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構造解析を利用したコンセプトデザイン
○上野 明也 *1)、角坂 麗子 *1)、小林 隆一 *1)、薬師寺 千尋 *1)、濱野 智子 *2)
■キーワード 構造解析、コンセプトデザイン、トポロジー、位相最適化
1.審美性と安心・安全が両立した製品の開発2.プロダクトデザイナーが利用できる構造解析手法の開発3.トポロジー最適化形状からデザインする手法の開発
■研究の目的
構造解析におけるトポロジー最適化は、与えられた設計領域内で材料や荷重等の条件を与えることにより、最適な材料レイアウトを表示することが可能である。プロダクトデザインにおけるアイデア構築段階の形状検討(コンセプトデザイン)の際に、その材料レイアウトから形状のアイデアを得るとともに、構造的に適した形状でかつ審美性が高い製品をデザインする手法の開発を目的とする。
■研究内容
(1)トポロジー最適化の条件設定方法の確立プロダクトデザインの代表的テーマである椅子をテーマと
して開発を進めた。椅子の製品仕様として、ソファを使えないような狭いリビング等で利用する座椅子で、製品サイズ(設計領域)を480×480×480mm、座面は全体と座面の大きさのバランスから地上から200mm 程度とした。以上の仕様から設計領域を作成し、荷重の設定としてJIS
規格(JIS 1203-1998)より、座面の静的強度試験と背もたれの静的強度試験の荷重の条件、材料の条件等を加えてトポロジー最適化を行った結果、図1右図のような形状となった。
(2)最適化形状からデザインする手法の開発最適化形状からデザインする手法として、一度3面図化した後に3次元 CADによるモデリングを行う“ト
レース法”を開発した。実際にトレース法によるデザインを行ったところ、図2のような結果となった。その他のデザイン手法として“押し出し法”(図3)、“モチーフ法”を開発した。
(3)試作の作成及び強度の検証図2のデザインの試作及び強度試験を行い、良好な試
験結果を得ることができた。(図4)
■研究の新規性・優位性
現在、構造解析を利用したコンセプトデザインが製品化された事例は確認されていない。本研究を利用することにより、強度不足が原因となる設計変更や形状修正が減るため、開発時間の短縮が可能となる。
■産業への展開・提案
①強度と審美性を要求する製品開発への本研究の利用。共同研究の実施
②デザインの前例がないような新製品、アイデアが煮詰まってしまった製品への本研究の利用
③本研究のデザイン手法のセミナー開催
*1)システムデザインセクター、*2)環境技術グループ
システムデザイン
平成 27 年度 研究成果発表会
構造解析を利用したコンセプトデザイン
○上野 明也*1)、角坂 麗子*1)、小林 隆一*1)、薬師寺 千尋*1)、濱野 智子*2) ■キーワード 構造解析、コンセプトデザイン、トポロジー、位相最適化
1. 審美性と安心・安全が両立した製品の開発
2. プロダクトデザイナーが利用できる構造解析手法の開発
3. トポロジー最適化形状からデザインする手法の開発
■研究の目的
構造解析におけるトポロジー最適化は、与えられた設計領域内で材料や荷重等の条件を与えることに
より、最適な材料レイアウトを表示することが可能である。プロダクトデザインにおけるアイデア構
築段階の形状検討(コンセプトデザイン)の際に、その材料レイアウトから形状のアイデアを得る
とともに、構造的に適した形状でかつ審美性が高い製品をデザインする手法の開発を目的とする。
■研究内容
(1) トポロジー最適化の条件設定方法の確立
プロダクトデザインの代表的テーマである椅
子をテーマとして開発を進めた。椅子の製品仕様
として、ソファを使えないような狭いリビング等
で利用する座椅子で、製品サイズ(設計領域)を
480×480×480mm、座面は全体と座面の大きさの
バランスから地上から 200mm 程度とした。
以上の仕様から設計領域を作成し、荷重の設定
として JIS 規格(JIS 1203-1998)より、座面の
静的強度試験と背もたれの静的強度試験の荷重
の条件、材料の条件等を加えてトポロジー最適化
を行った結果、図 1のような形状となった。
(2) 最適化形状からデザインする手法の開発
最適化形状からデザインする手法として、一度 3面図化した後に 3次元 CAD によるモデリングを行
う“トレース法”を開発した。実際にトレース法によるデザインを行ったところ、図 2のような結果
となった。その他のデザイン手法として“押し出し法”(図 3)、“モチーフ法”を開発した。
(3) 試作の作成および強度の検証
図 2 のデザインの試作及び強度試験を行い、良好な
試験結果を得ることができた。(図 4)
