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平成２９年７月３１日 東京電力ホールディングス株式会社
柏崎刈羽原子力発電所７号機 中央制御室換気空調系ダクト
点検結果及び今後の点検方針について １．はじめに 平成２９年１月１８日付け口頭指示「中央制御室空調換気系ダクト等の点検調査につい
て」に基づき、柏崎刈羽原子力発電所７号機の中央制御室換気系ダクトの点検結果及び結果
を踏まえた点検方針の見直しについて報告するものである。 ２．点検方法及び対象範囲 【点検対象範囲】 点検に際しては、最も腐食が懸念される外気取入から循環ライン合流部までのダクトと
機能上重要な中央制御室バウンダリを構成するダクトについては全数点検を実施する。 それ以外のダクトは、中央制御室換気空調系のダクト内を流れる空気の環境について評
価・仕分けを実施する。仕分けられたダクトに対しそれぞれ代表点を設定し点検を実施する。 なお、評価・仕分けに関する考え方については、３．代表点の考え方に示す。 【点検範囲に対する点検方法】 外観点検：原子力規制庁指示に基づき、外面から直接目視により腐食の有無を確認する。
保温材が施工されているダクトについては保温材を取り外す。壁貫通部等の
確認が困難な箇所は点検対象外とする。 内面点検：当社自主の対応として、内面から直接目視又はカメラ等を用いた遠隔目視に
より腐食の有無を確認する。 ３．代表点の考え方 ＜代表点による点検の妥当性と選定範囲＞ 外気取入ダクト及び排気ダクトの末端を除く全てのダクトは屋内に設置されており、
常時空調管理されている。また、ダクト内外で温度差が発生する箇所については保温材が
施工されており結露発生の可能性も小さい。よって外表面の腐食の可能性は小さい。 しかし、内面については外気と接触する範囲について腐食が発生する可能性があり、過
去のダクト交換実績からも外気取入ラインの腐食が確認されていることから全数点検を
実施するが、それ以外のダクトについては内部流体の９５％が中央制御室バウンダリ内
の空気を循環運転しており、外気の影響により腐食が発生する可能性は小さい。 よって代表点による点検で網羅性を有していることから、代表点点検は妥当と判断す
る。
2
＜代表点の選定方法＞
①中央制御室換気空調系ダクトを用途毎に以下の通り分類する。 ａ．非常用外気取入ライン ｂ．給気ライン ｃ．還気ライン ｄ．排気ライン ｅ．再循環ライン
②用途毎に分類したダクトのうち、以下の箇所を代表点とする。 ａ．湿分・結露水が滞留し腐食環境となり易い縦管底部、エルボ部等の中から作業性
を考慮し各用途につき１箇所以上を選定 ｂ．ダクト内部で偏流の生じる各用途のダクトの合流・分岐部 ＜代表点の選定方法の妥当性について＞ 中央制御室バウンダリ内は全て中央制御室換気空調系にて空調管理されていること
から設置環境による差異は無い。また同じ用途のダクトについては内部環境による腐
食発生のリスクも同様であるため用途毎の分類が妥当と判断する。 ４．点検対象箇所及び結果 詳細な点検範囲及び状況写真については添付資料（１）～（３）参照。 【全数点検範囲】
No. 対象箇所 点検方法 点検結果 点検対象範囲の考え方
1
～ 6
通常時外気 取入ライン
外観及び 内面点検
中央制御室バウンダリ
に該当する範囲に３箇
所、該当しない範囲に１
箇所の腐食孔を確認 上記以外の範囲で内外
表面に腐食を確認
中央制御室バウンダリ
に該当する範囲及び最
も腐食が懸念される範
囲
7 非常用外気 取入ライン
外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
に該当する範囲
8 給気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
に該当する範囲
9 還気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
に該当する範囲
3
10 排気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
に該当する範囲
11, 12
再循環ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
に該当する範囲
【代表点検範囲】
No. 対象箇所 点検方法 点検結果 点検対象範囲の考え方
18 非常用外気取入
ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
内に設置された範囲の
代表部位
13 給気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
内に設置された範囲の
代表部位
14 還気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
内に設置された範囲の
代表部位
15 排気ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
内に設置された範囲の
代表部位 16, 17, 19
再循環ライン 外観及び 内面点検
異常無し 中央制御室バウンダリ
内に設置された範囲の
代表部位
５．腐食箇所に対する考察 確認された腐食箇所は全て外気取入ラインのダクト底部付近で発生している。これらの
