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世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
1
介護保険住宅改修理由書の書き方のポイント
NPO法人
世田谷福祉住環境コーディネーター研究会
目 次
・ 介護保険住宅改修の進め方
・ 世田谷区の理由書
・ 事例による書き方のポイント
・ まとめ
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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介護保険住宅改修の進め方
ケアマネジャーへ相談利用者、家族の要望や生活状況の把握
施工事業者と共に現場調査リハビリ関係者、福祉用具事業者などの連携も必要
利用者に実際に動作を行ってもらう家具の配置替えや福祉用具、サービスの利用も検討
作成された理由書、見積書、図面などを確認関係者間で目的と工事内容にズレがないかを再確認
介護保険住宅改修の進め方の注意点
• 利用者や家族の希望が有効な改修になるとは限らない。
• 工事は行ってしまうと簡単に直すことはできない。
• ケアマネジャーは工事の知識や図面・見積書の見方が
分からない等の疑問点があれば施工事業者に確認する。
• 施工事業者は利用者の身体状況を理解する。
• ケアマネジャーの理由書が柱。
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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世田谷区の理由書 1面
福祉用具の利用状況貸与・購入・その他
リハ職の助言助言内容を記入
ユニットバスへ変更する場合□福祉用具で住環境を改善できないか検討したか□設備改修との併用有り
世田谷区の理由書 2面
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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洋式便器から洋式便器に交換する場合一般的に想定していないため、必ず本人の身体状況を把握したリハ職の助言を得た上で申請してください
世田谷区の理由書 2面
事例による書き方のポイント
Aさんの基本情報70代 女性 要支援2関節リウマチ 通院治療および服薬中夫と二人暮らし 戸建て 1階に居住
本人・家族の希望和式便器を洋式にして環境を整えたい
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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1面<総合的状況>
利用者の身体状況 : 疾病や生活動作に関する現在の身体状況室内、屋外での移動方法
以前にリウマチを発症し、今年の夏に下肢が腫れ歩行困難になった。特にトイレの立ち上がりが出来ず夫の手を借りる状態。
2年程前より関節リウマチを発症し、今年の夏に下肢が腫れ歩行が困難になってきている。特に座った姿勢から立ち上がるのが大変なため、和式トイレの立上がりが出来ず、夫の介助が必要となっている。室内はつたい歩き、屋外は杖を使用。糖尿病と高血圧症で薬を服用中。
1面<総合的状況> 利用者の身体状況
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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1面<総合的状況>
介護状況 : 家族の情報と介護状況、介護サービス
日常生活全般にわたって夫による見守りや部分的な介助を受けている。
夫と二人暮らし。日常生活全般に夫の見守りや介助が必要となってきているが、できるだけ自分で行い自立した生活を続けたいと希望している。なるべく外出もして筋力低下をしないように気をつけている。介護サービスを受ける予定は無い。
1面<総合的状況> 介護状況
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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1面<総合的状況>
住宅改修により、利用者等は日常生活をどう変えたいか利用者、家族が住宅改修によってどのような暮らしをしたいのか
トイレくらいは自力で出来るようになりたい。
