Upload
others
View
3
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
松永三郎
東京工業大学・機械宇宙システム専攻
衛星の姿勢運動と制御
人工衛星のミッションと軌道・姿勢制御
人工衛星のミッション(mission),任務:(1) 実用ミッション
通信・放送航法・測量地球観測および環境探査
(2) 科学ミッション天文学および宇宙物理学上の観測月・惑星を含む太陽系天体の科学観測や探査
(3) 技術試験ミッション
軌道:(1) 地球周回軌道(静止軌道を含む)
(2) 惑星間空間軌道、惑星周回軌道(3) 編隊飛行(フォーメーションフライト;formation flight)(4) コンステレーション(constellation;配位)
(5) 天体着陸姿勢・軌道制御系は不可欠であり,重要な役割を果たす
例: 技術試験衛星 きく6号(ETS-VI)
高精度姿勢制御( 指向制度要求 0.01°~ 0.05° )
柔構造の安定化(太陽電池パネルなどの振動抑制)
南北方向約30m、東西方向約9.3m、地球方向約9.3m
衛星の姿勢制御
• 姿勢姿勢姿勢姿勢運動運動運動運動 あるあるあるある基準基底基準基底基準基底基準基底にににに関関関関するするするする宇宙機宇宙機宇宙機宇宙機のののの姿勢姿勢姿勢姿勢のののの変化変化変化変化
• 姿勢姿勢姿勢姿勢制御制御制御制御 意図的意図的意図的意図的なななな姿勢運動姿勢運動姿勢運動姿勢運動 => 姿勢制御姿勢制御姿勢制御姿勢制御システムシステムシステムシステム
• 姿勢姿勢姿勢姿勢安定安定安定安定 要求精度内要求精度内要求精度内要求精度内にににに姿勢姿勢姿勢姿勢をををを維持維持維持維持 => 姿勢安定姿勢安定姿勢安定姿勢安定システムシステムシステムシステム
• ミッションミッションミッションミッション例例例例制御局制御局制御局制御局、、、、他他他他のののの衛星衛星衛星衛星、、、、移動局移動局移動局移動局などへのなどへのなどへのなどへの通信時通信時通信時通信時ののののアンテナアンテナアンテナアンテナ指向要求指向要求指向要求指向要求
リモートセンシングリモートセンシングリモートセンシングリモートセンシング用用用用カメラカメラカメラカメラのののの観測域指向要求観測域指向要求観測域指向要求観測域指向要求
天体観測時天体観測時天体観測時天体観測時のののの精密指向精密指向精密指向精密指向およびおよびおよびおよび安定要求安定要求安定要求安定要求
• 制御法制御法制御法制御法のののの種類種類種類種類 受動的受動的受動的受動的・・・・能動的能動的能動的能動的・・・・混合混合混合混合
受動的姿勢制御
• Passive Attitude Control System搭載搭載搭載搭載センサセンサセンサセンサ、、、、アクチュエータアクチュエータアクチュエータアクチュエータ、、、、ソフトソフトソフトソフト、、、、電源電源電源電源はははは必要必要必要必要なしなしなしなし
• 方法方法方法方法衛星衛星衛星衛星のののの形状形状形状形状やややや慣性慣性慣性慣性テンソルテンソルテンソルテンソルのののの適切適切適切適切なななな設計設計設計設計、、、、およびおよびおよびおよび、、、、永久磁石等永久磁石等永久磁石等永久磁石等のののの特特特特
殊機器殊機器殊機器殊機器をををを搭載搭載搭載搭載することによってすることによってすることによってすることによって生生生生じるじるじるじる、、、、貯蔵可能貯蔵可能貯蔵可能貯蔵可能ななななトルクトルクトルクトルクやややや減衰減衰減衰減衰トルトルトルトルククククをををを利用利用利用利用
• 発生源発生源発生源発生源地球地球地球地球のののの重力場重力場重力場重力場やややや電磁場電磁場電磁場電磁場、、、、太陽輻射圧太陽輻射圧太陽輻射圧太陽輻射圧、、、、大気抵抗大気抵抗大気抵抗大気抵抗、、、、最大慣性主軸回最大慣性主軸回最大慣性主軸回最大慣性主軸回りりりり
