運営してまいりました。

車輌コンセプトに「セルフクリエイト」を掲げ、高い基本性能を備えつつも、ユーザー

がセッティングを自由かつ容易に行える車輌を目指しました。 技術部門ではもはや伝統となりましたアルミフレームとカーボンプリプレグ製カウルを

今年度も採用しました。また、各パーツではコンセプトに沿った設計を心がけ、足回りで

はアームブラケットのボルトオン構造化やショックルームの新設、スタビライザの採用、

エンジン回りでは吸気管長変更機構、冷却角度調整機構、エンジンのフルコン制御といっ

た新しい技術にも挑戦いたしました。 マネジメント班は広報活動や静的審査準備に加え、ホームページ管理、走行会でのレン

タカーや宿の手配など、チーム全体の運営補助を精力的に行ってまいりました。 大会では、オートクロス 2 位入賞、総合優秀賞 6 位を獲得するとともに、全ての競技に

おいて 60 %以上の得点率を実現し車輌の基本性能の高さを示せただけでなく、ASME Japan 賞を受賞し、チームの運営力の高さも評価されました。 ただ一方で、トップチームに十分匹敵する車輌を手にしながらも、動的競技における戦

略やドライバー同士の連携、また静的審査に向けての周到な準備などの細かい部分で及ば

なかったことから、最終的にはトップチームに競り負ける結果となりました。そういう点

で新たな課題が浮き彫りとなった大会でもありました。

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2008 年度の抱負 昨年度残した成績に満足する事なく、さらなる高みを目指して京都大学フォーミュラプ

ロジェクト KART は新体制で 2008 年度の活動を開始いたしました。 昨年度の経験から本年度の目標は、車輌を早期完成させドライバーが練習できる期間を

十分に確保すること、走行を繰り返すことによって見つかる問題点を改善することで車輌

を熟成させること、この 2 点です。 例年、私たちは過去の設計を見直して改良を加えるよりも新設計としてしまう事が多く、

設計に時間がかかりシェイクダウンが予定より大幅に遅れておりました。昨年度の大会で

入賞まで登りつめた車輌(YJ-R05)を捨て、また 1 から作り直したのでは上位への歩みは

遅々としたものになってしまいます。そこで本年度は YJ-R05 の評価検討を十分に行った上

で、改善すべき部分を選出し改善していくというアプローチで設計を行い、設計期間の短

縮を図ります。 昨年度の静的部門においては、車輌製作の忙しい時期と重なってしまったために、事前

提出の資料作成が疎かになり、大会当日の準備も後回しになりがちでした。その結果、大

会では静的部門が足を引っ張る形になってしまいました。この反省をもとにスケジュール

を綿密に管理することで静的部門でも 1 桁の順位を狙ってまいります。 我々の活動も、5 年目を迎えました。プロジェクト立ち上げ当時からのメンバーも続々と

卒業していくため、これまでに積み上げられてきた先輩たちの膨大かつ貴重な技術、知識

を引き継ぎ、チームとして着実に進歩していく事が今年の大きな課題です。 メンバー一同、勝利への志を胸に、1 年間努力邁進してまいります。

コンセプト SMART

今年度我々京都大学フォーミュラプロジェクト KART は車両コンセプトとして「SMART」

を掲げました。これは、良い車輌を完成させるために必要とされる 5 つの要素、つまり、

Setting、Making、Analyzing、Racing、Tuning の頭文字を取ったもので、その各々に対して

これまで培ってきた経験を生かし「洗練された(smart な)車輌を製作する」との思いが込め

られています。設計、製作、調整などのあらゆる場面において、これまでの車輌の良いと

ころは踏襲し、問題点は改良する。ごく単純なことですが、今回は敢えてそこに重点を置

くことで我々KART の特色を生かしつつも、真に無駄が無く磨きのかかった車輛を製作する

べく努力してまいります。

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2008 年度 KART 組織図 今年度は、昨年度に続きリーダーのもとに 2 人のサブリーダーを置く体制としました。

そうすることで互いに連携を取り、補完し合いながらメンバー間の意思疎通の便宜を図る

こと、また設計や静的審査を始めとする、しっかりとしたスケジュール管理を行うことが

可能な体制といたしました。以下に今年度の組織図を示します。

Leader

鯨岡絵理

Sub-Leader

田浦剛 塚本翔太

Chassis

吉田和希

Frame

中澤知哉

Cowl

高橋円

Engine

岩崎秀保

Management

丹下翔太

年間スケジュール

上旬   勉強会下旬   基本構想 初期設計

~中旬  第1次設計完了

下旬   第2次設計完了

初旬   設計完了 材料発注

中旬~  車輌製作開始(治具加工 製作準備)