戸建て住宅の1階に居住。トイレは和式便器のため、立ち座りが困難。福祉用具購入の据置式便座を検討したが、壁までの距離がなく立ち座りが難しいため洋式化する。合わせて、出入口の段差の解消と手すりを取付けることで安全に排泄ができるようにしたい。ウォシュレットの取付けも行い、リウマチによる後始末等の負担を軽くし衛生を保ちたい。
1面<総合的状況>住宅改修により、利用者等は日常生活をどう変えたいか
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ① 改善をしようとしている生活動作
排泄、入浴、外出、その他の活動改善しようとしている具体的な動作にチェックする
2面 ① 改善をしようとしている生活動作
排
泄
■トイレまでの移動□トイレ出入口の出入(扉の開閉を含む)□便器からの立ち座り(移乗を含む)□衣類の着脱□排泄時の姿勢保持□後始末□その他( )
□トイレまでの移動■トイレ出入口の出入(扉の開閉を含む)■便器からの立ち座り(移乗を含む)□衣類の着脱■排泄時の姿勢保持■後始末□その他( )
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ② ①の具体的な困難な状況
生活動作で困っていること、住まいや利用者の状況・介護の現状など具体的に記入する
2面 ② ①の具体的な困難な状況
排
泄
排泄毎に夫の手助けがないと出来ないので精神的な苦痛があり、夫の留守の時不安が大きい。
廊下よりトイレの床面が3セ
ンチ上がっており、掴まるところも無く躓き転倒の危険がある。
和式便器のため、立ち座りが出来ず、利用が困難になっている。
リウマチで手指が痛く、後始末も上手くできない。
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ③-1 改修目的・期待効果
①②に記入した現状の問題点を踏まえた上で、改修目的と期待される効果の項目にチェックする
2面 ③-1 改修目的・期待効果
排
泄
□できなかったことをできるようにする□転倒等の防止、安全の確保□動作の容易性の確保■利用者の精神的負担や不安の軽減■介護者の負担の軽減□その他( )
■できなかったことをできるようにする■転倒等の防止、安全の確保■動作の容易性の確保■利用者の精神的負担や不安の軽減■介護者の負担の軽減□その他( )
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ③-2 改修の方針
困難事項を改善するために、
どのような改修を行うのか具体的に記入する
排
泄
排泄毎に夫の手を借りるのは精神的に大変苦痛を感じているのが軽減されると夫の留守の時も安心できる。
床の段差解消①、
便器の洋式化およびウォシュレット設置②、L型手すりを取付ける③
ことで自立して安全に排泄行為ができるようにする。
2面 ③-2 改修の方針
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ④ 改修項目(改修箇所・部位)
対象となる住宅改修の種類ごとに整理して記入する場所、手すりは形や本数なども確認できるようにする
2面 ④ 改修項目(改修箇所・部位)
■手すりの取付け手すり 1本
□段差の解消
□滑り防止等のための床材の変更
□引き戸等への扉の取替え
■便器の取替え洋式便器
□その他
■手すりの取付け③トイレ L型手すり 1本
■段差の解消①トイレ 床の段差解消
□滑り防止等のための床材の変更
□引き戸等への扉の取替え
■便器の取替え②和式→洋式
□その他
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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1階:玄関・トイレ・浴室
2階:日常生活する場や寝室
階段に手すりを付けたい
こんな事例は?
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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①改善をしようとしている生活動作
② ①の具体的な困難な状況
そ
の
他
の
活
動
1階~2階 階段室
居室・寝室が2階で玄関・トイレ・浴室が1階にある。階段に手すりがなく玄関・トイレ・浴室に行く際の階段昇降が不安定になり危険。
③ 改修目的・期待効果をチェックした上で、改修の方針を記入
そ
の
他
の
活
動
□できなかったことをできるようにする■転倒等の防止、安全の確保■動作の容易性の確保■利用者の精神的負担や不安の軽減□介護者の負担の軽減□その他( )
1階~2階の階段に連続手すりを取付けることで安全に階段昇降ができるようになり玄関・トイレ・浴室までの移動が安全になる。
