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国土交通省 大阪航空局 空港部 土木建築課 土木第二係 伊織 那覇空港18側進入灯橋梁設計について

那覇空港18側進入灯橋梁設計について - mlit.go.jp国土交通省大阪航空局 空港部土木建築課 土木第二係畑伊織 那覇空港18側進入灯橋梁設計について

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  • 国土交通省 大阪航空局空港部 土木建築課土木第二係 畑 伊織

    那覇空港18側進入灯橋梁設計について

  • 1.事業概要について

    2.計画概要について~形状~

    3.工程(概略)について

    4.現場条件について~上空制限~

    5.海水面による制約について

    6.現場条件の問題について

    7.維持管理上の問題について

    8.構造上の問題について

    9.施工的特徴について

    10.風洞試験について

    目 次

  • 現在、設置されている進入路指示灯の単柱構造4基(海上部)については、昭和47年沖縄本土復帰に伴い米軍から引き継いだもの。

    単柱構造によるデメリット

    ①故障発生時に作業船手配等に時間を要し、障害復旧まで進入灯が消灯となり運航に影響を及ぼす。

    ②台風、波浪による断線事故が発生した場合、復旧作業に相当の日数を要し、進入灯消灯による運航への影響が長期間に及ぶ。

    海上又は深い谷間に設置する場合は、労働安全衛生法の規定による作業者の安全確保を重視。

    ⇒老朽化による更新に伴い、メンテナンス性の向上ため橋梁形式にて整備。

    1.事業概要について

    現 状 整備後

  • cd

    cd

    asg

    asg

    asg

    asg

    ags

    agsags

    ags

    TsTsTs

    RLm

    クロスバー

    センターバー

    10 11 12 13 14 1598 16

    P1 P2 P3P4 P5 P6

    P8 P9P7P10 P11 P12 P13

    750

    2.計画概要について~形状~

    238.5m

    上部工 センターバー1900

    1950

    1207

    グレーチング 海 側 陸 側6700

    1/661000

    1900

    1700

  • 平成21年10月より現地着手し、平成23年9月末の24ヶ月の現場工程

    平成23年10月の灯火運用開始を予定

    年 月

    項 目

    橋梁整備期間

    橋梁本体工

    仮桟橋工

    滑走路短縮   運用期間

    灯火整備

    18側進入灯   消灯期間

    2 310 11 12 11 2 3

    平成 23 年度

    4 5 6 7 8 9

    平成 22 年度

    4 5 6 7 8 9 10 11 1212 1 2 3

    平成 21 年度

    4 5 6 7 8 9 10 11

    既設AGL全消灯 フライトチェック、運用開始

    既設AGL一部消灯

    3.工程(概略)について

  • cd

    cd

    asg

    asg

    asg

    asg

    ags

    agsags

    ags

    TsTsTs

    RLm

    クロスバー

    センターバー

    10 11 12 13 14 1598 16

    +3.90

    P1 P2 P3P4 P5 P6

    P8 P9P7P10 P11 P12 P13

    750

    滑走路供用中(昼間)の作業高さ:2.8~7.5m ⇒昼間施工不可能

    滑走路400m短縮後の作業高さ(夜間)

