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技術・家庭科における評価・評定の在り方 Ⅰ 学習評価の進め方について 1 内容における観点別学習状況の評価の進め方について (1) 評価計画の作成 「目標に準拠した評価」を行うためには,評価計画を作成して,題材の評価規準に対して,「い つ」「何について」「どのような方法で」評価を行うかを計画し,実際の学習活動に沿った評価 課題を設定する必要がある。また,課題等の内容から,題材の評価規準に対する状況を「A」, 「B」,「C」の3段階で評価するために,それぞれの段階に対する判定基準を設定する必要が ある。具体的に課題に対してどのような内容であれば「A」,「B」,「C」と判定されるのかを 想定しながら,予想される表現の特徴を検討することが大切である。特に,どのような表現の 特徴が見られれば「十分に満足できる」と判断されるのかを明確にし,「C」と判定されている 場合には,支援の手立てを考えておかなければならない。 (2) 評価の現状と課題 1・2年生の年間授業時間数はそれぞれ70時間,3年生は35時間と指導時間が少ない。 また,多くの学校において各分野1名ずつの教員配置で,担当する学級数も3学年全ての学級 を担当している。このように指導時間が少ない,担当する学級が多いため,評価の場面や回数 が限られ,個に応じた指導も行い難いという現状がある。しかし,学期末には4観点の学習状 況を全て評価し,保護者にその結果を知らせている。一つの評価物の評価が大きく学年末の評 定に関わることになったり,学期に4観点を全て評価するのは困難であると感じながらも,「評 価規準の設定例」(国立教育政策研究所)に合致させなければと苦労したりしているのが現状で ある。そこで,評価の仕方を変えたり,工夫したりする必要がある。例えば,通年で評価する ことを考え,学期によっては4観点の重みづけがちがっても,学年末には等しい重みとなるよ うな評価方法や,一つの評価物から効果的に2観点の評価ができるような工夫も必要である。 2 学期末・学年末における観点別評価の総括の方法について 観点別評価は学習活動ごとに評価した結果を数値化し,その数値を観点別に集約した合計に基 づいた実現状況を学期末の観点別評価として総括する。技術・家庭科の観点別評価の総括は,評 価結果を題材ごと,分野ごとにまとめ,技術分野と家庭分野を合わせて学期末における観点別評 価の総括とする。各学期末に評価した結果を集約して,学年末における観点別評価の総括とする。 各題材の時間数や各観点の評価の回数など各分野の担当が協議しながら行う必要がある。 (1) 観点別評価方法の具体例 関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解 授業評価方法 授業観察 ノート ワークシート 活動計画 製作記録表 自己評価表 調べ学習レポート まとめレポート ファイル ノート ワークシート 作品 授業観察 実技テスト 定期テスト ワークシート 活動計画 作品 小テスト 定期テスト レポート 技術/家庭 25%/2525%/2525%/2525%/25

技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

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技術・家庭科における評価・評定の在り方

Ⅰ 学習評価の進め方について

1 内容における観点別学習状況の評価の進め方について

(1) 評価計画の作成

「目標に準拠した評価」を行うためには,評価計画を作成して,題材の評価規準に対して,「い

つ」「何について」「どのような方法で」評価を行うかを計画し,実際の学習活動に沿った評価

課題を設定する必要がある。また,課題等の内容から,題材の評価規準に対する状況を「A」,

「B」,「C」の3段階で評価するために,それぞれの段階に対する判定基準を設定する必要が

ある。具体的に課題に対してどのような内容であれば「A」,「B」,「C」と判定されるのかを

想定しながら,予想される表現の特徴を検討することが大切である。特に,どのような表現の

特徴が見られれば「十分に満足できる」と判断されるのかを明確にし,「C」と判定されている

場合には,支援の手立てを考えておかなければならない。

(2) 評価の現状と課題

1・2年生の年間授業時間数はそれぞれ70時間,3年生は35時間と指導時間が少ない。

また,多くの学校において各分野 1 名ずつの教員配置で,担当する学級数も3学年全ての学級

を担当している。このように指導時間が少ない,担当する学級が多いため,評価の場面や回数

が限られ,個に応じた指導も行い難いという現状がある。しかし,学期末には4観点の学習状

況を全て評価し,保護者にその結果を知らせている。一つの評価物の評価が大きく学年末の評

定に関わることになったり,学期に4観点を全て評価するのは困難であると感じながらも,「評

価規準の設定例」(国立教育政策研究所)に合致させなければと苦労したりしているのが現状で

ある。そこで,評価の仕方を変えたり,工夫したりする必要がある。例えば,通年で評価する

ことを考え,学期によっては4観点の重みづけがちがっても,学年末には等しい重みとなるよ

うな評価方法や,一つの評価物から効果的に2観点の評価ができるような工夫も必要である。

2 学期末・学年末における観点別評価の総括の方法について

観点別評価は学習活動ごとに評価した結果を数値化し,その数値を観点別に集約した合計に基

づいた実現状況を学期末の観点別評価として総括する。技術・家庭科の観点別評価の総括は,評

価結果を題材ごと,分野ごとにまとめ,技術分野と家庭分野を合わせて学期末における観点別評

価の総括とする。各学期末に評価した結果を集約して,学年末における観点別評価の総括とする。

各題材の時間数や各観点の評価の回数など各分野の担当が協議しながら行う必要がある。 (1) 観点別評価方法の具体例

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

授業

評価

方法

授業観察 ノート ワークシート 活動計画 製作記録表 自己評価表

調べ学習レポート まとめレポート ファイル ノート ワークシート 作品

授業観察 実技テスト 定期テスト ワークシート 活動計画 作品

小テスト 定期テスト レポート

技術/家庭 25%/25% 25%/25% 25%/25% 25%/25%

Page 2: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

(2) 観点別評価の流れ

観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

るため,観点が4つ「A」で評定が「4」の場合がある。この場合,技術分野担当と家庭分野

担当が十分に協議を行うことが大切で,その生徒に対しては次に目標が持てるように,努力事

項を明確にしておく必要がある。

3 評定への総括の進め方について

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 総合計点

観点 分野

配点 氏名 15 15 30 15 15 30 15 15 30 15 15 30 120

平井太郎 10 10 20 9 10 19 14 8 22 7 7 14 75

三木花子 14 14 28 13 12 25 15 14 29 15 15 30 112

<<<<家庭分野家庭分野家庭分野家庭分野>>>>

関心・意欲・態度 評価物 氏 名

ノー

ワー

クシ

ート

活動

計画

製作

記録

授業

観察

平井太郎 A A C C B 三木花子 B A A A A

<<<<技術分野技術分野技術分野技術分野>>>>

関心・意欲・態度 評価物 氏 名

レポ

ート

ワー

クシ

ート

ディ

ベー

授業

観察

授業

観察

平井太郎 B B B B B 三木花子 A A A B A

A,B,C を3,2,1のように数値化する。年度の始めに技術分野と家庭分野で観点の

配点を決めておく必要がある。また,配点を決めない場合は各分野の各観点を 12.5%の割

合で計算し評価する。題材によって分野で観点の割合が変わっても,学年末には同じ割合

になるようにする。

観点別合計の 75%をA,

50%をBのラインとしてA,

B,Cと評価する。(例)

総合計点の 85%を「5」,75%

を「4」,50%を「3」,25%を「2」

のラインとして5段階評定を出

す。(例)

氏 名 関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解 評定 平井太郎 B B B C 3 三木花子 A A A A 5

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 技術 家庭 合計 総合計点

観点 分野

配点 氏名

15 15 30 15 15 30 15 15 30 15 15 30 120

平井太郎 10 10 20 9 10 19 14 8 22 7 7 14 75

三木花子 14 14 28 13 12 25 15 14 29 15 15 30 112

評定 5…102 4…90 3…60 2…30

観点別評価 A…22.5

B…15

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Ⅱ 記録に残すための効果的・効率的な評価方法等について(技術分野)