のののの剛体回転剛体回転剛体回転剛体回転((((慣性系慣性系慣性系慣性系にににに関関関関するするするするスピンスピンスピンスピン軸安定軸安定軸安定軸安定::::スピンスピンスピンスピン剛性剛性剛性剛性))))などなどなどなど
• 典型例典型例典型例典型例スピンスピンスピンスピン安定安定安定安定、、、、2重重重重スピンスピンスピンスピン安定安定安定安定、、、、重力傾斜安定重力傾斜安定重力傾斜安定重力傾斜安定、、、、磁気姿勢制御磁気姿勢制御磁気姿勢制御磁気姿勢制御、、、、太陽輻太陽輻太陽輻太陽輻
射圧姿勢制御射圧姿勢制御射圧姿勢制御射圧姿勢制御、、、、大気抵抗姿勢制御大気抵抗姿勢制御大気抵抗姿勢制御大気抵抗姿勢制御
• 特徴特徴特徴特徴 低性能低性能低性能低性能((((低精度低精度低精度低精度、、、、低安定低安定低安定低安定)))) 、、、、長寿命長寿命長寿命長寿命、、、、強頑健性強頑健性強頑健性強頑健性、、、、低費用低費用低費用低費用
能動的姿勢制御
• Active Attitude Control System搭載搭載搭載搭載コンピュータコンピュータコンピュータコンピュータ、、、、電源電源電源電源、、、、姿勢姿勢姿勢姿勢センサセンサセンサセンサ、、、、姿勢決定姿勢決定姿勢決定姿勢決定////制御制御制御制御ソフトウエアソフトウエアソフトウエアソフトウエアととととアクチュアクチュアクチュアクチュ
エータエータエータエータをををを用用用用いていていていて制御制御制御制御
• 姿勢姿勢姿勢姿勢センサセンサセンサセンサ磁気磁気磁気磁気センサセンサセンサセンサ、、、、太陽太陽太陽太陽センサセンサセンサセンサ、、、、スターセンサスターセンサスターセンサスターセンサ、、、、ジャイロセンサジャイロセンサジャイロセンサジャイロセンサ、、、、赤外赤外赤外赤外センサセンサセンサセンサなどなどなどなど
• 姿勢姿勢姿勢姿勢アクチュエータアクチュエータアクチュエータアクチュエータスラスタスラスタスラスタスラスタ、、、、フライホイールフライホイールフライホイールフライホイール、、、、リアクションホイールリアクションホイールリアクションホイールリアクションホイール、、、、ジャイロジャイロジャイロジャイロ、、、、磁気磁気磁気磁気トルカトルカトルカトルカなどなどなどなど
• 典型例典型例典型例典型例3軸姿勢制御軸姿勢制御軸姿勢制御軸姿勢制御((((スラスタスラスタスラスタスラスタのみのみのみのみ、、、、3個個個個ののののホイールホイールホイールホイール)、)、)、)、ゼロモーメンタムゼロモーメンタムゼロモーメンタムゼロモーメンタム制御制御制御制御、、、、バイアスバイアスバイアスバイアス
モーメンタムモーメンタムモーメンタムモーメンタム制御制御制御制御などなどなどなど
• 特徴特徴特徴特徴 高性能高性能高性能高性能((((高精度高精度高精度高精度、、、、高安定高安定高安定高安定)、)、)、)、短寿命短寿命短寿命短寿命、、、、弱頑健性弱頑健性弱頑健性弱頑健性、、、、 高費用高費用高費用高費用
混合型姿勢制御
• Combined Attitude Control System
受動的姿勢制御法受動的姿勢制御法受動的姿勢制御法受動的姿勢制御法にににに対対対対してしてしてして、、、、部分的部分的部分的部分的にににに能動制御器能動制御器能動制御器能動制御器をををを付加付加付加付加してしてしてして高性能化高性能化高性能化高性能化をををを実現実現実現実現しししし、、、、能動姿勢制御能動姿勢制御能動姿勢制御能動姿勢制御のみとのみとのみとのみと比較比較比較比較してしてしてして、、、、長寿命化長寿命化長寿命化長寿命化、、、、高頑健化高頑健化高頑健化高頑健化、、、、低費用化低費用化低費用化低費用化をををを図図図図るるるる。。。。
• 典型例典型例典型例典型例重力傾度重力傾度重力傾度重力傾度 ++++ 能動磁気能動磁気能動磁気能動磁気トルカトルカトルカトルカ
