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今後のワクチン接種推奨地域の設定について(案)
令和元年 12月 20日
農 林 水 産 省
消 費 ・ 安 全 局
1 防疫指針におけるワクチン接種推奨地域の考え方
(1)現在のワクチン接種推奨地域(以下「推奨地域」という。)
の設定は、野生いのししにおける CSF の感染状況、農場周辺
の環境要因(野生いのししの生息状況、周辺農場数、豚等の
飼養密度、山・河川の有無等の地理的状況)を踏まえ、CSFの
リスクが高い地域を設定する旨を防疫指針で規定していると
ころ。
(2)また、区域の設定にあたっては、面的に範囲を設定し、接種
区域と非接種区域の接触面が最小になるよう設定することと
しているところ。
2 現状・課題
(1)推奨地域は、感染いのししが確認された県に限定してい
る。
(2)野生いのししの感染地域は1年間で東方へ 200km、西方へ
60km程度拡大しており、未だ拡大傾向にある。これを踏ま
え、新たに、経口ワクチンベルトが北関東、近畿北部に設
定。
(3)野生いのししでの感染確認前に農場で発生が確認された事
例がある(埼玉県)。
(4)推奨地域に設定され、接種準備を行っている間に農場で発
生した事例がある(山梨県)。
資料1
3 今後の推奨地域設定の考え方
(1)今後とも、防疫指針に示すように、豚及び野生いのししに
おける感染拡大防止及びその後の清浄化が急務であり、予防
的ワクチン接種は、同指針第3-3に基づき進めていくこと
が必要。この場合、従来から本委員会で指摘しているとお
り、疫学上のリスクを最小限にするため、接種区域と非接種
区域の接触面を最小限にするよう努めるべきである。
(2)それにあたっては、いのししでの感染が確認された県に加
え、これまでの感染拡大の状況から、今後、感染拡大が想定
される地域についても、先行して推奨地域を設定すべきであ
る。
4 今後の推奨地域の設定にあたり考慮すべき事項
(1)ワクチンの増産見込み
12月中に 250万頭分が製造され、その後、ほぼ3か月後に
更に増産される見込み。
(2)農場の環境要因
いのしし感染区域との地形的なつながり、農場の密度等に
加え、同区域とのと畜場等の畜産業や養豚業との関係性の強
さを考慮すべき。
(3)接種区域と非接種区域の接触面の最小化
面的な接種が行えるよう、生産者のコンセンサスが得られ
ている必要があり、接種は飼養豚の発生地域及び野生いのし
しの陽性確認地点又は既接種地域の側から順に接種するよ
う、各都道府県の接種プログラム策定を指導すべき。
(4)経口ワクチンベルト
新たな経口ワクチンベルトの構築場所は、いのししの感染
拡大の可能性を踏まえたものであることを考慮すべき。
5 新たな推奨地域の設定
茨城県、栃木県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、京都府、
及び奈良県
6 ワクチン接種の進め方・留意点
(1)接種区域、非接種区域の接触面を最小とし疫学的リスクを
低減するため、いのししからの感染リスクが相対的に高い地
域から、面的に切れ目なく順次接種していく必要がある。こ
のため、関東平野では西から東へ、近畿地方では東から西へ
計画的に接種を進め、国が各県の接種プログラムについて、
初回接種開始及び終了見込み時期について、別添を基本にし
て調整すること。
(2)発生農場の疫学調査の結果から、野生いのししとの直接的
な感染ではなく、飼養衛生管理の不備による感染の可能性が
ある農場もあることから、ワクチン接種の際には、健康観察
を徹底するとともに、飼養衛生管理の遵守の指導をするこ
と。
(3)接種区域では、ワクチン接種や抗体検査等の継続的体制を
構築すること。
(4)ワクチン接種に伴う農場への定期的な立入りの機会を活用
し、農場とのコミュニケーションを図り、健康状態の確認や
異常豚の早期通報、飼養衛生管理の向上など家畜衛生水準の
向上を図っていくこと。
(以上)
別添
開始時期 終了時期
富山県(3.1万頭)
10/25 11/1
長野県(6.5万頭)