1 「災害対策ラジオの設計と製作」(エネルギー変換に関する技術)の目標

エネルギー変換に関する技術を利用した製作品の設計・製作を通して,製作品の組立て・調整

や,電気回路の配線・点検ができるようにするとともに,使用目的や使用条件に即して製作品の

機能と構造を工夫する能力を育成する。

2 「災害対策ラジオの設計と製作」の指導のポイント

設計においては,災害発生時に持ち出せるラジオに必要な機能について考えさせたい。できる

だけ生徒の自由な発想を大切にし,使用目的や使用条件,社会的,環境的および経済的側面など

からグループ活動を通して,その機能を検討し,構造や電気回路(機能)を選択できるようにす

る。 製作においては,組立てや調整に必要な工具や機器の適切な使用方法を知り,安全を踏まえた

災害対策ラジオの組立て・調整や,電気回路の配線・点検ができるようにする。

3 評価の視点

本題材は13時間という限られた時間に4つの観点について評価するものである。特別な場合

を除いて,技術分野の授業は週に一回で,他教科と比較すると少ない。したがって,評価の機会

や回数も限られており,効果的・効率的な評価を行う必要がある。 「関心・意欲・態度」については授業観察とワークシートで,「工夫・創造」についてはワー

クシートで,「技能」については授業観察・製作物で,「知識・理解」については授業観察と定期

テストで評価を行った。また,一つの評価物や評価場面から複数の観点の評価をするようにして

いる。「知識・理解」を定期テストだけではなく,学習した内容が実習に生かされているかで知

識が身に付いたと捉えている。

4 「災害対策ラジオの設計と製作」の授業の流れと評価(13時間)

