Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
IT資産を最適化するデルの新しいマネジメント環境デルはITオペレーションを合理的かつシンプルにするために、Microsoft System Center Configuration Manager 2007を導入した。この結果、資産レポートの作成に要する時間が約60%短縮された。
ソリューション・マネジメント/ユーティリティ・仮想化・クライアント
デルは顧客企業のITインフラストラクチャのシンプル化と標準化を推進するために、さ
まざまなソリューションを提供している。シンプルで標準化されたITインフラストラクチ
ャは、デル自身にとっても、ITインフラストラクチャをスムーズに運用するうえで重要な
課題である。世界各地で働く社員、140,000台を上回るデスクトップPCとノートPC、
サーバを抱えるデルにとって、ソフトウェアとハードウェアの構成を標準化し、管理する
ことの重要性は計りしれない。デルのITマネージャであるタキス・ペトロプロスは「ITを
より効率的にし、セキリュティを強化するうえで、標準化は最もパワフルな武器の1つで
す」と述べている。
ソリューション・Microsoft® System Center Configuration
Manager(SCCM)2007は、OSインストールの
合理化と自動化、資産レポーティングのスピー
ドアップ、アプリケーション使用状況のリアル
タイム監視を通じて、ITチームの負荷を軽減
し、コスト削減を実現する。
課題世界中の何万台ものクライアントとサーバに OSとアプリケーションをインストールし、その更新、追跡、レポーティングを実行するのは、デルの ITインフラストラクチャチームにとって大きな負担となっていた。そのため、このプロセスを合理化し、自動化する必要があった。
カスタマー・プロファイル国:米国業種:テクノロジー創立:1984年社員数:65,200人Webサイト: www.dell.com
導入効果Get IT Faster ─迅速なITの導入─
・ソフトウェア資産レポーティングに要する時間
を約60%短縮
Run IT Better─IT運用・保守の簡素化─
・レポーティングの時間を短縮することによって
ソフトウェアライセンスのコストを節約
・OSイメージのメンテナンスに要する時間を約
75%短縮
Grow IT Smarter─スマートなITの発展─
・リアルタイムで使用状況を監視することにより
ソフトウェアのライセンス管理を効率化
・Desired Configuration Managementの機能に
より、基幹システムの監査レポートの作成時間
を短縮し、メンテナンス対応を改善
ハードウェアとソフトウェアの構成、そしてプ
ロセスが標準化されていれば、IT管理者がメン
テナンスとアップデートに費やす時間は確実に
短縮できる。
「私達が目指しているのは、世界各地のデル
の社員ができるかぎり同じOSの同じバージョン
をインストールし、同じセキリュティパッチと同
じアプリケーションを使うようにすることです」
と、デルの ITマネージャを務めるタキス・ペトロ
プロスは語る。カスタマイズや特殊なケースに
費やす時間が少なくなれば、その分だけユーザ
のヘルプや新しいプロジェクトに割く時間が増
えるからだ。
デルの ITチームにとって、標準化は高レベル
のセキリュティを確保するうえでも欠かせない。
「セキリュティの更新が 72時間以内に世界中の
システムの 97%に適用できるようになりました。
このスピードがユーザの安全を守り、生産性を
高めるのです」と、ペトロプロスは説明する。
SMS 2003の成功がベース
デルの ITチームは長年、クライアントとサー
バの評価、導入、更新に Microsoft® Systems
Management Server(SMS)2003を使っていた。
導入システム/ソリューション
ハードウェア●DellTM PowerEdgeTM
・Dell OptiPlexTM
・Dell LatitudeTM
ソフトウェア● Microsoft® System Center Configuration
Manager 2007・Dell Business Client Update Catalog・Dell Server Update Catalog・Dell Server Deployment Pack
「資産レポートに費やす時間はシステム管理チームだけでも月に20時間になっていました。Microsoft System Center Con�guration Manager 2007のレポーティングギャラリがこうした作業を自動的に実行してくれるようになった現在、この時間は月に8時間に短縮されました」デル ITマネージャ タキス・ペトロプロス
SMS 2003に用意されている設定機能やパッチ
適用の機能でも特に問題はなかったが、デルの
ITチームは資産マネジメントや資産レポートの
作成、OS導入、設定監査について、より効率的
に実施できる環境を必要としていた。
ユーザのコンピュータに実際に入っているフ
ァイルに基づいて、適切なアプリケーションとそ
のバージョンを判別するのは手間と時間がかか
る。デルで ITインフラストラクチャを担当してい
るドニー・テイラーは「winword.exeがハードデ
ィスクに入っているからといって、どのバージョ
