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導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定 誌名 誌名 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 ISSN ISSN 13470159 巻/号 巻/号 632 掲載ページ 掲載ページ p. 141-145 発行年月 発行年月 2008年10月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定 誌名 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌

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Page 1: 導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定 誌名 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌

導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定

誌名誌名 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌

ISSNISSN 13470159

巻/号巻/号 632

掲載ページ掲載ページ p. 141-145

発行年月発行年月 2008年10月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

Page 2: 導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定導電率情報を利用した灌漑水の全窒素濃度の推定 誌名 九州大学大学院農学研究院学芸雑誌

九大農学芸誌(Sci.Bull. Fac. Agr., Kyushu Univ.) 第 63巻第2号 141-145 (2008)

導電率情報を利用した港減水の全窒素濃度の推定

富田景子平井康丸*・別府佑一郎 1

漬上邦彦1・森 健

九州大学大学院農学研究院生産環境科学部門生産環境科学講座生産環境情報学研究室

(2008年 6月24日受付,2008年 7月16日受理)

Estimation of Total Nitrogen Concentration in Irrigation Water based on Electric Conductivity

Keiko TOMITA¥ Yasumaru HIRAI*, Yuichiro BEPPU1

Kunihiko HAMAGAMI1 and Ken MORI Laboratory of Bioproduction and Environment Information Sciences, Division of Bioproduction 也ndEnvironment Information Scienωs, Department of Bioproduction Environmental Sciences,

Faculty of Agriculture, Kyushu University, Fukuoka 812-8581, Japan

緒 言

近年. 日本の農業では, IT技術の活用が広まって

いる.農業生産は,気象や土嬢,水などの環境条件に

大きく 左右されるため,品質の良い作物を安定的に生

産するためには,生産現場の情報を活用することが不

可欠となってきているためである.現在,稲作におい

ては,主に気象,土境,生育等の情報が利用されてい

る.気象情報は登熟環境を最適化するための移植日の

決定,収穫適期の判定(般場ら, 1994)に利用可能で

ある.また,土壇,生育情報は主に施肥量の決定に用

いられるもので,窒素の施用がタンパク含量,光合成

量や葉の受光体勢に影響することから稲作において重

要である.

従来.収量や品質改善を目的とした研究においては,

稲への窒素供給源として,主に施肥によるものが考え

られてきた(三本ら,1971).一方, 日高 (1990)は,

滋湖水を利用する場合には.水中の窒素濃度を窒素供

給源として考慮する必要がある.現在,我が国の稲作

においては.低タンパク米の生産,環境負荷の低減を

達成するための精密な施肥管理技術の開発が進められ

ており(西村, 2007),従来利用されなかった調臨海水

の窒素供給最も,上述の目標達成のための重要な情報

となってきている.したがって,本研究では.瀧減水

の水質情報を稲作に利用するために必要なセンシング

技術について検討した.

現在.水中の窒素濃度の計調IJとしては.吸光光度法

やイオンクロマト法などの室内分析が主流であるが,

設備費,リアルタイム性.分析労力の面から生産現場

での活用は困難である.そこで,導電率(EC) 情報

に基づいて簡易に滋海水中の全窒素濃度 (T-N)を推

定する方法を検討した.EC情報の窒素量推定への活

用については.堺田ら (2002)が,茶園土嬢の無機態

窒素量の推定に用いた例があるのみで,灘漏水中の窒

灘減水中の窒素について, 一定濃度までは収量を楢加 素量推定に用いた例はみられない したがって,本研

させるが.高窒素濃度は稲の倒伏や玄米のタンパク含 究では,まず,福岡県八女郡星野村の異なる水系に位

有率に影響を与えると報告している.すなわち,茶畑 置する広内,鹿塁,藤山地区の棚田を対象に,計18地

の周辺水域やクリークなどの高窒素濃度が懸念される 点で採水した濯機水の EC,T-Nおよび水中の陰イオ

1九州大学大学院生物資源環境科学府生産環境科学専攻生産環境情報学研究室

lLaboratory of Bioproduction and Environment Information Sciences, Division of Bioproduction and En-vironment Information Sciences, Department of Bioproduction Environmental Scienc哩s,Graduate School

of Bioresource and Bioenvironmental Scienc四, Kyushu University * Corresponding author (E-mail: [email protected])

