多剤耐性菌アウトブレイク時の対応

〜高知県医療関連感染対策地域支援ネットワークの活用（案）〜

高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク会議 会長

北村龍彦

２０１４年１月１１日土曜日 １４：００〜 高知県福祉交流プラザ 平成２５年度第２回高知県医療関連感染対策研修会

医療機関等における院内感染対策 (H23.6.17 厚生労働省医政局指導課長通知)

感染制御チーム 医療機関間の連携

緊急時に地域の医療機関同士が速やかに連携し、 各医療機関のアウトブレイクに対して支援がなされるよう、 医療機関相互のネットワークを構築し、日常的な相互の 協力関係を築くこと。

アウトブレイク時の対応 行政の役割

それぞれの地域の実情に合わせて、地域における 院内感染対策のネットワークを整備し、積極的に支援。

新たに追加された事項

感染症法に基づく届け出 厚労省医政局指導課長通知

VRE

VRSA

MDRP

MDRA

５類感染症

基幹定点病院 （７施設）より数の 把握

保健所へ届出

• 発症例が多数に上る場合（目安として１０名以上）又は当該感染事案との因果関係が否定できない死亡者が確認された時、保健所へ報告する

報告

• 新たな感染症の発病症例を認めた場合、速やかに協力関係のある地域支援ネットワークに参加する感染管理の専門家に支援を依頼する

支援依頼

• 院内感染対策委員会の会議を開催し１週間以内に院内感染対策を策定し実施する

医療機関の対応

VRE VRSA MDRP MDRA等多剤耐性菌

全数把握 定点把握

健康対策課 医事薬務課

多剤耐性菌アウトブレイク対策 高知県の取り組み

• 院内感染対策中央会議提言の後 • H23.6.17 厚生労働省医政局指導課長通知があり • 高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク設立され • アウトブレイク時の対応検討 • １）平成２５年度エリア研修会でノロ・インフルエンザのアウトブレイク対応を • テーマに開催 • ２）アウトブレイクワーキング開催

①第１回の会議

• 日 時：平成２５年８月２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー7名、委員1名、事務局3名 • 議 事：アウトブレイク対応のフロー図作成

②第２回の会議

• 日 時：平成２５年１１月２２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー8名、事務局4名 • 議 事：症例定義、マスコミ対応について

• WG提案フロー図（V.1.4)をネットワーク会議で修正の後、改定V1.5となる

高知県でのアウトブレイク時の対応案策定経緯

• 院内感染対策中央会議提言の後 • H23.6.17 厚生労働省医政局指導課長通知があり • 高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク設立され • アウトブレイク時の対応検討

• １）平成２５年度エリア研修会でノロ・インフルエンザのアウトブレイク対応をテーマに開催

• ２）アウトブレイクワーキング開催 ①第１回の会議

• 日 時：平成２５年８月２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー7名、委員1名、事務局3名 • 議 事：アウトブレイク対応のフロー図作成

②第２回の会議

• 日 時：平成２５年１１月２２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー8名、事務局4名 • 議 事：症例定義、マスコミ対応について

アウトブレイク対策エリア研修会

病院・有症診療所

テーマ

• ノロ・インフルのアウトブレイク対策

形態 • 講義＋グループワーク

時期 • 平成２５年 １０～１１月

回数 • 各エリア１回

エリアの病院のネットワークの構築

高知県でのアウトブレイク時の対応案策定経緯

• 院内感染対策中央会議提言の後 • H23.6.17 厚生労働省医政局指導課長通知があり • 高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク設立され • アウトブレイク時の対応検討

• １）平成２５年度エリア研修会でノロ・インフルエンザのアウトブレイク対応をテーマに開催

• ２）アウトブレイクワーキング開催 ①第１回の会議

• 日 時：平成２５年８月２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー7名、委員1名、事務局3名 • 議 事：アウトブレイク対応のフロー図作成（V.1.4) • WG提案フロー図（V.1.4)をネットワーク会議で修正案の後、改定V1.5となる

②第２回の会議 • 日 時：平成２５年１１月２２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー8名、事務局4名 • 議 事：症例定義、マスコミ対応について

支援

高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク ＜高知県版多剤耐性菌アウトブレイク対応のフロー図（案）＞ ｖｅｒ1.5