ンの Microsoft Officeがインストールされるかは
分かりません」と指摘する。
管理者はこれまで、個々の方針にしたがって
どのソフトウェアがどれだけインストールされて
いるかを確かめ、レポートを作成していた。しか
し、これではレポートの作成に多くの時間を費
やしてしまう。
デルのITチームは新しいOSやそのアップデー
ト、パッチの導入プロセスについても改善した
いと望んでいた。ITチームは標準化された 1つ
のインストレーションイメージの管理に多くの
時間を費やす一方で、現場の何万ものサブセッ
トをサポートするためにさまざまなバリエーショ
ンも許可せざるをえない状況にあったためだ。
「当社のメインのシステムイメージは大がか
りなもので、その管理には余分な時間がかりま
した。メインのイメージは大半の社員に対応す
るものでしたが、ローカルの管理者がこのイメ
ージを修正して非標準のイメージを作成しなけ
ればならないケースもあったのです」と、ペトロ
プロスは説明している。
監査プロセスの改善も課題となっていた。デ
ルの ITインフラストラクチャは、各種の規制や
業界基準を遵守したシステムを維持するため
に、定期的に監査されている。ここでは、必要
なソフトウェアがインストールされていること、
ネットワークインタフェースカードが適切に設定
されていることなどをチェックできるかどうかが
非常に重要になる。そのため、管理者に負荷を
かけずにシステムのソフトウェアとハードウェア
の構成を監視し、レポートを作成できる仕組み
が求められていた。
SCCM 2007の開発に協力
マイクロソフトの戦略的なパートナーとして、
デルは初期の段階からITインフラストラクチャ
とツール 開 発 の 両 面で M i c r o s o f t S y s t e m
Center Configuration Manager(SCCM)2007の
開発に協力してきている。デルのITインフラスト
ラクチャチームは、開発の各局面で Microsoft
Technical and Executive Customer Advisory
Boardを通じ、フィードバックやコメントを提供
してきた。SCCM 2007がベータテストの段階に
入ったときには、デルの ITチームは他に先がけ
てベータ版をインストールし、およそ 20,000の
クライアントシステムを新しい管理プラットフォ
ームに移行させた。
デルの ITチームはデルの製品グループ(PG)
やマイクロソフトと協力して、Microsoft System
Center関連のアプリケーションのためにデルが
開発した数多くのツールのテストと改良にも尽
力した。例えば、カスタマによるベータテストに
先立って、Dell Server UpdateとDell Business
Client Update Catalogsの社内テストを実施。
これによって、デルの ITチームはコードサイク
ルの初期の段階に修正を提案し、ツールとカス
タマ体験の改良につなげることができた。
例えば、Dell Update Catalogsによるファーム
ウェア、BIOS、ドライバのパッチ適用が改良さ
れ、ITチームとエンドユーザの両方の作業がシ
ンプルになった。多くの人手と時間を要した作
業が一人の管理者が数分作業するだけで片づく
ようになったのである。
テイラーは「マイクロソフトとデルのツールに
早期に対処することによって、デルの ITインフラ
ストラクチャをより効率的に管理、モニタできる
ようになり、ユーザをはじめ誰にとっても使いや
すい製品の開発が可能になりました」と語って
いる。
デ ル の I T チ ー ム は 最 近 、D e l l S e r v e r
Deployment Pack for Configuration Manager
2007のテストを実施した。このテストの結果、
社内のシステム導入に要する時間が短縮され、
プロセスがシンプルになった。
このテストを通じ、サーバの導入を完全に
SCCM 2007へ移行し、無駄なシステムを排除し
た。余ったリソースは他の用途に活用できる。
この実績からテイラーは、「デルをはじめ数多く
の組織の IT管理者が、デルとマイクロソフトの
成果を享受することになります」と確信してい
る。
SCCM 2007の新機能のいくつかは、デルの IT
チームが直面している重要な課題に直接関係し
ている。例えば、Asset Intelligenceの機能は、
デルのITチームがインストールしたソフトウェア
のリファレンスライブラリを管理するだけでな
く、ファイルサイズやバージョン、インストール
場所などのパラメータを比較することにより、ク
ライアントシステム上のソフトウェアのインベン
トリも整理してくれる。
SCCM 2007に新しく用意されたソフトウェア
更新管理機能も、デルの ITチームに大きなメリ
ットをもたらしている。テイラー によれ ば 、
SCCM 2007の新しいタスクシーケンスエンジン
は、OSとそのアップデートの導入における柔軟
性を高くするという。
「以前は単一の地域でも複数のシステムイメ
ージが必要でしたが、今では単一の基本イメー
ジを使い、各システムをカスタマイズして、各部
署や職務ごとに異なるアプリケーションをインス
トールできるようになりました」(テイラー)
SCCM 2007が一般リリースされたときには、
デルの ITチームはすでに約 18か月間使ってい
た。一般リリースに伴い、デルの ITチームは
