8
44 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ② 人材育成計画の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〈認証基準〉 会議による階層別人材育成計画(資質向上、資格取得、面談を含める)の策定(他会議との併用可。 年1回以上) ・全職員への公表 〈確認方法〉 【申請書への添付】計画書 【現地確認】会議資料及び会議報告 【ヒアリング】人材育成の取組状況及び公表方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 認証取得にあたってのプロセス 1.階層別人材育成計画を策定《解説 階層別人材育成計画策定の手順》45ページ参照 2.会議にて協議、作成する場合、議事録を作成 ※担当者が育成計画を作成する場合、例年育成計画が決まっている場合は、いずれかの会 議に育成計画を議題にして、内容を確認、議事録に記録します。 3.階層別人材育成計画を会議や申し送り、回覧等により職員に公表 4.階層別人材育成計画を実践 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ③ 資質向上研修(合同・派遣含む)の実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 〈認証基準〉 ・人材育成計画に沿った研修の実施 〈確認方法〉 【申請書への添付】各研修要項 【現地確認】各研修の受講対象者及び受講者名簿 【ヒアリング】各研修資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 認証取得にあたってのプロセス 1.階層別人材育成計画にそって、研修を実施、もしくは外部研修に派遣 2.事業所内研修を実施する場合、研修要項を作成〈研修要項 例〉50 ~ 51ページ参照 ※外部研修に職員を派遣する場合、主催者から配付される研修要項を保管します。 3. 研修の対象者と研修の出席者が分かる文書(出席者名簿、研修報告書、復命書等)の作成 と研修資料の保管

《解説 階層別人材育成計画策定の手順》 · 新任職員研修 社会人マナー・コミュニケーション研修 対人援助技術研修 権利擁護・虐待防止基礎研修

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

② 人材育成計画の策定

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〈認証基準〉・�会議による階層別人材育成計画(資質向上、資格取得、面談を含める)の策定(他会議との併用可。 年1回以上)・全職員への公表〈確認方法〉【申請書への添付】計画書【現地確認】会議資料及び会議報告【ヒアリング】人材育成の取組状況及び公表方法

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・認証取得にあたってのプロセス

1.階層別人材育成計画を策定《解説 階層別人材育成計画策定の手順》45ページ参照

2.会議にて協議、作成する場合、議事録を作成

※担当者が育成計画を作成する場合、例年育成計画が決まっている場合は、いずれかの会

 議に育成計画を議題にして、内容を確認、議事録に記録します。

3.階層別人材育成計画を会議や申し送り、回覧等により職員に公表

4.階層別人材育成計画を実践

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

③ 資質向上研修(合同・派遣含む)の実施

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〈認証基準〉・人材育成計画に沿った研修の実施〈確認方法〉【申請書への添付】各研修要項【現地確認】各研修の受講対象者及び受講者名簿【ヒアリング】各研修資料