重力傾度重力傾度重力傾度重力傾度 ++++ モーメンタムバイアスホイールモーメンタムバイアスホイールモーメンタムバイアスホイールモーメンタムバイアスホイール
フライホイールフライホイールフライホイールフライホイール ++++ 能動磁気能動磁気能動磁気能動磁気トルカトルカトルカトルカ
宇宙機の姿勢制御方式
基本的なダイナミクス 方式
姿勢制御方式 モーメンタム保存
重力傾度
地磁気
ゼロ・モーメンタム
バイアス・モーメンタム
コントールド・バイアスモーメンタム
CMG
スピン
単一スピン
二重スピン アンテナ・デスパン
プラットフォーム・デスパン
ガスジェット制御
ジャイロ剛性利用
アクティブ
パッシブ
補助的制御
小型衛星
• 低費用開発低費用開発低費用開発低費用開発民生品技術民生品技術民生品技術民生品技術のののの利用利用利用利用、、、、短期間開発短期間開発短期間開発短期間開発、、、、製作製作製作製作、、、、ピギーバックピギーバックピギーバックピギーバック打打打打ちちちち上上上上げげげげ
=> 宇宙産業宇宙産業宇宙産業宇宙産業へのへのへのへの企業参入企業参入企業参入企業参入、、、、大学大学大学大学のののの教育目的教育目的教育目的教育目的
• 最先端開発最先端開発最先端開発最先端開発マイクロマイクロマイクロマイクロ・・・・ナノテクノロジーナノテクノロジーナノテクノロジーナノテクノロジーをををを用用用用いたいたいたいた開発開発開発開発。。。。高性能高性能高性能高性能、、、、高費用高費用高費用高費用。。。。小型小型小型小型はははは見見見見かけのみかけのみかけのみかけのみ => 大学大学大学大学のののの研究目的研究目的研究目的研究目的
• 混合型姿勢制御混合型姿勢制御混合型姿勢制御混合型姿勢制御のののの積極的利用積極的利用積極的利用積極的利用簡易簡易簡易簡易、、、、信頼性信頼性信頼性信頼性、、、、短期間開発短期間開発短期間開発短期間開発、、、、低費用低費用低費用低費用
全制御系
制御フィードバック
制御系制御系制御系制御系
制御器制御器制御器制御器(制御論理制御論理制御論理制御論理)
アクチュエータアクチュエータアクチュエータアクチュエータ(RWA,CMG,SPS)
センサセンサセンサセンサ(ESA,SSA,IRU,SS)
制御対象制御対象制御対象制御対象プラントプラントプラントプラント力学力学力学力学((((基礎力基礎力基礎力基礎力学学学学、、、、姿勢姿勢姿勢姿勢、、、、軌軌軌軌道力学道力学道力学道力学))))
環境環境環境環境とのとのとのとの相互作用相互作用相互作用相互作用外乱外乱外乱外乱 (空力,地磁気,太陽光圧,重力傾度)内部擾乱内部擾乱内部擾乱内部擾乱
制御指令
制御制御制御制御目標目標目標目標 制御性能制御性能制御性能制御性能
姿勢精度,応答特性等)
一般的一般的一般的一般的なななな制御系制御系制御系制御系のののの構成構成構成構成
一般的一般的一般的一般的なななな人工衛星人工衛星人工衛星人工衛星のののの制御系制御系制御系制御系のののの構成構成構成構成
航法センサ
角度センサ姿勢決定系(フィルタ)
角速度センサ
制御器
位置・軌道
姿勢角観測地
角速度観測地
位置・軌道誤差
ノイズ
ノイズ
姿勢決定系の構成
姿勢推定値姿勢角速度推定値
姿勢推定値誤差姿勢角速度推定値誤差
姿勢決定制御系姿勢決定制御系姿勢決定制御系姿勢決定制御系Attitude Determination & Control System
姿勢決定 Attitude Determination
姿勢制御 Attitude Control
姿勢推定・ノイズ除去
電波センサ
地球の大気(水、CO2)が放射する赤外線を検出し地球方向を検出
太陽の放射する可視光から太陽方向を検出
恒星の放射する可視光から慣性空間での衛星の姿勢を検出
地上等に置かれた電波源の方向を検出
回転体の角運動量剛性を利用した機械式ジャイロ。TDGは1台で2軸のレート検出が可能。FRIG、RGは基本的な原理は同じであるが、RGはバネ力と釣り合うレート直接検出。
