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1 2014 年 2 月号 目次 P1 目次、ご案内 P2-P3 コラム-1 林雅之 P4-P8 コラム-2 森洋一 P9-P12 コラム-3 新野淳一 P13-P14 イベント・カレンダー P15 事務局後記 P16 CUPA Café 開催案内 CUPA レポート 2014 年 2 月号 VOL,19 【2014 年 1 月 CUPA 新規ご入会案内】 ホワイトポイント株式会社

CUPA レポートCUPA 総合アドバイザー 林 雅之 クラウドの活用基盤はEC サイトやWebサイト、ソーシャルゲームなどの開発運用 基盤が中心で

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2014年 2月号

目次

P1 目次、ご案内

P2-P3 コラム-1 林雅之

P4-P8 コラム-2 森洋一

P9-P12 コラム-3 新野淳一

P13-P14 イベント・カレンダー

P15 事務局後記

P16 CUPA Café 開催案内

CUPAレポート

2014 年 2 月号 VOL,19

【2014年 1月 CUPA新規ご入会案内】

ホワイトポイント株式会社 様

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「エンタープライズ向けのパブリッククラウドの採用が加速する年に」

CUPA総合アドバイザー 林 雅之

クラウドの活用基盤は EC サイトや Web サイト、ソーシャルゲームなどの開発運用 基盤が中心で

したが、2013 年に入ってからエンタープライズへの採用が進みつつあり、2014 年以降はエンタ

ープライズにおいて「クラウド・ファース ト」の流れが加速することが予想されます。

基幹システムもクラウド・ファーストに

企業の基幹システムの基盤にクラウドを採用するケースの増加が予想されます。たとえば、ケンコ

ーコムや HOYA に代表されるように ERP パッケージの SAP をクラウド基盤で採用する事例も出て

きています。SAP のようにクラウド上で実装可能なエンタープライズ向けアプリケーションが増え、

事例として共有されるようになれば、この流れは加速するでしょう。

エンタープライズクラウドの採用が増加傾向にあるのは、AWS Direct Connect や VPC のように、

各クラウドサービス事業者のクラウドとユーザのオンプレミス環境やデータセンターと VPN や専

用線に接続するサービスの 充実によるセキュリティレベルや信頼性が大きく改善されている点が

あげられます。

各クラウドサービス事業者は VPN 接続などの対応を進めており、エンタープライズの基幹システ

ムでの利用のかなりの部分は VPN を採用していると想定しています。VPN 接続などによりユーザ

のシステムのセキュアな環境を確保し、システムの新規構築や更改のタイミングで、オンプレミス

環境からクラウドにマイグレーションするとった機会は今後さらに増えていくでしょう。

グローバルクラウドの流れが加速する

日本国内の市場や少子高齢化、人口減少などに伴い、日本の市場は縮小傾向にあり、各企業はグロ

ーバルビジネスの展開のために、海外拠点の展開を急いでいます。

特に、メーカーや小売業などのグローバル展開の動きが早く、効率的な海外拠点展開とグローバル

ガバナンスの観点から、グローバルに対応したクラウドサービスを採用するケースが増えていくと

予想されます。

こういった背景の中、NTT コミュニケーションズの「グローバルクラウドビジョン」やソフトバン

クテレコムの「グローバルクラウドファブリック」など、各事業者もグローバルクラウドサービス

の展開を強化し、採用事例も増えています。特に通信事業者のクラウドサービスのグローバル展開

が顕著となっており、自社の VPN や専用線とクラウドとの組み合わせで提供するなど通信事業者

としての強みをいかしたサービス展開が見られます。

たとえば、ヤマハ発動機の場合は、700 台規模の物理サーバーにある基幹システムを NTT コミュ

ニケーションズの「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を採用し、自社のグローバルネットワー

クと接続をしています。2018 年までにグローバル規模で移行する計画を発表するなど、中長期計

画の中 で基幹系のシステムをグローバルにクラウドに移行するケースとなっています。

「コラム」-1

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プライベートクラウドからハイブリッドパブリッククラウド/パブリッククラウドへ

