Survey Reporton

Digital Built Britain

2018年11月9日東京大学大学院工学系研究科建築学専攻

野城研究室 修士1年 芦立/横山

Contents0_Research Purpose

1_DBB• 1-1DBBとは• 1-2Foreword

2_BIM Level0-2• 2-1BIM Leve• 2-2Level0• 2-3Level1• 2-4Level2• 2-5Level2の実例

3_BIM Level3• 3-1 Executive Summary• 3-2Funding• 3-3Research Re.• 3-4Level3の概要• 3-5Performance Ma.• 3-6Level3 Data cycle• 3-7Big Data

4_Industrial Strategyの統合• 4-1Industrial Strategyの統合• 4-2 Construction 2025• 4-3 Professional and Business Services Strategy• 4-4 the Smart Cities Strategy• 4-5 the Information Economy Strategy• 4-6 個々の成長戦略の重なり

5_Action5-1Action5-2Commercial5-3Technical5-4Cultural

6_References

0 Research Purpose

英国におけるBIM Roadmapの分析BIMにおける世界的な指標とされる英国のBIM Levelを踏まえ, 今一度BIMの社会的な意義・展望を再検討するための材料として, 英国のBIM Roadmapを分析する.

BIM Roadmapの意義BIMにおける将来的な発展を思索していくためには、技術そのもののみならず、技術適応の対象、それを可能にする情報、組織、環境、エネルギーのロードマップを同時に重ね見た、お互いの専門分野間の将来像のフィードバックを踏まえた視点の形成が必要となる。

参考：つなぐBIM(RC-90 報告書)

TOPICS・WHAT? - BIM Level 3とは何か。特に、Level 2とLevel 3で何が違うのか。DBBの目指すVisionを確認する。

・WHO? – 誰が主導しているか。DBBがどのような背景で作られたのか。DBBの社会的な意義を確認する。

METHOD・公文書から得られる情報を整理する。

Digital Built Britainとその周辺のStrategyを中心

に整理し、まとめなおすことを試みた。

1-1 Digital Built Britain とは

BIM Level3の導入に向けた成長戦略

イギリス政府によって2015年2月発行

イギリス政府には、日本の国交省のような建築・土木・都市計画を束ねる省庁が存在しない。

sonoDigital Built Britainは内閣府(the Cabinet Office)のもとで設立された、産学官が連携した委員会によってまとめられ、政府によって発行されている。

1-2 Foreword

Sir David Higgins Mark BewRt Hon Dr Vince Cable MP

「イギリスが建設業界、とりわけDigital constructionの領域において、非常に強みを持っている」

「市場の先頭に立ち、将来にわたって最大限の成長と雇用を生むためには、さらなる投資を行っていく必要がある」

政府関係者/業界関係者のコメント

2-1 BIM levelBew-Richards “BIM Wedge” (2008)

BIM Level0

2-2 BIM level 0-1

単に製図目的で2D CADを使用し, それらを紙に印刷して使用する段階.データを介した部門間の協働（きょうどう）は図られていない.

Level1達成するための必要事項(スコットランド政府の資料より参照)

• 役割と責任の明確化• 命名規則の導入• プロジェクト特定コードとプロジェクトの整合

• CDEとEDMSの導入• 適切な情報の階層化

BIM Level1

2-3 BIM level 0-1

3D CADと2D CADの連携が図られるようになる.ファイルベースの共有システムが構築される.

BIM Level 2

2-4 BIM level 2

部門を超えた協働が図られるようになる.プロジェクトごとに情報交換のプロセスを通じて, 多様なシステムやメンバーとの協調が図られていく.

2-4 BIM level 2

Dependency AnalyticsCapital Delivery(設計・施工プロセス)とOperational Processing(運用・修繕プロセス)が相互に与える影響を分析し, 両者が繋がるプロセスを構築する.

