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U.D.C.占21.335.025:る21.337:る21.314.d3_52:54占.28
交流電気車のSCR式無電弧連続制御の研究ArclessTap Changlngand Notchless Controlby SCR for A.C.Locomotives andCars
坪 井TakasbiTsuboi
内 容 梗 概
SCRを用いて,交流電気串の無電弓瓜タップ切換と,電圧の連続的制御を行なう方式は軽量高性能化の点で
すぐれた方式である。
本稿では,まず無電弧タップ切換方式の概要を述べ,次にブリッジ形回路の動作解析を行ない,
とタップ電流との関係を明らかにした。さらに回路構成上ならびに制御上留意すべき点を指摘し,
よる実験結果を示した。
1.緒 口
交流電気串の電圧制御法として,可飽和リアクトルを軌、た低圧
側無電弧タップ切換方式が提案され(1)~(3),わが国でも実馴ヒされ
ている(4)(5)。
本方式は無電弧タップ切換という保守上の有利性はもちろんであ
るが,電圧の連続的制御が可能であることが,電圧変動率が小さい
低圧切換方式の特長と相まって,高度の粘着性能が要求される枚閑
専用として好適である(6)。さらに変圧器の構造簡単,軽量,タップ
切換器の絶縁容易など,低圧側制御本来の特長を備えている。
ところで,SCRの大電流化,高電圧化への進歩は著しく(7),華両
用として十分実用に供しうるようになってきた。可飽和リアクトル
の代わ;)にSCRを用いれば,装置が′+\形軽量化されるとともに,
電圧降下が格段と小さくできる利点がある。
本文でほ,交流電気車を対象としたSCR式無電弧タップ切換方
式の概要,動作解析,実験結果を述べる。
2.SCRを用いた無電弧タップ切換の原理
2.1基 本 形
弟l図に基本回路を示すこ∴変圧器の2次側に設けた複数個のタッ
プを,杏偶の2グループごとに負荷側を共通にして,逆並列にLた
2組のSCRに接続する。SCRの負荷側は共通にして負荷に接続さ
れる。
たとえば弟1図(a)のごと、て S3,S4が閉じた状態で,S3側SC・R
を常時導通状態,S4側を常時非導過とすれは 負荷にほ第3タップ
の電圧が印加される。逆iこS3側を非導通,S4側を導通状態とすjL
ば,負荷には第4タップの電圧が印加される。そして非導通側のタ
ップには負荷電流が流れないので,無電流,無電弧タップ切換がで
きる。
S3側SCRが先に通流しているとき,任意の位相αでS4側SCR
を点弧すると,負荷電流は電位のよJ)高いS4側に移り,負荷には
弟1図(b)のような波形の第3,第4タップ中間の電圧が加えらカt
る。制御角αを調整すれば,負荷電圧を第3,第4タップの間で任
意に調整できる。
以上の説明から明らかのように,動作中どちらか一方のSCRが
導通状態となっているから,タップ位置とほ無関係に,SCRiこ印加
される電圧は順逆ともたかだかタップ間電圧である。
弟】図の回路でほ交流出力が(整流器を追加すれば商流出力も)得
られるが,一方のSCRが通電中に相手側の逆位相SCRがミスファ
イ7すれば,タップ間短絡を生ずるので,SCRの制御には細心の注
意を要する。
*日立製作所日立研究所
、ヽL
