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鹿児島市内120校へアクセスポイントを導入 教育コンテンツをタブレットから活用し 新しい授業スタイルの確立へ  鹿児島市教育委員会 様 鹿児島県は教育現場でのICT環境の整備が進んでおり、児童・生徒用コンピューターが4.5人 に1台という全国1位の普及率 を誇ります。中でも鹿児島市は、小中高合わせて120校の 学校を抱え、積極的にICT環境の整備に取り組まれています。 そ の 環 境 整 備 と 運 用 を 担 う 鹿 児 島 市 教 育 委 員 会・学 習 情 報 セ ン タ ー は2013年、 「WAPS-APG600H」を全小・中学校に配布し、タブレットを用いた教育環境の整備に着手し ました。 ※出典:文部科学省「平成24年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」 写真:鹿児島市教育委員会 学習情報センター 主幹 山下聖和 氏(右端)、 指導主事 木田博 氏(左端)とICT支援員の皆さん 「KEIネット」を通じてICT教育を提供 鹿児島市教育委員会は、“教育の質の向上”を 目指して「教育の情報化」を図るべく、「情報教育 (情報活用能力の育成)」「教科指導におけるICT 活用」「校務の情報化」という3項目について計画 を推進しています。 ICT環境の整備と情報教育を推進するため、学 習情報センターでは2001年から「鹿児島市教育 情報ネットワークシステム(KEIネット)」と呼ばれ る教育用ネットワークを整備・提供しています。学 習情報センターと各校のパソコンは、このKEIネッ トで結ばれ、各学校間の情報交換や情報発信、学 習コンテンツ配信などを行っています。 全120校にタブレットと アクセスポイントを配布 国は、2020年度までに小中学校の生徒一人に 1台のタブレットを整備する計画を掲げています。 鹿児島市教育委員会でもこの方針方針を踏まえ、 2013年度から新たにタブレットを導入する計画 を進めてきました。 もともと鹿児島市の各校では、2009年(平成 21年)に提唱され、推進されたスクール・ニュー ディール政策において、デジタルテレビやパソコ ン、無線LAN環境などを整備してきましたが、今 回新たにタブレットを使った新しい授業スタイル を実現するため、パソコン用とは別にタブレット専 用のアクセスポイントを導入し、電子黒板やKEI ネットと連携させることになりました。 「ただタブレットを配布するだけでは、授業に活 用することは困難です。私たちは、電子黒板と連 携することによって、“このような授業ができる”“こ のように使ってほしい”というイメージをきちんと 作って各校に提供しました。」(山下氏)  販売店の協力の下、2013年5月ごろから検証 を開始し、2013年秋ごろから順次導入を進め、 初期の導入分として、全120校に教員用・生徒用 のタブレットを各5~10台、アクセスポイント 「WAPS-APG600H」を各1台配布しました。 無線LANを通じてタブレットと 電子黒板を連携 「タブレットの利点は、場所にとらわれずに学べ るというところにあります。コンピューター室だけ でなく、普通教室で活用するためには、無線LAN が非常に重要になっています。実際に授業のたび にタブレットやアクセスポイント、電子黒板を各教 室間で移動させている学校もあります。」(木田氏) 生徒用と先生用のタブレットは、電子黒板と無 線LANによってつながっています。生徒は授業に 合わせてグループに配布したタブレットを用いて 学習し内容をタブレットに入力したりします。先生 はタブレットで生徒用タブレットの画面を確認す ることができ、任意の画面を電子黒板に表示する ことも可能です。  授業用のコンテン ツはKEIネットで 配信 ICT教材は、学習情報 センターが提供するも のの ほ か、各 校 の 教 員 が作成したものをKEI ネットサーバーにアップ ロードすることで、他校 でも共有できるようにし ています。KEIネットの ポータルサイトもタブ レットの導入にあわせ て、タブレットでもタッ プしやすいボタンデザイ ンを採用するなど、イン タフェースなどの使い勝 手を工夫しています。  「タブレットの活用方法について、各校の代表の 先生に研修を受けていただいたほか、 ICT支援員 が学校に赴いて研修をしたり、冬期講習を開いた りして、学んでいただきました。市内に3,000人 以上の教員がいますので、研修は非常に重要で す。」(木田氏)  実績あるバッファロー製品で安心 実は、バッファローのアクセスポイントは、前述 したスクール・ニューディール政策の際に各校に 導入されています。導入以来、大きな故障はまっ たく発生しておらず、非常に安定的に稼働してい ます。 「新しいアクセスポイントも、同様に長期間安定 して稼働することが期待できますし、安心して利 用できます。製品も安価ですし、運用コストも最 小限で済んでいますので、非常にコストパフォー マンスに優れた製品だと実感しています。」(山下 氏)との評価をいただきました。 0041 buffalo.jp/jirei ピックアップ導入事例 エアステーション プロ WAPS-APG600H 導入製品 安価で安定した無線LAN環境を 構築できる 法人様向けアクセス ポイント KEIネットの概要図 インターネット 光ファイバー 教育用コンピュータ 校務用コンピュータ 教育用タブレット コンピュータ室 職員室 普通教室 特別教室 ※タブレット授業向けに 新規導入 ※設置場所は各校に委任 WAPS-APG600H WAPS-HP-AM54G54 WAPS-APG600H ※小学校はPC室に導入済 教材コンテンツ 配信サーバー 学習情報センター 小・中学校/高等学校 KEIネットサーバー ※普通教室向けに 既存導入済