時間 授業の流れ 評 価 1

情報を得る手段としての災害対策ラジ

オであることを強調し,使用目的と使用条

件を想像して,機能について考えるように

指示する。できるだけ,生徒の意見を尊重

し,自由な発想を優先する。

○ 製作品の使用目的や使用条件を明確にし,

構造を決定する。 【関】ワークシート1 A 使用目的や使用条件に沿った機能と省エネ

ルギーについて考えようとしている。 B 使用目的や使用条件を想像し機能を考えよ

うとしている。 【工】ワークシート1 A 使用目的や使用条件に沿った機能と省エネ

ルギーを考えている。 B 使用目的や使用条件を想像し機能を書いて

いる。 2 ・ 3

個人的に考えた災害対策ラジオの機能

について,グループでの話し合いを行い,

考えた機能を出し合わせる。(グループで

条件を変えて検討を2回行う。)意見とし

○ 省エネルギーや使用者の安全などに配慮し

て設計しようとしている。 【関】授業観察,ワークシート2 A 話し合いに積極的に参加している。また,

避難所での生活を想像し,電源や負荷を考え

る時に省エネルギーについて考えた機能(ソー

ラーパネルや手回し発電,LED電球など)が

あればAとする。

「関心・意欲・態度」と「工夫・創造」2観点

の評価をする。

Page 4: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

て出てきた機能について精選させる。ポイ

ントは社会的側面,経済的側面,環境的側

面,エネルギー変換と効率,構造など。特

に省エネルギーと安全は重要ポイントと

する。最終的に7つ以内の機能に精選させ

る。グループでの話し合いのあと,災害対

策ラジオをデザインさせる。この活動によ

って,これから作ろうとする市販キットの

ラジオの機能に近づくことができる。

<各班が考えた機能を出し合う>

ワークシートへの書き込みが多く,省エネル

ギーや使用者の安全を考えようとしている。 B 話し合いによって,省エネルギーや使用者

の安全を考えようとしている。 ○ 製作品の使用目的や使用条件を明確にし,

社会的,環境的および経済的側面などから構

造を決定する。 【工】ワークシート2 A 使用目的や使用条件,社会的,環境的,経

済的側面から考えた機能がすべて盛り込ま

れ,デザインされている。 B 使用目的や使用条件,社会的,環境的,経

済的側面から考えた機能がいくつか盛り込ま

れ,デザインされている。 4 市販キットのラジオを配布し,考えた災

害対策ラジオの機能と比較させる。コスト

面から考えると,今の技術ではこのくらい

の機能が妥当だということを知らせる。部

品検査として,抵抗器の測定をさせる。 5 回路中の抵抗器のはたらきを実際に体

感させるために,発光ダイオードを使って

明るさを調整させる。(2Vのダイオード

は乾電池1本では点灯しない。乾電池を2

本にすると点灯するが,電圧がオーバーで

明るく光りすぎる。そこで,抵抗器を入れ

て調整する。) 6 めっき線を使ってはんだづけの練習を

させる。はんだの量とこてを離すタイミン

グをつかませる。はんだごての扱いと,不

要な線の切り離し時の注意について具体

的な例をあげ説明しておく。(事故防止) 練習の成果を見るために,抵抗器(10

kΩ)を2つ直列にはんだづけさせる。回

路計で2つの抵抗器の両端を測定し,うま

くはんだづけができているかを確認させ

る。 7 市販のラジオの回路に抵抗器をはんだ

○ 設計に基づき,安全を踏まえた製作品の組

立て・調整や,電気回路の配線および回路計な

どを用いた点検ができる。 【技】定期テスト・はんだ練習板・ラジオ基盤 A 回路計を用いて抵抗器の検査ができ,安全

にかつ正確にはんだづけができる。他の生徒

に作業の支援ができるのも A とする。 B 回路計を用いて抵抗器の検査ができ,安全

にはんだづけができる。 ○ 組立や調整に必要な工具や機器の適切な使

用方法についての知識を身に付けている。 【技】【知】授業観察,定期テスト A はんだごてやニッパなど電子工具の使い方

を理解し,安全で正しい使い方ができる。 B はんだごてやニッパなどの電子工具の使い

方を理解している。 ○ 機器の構造や電気回路,各部の働きについ

ここでは,実際に作業を観察し,正しく安全な使い方ができ

ているかを記録する。最終的には定期テストで使い方の理解度

と合わせて評価を行う。

ワークシートに社会的(安全),環境的(省エネ),経済

的側面(コスト)の別を記入させておき,使いやすいよう

に機能が配置されているかをデザインから評価する。

ここでは,話し合いの様子を観察記録する。積極的に意見

を言えたり,ワークシートには「取り付けたい機能の説明」

がしっかり書けていたりすればAとする。

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づけさせる。作業が不安な生徒には,適宜,

支援をしながら作業を進めさせる。 8 コンデンサのはたらきを説明し,10F

と100μFのコンデンサで静電容量の

違いをアナログ回路計で確認させる。ま

た,交流は通すが直流は通さない性質につ

いても触れる。コンデンサのはんだづけを

させる。電解コンデンサは極性に気を付け

させる。 9 ダイオードのはたらきを説明し,交流を

直流に変換する整流について理解させる。

また,P型,N型の半導体についても電子

の流れを図解する。ゲルマニウム,整流用

ダイオードのはんだづけをさせる。 発光ダイオードをはんだづけさせる。

10 トランジスタのはたらきを説明し,増幅

の原理を図示する。既習のダイオードとも

合わせて,半導体の性質について触れる。

トランジスタのはんだづけをさせる。

ての知識を身に付けている。 【知】定期テスト A 抵抗器,コンデンサ,ダイオード,トラン

ジスタのはたらきを理解し,正確に回路図に

組み込める。 B 抵抗器,コンデンサ,ダイオード,トラン

ジスタのはたらきを理解している。

11 教科書と資料集,技・家ノートを使って

伝達装置について説明する。摩擦車と歯車

を取り上げ,回転数の計算をさせる。

12 組み立てと調整 チューニングつまみ部分のギアやアン

テナ線,太陽光パネルの取り付け,サイド

パネルを含めた本体の組立てをさせる。 共通部品の必要性や潤滑油の役割など,

組立て中のラジオを示して説明する。

○ 力や運動を伝達する仕組みの特徴や共通部

品についての知識を身に付けている。 【知】定期テスト A 伝達装置の仕組みや特徴が分かり,共通部

品の必要性を説明できる。 B 伝達装置の仕組みが分かり,共通部品が言

える。 13 組立てたラジオの機能を点検し,不良箇

所の修正をさせる。修正困難な場合は教師

が支援する。放送局の周波数を確認し,受

信できるかを検査させる。USBの出力端

子の検査では,モーターや豆電球などの実

験装置を用いて,手回し発電された電気エ

ネルギーの使用を体験させる。

○ 必要な工具を使って,安全を踏まえた組立

てや調整ができる。

【技】授業観察,ラジオ本体

A 手順に従って正確かつ安全に組立てがで

き,自ら調整することができる。他の生徒に

作業の支援ができるのもAとする。

B 手順に従って安全に組立てができる。

5 評価の記録

各観点はA,B,Cの3段階で評価する。配点を(3,2,1)や(5,3,1)などとし,

その合計点で評価を決める。「知識・理解」は定期テストの素点を入力するため,各観点の配分に

対する生徒の実現状況を割合で算出する。

<定期テストに出題する問題例>

図中にダイオードを2本組み込み,交流を直流に変換

するブリッジ回路を完成させなさい。

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評価の観点 関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解 評価内容

氏 名

ワー

クシ

ート

ワー

クシ

ート

授業

観察

ワー

クシ

ート

ワー

クシ

ート

授業

観察

はん

だ練

習板

ラジ

オ基

ラジ

オ本

授業

観察

授業

観察

定期

テス

田中太郎 A B B B A B B C B A C 35

氷上次郎 B B A B B B B B B B C 23

平井花子 A A A A B B A A A B A 41

Ⅲ 学習意欲の適切な評価方法について(技術分野)

1 「関心・意欲・態度」の評価について

「関心・意欲・態度」の評価は,定期テストやパフォーマンステスト,ワークシート,レポー

トなどの授業後の評価とディベートや作業・行動などの授業中の評価が考えられる。

2 各内容における「関心・意欲・態度」の評価の実際

【事例1】電球の特徴を理解し,使い分けについて考えよう「エネルギー変換に関する技術」

(1) 題材の目標

エネルギー変換に関する技術が社会や環境に果たしている役割と影響について理解させ,

エネルギー変換に関する技術を適切に評価し活用する能力と態度を育成する。

学習指導計画(20時間)

1 電気の利用 ・・・・・・・・・・・・ 2時間

2 電気回路 ・・・・・・・・・・・・・ 3時間

3 電気機器(照明器具)の仕組み ・・・ 3時間(本時3/3)

4 手回し充電ラジオの製作 ・・・・・・ 8時間

5 事故の防止 ・・・・・・・・・・・・ 3時間

6 エネルギー変換技術と環境問題 ・・・ 1時間

(2) 題材の指導のポイント

一般家庭の照明器具に用いられる電球(白熱電球・蛍光灯・LED電球)の簡単な発光の

仕組みを学習した後,実際の電球を点灯させて観察したり,消費電力を表示できるタップを

使用したりすることで,それぞれの特徴について理解させる。その際に比較しながら特徴に

ついて実感させるために,同じ口金サイズの白熱電球・電球形蛍光灯・LED電球を用いる

ようにする。この学習を通して,コマーシャルやエコであるというイメージだけで電球を選

ぶのではなく,その特性や使用条件を考えて最適な電球を選ぶことが大切であることに気づ

かせる。

(3) 評価の視点 エネルギー変換に関する技術に関心をもち,社会的及び経済的,環境的な側面から比較検

討しようとするとともに,適切な解決策を示そうとしている。

ここでは,授業観察とワークシートに記載された内容で評価を行う。授業観察では,話し

合いに積極的に参加できているかを評価する。また,ワークシートでは,用途ごとに照明の

特徴をよく生かせているか,社会的及び経済的,環境的な側面から考えたことが書けている

かを評価する。

Page 7: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

(4) 授業の流れと評価

学習内容・学習活動 教師の指導・支援 評価方法・評価項目

1 前時の学習を振り返

る。

2 本時の学習課題を確

認する。

・前時までのノートを確認させる。

電 球 の 特 徴 を 理 解 し , 使 い 分 け に つ い て 考 え よ う

3 実物を見ながら各電

球の特徴を知る。

・口金サイズ・明るさ

・価格・発熱量

・消費電力

・定格寿命・点灯時間

4 モデルハウスを題材

にして理想的な照明を

考える。

5 話し合った内容を発

表する。

6 次時の確認をする。

・自分の家の照明器具に

ついて改善できる余地

がないか調べてくる。

・資料の表に即して観察させる。

・同時に観察できるように,点灯用

回路を3つ準備する。

・「60W相当」の意味を解説する。

・教室を暗くして観察させる。

・同時に電球を点灯させるためにス

イッチ付きのテーブルタップを使

う。

・エコタップの表示で消費電力を見

るだけでなく,Webサイトで電気代

に換算して実感させる。

(http://kunisan.jp/denki/)

・ 蛍光灯の紫外線についても言及す

る。 →色あせ,虫が集まる

・班単位で話し合わせ,ワークシー

トに適切な電球を当てはめさせる

・以下のポイントを観点として考え

させる。

①使用頻度 ②価格 ③光の性質

④配光 ⑤消費電力(電気代)

⑥点灯までの時間

・コマーシャルやエコであるという

イメージだけで電球を選ぶのでは

なく,電球の特性や使用条件を考

えて最適な電球を選ぶことが大切

であることを確認させる。

【知】

〔ノート,定期テスト〕

○ エネルギー変換に関する技

術が社会や環境に果たしてい

る役割と影響について理解し

ている。

A 各電球の特徴について,使用

する場面に応じた使い分けを

理解している。

B 各電球の特徴について理解し

ている。

【関】

〔行動記録,ワークシート〕

○ エネルギー変換に関する技

術が社会や環境に果たしてい

る役割と影響について考えて

いる。

A 資料や実物を参考にしながら

積極的に話し合いに参加し、用

途に応じた照明を考えている。

B 資料を参考にしながら話し合

いに参加し照明を考えている。

【関】【工】

〔ワークシート〕

○ エネルギー変換に関する技

術の課題を進んで見つけ,社会

的,環境的及び経済的側面など

から比較・検討するとともに,

適切な解決策を見いだしてい

Page 8: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

る。

A 学習した内容を使い自分の生

活をふりかえることで,社会的

側面,経済的側面,環境的側面

などを考慮した照明の改善点

を見付けられた。

B 学習した内容を使い自分の生

活をふりかえることで照明の

改善点を見付けられた。

【事例2】収穫したダイコンを比較して考えよう「生物育成に関する技術」

(1) 題材の目標

生物育成に関する基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに,生物育成に関する

技術が社会や環境に果たす役割と影響について理解を深め,それらを適切に評価し活用する

能力と態度を育成する。

学習指導計画(13時間)

1 栽培の基本を知ろう・・・・・・・・・・・・・2時間

2 栽培計画を立てよう・・・・・・・・・・・・・2時間

3 土と肥料,大根の播種,育苗について・・・・・4時間

4 間引きと管理について・・・・・・・・・・・・1時間

5 生物と光,温度について・・・・・・・・・・・2時間

6 ダイコンの収穫・・・・・・・・・・・・・・・1時間(本時)

