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【各推進校の実践事例】 学校名 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、 読書活動と授業を連動させた取組 神戸市立大池小学校 ○言語活動の充実と豊かな表現力の育成 ~授業の中での読書活動を通して~ 尼崎市立立花中学校 ○学校図書館資料を利用する教科授業の実施 ○学校図書館資料の情報公開 西宮市立安井小学校 ○児童生徒の「読書センター」として ○児童生徒の「学習・情報センター」として 猪名川町立猪名川小学校 ○5年生国語科の実践 ・新聞の活用を広く知らせる実践 ・「5年生ビブリオバトル」の開催 播磨町立播磨南小学校 ○言葉の力をはぐくむ国語科の学習 ~ひとりひとりが読者になれる授業づくり~ 小野市立小野小学校 ○図書館マスターになろう! ~図書館のひみつをさぐろう~ 市川町立市川中学校 ○図書室を活用した調べ学習の研究 ~国語科・社会科・英語科・総合の時間を使って~ 福崎町立八千種小学校 ○2年国語科の実践 ・「登場人物カード」をつくろう 相生市立矢野小学校 ○各学年の国語科の学習と関連させ読書意欲を高める ○生活科・総合学習・社会・理科等における学習活動の支援 豊岡市立豊岡小学校 ○国語科における「読むこと」と読書活動の連動 ○低学年国語科における読書指導(アニマシオンの実践) ○全学年への系統的な利用指導 香美町立香住第一中学校 ○1年生国語科の実践 ~私のおすすめ絵本を紹介しよう~ 丹波市立崇広小学校 ○5年生国語科の実践 ・本に親しもう(読書ノート) 南あわじ市立湊小学校 ○3年生国語科の実践 ・本は友だち(本をしょうかいしよう) 淡路市立一宮中学校 ○1年生理科、2年生美術科、3年生体育科の実践 ・授業に読書を取り入れ、生徒の知識や理解力を深める

【各推進校の実践事例】gimu-bo/tosyokan/03suisinkonotorikumi/...神戸市立 大池小学校 1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

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【各推進校の実践事例】

学校名 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、

読書活動と授業を連動させた取組

神戸市立大池小学校 ○言語活動の充実と豊かな表現力の育成

~授業の中での読書活動を通して~

尼崎市立立花中学校 ○学校図書館資料を利用する教科授業の実施

○学校図書館資料の情報公開

西宮市立安井小学校 ○児童生徒の「読書センター」として

○児童生徒の「学習・情報センター」として

猪名川町立猪名川小学校 ○5年生国語科の実践

・新聞の活用を広く知らせる実践

・「5年生ビブリオバトル」の開催

播磨町立播磨南小学校 ○言葉の力をはぐくむ国語科の学習

~ひとりひとりが読者になれる授業づくり~

小野市立小野小学校 ○図書館マスターになろう!

~図書館のひみつをさぐろう~

市川町立市川中学校 ○図書室を活用した調べ学習の研究

~国語科・社会科・英語科・総合の時間を使って~

福崎町立八千種小学校 ○2年国語科の実践

・「登場人物カード」をつくろう

相生市立矢野小学校 ○各学年の国語科の学習と関連させ読書意欲を高める

○生活科・総合学習・社会・理科等における学習活動の支援

豊岡市立豊岡小学校 ○国語科における「読むこと」と読書活動の連動

○低学年国語科における読書指導(アニマシオンの実践)

○全学年への系統的な利用指導

香美町立香住第一中学校 ○1年生国語科の実践

~私のおすすめ絵本を紹介しよう~

丹波市立崇広小学校 ○5年生国語科の実践

・本に親しもう(読書ノート)

南あわじ市立湊小学校 ○3年生国語科の実践

・本は友だち(本をしょうかいしよう)

淡路市立一宮中学校 ○1年生理科、2年生美術科、3年生体育科の実践

・授業に読書を取り入れ、生徒の知識や理解力を深める

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 神戸市立 大池小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例(1年「くちばし」(光村 上)の授業より)

(1) 指導のねらい

・「これは、なんでしょう。」「これは、~です。」という、基本文型を使って、くちばし

の秘密をみんなに知らせることができる。

・楽しんだり、知識を得たりするために、動物に関する本を進んで読むことができる。

(2) 取組の流れ

学習活動

第一次 ・教材の拡大版をクイズ形式で見ることで、自分も作りたいという思

いをもつ。

第二次 ・「問い」と「答え」の文があることを知り、その繰り返しに気づく。

・写真と文章を対応させたり、くちばしとよく似た形や働きをする身

の回りの道具を使って動作化したりすることにより、くちばしの特

徴と働きのつながりをとらえさせる。

第三次 ・「くちばしのひみつ」を伝える。クイズ形式のやり取りをしながら

伝え合う。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

第一次:読む目的や文型をはっきりさせる。

教材の拡大版をクイズ形式にし、教師が演じることで、自分もクイズを作りたい

という思いにさせる。

第二次:クイズを作るために必要な事柄を習得させる。

・「これは、なんでしょう。」という「問い」と「これは、~です。」という「答え」

の文を見付けさせ、その繰り返しに気付くようにする。

・写真と文章を対応させたり、くちばしとよく似た形や働きをする身の回りの道

具を使って動作化させたりすることにより、くちばしの特徴と働きのつながり

をとらえさせる。

・基本の文型をつかって、他の鳥のくちばしのひみつを書くことを意識して書か

せるため、「つくる」活動の前には、常に、基本の文型の掲示をし、教材文の「問

い」と「答え」を意識して、リズムよく音読させる。

・基本の文型が使えたことを個別に評価し、認めるようにする。

研究テーマ「言語活動の充実と豊かな表現力の育成」

~授業の中での読書活動を通して~

並行読書(読書活動の広がり)

第三次:「くちばしのひみつ」を伝える。

・クイズ形式のやり取りをしながら伝え合うことで、集中して聞くことができる

ようにする。

※並行読書の開始

・「きつつき」「おうむ」「はちどり」以外の鳥のくちばしについて、特徴(かたち)

と働きをみつけさせるため、並行読書ができる環境をつくる。

・鳥だけでなく他の動物などの本からも、口の特徴と働きについて知識を得たり、

動物が登場する本を楽しんだりできるよう図書館の環境づくりをする。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