1月 製作   第1次スケジュール確認

2月 製作   第2次スケジュール確認

上旬   製作 第3次スケジュール確認

下旬   各パーツ製作完了

~中旬  車輌アッセンブリ

末日   シェイクダウン

5月

6月

7月

8月

9月 大会

2008年度KART活動年間計画

3月

4月

10月

11月

12月

静的審査、大会

提出書類の準備

5 号機を用いてセッティ

ングとドライバー練習

調整・セッティングとドライバー練習 走行会を繰り返し行う

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昨年度会計報告と今年度予算案 昨年度の収支と今年度予算案の報告をさせていただきます。

\3,280,000

\802,000

\741,431

スポンサー

サポーター

学生負担

昨年度収入内訳

\101,447

\192,481

\840,691

\743,788

\507,718

\1,417,166

\559,047

\219,485

\241,608エンジン

シャシー

フレーム

カウル

備品

材料費

走行会費

大会費

昨年度支出内訳

総額 ¥4,823,431

総額 ¥4,823,431

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\3,280,000

\550,000

\728,000

スポンサー

サポーター

学生負担

\750,000

\750,000

\100,000

\200,000\500,000

\200,000

\1,498,000

\560,000

エンジン

シャシー

フレーム

カウル

制作費(材料)

備品

交通費・走行会費

大会費

総額 ¥4,558,000

総額 ¥4,558,000

今年度収入内訳(予算案)

今年度支出内訳(予算案)

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ご支援のお願い

私たちは本プロジェクト達成のためにご支援いただけるスポンサー企業様を募集してお

ります。詳しくは以下のスポンサーシップ概要をご覧ください。

スポンサーシップ概要

・ スポンサー企業様による部品等のご支援 ・ スポンサー企業様による資金のご支援(5 万円以上でお願いしています) ・ スポンサー企業様による技術指導という形でのご支援

スポンサー企業様に対しましては、

・ 大会、イベント時に展示するスポンサー様一覧パネルへの掲載

・ 大会車両へのスポンサー企業様のステッカー貼付 ・ ドライバースーツ及びヘルメットへのステッカー貼付 ・ 当プロジェクトホームページでの広告および宣伝活動 ・ 活動報告書でのスポンサー企業様としての記載及び広告掲載

などの広告をできる限りさせていただきます。

(ステッカーの大きさ・場所や広告などの規模につきましてはスポンサーシップの内容に

より決めさせて頂きます)

その他、

・ リクルート活動のお手伝い → 会社見学会や大学でのセミナーの開催、など

・ 各スポンサー企業様に合わせた、製作車輌によるデータの収集 → 新製品を装着して燃費性能の変化を調べる、など

・ イベントなどへのスタッフとしての参加や車輌の貸し出し ・ 月 1 回の活動報告書の送付(E-mail にて)

といった内容も検討しております。

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また、私たちの活動に協賛してくださる個人サポーター様を常時募集しています(一口

5,000 円からお願いしております)。良い成績を残し、サポーターとなってくださった皆様

に胸を張ってお礼とご報告ができるよう努力してまいりますので、ぜひともよろしくお願

い致します。

★ KART チーム口座

京都銀行 銀閣寺支店(店番 141)

口座番号:普通預金 3242776

口座名義:KART FA 横小路 泰義

領収書がお入用の際は、その旨お伝えください。必要とされます形式に合わせて作成さ

せていただきます。

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最後に 学生であれば、知識を蓄積するには事欠かない環境が現代では整えられています。既成

の制度を享受すれば特に事欠くこともなく、受動的になりがちで、また自ら求めなければ

積極的に大学外にある社会と関係性を持つことも難しい状況にあることも事実です。逆に

現代の風潮として個人主義に走る若者も増えているようにも見受けられます。

守られる立場にあった学生生活と違い、社会ではありとあらゆる活動の中でその責任を

問われることになります。その上で更に重要なのは責任を果たすことにより得られる信頼

関係をいかに築くかと言うことです。

以上のことを思えば、人間関係をもとに成り立っている学生フォーミュラの活動を通し

て得られるものには大変貴重なものがあります。活動に携わることで、機械設計や工作技

術と言った実務面での能力が磨かれることはもとより、何よりも学生でありながら実社会

の縮図を私たちは目にし、身をもって体験することができます。外部企業との支援交渉を

はじめ、メンバー間の折衝、一年間担当部署を務め上げる責任、等々と密度の濃い経験を

積むことができるのです。この経験をもとに、いずれ日本の社会を背負い、信頼に足る人

間に成長することは社会の要請であり、また貪欲に自らの糧にできるものを追い求めよう

とする私たちの気概でもあります。

俗に知識、見識、胆識の三識と言う言葉があります。見識とは持てる知識をもとに総合

的に判断することであり、判断の後に実行することが胆識と言われています。言うに及ば

ず、学生であれば、あふれる情報の中で知識を身に付けることは容易ですが、見識、胆識

を身に付けるのは困難です。しかし、例えば設計をするには見識が必要であり、プロジェ

クトの運営には胆識が不可欠です。この見識、胆識を身に付けることができる、それが学

生フォーミュラという活動なのではないかと私たちは考えています。

「 すべての時間と き

を ただ一瞬のために 」

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