10/26 11/3
静岡県(10.9万頭)
11/3 11/18
山梨県(1.6万頭)
11/17 11/30
埼玉県(9.5万頭)
11/1 1月中
群馬県(63.0万頭)
10/27 2月中
新潟県(18万頭)
12月以降 3月
神奈川県(6.9万頭)
12月以降 1月
東京都(0.3万頭)
12月以降 1月
栃木県(41万頭)
2月以降 4月
茨城県(47万頭)
2月以降 4月
千葉県(60万頭)
2月以降 4月
今後のワクチン接種推奨地域の設定(東日本)
( )内は畜産統計(H31年2月)より引用
開始時期 終了時期
福井県(0.2万頭)
10/25 10/26
滋賀県(0.4万頭)
10/31 11/8
三重県(11.1万頭)
10/25 11/3
京都府(1万頭)
12月以降 1月
奈良県(0.7万頭)
12月以降 1月
今後のワクチン接種推奨地域の設定(西日本)
( )内は畜産統計(H31年2月)より引用
ワクチン接種推奨地域の考え方(イメージ図)
〈現行〉 〈今後の考え方(案)〉
① CSF陽性イノシシ確認県② ①と隣接し山塊が連なっている県③ ①と一部隣接、
又は地域が養豚業と関連性が強い県ワクチン接種推奨地域
山塊
豚飼養農場
ワクチン非接種地域
③①
③
③①
②
①
②
①
②①
①
別紙1
岐阜県
愛知県
静岡県
長野県(6.5万頭)
新潟県
石川県
滋賀県
三重県
京都府
奈良県
山梨県
埼玉県
神奈川県千葉県
茨城県
栃木県福井県
東京都
群馬県
H30年9月野生イノシシCSF1例目
R1.9月
R1.8月
H30.9月
R1.9月
各県内のワクチンの接種順
60㎞円
100㎞円
今後のワクチン接種推奨地域の設定(案)
現在のワクチン接種推奨地域
追加するワクチン接種推奨地域
CSF陽性イノシシ確認地点(外縁部)
12月~ 12月~ 2月~
別紙2
R1.7月
富山県
群馬県
埼玉県
静岡県愛知県
岐阜県
長野県
山梨県
富山県
石川県
福井県
滋賀県京都府
奈良県三重県
東京都
神奈川県 千葉県
茨城県
栃木県
新潟県
現在の接種推奨地域
追加する地域
今後のワクチン接種推奨地域の設定(案) 別紙3
(案)
元消安第 号
令和元年 12月 日
茨城県知事 殿
栃木県知事 殿
千葉県知事 殿
東京都知事 殿
神奈川県知事 殿
新潟県知事 殿
京都府知事 殿
奈良県知事 殿
農林水産省消費・安全局長
CSFに関する特定家畜伝染病防疫指針に基づくワクチン接種推奨地域に
ついて(追加)
豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針(平成 25 年6月 26 日農林水産大臣
公表。以下「指針」という。)第3-3の2(1)に基づくワクチン接種推奨地域
については、「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針に基づくワクチン接種推
奨地域について」(令和元年 10 月 15 日付け元消安第 2990 号農林水産省消費・安
全局長通知)において定めたところであるが、近時の野生いのししにおける CSF感
染状況、農場周辺の環境要因(野生いのししの生息状況、周辺農場数、豚等の飼養
密度、山、河川の有無等の地理的状況)を踏まえ、飼養衛生管理の徹底を図っても
なお豚等での CSF の感染の防止が困難と認められる地域として、下記中下線の都
府県を追加する。
なお、同都府県において作成するワクチン接種プログラムについては、本日 20
日に開催された食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会 第 46回牛豚等疾病小
委員会において、別紙のとおり取りまとめられた今後のワクチン接種推奨地域の
設定に関する考え方、接種の進め方等に基づき、農林水産省が確認することを申し
添える。
(案)
記
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山
県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀
県、京都府、奈良県