鹿児島市内120校へアクセスポイントを導入 教育コンテンツをタブレット … · 電子黒板を連携 「タブレットの利点は、場所にとらわれずに学べ

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Page 1: 鹿児島市内120校へアクセスポイントを導入 教育コンテンツをタブレット … · 電子黒板を連携 「タブレットの利点は、場所にとらわれずに学べ

鹿児島市内120校へアクセスポイントを導入教育コンテンツをタブレットから活用し新しい授業スタイルの確立へ 

鹿児島市教育委員会 様 鹿児島県は教育現場でのICT環境の整備が進んでおり、児童・生徒用コンピューターが4.5人

に1台という全国1位の普及率※を誇ります。中でも鹿児島市は、小中高合わせて120校の

学校を抱え、積極的にICT環境の整備に取り組まれています。

その環境整備と運用を担う鹿児島市教育委員会・学習情報センターは2013年、

「WAPS-APG600H」を全小・中学校に配布し、タブレットを用いた教育環境の整備に着手し

ました。

※出典:文部科学省「平成24年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」

写真:鹿児島市教育委員会 学習情報センター 主幹 山下聖和 氏(右端)、 指導主事 木田博 氏(左端)とICT支援員の皆さん

「KEIネット」を通じてICT教育を提供 鹿児島市教育委員会は、“教育の質の向上”を目指して「教育の情報化」を図るべく、「情報教育(情報活用能力の育成)」「教科指導におけるICT活用」「校務の情報化」という3項目について計画を推進しています。 ICT環境の整備と情報教育を推進するため、学習情報センターでは2001年から「鹿児島市教育情報ネットワークシステム(KEIネット)」と呼ばれる教育用ネットワークを整備・提供しています。学習情報センターと各校のパソコンは、このKEIネットで結ばれ、各学校間の情報交換や情報発信、学習コンテンツ配信などを行っています。

全120校にタブレットとアクセスポイントを配布 国は、2020年度までに小中学校の生徒一人に1台のタブレットを整備する計画を掲げています。鹿児島市教育委員会でもこの方針方針を踏まえ、2013年度から新たにタブレットを導入する計画を進めてきました。 もともと鹿児島市の各校では、2009年(平成21年)に提唱され、推進されたスクール・ニューディール政策において、デジタルテレビやパソコン、無線LAN環境などを整備してきましたが、今回新たにタブレットを使った新しい授業スタイルを実現するため、パソコン用とは別にタブレット専用のアクセスポイントを導入し、電子黒板やKEIネットと連携させることになりました。 「ただタブレットを配布するだけでは、授業に活用することは困難です。私たちは、電子黒板と連携することによって、“このような授業ができる”“このように使ってほしい”というイメージをきちんと作って各校に提供しました。」(山下氏)  販売店の協力の下、2013年5月ごろから検証を開始し、2013年秋ごろから順次導入を進め、初期の導入分として、全120校に教員用・生徒用