・「○○の鳥のことは、どの本を読んだらいいですか。」と聞きに来たり、自分から

進んで本を手に取ったりする児童が増えた。

・「図書館にあった本も読んでみたら、同じ鳥がでてきたよ。」など、読書に対する

話題が多くなった。

(5) 学校図書館との関わり

〈学校司書との協力〉

本校では10月より、学校司書が配置される。授業支援ができる図書館づくりを目

指していきたい。

・単元で役立つ本が見つけやすいように、その学習期間、関係する本を集め学年

に貸出をする。

・図書館でも調べられるように、書架に関係する本を集める。

・授業後の図書の時間等、教材と関連した本を取り上げ読み聞かせを実施する。

〈市立図書館との協力〉

・児童の人数分の本を用意するため、市立図書館に、テーマ本集め・貸出の協力

を依頼する。

(6) 成果と課題

○ 「教材の読み取り→調べる・深める(平行読書の開始)→つくる→伝え合う→読書

活動の広がり」の流れが全学年で取り入られ始め、児童の本から学ぶ楽しさの

体験につながっている。

<他の活動例>

2年・・・国語「お手紙」

作者読み、テーマ読みができる環境を整えた。また、市立図書館の

司書を招いて、読み聞かせやブックトークを行うことによりテーマ

読みを深めた。

4年・・・総合「ごみについて調べよう」

6年・・・社会「江戸幕府による政治」

○ 授業期間や授業後の「教材に関係する本を読みたい。」という関心はとても高い。

この時期を逃さず、学年廊下など手に取りやすいところに、「教材に関係する本」

を展示・配置する意義は大きかった。

△ 児童が自分の力で関連本を見付けたり、選書することは、今の図書館では困難

である。学校司書の協力を得て、関係する本の内容や冊数を充実させ、配置場

所の表示を見やすくして、調べ学習ができる図書館の環境づくりをしていきたい。

調べ学習としての読書

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 尼崎市立 立花中学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

(1)学校図書館資料を利用する教科授業の実施

<国 語>パスファインダーの作成

お気に入りの本を選び、一節を朗読する。

<美 術>鳥獣人物戯画をテーマに関連事項を調べまとめる。

<技 術>情報を集める手段としての図書館の選択

<特別活動>新入生への図書館利用のガイダンス実施

【国語 パスファインダー作成の様子】 【美術「鳥獣戯画」に関連する本の紹介】

(2)学校図書館資料の情報公開

・授業、学校行事の進行にあわせた「棚」の作成

・各教科の授業計画書に、活用できそうな学校図書館資料を加えたリストの作成

2 具体的な実践例

<国 語>パスファインダーの作成

お気に入りの本を選び、一節を朗読する。

<美 術>鳥獣人物戯画をテーマに関連事項を調べまとめる。

<技 術>情報を集める手段としての図書館の選択

<特別活動>新入生への図書館利用のガイダンス実施

(1) 指導のねらい

・たくさんの本の中から、目的にあったものを探しだせる力をつける。

・内容を整理し、文字、図、音声等の手段を使って発信するときの要点を知る。

(2) 取組の流れ

・いきなり授業で学校図書 室 館を利用するのではなく、事前に予備活動(普段の授業)

を行い、学校図書館を利用する目的をはっきりさせてから利用するように働きかけた。

・新入生への図書館利用のガイダンスや技術科の「情報」を活用して書籍の配列や分類

を学ばせ、生徒が独力で資料にたどりつけるように取り組んだ。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・分類が大雑把な項目・類があったので、生徒の関心に応じた分類に変更、細分化を行

った。

・棚の同じ段に複数の領域、分類が混在していたので、本の移動と仕切りの設置、上記

の分類の細分化による解消を進めた。

・本の請求に対して探し方を伝えるか、その本自体を渡すかを、生徒の発達段階に応じ

て使い分けをした。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

・概ね目的とする書籍の棚に、たどりつけるようになってきている。

・大まかなキーワードだけで尋ねる生徒が多いが、調べる項目を具体的に伝えてくる生

徒も増えてきた。

(5) 学校図書館との関わり

・授業で図書館を使うことに加え、教室で教わったことを生徒なりに深めようとした時

担当教諭や担任から生徒へ、図書 室 館の利用を促すように働きかけた。

・推進教員も各教科の授業の進行具合をつかみ、担当教諭に本の紹介をお願いした。

(6) 成果と課題

・9類以外の本(特に5,4類)の閲覧・貸出が、わずかではあるが増えてきている。生

徒からの購入希望図書も、文学以外に工学系が入るようになった。

・授業で図書館を利用することで、生徒には「図書館でこんな事がわかるんだ」という

ことを感じさせることができ、教師にも蔵書について知ってもらうことができた。

・各教科の授業を行う担当教諭から、生徒に調べさせたい内容を具体的に聞く機会をも

つことで、推進教員が授業で本がどのように活用されるのか知ることができ、選書の

際の判断材料にすることができた。

・一方で、推進教員の業務が本の貸し出しが中心であるように誤って認識され、教科連

携を提案してもなかなか理解が進みにくい面もあった。

・これからの図書館の役割を教員間に浸透させるためにも、教員の利用を促すことも広

報や選書を通じて取り組まないといけない。

・推進教員という立場ではどうしても学校、学年の縛りがあり活動に制限を受けた。図

書館に常駐できる時間を増やすことで、休み時間中に生徒や教師から本の請求をうけ

ても、次の時間までに探すことが可能になる。そうなればじっくり図書館で本を選ぶ

機会のない生徒に対しても本の提供が可能になり、読書のきっかけとなると考えてい

る。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 西宮市立安井小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例

4 年 総合的な学習の時間 For the earth~地球のために、自分のために~

(1) 指導のねらい

ごみや水についての学びを広げ、自分が深く調べたいと思う環境問題について適切な方法で

調べ、分かりやすく発表することができる。

≪児童生徒の「読書センター」として≫

①全学年、国語「読書感想文を書こう」

『小学校・学校図書館を活用する授業-授業資料集』をもとに、本を読み、ワークシ

ートに内容、感想等を記入し、整理することにより、読書感想文を作成する。

②低学年を中心に、「読書ノート」の活用

学校図書館を利用する時には必ず携帯し、読んだ書名、作者、感想等を記入する。

③4 年、国語「学級読書会を開こう」

学級全員が同じ本を読み、感想を交流する読書会を開催する。ワークシート等は、西

宮市小学校教科等研究会学校図書館部会作成のものを利用。

④全学年、国語(物語単元)例:2 年「お手紙」、5 年「注文の多い料理店」等

物語教材の学習後、同じ作者の作品を読む。(市内相互貸借システム利用)

≪児童生徒の「学習・情報センター」として≫

①1 年、国語「どうやってみをまもるのかな」

単元の学習後、教科書に登場しなかった動物の身の守り方について、学校図書館の資

料を用いて調べ、その内容を交流する。

使用図書:『原寸大動物館』『小学館図鑑 NEO』『ふしぎ・びっくり・こども図鑑』等

②3・4 年、国語「国語じてんの使い方を知ろう」「漢字じてんの使い方を知ろう」

それぞれの辞典の仕組みを理解し、言葉遊びをとおして、調べ方の習熟を行う。

③3 年、理科「チョウを育てよう」、国語「自然のかくし絵」他

自然および昆虫に関わる理科や国語の単元と環境体験事業を関連させ、調べ学習を中

心に合科的な学習を行う。学校図書館資料を常に教室に配置し、児童の興味関心を高

めた。

使用図書:『ふしぎ発見シリーズ』『ドキドキいっぱい!虫のくらし写真館』等

④4 年、国語「ことわざブックを」作ろう

国語辞典、本を使って、自分の好きなことわざを調べ、ことわざブックを作る。

使用図書:『日本ことわざ物語』等

(2) 取組の流れ

社会「くらしとゴミ」(関連単元)

・パッカー車の仕組みを見学

・西部総合処理センター見学

社会「くらしと水」(関連単元)