光学ジャイロと呼ばれるもので機械的に動作する部品を有しない。サニアック効果により生ずる光の光行差を利用してレートを検出。
HRG(共振振動の有する慣性を利用)、クォーツレートセンサ(QRS),ガスレートジャイロ等がある。HRGは高精度長寿命のためレートセン
サの主流になりつつある。
加速度を検出するセンサ。遠心力、コリオリ力等も検出可能。
GPSを利用して位置を検出。GPS電波の位相から姿勢検出も可能
地磁気の磁場の方向から姿勢を検出
各種姿勢センサ
姿勢制御に利用される制御理論の例
古典的な設計手法
周波数領域(Laplace変換されて伝達関数)で、制御
特性を経験的、感覚的に改善する。基本的には比例、微分、積分要素をフィードバック制御して制御。制御系のモデルが明確でない場合も経験的に制御系の設計が可能。本資料ではこの手法で説明。
・安定性、余裕を明確に定義できる。
・感度解析、シミュレーション等により評価
現代的な設計手法
・状態変数空間で多変数に対応(姿勢、姿勢角速度は状態変数)。最適化
・モデル誤差等にたいしてロバストでない
=Ax+Bu
u=Kx
ここで、
が最小となるようにゲイン行列Kを設定する。解は一般
的にRiccati方程式となる。
ロバスト制御・モデル誤差等に弱い現代制御の欠点を補う・例:H∞制御
周波数領域でシステムのロバスト性を組み込んで最適化
伝達関数FのH∞を許
容値γ以下になるようにKrを決定
xɺ
∫∞
′+′=0
][ dtRuuQxxJ
Π′−=
=+Π′Π−Π′+Π−
−
BRK
QBRBAA
1
1 0
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動
• 軌道上軌道上軌道上軌道上ではではではでは外乱外乱外乱外乱トルクトルクトルクトルクはははは小小小小さいのでさいのでさいのでさいので、、、、第第第第1次近似次近似次近似次近似としてとしてとしてとして、、、、外外外外トトトト
ルクルクルクルク零零零零のののの場合場合場合場合はははは重要重要重要重要
• オイラーオイラーオイラーオイラーのののの運動方程式運動方程式運動方程式運動方程式
• 軸対称軸対称軸対称軸対称
• 外外外外トルクトルクトルクトルク零零零零 AdH/dt=0 => 角運動量角運動量角運動量角運動量 H=一定一定一定一定(A系系系系からからからから見見見見てててて不変不変不変不変)
• 軸対称軸対称軸対称軸対称トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー:::: b系表示系表示系表示系表示
( )( )
=
=−−
=−−
0
0
0
3
132
321
ωωωωωωω
ɺ
ɺ
ɺ
J
IJI
JII
JIIII === 321 ,
0d
d
d
d / ==×+= MHωHH AB
BA
tt
( )( )
==
=−−
=−−
一定n
nIJI
nJII
3
12
21
0
0
ωωωωω
ɺ
ɺ
解析的に解ける
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動のののの解析解解析解解析解解析解((((1111))))
( ) 31 ωσ−=snI
J=σ
02
20
2
10
2
2
2
1 ≥=+=+≡ 一定ωωωωωr
=
=
=
一定:
cos
sin
3
2
1
s
r
r
ωωψωωψωω
( ) ( )2010
1
00 ,2atan, ωωψ −=−= −ss ntttn
慣性モーメント比:角速度 相対スピン:
ラジアル角速度:
一定=+=++≡ 222
3
2
2
2
1
2
zr ωωωωωω
=
3
2
1
T
H
H
H
bH
≡
==≡
一定
一定
:
:33
rr
ss
IH
JJHH
ωωω
角運動量
=
3
2
1
T
ωωω
bω
=
=
=
s
r
r
HH
HH
HH
3
2
1
cos
sin