腐食の発生原因は、外気中に含まれる湿分や海塩粒子がダクト内へと取り込まれ、ダクト底
部に滞留することで湿潤環境となり腐食が進行し、腐食孔に至ったものと考えられる。 これは従来から高経年化技術評価書（１号機）等で評価している通りの経年劣化要因であ
り、現在までの運転経験から想定している要因以外の要因はなかった。 ６．腐食孔の状況について 外気取入ラインで確認された腐食孔について、中央制御室バウンダリに該当する範囲に ３箇所、該当しない範囲に１箇所発生している。 腐食孔の発生状況及び補修状況については添付資料（４）参照。
4
７．外気取入ダクトと中央制御室バウンダリダクト以外の範囲の今後の点検方針 ７号機については、代表点における点検が完了し異常が確認されなかったため、代表点に
おける点検結果からその他のダクトの健全性を評価する。 後続号機については、７号機と同様に代表点における点検を実施していくが、代表点にお
いて異常が確認された場合は、順次点検範囲を拡大していく。 ８．添付資料 （１）７号機中央制御室換気空調系ダクト点検対象箇所図 （２）７号機中央制御室換気空調系ダクト外観点検写真 （３）７号機中央制御室換気空調系ダクト内面点検写真 （４）７号機 外気取入ダクト腐食孔状況 （５）７号機中央制御室換気空調系 概略系統図
添付資料（２）第７号機 中央制御室換気空調系ダクト 外観点検写真
対象部位
点検結果
ＭＣＲ外気取入ライン
ハゼ折り部周辺に軽微な腐食有り
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を２箇所確認
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を１箇所確認
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を１箇所確認
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
3ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
1
2ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
4
天
ダクト下面
地
天
地
天
地
天
地
ダクト下面
ダクト側面
ダクト側面
1／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認
ＭＣＲ外気取入ライン、ＭＣＲ還気ライン
合流部
ダクト底部に腐食を確認
ＭＣＲ非常用外気取入ライン
異常無し
ＭＣＲ給気ライン
異常無し
7ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
8ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
5
6
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
天
地
天
地
天
地
ダクト下面
ダクト下面
ダクト側面
ダクト下面
2／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ環気ライン
異常無し
ＭＣＲ排気ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
10ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
12ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
9ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
11ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
天
地
天
地
天
地
天
地
ダクト側面
ダクト側面
ダクト側面
ダクト側面
3／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ給気ライン
異常無し
ＭＣＲ還気ライン
異常無し
ＭＣＲ排気ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
14バウンダリ内ダクト代表部位
15バウンダリ内ダクト代表部位
13バウンダリ内ダクト代表部位
16バウンダリ内ダクト代表部位
天
地
天
地
天
地
天
地
ダクト上面
ダクト下面
ダクト側面
ダクト側面
4／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ還気ライン、ＭＣＲ再循環ライン
分岐部
異常無し
ＭＣＲ非常用外気取入ライン、ＭＣＲ再循環ライン合流部
異常無し
ＭＣＲ還気ライン、ＭＣＲ再循環ライン
合流部
異常無し
18バウンダリ内ダクト代表部位
17バウンダリ内ダクト代表部位
19バウンダリ内ダクト代表部位
天
地
天
地
天
地
ダクト上面
ダクト側面
ダクト側面
5／5
添付資料（３）第７号機 中央制御室換気空調系ダクト 内面点検写真
対象部位
点検結果
ＭＣＲ外気取入ライン
建屋躯体貫通部及びハゼ折り部周辺に軽微な腐食有り