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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①改善をしようとしている生活動作
② ①の具体的な困難な状況
排
泄
■トイレまでの移動□トイレ出入口の出入(扉の開閉を含む)□便器からの立ち座り(移乗を含む)□衣類の着脱□排泄時の姿勢保持□後始末□その他( )
居室からトイレまでの移動は「階段室」と同じ
入浴や外出も同様に
③ 改修目的・期待効果をチェックした上で、改修の方針を記入
排
泄
□できなかったことをできるようにする■転倒等の防止、安全の確保■動作の容易性の確保■利用者の精神的負担や不安の軽減□介護者の負担の軽減□その他( )
居室からトイレまでの動線は「階段室」と同じ
入浴や外出も同様に
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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2面 ④ 改修項目(改修箇所・部位)
□手すりの取付け
□段差の解消
□滑り防止等のための床材の変更
□引き戸等への扉の取替え
□便器の取替え
■その他階段室 連続手すり 1か所
■手すりの取付け階段室 連続手すり 1か所□段差の解消
□滑り防止等のための床材の変更
□引き戸等への扉の取替え
□便器の取替え
□その他
付帯工事を記入例)引き戸の取替えに伴うスイッチの移設
まとめ
・ 利用者、家族、ケアマネジャー、施工事業者などの
関係者がよく話し合うことが大切です。
・ 現状の問題点と改修目的を明確にして、
納得のいく効果的な住宅改修を実現しましょう。
世田谷区介護保険課講演会平成30年11月15日
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ご清聴ありがとうございました
NPO法人
世田谷福祉住環境コーディネーター研究会
< 基本情報 >住宅改修が必要な理由書【記入例】
□無■有■
□理学療法士(PT)作業療法士(OT)
性別日
世田谷区 世田谷4-30ー5
年 月 日
評価欄
10
居住形態
1.戸建の場合 → 主に 1階で生活2.被保険者の居室 → 専用 ・ 共用3.居室の広さ → 約6畳
■ 戸建(持家)□ 〃(借家)□ 集合(持家)□ 〃(借家)
同居家族状況 家屋形態
〕
□夫婦のみ
リハ職の助言
総合福祉センター・×○〔
現地確認日
所属事業所名
指定事業所番号
連絡先(住所、℡)
介護支援専門員
女■
□ 2330
区職員
△居宅介護支援事業所
○○○○○○○○○○
世田谷区太子堂9-9-903ー◇◇◇◇ー○○○○
介護 従子
日
●移動用リフト(つり具の部分を除く) □ □
購入
30 4 月 1年日
介 護 状 況
確認日
氏 名
年齢0000123456
住宅改修により、利用者等は日常生活をどう変えたいか
被保険者番 号
被保険者氏 名
<総合的状況>
利用者の身体状況
生年月日
要介護
1 ・ 2 ・ 3 ・ 4 ・ 51 ・ 2
利 用 者
住 所
保険者
月年
要介護認定
(該当に○)
〔
両膝変形性膝関節症で、痛みが強く、歩行が不安定。屋内は壁をつたいながらゆっくり1人で歩行しているが、段差の昇降や扉の開閉ではふらつきやすい。階段で1度転倒したことがある。屋外が杖歩行。
□
82歳 昭和10 5月年
世田谷 花子
作成日
■その他
作 成 者
長男夫婦 〕
要支援
名 前
□単身
3男
●特殊寝台 □
長男夫婦と同居。長男夫婦は就労のため日中は独居。排泄、入浴はゆっくりであれば1人で可能。家事や買い物は長男夫婦の支援。週1回デイサービスを利用中。
本人の希望もありQOLを維持・向上させるため2階にある寝室へ階段昇降している。階段に既存手すりがあるが一部のため、手すりを設置し安全に昇降できるようにする。デイサービスや来客対応の際、より安全に外出できるよう、玄関に手すりと式台を設置する。トイレ扉は開閉のしやすさから吊元交換を行う。トイレには既存手すりがあるが、浴室には手すりがないため手すりを設置する。福祉用具で浴槽に入るためのフチ手すりを購入予定。
福祉用具の利用状況
品 目住宅改修
前住宅改
修後
貸与
●車椅子 □ □
●床ずれ防止用具 □ □●体位変換器 □ □●手すり ■ ■●スロープ □ □●歩行器 □ □●歩行補助つえ ■ ■●認知症老人徘徊感知機器 □ □●自動排泄処理装置(交換可能部分以外) □ □
●腰掛便座 □ □●自動排泄処理装置の交換可能部分 □ □●入浴補助用具 □ ■●簡易浴槽 □ □●移動用リフトのつり具の部分 □ □