調査会社のガートナーは、「Gartner Says Nearly Half of Large Enterprises Will Have Hybrid

Cloud Deployments by the End of 2017」の中で、 大企業の半数近くが 2017 年の終わりまで

にはハイブリッドクラウドを展開するだろうと指摘しています。

2013 年にテラスカイとサーバーワークスが、セールスフォースドットコムと AWS のクラウドサ

ービスとのハイブリッドクラウド環境の構築運用を支援することを発表したように、ハイブリッド

クラウドを支援する事業者の動きも加速していくでしょう。

さらに、ガートナーは「The private cloud is giving way to the public cloud」の記事によると、

2014 年はプライベートクラウドからパブリッククラウドへ移行する年になるとしており、業務の

70%から 80%はパブリッククラウドで運用されると予想しています。

プライベートクラウドは、オンプレミス環境との差別化やコストメリットなどが出しにくくなって

いるという指摘も出ています。一方、パブリッククラウドは、柔軟なリソース変更と信頼性や VPN

接続などによるセキュリティレベルの向上、複雑な構成でも対応可能なサービスランナップの充実、

さらには、グローバル拠点展開も可能になってきたという評価も高まっており、企業の採用が進ん

でいくと予想されます。

今後のクラウドビジネスを占う上でも 2014 年のエンタープライズ向けの基幹システムのパブリッ

ククラウドの採用の流れは、注目されるところです。

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「 SDNかNFVか、ネットワークベンダーはどう動く?」