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を２箇所確認
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を１箇所確認
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認ダクトを貫通する腐食孔
を１箇所確認
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
3ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
1
2ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
4
天
地
天
地
天
地
天
ダクト下面
地
ダクト側面
ダクト側面
ダクト側面
1／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ外気取入ライン
ダクト底部に腐食を確認
ＭＣＲ外気取入ライン、ＭＣＲ還気ライン
合流部
ダクト底部に腐食を確認
ＭＣＲ非常用外気取入ライン
異常無し
ＭＣＲ給気ライン
異常無し
7ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
8ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
5
6
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
バウンダリ内ダクト全数点検範囲
天
地
天（手前）
天
地
ダクト下面
ダクト下面
ダクト側面
ダクト下面
地（奥）
天
地
2／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ環気ライン
異常無し
ＭＣＲ排気ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
10ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
12ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
9ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
11ＭＣＲバウンダリダクト全数点検範囲
天
地
天
地
ダクト下面
天
地
天
地
ダクト下面
ダクト下面
ダクト下面
3／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ給気ライン
異常無し
ＭＣＲ還気ライン
異常無し
ＭＣＲ排気ライン
異常無し
ＭＣＲ再循環ライン
異常無し
14バウンダリ内ダクト代表部位
15バウンダリ内ダクト代表部位
13バウンダリ内ダクト代表部位
16バウンダリ内ダクト代表部位
天
地
天
地
天
地
ダクト側面
ダクト側面
ダクト側面
天
地 ダクト下面
4／5
対象部位
点検結果No. 対象部位写真 備考
ＭＣＲ還気ライン、ＭＣＲ再循環ライン
分岐部
異常無し
ＭＣＲ非常用外気取入ライン、ＭＣＲ再循環ライン合流部
異常無し
ＭＣＲ還気ライン、ＭＣＲ再循環ライン
合流部
異常無し
18バウンダリ内ダクト代表部位
17バウンダリ内ダクト代表部位
19バウンダリ内ダクト代表部位
天（手前）
地（奥）
天
地 ダクト下面
ダクト下面
地（手前）
天（奥）
ダクト下面
5／5
７号機 外気取入ダクト 腐食孔状況 添付資料（４）
【補修前】 ：腐食孔 約２φ
② ③
④
撮影方向
還気ライン外気取入ライン
隔離弁
②
④
③
７号機 外気取入ダクト 腐食孔状況
【補修後】
② ③
④
撮影方向
還気ライン外気取入ライン
隔離弁
②
④
③
７号機 外気取入ダクト 腐食孔状況
【内面状況】 ：腐食孔 発生位置
還気ライン外気取入ライン
隔離弁
②
④
③
② ③
④
撮影方向
添付資料（５）
７号機 中央制御室換気空調系 概略系統図
用途の異なるダクト 識別系統図
用途の異なるダクトとは以下のとおり分類する。
外気取入ライン、非常用外気取入ライン、給気ライン、還気ライン、排気ライン、再循環ライン
給気
ＭＯ ＭＯ
ＭＯ
ＭＯ
中性能フィルタ
高性能フィルタ
活性炭フィルタ
高性能フィルタ
中性能フィルタ
冷却コイル
中性能フィルタ
冷却コイル
排気
ＭＯ
ＭＯ
：ＭＣＲバウンダリ壁
給気処理装置
送風機
排風機
再循環フィルタ装置
通常時外気取入れ隔離ダンパ
非常時外気取入れ隔離ダンパ
ＭＯ
ＭＯ
中央制御室
再循環送風機
再循環フィルタ装置
：全数点検範囲
２Ｆ
１Ｆ
ＲＦ
：ダクト
：ＭＣＲバウンダリに該当するダクト
給気
ＭＯ ＭＯ
ＭＯ
ＭＯ
中性能フィルタ
高性能フィルタ
活性炭フィルタ
高性能フィルタ
中性能フィルタ
冷却コイル
中性能フィルタ
冷却コイル
排気
ＭＯ
ＭＯ
給気処理装置
送風機
排風機
再循環フィルタ装置
通常時外気取入れ隔離ダンパ
非常時外気取入れ隔離ダンパ
ＭＯ
ＭＯ
中央制御室
再循環送風機
再循環フィルタ装置
２Ｆ
１Ｆ
ＲＦ 外気取入ライン
排気ライン
還気ライン
非常用外気取入ライン
再循環ライン
給気ライン
：保温材取付ダクト範囲