SCCM 2007を ITインフラストラクチャ全体に導
入 。テ イラ ー に よ れ ば 、現 在 で は お よ そ
140,000 のシステム(約 25,000 台のサーバと
115,000台のデスクトップ PCならびにノートPC)
がSCCM 2007によって管理されている。
ソフトウェア資産の確認時間が約60%も短縮
SCCM 2007への移行は、デルの ITインフラス
トラクチャと収益に目に見える効果を生み出し
た。例えば、デルのIT管理者がソフトウェア資産
を確認するのに要する時間はおよそ60%短くな
った。
「以前はシステム管理チームだけでも資産レ
ポーティングに毎月およそ20時間を費やしてい
ました。現在では SCCM 2007のレポーティング
ギャラリがこの種の作業を自動的に実行し、管
理者が費やす時間は毎月8時間ほどに短縮され
ています。そのため、システム管理チームは新
しいツールの開発や社員の作業をよりスムーズ
にすることに注力できるようになりました」とペ
トロプロスは語る。
「Microsoft System Center Con�guration Managerは、ソフトウェアのインベントリから曖昧さを一掃してくれます。このため、どれだけの数のライセンスが必要かを正確に把握したうえで、ソフトウェア契約の交渉にあたることができるのです」デル インフラストラクチャ担当エンジニア ドニー・テイラー
SIMPLIFY YOUR TOTAL SOLUTION AT DELL.COM/Simplify
必要とされるライセンスを正確に把握することが可能
SCCM 2007は、ユーザのアプリケーション使
用時間も的確に把握できる。そのため、ITチー
ムはユーザのニーズをより正確に把握できるよ
うになった。
「SCCM 2007ではユーザのアプリケーション
使用時間をリアルタイムで把握するため、どの
ようなソフトウェアが求められているかが分かり
ます」とテイラーは語る。
ソフトウェア資産の正確な把握は、ソフトウェ
アのライセンスコストを最適化することでもあ
る。
「SCCM 2007はソフトウェアのインベントリか
らあいまいさを一掃してくれます」とテイラーは
言い、次のように続ける。「どれだけのライセン
ス数が必要か正確に判別したうえでソフトウェ
ア契約の交渉にあたることができるのです。ユ
ーザやシステムが見逃されたり、間違ってカウン
トされたりすることがなく、余計なライセンスを
購入せずにすみます」
イメージのメンテナンスでは約75%の時間短縮を実現
SCCM 2007は、OSの導入と管理に要する時
間を大幅に削減する。テイラーの推定によれ
ば、デルの ITチームが作成するイメージの数は
66%減り、各イメージのメンテナンスに要する
時間は約50%短くなるという。
「システムイメージの管理とメンテナンスに要
する時間は、全体でおよそ 75%短縮されまし
た。SCCM 2007のお陰で、OSの導入と管理は
融通のきかない手間のかかる作業から高度に
自動化されたフレキシブルなビジネスプロセス
へと変身し、新しい条件に素早く対応できるよう
になりました」とテイラーは語っている。
●March 2009. Ⓒ2009 Dell, Inc. DellはDell Incの商標です。MicrosoftとMicrosoftのロゴは米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporationの登録商標または商標です。 G910006078
©2009 Dell inc.
監査レポートの作成時間も短縮
S C C M 2 0 0 7 に 用 意されている D e s i r e d
Configuration Managementの機能を利用すれ
ば、標準構成をより効果的に管理しながら、し
かも監査の要求に応えるための時間を短くする
ことができる。その効果について、テイラーは次
のように語っている。
「SCCM 2007によって、各サーバについて1時
間もかかる手動プロセスを完全になくすことがで
きました。例えば、Citrixサーバファームの監査に
スタッフが要した150時間を削減できています」
SCCM 2007はデルのITをシンプルにする
テイラーとペトロプロスは、SCCM 2007を導
入することのメリットはまだほかにもあると考え
ている。
「近い将来にはクライアントアプリケーション
の仮想化も計画しています。SCCM 2007は全社
規模のソフトウェアライブラリの管理を容易に
し、各アプリケーションをいつ、どこへ、どのよう
にして配布するかを判別しやすくします。このプ
ロジェクトによって管理の時間とライセンス料金
を節約し、デルの ITチームと企業ユーザの両方
の作業を合理化することが可能になるでしょう」
と、テイラーは SCCM 2007が ITチームの負担軽
減に貢献すると期待している。
また、ペトロプロスは「世界のユーザの作業
をできるだけ効率的かつ効果的にすることが目
標です」と語り、「SCCM 2007は ITをシンプルに
することによって、この目標の実現を助けてくれ
ます」と期待を抱いている。
このケーススタディは情報の提供のみを目的としています。デルは、明示的か黙示的かを問わず、このケーススタディの内容について一切保証しません。このケーススタディの詳細あるいは他のケーススタディについては、DEL.COM/CaseStudies を参照してください。