のタブレットを各5~10台、アクセスポイント「WAPS-APG600H」を各1台配布しました。

無線LANを通じてタブレットと電子黒板を連携 「タブレットの利点は、場所にとらわれずに学べるというところにあります。コンピューター室だけでなく、普通教室で活用するためには、無線LANが非常に重要になっています。実際に授業のたびにタブレットやアクセスポイント、電子黒板を各教室間で移動させている学校もあります。」(木田氏) 生徒用と先生用のタブレットは、電子黒板と無線LANによってつながっています。生徒は授業に合わせてグループに配布したタブレットを用いて学習し内容をタブレットに入力したりします。先生はタブレットで生徒用タブレットの画面を確認することができ、任意の画面を電子黒板に表示することも可能です。 

授業用のコンテンツはKEIネットで配信 ICT教材は、学習情報センターが提供するもののほか、各校の教員が作成したものをKEIネットサーバーにアップロードすることで、他校でも共有できるようにしています。KEIネットのポータルサイトもタブレットの導入にあわせて、タブレットでもタップしやすいボタンデザインを採用するなど、インタフェースなどの使い勝手を工夫しています。 

 「タブレットの活用方法について、各校の代表の先生に研修を受けていただいたほか、ICT支援員が学校に赴いて研修をしたり、冬期講習を開いたりして、学んでいただきました。市内に3,000人以上の教員がいますので、研修は非常に重要です。」(木田氏) 

実績あるバッファロー製品で安心 実は、バッファローのアクセスポイントは、前述したスクール・ニューディール政策の際に各校に導入されています。導入以来、大きな故障はまったく発生しておらず、非常に安定的に稼働しています。 「新しいアクセスポイントも、同様に長期間安定して稼働することが期待できますし、安心して利用できます。製品も安価ですし、運用コストも最小限で済んでいますので、非常にコストパフォーマンスに優れた製品だと実感しています。」(山下氏)との評価をいただきました。

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ピックアップ導入事例 グループに1台では足りない 「各校に尋ねると、タブレットを増やして欲しいという要望をよく聞きます。まだ計画がスタートしたばかりですし、温度差もありますが、積極的に使ってもらえているようです」(木田氏) また文教ならではの課題も見えてきました。例えば、授業コンテンツを先生が各タブレットに一斉配信したり、体育で跳び箱の飛び方を学ぶときに大容量の動画を閲覧したりなど、ビジネス用途では考えにくい使用状況が発生することがあるのです。  「生徒全員にタブレットを配布したとしたら、1クラス40名が一斉に授業の動画を観ることになるかもしれません。すると、1台のアクセスポイントではまかないきれませんし、複数台設置したら干渉の問題も発生します。これをどう解決すべきかが、現在の課題です」

時代や技術の移り変わりへ柔軟に対応したい こうした課題に対して、学習情報センターでは柔軟に計画を進めていきたいとしている。 「基本的な方針は持っていますが、教育環境やICT技術はめまぐるしく変化するものです。今は急速に普及しているタブレットですが、近い将来、別のデバイスなどが登場して状況が変化するかもしれません。そのときに融通が利かないようでは、計画の推進に支障がでてしまうでしょう」  まず目指したいのは、各校のタブレットの台数を増やし、1つの授業で生徒全員がタブレットを持てるようにすることだという。 「課題としたアクセスポイントの問題もありますから、急に進めることはできませんが、無線LANの技術や製品の発展による解決にも期待しています。状況に合わせて柔軟に対応していきたいですね」

エアステーション プロWAPS-APG600H

導入製品安価で安定した無線LAN環境を構築できる 法人様向けアクセスポイント

KEIネットの概要図インターネット

光ファイバー

教育用コンピュータ校務用コンピュータ

教育用タブレット

コンピュータ室

職員室

普通教室 特別教室

※タブレット授業向けに 新規導入※設置場所は各校に委任

WAPS-APG600HWAPS-HP-AM54G54

WAPS-APG600H ※小学校はPC室に導入済

教材コンテンツ配信サーバー

学習情報センター

小・中学校/高等学校

KEIネットサーバー

※普通教室向けに 既存導入済