7 社会の中での栽培技術を知ろう・・・・・・・・1時間

(2) 題材の指導のポイント

袋栽培は,管理しやすい場所で栽培でき,毎日の変化を間近で観察できる。そのため,生

徒が意欲的に管理活動をすることができる優れた題材と考える。また,栽培計画と管理によ

って収穫量がどのように変化するかという学習課題を設定した授業を展開するのにも適した

題材である。加えて,本題材は,今後の生活において制約された条件の中で問題を解決する

ための工夫や,知識や経験を活用する力を身に付けていくことができるものであると考えた。 (3) 評価の視点

作物に適した生育条件のあり方に関心をもち,自己の考えを積極的に表現しようとしてい

るか。収穫までの見通しをもち,願いの達成に向けて意欲的に作業をしているか。授業中だ

けでなく休み時間や放課後,また家庭等で自主的に取り組んだ学習や発展的に取り組んだ学

習も評価に加えるため,ポートフォリオの手法を用いて学習履歴を残す。

照明の改善点を見つけられているの

でB評価。さらに,社会的側面や経済的

側面から考えた理由が書かれているの

でA評価とする。

用途に応じた考えがよく書けてい

る。さらに,積極的に話し合い活動に

参加できていればA評価とする。

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(4) 授業の流れと評価

学習内容・活動 教師の指導・支援 評価方法・評価項目 1 本時の学習課題の確認

2 ダイコンの計量をし,収穫量

と育成条件の関係を考える。

(1)袋ごとの総重量をまとめ,育

成条件との関係を考える。

・長さ,太さ,重量,本数

(2)各班の収穫量のデータを発表

する。

・長さ,太さ,重さ,本数

3 収獲したダイコンと市販の

ダイコンとの比較をする。

(1)出荷できるダイコンとできな

いダイコンに分け,理由を考え

る。

(2)出荷できるダイコンを育てる

条件をまとめる。

(3)市販のダイコンの出荷基準に

ついて知る。

4 自分がこれから栽培をする

のであれば,どのような技術を

利用するかを考える。

・学習記録を見て,栽培の目的を

確認させる。

・班ごとに結果をまとめて発表さ

せる。

・長さ,重さ,太さの計測をさせ,

発表用のシートに記入させる。

・計測の結果から,栽培条件との

関係に着目させ,その違いを考え

させる。

・各班の結果(収穫量)を黒板に

表で示し,共通点や相違点を発

見させる。

・どのような育成環境が収穫量に

関係しているのかを考えさせる。

・ダイコンの収穫量と出荷量は直

接結びつかないことに気付かせ

る。市販のダイコンを提示する

ことで,大きさで出荷できるか

できないかの線引きがされてい

ることに気づく。

・市販のダイコンの出荷基準を紹

介し,自分のダイコンと比べさせ

る。(畑での栽培と袋栽培の違い)

・大きなダイコンを育てるために

はどのような栽培方法が適して

いるかを知ると同時に,栽培方

法によってメリット,デメリッ

トがあることに気づかせる。

・学んできたことが一目で比較で

きるように表に示し,情報提示を

しておく。

・自分の気づきを,今後の栽培と

社会生活にどのようにいかして

いけるかを文章で表現させる。

【関】【工】

〔ワークシート〕

○ 収穫量から栽培法と

の因果関係を考える

ことができる。

A 自分の班の栽培結果

を比較して,栽培方法

によってどのような

違いがあったかを考

えてまとめることが

できた。

B 栽培結果を調べ,デ

ータとして記入する

ことができた。

【関】【工】

〔ワークシート〕

○ 自分の考えをもと

に,適切であると思う

栽培方法を選択し,文

章で表現できる。

A 今までの情報をもと

に栽培の技術に関心

をもち,今後の社会の

見通しについて考え

ながら,評価し活用す

ることができた。

B 今までの情報をもと

に栽培の技術に関心

をもち,評価すること

ができた。

収 穫 し た ダ イ コ ン を 比 較 し て 考 え よ う

Page 10: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

○観察記録で「意欲・関心・態度」を評価する

【事例3】情報モラルについて考えよう「情報に関する技術」

(1) 題材の目標

著作権や情報の発信に伴って発生する可能性のある問題と,発信者としての責任について

知ることができるようにするとともに,情報社会において適正に活動する能力と態度を育成

する。 学習指導計画(3時間)

1 情報モラルについて考えよう。・・・・・・・・・・・・・・ 1時間(本時)

2 インターネットで被害者や加害者になる場合を知ろう。・・・ 2時間

(2) 題材の指導のポイント

生徒が力を注いだ「合唱コンクール」を扱った本校のWebページを題材にすることによ

り,生徒が著作権や個人情報保護等について,自分自身の問題としてとらえられるように工

夫する。著作権に関する難解な概念については,できるだけ簡易な用語や資料を使用して説

明したり,クイズ形式で興味を高めたりする。 (3) 評価の視点

Webページの問題点を明らかにし,学習した著作権や肖像権,個人情報の保護について

理解を深め,情報社会において技術を適切に評価し活用しようとしているか。 ここでは授業観察とワークシートでの評価を行う。授業観察では,話し合いに積極的に参

加しているかを記録する。また,ワークシートに書かれた文章から,キーワード(本時の学

習で取り上げた,「著作権」,「肖像権」,「個人情報」)をチェックし,評価する。具体的な事

例を挙げて書けているものについてはAと評価する。

<記録の内容ときまり>

・最低 2 枚(2 か月間で 8 回の観察)を記入する

・表現は,植物の様子(文章,画),観察した内容,作業内容,今後への意

気込み

・授業外での観察,管理回数

以上のことがらを記入させ,そこから基準に基づき得点化し評価する。

・管理作業について分かるようにかけているか。

・作業をして気づいた点をかけているか。

・今後の管理への意欲「~したい」などの表記があるか。 管理の内容と回数

Page 11: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

(4) 授業の流れと評価 学習内容・活動 教師の指導・支援 評価方法・評価項目

1 本校のWebページの「合唱コン

クール」のページ(A)を見る。

2 「合唱コンクール」のページ(B)

を見て,ページ(A)と比較する。 3 Bのページを公開できない理由を

考える。

4 情報モラルについて知る。

5 著作権,肖像権,個人情報の保護

に関するクイズを行う。 6 Webページや小冊子「まんが著

作権」を読み,「情報モラル」の要点

をまとめる。 7 実際に起こった事例や著作権法の

動向を知る。

8 情報モラルと自分自身の生活のか

かわりについて考える。

(1)これまでの自分

(2)今後の自分

・顔と名前が分かり,歌も聴こえ

るページは公開できないことを

知らせ,情報モラルについての

興味を喚起する。

・著作権に気付かせるために,B

を公開したら被害を受ける可能

性がある人について考えるよう

指示する。

・各種の権利がどんな理由でだれ

を守るためにあるのかについて

着目させる。

・プロジェクターや○×カードを

使用することで,楽しみながら

知識が身に付くようにする。 ・機器の操作が困難な生徒やまと

めが不十分な生徒には個別指導

を行う。 ・現実の問題として考えられるよ

うに,具体的な話題を提供する。 ・一般論ではなく自分自身が今後

必ず直面するであろう問題とし

て捉えられるように,発問を工

夫する。

【関】 〔ワークシート〕

○ 情報社会において技

術を適切に評価し活用

しようとしているか。

A 情報の発信者として

著作権や肖像権,個人

情報のキーワードと具

体的な事例を挙げて考

えを書けている。 B 情報の発信者として

著作権や肖像権,個人

情報のキーワードが記

入できている。

3 「関心・意欲・態度」の評価の総括

国立教育政策研究所が作成した『評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料』

では,学習内容に準拠した評価について明記している。単に,技術分野に関心を持っている生徒,

例えば,「準備物が整っている」,「提出物の状況」,「挙手の回数」など,学習目標に直接準拠して

ない生徒の状況については,学校生活全般での評価とするべきである。従来,こういった事柄が

「関心・意欲・態度」への評価として導入されがちであり,今後改善される必要がある。また,

評価の機会も限られており,指導要領に沿った題材の見直しや指導のポイントの改善が必要と思

われる。生徒の情意面を評価することは非常に難しい。「関心・意欲・態度」は学びの出発点であ

り最終地点でもある。他の観点と無限ループを繰り返し高まっていくと考えられる。この観点に

ついては他の観点よりも長いスパンで学習前の状況と学習後の状況を比較して評価していく必要

がある。

<参考文献> 中学校教育課程講座 技術・家庭 編著 田口浩継 ぎょうせい

情 報 モ ラ ル に つ い て 考 え よ う

Page 12: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

ⅡⅡⅡⅡ 記録記録記録記録にににに残残残残すためのすためのすためのすための効果的効果的効果的効果的・・・・効率的効率的効率的効率的なななな評価方法評価方法評価方法評価方法等等等等についてについてについてについて((((家庭分野家庭分野家庭分野家庭分野))))