141ー

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b

の変動については.広内の 2地点(H1, H2)におい

て特に T-Nが高くなっているが,これは採水地点の

上流にある茶畑への施肥の影響と考えられる.鹿里の

3地点 (Rl,R2, R3) も上流に茶畑が多かったため,

T-Nは比較的高い値を示した.なお, R2において,

N03-Nが T-Nよりやや高くなっているが,これは,

高窒素濃度の試料水を希釈した際の測定誤差と考えら

れる.また,すべての採水地点で T-Nのうち N03-N

がかなりの割合を占めており,その結果, T-Nおよ

び N03-NとECの変動は同様の傾向を示した 9月

22日の各採水地点における EC,T-N, N03-Nは,8

月25日とほぼ同じ傾向が見られた.T-Nに占める

N03-Nの割合が8月25日より小さかったが, T-Nお

よび NOs-NとECは同様に変動する傾向であった.

以上の結果から T-NをECにより推定し得ることが

示された.

図 2にECとT-Nの関係を示す.全体的に両者に

正の相関がみられたが,水系ごとに ECに対する T-N

の変化割合が異なった.そとで, ECから T-Nを推定

する回帰式を水系ごとに求めた(表 2).回帰式の傾

きおよび切片は,同一水系では採水日によらずほぽ一

定で,傾き,すなわち EC催に対する T-Nの変化割

子景回

ン濃度,金属元素濃度を分析した.さらに, ECとT-

Nの関係を線形回帰式で表すとともに,回帰式の傾

き,切片の値を採水日および水系ごとに比較すること

により, EC値に基づいて T-Nを推定し得るか検討し

た.さらに,回帰式の係数におよぽす水中の溶存物質

の影響を,陰イオン濃度および金属元素濃度から考察

した.

福岡県八女郡星野村の異なる水系に位置する広内,

鹿里,藤山地区の棚田を対象に, 2007年 8月25日,9

月22日に溢瀬水の採水を行った.採水地点は,広内が

7地点,鹿里が4地点,藤山が 7地点の計18地点であ

る.分析項目および方法,分析機器の詳細を表 1に示

す. T-N, N03-N (硝酸態窒素)濃度は, 1サンプル

につき 3回分析を行い,平均値を算出した.なお, T-

N, N03-N,陰イオン.金属元素の分析には,それ

ぞれ計測機器の測定範囲に応じて希釈したサンプルを

供した.EC, pHは採水地点にて即時計測した.炭酸

は,祇料が空気に触れないように容器を密閉し,実験

室に搬入後すぐに測定を開始した.炭酸含量は,試料

水にメチルレッドとプロモクレゾールグリーンの混合

指示薬を加えたものに,十分に撹砕しながらO.OIM

硫酸溶液を滴下し,溶液の色が青から灰紫になるまで

に加えた硫酸の量から算出した(半谷,1995).

図 1に8月25日の各採水地点における EC,T-N,

N03-Nを示す.機軸は採水地点で, Hは広内 (Hiro

uchD, Rは鹿里 (RokurD,Fは藤山 (Fujiyama)

の頭文字を表しており,数字は各水系の採水地点で,

数字が大きいほど下流であることを示している.T-N

法方

142

10

8

6

4

2

2旨

szaRozi・5he

結果および考察

。‘ERLh

,a

崎WHh

E

nhh

E

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-

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E

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E

hhZ

Bez

E

mz

-E

マZ

E

mz

-

NZ

内。

各採水地点の EC,T-N, N03-N (8/25採水)図 1

分析項目および方法

分析項目 分析方法 分析機器

T-N 吸光光度法

多検体TNPセット

N03-N セントラル科学(HC-I000)

EC 交流2極法導電率計

堀場製作所 (B-173)

陰イオン イオンクロマトグラフ法高速液体クロマトグラフ

日立製作所 (L-6000)

金属元素 ICP質量分析法誘導結合プラズマ質量分析装置

Agilent (7500c)

炭酸 (HC03-) 中和鴻定法

表 1

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143

表 2 回帰式の係数

切片水系 採水日 傾き 決定係数

y x

広内8/25 0.0079 -0.47 59.73 0.99

9/22 0.0073 -0.52 71.71 0.97

鹿里8/25 0.0046 -0.39 84.22 0.88

9/22 0.0054 -0.50 92.96 O.朗

藤山8/25 0.0009 -0.03 33.22 0.84

9/22 0.0012 -0.06 50.58 0.72

導電率情報を利用した調臨海水の全窒素濃度の推定

2∞

2∞

4()

各採水地点の陰イオン濃度 (8/25採水)

