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頭頚部癌におけるCu‐ATSMの集積と局所制御
横浜市大附属病院 放射線科皆川由美子、雫石一也、小池泉、立石宇貴秀、井上登美夫
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はじめに
• 62Cu‐ATSMは低酸素細胞イメージング製剤として知られ,すでに様々な悪性腫瘍での検討の論文が見られる.
• 低酸素細胞の多さ=治療抵抗性とされるため,治療前の腫瘍の性質を把握することは治療計画を行う上で,極めて重要となる.
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62Cu‐ATSM
集積機序は、腫瘍細胞で高発現している電子伝達系酵素によって銅が還元されることによって細胞内に留まると推定されている
[62Cu]Cu-diacetyl-bis(N4-methylthiosemicarbazone)([62Cu]Cu-ATSM)
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62Cu‐ATSM共同研究
• 放医研にて作製した62Cu/62Znジェネレータを福井大・国立がんセ東・横浜市大に搬送し、各施設で62Cu‐ATSMを標識して臨床研究を行うというプロトコール
• 2006年10月から2009年2月まで供給があり、当施設では18回利用
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目的
・FDG SUVmax・Cu-ATSM SUVmax・Cu-ATSM T/M比・Cu-ATSMとFDGの集積パターン
以上について,治療効果(CR群とNon-CR群)と統計学的に有意差があるかにつき解析する.
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対象
• 頭頚部癌 stage3 or 4と診断された未治療の患者
• 放射線化学療法施行後,外来にて治療終了後1年間の経過観察をし得た患者
• 16症例 (男性;15,女性;1)
• 平均年齢 69歳 (55~83)
• 原発巣16病変
• 頭頚部癌(喉頭癌 4,中咽頭癌 3, 歯肉癌 3,
下咽頭癌 2, 舌癌 2, 口蓋癌 1, 上顎洞癌1 )
• 病理:扁平上皮癌
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62Cu‐ATSM PET/CT
Protocol
投与量: 62Cu‐ATSM 740MBq
投与経路:肘静脈より静注 (20ccの生食にて後押し)
撮像部位:頚部1position
撮像体位:仰臥位,腕おろし
1position CTを撮像 → 1position PET収集
PETの収集:3D mode 1 or 2min/bed
(0‐30分まで撮像)
10分後の画像にて検討
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治療と効果判定
• 口腔外科領域(舌、歯肉、口蓋癌)+上顎洞癌→ 動注chemotherapy+radiation (50.4Gy~60Gy)
• 耳鼻科領域(中咽頭、下咽頭、喉頭癌)→ Systemic Chemotherapy+Radiation
(68.4Gy~70.2Gy)
• 治療効果判定は組織診にて行った.
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• 治療後現在までのフォローができた16例につき検討した
• 1次治療後,10例はCR、6例はnon CR
原発 CR Non CR
喉頭癌 4 0
中咽頭癌 2 1
歯肉癌 0 3
下咽頭癌 2 0
舌 1 1
上顎洞癌 1 0
口蓋癌 0 1
合計 10 6
10
結果:各腫瘍におけるFDGとCu‐ATSMの集積の関係
CR
NonCR
1111
下顎歯肉癌non CR例治療後CT
治療前Cu-PET/CT
Cu-ATSM SUVmax=6.57FDG SUVmax=8画像上は明らかでないが病理にて残存あり
治療前CT
治療前FDG-PET/CT
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下咽頭癌CR例治療前CT
治療前Cu-PET/CT
治療後CT
治療前FDG-PET
Cu-ATSM SUVmax=2.75FDG SUVmax=10.62
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FDG SUVmaxと治療効果
FDG SUVmaxに有意差は見られなかった(p=0.11)
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Cu‐ATSM SUVmaxと治療効果
Cu-ATSM SUVmaxに有意差が見られた(p=0.016)
CR Non CR
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Cu‐ATSM SUVmaxと治療効果(喉頭癌を除く)
Cu-ATSM SUVmaxに有意差が見られた(p=0.006)
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結果と考察
CR群とnon CR群の検討において
FDG SUVmaxに有意差は見られなかったものの
Cu‐ATSM SUVmaxで有意差が見られた.
→頭頚部癌の原発巣において、 Cu‐ATSM SUVmaxが放射線化学療法の早期の治療効果の予測に有用である可能性がある.
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・頭頚部癌の放射線化学療法前に
Cu‐ATSM PET/CTを撮影し、早期の治療効果の予測に有用であるかを検討した
・今後もフォローし、長期の治療効果との相関を検討する
結語