・鳴尾浄水場見学

・見学新聞を作ろう

①ごみや水、その他いろいろな環境問題について知る。

②深く調べたいことを一つにしぼり、テーマを決める。(同じテーマの人でグループを作る)

③グループで、調べる内容を相談し、だれが何について調べるか、役割分担をする。

④学校図書館の資料や、インターネットを活用して調べる。

⑤調べたことを、情報カードにメモし、模造紙にまとめる。(出典を忘れずに書く)

⑥発表会を開く。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

○第 2 回「図書館を使った調べる学習講座」(西宮市立中央図書館)

教員 2 名が参加し、調べ学習について具体的方法を学習した。講座の具体的内容は、以下

のとおり。

6/1 「テーマって、どうやってきめるの?どうやって調べるの?」

6/29 「どうやってまとめるの?」

○パスファインダーの作成

パスファインダーを作成し、調べ学習の際の具体的な資料の検索方法を示した。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

平成 26 年度

(5) 学校図書館との関わり

自ら選んだテーマについて、調べ、考えを深める際に、学校図書館を利用した。なお、調べ

る際に使用した本は以下のとおり。

奈須紀幸 『地球のためにわたしたちにできること』ポプラ社、1994

内山裕之 『地球環境のためにできること』フレーベル社、2002

髙谷尚好 宮田利幸『わたしたちの地球環境』小峰書店、1999

平見修二 『これはたいへん!ゴミの話』文研出版、1995

(6) 成果と課題

○パスファインダーを作成し、児童に示すことは、学習の内容、見通しが分かり、有効な手

段である。

○環境問題は、それぞれのテーマごとに本があり、本による調べ学習としては適している分

野である。しかし、この分野は内容が刻々と変化するものであり、最新の事例、資料、デ

ータが掲載されていない場合が多い。一方、インターネットでの検索、調査は、最新のも

のが手に入るが、その信ぴょう性は不確かである。また、内容が複雑で、児童が理解する

には難しい。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 猪名川町立猪名川小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例①「新聞を読もう」

(1)指導のねらい

実際の新聞記事から、新聞の編集の仕方や記事の書き方について読み取ってまとめると

ともに、学校の「朝日小学生新聞」を紹介する活動へと繋げる。

(2)取組の流れ

①新聞の一面記事や、その書き方に注目して特徴をとらえる。

②気になった新聞記事について記録し、感想等をまとめる。

③各自のテーマにそって、「新聞についての新聞」を作成する。

④完成した新聞を掲示し、全校児童に新聞について紹介する。

(3)取組の際の指導上の工夫・留意点

・ワークシートを利用して毎時間の学習を記録し、まとめにつながるようにした。

・様々な新聞の特徴や記事の内容に目を向けられるよう、積極的に記事を紹介した。

(4)児童生徒の声・活用の様子

・新聞に興味を持つようになった。

・朝日小学生新聞の、カラー記事や、写真や絵の多用など、読みやすい工夫に気づいた。

・新聞コーナーの設置、児童の新聞を掲示などにより、他学年にも積極的に紹介した。

(5)学校図書館との関わり

・学校図書館に保管している「朝日小学生新聞」を参考に学習を進めた。

(6)成果と課題

・新聞に注目し、興味を持たせるきっかけになった。

・これまで廃棄されていた新聞について、学習に繋げて活用するとともに、校内に向け

て広く知らせる機会となった。

・新聞コーナーで新聞を読む児童が以前より増えた。

5年生国語

・「新聞を読もう」(1学期)より、新聞記事から内容を読み取るとともに、新聞の

活用を広く知らせる実践。【読む】【書く】

・「豊かな言葉の使い手になるためには」(2学期)の言語活動として「5年生ビブ

リオバトル」の開催。【聞く・話す】

2 具体的な実践例②「豊かな言葉の使い手になるためには」

(1)指導のねらい

・各自の読書をふりかえり、本のおもしろさやよさについて積極的に自分の意見をまと

め、クラス全体に伝えようとする力を伸ばす。

・ビブリオバトルを楽しむとともに、友人からの薦めによる読書の広がりをもたせる。

(2)取組の流れ

①ビブリオバトルについて知る。

②ビブリオバトルに向けて、ルールや、本のテーマについて学級で討論を行う。

③テーマに関する本を選び、グループ内で話し合う。

④学級でビブリオバトルを行う。

(3)取組の際の指導上の工夫・留意点

・各自利用している「読書カード」を、本選びの参考とした。

・「発表のコツ」として討論や発表の工夫についてまとめ、児童に常に意識させるよう

にした。

(4)児童生徒の声・活用の様子

・発表は緊張したが、相手に分かりやすく伝わるように話すことを意識できた。

・チャンプ本を目指して、意欲的に読書や紹介文の作成に取り組む姿が見られた。

(5)学校図書館との関わり

・学校図書館の蔵書の中から、テーマとなる本を選び紹介する。

・作者やシリーズ等、発表に広がりを持たせられるよう、読書活動推進教員から積極的

に本についての紹介や助言を行う。

(6)成果と課題

・ビブリオバトルで紹介された本は、コーナーを設けて紹介した。

休み時間に児童が手に取り、読書する姿も見られた。

・読書が苦手な児童にも、今後様々なアプローチで読書を薦められるように工夫したい。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 播磨町立播磨南小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例

◆ 5年生国語科「王様シリーズをリーフレットで紹介しよう」

(題材名:世界でいちばんやかましい音)の実践を通して

(1) 指導のねらい

○本の面白さに興味をもち、複数の本を進んで読むことができる。(関心・意欲・態度)

○基本的な物語の構成をとらえ、優れた叙述や場面の展開に即して人物の変容を読み取ると

ともに、物語について自分の考えを広げたり、深めたりすることができる。(読むこと)

○リーフレットの作成を通して、自分の考えや意見をまとめることができる。(書くこと)

