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計測工学Ⅰ 【第12回】長さを測る
今日の内容
• シラバスから • 直接法と間接法、アッペの原理、バーニア目盛、ノギス、マイクロメータ、電気的計測方法、モアレ模様、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、測長機、空気マイクロメータ、光学的測長法、形状測定、操作型トンネル顕微鏡について学習する。
• 今日の範囲は、教科書P36〜P55です。
直接法と間接法
• 直接法 • 物差し、直尺、巻き尺、ノギス、マイクロメータなど
「長さ」を直接「標準」と比較するか、表示する。
• 間接法 • 長さと比例など一定関係で変化する他の物理量を
測定する。 • センサで測定し、AD変換してデータをパソコンなどに取り込む
• 電気的、光学的な手法
アッベの原理(Abbe’s Principle) • 被測定物と標準とを同一直線上 に配列した場合に、幾何学的な 測定の誤差が最小になる。
• 数学的な説明は、教科書P38 こんな感じで、身長計を傾けて 身長を計測した時 身長計に乗っている場合が 誤差の影響が最小となる。
http://pixta.jp/tags/直立不動
被測定量の軸
測定器(身長計)が離れて置いてあって、横板で結ぶと、 軸が離れている分に「傾き」の 影響がのってくる。
すぐそばの 身長計の軸
離れて置かれた身長計の軸
目盛りを拡大して読む
• 原則として、目盛りは「最小刻み」の10分の1まで読む。 • 最小読み取り値 • 精度と最小読み取り値は違うので、注意が必要
• 「てこ」の原理で、目盛りを拡大する • 「ダイアルゲージ」 教科書P37
• マイクロメータでは、「ねじ」が1回転する「円周」に沿って目盛りを刻み、「ねじ」の進行方向の「長さ」を拡大する。
ノギスとマイクロメータ
• ノギスは、アッベの原理に従っていない。
• マイクロメータは、被測定物を挟み込むので、アッベの原理に従っている。
http://blog.techno-global.co.jp/2009/10/blog-post_29.html
バーニヤ目盛り
• 主尺の9目盛りを10等分した副尺を滑らせる。 • 刻み線が一致したところを読むと、1/10の値まで 長さを求めることができる。
動画引用元:Wikipedia
電気的な変換(差動変圧器)
• 差動変圧器を用いる(教科書P46) • http://vibra.jp/censor/page02.html • 高精度に(最小目盛り0.5µm以下で)「厚み」などを
電気信号として取り出すことが出来る。
電気的な変換(キャパシタンス変換)
• 静電容量方式変位計(教科書P47)
• プローブと被測定物の間にできる静電容量を利用して測定します。プローブと被測定物の距離Dが変化すると容量が変化しますので、これを電圧に変換して出力します。静電容量方式はさらに二種類の方式に分類出来ます。
http://www.iti.iwatsu.co.jp/ja/products/st/sensor.html(2012/05/27現在 )
光学的な拡大とカンチレバー
• カンチレバー(Cantilever) • 梁(はり)の一端が固定され、他端が動くことが出来る構造体。 • 「支点」ですべての荷重を支える。 • 水泳の飛び込み板は、代表的なカンチレバー構造
• この「可動端」にレーザ光をあて、 反射光で変位を測定する。
• 「光てこ」
• 教科書P42
http://homepage3.nifty.com/make_a_splash/page178.html
モアレ模様
• 縞模様の間隔から、元のスケールを拡大して読む。 • 教科書P42 • ディジタルスケールに応用されている。
画像引用元:Wikipedia
エンコーダ
• 教科書P47 • Encoderは、「一般名」で、Encode(符号化)を行うものは
すべてエンコーダ。Decode(復号化)を行うデコーダと 対で、ソフトウェアの「符号化/復号化」処理などで使う。
• が、ここでは「計測用」に、長さを直接符号化してディジタル 入力する機械のことをエンコーダとしている。
リニアエンコーダ
• 教科書P47
http://www.mitutoyo.co.jp/support/service/catalog/06_sokucho/4265_10.pdf
信号をON/OFFするものを用いて、bitパターンを 直接電気信号としてコンピュータなどに取り込む。 移動方向が「直線」のものが、リニアエンコーダ
ロータリエンコーダ
• 回転から、ON/OFFを信号として取り出せれば良く、 ON/OFFのパターンを作ることができるならば、 幅広く様々な構成で実現できる。
http://www.fa.omron.co.jp/product/special/5/senind/biggner/re/principle_structure.html
測長機
• 「標準的な長さ」を測定するために、機械工学系の基本的な計測器。
• 教科書P44 • 間に「被測定物」を挟んだ状態と、
何も挟まない状態とで、スケールを 高精度に読み取る。
• 両方の値の差が実寸になる。
• 教科書で説明がある型以外にも、様々な測長機がある。 • 必要になった時に、計測原理と用途を調べて下さい。
空気マイクロメータ
• 教科書P50 • 空気を吹き付ける。 • 被測定物との距離に応じて
圧力が大きくなる。 • この圧力から、距離を
測定する。
• 「被接触」ではあるが、 空気流が対象物に触れて いるため、厳密には「接触法」 であり、柔らかいものや、 高温物体には使えない。
http://www.alab.t.u-tokyo.ac.jp/~ando/mesnote1.htm
光学的な方法
• 光学マイクロメータ • 三角測量方式の応用:
• 変位xが、光のスポット位置dに変換される。
• レーザ光走査測長機 • レーザ光を走査させ、
間にある測定物で 光が遮断された幅を 測定する。
• 教科書P50
http://www.mitutoyo.co.jp/support/service/catalog/04_seimitsu/13004.pdf
形状の測定
• 教科書P52 • 三次元測定器
• 光干渉法などで、被測定物の表面の状態を測定する。 • 光切断法
• 三次元の物体に「シート光」を当て、画像を記録して、シート光が 当たっている場所から、断面を計算する。
• 走査型トンネル顕微鏡 • 導電性の物体表面に
探針電極を走らせ、 流れるトンネル電流で 表面状態を計測する。
画像引用元:Wikipedia
トンネル効果
• 電子のエネルギー状態は、「粒子性」と「波動性」で 説明される。 • 粒子としては、移動できない「壁」の先に、
「波動」として移動できてしまい、あたかも 「トンネル」があるかのような現象
• コンピュータなどが「微細」になって くると、こうした「確率現象」の影響も 受けるようになってくる。
動画引用元:Wikipedia
今日のまとめ
• アッベの原理は、直接法による計測では重要
• ノギスはバーニヤ目盛りで最小読み取り精度を挙げている。マイクロメータは、アッベの原理に従った測定機器。
• リニアエンコーダや、ロータリエンコーダなど、直接 移動長や回転角をディジタル信号化する技術がある。
• レーザ光は、長さの測定では様々に応用されている。
• 走査型トンネル顕微鏡の名前は知っておいて欲しい。
次回予告【第13回】動きや振動、力・トルクを測る • ポテンショメータ、差動変圧器、静電容量型センサ、ロータリエンコーダ、空間フィルタ、相関法による速度センサ、ドップラ速度計、加速度センサ、ひずみゲージ、ロードセル、圧電素子、馬力の測定について学習する。