2-5 BIM level 2 example Hong Kong Express Rail

香港中心部で大規模な解体と施工を並行

「英国「BIMレベル3」が示す成長の条件」日経アーキテクチャ 2016/09/14

『そこで、各専門モデルの作成者は、調整を行う必要があるモデルのみを共有サーバーからダウンロードし、各自のローカル環境で設計や調整作業を行った。その成果を定期的に統合モデルに集積する、というワークフローは、BIM Level 2の必要条件である。また、GIS （地理情報システム）データから作成した、既存インフラと建築物のモデル（アズビルトモデル） もプロジェクトチームで共有した。』

バイパス道路と一部工区が重複

→部門を超えた連携が必要

→ファイルベースの統合化されたデータ

3-1 Executive Summary

「小売業や出版業、交通サービスや金融サービスといった他産業においてDigital technologyが大きく影響する」

「Digital technologyは建築においても産業全体を変えていくものであると捉える」

BIM Level2の次なる取り組みとして、、• 他産業も含めたDigital technologyの統合

• インフラ開発や建設に対するアプローチの変換

• 英国の建築業界が世界のリーダーとしての立場を強化

→その結果として、英国の最先端技術を世界に売り込む

3-2 Funding

Level3の普及に必要とされる資金の使い方

• Open Date(標準データ)の形成

• 契約形式における新しいフレームワークの確立

• BIM Level3 の普及に向けた文化的（建築産業）環境の形成

• 一般のクライアントに向けたBIM教育

• 国内外における建築産業の成長及び雇用の促進

3-2 Funding

• cdbbより2018年にて協力する小プロジェクトに対して約750万円(£50000)から3700万円(£250000)の補助金を出すことが発表される。

近年の流れ

• 英国政府は10年で約89兆円(£600billion)の予算を計画している。(年間8.9兆円)• 2017年に英国政府がcdbbに対して約8億円(£5.4million)を寄付した。

Centre for Digital Built Britainとはビジネス・エネルギー・産業戦略省とケンブリッジ大学の産学協同の機関。ケンブリッジ大学は、主に資金の振り分けを行い、戦略的な投資の取りまとめを行う役目を担っている。

3-3 Research Requirements

• BIS• BIM Task Group • UCL

産業政策アカデミック

• Prof Tim Broyd• Prof Alexi Marmot• Professor Jeremy Watson

UCL /建築情報イノベーションUCL/環境イノベーションUCL/エンジニアリングシステム

• Paul Morrell Paul Morrell Consulting• Simon Murray S A Murray Ltd• Sean McGuire Xyratec/Seagate

代表組織

アカデミックの中心的人物

その他の中心的人物

中心人物 Mark Bew

• Barry Blackwell BIS• Simon Rawlinson EC

Harris

3-3 Research Requirements

• Work Stream Leader• Work Stream Group• Review Group• Consultation Group

役割分担

3-4 BIM level 3 の概要

BIM Level3建築生産におけるプロセスを見直すだけでなく, 建築産業という枠を飛び越えた産業間の相互連携を図ることが重点に置かれている.

3-4 BIM level 3 の概要

Dependency Analytics (BIM level 2)Capital Delivery(設計・施工プロセス)とOperational Processing(運用・修繕プロセス)が相互に与える影響を分析し,両者がシームレスに繋がるプロセスを構築する.

Dependency Analytics (BIM level 3)ハードとしての建物のCapital DeliveryとOperational Activityのみならず,ソフト面のperformance managementも含めた相互の関係性を考慮する.

3-5 Performance Management

3-6 Data cycle

Dependency Analytics (BIM level 3)Performance ManagementがCapital Deliveryへフィードバックされ、三者を連続サイクルとしたシステムが構築される.

Interoperable Cross Sector Smart Cities & Smart Grids.建物システムのみならず, 交通システム,水道システム,電力システムと相互運用することにより, 広くヒトをつなぐシステムを構築する.

3-7 Big Data の活用

4-1 Convergence of the Industrial Strategy

Digital Built Britain は産業戦略を一つに繋ぎ合わせる.Construction 2025, the Business and Professional Services Strategy,the Smart Cities Strategy ,the Information Economy Strategyを統合する.

4-1 Convergence of the Industrial Strategy

Digital Built Britain は産業戦略を一つに繋ぎ合わせる.Construction 2025, the Business and Professional Services Strategy,the Smart Cities Strategy ,the Information Economy Strategyを統合する.