(2) 取組の流れ

<単元導入前>

○町立図書館職員による、前単元の題材文「動物の体と気候」の内容に沿ったブックトーク

を実施する。

<導入>

○王様シリーズのブックトークにより、いろいろな作品に対する興味関心を高める。

○お気に入りの一冊のリーフレットを作成し、全校生に紹介するため学校図書館に掲示する

ことを知らせる。

○リーフレットの書き方を知るとともに、題材文の内容の概略をとらえる。

<展開>

○物語の構成、優れた叙述や場面の展開による人物の変容などから、題材文のおすすめポイ

ント(一番の魅力)について話し合う。

・4つの場面に分け、あらすじをまとめる。

・中心人物に焦点をあて、気持ちの変容を読み取る。

○題材文のリーフレットを作り、友だちの作品と交流する。

<終末>

○自分が選んだお気に入りの本について、リーフレットに書きまとめる。

○友だちのリーフレットを読み、交流する。

本校では、研究主題を「言葉の力をはぐくむ国語科の学習」、サブテーマを「ひとり

ひとりが読者になれる授業づくり」とし、主として国語科の学習において、単元を一

連のものとした言語活動に着目し、多様な読書活動を取り入れた単元を構成すること

で研究主題に迫った。

そのため、並行読書、ジャンル読み、調べ学習等、教科書の題材に即して対応でき

るよう図書の整備を進めるとともに、学習に効果的、機能的に活用できるようにした。

その際、学校図書館だけでは不足する図書については、町立図書館との連携協力体制

を整備して対応できるようにした。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

項 目 指 導 上 の 工 夫 ・ 留 意 点

町立図書館職

員によるブッ

クトーク

ジャンル読みや多読に対する興味関心をより高めるため、ブックトーク

で取り上げる本の選定に関しては、事前に該当題材文や学習のねらいを

知らせ、国語科教材の内容に沿うよう依頼する。

並行読書用の

図書の冊数の

確保

読書タイム等で、「王様に関する本」を全員が一斉に読書できるよう、

少なくとも学級全員分の冊数を用意する。そのために、学校図書館に保

有する本だけでなく、町立図書館へ貸出を依頼し、学級にコーナーを設

け、いつでも読めるようにしておく。

作品の掲示・

展示

自分の作った作品を学校図書館に掲示し、全校児童に紹介するととも

に、町立図書館にもコーナーを設け全作品を掲示することで、児童に満

足感・達成感をもたせる。

(4) 児童の声・活用の様子

○「世界でいちばんやかましい音」と同じように、設定や展開の場面が、この本(並行読書

した本)にもあった。

○自分で選んだ本のあらすじを書くポイントは、教科書の話で勉強しているから書けそうだ。

○たくさんの本の中から1冊を選ぶけれど、教室にある全ての本を読破したい。

○リーフレットを学校図書館や町立図書館に展示してもらうのは、楽しみだ。

○A ちゃんのリーフレットは、よくわかる内容だ。

(5) 学校図書館との関わり

本実践においては、学校図書館を活用した国語の授業実施、学校図書館に限定した図書の

活用や検索など、直接的な関わりは特にない。むしろ、学校図書館だけの活用ではなく、よ

り優れた機能を有する町立図書館との連携を中心に据えた。町立図書館は、参考図書の検索

機能、掲示スペースや蔵書数等においてより優れた機能を有しており、効果的な連携をとる

ことができた。今後は、学習の発展として、読書活動をより広く深く進めていくために、学

校図書館における関連図書の一層の充実が必要である。

(6) 成果と課題

<成果>

○並行読書用に一人一冊以上の図書資料を準備したことにより、どの児童も教科書作品を読

むだけにとどまることなく、読書タイム等の時間を効果的に使って「目的に応じた読書」が

できた。

○町立図書館職員によるブックトークや、必要図書の収集及び選択実施等により、町立図書

館との連携が一層深まるとともに、児童の多読に対する興味関心を高めることができた。

○できあがったリーフレットを町立図書館の特設コーナーに展示したことで、児童の学習に

対する満足感・達成感がより高まり、次の学習に対する意欲付けにもなった。

<課題>

○学習のねらいにより適した図書の収集及び選択を図り、「目的に応じた読書」ができるよう

にする。

○学校図書館の充実を図るため、国語科の教科書に掲載されている作品、著者に関する関連

図書、他教科・領域での調べ学習に必要な図書等、計画的な購入と整備を行う。

○他教科や領域での学習における、学校図書館の効果的な活用方法・計画を策定し、実施する。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 小野市立小野小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

「図書館マスターになろう!」と児童の学習意欲を喚起し、実際に図書館で地図づく

りや本探しの活動をさせていくことで、図書館への新たな気づきを増やしていく。学ん

だことを冊子にまとめ、自分の図書館攻略本とし、今後の図書館活用に役立てる。

(2) 取組の流れ

①図書館マスターになろう

・今までの読書活動を振り返り、学習の見通しをもつ

②図書館地図を作ろう(ミッション1)

・学校の図書館地図を作る

③地図を手がかりに本をさがそう(ミッション2)

・本をさがし、ワークシートに書き入れる

④図書館のひみつをみつけよう(ミッション3)

・本の場所を予想し、確かめる

・図書館の本の並べ方について、気づいたことを出し合う

⑤ひみつをまとめよう

・まとめ方を知り、みつけたひみつを報告できるようにまとめる

⑥報告会をしよう

・図書館のひみつを発表する

図書館マスターになろう!

~図書館のひみつをさぐろう~ (2年)

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・図書館のひみつを探る活動を意欲的に段階的に取り組めるように、ミッションを組

み立て与える。

・ミッションに対しては、まず予想させ、個人の活動とグループの活動を通し、全体

で確認するという順序で行う。

・図書館や本の分類について知ったことをつかって、読みたい本を探すことができる

ようにする。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

いろいろさがしまわって、やっとみつかりました。きょうりゅうの本もおもしろい

かなと思ったので、またきょうりゅうの本も読んでみたいです。

ミッション1のときより、早くみつけられるようになりました。それは、さくしゃ

の名字のさいしょの文字を見て分かりました。

本をさがしているとき、本はだい名じゅんやさくしゃの名前じゅんにならんでいて、

すごく分かりやすくてびっくりしました。なので、ぜんぶのたなを見ないでも、さ

がす時間がへって、とてもべんりだと思いました。

おなじ本でも、絵本とものがたりがあったりする。おなじしゅるいの本はまとめて

あるのが分かった。

絵本は、本のあいうえおじゅん、ものがたりはさくしゃのあいうえおじゅんでさが

せばいいと思います。またかりるときは、そのさがしかたでかりたいです。

(5) 学校図書館との関わり

昨年度から、本の分類や並べ方・掲示や特集コーナー等、学校図書館の環境整備に

取り組んできた。図書館の利用や貸出冊数は増えたが、図書館の本が種類ごとに分類

されていることや、分類ごとに並べられていること、五十音順に並べてあること等に

気づいている児童は少ない。この時期に、図書館の活用について学ぶことは、今後の

図書館利用や学習に役立ち、生涯を通して本に親しむ素地を育てていけると思う。

(6) 成果と課題

○図書室の仕組みに気づき、自分の読みたい本を探すことができてきた。

○幅広く本を読もうとする態度が育ってきている。

○国語学習と連動した本や作者の紹介をすることで、並行読書ができている。

△図書室利用が増えたが、まだまだ読書習慣が定着しない児童も多い。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 市川町立市川中学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

図書室の資料やインターネットの情報を活用して、自分の意見をまとめ、説明する論

理的思考力を高めさせる。

(2) 取組の流れ

・各学年で調べ学習が可能な教科を一つ選定し、授業計画と指導案を作成する。

・図書室の蔵書をチェックし、学習に必要な本や資料の注文をとる。

・各学年で調べ学習の実践記録を残す。

・学習成果について話し合い、共通認識を持つ。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・各学年で図書室の利用時期がかさならないように、調整する。