「\U
丸「
「\U
ざ負荷
SCR
(a)回 路
変圧器定数
試作装匿に
0凸
12
11
\■三一
孝*
17 1800
(b)波形(抵抗負荷)
第1図 SCRによる無電弧タップ切換の原理説明図
SCR4アーム式 SCR2アーム式
S5
イ
りり
■ゾ耶
S31
負荷
(c)
センタータ∵「形
2
1
■:1′
L、2,(b)
2
.ノ1
■'1r
2'
(d)
第2国 内流出力形無電孤タ、ソプ切換回路方式
2.2 直流出力形
舞2図に直流出力のみが得-られる回路の数例を示す。これらはい
ずれも二つのタップにまたがる同極性のSCRまたはSRを,負荷
側で突き合わせ,主整流器を通じて負荷に両統を供給するようにし
たものである。
タップ切換法ほ第3図に示すとおりであiつ,SCR4アーム式の場
合ほ,2組のSCRを交互に切換え,上側に位置するSCRのf_、ヒ柏制
御により電圧調整を行なうが,SCR2アーム式は相手側が電圧制御
能力のないSRであるから,各ステップごとに常にSCRがSRよ
り上側に位置するように,いわゆるシヤクトブ虫状のタップ切換を
行なう。SCR素子数ならびに点弧装置が少ない点で,SCR2アーム
式のほうが経済的な方式といえる。
-1】
298 昭和40年2月 日 立 評 論 第47巻 第2号
制OD
御
角1800
脚 偶酬 く
///ノ///し//
選択開閉器2 Sl S。 (逆j‾lこ開閉器1
1。
㍉。く(alS(てR47一ムノ〔′)均r㌻
剃00
御
角1800
選手即別封器2 Sl S2 S3 S一
遠州卿那芹1 Sl_S2
S3
(l))SCI12アーームノ℃7)機丁†
第3図 タップ切換順序とSCRの位相制御法
XIZ
Xl
′召EISinβ
Nl
N12
Xol
N。1
2 SCli2
1 11
SR2
MSR2
M
SCRl
SRl
MSRl
工d
MSR3 MSR.
NいN。1,N.2:変圧器巻線回数
ⅩいX。いX}2:変圧器等帆枯れりアクタンス
第4図 動 作 解 析 用 回 路
3.ブリッジ形回路の動作解析
3.1電源変圧器の等価回路
第1図のように隣接する二つの選択スイッチを閉じて,タップ1寸一
間の電圧を負荷に供給している場合の電源変圧器は,第4図に示す
ように1次巻線凡,2次下側巻線∧も1およびタップ巻線凡2より
構成された,一種の3巻線変圧器と見なすことができるから,定数
を各巻線に分離した等価回路で表現できる(8)。
この場合,各巻線の等価インピーダンスは,その巻線の抵抗およ
び自己漏れインダクタソスと,巻線間の相互インダクタソスを巻数
比で換算した値との和である。
架線のインピーダンスは,そのまま1次等価インピーダンスに加
算される。
3.2 動作解析用回路
策4図は動作解析の対象とした回路(ブリッジ形SCR2アーム
式)であり,各部の記号,電圧,電流を図示のようむこ定める。変圧
器のインピーダンスはリアクタンス分のみとし,抵抗分はこれを無
視する。また直操電流ムは完全に平滑化されているものとする。
なおSCR4アーム式も,タップ中間の電圧を負荷に供給してい
るときは,下タップに接続されるSCRほ常時導油状態にしてある
ので,回路動作上は第4図と同様である。
3.3 転流モード(9)
負の半サイクル後半i・こ端子Oから電動樺Mを適って端丁・2の方向
Ⅹ.