ψψ
022 ≥=+= 一定sr HHH
:慣性系Aに対して不変
は異符号:逆向
は同符号:順向
s
s
n
n
,1
,1
3
3
ωσ
ωσ
⇒>
⇒<
π≤≤
=
⋅≡ −− NH
H
HN z 0,:coscos 1
3
1 一定bH
ニューテーション角:N=一定 ( )
=
===
NHH
JHNHH
r
zzs
sin
cos ω
3b
sn
ω
1b
2b
rω
ψ
1<σ
sωω =3
1ω2ω
3b
sn
1b
2b
N
ψ
1H
2H
rH
sH
1<σ
3a
H
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動のののの解析解解析解解析解解析解((((2))))
姿勢角
rr bH =ˆ
2a′N
N
N
φ2a
2b
3b3a
H
ψ
φ ψ
1a
1a′
1b
3-1-3オイラー角 ψφ ,,N
( ) ( ) ( )φψ 313/ CCCC NAB ≡
φ:歳差角、N:ニューテーション角、ψ:スピン角
角速度
( ) ( ) ( )
+
=
+
=
++=
s
r
r
s
ABB
nNnN
N
N
NN
cos
cos
sin
cos
cossin
sinsin
CCCω
3
2
1
3
13
1
3
3
/
φψωψω
φψφψφ
ωωω
φδψδψψδ
ɺɺ
ɺ
ɺ
ɺɺɺ
( )0ifcoscos
3
33 ≈≈==−
= NNN
ns σωσωω
φ 一定ɺ
hI
H
N
r ≡==sin
ωφɺ
H
I
H
HNN rr
r
ωφω === sin,sinɺ
0=Nɺ
:歳差角速度
T
321
T
31
T
321
,,
, ,
, ,
bbbb
bba
aaaa
系:
系:
系:
=
′
=
B
N
A
r rrrr HHHb == ˆ
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動のののの解析解解析解解析解解析解((((3))))
角運動量Hと角速度ωωωωのラジアル面表示
Hbωωω ˆ3
/// hnsANNBAB +=+=
sr σωω
σωωω
:H:H
::H:H:H
sr
321321
=
=
スピン軸 角運動量軸Ha ˆ
3 =
Haaaω
bbω
ˆ313
/
33
/
hN
n
AN
s
NB
≡=′+=
==
φφ
ψɺɺɺ
ɺ
3HH
3b
rrH
3bsn
( )1<σω
( )1>σωHh3bsn
( ) 31ωσ <
( )1<σ
( )1>σrr bH =ˆ
2a′N
N
N
φ2a
2b
3b3a
H
ψ
φ ψ
1a
1a′
1b
rrrr HHHb == ˆ
0=Nɺ
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動
1, >< σJI
3b N3a
ω
3bsn
Hh
cone body
cone space
H
一定=3ωニューテーションニューテーションニューテーションニューテーション角角角角::::N = 一定一定一定一定
=一定相対スピンレート sn
ニューテーションニューテーションニューテーションニューテーション角速度角速度角速度角速度::::h = 一定一定一定一定
IJ /=σ 慣性慣性慣性慣性モーメントモーメントモーメントモーメント比比比比
space coneのののの回回回回りをりをりをりをbody coneがががが滑滑滑滑らずにらずにらずにらずに転転転転がるようながるようながるようながるような運動運動運動運動
ωωωω軸上の点は不動
Hω
3bN3a
Hh
3bsn
1, <> σJI
cone spacecone body
解析解の運動
トルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体軸対称剛体のののの回転運動回転運動回転運動回転運動