・図書室に資料が不足しているときは公立図書館で団体貸し出しを依頼する。

・生徒が関連資料を探しやすいように配架の工夫をする。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

・本がすぐそばにある環境での調べ学習は効率的で、生徒も図書室授業に新鮮味を感じ

ていた。

・普段馴染みのないジャンルの本に出会えた。

・中学生にとってはやや難解な資料もあったが、生徒は根気よく向き合っていた。

(5) 学校図書館との関わり

・教科の担当教師と連携して、どのような本や資料が必要か、あらかじめ調査しておく。

・図書室で学習する場合と、資料や本を教室に持ち出して活用する場合(移動図書)が

あった。

(6) 成果と課題

・この学習がきっかけとなり図書室に来る生徒が増えた。

・自分が選んだテーマなので、主体的に学習できた。

・調べ学習を学校のカリキュラムにどのように位置づけ、継続的に学習を進めていくか

学校全体で検討していく。

・調べ学習の評価をどのようにするか、各教科で評価基準を作る。

図書室を活用した調べ学習の研究

~ 国語科・社会科・英語科・総合の時間を使って ~

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 福崎町立八千種小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

指導にあたっては、挿絵を活用し、内容の大体をつかませた後、場面ごとに人物の

行動や会話から場面の様子を読み取り、気持ちを考えさせていく。ペアやグループの

話し合いなど、ミニ言語活動を取り入れ、主体的に学ばせる。また、シリーズ読みを

紹介し、図書室の本を教材文と並行して読ませておき、好きな話について「登場人物

カード」を作り発表会をするという、読む目的を意識して、本を選ばせ、条件にあっ

た表現する力をつけていきたい。また、早く読む児童には、アーノルド・ローベルの

別の絵本にも読み広げさせる。

(2) 取組の流れ

指導計画(全11時間)

・第1次 学習の見通しを持つ。・・・・・・・・・・・・・・・・2時間

・「お手紙」を通読し、初発の感想を書いて、学習計画を立てる。

・シリーズ本のブックトークを聞く。 本時2/2時

・第2次 場面ごとに人物の気持ちを読み取る。・・・・・・・・・6時間

・第3次 登場人物カードを作り、伝え合う。・・・・・・・・ ・3時間

本時の学習活動

1 音読をする。(P46~P56)

2 登場人物カードについて知る。

(T1)『かくれんぼ』の「かおる」の登場人物カード

(T2)『まちのねずみといなかのねずみ』の「いなかのねずみ」の登場人物カード

3 ブックトークを聞く。

①� くしたボタン ②よていひょう ③はやくめをだせ ④そりすべり

⑤アイスクリーム ⑥おちば ⑦あしたするよ ⑧ぼうし

4 ワークシートに書く。

5 次時の学習の見通しをもつ。

2年国語:単元「登場人物カード」をつくろう(教材「お手紙」)

担任(T1)と推進教員(T2)が連携して授業を行う。並行読書の本は、ブック

トークで紹介し、学校図書館の本に加え福崎町立図書館から借りて児童数分用意し、

教室に置く。

「お手紙」は、一度も手紙をもらったことがないがまくんの悲しみに共感し、自分ま

で悲しい気持ちになったかえるくんが、お手紙を書き、二人の友情を深めていく物語

である。5場面で構成されており、会話を中心に展開するのでそれぞれの場面ごとに

会話や行動を読み取り、気持ちの変化をとらえやすい。さらに、かえるくんとがまく

んの絵本シリーズへ読み広げることによって、互いを思いやる二人の友情に理解が深

まると考える。そして、「登場人物カード」を条件つきで書く活動は、好きなところ

を意識して読む力を育成するのに適している。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・T2は、「友情」をテーマにして、がまくんとかえるくんの絵本シリーズからブックト

ークを行う。

・T1は、子どもたちが振り返りができるようにブックトークに出てきたお話のさし絵と

題名を黒板に掲示する。

・お話を興味を持って聞けるように、電子黒板に挿絵を提示しながらブックトークを行う

・挿絵を手掛かりにして、ブックトークを聞いた中から自分の好きな話を選ばせることに

よって 並行読書へのきっかけづくりとする。

・T1、T2がそれぞれモデルとなる登場人物カードを紹介し、言語活動の見通しを持

たせる。

・がまくんとかえるくんの好きなところを書くことによって、2人の友情に目を向けさせ

る。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

ワークシート②には、すきなお話の理由を書かせた方が良かった。がまくんとかえる

くんのすきなところという問いが子どもに合ってなかった。しかし、ワークシート③

にチェックしながら読むことにより、意欲的に全員が並行読書ができた。

(5) 学校図書館との関わり

学校図書館の本を教室に団体貸し出しすることで、身近に本を手にすることができ、

いつでも読書が可能になった。

(6) 成果と課題

全員の登場人物カードを図書室に掲示し、図書室だよりで1部紹介し、全校生に広め

た。

5年宮沢賢治の並行読書、4年新美南吉の並行読書へ広げることができた。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

昔話や伝承などの本を読んだり、読み聞かせを聞いたりし、国内外の昔話に興味を持ち、読書意

欲を高める。

(2) 取組の流れ

<1学年国語科・単元 「むかしばなしが いっぱい」>

第1時 日本の昔話を見つけよう

第2時 外国の昔話を見つけよう

第3時 昔話を読んでお話日記を書こう

第4時 昔話を紹介しよう(校内朗読会で劇をしよう)

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・教科書の折り込み挿絵を活用し、日本の昔話19話、外国の昔話22話を一緒に見つけ、その

お話の絵本を紹介する。

・自由読書の時間を設け、読書する楽しさを味わわせる。

・その中の1冊を読み聞かせる。

・お話日記を書く。(題名・登場人物・簡単なあらすじ・おもしろかった印をニコニコマーク☺で表す)

・教室に学級文庫を設置し、紹介した本を一定期間教室に常設しておき、いつでも読みたい本が

読めるようにしていることを知らせる。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

・「わあ、本がいっぱいや。」と広げた絵本を見て歓声をあげた。知っている題名やかわいい絵

を見て、読書への意欲をもたすことができた。

学校名 相生市立 矢野小学校

○各学年の国語科において単元や教材の作者や内容など関係のある絵本並びに読み物などを紹介

し、読書意欲を高める。

○生活科・総合学習・社会・理科等において、調べ学習に役立つ本を準備し、学習活動を支援する。

・読む本を見つけるのに迷うくらい本に引き付けられていた。

・読書タイムには、読む本を昔話の中から選び、小さな声で音読するなど楽しく読むことがで

きている。

<読書日記>

(5)学校図書館との関わり

・本単元を指導するにあたって、図書館従事者に挿絵の中にある絵本を学校図書館の蔵書の中

から揃えて提示してもらい、児童たちに紹介した。

・学校図書室では、図書館従事者に児童たちが読みたい絵本のある場所を教えてもらい、自由

に読書することができた。

・昔話だけでなく、図書室へ行き、自分の興味に合わせて本を借りることもできるようになり、

日常の読書が定着してきたように思える。

(6)成果と課題

・各学年の国語科に読書活動や学校図書館に関わる単元がある。その中で1年生では、日本や

世界の昔話を紹介し、内容を友達と伝え合う中で、「読みたいな」という気持ちや意欲を育

てていくのであるが、ひきつけられる絵で描かれた絵本を目の前に並べられると自然と手が

出て、読みたくなるものである。学級児童たちが学級文庫として教室に置いた絵本を楽しく

読んでいる姿がよく見られるようになった。

・「学校の図書室にはこんな本があるんだ。」と児童たちに提示したり、「こんな面白いお話だよ。」

と紹介したりし、読書への意欲を育てるためにも、学校図書館の蔵書の充実が大切ある。本

単元の授業にあたっても、ないものが数冊あったり、絵本でなかったりして、市立図書館で

借りてきた絵本もある。今後、どんな本を置いていくか検討することが課題となる。

・また、児童の読書への意欲を一時的なものに終わらせず、継続して読書活動をさせるため

の手立てを考えることが今後の課題である。国語科だけでなく、生活科や、総合学習、社会

科や理科の調べ学習においても、「図書室へ行くと自分の調べたいことが解決する」と思える

ような図書室にしていきたい。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 豊岡市立豊岡小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例