● その他(自費で利用している福祉用具等) ( ) □ □
移動、立上り、姿勢の保持などの生活動作に関する身体状況を記載。屋内・屋外移動
方法は必ず記入してください。(つたい歩き、介助歩行、歩行器利用など)
各種介護サービスおよび家族の状況・主な介護者を含む介護状況を記載。
生活の動線がわかり、住宅改修により、利用者・家族は日常生活をどのよう
に変えたいと希望しているか、またその効果を記載。
より効果的な住宅改修を行うために、利用者の状態像を把握するPTまたはOTから住宅改修の必要性について具体的な助言を得た場合は、有にチェックを、得ていない場合には無にチェックをしてください。助
言を得た場合は、助言者の該当する資格にチェックをし、所属事業所及び氏名をお書きください。
福祉用具について確認
【例】ベッド脇に置き型手すりをレン
タルしているためチェックを入れる。
【例】自費で購入した杖を利用してい
る場合は、この欄に「杖」と記入。
世 田 谷 区
< 基本情報 >住宅改修が必要な理由書【記入例】
< ページ1の「総合的状況」を踏まえて、以下の①から④までの項目を具体的に記入してください。>
■ トイレまでの移動 □ できなかったことをできるようにする。 ■手すりの取付け
■ トイレ出入口の出入 ■転倒等の防止、安全の確保
( 扉の開閉を含む ) ■動作の容易性の確保
□ 便器からの立ち座り (移乗を含む) ■利用者の精神的負担や不安の
□ 衣服の着脱 軽減
□ 排泄時の姿勢保持 □ 介護者の負担の軽減
□ 後始末 □ その他( )
□ その他 ( )
■段差の解消
□ 浴室までの移動 □ できなかったことをできるようにする。
□ 衣服の着脱 ■ 転倒等の防止、安全の確保
■ 浴室出入口の出入 ■ 動作の容易性の確保
( 扉の開閉を含む ) ■ 利用者の精神的負担や不安の
□ 浴室内での移動 (立ち座りを含む) 軽減
□ 洗い場での姿勢保持 □ 介護者の負担の軽減
( 洗体・洗髪を含む ) □ その他( ) □滑り防止等のための床材の変更
□ 浴槽の出入 (立ち座りを含む)
□ 浴槽内での姿勢保持
□ その他 ( )
【ユニットバスへ変更する場合】
□ 福祉用具で住環境を改善できないか検討したか □ 設備改修との併用の有り ■引き戸等への扉の取替え
□ 玄関までの屋内移動 □ できなかったことをできるようにする。
■ 上がりかまちの昇降 ■ 転倒等の防止、安全の確保
■ 履物の着脱 ■ 動作の容易性の確保
□ 玄関の出入 (扉の開閉を含む) ■ 利用者の精神的負担や不安の
□ 玄関から敷地外までの屋外移動 軽減 ●便器の取替え
□ 車いす等、装具の着脱 □ 介護者の負担の軽減
□ その他 ( ) □ その他( )
□その他
□ □ できなかったことをできるようにする。
□ ■ 転倒等の防止、安全の確保
□ ■ 動作の容易性の確保
■ 1階から2階への階段 ■ 利用者の精神的負担や不安の
□ 軽減
□ □ 介護者の負担の軽減
□ □ その他( )
※洋式便器から洋式便器に交換する場合には、一般的に想定していないため、必ず本人の身体状況を把握したリハ職(PT又はOT)の助言を得た上で申請してください。
外 出
上がり框の段差(24㎝)の昇降時や靴の着脱時にバランスを崩しやすい。
式台(12㎝)を設置し、手すりを取り付けて、段差の昇降や靴の着脱が安定してできるようにする。➀➁
現在手すりはあるが、途中で終わっているため、降りる際に何度か転倒している。
➃トイレ 吊元交換
その他の活動
入 浴
出入りに段差(12㎝)があり、出入りの際に転倒の危険がある。
➀玄関L型手すり1本
活動
①改善をしようとしている生活動作
② ①の具体的な困難な状況(・・・なので・・・で困っている)
③ 改修目的・期待効果をチェックした上で、改修の方針(・・・する事で・・・が期待できる)を記入
④改修項目(改修箇所・部位)※個別具体的に記入してください
➂階段横手すり1本日中過ごす食堂からトイレへ移動する際、現状の扉では一度身体を回転させなくてはならないため、ふらつくことが多く転倒の恐れがある。
扉の吊元を変更することで、食堂からトイレまで移動しやすく、容易に安定して扉を開閉することができる➃
排 泄 ➄浴室オフセット縦手すり1本
手すりを追加で取付けて安全に階段を降りられるようにする。➂
オフセット手すりを取り付けることで、出入りが安定してできるようになる。➄
➁玄関 式台の設置
今回の改修にあたり、改善を必要とする動作についてチェックしてください。
図面・見積書と番号を揃えます。図面・見積書と番号を揃えます。
浴室をユニットバスへ変更する場合、福祉用具で改善できないか検討し、チェックを入れてださい。設備改修と併用する場合はチェックしてください。
世 田 谷 区