か01io十Nl乙i2〉
√官EISinβ
X12
Ⅹ。1
0 】0
第5囲 転流時の 等価 回 路
に流れていた電流(オ。=オ2=一ム)は,交流電圧が正に変わった瞬間
から,-ム→ムへと反転する。この転流期間においては,電動機
電流はMSR4,MSR3を通じて整流器回路内を循環し,舞5図のよ
うに変圧器2次側端子0-1-2が短絡状態となる。
この等買琵二三謁妄十告鮒弓一端1漂一=0告卜す郎n〃一方倍音+告告)‡
一方12一票-=OZD=gl十~3
ここで,
告El=Eol,
(一驚-)2ズ1=ズ01′,
(l)
‥…(2)
とおき,初期条件(♂=0で才。=g2=-ん)を入れて(1)式を解けば
Zo=ノラ‾ズ12月ol
(1-COS〃)一ん
才1=讃浩課業窺(トcos〃)22=
ノラ、ノ‰1月12
端1ズ12+方01方12′+ズ。1′ズ12(1-C()S〃)一ん
(3〕
を得る。
SCRを常時導油状態に保っているとき,才0,才1,才2のうち,どれが
最初にムまたほ-ムに達するかによって,転流現象を分撰すれ
ば,第る図のように四つの転流モードに分校できる。これら四つの
モードの境界条件は,(3)式より才0,才1,才2がんまたは-んに達す
る角度β。(g。=ん),〝.(才.=ん),〃1′(才.=-ム),〝2(才2=ん)を計貸し,
これらの大小関係より
∂=旦主_些吐端1月1巳
の値に対して次のように求まる。
モードA: ∂<0.5
モードB: 0.5<∂<1
モードC: 1<∂<2
モードD: 2<∂
…(4■)
卜 ・‥(5)
∂は変圧器2次【F側巻線とタップ巻線との,電圧/リアクタンスの
比であり,∂=1は各巻線のリアクタンスがそれぞれの電圧に比例し
ていることを意味する。
さて,このようにして′。,Jl,∫2のうちいずれかがんまたは-ん
ー 2 -
交流電気車のSCR式無電弧連続制御の研究 299
モー:、、.1
id
ー1d
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一王d
「
二;与丁
10
--\ポー//!
\β2β0
Ⅰ2
丁打
イ/‡l t
β0 ♂,β2
1J
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fJ
一IJ
l■「Jl
=l
し′i
モードR
うてβ2
β;
♂0
_ユ、L._
モーート1)
β1β0//
//\
‾‾■‾7‾
′l
///:β2
第6区l転流時の変圧器2次端子電流の変化状態
M
入・1
0十
(ユ)〟<0
0-+-
(t))0くβ<lト1
((1)t】2くβくα
【リαく〝くl】・~
ようになるL。
すなわち負半サイクル後半の通流状態(a)から,(b),(c)なる
転流期間(この間直流l中l路の循環電流はMSR4-MSR3例のみを通る
とした。MSR2-SR2-SRl-MSRl側はMSR4-MSR3側より整流素子
直列数が多いのが普通であるから,実際にもこのようになる)を経
て,(d)では下タップから電力が負荷へ供給される。β=αで上側
タップのSCRが点孤されると,(e)なる下タップから上タップへ
の転流状態を経て,(f)のように上側タップから電力が供給される
ようになり,止半サイクルを終了する。
(i)0<〃<〃1(第7図(b))
g。,J2が-んから0に達するまでの期間で,才0,∫1は
go=′2=一妾≡漂ニニ嵩-(1-COS〃)-ん
端ヱ′=(幣)2方1ノ‰1,方12,E。1,E12は(2)式
(6)
となる。端子0一ト2「削ま短絡状態であるから,噴流電圧および各
整流器の電圧はいずれも0である。
この期間の終わる角度乙`1は(6)式より次のようになる。
〝1=COS‾1(1--一票認諾告ん)・……(7)
(ii)叫<β<乏J2(第7図(c))
才。,オ1が0からんに述するまでの朋月で,端子0-1間が短絡状
態となっている。。巾流7筐圧ほ依然として0であり,SCRl,SCR2
にほそれぞれ順および逆ノブ向にタップ間電圧が印加される。オ○,
J上は
∠0=′1=去‡監「(cnsム`1-C()S〟)となり,二の娼J間の終了する州立乙`2は
乙`2=COS-1(cos〝1-一号妄計ん)
‥…‥…(8)
(9)
(iii17Jヱ<β<α(弟7図(d))
一卜側巻線が負荷に各力を眺給する1別間で,
~0=′1=ん 1
7′`′=β。1(=ノす軌1Sin〝)J(.10)
である。