【6年 国語科】単元名 宮沢賢治の作品の世界を深く味わい、推薦文を書こう

教材名 『やまなし』『イーハトーヴの夢』

(1) 指導のねらい

○作者の生き方・考え方に着目して、複数の本や文章を比べて読むことができる。

○題名、構成、表現、言葉の使い方から、作者の思いを考えることができる。

(2) 取組の流れ

(指導計画)

(※その他:校区の中学校へ推薦文を送り、先輩からの感想・評価を受ける。)

次 時 学 習 活 動

第一次

つかむ

見通す場

1 宮沢賢治の作品を紹介し、これからの学習の流れを確認

する。(推進教員によるブックトーク)

『イーハトーヴの夢』から、宮沢賢治の生き方・考え方

について学ぶ。

第二次

獲得する場

4 『やまなし』を読み、話の流れ、構成をつかむ。

6 表現方法を読み取る。

五月の谷川の様子を読み取る。

十二月の谷川の様子を読み取る。

9 時間・季節を読み取る。

10 なぜ賢治は『やまなし』という題名をつけたのかを考え

る。

第三次

活かす場

11

12

13

推薦文の下書きをする。

推薦文を仕上げる。

推薦文の交流をする。

○国語科活用型単元学習における「読むこと」と読書活動の連動

○低学年国語科における読書指導(アニマシオンの実践)

○全学年への系統的な利用指導

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

○単元の導入として、推進教員が宮沢賢治の作品を紹介するブックトークを行うこと

で、並行読書への動機づけにする。

○単元を通して並行読書を行い、複数の作品を読めるようにする。

○『イーハトーヴの夢』で読み取った宮沢賢治の生き方・考え方と重ねながら、『やま

なし』や『やまなし』以外の作品を読んでいく。作者が描く世界は、どの作品にも

同じような考え方が根底にあることや、作者の生き方が作品に影響しているという

ことを学び、作者で選書することのきっかけとする。

○第三次に推薦文を書くという言語活動を設定し、友達や中学生と交流する。目的を

もって読書をすることで学習の見通しを持たせ、児童の意欲を高める。

(4) 児童生徒の声・活用の様子 【児童が書いた推薦文】

(5) 学校図書館との関わり

・図書室の宮沢賢治の本はすべて6年生ワークスペースに移動し、手に取りやすい環

境にした。

・児童が書いた推薦文は、本と共に図書室の紹介コーナーに掲示する。

(6) 成果と課題

○単元の導入にブックトークを行ったことで、児童の「読んでみたい」という気持ち

が高まり、スムーズに並行読書に入ることができた。宮沢賢治の作品は、子どもに

とっては少し難しい表現や、内容をとらえにくい部分もあるが、あらすじを知るこ

とで、その壁を低くすることができた。

○朝読書、隙間読書、また家庭での読書に宮沢賢治の作品を選ぶ子が多く、「作者読み」

という読書のスタイルを楽しむことができた。

△ブックトークで紹介された本を読むに留まり、読書の幅が広がらなかった児童もい

た。

△多読を勧めることで、多くの作品に触れることができた反面、作品一つ一つを深く

読むことは難しかった。言語活動(推薦文を書く)のねらいに沿うよう、並行読書

に取り上げる本をある程度限定しておくといった工夫も考えられる。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 香美町立香住第一中学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

・自分の考えを分かりやすく伝えたり、他の考えに触れて、自分の考えを広げたり、深めたりする。

・伝えたい事柄の中で重要なことを選択する判断力や、まとめて書く・話すといった表現力を育て、

班のメンバーの発表を聞いて様々な考え方を知る。

(2) 取組の流れ

① 図書室の絵本を1冊選び、2回音読する。

② 印象に残ったシーン、お勧めポイントなど、ワークシートにまとめる。

③ ワークシートを使って、内容を班で交流する。

④ 葉書新聞をつくる。

⑤ 完成した葉書新聞を班で発表しあう。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

① 選書について、次の条件を掲げた。

・ストーリー性のある絵本で自分が感動した作品であること。

・紹介する対象は中学1年生とすること

② ペア学習ではワークシートに書き込む形で相互評価を取り入れた。

③ 班学習ではコメントを書いた付箋を使用した。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

・絵本の紹介をして、正しい言葉や聞く人に伝わりやすい言葉を意識して使うことができた。これ

からも言葉を正しく使う力を身につけていきたい。

・友だちの紹介文を読んで良い所を見つけ、感想を書くことができた。

・葉書新聞は字数が制限されるので、内容をまとめるのに苦労した。

・友達のいろいろな考えがわかり、楽しかった。

(5) 学校図書館との関わり

絵本はすべて学校図書館の蔵書を使用した。宮沢賢治の絵本を選ぶ生徒が多く、他には、斎藤隆

介・佐藤さとる・小川未明・芥川龍之介などがあった。

(6) 成果と課題

心に残った言葉や感想などを、推敲しながら短く分かりやすくまとめることができた。昼休みに

図書室で、絵本を読みあったり読み聞かせをしあったりする姿も見られた。多くの本に触れること

ができたことは良い経験となった。

課題としては、生徒のコメントが画一的になる傾向があったので、コメントを書くポイントを示

す必要があったと思われる。また、内容が難しく、理解に時間のかかる絵本もあり、選書の時に個々

の生徒に対してしっかりとアドバイスをする必要がある。

・1年生国語科「私のおすすめ絵本を紹介しよう」

葉書新聞に絵本の紹介を書き、ポートフォリオをつくる

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 丹波市立崇広小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた

取組

2 具体的な実践例

(1)指導のねらい

・読んだ本の情報を記録したり、お気に入りの本を紹介したりする。その際に、本の

帯を使った紹介の仕方を知る。

(2)取組の流れ

①図書室の使い方を知ろう

図書室の使い方を再確認し、どこにどんな本があるかを分類記号を手掛かりに知

る。

②読書ノートを書こう

読書ノートに書く項目は、「読み終わった日」「書名」「作者・著者名」「NDC(分

類記号)」「一言感想」を書く。

③帯を作ろう

本の内容や特徴を短いことばで書いた帯を作る。

④帯を使って本を紹介しよう

帯を使って、お気に入りの本を紹介する。

⑤本を見つけよう

友だちの作った帯を見て、興味を持ったり、読みたくなったりした本を見つける。

⑥読書ビンゴに取り組もう

ビンゴカードで紹介された様々なジャンルの本を読む。

(3)取組の際の指導上の工夫・留意点

・様々な本の帯を用意し、子どもたちが実物に触れられるようにしておく。

・できた帯は、教室の後ろに置くなどして、全員で読みあう。

・読書ノートをつけることによって、読書の意義を意識させ、自分の生活時間を自分

で管理させたい。また、読書の有効性を自覚させることにより、読書の習慣化を図

る。

(4)児童の声

・「帯を作るのは、はじめはむずかしいと思っ

ていたけど、作ってみると楽しくなってき

ました。」

・「友だちの作った帯を読んでいると、その本

を読みたくなりました。」

学校図書館で多くの本を読み、自分の「読書ノート」に記録する。

読んだ本の中で心に残ったものを友達に紹介する。

(小学校5年国語「本に親しもう」)