CUPA総合アドバイザー 森 洋一

今や話題先行気味の SDN(Software-Defined Network)に対し、NFV(Network Functions

Virtualization)が静かに浸透しつつある。この NFV(White Paper)は、AT&T(米)や BT

(英)、CenturyLink(米)、China Mobile(中)、Colt(英)、Deutsche Telekom(独)、

KDDI(日)、NTT(日)、Orange(仏)、Telecom Italia(伊)、Telefonica(スペイン)、

Telstra(オーストラリア)、Verizon(米)などで構成するインダストリーコンソーシアムが自ら

抱える課題解決のために考え出したものである。キャリアやプロバイダーが展開するセンター群に

は、ネットワーク機器群が所狭しと並び、それらの保守管理、さらには増設には気が遠くなる作業

が伴う。NFV ではこれら機能をソフトウェア・アプライアンス化し、統合サーバーの仮想空間で稼

動させる。

周知のように SDN は自由なネットワーク環境

を求める研究者などが考え出したものである。

この2つについて、曰く SDN はソフトウェア

の視点から、NFV はハードウェアからのアプ

ローチだとするもの、SDN は上からで NFV は

下から、さらには SDN は理想論、NFV は現実

論だともいう。White Paper に興味ある関連

図(右)がある。NFV チームが纏めたものだ。

この図では、SDN はネットワークの抽象化に

よって積極的な改革を目指し、NFV は CAPEX

(Capital Expenditure-不動産設備投資)や OPEX(Operating Expense-運営費)の改善、さら

には設置スペースと電源消費の削減が目的であるとしている。そして SDN も NFV も、外部企業に

よる Open Innovation によって競合力を作り出さなければいけないと指摘。つまり、2つは競合

するものではなく、共にオープン化によって進化・共存ができると説明する。とは言え、実際のと

ころ、大手ベンダーはどう動くのだろう。

「コラム」-2

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=Cisco Systems=

時代の転換期にさしかかり、Cisco の動きは複雑だ。

NFV が基本の立場にありながら、Cisco は XNC(eXtensive

Network Controller)を出して SDN 分野への積極的な進出を

思わせたり、さらには Nexus 1000V による VXLAN サポート

で VMware 連携も実現させた。しかし、これらは Cisco が複合的な独自戦略を進めているサイン

と見るべきである。鍵となるのは Cisco UCS(Unified Computing Server)だろう。このサーバ

ーに NFV のアプライアンス群を統合して、省スペース、省エネを図る戦略だ。Cisco は、搭載ソフ

トを探すため、外部ソフトウェアベンダーとも積極的に交渉している。特に、以前から Cisco と関

係が深く、最近、再投資が行われたスピンイン企業 Insieme Networks は要注意だ。

この会社では、SDN 関連製品が開発されている。

Cisco/EMC/VMware の3社が設立した VCE と

いう会社を思い出して欲しい。VCE は Cisco の

サーバーに VMware を載せて EMC のストレージ

を繋ぎ、高信頼性と総合的なサポートが売りだ。

しかし、VCE ビジネスが上手くいっているとは言

い難い。こんどこそ、UCS を前面に押し出せる

絶好のチャンスでもある。

=Brocade Communications=

Brocade Communications にとって、気になるのは Cisco と SDN の動きである。

しかし状況は流動的だ。Brocade は ASIC ベースの高速ファイ

バーチャネルスイッチやイーサネットスイッチなどを得意する。

その Brocade が Vyatta を買収したのは2012年 11 月だ。

そして vRouter を手に入れた。この有名なアプライアンスは、

オープンソースとして開発され、ルーティング、ファイアウォール、VPN などの機能を持ち、殆ど

全ての仮想環境で動作する。vRouter は世界中で 100 万ダウンロード以上を達成、AWS 上に展開

して利用するユーザーも多い。Brocade はこれを基点に、アプライアンス化を進め、時代の流れに

乗る戦略だ。実際のところ、ロードバランサー機能を持つ Application Delivery Controller の

ADX はソフトウェアアプライアンスとして、

昨年末にリリースされた。しかしこのアプ

ライアンス化の加速だけでは、市場環境に

打ち勝つのは難しい。なぜなら、競合他社

も同じ道を模索しているからだ。こうして、

Brocade は Vyatta がオープンソースで成

功したように OpenStack との連携に乗り

出し、VCS、VDX、vRouter の Neutron

プラグインの提供を開始した。Vyatta を

核によりオープン化を進め、アプライアン

ス化を推進する。Open vSwitch 対応も済

んだ。次は OpenDaylight 待ちである。

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=Juniper Networks=

Microsoft に 16 年在籍した Kevin Johnson 氏が CEO として

Juniper Networks に参加したのは 2008 年 9 月。まったくの

ソフトウェア人間だ。どうやってハードウェアに囲まれたネッ

トワーク機器の世界を改革するのか、それが課せられた課題で

あった。その彼が 2012 年 12 月、極秘(ステルスモード)で SDN 関連製品を開発していた

Contrail Systems の買収を決めた。そして、昨年9月中旬、Juniper の新ネットワーク戦略が姿を

現した。この戦略は NFV を基本にしながらも、システム全体を SDN コンセプトに適合させて、両

者の中道を行き、そして同社をソフトウェア会社に変身させる野心的なものである。

買収した Contrail は中核となる SDN コントローラー(上図中央)を開発、NFV の各種アプライア

ンスは仮想マシン上で稼動する。Juniper から見ると OpenFlow はプロトコルのひとつだ。実際の

ネットワークには BGP や XMPP が使われており、Contrail はこれらにも対応する。Contrail は有

償のライセンス版だけでなくオープンソース版も登場。このために組織化した OpenContrail.org

からダウンロードが出来るし、これによって 3rd Party を巻き込んだ Cloud SDN のエコサイクル

の構築を目指す。発表のもうひとつの衝撃はこのエコサイクルを具現化した IBM との提携だ。

この提携では IBM SmartCloud Orchestrator と Contrail SDN Controller が統合され、クラウド

からネットワークまでの新しい形が現れた。新サービスは IBM からユーザー企業やクラウドプロ

バイダー向けに提供される。ソフトウェアライセンスも大きく変わった。これまでのライセンスは

該当機器と対になり、その保証も限定的だった。新たなライセンスでは、どのように使用しても構

わず(Full Use/Elastic)、譲渡可(Transferable)、かつ、期間中は永久保証(lifetime Assurance)