この期間の整流器の電日三分抑こ関してほ,弟8図のようiこSCR
およびSRの並列祇抗を月,MSRの並列抵抗をカ月とすれば(サ
ージ電圧などの高周波電圧の分担には別にR-C分圧回路を設け
る必要があるが,ここでほ基本周波に対する分圧のみを取り扱
う),オフ状態にあるSCRlには順方向にタップ間電圧g12がかか
り,MSR4には■F側タップの電托golが逆方向にかかる〔j
一方SCR2,SR2,MSR2についてほ,丘<β。1/β12ならば,SCR2
のアノード側の電位が端子1よりも低くなり,SCR2にはタップ
(l二)u.くβ<u2 (r)113<βく汀
第7岡 ∂=1の場合の整流器導遺恨惇(a→b→‥…・→f)
に達すると,2次側全短絡状態が終わF),ついで端子0-1またほ0-
2のみの短絡状態を経て,回路は整流状態に役帰する。
3.4 ∂=lの場合の解析
∂=1,すなわち変圧器2次‾F側巻線とタップ巻線の等価漏れリア
クタンス端1,方.2が,それぞれの無負荷電圧実効値EDl,且12に比例
している場でナの,iE半サイクルにおける整流君津導通順序は第7図の
几 3 -
SCR2 SCRl
kR
SR2
九・・ISli2 九・lSR.kR
折8L叫 ㍑ヨ<〃<αにおける解流7芹の電圧分択
300 昭和40年2月 日 1エ
間電圧β12以上の逆電圧が印加されるが,わe。⊥/ビ12ならば,SCRヱ
の逆電圧ほβ12,MSR2の逆電酌まg。1となりSR2にほ電圧がかか
らない。
このようにSCRの順または逆方向電瞑をタップ間電忙以下に
押えるにほ,MSRとSCRの分庁抵抗の比丘を
わ(告)maxとすべきである。
(iv)α<〃く8`3(第7図(e))
‥し11)
タップ間の転流期間であi),才.がんから0,才2が0からんまで
変化する。この間端子1-2が短絡状態となウ
オ巳=ん-オ1=怒賢(cosn・一COS′ハ=(12)
となr),この期開の終了する角度乙J3は
打3=CnS‾1(cosα一号諾しん)(13)
となる。
またこの間1次電流がタップ巻線の起磁力分だけ増加し,これ
により1次側漏れリアクタンスによる電圧降下が生ずる。このた
め端子0-1間の電圧が若干降下し
仰01=二講読-EoISin′ノ‥(14)
となる。SCR2の逆電圧は(14)式の恥1が々/2(SCR2とSR巳とが
並列)とカ月(SCR2)とで分圧された値であり,(11)式が満足され
ているならばタップ間電圧よi_)小さい。
(Ⅴ)乙′3<〝<1800(第7図り))
上側タップから電力が供給される期間であり,直流電圧ほ
、′′す(Eol+El巳)sinβとなる。また電圧分担ほSRlにタップ間電
圧が逆方向にかかるほかは(iii)の場合と同様である。
以上の∂=1の場合の動作を概略述べたが,これより各部波形を
措くと第9図のようである。直淀電圧平均値l㌔は次のようになる。
帆′=÷i~三2、′/す恥in棚+‡〝3 方12
α ズ12十方12′
×ノ諷1Sin仙十~三3、/す胤+恥si…〝‡=乙∠互E”+むご旦E12上土些旦一生-一旦冗 ご 2 7ご
×i(ズ01+端1′.)+
(方12+方1巳′)十ヽ′/端1′ズ12′
‥(15)(15)式の第1項,第2項は無負荷電圧であり,第3項ほ転淀リア
クタンス降下である。
一方タップ電流才1,才ヱは制御角αに対して弟9図に示すような波
形となり,その平均値がαi・こ対してほぼ直線的に増減する。そして
α=180Cでは下タップが全員荷電流を負担し,α=叫では上タップ
が全員荷電流を負担する。
第10図は制御角αと整流器無負荷電圧,転流リアクタソス降下,
直流端子電圧,およぴタップ電流の関係を示したものである。
SCRを制御する移相器の特性としてほ.無電弧タップ切換上0~
180度の移相範囲が必要であり(重なi)角叫は負荷状態によって変
化するから0度まで考慮する必要がある),また0ウ<βくれ1では変圧
器2次側は短絡状態となっており,SCRには順電圧が印加されない
ことから,ゲートパルス幅を最大重なり角以上にしておく必要があ
る。さらに移相器入力対直流電圧の直線性の良いことも望ましい。
なお弟9図に示すように,主整流器MSRのアーム電流が,SCR
側(MSRl,MSR乞)と反SCR側(MSR3,MSR4)とで異なっており,
重なり角伽2が60度のときで87対113%のアンバランスが生ずる
評