Construction 2025

(July 2013)

the Business and

Professional Services

Strategy (July 2013)

the Smart Cities

Strategy

(October 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

Construction 2025(July 2013)

the Business and

Professional Services

Strategy (July 2013)

the Smart Cities

Strategy

(October 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

4-2 Construction 2025

建設業界と政府を繋ぐ長期的なパートナーシップの発展CISAC(Construction Industrial Strategy Advisory Council)が主導.金融政策(Finance Guarantee)と輸出市場(export market)の重視.

Vision• PEOPLE : 魅力ある産業・より安全で健康的な産業• SMART : デジタル経済への移行とsmart construction• SUSTAINABLE : 低炭素資産のより迅速かつ低コストでの提供• GROWTH : 経済全体の成長を推進、維持する産業• LEADERSHIP : はっきりとしたリーダーシップを持つ産業

数値目標 33%のコスト削減 50％の工期短縮 50％の温室効果ガス排出抑制 50％の輸出増加

Construction 2025

(July 2013)

the Smart Cities

Strategy

(October 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

4-3 Professional and Business Services Strategy

経済的可能性を秘めた業界としてのPBSへの注力BEIS(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)の大臣が協同議長を務めるPBSCが主導.企業のさらなる高度なスキルの獲得と新興市場への輸出拡大を目指す.

Professional Services専門的知識を要する産業・法律, 経理, 簿記, 監査, 税務に関するコンサルやコーポレートコミュニケーション

・建築や工学, それに類する技術的なコンサル・科学的な研究開発や技術的な試験分析・広告, 市場分析・デザイン, 翻訳や通訳, 環境コンサル,積算Business Services組織活動をサポートする産業・レンタルやリース、人的資源の斡旋・業務管理やビジネスサポート活動

the Business and Professional Services Strategy (July 2013)

Construction 2025

(July 2013)

the Smart Cities

Strategy

(October 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

4-3 Professional and Business Services Strategy

経済的可能性を秘めた業界としてのPBSへの注力BEIS(ビジネス・エネルギー・産業戦略省)の大臣が協同議長を務めるPBSCが主導.企業のさらなる高度なスキルの獲得と新興市場への輸出拡大を目指す.

VISION・More international英国の競争的優位の維持拡大

・More high skilled教育の促進に向けた産官の連携

・More professional世界的に認められる基準の設定

・More adept in the use of ICTInternetによるビジネスプロセスの変革

the Business and Professional Services Strategy (July 2013)

Construction 2025

(July 2013)

the Business and

Professional Services

Strategy (July 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

4-4 the Smart Cities Strategy

Smart Cityによる機会の大きさと必要な行動の指針BIS(ビジネス・イノベーション・技能省)が主導. 交通, エネルギー, 医療, 水, 廃棄物などのシステムにおいて, 世界市場の10%を確保することを目指す.

Vision・ユーザー主体のイノベーションの促進

City Dealsを通じて個々の需要を満たす自主

性の高い都市の提供

・継続的な技術的能力の開発Smart City Forumの設立

政府のデータを自由に入手可能にすること

よる影響の分析

・世界の開発水準に並び, 市場を獲得する国際規格機関との協力

UKTI(英国貿易投資総省)を通じた伝搬

the Smart Cities Strategy (October 2013)

Construction 2025

(July 2013)

the Business and

Professional Services

Strategy (July 2013)

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

4-4 the Smart Cities Strategy

the Future Cities CatapultInnovate UKが創設したイノベーションを推進する非営利組織Catapult networkの中で, 未来の都市(Future Cities)の在り方を考えるカタパルト.

Innovate UKUK Research and Innovation (non-departmental public body)の一部門。

the Future Cities Catapultの二つの柱・行政機関をクライアントとした有償のサービス提供

・イノベートUKからの助成金やコンサルティングの利益をもとにしたリサーチ

The Future Cities Catapult

Construction 2025

(July 2013)

the Business and

Professional Services

Strategy (July 2013)

the Smart Cities

Strategy

(October 2013)

4-5 the Information Economy Strategy

情報経済におけるロードマップの設定BIS(ビジネス・イノベーション・技能省)が主導.情報経済における競争力を高め, 卓越した技術を世界に発信することを目指す.