である。Juniper は、これまでキャリアや大手企業向けの高性能ルーターやスイッチ、IDS や UTM

などのセキュリティ製品を得意としていた。しかし時代は急激な変化を必要としていた。CEO の

Kevin Johnson 氏は、将来を見据え、Contrail を買収してオープンソース化、それをテコにライセ

ンス改定、エコサイクル構築への道を選んだ。ネットワークの機器屋からソフトウェア屋への変身

である。

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「普及するか、ユニークな SDNスタートアップたち」

① SDNクラウドサービス出現! -Pertino- ついに SDN(Software-Defined Network)をクラウドでサービスする会社が現れた。

今日、どこの事務所にもセキュアで高速なネットワークがある。

これを使えば、誰でも簡単に e メールやファイル共有、そして業務

アプリケーションを使うことが出来る。しかし客先や出張先、ホー

ムオフィス、さらにはパートナーから利用しようとするとどうだろ

う。VPN を張れば良い。それは正解かもしれない。ただ小さな会社

には十分な IT 要員はいないし、スキルもない。それに、今はクラ

ウド時代だ。どの会社も IT 予算の削減を目指して、アプリケーシ

ョンの多くをクラウド上に移行し始めている。 勿論、一部、重要

なアプリケーションは自社コンピュータ上に残るかもしれない。こうしてアプリケーションが分散

し、利用環境が多様化されるにつけ、ネットワークの管理はややこしくなる。Pertino の開発した

クラウドベースの SDN なら簡単だ。

<基本的な動作>

ユーザーは、まず Pertino を同社のホームページからクライアント

PC やサーバーにダウンロードし、インストール。これを起動して、

新規アカウントを作成する。この際、インストールされたクライア

ントの Pertino ソフトは、同社が用意するクラウド上の管理ソフト

「Pertino Cloud Network Engine」と連動する。次にネットワーク

を定義する。サーバーはどれか、アクセスするメンバーは誰かなどだ。営業部門や資材部門向けと

いう具合に複数のネットワーク設定も可能である。Windows に慣れたユーザーなら Workgroup

Network 名をそのまま利用することも可能だ。このネットワークへのメンバー招待は e メールで

ある。メールが届いたメンバーは受け入れ確認 (Validation)の URL をクリックすれば良い。画

面左上にはネットワークの選択ボックスがあり、複数ネットワークへの参加も可能である。これら

全ての情報はクラウド上の Pertino Cloud Network Engine に保持される。

<クラウド SDN>

ここまで見ると、何だこれは Windows のネット

ワーク管理のままではないかと思う人がいるかも

しれない。しかし接続するサーバーはクラウド上

でも、オンサイトでも OK だし、クライアントも

Windows や Mac、Linux、さらに Android モバ

イルにも解放された。勿論、クライアントは、パ

ブリックインターネット経由でも構わない。初期

設定が終わり、システムが動き出すと、クライア

ント上のソフトは仮想スイッチのように振る舞い、

クラウド上のエンジンは SDN のコントローラー

のように見える。事務所でも、自宅からでも、出

先や海外からでも、クライアント上の Partino アイコンをクリックし、ログインすれば OK だ。こ

れで目的とするネットワークに参加できる。セキュリティは AES256 ビット、完全なる暗号化であ

る。

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② 上位レイヤーに注力する! -Embrane-

Embrane のアプローチはユニークだ。

SDN と言えば、通常、OSI Reference Model の L2~3 を対象と

するベンダーが多い。しかし、彼らはその上の Layer4~7 に注力

する。Embrane はプロバイダーや大手企業を対象に、彼らの既存クラウドインフラやネットワー

ク上に、より柔軟でコスト競合力のあるネットワークサービスの仕組みを提供する。

=なぜ、L4/7なのか=

現在リリースされているサービスはロードバランサーやファイヤーウォール/VPN だが、なぜ、

Embrane は L4/7 に注力するのか。それにははっきりした理由がある。例えばファイヤーウォー

ルを例にとると、殆どが Web アプリとなった現在、HTTP80番ポートだけでなく、何百万という

ルールを駆使して攻撃から守らなければならない。このような要請はロードバランサーでも同様だ。

これらに対する同社の回答、それは更新可能なソフトウェアのアプライアンス化と、そのための仕

組みを提供することである。

=vTopologyアーキテクチャー=

SDN を考える基本は、ネットワーク機器のハードウェアと、それを制御するソフトウェアの分離

である。このアプローチをさらに突き詰め、極論すると、最上位のレイヤー(アプリケーション)