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第47巻 第2号
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第9図 ∂=1の場合の各部波形
(電圧,電溌記号は第4図に対応)
タ∵丁一間電圧
下側タップ電圧
無負荷電圧
電圧降■F
′∠直流駈
/上タ・∵プ電流
下タップ電流
直流電
流
/「‾
180- u2u1 00
制御角e
第10図 制御角(-と無色荷電圧,
直流電圧タップ電流との関係
ので,設計上留意する必要がある。
3.5 ∂キlの場合の波形
√)≒1,すなわち変圧器2次以下側巻線とタップ巻線の等価漏れリ
アクタンスの比端1/ズ12が,電圧比丘01/耳12に等しくない場合に
ほ,さきに考察したように,転流期間中,下側タップの電流Jlが0
とならない。
負半サイクルから正半サイクルにほいった直後の,弟7図(b)に
相当する整流器通流状態は,弟11図に示すように,∂<1ならば
SR2が連流し,∂>1ならばSRlが下側タップ電流タ1を流す。以下,
各転流モードごとに異なった導通順序をたどる。これらについて詳
細に述べることは省略し,一部の波形を示すだけにとどめる。
弟12図は1<∂<2(モードC)‾における主要部の波形であり,
- 4 -
交 流 電 気 車 の SCR式 無 電 弧 連 続 制 御 の 研 究 301
0「 180【 360◆
一一-Il一一+-
180J 3紺'
h・l
(こl■ざく1 (主〕fT>1
第11岡 ∂キ1の場合の転流時の整流器導通状態
α二00としても下側タップに図示のような3角波状の電流が残る。
この電流の波高値ん7ほ,(3)式を用いてオ0=んとなるとき(〝=
伽,モードCであるから)の/1の値として求まり,次のよう石こなる。
ん7~=2ム(ト÷)… ‥(16)
他の場合も同様にしてタップ電流波形を求めることができ,こjt
らを整理して示したのが第13図である。図示のように漏れリアク
タンスが極端にかたよっている場合(∂<0.5,∂>2)にほ,α=げと
したとき下側タップに残る電子充の波高値は直流電流ムに達する。
SCR2アーム式の回路において,タップ上げ動作のとき,転流期
;……:l
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〝 ヽ
〝 ヽ
′
l
間中に下タップのスイッチを開くと,上述の電子充を遮断することに (a)亡=0う
なるので,無電弧タップ切換上,変圧器ほできるだけ
∂=1…
なる理想的条件を満足するようにつくるべきである。
下側タップにもSCRを用いた4アーム式において
は切換前にあらかじめSCRで下側タップの残留電流
を絞った後,タップ切換が行なえるから問題ほない。
あるいは,弟14図のように下側タップの回路に補
助的に可飽和リアクトルをそう入し,切換前にリアク
トルを非飽和状態とし,残留電流を抑制してもよい。:
3.る 下側タップの転流時開極電圧
上側タップのSCRの制御角α=0⊃として,下側タ
ップを開いたとき,転流期間中にスイッチ極間に現わ
れる電圧は,上述の下側タップの残留電流を遮断する
際の開極電圧であり,またSCR4アーム式において
下側タップのSCRで残留電流を抑制した場合,SCR
のAK間に加わる電圧でもあi),さらに可飽和リアク
トルを用いる場合には,リアクトルで吸収させるべき
電圧である。
この開極電圧加は,弟15図の等価回路より次のよ
うになる。すなわち等価回路において
。鴨1+凡2凡 、/‾ぎEISin//
一方1-幣芸)
-(端1+ズ12)芸=0』β=告(JすglSinβ
一方l一些完些L芸)
(18)
一方01芸 +が成立するが,(2)式ならびに(6)式で定
義されたE。1,且12,端1,ズ12,一端2′を用いて,
(18)式よりJβを求めると
(17)
-←-い‾‾‾‾‾‾‾‾‾-t-
一ト111さ:・.1‾‾一一
一●-1)、1>に3一-
一-▲\▼占一一---
l
】
l
レ/
l
】
‾\l
ノ′
e=120'
第12図1<∂<2 の場合の各部波形
、¢.50.5く′トく1 つ、=こ1 1く=イく2 ■
2く5・i
買喜?つ18?ウ
∃弓!1;ll
。0‾シ.F
O180Jl
弓il
0‥180⊃
ll
J
+▼,-+
J 10蛋版1肝弓篭順一-1i
F牢‾‾て訂‾「】\「、-1■・】
‾†‾‾ 】 l
1[一一1
!