・「読んだ本の良さを友だちに伝えることは、むずかしかったけど、友だちが読んでみ

たと言ってくれたら、すごくうれしかったです。」

・「読書ビンゴをしたので、どこにどんな本があるか、よくわかるようになりました。」

(5)学校図書館との関わり

図書室の使い方の学習では、本の分類の仕方を通

して、本の種類(ジャンル)の多さに気付かせるこ

とができた。

本の帯をつくる学習では、できるだけ友だちにい

ろいろなジャンルの本を紹介しようと呼びかけた

ところ、分類の仕方に目を付けて、様々な分類の本

を手に取って見ている子供の姿が見られた。また、

図書委員会が掲示している「おすすめの本」の掲示

コーナーを参考にして、より読者をひきつけるような紹介を書くことができた。

読書ビンゴは、全校的な取り組みの一環であるが、その内容(読ませたい本)につい

ては、各学年の実態に応じてカードを作っている。子どもたちが作った本の帯が生かせ

るようにビンゴカードのマスに入れる本の種類を設定した。自分が紹介した本を読んで

くれることで、子どもたちの中で本に関する話題ができた。

また、3×3の9マス埋まると賞状がもらえる。子どもたちは、進んで取り組んで、

普段は読む機会のなかったジャンルの本への関心が高まった。

(6)取組の成果

5年生は、読書好きな児童が多く、朝読書の時間や休み時間などにも熱心に読書にふ

けっている児童がいる。一方、朝読書で読む本を学級文庫で済ませ、図書室まで進んで

行って、本を借りるという児童は少なかった。今回、本の帯を作るに当たって、図書室

で色々な本を読み比べて選び、一番心に残るシーンや人に伝えたいフレーズを考えるこ

とで、その物語をより深く読むことができた。また、友だちが作った帯を見て、「次は

この本を読んでみよう」という意欲にもつながった。

アンケートからは、5年生の児童のデータを見てみると、「去年と比べて図書室や学級

文庫の本を読みましたか」では、「増えた児童」が13%から31.4%に増えた。「読

書の習慣はつきましたか」では、「ついた児童」が34%から40%に増えた。「学習や

総合的な学習の時間に本を利用しましたか」では、「よく利用した、少し利用した児童」

が61%から80%に増えた。長年続けている朝読書、読み聞かせ、読書活動を取り入

れたカリキュラムの作成、読書活動を取り入れた授業の展開の成果であると考える。

(7)取組の課題

読書アンケートにも表れているように、低学年から高学年になるにつれて、本に触れ

合い、読むことが少なくなる傾向がある。また、子どもたちの生活は、さらに多用とな

り、読書以外に時間を費やすことはますます多くなる。しかしながら、高学年になると、

興味の範囲はますます広がり、また対象を深く追求することもできる。このような時期

にこそ、生きるということを、読書の間接経験を通して自分の問題として考えてほしい

と考える。高度な知識・技術の習得・成就への欲求や、勤勉な生活態度の中にある充実

感などは、読書を通じて学習する面が相当あるといえる。それゆえ、読書環境を整え、

新しい読書興味を開発してやり、未知の分野にも広く目を注がせるように仕向けていき

たい。また、読書の有用性を自覚させることにより、読書の習慣化を図っていきたい。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 南あわじ市立湊小学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例

(1) 指導のねらい

・図書館の本の並べ方を知り、読みたい本を見つけることができる。

・本の良さを分かりやすく友だちに紹介することができる。

・図書館の本を借りよう、読書をしようとする意欲を育てる。

(2) 取組の流れ(6月の校内研究授業より)

第3学年国語科学習指導案(略案)

1.単元名 本は友達「本をしょうかいしよう」

2.指導計画 ○「さあ、図書館へ行こう」・・・図書館に行って、工夫されていることをさがす。

○本をえらぼう・・・・・・・・・・・・・図書館で読みたい本を選んで借りる。

○本をしょうかいしよう。(本時)