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・認証取得にあたってのプロセス

1.階層別人材育成計画にそって、研修を実施、もしくは外部研修に派遣

2.事業所内研修を実施する場合、研修要項を作成〈研修要項 例〉50 ~ 51ページ参照

  ※外部研修に職員を派遣する場合、主催者から配付される研修要項を保管します。

3.�研修の対象者と研修の出席者が分かる文書(出席者名簿、研修報告書、復命書等)の作成

と研修資料の保管

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《解説 階層別人材育成計画策定の手順》

階層別人材育成計画とは

 階層別人材育成計画は、職員の役割遂行上求められる能力を適当な時期に開発、向上するこ

とを目的として作成します。職員を階層に区分し、階層ごとに目標レベルを明確にして、事業

所内、事業所外のあらゆる機会を活用して立案します。計画がないと、いつも同じ職員が外部

研修に参加したり、研修の案内が来てから誰か対象となる職員はないか検討を始めるため、勤

務の調整が難しかったり、本来の育成対象者が外れる可能性が出てきます。

 また、サービスを必要としている社会、地域、利用者は常に変化していますから、サービス

を提供する側も常に変化していくことが求められます。今の仕事について十分に習熟し、役割

を果たしている職員についても、事業所として先をみて、計画的に育成し、組織全体の能力の

強化、開発していくことが重要です。育成計画策定にあたって、キャリアアップの過程を考える

 人材育成計画を策定するにあたり、キャリアアップの過程について整理しておく必要があり

ます。ニコルソン1)は、キャリアアップの過程を4つの象徴的な段階(キャリア・トランジ

ション・サイクル・モデル)に整理し、それぞれの段階の特徴とキャリアをうまく積み上げて

いくための方策をまとめています。単純に職員を階層に区分し、外部研修に派遣することをも

って育成計画とするのではなく、職員のキャリアの段階を踏まえ、あらゆる手段を使って、育

成計画を策定していきます。 1)・・・ロンドン・ビジネス・スクール教授

〈段階ごとの対応〉

第1段階:準備

仕事についての正しい(楽しいこと、辛いこと、やりがい等)知識を得て、新しい仕事に就く

にあたっての適切な動機づけをする重要な時期

第2段階:遭遇

未知の世界への挑戦の時期であり、失敗と隣り合わせの状況である。そのため、システムとし

て失敗しない方法を指導するなどの配慮が必要。家族や友人、同僚からの社会的な支援が求め

られる時期

第3段階:順応

仕事を自立して遂行しながら役割を拡大し、関係性も構築していく時期。仕事への慣れから失

敗体験をしながら成長する時期

第4段階:安定化

仕事に慣れ、安定的に仕事を遂行できる時期。逆に仕事に対し変化を求めなくなる時期でもあ

る。少し挑戦的な目標を設定したり、役割を拡大、裁量権をもたすなど対応が求められる時期

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職員階層を設定する

 職員に求める役割に着目をして、職員階層を明確にします。給与制度等における等級制度で

は、一般職員3等級、指導職員2等級、管理職員2等級の合計7等級ある場合などでも、一般

職員の役割を踏まえ3等級をまとめて1階層としたり、逆に3等級をさらに区分して4階層に

するなど、どのように階層を設定することが育成の対象とし易いのかを考慮して検討します。

 そして、階層ごとに求められる役割や能力などの目標レベル、到達目標を検討、決定します。

ここで求められる役割や能力がより具体的であればあるほど、どのような視点をもって育成す

べきかが浮き彫りになってきます。〈階層別人材育成計画 例1〉47ページ参照職場内での役割を育成に活用する

 職員は現場の中で、仕事を通じて成長していきます。仕事は人を育てるためにあるものでは

ありませんが、職場の中には、人を育てる素材にあふれていると言っても良いでしょう。職員

の階層ごとに設定した到達目標に向けて、どのような仕事や役割を経験することが人を育てる

か考え、計画に盛り込みます。

 新任職員にとっては、毎日の仕事そのものが課題となり、OJTチェックリスト等を用いて、

習熟していくことが求められます。中堅職員層であれば、後輩の育成担当者に任命したり、業

務の標準化(マニュアル等)の担当をすることで、業務内容の理解を深め、改善提案力を身に

付けることができます。

 リーダー層であれば、各種委員会の運営を担当することでリーダーシップ、ファシリテーシ

ョンの能力を身に付けることができますし、苦情対応窓口をすれば、サービス管理の視点を身

に付けることになるでしょう。〈階層別人材育成計画 例1〉47ページ参照職場内研修、勉強会を開催する

 仕事を通じて育成するには限界があります。そのため、職場内での育成を補完する目的を持

って、集合研修や勉強会を計画します。

 事業所内で実施する研修は、職員が同じ時間、場所で学び、知識や価値観を共有することが

できます。講師は、職員が担当する場合と、外部から招く場合がありますが、事業所内の職員

が講師を務める場合、講師役となる職員の能力を引き上げる効果が期待できます。1人の職員

が外部研修に参加した場合などに実施する伝達研修は、講師役になる職員には学んできたこと

の定着を図り、参加する側の職員には新たな知識を共有するという機会を持つことができます。

〈階層別人材育成計画 例1〉47ページ参照派遣する外部研修を設定する

 外部研修に参加することにより、専門的もしくは高度な知識や技術を持った講師から学ぶこ

とができ、ほかの事業所の職員と情報交換をすることができるなど、事業所内研修とは違った

面での効果を期待することができます。職員階層に応じた研修や特定の知識や技術に関する研

修などがあり、主催者も色々です。費用も時間もかかりますから、内容をよく吟味し、計画立

案することが重要です。〈階層別人材育成計画 例1〉47ページ参照�

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職員階層

目標レベル

法人内研修、役割(※)

外部研修

資格取得支援

育成面談

管理職

組織の管理職とし

て、組織の計画を立

案し、マネジメント

の手法を習得する。

※安全衛生委員会運営

※内部監査機能

管理職研修(○○研修センター)

スーパービジョン研修(○○研修センター)

人事・労務管理研修(○○福祉学院)

財務管理研修(○○福祉学院)

面談者 経営職

回 数 2回/年

リーダー

チームのリーダーと

して、チームマネジ

メントの手法を学

ぶ。

専門性を向上させ、

業務改善結果の発

表・発信を目指す。

人事考課者研修

プレゼンテーション研修

研究発表

※法人内研修講師

※リスクマネジメント委員会

※実習担当

※苦情対応窓口

※実地指導、監査担当

リーダー研修(○○研修センター)

業務標準化研修(○○研修センター)

人材育成研修(○○研修センター)

ストレスマネジメント研修(△△人材センター)

リスクマネジメント研修(△△人材センター)

実習指導者講習会(○○会)

介護支援専門員

受験講座

勉強会

模擬試験

テキストの貸与

受験料の半額負担

面談者 管理職

回 数 2回/年

中堅職員

チーム内の中核人材

として、さらに高度

な知識や技術の習得

を目指す。

権利擁護・虐待防止応用研修

感染症対策研修

事故予防・対策研修

認知症研修

ストレス対策研修

※施設内委員会への参画

※新任職員育成担当

中堅職員研修(○○研修センター)

OJT指導者研修(○○研修センター)

面談者 リーダー

回 数 2回/年

新任職員

新任職員としての役

割を理解し、基本的

な業務のための知

識・技術を身に付け

る。

新任職員研修

社会人マナー・コミュニケーション研修

対人援助技術研修

権利擁護・虐待防止基礎研修

感染症予防基礎研修

緊急時対応・医療的ケア基礎研修

健康管理と腰痛予防研修

介護技術研修

排泄・食事と嚥下機能・栄養・口腔ケア

認知症・入浴と更衣・移乗と機能訓練

初任者研修(○○研修センター)

救急救命講習(○○消防署)

介護福祉士

受験講座

勉強会

模擬試験

テキストの貸与

受験料の半額負担

入職2年目以降

面談者 リーダー

回 数 2回/年

入職1年目

面談者 OJT指導者

    リーダー

回 数 5回/年

〈階層別人材育成計画 例1〉

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〈階層別人材育成計画 例2(勤務年数と階層別に年間計画を立案した場合)〉

29

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〈階層別人材育成計画 例3(等級制度別に育成計画を立案した場合)〉

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50

2017 17:30~19:30

17:30

18:15

19:15

19:30

28

28

29

〈研修要項 例1(会議等に合わせて実施する場合)〉

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51

29

3

〈研修要項 例2(一覧表に作成する場合)〉