2∞

80 ~ 40

AU

E

トh

E明

wh出

E

mh出

・マL

E円Hh

-h同az点

'E地

2山川

E

j

hhz

wz

-mZ

E

マヱ

Z

-NE

E-z

図4

150

ECとT-Nの関係 (8月.9月)

160

|園 CI回 SO,ト+ 配 |

0.50

;IO刊

10.30 樹司直入 0.20倹、ヤ

盤 。10

0.00 I・-,-,圃i・_._.-・_._._.-・_._.-園田OEg gEE 主主~~~~ Ü:&:! ~(l~ 旨 E

採水地点

図3

1曲

各採水地点の金属濃度 (8/25採水)

合は,広内,鹿里,藤山の順に大きかった.また,藤

山の決定係数は他の水系と比較してやや低くなってい

るが,これは. T-Nが2.0mg/L以内の狭い濃度範囲

に集中しており,分析機器の精度(土0.05mg/L)に

よる影響が大きくなったためと考えられる.傾きおよ

び切片が水系によって異なる理由として.無機態窒素

以外のイオンの影響が考えられるため,水中の陰イオ

ン濃度および金属元素濃度について分析を行った.

陰イオン (Cl-と80/-)の分析結果を図 3に示す.

Clーは採水地点によらずほぽ一定の値となったが,

8042ーはT-Nが高い値を示した広内の 2地点(H1.

H2)および鹿里の 3地点 (R1.R2. R3)で高くなつ

な.これは,肥料として使われる硫酸アンモニウムの

影響で,窒素分が吸収された後. 8042ーが流亡したた

めと考えられる.

金属元素 (Na.Mg. K. Ca)の分析結果を図 4に

示す.Naは採水地点による大きな違いは見られない

が. MgとCaは広内の 2地点(H1. H2)および鹿

里の 3地点 (R1.R2. R3)で高くなっている.また,

Kは鹿里でやや高いものの水系による差は小さかっ

た.

陰イオンおよび金属元素の濃度が回帰式の係数に与

える影響について検討するために. T-N変化に対す

る陰イオンと金属の合計濃度をみると(図 5).正の

相関が示された.水系ごとにみると.藤山,鹿里,広

内の順に T-Nに対する変化割合が大きい.このこと

から,藤山では無機態窒素以外のイオンがECに及ぽ

す影響が大きく,その結果,表 2の回帰式の傾きが小

さくなった(ECに対する T-Nの変化割合が小さくなっ

た)と考えられる.また.各水系の陰イオンと金属元

素の合計濃度は,鹿里,広内,藤山の順に大きく.機

軸の切片の値 (T-Nがゼロの時の EC値)に反映され

たものと考えられる (T-Nがゼロの時の EC備は鹿里

で最も大きかった).

T-Nに対する陰イオンおよび金属濃度の変化を

みると. Caおよび Mgで高い正の相関が見られた

(図 6).戸田ら (2000)は,群馬県の渓流水について

N03 とCa2+に強い正の相関がみられることを報告

しており,また,呉ら (1998)は.pH4.9のスギ林土

壊において. N03-Nの生成量の増加に伴い Ca2+お

よびMg2+が増加するとしている.このように水溶性

イオンが繕加するのは,硝化作用で生成した H+が

土壇コロイドに吸着されている交換性陽イオンと交換

されるためとされている(生原. 1994). 本研究では

T-Nのうち N03-Nが占める割合が大きいことから,

100

EC(μS/cm)

50

図2

10

。。

8

ζ

u

a

a守

(、芯E)Z,↑

2

|園 出回 M8口 K圃 Ca-+--EC I l∞

iO曲

樹:04() 4国

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144 富田景子ら

;l∞ 歩性g0.80 卜一一一 --~メ.--一一ー 一一一一一一一ー-ー-型車 | ー,,/ . お l ・30ω 機I ~ 0.40 唾

望。20 ~ 入4マ通o∞

O.∞ 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70

T-N(IITOOVL)

図5 T-Nと陰イオンおよび金属濃度の関係

(8/25採水)

N03-Nが高くなった地点で土壌から Ca2+,Mg2+が

溶出したためと考えられる.また,陰イオンおよび

金属濃度のうち, T-Nに対する変化割合が最も大き

いのは藤山の Caであった.呉らは,水溶性 Ca2+,

Mg2+, K+, Na+の生成量について,スギ林土嬢は

ヒノキ林土媛より多いとしている.今回調査した水系

のうち藤山は木に閤まれた立地であり,水系周辺の樹

木によって土媛成分,すなわちイオン量に違いが出た

ものと推察される.