■研究の新規性・優位性
現在、構造解析を利用したコンセプトデザイン
が製品化された事例は確認されていない。
本研究を利用することにより、強度不足が原因
となる設計変更や形状修正が減るため、開発時
間の短縮が可能となる。
■産業への展開・提案
① 強度と審美性を要求する製品開発への本研
究の利用。共同研究の実施
② デザインの前例がないような新製品、アイデア
が煮詰まってしまった製品への本研究の利用
③ 本研究のデザイン手法のセミナー開催
*1)システムデザインセクター、*2)環境技術グループ
図 2. トレース法からのデザイン 図 3. 押し出し法からのデザイン
図 1. トポロジー最適化
図 4. 試作及び強度試験
図1.トポロジー最適化
図2.トレース法からのデザイン
システムデザイン
平成 27 年度 研究成果発表会
構造解析を利用したコンセプトデザイン
○上野 明也*1)、角坂 麗子*1)、小林 隆一*1)、薬師寺 千尋*1)、濱野 智子*2) ■キーワード 構造解析、コンセプトデザイン、トポロジー、位相最適化 1. 審美性と安心・安全が両立した製品の開発
2. プロダクトデザイナーが利用できる構造解析手法の開発
3. トポロジー最適化形状からデザインする手法の開発
■研究の目的
構造解析におけるトポロジー最適化は、与えられた設計領域内で材料や荷重等の条件を与えることに
より、最適な材料レイアウトを表示することが可能である。プロダクトデザインにおけるアイデア構
築段階の形状検討(コンセプトデザイン)の際に、その材料レイアウトから形状のアイデアを得る
とともに、構造的に適した形状でかつ審美性が高い製品をデザインする手法の開発を目的とする。
■研究内容
(1) トポロジー最適化の条件設定方法の確立
プロダクトデザインの代表的テーマである椅
子をテーマとして開発を進めた。椅子の製品仕様
として、ソファを使えないような狭いリビング等
で利用する座椅子で、製品サイズ(設計領域)を
480×480×480mm、座面は全体と座面の大きさの
バランスから地上から 200mm 程度とした。
以上の仕様から設計領域を作成し、荷重の設定
として JIS 規格(JIS 1203-1998)より、座面の
静的強度試験と背もたれの静的強度試験の荷重
の条件、材料の条件等を加えてトポロジー最適化
を行った結果、図 1のような形状となった。
(2) 最適化形状からデザインする手法の開発
最適化形状からデザインする手法として、一度 3面図化した後に 3次元 CAD によるモデリングを行
う“トレース法”を開発した。実際にトレース法によるデザインを行ったところ、図 2のような結果
となった。その他のデザイン手法として“押し出し法”(図 3)、“モチーフ法”を開発した。
(3) 試作の作成および強度の検証
図 2 のデザインの試作及び強度試験を行い、良好な
試験結果を得ることができた。(図 4)
■研究の新規性・優位性
現在、構造解析を利用したコンセプトデザイン
が製品化された事例は確認されていない。
本研究を利用することにより、強度不足が原因
となる設計変更や形状修正が減るため、開発時
間の短縮が可能となる。
■産業への展開・提案
① 強度と審美性を要求する製品開発への本研
究の利用。共同研究の実施
② デザインの前例がないような新製品、アイデア
が煮詰まってしまった製品への本研究の利用
③ 本研究のデザイン手法のセミナー開催
*1)システムデザインセクター、*2)環境技術グループ
図 2. トレース法からのデザイン 図 3. 押し出し法からのデザイン
図 1. トポロジー最適化
図 4. 試作及び強度試験
図3.押し出し法からのデザイン
システムデザイン
平成 27 年度 研究成果発表会
構造解析を利用したコンセプトデザイン
○上野 明也*1)、角坂 麗子*1)、小林 隆一*1)、薬師寺 千尋*1)、濱野 智子*2) ■キーワード 構造解析、コンセプトデザイン、トポロジー、位相最適化
1. 審美性と安心・安全が両立した製品の開発
2. プロダクトデザイナーが利用できる構造解析手法の開発
3. トポロジー最適化形状からデザインする手法の開発
■研究の目的
構造解析におけるトポロジー最適化は、与えられた設計領域内で材料や荷重等の条件を与えることに
より、最適な材料レイアウトを表示することが可能である。プロダクトデザインにおけるアイデア構
築段階の形状検討(コンセプトデザイン)の際に、その材料レイアウトから形状のアイデアを得る
とともに、構造的に適した形状でかつ審美性が高い製品をデザインする手法の開発を目的とする。
■研究内容
(1) トポロジー最適化の条件設定方法の確立
プロダクトデザインの代表的テーマである椅
子をテーマとして開発を進めた。椅子の製品仕様
として、ソファを使えないような狭いリビング等