• 安定性安定性安定性安定性ニューテーションニューテーションニューテーションニューテーション運動運動運動運動がががが生生生生じてじてじてじて、、、、エネルギーエネルギーエネルギーエネルギー散逸散逸散逸散逸があるがあるがあるがある場合場合場合場合((((柔軟付属物柔軟付属物柔軟付属物柔軟付属物のののの振動振動振動振動などなどなどなど))))にににに、、、、そのそのそのその回転運動回転運動回転運動回転運動がががが安定安定安定安定かどうかかどうかかどうかかどうか
• エネルギーシンクエネルギーシンクエネルギーシンクエネルギーシンク法法法法::::
• 最大最大最大最大主慣性主慣性主慣性主慣性モーメントモーメントモーメントモーメント軸回軸回軸回軸回りりりり::::安定安定安定安定
• 最小最小最小最小主慣性主慣性主慣性主慣性モーメントモーメントモーメントモーメント軸回軸回軸回軸回りりりり::::不安定不安定不安定不安定
=> フラットスピンフラットスピンフラットスピンフラットスピン
( ) 0cossin12
<−= NNNJ
HT ɺɺ σ
Explorer I (1958)
( )( ) 001,1
001,1
>=><−<
<=><−>
NN
NN
ɺɺ
ɺɺ
σσ
σσ
2重スピン衛星
• 1重重重重スピンスピンスピンスピン衛星衛星衛星衛星安定条件安定条件安定条件安定条件
⇒皿型皿型皿型皿型::::ロケットロケットロケットロケット搭載搭載搭載搭載にににに制約制約制約制約
• 2重重重重スピンスピンスピンスピン衛星衛星衛星衛星安定条件安定条件安定条件安定条件をををを緩和緩和緩和緩和
a)
b)
IJ >> ,1σ
IJR > 1重重重重スピンスピンスピンスピンとととと同様同様同様同様
IJR < R
R
RP T
IJ
IJT ɺɺ
/1
/
−>
ヒューズヒューズヒューズヒューズ社社社社がががが特許特許特許特許、、、、開発開発開発開発
一般形態一般形態一般形態一般形態ののののトルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー回転運動回転運動回転運動回転運動
• 回転運動回転運動回転運動回転運動のののの幾何学的解釈幾何学的解釈幾何学的解釈幾何学的解釈ポアンソーポアンソーポアンソーポアンソーのののの楕円体楕円体楕円体楕円体
• 安定条件安定条件安定条件安定条件線形化安定解析線形化安定解析線形化安定解析線形化安定解析 => => => => エネルギーエネルギーエネルギーエネルギー散逸散逸散逸散逸がないがないがないがない場合場合場合場合
回転軸回転軸回転軸回転軸のののの慣性慣性慣性慣性モーメントモーメントモーメントモーメントがががが最大最大最大最大またはまたはまたはまたは最小最小最小最小のときのときのときのとき安定安定安定安定
中間軸回中間軸回中間軸回中間軸回りはりはりはりは不安定不安定不安定不安定 :::: テニスラケットテニスラケットテニスラケットテニスラケットのののの定理定理定理定理
慣性主軸回慣性主軸回慣性主軸回慣性主軸回りのりのりのりのトルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー剛体運剛体運剛体運剛体運動のののの安定性安定性安定性安定性((((線形安定解析線形安定解析線形安定解析線形安定解析))))
0)(
0)(
0)(
212133
131322
323211
=−−
=−−
=−−
ωωω
ωωω
ωωω
JJJ
JJJ
JJJ
ɺ
ɺ
ɺ
運動方程式運動方程式運動方程式運動方程式
問題問題問題問題::::3軸回軸回軸回軸回りにりにりにりに一定回転一定回転一定回転一定回転しているしているしているしている状態状態状態状態でででで、、、、僅僅僅僅かにかにかにかに擾乱擾乱擾乱擾乱がががが起起起起きるときをきるときをきるときをきるときを考考考考えるえるえるえる。。。。
ノミナルノミナルノミナルノミナル運動運動運動運動:::: 一定==== n321 ,0 ωωω