高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク会議 国立感染症研究所

情報提供 技術的支援

医師会

衛生研究所 健康対策課 医事薬務課 （事務局）

福祉保健所 高知市保健所

健康対策課

ICNネットワーク 拠点病院

必要に応じて支援

アウトブレイクの相談 （エリアを越えて加算連携のある場合は、加算連携の拠点病院へ相談）

衛生研究所

医事薬務課

情報共有

情報提供

報告

支援策の協議決定

連絡

エリア保健所

支援

エリアの病院・診療所等

支援

① 多剤耐性菌による感染症を確認 ② 院内感染対策委員会で対策をたて実施

他のエリアの 拠点病院

相談のあった医療機関のエリアの保健所へ連絡

エリアの拠点病院へ連絡 （加算の連携がある場合は加算連携の拠点病院へ連絡）

情報提供

エリア拠点病院

対応が困難な場合 相談

保健所対応

感染の終息が予測され保健所

で対応が完結する場合

連携して対応 （必要に応じて医療機関へ現地指導を行う）

対応が困難であると管理者が判断した場合

高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク ＜高知県版多剤耐性菌アウトブレイク対応のフロー図＞

高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク会議 衛生研究所

健康対策課

福祉保健所 高知市保健所

必要に応じて臨時会議を開催依頼

高知県ICNネットワーク

必要に応じて支援

アウトブレイクの相談 （エリアを越えて加算連携のある場合は、加算連携の拠点病院へ相談）

エリア保健所

支援

① 多剤耐性菌による感染症を確認 ② 院内感染対策委員会で対策をたて実施

他のエリアの 拠点病院 相談のあった医療機関のエリアの保健所へ連絡

エリアの拠点病院へ連絡 （加算の連携がある場合は加算連携の拠点病院へ連絡） エ

リア拠点病院

対応が困難な場合

相談

保健所対応

で対応が完結する場合

必要に応じて連携

連携して対応 （必要に応じて医療機関へ現地指導を行う）

対応が困難であると管理者が判断した場合

病院 診療所

医事薬務課

アウトブレイク発生

医師会 拠点病院

支援策の協議決定

連絡

情報提供

感染の終息が予測され保健所

多剤耐性菌のアウトブレイク時の手順（フロー図の解説）

• エリアの病院・診療所等で多剤耐性菌のアウトブレイク、または予兆を確認

• 各医療機関のICTあるいは感染管理担当者が疫学調査と対策の実施

• 対応が困難であると管理者が判断した場合

１）まず、エリア内の保健所にアウトブレイクの相談

• 相談を受けた保健所は エリア内の拠点病院へ連絡

• （加算の連携がある場合はエリア外でも加算連携の拠点病院へ連絡）

• 保健所の協力で終息まで対応、場合により拠点病院も保健所と協力して対応

２）エリア内の拠点病院あるいは加算のある拠点病院へ相談した場合

• 拠点病院はエリア内の保健所へ連絡

• 拠点病院のICTが対応、場合により保健所も協力して対応

• いずれの場合でも保健所は高知県の健康対策課、医事薬務課に情報提供とともに、高知県衛生研究所へ報告

• 医事薬務課（事務局）は必要に応じて高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク会議の会長と相談し、臨時で会議を開催し、高知県全体で支援策の検討

• 高知県衛生研究所は必要に応じて国立感染症研究所へ情報提供と支援策相談

高知県でのアウトブレイク時の対応案策定経緯

• 院内感染対策中央会議提言の後 • H23.6.17 厚生労働省医政局指導課長通知があり • 高知県医療関連感染対策地域支援ネットワーク設立され • アウトブレイク時の対応検討 • １）平成２５年度エリア研修会でノロ・インフルエンザのアウトブレイ • ク対応をテーマに開催 • ２）アウトブレイクワーキング開催

①第１回の会議

• 日 時：平成２５年８月２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー7名、委員1名、事務局3名 • 議 事：アウトブレイク対応のフロー図作成

②第２回の会議 • 日 時：平成２５年１１月２２日（金）18:30～20:30 • 参加者：ＷＧメンバー8名、事務局4名 • 議 事：症例定義、マスコミ対応について

症例定義

• 平成23年6月厚生労働省の通知「医療機関における院内感染対策について」に基づく内容とする。

＜症例定義＞

• 菌種はバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌（VRSA）、バンコマイシン耐性腸球菌（VRE）、多剤耐性緑膿菌（MDRP）、多剤耐性アシネトバクター・バウマニとし、保菌者も含む。

• 同一医療機関内又は同一病棟内において、一例目の発症から４週間以内に、3例以上の多剤耐性菌が検出された場合とする。

マスコミ対応について

• 行政の場合、例えば、感染症４類・５類については保健所名までマスコミに公表する等、いくつかの決まりごとがある。また、医療機関以外の施設について、シーズンの一例目の発症や、死亡例が出た場合においては主管課がマスコミ報告することになっているが、医療機関については医療機関によるマスコミ対応になる。

• アウトブレイク≠マスコミ発表。

• マスコミ対応や支援として、必要な情報の整理の仕方や、具体的な情報収集の仕方について、地域支援ネットワーク会議でひな型を作成することについてＷＧより提案していく。