VISION・優れた技術を世界に輸出する、強くinnovativeな産業。・特に確かな技術を持っている中小企業がオンラインで取引でき、市場機会を得て収益を増やすことのできる環境。

・デジタル時代を最大限活用し、その恩恵を得ることのできる能力をもつ市民。

LONG TERM VISION・専門であるかによらず、高度に熟練したデジタル人材・物理的あるいは規制上のデジタルインフラストラクチャー、および必要なサイバーセキュリティとプライバシーの枠組み。

the Information

Economy Strategy

(June 2013)

TOPIC1. 相互の位置づけ2. 環境配慮3. 国際化4. 生産性向上5. 産官の連携6. 透明化7. 契約8. 財務9. 研究促進10. 将来的な展望

4-6 個々の成長戦略の重なり

個々の成長戦略の重なりDigital Built Britainには, それぞれの成長戦略がどのように重なりあっているのかについて, 10のトピックに分けてまとめられている.

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

Digital Built Britainの計画を通じて、smart constructionおよびdigital designにおけるUKの競争的優位を確立する。

Digital Built Britainは、Digital Built BritainがいかにConstruction 2025に貢献し、どのようにthe Smart Future CitiesとDigital Economyといった他の産業や産業戦略を統合するのかを示す。

建設部門が資産を建設・維持するために必要な高品質の基礎データを用いて、スマートシティサービスを形成するための能力は、将来の様々な高価値サービスの基盤となり、スマートシティを可能にする。

Digital Economyは、UKを高性能計算・セキュリティ・アルゴリズムの利用における最前線に位置付ける。これらの技術を用いた開発は、現代の複雑な建設環境に適している。

1.相互の位置づけ

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

2. 環境配慮

Green Construction Boardに基づき、建設環境での炭素排出量を削減しながらも雇用・成長を確保するための、市場そしてテクノロジーベースの計画をつくる。

Digital Built BritainはTotexおよびToCarbonを論拠の中心に据えている。稼働中のデータの収集や電子データでのブリーフィングの利用が広まることで、なぜ資産を今までにない規模で働くのかを知る新しい機会が多く提供される。

SmartCityは、輸送選択を最適化し、国内そしてビジネスにおける炭素使用量を管理するためにデータを使用するという点において、私たちの行動を大きく変える。

UKの情報化経済の支えとなる教育を提供する。新人の企画の採用を促進する。企業地区や届きにくいエリアへ超高速ブロードバンドを提供する。

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

UKの専門的なサービスや契約、製品製造にとって世界的な取引機会の特定し、共同関係を構築、英国ブランドによる建設産業の売込みを図る。

DBBではUKTIからの支援と合わせて、EUにおける現在の開発状況と将来の国際的な目標について述べている。

UKTIの”Smart Cities of the Future in Asia”(2013)によるとアジアだけで100以上のビジネス機会があり、中でも台湾市場は20億ポンド(3000億円)もの規模に達する。

Chapter 3 Actionsには、強力で革新的な情報経済部門を確立し、英国の卓越した技術や製品を世界に輸出する、といった内容が書かれている。

3.国際化

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

4. 生産性向上

若者への刺激を与えること、あるいは健康や安全に関する取り組み、国内の修繕・維持市場の機能改善を通じて、産業のイメージを向上させる。

Digital briefing や電子データによる報告書の使用は、次世代の産業及び職場における健康と安全を真に改善する機会となることを示しつつある。

モデュラーシステムとオンライン分析の利用は、システム性能を改善し、国内部門における生産性の向上を可能にする。

建設産業は、技術的な取引市場において、様々な産業のリソースプールから最高のものを引き寄せようと努めている。そのためには、他産業に目を向けて、他産業から学ぶ、そして他産業と協働する必要がある。

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

様々な機関との業界を横断した連携を通じて、建設という産業の機能や生産能力の問題に、有効な方法で取り組む。

DBBでは、必要とされる技術的・商業的な介入について述べている。それらは契約方式や標準仕様として提供され、公認のラッパーによって位置付けられる。DBBは政府の計画との協働を通じて継続的に建築産業をけん引する。