擾乱擾乱擾乱擾乱によりによりによりにより、、、、角速度角速度角速度角速度にににに変化変化変化変化:::: (微小)(微小)(微小) 332211 ,, ωωωωωω +⇒⇒⇒ n
運動方程式運動方程式運動方程式運動方程式にににに代入代入代入代入してしてしてして、、、、2222次以上次以上次以上次以上のののの微小量微小量微小量微小量をををを無視無視無視無視((((線形化線形化線形化線形化))))
0
0)(
0)(
3
11322
23211
≈
≈−−
≈−−
ω
ωω
ωω
nJJJ
nJJJ
ɺ
ɺ
=
−−
−−
0
0
)(
)(
2
1
213
321 steA
A
sJnJJ
nJJsJ
特性方程式特性方程式特性方程式特性方程式
stst eAeA 2211 , == ωω
21
3231
21
321322
213
321 ))((0
))((0
)(
)(
JJ
JJJJins
JJ
JJJJns
sJnJJ
nJJsJ −−±=⇔=
−−−⇔=
−−
−−
1111))))回転軸回転軸回転軸回転軸((((3軸軸軸軸))))がががが最大最大最大最大慣性主軸慣性主軸慣性主軸慣性主軸((((J1<J3, J2<J3)))) or 最小最小最小最小慣性主軸慣性主軸慣性主軸慣性主軸((((J1 > J3, J2 > J3):):):):sはははは純虚数純虚数純虚数純虚数 => 角速度角速度角速度角速度はははは角振動数角振動数角振動数角振動数sのののの単振動単振動単振動単振動 => 回転運動回転運動回転運動回転運動はははは((((リアプノフリアプノフリアプノフリアプノフ))))安定安定安定安定
2222))))回転軸回転軸回転軸回転軸((((3軸軸軸軸))))がががが中間中間中間中間慣性主軸慣性主軸慣性主軸慣性主軸:::: sはははは正正正正のののの実数実数実数実数をををを含含含含むむむむ => 角速度角速度角速度角速度がががが発散発散発散発散 => 不安定不安定不安定不安定
一般形態一般形態一般形態一般形態ののののトルクフリートルクフリートルクフリートルクフリー回転運動回転運動回転運動回転運動
• エネルギーエネルギーエネルギーエネルギー散逸散逸散逸散逸のあるのあるのあるのある場合場合場合場合((((柔軟付属物柔軟付属物柔軟付属物柔軟付属物のののの振振振振動動動動などなどなどなど))))のののの安定性安定性安定性安定性
最大軸最大軸最大軸最大軸回回回回りのりのりのりの回転回転回転回転::::安定安定安定安定
最小軸最小軸最小軸最小軸回回回回りのりのりのりの回転回転回転回転::::不安定不安定不安定不安定
中間軸回中間軸回中間軸回中間軸回りのりのりのりの回転回転回転回転::::不安定不安定不安定不安定
スピンスピンスピンスピン軸軸軸軸のののの挙動挙動挙動挙動::::
最小軸最小軸最小軸最小軸回回回回りりりり =>
セパラトリクスセパラトリクスセパラトリクスセパラトリクスをををを経由経由経由経由 =>
最大軸最大軸最大軸最大軸回回回回りりりり((((向向向向きはきはきはきは初期値初期値初期値初期値にににに敏感敏感敏感敏感))))
最小軸最小軸最小軸最小軸
最大軸最大軸最大軸最大軸
中間軸
外力トルクの種類とモデリング
• 太陽輻射圧太陽輻射圧太陽輻射圧太陽輻射圧((((光光光光ののののエネルギーエネルギーエネルギーエネルギー交換交換交換交換))))
• 大気抵抗大気抵抗大気抵抗大気抵抗 よりよりよりよりトルクトルクトルクトルクをををを算出算出算出算出
• 地磁気地磁気地磁気地磁気トルクトルクトルクトルク
• 重力傾度重力傾度重力傾度重力傾度トルクトルクトルクトルク ((((第第第第1111次近似次近似次近似次近似))))
重力重力重力重力とととと遠心力遠心力遠心力遠心力のののの作用位置偏差作用位置偏差作用位置偏差作用位置偏差によってによってによってによって生生生生じるじるじるじる
26 /105.4 mNP −×=
da ACvvF ⋅= ρ2
1
