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主な将来計画とその方向性
・硬X線(E>10 keV)& 広帯域: NuSTAR(2012‐), ASTRO‐H(2015‐), ASTROSAT(2014‐), HXMT(?), FFAST
・高分散分光(E/ΔE~1000): ASTRO‐H(2015‐), DIOS
・広視野サーベイ: eROSITA(2015‐), HXMT(?), DIOS, WF‐MAXI, FFAST
・時間分解能: NICER (2016‐), LOFT
・偏光: GEMS, PolariS
・総合力: ATHENA+(2028‐)
※ 日米欧に加え、インド(ASTROSAT), 中国(HXMT)も参入予定
赤:approved
ASTRO‐H(日+米欧、2015年打上げ予定)
1. Micro‐calorimeter (高分散分光)0.3‐12 keV, ΔE=5eV, FOV=3’, Δθ=1.3’
2. Soft X‐ray CCD (広視野)0.4‐12 keV, ΔE=150eV, FOV=38’, Δθ=1.3’
3. Hard X‐ray imager (硬X線)5‐80 keV, ΔE<2keV, FOV=9’, Δθ=1.7’
4. Soft γ‐ray Detector100‐600 keV, no imaging capability
Suzaku (6m, 1.7t)
ASTRO-H
14m2.4t
・広がった天体のスペクトル分解能が従来の30倍
・コンパクト天体では E>4 keV(Fe‐K lines)で30倍
X線で何が見えるのか?・熱的ガス: T >106K、V>100 km/s (陽子)
主に制動放射 & 高階電離イオン輝線
e.g. He‐like Fe 6.7 keV (1s2p‐1s2)
・非熱的電子: V~c 相対論的
シンクロトロン放射:
逆コンプトン散乱:
・中性(に近い)重元素
反射・蛍光放射 e.g. 中性 Fe 6.4 keV (Kα)吸収
など。 スケールは、ブラックホールから銀河団まで様々。
強度∝n2
n vs. n2
背景との面密度比~1
可視光(∝星の数)
背景との面密度比>100→ 同定しやすい & バリオン
の大半は銀河間空間に
X線輝度(∝ガス密度2乗)
Bullet cluster at z=0.3(Markevitch & Vikhlinin 2007)
銀河団衝突=構造形成の現場
Bullet cluster (1E0657‐56) @ z=0.3 (Clowe+08)カラー: X‐ray (collisional gas)等高線: weak lensing (collisionless DM)
Mach number ~ 3.0 (γ=5/3) Vpreshock ~4700 km/s Vpostshock~1600 km/s(Markevitch & Vikhlinin 2007)
1’=270 kpc
・ショック面の存在:
ショック面 ・DMがガスから分離: σSI/m < 1~5 cm2/g
素粒子モデルに依存しない制限
(Markevitch et al. 2004)
Kinetic energy ~1064 erg
接触不連続面(コールドフロント)
頻度?ガス物理?
Collisionless heating?
Projected TeChandra 0.5-7.0 keV500 ksec(Markevitch 2006)
Bullet cluster の加熱領域L ~100 kpc (~20”at z=0.3)Vpostshock ~1600 km/s
⇒ 伝播時間 L/V ~ 108 yr<tCoulomb(e,p)
collisionless heating ?or Te << Tion?
現状は不定性も大きいが、希少な観測的実証例恐らく粒子加速もしている(電波シンクロトロン放射)
※太陽系、SNRと相補的
Rankine-Hugoniot 関係ショック前後の温度・密度ギャップ
⇒ 速度の間接測定
宇宙論的ガスの運動
1. Internal shocks既に加熱されたガスの衝突or AGN 等によるフィードバック低マッハ数(2~4), 高密度
2. External shocks冷たいIGMへ外から降着高マッハ数(~100), 低密度観測では未検出
3. 乱流?理論・観測ともに不定粒子加速?圧力への寄与?