とネットワークを含めたその他、という議論にたどり着く。Embrane のアプローチは、この視点

からアプリケーション・セントリックなネットワークを追求したものでもある。そのためには、ネ

ットワーク全体が既存であろうと、その上に SDN がオーバレイされていようと、透過的でなけれ

ばならない。そして考えだされたアーキテクチャーが vTopology(Virtual Topology)である。

=heleosプラットフォーム=

vToporogy の核となるのは分散型 heleos プラットフォームだ。

heleos は任意の x86 上で稼動し、全てのメッセージをコンテナ

ーで運ぶように下位のネットワークレイヤーへ接続する。heleos

は2つのエレメントからなる。ひとつは提供するサービスとなる DVA(Distributed Virtual

Appliance)。もうひとつは heleos の制御エンジンの ESM(Elastic Service Manager)である。

前述のように、現在、DVA は2つ。Firewall/VPN と Load Balancer だ。これらはグローバル IP

を複数サーバーで共用する NAT や、VLAN だけでなく、Mware の VXLAN もサポート、暗号化は

192-bit 3DES、128/256-bit AES が

可能だ。その上でファイヤーウォール

は、サイト間(Site to Site)IPsec

VPN もサポートする。ロードバラン

サーは L4 だけでなく L7 もサポート。

制御エンジンとなる ESM は GUI や

コマンドライン、RESTful API を用意

し、最適な運用環境の設定や、既存

運用システムとの統合を可能として

いる。

資料:雲になったコンピュータ

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「 IBM、SoftLayerの日本データセンターを明らかに。 Amazonの値下げにWindows Azureが対抗」

CUPA総合アドバイザー 新野 淳一

2014 年も大手クラウドベンダーの動きは止まることがありません。Publickey の記事からポイン

トを紹介しましょう。

IBM、SoftLayerのデータセンターを年内に国内設置発表。ワールドワイドでデータセンターな

どに 1200億円の投資、クラウド市場での巻き返しはかる

米 IBM はグローバルでクラウドのデータセンターを拡充するために 12 億ドル(1 ドル 100 円で

1200 億円)の投資を行うと発表しました。

年内に日本をはじめ、中国、香港、ロンドン、インド、カナダ、メキシコシティ、ダラスなど世界

15 カ所でデータセンターを新規開設。これで IBM のクラウドデータセンターはワールドワイドで

40 カ所になるとのこと。来年 2015 年には中東とアフリカでも開設する計画があることを明らか

にしています。

IBM は昨年、米中央情報局(CIA)が 600 億円を投じるプライベートクラウド構築への入札で、

Amazon より価格は 4 割近く安かったものの技術面と実績面でことごとく Amazon より低評価し

か得られず失注した、ということを経験しています。

これは、大企業や政府機関へと本格的に浸透しつつあるクラウド市場で IBM が劣勢に立たされて

いる状況を象徴する出来事でした。現在の IBM が相当の危機感を持っていることは間違ありませ

ん。

IBM は昨年 6 月にクラウドベンダーの SoftLayer を買収しています。今回のデータセンター拡充

は、従来の IBM のクラウドに対してではなく、買収した SoftLayer に対するものと見られます。

SoftLayer は IaaS 型のパブリッククラウドで、その特徴はクラウド内で物理サーバが利用できる

ことと、データセンター間の通信が無料であることです。

物理サーバは仮想サーバと比べてより高い性能が発揮でき、しかも物理的にほかのユーザーと分離

されたサーバ環境が構築できるため、より高いセキュリティが期待できます。データセンター間の

通信が無料なのは SoftLayer のデータセンター間が専用回線で接続されているためで、グローバル

に情報システムを展開する企業にとって拠点間の情報が高速かつセキュア、しかも低コストで運用

できることになります。

これらの特徴はいずれもエンタープライズ系のユーザーにとって魅力的であり、しかも現在の

Amazon クラウドにはない機能です。IBM が SoftLayer を買収相手に選んだ大きな理由でもある

でしょう。

IBM はこの SoftLayer のクラウドを基盤に、サービスレベルの保証やモニタリング、セキュリティ

パッチ対応、セキュリティスキャンなど基幹業務向け運用管理サービスの「SmarterCloud

「コラム」-3

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Enterprise+」も提供する予定です。現在の SoftLayer では、オンラインサービス系や中堅中小の