スマートシティは、BSIを通じた産業界の指導と基準作成に向けた業界団体によって取り組まれている。

Information Economy Council はIPOや英国の技術集団と連携して機能し、さらなる機会を獲得する。イギリス政府はBSIやETSIと協働し、ステークホルダー同士が計画をそろえられるようにする。

5.産官の連携

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

6.透明化

将来の雇用機会を生むパイプラインを開発、洗練し、すべての建設事業に役立てる。

DBBでは、DBBによって生み出される機会は、サプライベースの対応を可能にするための重要な利益と透明性について気づかせてくれるということを概説している。

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

政府建設委員会(Government Construction Board)と政府調達委員会(IUK Client Group)の主導で、調達効率を向上させ、調達プロセスの効率化によるさらなる利益獲得に向けたオプションを検討する。

契約モデル全般を広範に再評価し、伝統的な契約から総合的な性能契約、semantic tradingへの移行を促す。

スマートシティは建設産業のデータを再利用することに関心がある。semantic transaction contractを開発しデータの出どころを透明にすることによって、様々な機会がもたらされる。

semantic transactionの開発は、業界を横断する様々な機会を生む。

7. 契約

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

8.財務

財務および支払いにおける悪習に対処することで、建築産業のサプライチェーン全体の繁栄を図るための環境をつくる。

業界を横断することで、デジタル経済における支払いの透明性をますます高めることができる。

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

大学機関や研究機関との連携により、より広範な産業や活動に対してさらなる研究や開発、デモンストレーションを促進し、イノベーションへの障壁を取り除く。

「DBB研究」の組織を設置し、大学機関全体で研究に焦点を当てる。

スマートシティと未来都市の分野における英国のR&Dナレッジベースを強化し、イノベーションを促進し、新しいアプローチを採用することによるコストと利益の情報をより普及させる。

Universities UK、政府、ODI(Overseas Development Institute)の連携。データ分析において足りない技術を見極め、産官の協力分野を明確に設定する。

9.研究促進

4-6 個々の成長戦略の重なり

Construction 2025

Digital Built Britain

Smart Cities

Digital Economy

10.将来的な展望

様々な産業機関によって行われる活動とともに、新しいCLCを通じて産業の変革を導く。

DBBはCLC(Construction Leadership Council)や他の業界団体と共同で開発されてきており、これからもこれを継続していく。

The Smart Cities ForumおよびDBBと連携し、共通のビジョンを持つ。

4-6 個々の成長戦略の重なり

Digital Built Britainの展開によって得られる市場機会は、必ずしも同時的に起こるわけではない。

Level 3A Level 2 モデルの改善enabling improvements in the Level 2 model

Level 3B 新しい技術及びシステムの導入enabling new technologies and systems

Level 3C 新しいビジネスモデルの開発enabling the development of the new business model

Level 3D 世界的な主導権の獲得に向けた投資capitalizing on the world leadership

5-1 Action

Commercial Action

商用化

Technical Action

汎用化

Cultural Action

教育

5-1 Action

5-2 Commercial

Topic• パフォーマンスと資産の創出・運用の間のループを閉じる

• 建設サプライチェーンの利益を調整する

• 既存資産の利用やマネジメントをより熟練させる

• 「Totex delivery」に基づく商用モデルをつくる

• 売買取引における透明性を確保する

• パフーマンス分析による取引を可能にする

• 参入障壁を高める

• デジタル化が必要な主要なプロセスにおける規制枠組みを理解する

建築の商用化Digital Built Britain Strategyのもとで明らかになるパフォーマンス向上の機会を得るためには, 既存の商用モデルへの転換が必要となる.