    ⇒進入表面を8m上げることにより、作業高さを10.8 ~15.5m確保する。

    ⇒深夜貨物便、緊急機の運航可能。

    4.現場条件について~上空制限~

    仮桟橋施工高さ

    +8.0m

    施工時進入表面(滑走路400m短縮):1/50

    進入表面:1/50

    基19-2X= 23431.658Y= 14518.737

    空港滑走路ラインY=1000.000m

    No1予定点ボーリング

    OP-1

    那覇空港

    10 11 12 13 14 15987 16

    灯火中心線

    クロスバーセンターバー

    357-30-39

    那覇空港センターライン

    6@3000=180000120000

    着陸帯

    末端

    R/W末

    O/R末

    60000

    1.70

    1.67

    1.42

    2.98

    0.72

    0.75

    3.76

    3.91

    3.62

    3.78

    3.89

    3.69

    2.81

    2.513.71

    2.07

    3.85

    3.70

    3.94

    2.03 4.41

    3.84

    3.75

    3.79

    2.43

    2.43 4.42

    3.763.82

    3.83

    3.76

    3.84 3.82

    3.82

    3.75

    3.73

    3.83

    2.82

    3.53

    3.76

    3.763.78

    3.62

    3.66

    3.77

    3.84

    3.77

    3.771.11

    4.753.90

    3.76

    3.76

    1.521.61

    3.08

    1.30

    4.112.09

    2.04

    3.363.87

    3.84

    4.91

    3.68

    5.14

    3.38

    2.31

    3.67

    3.85

    4.79

    3.76

    2.96

    1.85

    4.66

    2.16

    3.71

    3.21

    2.50

    2.14

    4.94

    4.36

    3.01

    4.68

    3.73

    1.670.77

    1.35

    2.87

    5.08

    1.78

    5.04

    3.132.75

    5.14

    3.78

    3.98

    3.89

    5.25

    4.70

    2.82

    4.84

    1.93

    3.81

    2.44

    2.353.75

    3.75

    1.373.69

    基19-2

    テトラ

    ポット

    トラポット

    P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11 P12 P13

  • cd

    cd

    asg

    asg

    asg

    asg

    ags

    agsags

    ags

    TsTsTs

    RLm

    クロスバー

    センターバー

    10 11 12 13 14 1598 16

    P1 P2 P3P4 P5 P6

    P8 P9P7P10 P11 P12 P13

    750

    5.海水面による制約について

    船舶による施工不可 船舶による施工可能

    H.W.L+2.12 L.W.L+0.04

    浅瀬のため、船舶の喫水(1.5m)が確保出来ない。(約220m) ⇒現場条件の問題

    防食の観点より、上部構造は海水に浸からないよう、海水面上とする。 ⇒維持管理上の問題

    最大波高時は波頂高が橋梁上部工高さまで及ぶことから、波力による検討を行う。 ⇒構造上の問題

    LWL時に干上がる

  • B-1

    基19-2X= 23431.658Y= 14518.737

    空 X=3820m

    空 X=3850m

    空 X=3880m

    空 X=3910m

    空 X=3940m

    空 X=3970m

    空 X=4000m

    空 X=4030m

    空 X=4060m

    空 X=4090m

    NO.0+28

    NO.9

    No1予定点ボーリング

    OP-1

    10 11 12 13 14 1598 16

    灯火中心線

    クロスバー

    センターバー

    海 側

    1500

    1500

    5000

    空 X=3790m

    3250

    NO.8

    5000

    3000

    3.00

    2.00

    4.00

    4.00

    3.00

    基19-3

    BOX OUT

    18ゲート入口

    基19-2

    DL=1.20

    DL=1.21

    電力

    BOX OUT

    電話

    テトラポット

    テトラポット

    テトラポ

    ット

    Co

    10000

    2000

    P1 P2 P3 P4 P5 P6 P8 P9P7 P10 P11

    P12 P13

    R13000

    船舶進入不可能範囲

    6.現場条件の問題について

    船舶の喫水(1.5m)が確保出来ないため、一部を除き仮桟橋を設置した後、橋梁を施工。

    作業時間が定期便終了後の24:00~06:30の6.5時間 ⇒準備・後片付けを除くと作業時間約5時間

  • cd

    cd

    asg

    asg

    asg

    asg

    ags

    agsags

    ags

    TsTsTs

    RLm

    クロスバー

    センターバー

    10 11 12 13 14 1598 16

    P1 P2 P3P4 P5 P6

    P8 P9P7P10 P11 P12 P13

    750

    灯火平面

    H.W.L.

    鋼 管 桁

    手摺り高1,100mm⇒750mm

    30cm以上確保

    手摺り高イメージ図

    腐食対策として満潮時に支承が海水に浸からないよう、H.W.L.に対して30cm以上を確保する。

    標準手摺り高さは1,100mmだが、灯火平面上に支承を30cm上げることにより、手摺りが灯火平面にかかるため、手摺り高を750mm~1,100mmに変化させる。

    7.維持管理上の問題について

  • 1207

    本橋の特徴は、上部工に作用する波力が大きいことから、構造物の構造が決まる。

    波力の検討は、既往最高潮位(以下、H.H.W.L.)の最高波高時の波力が波頂高まで載荷する状態を想定 。

    上部工波力は水平波力および揚圧力の2方向から作用し、4径間および8径間それぞれに対して作用させる。 ⇒通常の橋梁は波力がかからない。

    8.構造上の問題について~その1~

    揚圧力

    上部工

    水平波力

  • 8.構造上の問題について~その2~

    中詰めコンクリート

    重防食

    現地盤

    鋼管杭(SKK400)