1111 内容確認表内容確認表内容確認表内容確認表・・・・指導計画指導計画指導計画指導計画表表表表

効果的・効率的な学習評価を行うためには,評価すべき点を見落としていないかを確認するた

めに指導計画作成のための内容確認表【例①】を作成することが大切である。そして,各題材に

おける観点別学習状況の評価を行う時期や方法を観点ごとに整理しておくことが必要である。こ

のような観点別指導計画【例②】の作成により,評価資料の収集・分析が合理的・効果的に行う

ことができる。観点別指導計画を作成するためには,各題材に対する適切な評価ができる各観点

の評価時期・評価方法を明確にしておかなければならない。

【例①】指導計画作成のための内容確認表「安全で快適な住まい方を工夫しよう」 A

家族・家庭と

子どもの成長

食 生 活

と自立

衣生活・住生活

と自立

身近な消費

生活と環境

授 業

時 数

(1) (1) (2) (3)

内 容

題 材 名

ア ア イ ア ア イ

ガイダンス ○ 2 住まいの役割 ○ 1 家族と住まいのかかわり ○ 1 安全に住むには ○ 3 健康で快適な室内空間 ○ 1 よりよい住生活 ○ 1

夫 布を用いた小物の製作 ○ 5

年 合計時間数 19.5 30 25 9 87.5

指導計画作成の特徴

これからの生活を展望し,現在の生活全体を見直し,環境に配慮した生活

を工夫していくことをねらいとしている。内容Cと内容Dを関連づけて,身

近な生活の中から消費生活や環境とのかかわりを具体的に考えられるように

なることを目指している。

【例②】「安全で快適な住まい方を工夫しよう」観点別指導計画(観点別評価重点項目計画)

● 関心・意欲・態度… 意欲的な取り組みが見られれば記録しておく。毎時間のワークシ ートの記入や自己評価表などの記入についても,学習の積み重ねと して考慮する。

● 工夫・創造 ………… 課題の解決方法を調べたり,話し合ったりして考えたことが表現 できているか,生活を豊かにするための方法や製作計画を工夫して

いるかに注目する。 ● 技 能 ………… 作品だけでなく,製作の過程も評価する。 ● 知識・理解 ………… 題材終了後のレポートやテストで基本的な知識の習得を評価する。

時間

観点 1 2 3 4 5 (評価物) 提出物 作 品 テ ス ト

関心・意欲・態度 ○ ○ ○ ○ ○ 工夫・創造 ○ ◎ ○ ◎ ◎

技能 ◎ 知識・理解 ○ ○ ○ ○ ◎

Page 13: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

2222 「「「「安全安全安全安全でででで快適快適快適快適なななな住住住住まいまいまいまい方方方方をををを工夫工夫工夫工夫しようしようしようしよう」」」」のののの目標目標目標目標

住居の機能と住まい方に関する学習を通して,自分や家族の住空間に関心をもち,住居の基本的

な機能や安全に配慮した室内環境の整え方を知るとともに,安全で快適な住まい方を考え,具体的

に工夫できるようにする。また,布を用いた物の製作を通して,自分や家族の住生活を豊かにする

ための工夫ができるようにする。

題材の指導計画 (総授業時数12時間)

(1) 住まいのはたらきを考えよう 2時間

(2) 安全で快適な住まい方を工夫しよう 5時間

① 世界と日本の住まい方の工夫について調べよう

② 健康で快適に住むための工夫について考えよう

③ 安全に住むための工夫について知ろう(本時4/5時間)

④ 自分や家族にとって安全で快適な住まいの工夫について考えよう

(3) 住生活を豊かにするものを製作しよう 5時間

3333 題材題材題材題材のののの評価規準評価規準評価規準評価規準

生活生活生活生活やややや技術技術技術技術へのへのへのへの

関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度

生活生活生活生活をををを工夫工夫工夫工夫しししし

創造創造創造創造するするするする能力能力能力能力

生活生活生活生活のののの技能技能技能技能

生活生活生活生活やややや技術技術技術技術についてのについてのについてのについての

知識知識知識知識・・・・理解理解理解理解

安全で快適な室内環

境の整え方や住まい方,

布を用いた物の製作に

関心をもち,整え方と住

まい方の課題・製作に取

り組み,住生活を豊かに

しようとしている。

室内環境について課

題を見つけ,安全で快

適な整え方や住まい

方,住生活を豊かにす

るための製作品につい

て考え工夫している。

安全で能率良く,

布を用いた物の製

作をすることがで

きる。

住居の機能について

理解し,安全で快適な室

内環境の整え方と住ま

い方,布を用いた物の製

作に関する知識を身に

付けている。

4444 評価評価評価評価のののの実際実際実際実際

(1)(1)(1)(1) 題材題材題材題材のののの指導指導指導指導ののののポイントポイントポイントポイント

この題材は,「C衣生活・住生活と自立」の(2)「住居の機能と住まい方」と(3)「衣生活・

住生活などの生活の工夫」のアと関連を図っている。本題材では,室内環境や家庭内事故に関す

る観察や実験,調査などを通して,住居の機能と安全で快適な住まい方についての基礎的・基本

的な知識を身に付け,それらの知識を基に家庭で活用し,住生活を豊かにするための工夫ができ

るようにする。

(2)(2)(2)(2) 評価評価評価評価のののの視点視点視点視点

① 「安全」「快適」の視点から実践的態度を育成するための指導計画・評価の工夫改善

② 「身に付ける」「見通す」「見つける」「生活につなぐ」の4つの活動と言語活動とのかかわり

Page 14: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

(3)(3)(3)(3) 「「「「安全安全安全安全でででで快適快適快適快適なななな住住住住まいまいまいまい方方方方をををを工夫工夫工夫工夫しようしようしようしよう」」」」のののの指導指導指導指導とととと評価評価評価評価のののの計画計画計画計画((((5555時間時間時間時間))))