○「いろはにほへと」を読む。・・・楽しいお話を読んで、読書の楽しさを味わう。

3.本時の目標

〈国語科〉・聞く人が、「わたしも読みたい。」と思うように、どんなところをどれほどおもしろく感じたかを伝

えることができる。

・友だちの紹介した本に興味をもち、幅広く読書しようとする態度を育てる。

〈日本語〉・気持ちを表す言葉について、意味を理解し、場面に応じて使うことができる。

・友だちの紹介文の良い所に気が付くことができる。

4.準備物 ワークシート 紹介する本 ヒントカード 教科書の発表原稿

5.展開

開 学習活動

指導上の留意点

(○教科●JSL) ○教材・◎評価

1 本日の課題を確認する。

・教科書にのっている発表の例

を見て、本の紹介の仕方を知

る。

○読んだ本について、どんなこ

とを思ったかを思い出させ

る。

○本の紹介がしやすいようにワ

ークシートを渡す。

●使ってほしい「気持ちを表す

言葉」を張り、確認させる。

○教科書の発表原稿

○「気持ちを表す言葉」一覧

2 ワークシートを参考に、本の

しょうかい文を書く。

●「気持ちを表す言葉」を使っ

たか確認させる。

○ワークシート

◎気持ちを表す言葉を効果

的につかえたか。

3 本のしょうかいをする。 ○児童の良い所を見つけなが

ら聞かせる。

◎友だちの紹介した本に興

★3 年生国語「本は友だち」-本をしょうかいしよう-

本をしょうかいしよう

4 ふりかえりを書く。

味をもって話が聞けたか。

◎友だちのお話について気

持ちを表す言葉が効果的

に使われていることに気付

くことができたか。

5.評価

〈国語科〉・聞いている相手にとって分かりやすく、本の内容を紹介できたか。

・友だちの紹介した本に興味をもって話を聞いたり、感想に書いたりすることができたか。

〈日本語〉・心の動きを表す言葉を効果的に使い、本の良い所を紹介できたか。

・友だちの紹介文の良い所に気が付いて感想に書くことができたか。

(3) 取組の際の指導上の工夫・留意点

・学校図書館担当である推進教員が授業を行ったので、児童の普段の読書の様子や国語の授

業の取組などを、学級担任から情報を得たり、授業の進め方も担任と相談したりしながら

取り組んだ。

・ワークシートに書き込むことで、短い時間で目標に達成することができた。

(4) 児童生徒の声・活用の様子

図書室で授業を受けるのが新鮮で、最初から大変意欲的に授業に参加していた。本の並べ

方や図書館の工夫が分かったので、改めて「こんなに本があったんだ」と感心する児童もい

た。本を紹介する場面では、「みんなに読んでもらいたい」と熱心に作文していた。

(5) 学校図書館との関わり

今回の授業は全て学校図書館で行い、授業者は推進教員であった。図書館の整理や掲示の

工夫は、通常推進教員(図書館担当)や図書ボランティアが行っており、図書館についての

児童の疑問に説明がしやすかった。普段は図書館になかなか来ない児童と話ができ、児童の

方も、推進教員や図書ボランティアの仕事や役割を今回初めて知り、「ぼくたちのためにし

てくれてる」という感謝の気持ちを持つことができた。

(6) 成果と課題

この授業の後も学級担任が読書の取組を引き続き行ってくれており、児童たちの読書活動

は意欲的に続いている。また図書ボランティアにも慣れてきて、図書ボランティアが学校図

書館に来てくれた時に本を借りに来る児童が増えた。

授業に学校図書館を使いたい、または、置いてある本を学習に使いたいという話を学級担

任がよくしてくれるようになったが、授業に生かせる本が教科によっては十分揃っていない。

児童がゆっくり読書に親しむ場所にはなっているが、情報活用力を高める場所にするために、

偏りのない、幅広い種類の本を集め、各学年の学習に沿った本を計画的に補充することが必

要である。そして、児童にも分かりやすく本を整理したり、どこになにがあるか児童に分か

りやすく説明したりする役割も、推進教員と図書ボランティアで協力してやっていきたい。

平成25・26年度読書活動推進校における実践事例

学校名 淡路市立一宮中学校

1 学校図書館を主体的な学習活動を支援する拠点として、読書活動と授業を連動させた取組

2 具体的な実践例 (1) 体育科 3年生女子「自分の好きなスポーツを調べる」(3時間)

① 指導のねらい ・教科書には記載されていない様々なジャンルのスポーツを調べて交流し、更な

る知識を深める。 ・多種多様な本を使ってスポーツの誕生の歴史やルールについて知る事により、

スポーツに対する理解を深める。

② 取組の流れ・自分の興味あるスポーツを本から探し、必要な情報を選別してプリントに記入

する。(1時間) ・原稿づくり(1時間)・用紙に清書する(1時間)

③ 取組の際の指導上の工夫・留意点・どの本を選べば良いか分からない生徒には、分かりやすい図案化した本を勧め、

徐々に内容の充実した本を紹介する。 ・生徒が知っているスポーツ名を百科事典の索引から調べ、内容が更なる細分化

した本を勧めていく。

④ 生徒の声・活用の様子・本からどのように必要な情報を探すと良いか戸惑う

生徒もいたが、目次から必要な個所を絞り込む方法 や、生徒同士のやり取りのなかで情報を見つけ出す 方法を発見する様子が見られた。

・普段とは違う環境での授業に最初は慣れない様子で あったが、調べる内容が明確になるにつれて集中し て取り組むことができた。

⑤ 学校図書館との関わり・学校図書館内で3時間の授業を行った。生徒数20

名に対し、館内のスポーツ関連の書籍は56冊あり、その中から興味あるスポーツを探すには充分の冊数であった。

⑥ 成果と課題 ・「調べ学習」の内容を組み入れることにより、実技だけではなく幅広いスポーツ

の分野を調べ、内容を交流することで多くの知識を生徒が知ることができたことは有意義であった。

・時間数の関係上女子だけの実施であったため、男子生徒はこの取組をすることができなかった。男女別でカリキュラムが分かれる際は年間指導計画の段階で計画的に準備をすることの必要性を感じた。

(2) 理科 1年生「植物に関連した本を読み、その本を紹介する」(1時間) ① 指導のねらい

・授業で得た知識から自分の興味ある植物の本を探し、さらに充実した内容の理解を深める。

・本を紹介することにより、他の生徒の読書に対する興味・関心を促す。

② 取組の流れ・本から自分の興味ある植物を探して読み、感想や面白かった内容を紹介用紙に

・授業に読書を取り入れ、教科書以外からの情報や考えを知ることにより、生徒の

知識や理解力を深める。

記入する。(1時間)

③ 取組の際の指導上の工夫・留意点 ・本が選べない生徒には、小学校で栽培したことのある朝顔の本や、植物を使っ

た実験など、個々によってより具体的な内容の本を勧めた。

④ 生徒の声・活用の様子 ・最初は図鑑等の植物の生態が書いてある本を読む生徒が多かったが、中には樹

木医が書いた植物のエッセイ本など植物が関連した他分野の本を見つける生徒がいた。

・授業中で読み切れなかった本を借り、家で読んで感想を書く生徒もいた。

⑤ 学校図書館との関わり ・紹介用紙と本は、植物の季節別に分類し生徒玄関前の書架に月替わりで展示し

た。 ・館内の植物関連の本は72冊あり、生徒が使う際には読みたい本が重なる状況

も見られた。その際には、他分野の植物関連の本を紹介することで対応した。

⑥ 成果と課題 ・他学年の生徒が紹介文を読むことで、友達同士で話題になり本を借りる生徒が

増えた。 ※授業実施月は5月。1年生、2年生男子に増加傾向が見られた。

(3) 美術科 2年生「読書感想画の制作」(10時間) ① 指導のねらい

・活字で親しむ本を絵で表現することに より、生徒の想像力を育む。

・友人の作品を相互鑑賞することで新た な分野の読書へといざなう。

② 取組の流れ

・本の決定、アイデアスケッチ(3時間) ・四つ切画用紙に下描き(2時間) ・着彩(4時間) ・作品鑑賞、感想記入(1時間)

③ 取組の際の指導上の工夫・留意点 ・本が決定しない生徒には、ブックトークを行い、興味を持った本を勧める。 ・ドキュメンタリーの本を紹介し、目次から自分の興味のある個所から読みすす

めるようにする。 ・アイデアスケッチをコピーし描いた絵を切り貼りして、どのようにすれば効果

的な画面になるか構成を練る。 ・モダンテクニック等を使い、本から受けた印象に近い表現を心がける。 ・お互いの作品を鑑賞することで、様々な表現や本があることを再確認させる。

④ 生徒の声・活用の様子 ・作品を作るために本を読み込むことで、他の本に興味を持つなど本の新たな魅

力を再発見する様子が見られた。 ・一度挑戦した本が難しかった場合、友人に相談しどのような本を読んでいるか

など本を勧めあい読書の内容の充実につながった。

⑤ 学校図書館との関わり ・作画に必要な資料は図書室から本を用意し、スムーズに作業できるようにした。

・絵本、児童書、ドラマ化の原作本など生徒に馴染みがある本を移動書架で図書室より運び準備した。

⑥ 成果と課題

・最初はどのように描けば良いが戸惑う生徒もいたが、表現方法の種類や多様さを紹介したところ自由に発想し表現する様子が見られた。

・図書室と美術室を授業中に生徒が往復する場面もあったため、図書室で作業する授業、美術室で作業する授業と進度に合わせた臨機応変な計画が必要である。

(4) 全体的な成果と課題

・図書室を活用し、教科横断的な取組を充実させることができた。 ・取組が多くの教科にわたる場合、図書室の利用調整や授業計画が必要である。