==■ ,
♭・---,1 =l弓♭】弓llli
t
王二1200
0(180う
l】
l
0 180'
l肌 ?げ§0こぅ■。18Pri7ニ;】180つ岳打l 打貞・■;。∃L ≡。…j…ポ
■
■
】l
l
1
lモ
〉J
粁l1
1- l
葛/川ノ.■】- =l/ l / l≧/・i〆 !iy l
第13岡 ∂の値とタップ電流波形(概略図)
SCRコ
l/
SCRヱ
SR2
「‾‾▲‾‾SRl
】● ●
l
†l
l
l
● ●事
__________+
d〔・
coIl=、二■t
_可飽和りアクト+
第14図 下側タップ残留電流抑制のため
可飽和リアクトルをそう入した回路
- 5 -
\ol⊥-\l=i-・
\1\l
t′′2!三1Siぎ1年 \-
\1=
∴‖△e
\Ⅰコ2
ヽ■
一tウ1
第15図 下側タップを開いた場合の
転流時等価回路
302 【1月和胡年2月 日 立 評 論 第47巻 第2号
12 00 α 180D 3紆SCR
バ11
(a)川 路
l
I
l
l
l
l
l
(b)波 形
第16図 SCRとSRが同一タップに接続された場合
+g= ノ‾宮(凡2月ol一端1月-12)
一‰1+範2+ズ01′
sin♂…………(19)
を得る。∂=1すなわちズ12丘-01=端1月12ならば血=0となり,また
∂キ1の場合は弟13図の残留電流に対応して,転流期間中のみ電源
電圧と同相(∂>1)または逆相(∂<1)の電圧が現われる。
3.7 S⊂RとSRが同一タップに接続された場合
タップ切換過程において,弟1る図(a)のようにSCRとSRが同
一タップに接続されるが,この場合ほ同図(b)のように,SCRが点
弧されてから後は,SCRとSRの順方向電圧電流特性によって定ま
る割合で,負荷電流が分流する。α=ODとしてもSR側電流は0と
ならないが,このような状態でSR側スイッチを閃いても,遮断電
圧ほSCRの順方向電圧降下分(1~2V程度)であり,アークほほと
んど生じない。
ただしSCR通過電流が保持電流に達していない場合には,ゲー
ト電流が流れていない瞬間にSR側スイッチを開くと,SCRが導通
しないから,SCRが過電圧となると同時に,SR側スイッチがア
ークを発生する。これを防止するには,必ずSCRiこ保持電流以上
流すようにするか(たとえばSRの順電圧降下をSCRのそれより大
とするとか,可飽和リアクトルなどのイソピーダンス要素をSR側
に入れる),ゲート電流を半サイクル以上流しておけばよい。
3.8 SCR故障時の現象とその保護
SCRにブレークオーバ,ブレークダウンまたi・ま点弧ミスなどの故
障が生じた場合の現象は,第1表に示すとおりである。
SCRに印加される電圧は通常タップ間電圧以下であるが,弟】表
に示すように,たとえばタップ渡り時SCRが弾独でタップに接続
されている場合に,点孤回路の故障によりゲート信号が消失した
り,あるいは点弧角が0虔からある程度以上はずれても,SCRに変
圧器2次全電EEが印加され,過電圧となる。
過電圧となれば,ブレークオーバ電圧が最小の素十にかかり,そ
の素子に電流が集中して焼損する。これを防止するにほ,過電圧を
検出して全素子をいっせいに点弧する過電圧保護装置を設けるか,
第1表 SCR故障 時 の 現 象
凶 路 故 障 の 種 類 故障SCR 健全アーム 備考
2
ア
】ム
式
上下タツ
プ巨l`
全素子点弧ミス
1素子B.0 過電漁 αによる
1素子B.D 過電流 過電圧 タップ間短絡
同
タツ
プ
全素子点弧ミス
1素子B.0 過電圧 αによる