Web ホスティングなどが中心ですが、IBM の得意とするエンタープライズ系に対する本格的なマ

ーケティングや営業展開が予想されます。

Amazon EBSが値下げで半額に、S3も最大約 2割引き。Amazonクラウドが大幅なストレージ

の値下げを発表

Amazon Web Services は、Amazon EBS を最大で半額に、Amazon S3 を最大で 22%値下げす

ることなどを発表しました。Amazon EBS と Amazon S3 の値下げされた新価格が適用されるの

は、来月 2 月 1 日から。

今回最大の値下げとなったのが、Amazon EC2 用にブロックストレージを提供する Amazon EBS

(Elastic Block Store)です。

Amazon EBS の価格は、1 カ月でプロビジョニングされたストレージ容量と、1 カ月の I/O リク

エスト数という 2 つのパラメータによって決まります。

現在の価格は、米国東部リージョンと米国西部リージョンの Amazon EBS スタンダードボリュー

ムで、1 カ月にプロビジョニングされたストレージ 1GB あたり 0.10 ドル、100 万 I/O リクエス

トあたり 0.10 ドルと設定されています。新価格ではこれがどちらも 0.05 ドルと半額になります。

値下げ幅はリージョンによって異なっています。東京リージョンでは現在の価格が、1 カ月にプロ

ビジョニングされたストレージ 1GB あたり 0.12 ドル、100 万 I/O リクエストあたり 0.12 ドルと

設定されていますが、新価格のページによるとこれがどちらも 0.085 ドルと、約 3 割引きに設定

されています。

オブジェクトストレージの Amazon S3 も同時に値下げが発表されています。Amazon S3 の価格

は容量に比例しており、下記のように最大で 22%の値下げとなっています。

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Amazon S3 もリージョンによって値下げ幅が異なっています。東京リージョンでの新価格は下記

のようになっており、おおむね東京リージョンの新価格は米国東部リージョンの現在価格よりも安

くなっています。

この値下げにすかさず反応したのが、Windows Azure です。

Amazonクラウドのストレージ半額値下げにマイクロソフトが対抗、Windows Azureもストレ

ージを値下げ「多くのリージョンで AWSより安く」

Windows Azure は昨年 2013 年 4 月に、仮想マシンやストレージといった IaaS 型クラウドサー

ビスを正式にスタートさせました。この発表にあわせてマイクロソフトは、IaaS 型クラウドで先

行する Amazon クラウドに対し、価格で対抗することを約束しています。

その約束を果たすときが来ました。先週、Amazon クラウドはブロックストレージサービスの

Amazon EBS を半額に、オブジェクトストレージの Amazon S3 を最大 2 割引きにすると発表し

たのです。

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マイクロソフトは 1 月 24 日、Windows Azure ブログに「Announcing Reduced Pricing on

Storage」という記事をポストし、Amazon クラウドの値下げに対抗して Windows Azure のスト

レージを値下げすると発表しました。

詳しい価格表はまだ発表されていませんが、Amazon EBS に相当するページ BLOB が最大 20%の

値下げ、Amazon S3 に相当するブロック BLOB が最大 28%の値下げ。ストレージトランザクシ

ョンの価格は 50%の値下げだと説明されています。新価格の適用は 3 月 13 日から。

この値下げにより、多くのリージョンで AWSより安くなるという点が強調されています。

Windows Azure は今年前半にも日本リージョンの開設も予定されており、国内ではそれに向けて

積極的な展開が始まるとみられています。このタイミングで価格の面で Amazon クラウドに引き

離されるわけには行かないところです。

そして、日本に拠点を持つ、あるいは持とうとしている Amazon とマイクロソフトというグロー

バルプレイヤーがしのぎを削って値下げを続ける中で、国内のクラウドベンダーはこの価格低下を

どう見ているのかも気になるところです。

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2014年 2月 11日~2014年 4月 30日 ----------------------------------------------------------------------------------------------------

半日でわかるクラウド最新動向と現実解 ~大好評の名物パネルディスカッション~

http://www.uniadex.co.jp/event/2014/event_20140212_436.html

開催日:2014 年 2 月 12 日(水)

開催場所:東京ミッドタウン(東京都港区赤坂 9-7-1)

基調講演、パネルディスカッション:Publickey 新野 淳一 様(CUPA 総合アドバイザー)

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OpenStack Days Tokyo 2014

http://openstackdays.com/

開催日:2014 年 2 月 13 日(木)-14 日(金)

開催場所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区神田駿河台 4-6)

特別協力:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

中島 倫明 様 (CUPA 技術アドバイザー、日本 OpenStack ユーザ会)