5-2 Commercial

Level 3A Level 2 modelの改善• 新しいデータ機能(IFCやMVD)を使用したE-briefing Methodsの構築• BIMモデルを用いたFMやAM, およびそれらを含むFMやAMの契約• データの権利, 性能契約をサポートするためのデータの使用, 既存の資産に対するデータの

使用, Totex契約, 炭素性能, などの模索

Level 3B 新しい技術とシステムの導入• いかにデータの取得するか、また資産のライフサイクル全体にわたっていかに広くデータ

の使えるかについての新しいインセンティブの開発作業• ペーパーレス取引などを含む、データ対応の透明性の高い契約の開発作業• Totexを含む, 資産運用のあり方の見直し

Level 3C 新しいビジネスモデルの開発• ペーパーレス契約モデルの開発• データ対応の性能契約の開発と実装• Totexベースの契約モデルの開発

Level 3D 世界的な主導権の確保に向けた投資• Level 3の活用に向けた国際的な契約モデルの開発

5-3 Technical

BIMの汎用化私たちは, 日常的に購入しやすく, 情報や知識をやり取りするのに便利なものをユーザーに提示することを目標としなければならない.

Topic• モデルの連携と統合

• ジオメトリと属性データの紐づけ

• データベースやクラウド上でのデータの管理

• 分かりやすくシンプルなインターフェースをユーザーに提示する

• サプライチェーンにソーシャルメディアを取り込む

• Industrial Foundation Classes, Model View Definitions

• Internet of Things

• 国際化ツール

5-3 Technical

Level 3A Level 2 modelの改善• 要求要件の文書化と総合的な仕事のための技術的なシステム• e-Planning とe-Regsを可能にする技術システム• IFCデータを定義するための範囲設定とパッケージ化の完了

Level 3B 新しい技術とシステムの導入• UML (simple interface)を定義するための範囲設定とパッケージ化の完了• IoTデータと標準プロセスを定義し伝搬する• 部門横断型チームに共通の「アプリ」ストア機能の作成

Level 3C 新しいビジネスモデルの開発• セキュリティ対策とプロトコルの統合• ペーパーレス契約への統合• 人ベースのセキュリティへの統合

Level 3D 世界的な主導権の獲得に向けた投資• 英語の辞書とオントロジーの枠組みと手法の提供• IoTの国際標準規格の提供

5-4 Cultural

BIM教育の重要性今でも多くの人は従来型の建築業界の中で教育を受けており, デジタル経済を取り入れる際に必要なスキルをもった人材が十分に育っていない.

Topic• 業界への新規参入者の奨励

• 大学やFE colleges, 専門機関における教育の変革

• 従来型のプロジェクトマネジメントやそれに付随する階層構造・上下関係からのシフト

5-4 Cultural

Level 3A Level 2 modelの改善• 認定学習教材の提供• 新しい参入者にとって魅力的な産業にする• IUKクライアントグループとの協力

Level 3B 新しい技術とシステムの導入• Level 3 で必要とされる知識, 技能, 行動を明記した認定「学習成果フレームワーク」提供• 協働をサポートするために必要な透明性の特定• 透明化を促進するためのIncentivisation and awardsプログラム

Level 3C 新しいビジネスモデルの開発• 技術とオープンアクセスの活用を通じた, 多様性と平等性のサポート• 関わりの少ない業界からの業界参入の支援• 産業全体、また教育プログラムとともに学習成果を統合する• 企業のコミュニケーションを改善し、保護的セキュリティを強化する

Level 3D 世界的な主導権の獲得に向けた投資• 「プロジェクトの協働モデル」の成功例を見直し、共有する

6 References1. HM Government, February 2015, Digital Built Britain Level 3 Building Information

Modelling – Strategic plan

2. HM Government, July 2013, Industrial Strategy – Construction 2025

3. HM Government, July 2013, Industrial Strategy – Growth is Our Business : A Strategy for Professional and Business Services

4. Department for Business Innovation & Skills, October 2013, Smart Cities Background Paper

5. HM Government, June 2013, Indstrial Strategy – Information Economy Strategy

6. University of Cambridge, Center for Digital Britain, https://www.cdbb.cam.ac.uk/,

7. 平島ゆきえ, September 2016, 英国「BIM レベル３が」示す成長の条件, https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/atcl/bldcolumn/14/660654/090800013/

8. Richard McPartland, November 2014, BIM Levels explained, https://www.thenbs.com/knowledge/bim-levels-explained