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黒目中心検出のためのハードウェア指向セルオートマトンモデルと その低電力アーキテクチャ A NOVEL HARDWARE-ORIENTED PARALLEL ALGORITHM AND ITS LOW-POWER ARCHITECTURE FOR GAZE ESTIMATION Naoto Iwamaru Masayuki Ikebe Tetsuya Asai Masato Motomura 大学 大学院 Graduate School of Information Science and Technology, Hokkaido University 1 まえがき Google Glass されるヘッドマ ントディスプレ イ(HMD[1] において、 ベース ポインティング インターフェース めて ある。 、楕円 により してお [2]、そ ためにプロセッサ され ている [3]、セルオートマトンにより する アーキテクチャを 案し、 較を う。 2 提案アルゴリズムとアーキテクチャ 1 セルオートマトン(CA)を いた アルゴリズムを す。片 CA によって す。そ すこ にむかってパターンが してゆく。パ ターンが える る。そ めるために、 2 すように するメモリ パターン う。 3 案する CA アーキテクチャを す。イメージャ からシリアル された映 2 ポート SRAM がら、そ 2 +3 ラインバッファ FIFO したシフトレジスタ) する。こ インバッファから、テンプレート演 3×3 を引き して 1 ルール マッチングを い(ルール演 )、そ 1 ポート SRAM きこむ。2 し演 、イメージャ から 1 ポート SRAM から む。 プロセッサを する [3] 10 mW, イメージャを む)に対し、 ほぼ SRAM により されるため、イメージ ャを いた 1 mW 65-nm SRAM, 75 kbit@QVGAりを ており、HMD けイ ンターフェース ある えられる。 参考文献 [1] https://ja.wikipedia.org/wiki/Google Glass [2] J.-G. Wang, et al., “Eye gaze estimation from a single image of one eye,” ICCV 2003. [3] K. Bong, et al., “A 0.5-degree error 10mW CMOS image sensor-based gaze estimation processor with logarithmic processing,” VLSI Circuits 2015. )(( MATCH 1 NOT MATCH 0 # $$ ( MATCH 0 NOT MATCH 1 1 するセルオートマトンテンプレート( ルール) 案アルゴリズム 直前で 侵食終了 S i i=1 m×n = 0 侵食結果を格納 するアキュムレータ を実装 n m D: 膨張 (Dila+on) E: 侵食 (Erosion) E E E n m E ・・・ 2 Imager 11×11 pixel Shiſt register 9 Dilaon 演算結果 1 port SRAM WE [0:120] φ Reset 2 port SRAM WE RE [0:120] Selector Address 7 7 7 counter 10 1 port SRAM WE [0:120] -43;./1@FIFOA 0;,1 :?: (6?.7 @-9':A ,<2, 9023 *)=1 3 案セルオートマトンアーキテクチャ

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黒目中心検出のためのハードウェア指向セルオートマトンモデルとその低電力アーキテクチャ

A NOVEL HARDWARE-ORIENTED PARALLEL ALGORITHM AND ITS

LOW-POWER ARCHITECTURE FOR GAZE ESTIMATION

岩丸 直登Naoto Iwamaru

池辺 将之Masayuki Ikebe

浅井 哲也Tetsuya Asai

本村 真人Masato Motomura

北海道大学 大学院情報科学研究科Graduate School of Information Science and Technology, Hokkaido University

1 まえがきGoogle Glassに代表されるヘッドマウントディスプレ

イ(HMD)[1]において、視線ベースのポインティングインターフェースの低電力化は極めて重要である。既存技術では、楕円推定により黒目の中心座標を推定しており [2]、そのためにプロセッサ型の演算回路が利用されている [3]。本研究では、セルオートマトンにより黒目の中心座標を推定する低電力視線推定アーキテクチャを提案し、既存技術との消費電力比較を行なう。

2 提案アルゴリズムとアーキテクチャ図 1に二次元セルオートマトン(CA)を用いた黒目

中心座標の推定アルゴリズムを示す。片目画像の取得・二値化後にCAの膨張処理によって黒目内の反射光部を消す。その後侵食処理を繰り返すことで、最大面積部分(黒目)の中心にむかってパターンが縮小してゆく。パターンが消える直前の点の位置が黒目の中心となる。その座標を求めるために、図 2に示すようにな侵食結果を格納するメモリと黒パターンの消失判定処理を行う。図 3に提案するCAアーキテクチャを示す。イメージャ

からシリアル出力された映像を 2ポート SRAMに蓄えながら、その画素値を 2行+3画素分のラインバッファ(FIFOで構成したシフトレジスタ)へ転送する。このラインバッファから、テンプレート演算に必要な 3×3の画素を引き出して図 1の膨張・侵食ルールのマッチングを行ない(ルール演算器)、その結果を 1ポート SRAMに書きこむ。2回目以降の繰り返し演算では、イメージャからではなく 1ポート SRAMから画素を読み込む。プロセッサを利用する先行研究 [3] の消費電力(10

mW, イメージャを含む)に対し、本方式ではほぼ全ての電力が SRAM により消費されるため、イメージャを除いた消費電力は 1 mW程度(65-nm SRAM, 75

kbit@QVGA)となる見積りを得ており、HMD向けインターフェースの低電力化に有効であると考えられる。

参考文献[1] https://ja.wikipedia.org/wiki/Google Glass

[2] J.-G. Wang, et al., “Eye gaze estimation from a

single image of one eye,” ICCV 2003.

[3] K. Bong, et al., “A 0.5-degree error 10mW CMOS

image sensor-based gaze estimation processor with

logarithmic processing,” VLSI Circuits 2015.

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図 1 利用するセルオートマトンテンプレート(膨張・侵食ルール)と提案アルゴリズム

→直前で 侵食終了

Sii=1

m×n

∑ = 0侵食結果を格納するアキュムレータを実装

n

m

D:膨張(Dila+on)E:侵食(Erosion)

E E E

n

m

E・・・

図 2 黒目の中心座標の判定処理

Imager

11×11 pixel

Shift register

9

Dilation

演算結果1 portSRAM

WE

[0:120]

φ Reset

2 portSRAM

WE RE

[0:120]

Selector

Address

7

7

7

counter

10

1 portSRAM

WE

[0:120]

-43;./1@FIFOA0;,1

:?:���

(6?.7

@-9':A

,<2, 9023

��*)=1

図 3 提案セルオートマトンアーキテクチャ