1素子8.D 過電流 αによる
4
7
弓ム
式
上下タ
ツ
70
Fl_
巨:二
巨■‾
下側全素子点弧ミス
上側1素子B.0 過電圧 αによる
上側1素子B.D 過電流
上側全素子点弧ミス 過電流 過電流 上側αによる
下側1素子B.D 過電流 過電流 タップ間短終
SCR
単独 巨l`全素子点弧ミス 過電流
1素子B.D
従属点弧方式を川いればよい。
また素子のブレークダウソによるタップ間短絡に対しては,高速
度遮断ヒューズを設け,故障素子をすみやかに切り離してやれば,
異常なく運転を続行できる。
4.試作装置による実験
4.1SCR 本 体
試作した装帯の仕様ほ次のとおりである。
方 式 2アームSCR制御方式
電 流 2,040A連続
電 圧 96V。ff50c/s
素 子 500V250AISx12Px2A
4.2 パルス移相器(10)
弟17図は試作したパルス移相器の原理図である。おもな特長は
(1)移相範囲を拡大するため,電源回路に員半波で充電される
コンデンサをそう入した。
(2)電源電圧をツェナーダイオードでクl)ップして安定化
した。
(3)パルスは飽和トランスで形成した。
(‾4)ゲートトランスiこはリセット巻線を設け,磁束を有効に利
用しているから,大出力(15VxlOAx3.5ms)にもかかわ
+DC
制御入プJ
呈些 li仁志(一)
電源回路
001U
(椒二
耳暴「森
10kV
し-√J}
マ グ パ イレ ス
し「√J}
トラン ゲー「
アンプ0 トラン乙 ジスタ トランユ
第17i文1パルス移相器原J型餅l
立ち上リ10/ノ
15VXlOA
旦3.5nlS
5 10
制御電流
節18Lズ1移 相 特
タ・ソプ切換器′仙人---------------ヽ
Tl
Tユ
S。
S3
S2
Sl
Tz
T。
APPS
DCL.
持
15(mA)
性
375kwMG
DCM ACG 3¢
B.():ブレークオーパ(SCR+・SR) B.D:プレ【クタウン(SCRう・Shnrt)
】 6 -
S‥S。…・・・:選択スイッチ,Tl-T4:切換スイッチ
節19LXl糾合せ.試験ll_1指名概略結線図
交 流 電 気 車 の SCR式 無 電 弧 連 続 制 御 の 研 究 303
(a) (b) (c) (d) (。)
SCR2アーム式 SCR4アーム式
制御角 岬' 980 0血 0■何色仲リア=ル什)上慨:0∴ Fロq:180■
_-_燕こ‾、、‾票_‾・‾㌔
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l試験条刑 タ′プ間電圧=100V・夕・ノブ‥箭2一節3タ/プ 良流電流二8帆1
第20図 動作波形オシログラムの一例
らず小形化されている。
移相特性を弟18図に示す。電圧変動±20%,狙度-15~55℃に
対して,位相角変動ほ±3厚以下である.。
4.3 組合せ試験
第19図のような試験回路を構1戎し,組合せ試験を行なった.、〉励作
波形の一例を弟20図に示す--.制御杓rr=0■としたとき(同国(c)),
下側タップに電源電斤三と同擁件の三角波状電流が残っている._,すな
わち転流モードC(1<∂<2)である。
弟14図のように可飽和りアクトルをそう入すると,第20図(d)
のように下側タップの残留電流は,リアクトルの励磁電流で抑制で
きる。また下側タップもSCRにすれば,(e)のようになる。
このほか,並列SCRの電流分机試験,連続運転,誘導試験,タッ
プりJ換器との連動試験,事故想定試験など各試験を行なった統一火,
Vol.47