炭酸濃度の分析結果を図 7に示す.なお, pH8以下

の天然水においては,含まれるアルカリ成分は

NaHC03や Ca(HC03)2などの炭酸水素塩であるため,

HC03 - (炭酸水素イオン)として表示する.HC03-

濃度は,すべての採水地点において他の陰イオンまた

は金属元素濃度より高い値を示した.しかし,図 7か

らわかるように, T-Nの糟加に対して, HC03 は藤

山で堵加するものの,広内.鹿塁では減少した.これ

は,他の陰イオンおよび金属元素とは異なる傾向であ

るが,T-Nに対する陰イオンと金属元素の合計濃度

の変化割合が藤山で最も大きいという結果に合致する

ものである.

要 約

。υ弓

LAυ (、

g。呂田)帽

に) 0.10

ハυ

40υ (d-。E)。0~ 0.10

0.30

/7 0.00

.広内 R2=0.98

・ 鹿里 R2=O.91

ム藤山 R2=O.51

0.00 0.20 0.40 0.60

T-N(mroVL)

0.80

0.30

0.00

.広内 R2=O.97

・ 鹿里 R2=0.74

ム藤山 R2=O.63

0.20 0.40 0.60

T-N(mroVL)

図 6 T-NとCaおよび Mgの関係 (8/25採水)

0.00 0.80

0.80

冨0.60

~ 0.20 l一一一一一一ーよ~0.00

0.00 0.40

T-N(mroVL)

図7 T-NとHC03 の関係 (9/22採水)

0.80 0.20 0.60

帰式の係数が水系ごとに異なる要因として,水中のイ

濯潟水中の T-Nを推定する方法として導篭率 オンの影響を考察した. T-Nに対する陰イオンおよ

(EC)情報の利用を検討した.福岡県八女郡星野村の ぴ金属元素の濃度変化をみると,8042-, Caおよび

異なる 3つの水系に位置する広内,鹿里.藤山地区の Mgで正の相関がみられた.8042ーとの相関は,肥料

棚田を対象に水質調査したところ,ECとT-Nには正 .として使われた硫酸アンモニウムの影響と考えられた.

の相闘が認められた.EC値に基づいて T-Nを推定す Ca, Mgとの相関については.本研究において,T-N

る回帰式を求めた結果,回帰式の傾き,切片は水系ご のうち N03-Nが占める割合が大きかったことから.

とに異なり.傾き,すなわち EC値に対する T-Nの N03-N濃度が高い地点で土壌から Ca2¥ Mg2+が溶

変化割合は,広内,鹿里,藤山の順に大きかった.回 出したためと考えられる.また,水系周辺の樹木が土

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導電率情報を利用した漕海水の全窒素濃度の推定 145

報, 44: 1・100壕成分(イオン畳)に影響を与えている可能性も考察

された.以上の結果から,水系ごとに EC値と T-N

の関係について線形回帰式を求めることにより, T-N

を推定し得ることが示唆された.

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応:3施肥法の違いが収量並びに品質におよぽす

影響.日本作物学会東北支部会報, 13: 20・21

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Summary

The information of electric conductivity (EC) was investigated as an indicator for estimat-

ing total nitrogen concentration (T-N) in irrigation water. Water quality indicators, such as

T-N, EC, and concentration of metallic elements and anions, were measured at rice terraces in

Hoshino village, Yame-gun, Fukuoka prefecture, Japan. The rice terraces were located in 3

different water systems. The result showed a positive correlation between EC and T-N

Thus, linear regression equations were calculated to estimate T噌Nby using EC as an independ-

ent variable. Coefficients of the slope and the intercept in the regression equations were dif-

ferent among water systems. The slope of a regression equation, which represented the rate

in change of T-N against EC, was the largest in Hirouchi area, followed by Rokuri and

Fujiyama areas

Next, the effect of ion concentration in irrigation water was investigated to identify the rea-

son that the regression equations had different coefficients among water systems. T-N had a

strong positive correlation with 80/-, Ca and Mg. It was examined that the correlation with

8042- was caused by ammonium sulfate, which was used for fertilizer. The correlation with

Ca and Mg was explained by elution of Ca2+ and Mg2+ from soil at the locations of high NO

3-N concentration. N03-N accounted for large portion in T-N in this study. Also, it was ex-

amined that trees around a water system would be a possible factor that affected soil compo-

nents (ion amount). From the above consideration, it was indicated that T-N ∞uld be

estimated by a linear regression equation for each water system based on the EC information.