で利用する座椅子で、製品サイズ(設計領域)を
480×480×480mm、座面は全体と座面の大きさの
バランスから地上から 200mm 程度とした。
以上の仕様から設計領域を作成し、荷重の設定
として JIS 規格(JIS 1203-1998)より、座面の
静的強度試験と背もたれの静的強度試験の荷重
の条件、材料の条件等を加えてトポロジー最適化
を行った結果、図 1のような形状となった。
(2) 最適化形状からデザインする手法の開発
最適化形状からデザインする手法として、一度 3面図化した後に 3次元 CAD によるモデリングを行
う“トレース法”を開発した。実際にトレース法によるデザインを行ったところ、図 2のような結果
となった。その他のデザイン手法として“押し出し法”(図 3)、“モチーフ法”を開発した。
(3) 試作の作成および強度の検証
図 2 のデザインの試作及び強度試験を行い、良好な
試験結果を得ることができた。(図 4)
■研究の新規性・優位性
現在、構造解析を利用したコンセプトデザイン
が製品化された事例は確認されていない。
本研究を利用することにより、強度不足が原因
となる設計変更や形状修正が減るため、開発時
間の短縮が可能となる。
■産業への展開・提案
① 強度と審美性を要求する製品開発への本研
究の利用。共同研究の実施
② デザインの前例がないような新製品、アイデア
が煮詰まってしまった製品への本研究の利用
③ 本研究のデザイン手法のセミナー開催
*1)システムデザインセクター、*2)環境技術グループ
図 2. トレース法からのデザイン 図 3. 押し出し法からのデザイン
図 1. トポロジー最適化
図 4. 試作及び強度試験
図 4.試作及び強度試験
システムデザイン
平成 27 年度 研究成果発表会
構造解析を利用したコンセプトデザイン
○上野 明也*1)、角坂 麗子*1)、小林 隆一*1)、薬師寺 千尋*1)、濱野 智子*2) ■キーワード 構造解析、コンセプトデザイン、トポロジー、位相最適化 1. 審美性と安心・安全が両立した製品の開発
2. プロダクトデザイナーが利用できる構造解析手法の開発
3. トポロジー最適化形状からデザインする手法の開発
■研究の目的
構造解析におけるトポロジー最適化は、与えられた設計領域内で材料や荷重等の条件を与えることに
より、最適な材料レイアウトを表示することが可能である。プロダクトデザインにおけるアイデア構
築段階の形状検討(コンセプトデザイン)の際に、その材料レイアウトから形状のアイデアを得る
とともに、構造的に適した形状でかつ審美性が高い製品をデザインする手法の開発を目的とする。
■研究内容
(1) トポロジー最適化の条件設定方法の確立
プロダクトデザインの代表的テーマである椅
子をテーマとして開発を進めた。椅子の製品仕様
として、ソファを使えないような狭いリビング等
で利用する座椅子で、製品サイズ(設計領域)を
480×480×480mm、座面は全体と座面の大きさの
バランスから地上から 200mm 程度とした。
以上の仕様から設計領域を作成し、荷重の設定
として JIS 規格(JIS 1203-1998)より、座面の
静的強度試験と背もたれの静的強度試験の荷重
の条件、材料の条件等を加えてトポロジー最適化
を行った結果、図 1のような形状となった。
(2) 最適化形状からデザインする手法の開発
最適化形状からデザインする手法として、一度 3面図化した後に 3次元 CAD によるモデリングを行
う“トレース法”を開発した。実際にトレース法によるデザインを行ったところ、図 2のような結果
となった。その他のデザイン手法として“押し出し法”(図 3)、“モチーフ法”を開発した。
(3) 試作の作成および強度の検証
図 2 のデザインの試作及び強度試験を行い、良好な
試験結果を得ることができた。(図 4)
■研究の新規性・優位性
現在、構造解析を利用したコンセプトデザイン
が製品化された事例は確認されていない。
本研究を利用することにより、強度不足が原因
となる設計変更や形状修正が減るため、開発時
間の短縮が可能となる。
■産業への展開・提案
① 強度と審美性を要求する製品開発への本研
究の利用。共同研究の実施
② デザインの前例がないような新製品、アイデア
が煮詰まってしまった製品への本研究の利用
③ 本研究のデザイン手法のセミナー開催
*1)システムデザインセクター、*2)環境技術グループ
図 2. トレース法からのデザイン 図 3. 押し出し法からのデザイン
図 1. トポロジー最適化
図 4. 試作及び強度試験
平成27年度 研究成果発表会システムデザイン
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