ねらい・学習活動

生活や技術への

関心・意欲・態度

生活を工夫し

創造する能力

生活の

技能

生活や技術につ

いての知識・理解

4つの

活動

○家屋の実例から,気

候・風土の特性や労働

の形態,家族の暮らし

等が住まいの構造や間

取りに深く関係してい

ることを考える。

①住空間と生活

行為との関わり

について,関心

をもって学習に

取 り 組 ん で い

る。・・・・行動観察行動観察行動観察行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

①家族の生活が

住まいの構造や

間取りに深く関

係していること

を知る。

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

・・・・発表発表発表発表

見つける

○健康で快適に住むた

めに,明るさ・温度・湿

度・空気の調節など,

室内環境の整え方を知

り,自分の生活環境に

ついてふり返ることが

できる。

②健康で快適な

室内環境に関心

をもち,自分の

生活環境につい

て,積極的にふ

り返ろうとして

いる。・・・・行動観察行動観察行動観察行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

②室内の空気調

節,音と生活の関

わりなどの視点

から,室内環境の

整え方を理解し

ている。

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

※※※※ペーパーテストペーパーテストペーパーテストペーパーテスト

○シニア体験を通して,

高齢者など家族の安全

の視点から,家庭内事

故やその原因,防ぎ方

について考える。

③安全な室内環

境について,家

族の安全の視点

から,関心をも

って学習に取り

組んでいる。

・・・・行動観察行動観察行動観察行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

①高齢者の視点

で室内環境をふ

り返り,家庭内

事故の防止につ

いて対策を立て

る こ と が で き

る。 ・・・・発表発表発表発表

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

③家庭内の事故

防止,住まいの危

険と安全対策に

ついて知ること

ができる。

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

※※※※ペーパーテストペーパーテストペーパーテストペーパーテスト

見通す

○地震災害時の資料を

もとに,自然災害によ

る住まいの危険を知り,

対策を考える。

④災害時の記録

から,住まいの

安全対策につい

て関心をもち,

積極的に学習に

取 り 組 ん で い

る。

・・・・行動観察行動観察行動観察行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

②災害時におけ

る住まいの安全

対策について話

し合い,自分な

りに考え工夫す

る こ と が で き

る。

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

・・・・発表発表発表発表

④災害時の住ま

いの危険と安全

対策について具

体的な方法を理

解している。

※※※※ペーパーテストペーパーテストペーパーテストペーパーテスト

見つける

生活に

つなぐ

○自分や家族の住空間

について,安全で快適

な室内環境の整え方や

住まい方を考え,工夫

することができる。

⑤快適で安全な

家族の住空間に

ついて関心をも

ち,積極的に改

善していこうと

している。

・・・・行動観察行動観察行動観察行動観察

③快適で安全な

住空間にするた

めに,自分の生

活の中から課題

を見つけ,工夫

することができ

る。

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート

見つける

生活に

つなぐ

※※※※は定期テストで一括して評価する。

身に

付ける

見通す

身に

付ける

Page 15: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

(4)(4)(4)(4) 本時本時本時本時のののの学習指導学習指導学習指導学習指導

① 本時の題材名「「「「地震対策地震対策地震対策地震対策,,,,あなたのあなたのあなたのあなたの家家家家はははは大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫?~?~?~?~東日本大震災東日本大震災東日本大震災東日本大震災からからからから考考考考えるえるえるえる~」~」~」~」

② 目標

・災害時における住まいの危険と安全対策に関心をもち,積極的に学習に取り組んでいる。(関意)

・住まいの安全対策について話し合い,自分なりに考え工夫することができる。(創工)

③ 本時の学習指導過程

学習活動および

学習内容

4つの活動

言語活動言語活動言語活動言語活動

教師の支援・評価

1 本時の課題を

知る。

2 震災時の写真

と映像を見て,災

害時における住

まいの危険箇所

とその原因につ

いて知る。

3 家庭における

地震対策にはど

のようなものが

あるか調べる。

4 住まいの安全

対策について班

で話し合い,各自

でまとめる。

5 まとめたこと

を発表する。

6 本時のまとめ

と感想を書き,次

時の活動を知る。

解釈解釈解釈解釈

〔思考〕

情報分析情報分析情報分析情報分析

〔思考・判断〕

討論討論討論討論・・・・協同協同協同協同

〔思考・判断〕

説明説明説明説明・・・・発展発展発展発展

〔表現〕

評価評価評価評価

〔思考〕

○ワークシートを配布し,本時は東日本大震災の記録をもとに,震

災時の住まいの危険と安全対策について考えることを伝える。

○東日本大震災後の住空間の様子を写真やアンケート結果を知らせ

ることで,より具体的に震災時の状況をイメージできるようにする。

○自分たちが住む地域も高い確率で大きな地震(南海沖地震)があ

ることが予想されているということを確認し,安全対策の必要性に

ついて実感を伴って感じられるようにする。

○教室内に地震対策ヒントカードを置き,住まいの場所や災害の状

況に応じて,個々に調べられるようにする。

○調べたことをまとめられるようにワークシートを工夫する。

○自分が調べた安全対策について,まずは小グループ内で発表し,

皆の前で質問や意見を言うことが苦手な生徒でも自分の意見が伝え

られるよう,相互評価ができるコメントカードを用意する。

○安全対策を考えるときに気をつけたことや,なぜその方法にした

かを室内の整理整頓や快適で安全な住空間の整え方など,これまで

に学習した観点を活用して説明できるよう確認する。

評価評価評価評価((((創工創工創工創工))))

○自分たちの考えを整理して,分かりやすく他の班に伝えられるよ

う,説明手順をまとめた発表カードを用意する。

○住まいの安全対策について,自分の実体験や具体的に考えられて

いる発表を賞賛し,家族や住む人の実態に合わせた工夫が大切であ

ることに気付かせる。

○班ごとに安全対策の説明をホワイトボードに貼らせることで,説

明を視覚的に整理し,把握しやすくする。

○他の班の発表に意見や質問の内容が考えにくい生徒には,教室内

の掲示にふれて助言することでヒントをつかめるようにする。

○他の人の意見やヒントカードを参考にしながら,本時の自己評価

と反省ができるようにし,次時は自分の住んでいる家を安全で快適

にするための工夫について考えることを伝える。

評価評価評価評価((((関意関意関意関意))))

「「「「地震対策地震対策地震対策地震対策,,,,あなたのあなたのあなたのあなたの家家家家はははは大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫???? ~~~~東日本大震災東日本大震災東日本大震災東日本大震災からからからから考考考考えるえるえるえる~」~」~」~」

見見見見つけるつけるつけるつける

生活生活生活生活にににに

つなぐつなぐつなぐつなぐ

A 既習の学習事項を活用しながら具体例や自分の生活を踏まえて説明でききききる。

B 安全対策についてヒントカードに書いてあることを活用して説明できる。

A 住まいの危険と安全対策に関心をもち,自分の住まいに積極的に生かそうとしている。

B 住まいの危険と安全対策に関心をもつことができる。

Page 16: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

5555 評価評価評価評価のののの記録記録記録記録

(1) (1) (1) (1) 目標目標目標目標::::住住住住まいのまいのまいのまいの安全対策安全対策安全対策安全対策についてについてについてについて話話話話しししし合合合合いいいい,,,,自分自分自分自分なりになりになりになりに考考考考ええええ工夫工夫工夫工夫することができるすることができるすることができるすることができる。(。(。(。(創工創工創工創工))))

評価評価評価評価規準規準規準規準

評価評価評価評価のののの例例例例

評 価 の 材 料 ワークシート

A の 例

自分の部屋のコンポは,方向や位置を考えて置き,地

震の時に落ちてこないようにすべり止めをつけたり,固

定したりする。

B の 例 食器だなには,つっぱり棒をつける。

判断判断判断判断ののののポイントポイントポイントポイント

評 価 の 材 料 発 表

A の 例 既習の学習事項や具体例,自分の生活を踏まえて発表できる。

B の 例 ヒントカードや友だちの意見を参考に,読むことができる。

(2) (2) (2) (2) 目標目標目標目標::::災害時災害時災害時災害時におけるにおけるにおけるにおける住住住住まいのまいのまいのまいの危険危険危険危険とととと,,,,安全対策安全対策安全対策安全対策にににに関心関心関心関心をもちをもちをもちをもち,,,,積極的積極的積極的積極的にににに学習学習学習学習にににに取取取取りりりり組組組組んでいるんでいるんでいるんでいる。。。。

((((関意関意関意関意))))