(1)
(2)
(3)
45678910
日 立 評
目
・自然汚損ガイシの塩分付着読と人二1二汚損試験との閑適
・多周 波信 ≠j・ノブ式に よ る 産業用遠隔制御
・研究用 原 了一炉(JRR-4)の 計測制御装『た
・京都大学原子炉研究所納目立パワーてニブレーク
・イ ソド国鉄納250V24,000kW交流電気機関ヰニ
・東海道新幹線軌追試験申第2-シテ機測定失言托
・電 市 用 ド ア へ の 接 着 剤 の 応 用
・水・二flモ.-トル の 絶 縁 特 性
・ク ロ ス バ 交 換 機 検 査 の 機 槻 化
・H-581,H-197および H-582磁気 テ 山 プ 装荷
・水 銀 ラ ン プ の 放 電 開 始 機 構
・90 度 偏 光 カ ラ ー ブ ラ ウ ソ 管に つ い て
充子=好 一l -√′ 二言、l 諭 社
取次枯 株ノtよ杜 オーム社.Ⅰ‡ノノて
SCR,制御装置および保護装置は所期のとおりまったく正
常に動作することが確かめられた.。
5.結 口
SCRを用いた交流電気申の無電弧タップり+換方式の概
要を述べ,ブリッジ形回路の動作解析を行ない,回路構成
上ならびに制御_ヒ留意すべき点を検討した。
本文では詳述しなかったが,SCRの並列運転,スイッチ
ングパワー,過電圧過電流保護,ゲート制御法などについ
ては,それぞれ徹底的に検討を行なっており,過醗な条件
下で使用される申両用として,十分使用に耐えうる技術的
見通しが得られている。
SCRの大電流化,高耐圧化の傾向はますますノユであり,
直並列技術の進現 大量生産によるコストダウンと相まっ
て,タップ切換なしの全位相制御方式など,全面的にSCR
を電気中主回路を取り入れる目も近いものと思われる。
終わりに,ご指噂いただいている日本国有鉄道をほじ
め,日立製作所日立工場,水戸二「場,日‾i二仁研プE所の各位に
厚くお礼申しあげる。
参 薯 文 献
H・Hackstein:Electr.Bahnen,Heft2(31.Jahvg.1960)S.25
坪井= 昭36電気学会東京支部大会No.306(昭36-11)
T.B.Burnett,G.W.Graham:Proc.Ⅰ.E.Eリ109A,P.379
(Oct.1962)
北岡,白庄司,鶴田:三菱電枚技報38,746(昭39-5)
武井,川上,佐々木:日立評論4る,1804(昭39-11)
坪井:昭3S電気学会連合大会No.1066(昭38-4)
毛利,浅野,曽根田:日立評論4る,525(昭39-3う
電気学会編:大学講座,変圧器
坪井:昭39電気学会東京支部大会No.295
石塚,坪井:昭39電気学会東京支部大会No.297
論 No.3
次
・圧延枚用介成樹脂軸受"ハイロ
ード”の特性
・S 形 ア ー ス 棒 の 諸 特 性
・導 波 管 布 設 の モ デ ル ニ尖 験
■PC仙(パルス符号変調)特集
・P C M 通 信言 方
・分 配 伝 送 形 P C M 通 信 方
・ミ リ 波 に よ る P C M 信号 の 無 線 伝
・PCM用ダイ オードト ラ ン ジ ス タ に つ い
・P C M 通 信 装 置 の 部
・P C M 通 信 装 置 の 構
・試 作192通 信【自】路 P CM 通 信 装
カミ京椰千代田lメニJLの内1TH4再地
振 帝 口 座 束京 71824 不
束京都‾千代「†11主神山錦町3丁目1番地
拡 燕 口 座 東京 20018 港
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