BMM ×=m
33
23 aIaM ⋅×= nG
n
RC
軌道面
a1
a2
a3
b1
b3
b2
面外方向
進行方向
地心方向
周回軌道上宇宙機周回軌道上宇宙機周回軌道上宇宙機周回軌道上宇宙機のののの姿勢安定性姿勢安定性姿勢安定性姿勢安定性
• 円軌道、地球の重力傾度トルクを考慮
• 運動方程式
• 線形安定解析3321
2
132133
2231
2
22
1132
2
332111
)()(:yaw
)(3:pitch
)(4)(:roll
dJJnJJJnJ
dJJnJ
dJJnJJJnJ
=−−+−+
=−+
=−++−−
θθθθθθθθ
ɺɺɺ
ɺɺ
ɺɺɺ
3
123
1
321 ,
J
JJk
J
JJk
−=
−=
国際宇宙国際宇宙国際宇宙国際宇宙ステーションステーションステーションステーションISS
ののののLVLH基準姿勢基準姿勢基準姿勢基準姿勢はははは不安定不安定不安定不安定=> 能動制御能動制御能動制御能動制御がががが必要必要必要必要
1k
3k
1-
1-1
1
ロール・ヨー発散
ピッチ発散
Lagrange安定領域
DeBra-Delp安定領域
31311 413 kkkkk =++
31 kk =
312 JJJ >>
ISS
231 JJJ >>
3
31or
3
1
1
132 −
−==k
kkk
楕円ピッチ共鳴
リアプノフ安定
3/1
3/1−
3/1−
トルク発生器(トルカ:Torquer)
• 外力トルク発生器スラスタ(Thruster)
化学推進、コールドガス,電気推進
磁気トルカなど
• 内力トルク発生器リアクションホイール(Reaction Wheel:RW)
コントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyro:CMG)
リアクションホイール、RW
CMG
hωh
hT
×+=
=
IBB
I
R
t
t
/
d
d
d
d
hωh
T ×−−=− IBB
Rt
/
d
d
ロータの角運動量:h, 機体からロータへの作用トルク:TR
Newton-Euler
座標変換(I系からB系)
I系:慣性座標系、B系:ロータ規準座標系
ロータ角運動量の大きさ変化分
RW, MW
ロータ角運動量の方向変化分
CMG
+
角運動量交換機器の基本原理
ロータから機体へは、反作用トルク: -TRが働く
スピン軸向とロータ面内但し、ロータと共にスピンはしない
tt
tt
ttt
t
R
IB
R
IB
IB
BB
IB
B
I
R
∆∆∆∆∆
∆∆∆∆∆
ThωΩIΩIh
ThωΩIΩIh
hωΩIΩ
Ihωh
hT
−≈×−⋅−⋅−≈−⇒
≈×+⋅+⋅≈⇒
×+⋅+⋅=×+=
=
/
/
//
d
d
d
d
d
d
d
d
機体への交換分
ロータの変化分
ロータロータロータロータののののスピンスピンスピンスピン角速度角速度角速度角速度::::ΩΩΩΩh = I・ΩΩΩΩ
各種制御法の特徴
制御精度制御精度制御精度制御精度はははは衛星衛星衛星衛星サイズサイズサイズサイズ、、、、質量質量質量質量にににに依存依存依存依存するするするする
主主主主ななななJAXA衛星衛星衛星衛星のののの姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要((((中低高度衛星中低高度衛星中低高度衛星中低高度衛星))))
主主主主ななななJAXA衛星衛星衛星衛星のののの姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要((((静止衛星静止衛星静止衛星静止衛星))))
主主主主ななななJAXA衛星衛星衛星衛星のののの姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要姿勢制御系概要((((特殊特殊特殊特殊ななななミッションミッションミッションミッション))))
姿勢制御系コンポーネントの比較