評価評価評価評価規準規準規準規準

評価評価評価評価のののの例例例例

判定判定判定判定ののののポイントポイントポイントポイント

評 価 の 材 料 ワークシート

A の 例

今日の授業で,自分でもできる安全対策があることが分かっ

たので家に帰ったらさっそく家の中を点検してみようと思う。

そして,家具だけではなく,防災袋やコンロの近くに燃えや

すいものを置かないなど,家族みんなが知っていた方がよいこ

ともあるので,家でも話し合いたい。

B の 例 地震などの災害にそなえて対策を考えておくこ

とが大切だとわかった。

評 価 の 材 料 行 動 観 察

A の 例 他の班の発表を聞いて,印象に残ったことを記録できている。

B の 例

住まいの危険と安全対策について他の班の発表を聞くことができ

る。

A 住まいの危険と安全対策に関心をもち,自分の住まいに積極的に生かそうとしている。

B 住まいの危険と安全対策に関心をもつことができる。

A 既習の学習事項を活用しながら具体例や自分の生活を踏まえて説明でききききる。

B 安全対策についてヒントカードに書いてあることを活用して説明できる。

Page 17: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

ⅢⅢⅢⅢ 学習意欲学習意欲学習意欲学習意欲のののの適切適切適切適切なななな評価方法評価方法評価方法評価方法についてについてについてについて((((家庭分野家庭分野家庭分野家庭分野))))

1111 技術技術技術技術・・・・家庭科家庭科家庭科家庭科((((家庭分野家庭分野家庭分野家庭分野))))におけるにおけるにおけるにおける「「「「関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度」」」」のののの評価評価評価評価についてについてについてについて

技術・家庭科(家庭分野)では,題材ごとに評価規準を設定し,評価の場面や評価の観点,

評価の目的に応じた評価方法を工夫している。具体的な「関心・意欲・態度」の評価方法とし

ては,観察,ノート,ワークシート,製作記録表,作品,レポート,自己評価・相互評価など

がある。教科の特性である製作や実習などの活動への関わり方や実践報告の発表の様子,実技

試験の様子などは,教師の行動観察として記録している。製作の場合では,進度や練習量など

で評価する場合もある。また,製作計画や製作記録表,実践記録表,レポートなどは,その記

述内容で評価している。ノート,ワークシートは指示された内容が記述できているかなどを確

認して評価の資料としている。自己評価・相互評価は補助的な資料として活用している。

2222 「「「「環境環境環境環境にににに配慮配慮配慮配慮したしたしたした生活生活生活生活をををを工夫工夫工夫工夫しようしようしようしよう」」」」におけるにおけるにおけるにおける「「「「関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度」」」」のののの評価評価評価評価のののの実際実際実際実際

(1)(1)(1)(1) 題材題材題材題材のののの目標目標目標目標

① 家庭生活と環境のかかわりについて関心をもち,問題解決的な学習に意欲的に取り組もう

とする。

② 環境に配慮した消費生活の工夫を考え,表現することができる。

③ 自分や家族の生活を見直し,身近なところからできる環境に配慮した生活を実践すること

ができる。

④ 自分や家族の消費生活が環境に与える影響や循環型社会について理解できる。

(2) (2) (2) (2) 題材題材題材題材のののの指導指導指導指導ののののポイントポイントポイントポイント

この題材は,生徒が主体的に行動しようとする意欲を育てるために,「D身近な消費生活と環

境」の内容と,「C衣生活・住生活と自立」の学習と関連を図り,体験的な学習を取り入れてい

る。また,これまで学習したことを活用し,一つからでも環境に配慮した生活を実践に移すこ

とができる生徒の育成をめざしている。

(3) (3) (3) (3) 評価評価評価評価のののの視点視点視点視点

身近な消費生活と環境について考え,自分の生活スタイルを改善しようとしているかを評価

する。課題について調べたり,調べたことを発表したりする態度や自分の考えをまとめたりす

る様子などを観察して判断する。また,自分や家族の生活を見直し,環境に配慮した生活を実

践することにつながるメッセージカードの作成に取り組めたかをワークシートやメッセージカ

ードの記述内容で判断する。

(4) (4) (4) (4) 題材題材題材題材のののの授業授業授業授業のののの流流流流れとれとれとれと評価評価評価評価

① 題材の指導計画 (総時間数8時間)

〔1〕身の回りのMOTTAINAIを考えよう 2時間

・ 循環型社会について

・ 改善ポイントプレートの作成

〔2〕電気の使い方について考えよう(本時3/8時間) 1時間

〔3〕エコバッグについて知ろう 2時間

・ エコバッグについて調べ学習

・ 我が家のエコバッグの検討

〔4〕環境に配慮した消費生活について工夫し,実践しよう 3時間

・ メッセージカードの作成

・ エコバッグの製作

Page 18: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

② 「環境に配慮した生活を工夫しよう」の指導と評価の計画(8時間)

ねらい・学習活動

生活や技術への関

心・意欲・態度

生活を工夫し創造

する能力

生活

技能

生活や技術に

ついての知

識・理解

4つの

活動

○自分の身の回りのM

OTTAINAIにつ

いて調べ,自分や家族の

生活が環境に与える影

響について考え,環境に

配慮した消費生活の実

践に向けての意欲を高

めることができる。

①自分や家族の消

費生活や環境問題

に関心をもち,意欲

的に取り組むこと

ができる。

・行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート〔〔〔〔例例例例1111〕〕〕〕

①自分や家族が家庭

や学校で実践可能な

内容や方法をイラス

トや文章で表すこと

ができている。

・改善ポイントプレ

ート

①消費生活が

環境に与える

影響や循環型

社会について

理解している。

※ペーパー

テスト

○電気の使い方につい

て考える学習を通して,

節電の良さを知り,自分

ができる節電方法につ

いて考えることができ

る。

②電気の使い方が

環境に与える影響

について意欲的に

考えることができ

る。

・行動観察

・・・・ワークシートワークシートワークシートワークシート〔〔〔〔例例例例2222〕〕〕〕

②自分が家庭でチャ

レンジしたい節電方

法を考えることがで

きる。

・ワークシート

○エコバッグの調べ学

習や検討を通して,環境

に配慮した生活の工夫

を考えることができる。

③自分や家族が環

境に配慮した生活

ができるように,家

族を説得できる資

料を探すことがで

きる。・調べた内容

③自分や家族の実態

に合った使いやすい

エコバッグを考える

ことができる。

・ワークシート

○家族に使ってもらえ

るエコバッグを製作し

提案する活動を通して,

環境に配慮した消費生

活を身近なことから実

践しようとする意欲を

高めることができる。

④環境に配慮した

生活を実践するこ

とにつながるメッ

セージカードを書

くことができる。

・行動観察

・メッセージ

カード

④家族にわかりやす

く,今までの学習で

得た知識をもとにメ

ッセージカードを書

くことができる。

・メッセージ

カード

③ 本時の展開(3/8時間)

目標 学習内容の価値を理解し,自分の消費生活や環境問題について興味・関心をもち,

意欲的に学習に取り組むことができる。

④ 学習活動と評価

学習内容および学習活動 教師の支援・評価

1.節電方法について宿題で調べた

ことや NASA の航空写真を見ての

感想をグループで発表しあう。

2.1の活動から,自分の日常生活

を見直す必要があることに気づ

かせる。

・宿題のプリントの記入事項をグループごとに回し読みした後,節

電方法をグループの意見として発表させ,現時点で考えられている

方法が少ないことや実施困難な方法があることを確認する。

・NASA の写真から,日本が電力を多く使用していることを実感させ

る。

・4~5 人のグループを 9 つ作り,少人数の班として,できるだけ話

し合いに参加できるようにする。

・節電方法から自分の今までの生活を変える必要があることに気づ

かせる。

※※※※は定期テストで一括して評価する。

見つける

自分自分自分自分のののの生活生活生活生活スタイルスタイルスタイルスタイルをををを見直見直見直見直しししし,,,,改善改善改善改善しようしようしようしよう

身に付ける

見通す

生活に

つなぐ

Page 19: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

3.生活を見直す時の視点を考え,

まとめる。

「よりよい消費生活」

「環境に優しい生活」

4.資料をもとに,具体的な改善点

を考え,実践すると良いと思うも

のをグループで話し合い,5つラ

ンキングし,1位の実践項目とそ

の理由を発表する。

5.その活動を通して考えたことを

まとめる。

6.具体的な節電宣言を考える。

7.本時のまとめをする。

・自己評価表を書く。

・次時の学習内容を確認する。

・改善をする際,何を判断基準にするのかを考えさせる。「地球上に

存在するものすべてが,元気に生きることができる。」という目標か

ら,2 つの視点に考えをまとめさせる。

・今の生活を当たり前とは思わずに,生活の中での改善点を資料の

絵から考えさせる。

・自分なりに考えた具体的な改善点を付せん紙に書かせ,それをも

とに,話し合いでグループの意見として実践すると良いものからラ

ンキングをし,ワークシートに貼らせる。

・書き方のわからない者には,「○○をする。」「○○をしない。」と

いう形で,自分が家庭生活でしていることの是非を見直す視点で具

体的な改善点を考えさせる。

評価評価評価評価((((関意関意関意関意))))