    L.W.L.+0.04

    H.W.L.+2.12

    H.H.W.L.+3.20

    杭間隔L 杭径φ

    上部工反力

    揚圧力

    下部工荷重載荷図

    引き抜き力

    水平波力

    押し込み力

    沖側(波進行方向)

    下部工波浪時の上部工反力および下部工の水平波力および揚圧力により、下部工杭には押し込み荷重および引き抜き荷重が作用する。下部工の杭径φおよび杭間隔Lを押し込み力および引き抜き力のバランスから検討を行い、最適な下部工配置を行う 。

  • 9.施工的特徴について~上空制限~

    9000

    4000

    6500

    杭継ぎ位置+3.12

    H.W.L.+2.12現地盤 DL+0.833

    +4.930

    4000

    6500バイブロハン

    マによる施工

    3点式杭打機による施工

    進入表面

    施工時進入表面

    杭の打設方法の選定杭を打設する際、通常3点式杭打機にて打設を行うが、本橋梁においては、打設時

    にリーダーが進入表面を侵す。⇒ ①打設時の高さを施工時進入表面高まで抑える。(深夜貨物便、緊急機対応)

    ②移動可能な機種を選定(分解組み立てが伴うため、3点式は移動不可)⇒バイブロハンマによる杭打設を選定

    杭打工における作業性施工上空空間が狭いため、杭材を打ち継いで打設するため、1日当たり施工本数

    が0.8~1.2本となる⇒仮設桟橋工のみで約13ヶ月の工期を要する。

    施工時進入表面を突出 → ×

  • 9.施工的特徴について~土質条件~

    ボーリング調査の結果、N値200~300の琉球石灰岩を貫通しなければならない。ウォータージェット併用によるバイブロハンマー打設により琉球石灰岩

    の打ち抜き施工を行う。本工法は、沖縄県内で実績が3件程度しかないが、いずれも貫通させ

    ていることから、本橋についても、施工時の仮桟橋および下部工鋼管杭の打設に適用する。

    琉球石灰岩

  • 10.風洞試験について~その1~

    最大支間長 L 20.0 m設計基準風速 Ud 53.0 m/s

    総幅員 B 1.95 m有効高 d 1.21 m

    グレーチング

    1900

    1950

    1207

    上部工が鋼管を採用しているため、耐風設計便覧(H19改定)の耐風検討の結果、たわみ渦励振が発生する可能性がある。

    ⇒同便覧に準じて風洞試験により、上部工の耐風性に対する検討を行う。

    数式 計算値L×Ud/B 543.6

    B/d 1.6Iu 0.15

    必要

    たわみ渦励振> 330

    < 5< 0.15

    判定

    たわみ発散振動> 200-

    < 0.20必要

    19.50 <53.0 OUT0.0080 >0.0030 OK

    Ucvh>Urvh(=Ud)ha>hc

    78.00 >70.80 OKUcg>Urg

    1.たわみ渦励振、たわみ発散振動の照査

    2.たわみ渦励振の照査

    3.たわみ発散振動(ギャロッピング)の照査

  • 3.風洞試験について~その2~

    風向カルマン渦

    一様な流れの中に物体(図は円柱)を置いた場合、下流側に交互に発生する渦 ⇒カルマン渦カルマン渦の影響を受け物体が振動を受けること⇒渦励振(低速の限られた風速範囲で発現する規則性の強い振動)

    渦励振が発生し、橋梁に影響を与えた事例

    ⇒アメリカ タコマ市ナローズ橋の崩壊

  • 3.風洞試験について~その3~

    ⇒以上の風洞試験結果を設計に反映し、上部工断面の最終形状を決定。

    最適断面において風により鋼管桁に作用する荷重を計測し,応力解析に使用する基礎データを取得する。

    静的三分力試験

    現状試験で耐風性に問題が生じた場合,設計風速以下で許容振幅を超える振動(渦励振,ギャロッピング)が発生しない最適断面(整流プレートの設置等)を検討、調査し安全性が確認できる断面を提案する。

    対策試験

    現状断面で許容振幅を超える振動(渦励振,ギャロッピング)が設計風速内で発生するかを調査する。

    現状試験

    試験目的試験名称

    風洞試験内容