特別協力:NTTソフト株式会社 岡 あゆみ 様(日本 OpenStack ユーザ会)

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Developers Summit 2014

http://event.shoeisha.jp/devsumi/20140213/

開催日:2014 年 2 月 13 日(木)-14 日(金)

開催場所:目黒雅叙園(東京都目黒区下目黒 1-8-1)

講演:Publickey 新野 淳一 様(CUPA 総合アドバイザー)

講演:株式会社あくしゅ(Wakame Software Foundation) 山崎 泰宏 様(CUPA 運営委員)

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オープンクラウド最新動向 勉強会

http://kokucheese.com/event/index/144390/

開催日:2014 年 2 月 21 日(金)

開催場所:日立ソリューションズ本社別館 JR 品川イーストビル(東京都港区港南 2-18-1)

講演:株式会社あくしゅ(Wakame Software Foundation) 山崎 泰宏 様(CUPA 運営委員)

講演:クリエーションライン株式会社(日本 CloudStack ユーザ会)輿水 万友美 様

(CUPA 技術アドバイザー)

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中国経済産業局主催 中小企業 IT 経営力向上セミナー

http://www.chugoku.meti.go.jp/event/denshijyoho/140123_2.html

開催日:2014 年 2 月 25 日(火)

開催場所:島根県松江市(サンラポーむらくも)

講演:株式会社シンカ 江尻 高宏 様(CUPA ビジネスアドバイザー)

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ビッグデータ/オープンデータ活用セミナー「ビッグデータ活用による新たな価値の創出」

URL:未定

開催日:2014 年 3 月 3 日(月)

開催場所:福岡市(共創館カンファレンスA)

パネルディスカッション・コーディネーター:林 雅之 様(CUPA 総合アドバイザー)

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イベント情報

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日経 BP 社主催:CloudDays Osaka

https://reg.nikkeibp.co.jp/reg/contents/cdo2014/index.html#C-12R

開催日:2014 年 3 月 6 日(木)

開催場所:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル

講演:株式会社シンカ 江尻 高宏 様(CUPA ビジネスアドバイザー)

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CloudStack Day Japan 2014

http://cloudstackday.jp/

開催日:2014 年 3 月 6 日(木)

開催場所:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都千代田区神田駿河台 4-6)

実行委員長:社)クラウド利用促進機構(日本 CloudStack ユーザ会)輿水 万友美

(クリエーションライン株式会社、CUPA 技術アドバイザー)

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第 9 回クラウドごった煮

http://atnd.org/events/45593

開催日:2014 年 3 月 7 日(金)

開催場所:さくらインターネット研究所セミナールーム (新宿区西新宿 4-33-4)

講演:荒井 康宏 様 (オープンクラウドキャンパス事務局長) (CUPA 運営委員長(代表理事) )

講演:株式会社あくしゅ(Wakame Software Foundation) 山崎 泰宏 様(CUPA 運営委員)

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《「CUPA・Café」のご案内 》

下記の日時で「第 17回 CUPA・Café」を開催いたします。

日時:2014 年 2 月 19 日(水曜)19:30~21:00

会場:クリエーションライン株式会社 会議室

東京都千代田区神田佐久間町 3-6 M’s WORKS BLDG 3F

2月のテーマ:『Enterpriseのためのクラウド①』

対談者:TIS株式会社 内藤 様

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 中島 様

司会: 株式会社電通国際情報サービス(CUPA総合アドバイザー)渥美 様

◆CUPA・Café詳細は CUPA の facebook ページにてご案内いたします。

http://www.facebook.com/cupa.jp

会員企業様や関係者は無料で入場できます(アルコールも少量ですが準備致します)。

ご多忙とは存じますが、ご来場の程宜しくお願い致します。

尚、ご来場の際は、お手数でも事前に下記メルアドまでご連絡をお願い致します。

[email protected]

◆一般の方は USTREAM で視聴できます。

・CUPA・Caféライブ:http://www.ustream.tv/channel/cupa-cafe

・CUPA・Caféアーカイブ:http://cloud.or.jp/cupa_cafe.html

本企画では「ご希望の対談者」や「対談テーマ」などを募集しています。

下記のアドレスまでご要望などをご送信ください。

[email protected]

以上、宜しくお願い申し上げます。