A 改善点が付せん紙に6枚以上記入し,具体的に表現できる。

B 改善点が付せん紙に5枚記入できている。

・自分自身の生活スタイルを振り返り,消費と環境の2面から考え,

改善しなければならないことを文章にして書くことにより意識付け

をする。

・考えるだけでなく,実践することが大切であることを強調し,今

日から実践することを具体的に考えさせる。

・節電についての資料を配布し,知識や情報を得る事が大切である

ことを知らせる。

・授業への取り組みについての反省や自分の課題を自己評価表に記

入させる。

・家族に今日のワークシートを見せ,実践への協力を依頼するとと

もに,家族の意見をワークシートに記入し,できれば家族ぐるみで

実践するよう伝える。

評価評価評価評価((((関意関意関意関意))))

A 自分の生活を振り返り,自分の生活の改善について考えを書く

ことができる。

B 友だちの意見をもとに生活の改善についての考えを書くこと

ができる。

「「「「関心関心関心関心・・・・態度態度態度態度・・・・意欲意欲意欲意欲」」」」のののの評価評価評価評価①①①① 〔〔〔〔例例例例1111〕〕〕〕身身身身のののの回回回回りのりのりのりの「「「「MOTTAINAI」OTTAINAI」OTTAINAI」OTTAINAI」をををを

調調調調べてまとめようべてまとめようべてまとめようべてまとめよう

レベルレベルレベルレベル1111((((すぐにできるすぐにできるすぐにできるすぐにできる))))レベルレベルレベルレベル2222((((少少少少しししし努力努力努力努力すればできるすればできるすればできるすればできる))))レベルレベルレベルレベル3333((((かなりかなりかなりかなり意識意識意識意識しないとしないとしないとしないと難難難難しいしいしいしい))))

緑緑緑緑…………「「「「しているしているしているしている」」」」 黄黄黄黄…………「「「「少少少少しはしているしはしているしはしているしはしている」」」」

赤赤赤赤…………「「「「知知知知っているっているっているっている」」」」けどけどけどけど「「「「していないしていないしていないしていない」」」」

レベルレベルレベルレベル

話話話話しししし合合合合いをいをいをいを通通通通してしてしてして

考考考考えたことえたことえたことえたこと

衣生活衣生活衣生活衣生活 古着を雑巾にする(緑)

食生活食生活食生活食生活

残さずご飯を食べる(黄)

生ゴミを肥料にする(赤)

住生活住生活住生活住生活 テレビをつけっぱなしにしない(黄)

そのそのそのその他他他他 エコバッグを使う(黄)

関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度のののの評価評価評価評価

生活の改善点が書けていれ

ば,「おおむね満足できる」

状況と判断した。また,自分

の生活を見直し,地球や国や

地域など,広い視野から改善

点が書けていれば「十分満足

できる」状況と判断した。

関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度のののの評価評価評価評価 ここに貼ってある付せん紙枚数が,5枚貼っている

ものを「おおむね満足できる」状況と判断した。

「十分満足できる」状況は,6枚以上のカードの記

入があり,具体的に表現されているものとした。

Page 20: 技術・家庭科における評価・評定の在り方...(2) 観点別評価の流れ 観点別評価「A」が75%以上,評定「5」が85%以上というカッティングポイントであ

「「「「関心関心関心関心・・・・態度態度態度態度・・・・意欲意欲意欲意欲」」」」のののの評価評価評価評価②②②② ワークシートワークシートワークシートワークシート〔〔〔〔例例例例2222〕〕〕〕

3333 「「「「環境環境環境環境にににに配慮配慮配慮配慮したしたしたした生活生活生活生活をををを工夫工夫工夫工夫しようしようしようしよう」」」」におけるにおけるにおけるにおける「「「「関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度」」」」のののの評価評価評価評価のののの総括総括総括総括

この題材では,自分や家族の消費生活が環境に与える影響について関心をもち,主体的に捉え,

環境に配慮した消費生活を実践しようとしているかについて評価する。

1・2時間目の評価規準①については,グループごとの意見交換の様子や,〔例1〕のワークシー

トの記述内容から評価する。行動観察やワークシート,改善ポイントプレートの記述内容などにより

A,B,Cで評価し,教師の評価簿に記録する。

8時間目の評価規準④については,エコバッグの製作の様子やメッセージカードの記述内容などに

A,B,Cで評価し,教師の評価簿に記録する。

毎時間,授業後に記入する生徒の自己評価表などの記入状況や記述内容なども評価の補助簿に記録

しておく。題材の学習終了後に「A,B,C」評価を数値化し,合計した点数の満点に対する割合を

実現状況として,観点別評価の判断基準に当てはめて,題材の「関心・意欲・態度」の評価の総括と

する。

「「「「環境環境環境環境にににに配慮配慮配慮配慮したしたしたした生活生活生活生活をををを工夫工夫工夫工夫しようしようしようしよう」」」」におけるにおけるにおけるにおける「「「「関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度」」」」のののの評価評価評価評価のののの総括例総括例総括例総括例

時間 1,2 3 4,5 6,7,8

評価場面

「MOTTAINAI」を

調べ,意見交換

節電方法を

考える

エコバッグの

調べ学習

メッセージカードの記入

生徒 X子

○A・B・C

○A・B・C A・

○B・C

○A・B・C

11 A

生徒 Y夫

A・○B・C A・

○B・C A・

○B・C A・B・

○C

7 B

4444「「「「関心関心関心関心・・・・意欲意欲意欲意欲・・・・態度態度態度態度」」」」のののの評価評価評価評価((((家庭分野家庭分野家庭分野家庭分野))))

「関心・意欲・態度」は,行動観察や表現物(学習カード,計画表,記録表,ワークシートなど)の

記述内容を資料として評価することが多い。表現物を評価する場合,状況に左右されない評価の観点

をしぼり,具体的な特徴・記述内容などの判定基準の設定が必要である。生徒の文章力や表現力の差

が評価に影響しない適切な評価方法・判定基準を考えていかなければならない。行動観察による評価

の場合も,学習状況を把握できる評価場面の設定やチェックリスト・補助簿の工夫などが必要となっ

てくる。適切な評価をするためには,教員が研修を重ね,評価のばらつきがないように基準を決定

し,「A」「B」「C」の判定ができるようにしなければならない。また,「関心・意欲・態度」をペー

パーテストで評価する方法や問題の工夫などの検討も必要である。

自分の生活を振り返り,具体的な

改善方法を書くことができている

ことから「十分満足できる」状況

(A)と判断した。

生活の改善については考えを書く

ことはできているが,具体的な改

善方法については考えることがで

きていないことから「おおむね満

足できる」状況(B)と判断した。

私は,冷蔵庫をあけっぱ

なしにすることが多いの

で,すぐに閉めたいです。

テレビやエアコンをつけ

ているとたくさんの電気を

使うので,エアコンは暑く

てもなるべく使わないよう

にして,テレビを最低限に

おさせたいです。電灯をつ

けっぱなしにして寝ること

が多いので,これからは電

灯をつけて寝ないように気

をつけたいと思いました。

普通に生活して

いたらあまり気に

ならないけど絵を

見ると,むだなこ