Ryu et al. (2003)Cosmological mesh simulationΛCDM, L=100 Mpc/h,
M
密度 Internal shock
external shock 速度
いずれも速度構造は測定されていない→ ASTRO‐Hをはじめとする高分散X線分光(cf. Suzakuによる示唆 Tamura+2010)
Mock observations by ASTRO‐H(ASTRO‐H サイエンスワーキンググループ)
Perseus cluster@ z=0.018
X線で最も明るい銀河団
中心部に弱いショック、バブル等、中心銀河との相互作用の兆候
視野=3’×3’ 空間分解能=1.3’
Chandra image& ASTRO‐H FOV
100 kscentral 3’×3’5 eV resolution
Mock Perseus spectrum(ASTRO‐H team)
He‐like Fe6.7 keV
100 km/sの乱流=熱エネルギーの~1%
乱流速度
従来の分解能
エネルギー分解能の必要性
1. 輝線のシフト:バルク運動
視線速度分散
Einstein coeff. for He‐like Fe @ 6.7keV2. 輝線の広がり: ランダム運動
natural
thermal
turbulent
V~100km/s の測定には、分解能~5eV が必要& 複数の元素の組み合わせ ⇒ Tion と乱流の分離
+
+
+instrumental
FWHMs
高分散X線分光の測定量
・ ガス視線速度:バルク運動 (輝線シフト)乱流を含むランダム運動 (輝線幅)
・ イオン温度 (異なる重元素線の幅)
・ 電子温度、密度(連続成分)
・ 電離平衡からのずれ (同一重元素の輝線比)
・ 各種重元素量( O, Ne, Mg, Si, S, Ar, Ca, Cr, Mn, Fe, Ni,,,)など
初めて
質の向上
※ASTRO-Hカロリメータ は、近傍の明るい銀河団に適している。より遠方・暗い領域の詳細な高分散分光は、2020年代に期待。
AGN feedback (高分散分光)
M87 (Virgo 銀河団中心)周辺平均~3keV の高温ガス中に~1 keVの低温ガスフィラメント中心AGNからの電波ローブと相関(Werner et al. 2010)
色:低温(1 keV)ガス等高線: 電波
圧力マップ→弱いショックの兆候
エネルギー・物質輸送の現場?運動&重元素量の精密測定が鍵
ASTRO‐HSXS視野
クーリングフロー問題
何が冷却を止めているのか?なぜ普遍的か?(銀河の上限質量?)Energetics 的には長い歴史と諸説あり、具体的プロセスの実証が必要
Allen et al. 2001Voit et al. 2004
銀河団中心部:放射冷却時間<宇宙年齢
→ そのままでは過冷却
異なるガス温度がスケーリング
構造形成と粒子加速 (硬X線+高分散分光)
Radio (contours) & X‐ray (color) in Coma cluster(Brown & Rudnik 2011)
銀河団からの広がった電波放射γ~104電子によるシンクロトロン
ショックと一致しているとは限らず、全体に広がっているものも多い起源もエネルギーも不明
⇒ 同一の相対論的電子は硬X線で逆コンプトン散乱現状では未検出
⇒NuSTAR、 ASTRO-H 磁場、エネルギー密度の分離& 速度(乱流、バルク運動)
⇒加速機構(in-situ or secondary)
Compton thick AGN (硬X線)
Ballantyne et al. 2011
X線背景放射スペクトル
2‐10keV は大半がAGNに分解。ただし、硬X線(~20keV)のピーク等は説明不可
↓軟X線が吸収された(NH > 1024 cm‐2)AGN?
Compton thick AGN (硬X線)
NH = 5x1023 cm‐2
1x1024
5x1024
1x1025
3% of NXB
AGN統一モデル&星形成との関連→ 「埋もれた」AGN
ASTRO‐H mock spectra (Terashima, Ueda & ASTRO‐H team)
Swift J0601‐like.Scattered emission not included.
硬X線が新しいプローブに赤外線とは相補的(コンタミ少)
ブラックホール近傍
UV/opt
inv. Compton
Disk への入射&反射スペクトル(和が観測される)
Comptonhump at >10kev
蛍光線~6.4keV
接近側後退側
Fabian et al. (2000)
Beaming&横ドップラー
重力赤方偏移⇒ BHからの
距離 r/M
(Compton thin, 硬X線+高分散分光)
Dovciak et al. (2013)
ブラックホールスピン円盤による反射、かつ内径= Innermost
Stable Circular Orbit ならば、a > 0.84Mrin < 2.5M (a=0 なら6M)
⇒巨大ブラックホール成長史の鍵情報
※広帯域スペクトルによる成分分離が必要(吸収体とする立場もある)
※ Steller BH では、disk自体のcontinuum からも測定可
※内側ほど早く反射するので、時間分解できればdisk 構造が調べられる(reverberation)
NuSTAR (硬X線) & XMM(軟X線)同時観測(NGC1365, Risati et al. 2013)
Comptonhump
Fe蛍光線
Warm Hot Intergalactic Medium
1. 現在観測されるバリオンの総和 << ΩB→大量のMissing Baryon(Fukugita et al. 1998)
2. 理論予言:kT=105~107K、δ=10~1000の希薄銀河間ガス WHIM(e.g., Cen & Ostriker 1999)
⇒軟X線 (E<keV) での広域探査OVII, OVIII, NeIX,,,
Simulated distribution of WHIM1辺 70Mpc=5.5度 at z=0.2 (Takei et al. 2011)
blue: δ>75green: δ>10
Mock WHIM spectrum (DIOS)
高分散&広視野観測(ΔE<2eV, FOV=1 deg)OVII とOVIII により、δ>30を検出 (WHIMの約30%)輝線比から温度(T>106 K)も測定可より低密度では、フィードバック、電離非平衡などの理論的不定性大
OVII triplet 561-574 eV
OVIII 653 eV
銀河&BGD
DIOS約5Ms相当(Takei et al. 2011)
WHIM at z=0.033
ダークマター探査
1. 素粒子実験、γ線いずれも未検出。
2. Robust bounds:a) If fermion,
位相空間密度(dSph)<縮退分布 → mDM > 0.4 keV(Tremine & Gunn 79; Boyarsky+09)
b) If velocity ~ thermal, free‐streaming < galaxy scale → mDM > О(keV), WDM質量が大きすぎるとCDMの諸問題(substructureなど)へのメリットなし
⇒いずれも、 最も軽いDM候補はX線領域に。寿命>宇宙年齢で良い。
Decay rate = 1/lifetime DM Surface density
Sterile neutrino DM?
・WDMの候補弱い相互作用しないactive νとmixing一般に非熱的
・E=mc2/2 の光子とactive ν に崩壊
・他の信号との分離、DM分布が必要→ dSph, 銀河中心、
銀河団などの高分散分光(ASTRO‐H, DIOS, ATHENA+,,,,)
現状のX線観測(未検出)による制限(νMSM, Boyarsky et al. 2013)
X線観測とダークエネルギー
Vikhlinin et al. (2009)ROSAT selected & Chandra follow‐up49 clusters with <z>~0.0537 clusters with <z>~0.55 model: Tinker et al. (2008)
銀河団の「絶対数」の進化・密度ゆらぎから予言可能・距離測定とは相補的な宇宙論テスト※ z>1 &正確な質量測定が鍵
(DEなし、開いた宇宙)
(DE あり、平坦な宇宙)
All sky survey by eROSITA on SRG (2015‐)
In 4yrs~105 clusters up to z~1.5
(現状の100倍)& 3×106 AGNs
Extended sources(Merloni et al. 2012)
赤方偏移フォローアップ(photo/spec) 必要
ROSAT all sky
ROSAT deep
平均空間分解能25”最初のX線衛星@L2
黄道極方向
標準宇宙論の検証例
highest σ objects
境界質量以上の銀河団が全天に1つでも見つかれば、ΛCDM+Gaussian と矛盾
正確な質量測定(特にz>1)が課題
Harrison & Coles (2012) Extreme value statisticscf. Mortonson et al. (2011)
標準宇宙論の検証例
線型ゆらぎ成長率の一般化(Linder & Cahn 2007)
γ=0.55: GR, ΛCDM, w=-1
(1%以下の誤差)0.57: GR, wCDM, w=-1/30.68: DGP (braneworld) gravity z, スケールに依存: f(R) gravity
幾何学的方法(距離、膨張率)での縮退が解ける加速膨張開始期(z~1)をまたぐデータが重要
既存データによる制限(Rapetti+12)
Flat CDM
幾何
GR
Λ