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経営学部授業への いざない ~ 授業科目履修の手引き ~ (2017年度版) 甲南大学 経営学部

経営学部授業への いざない · これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授 業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

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経営学部授業へのいざない

~ 授業科目履修の手引き ~(2017年度版)

甲南大学 経営学部

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1-1 大学と高校の授業の違い1-2 単位、配当年次とは?1-3 授業科目の種類:講義と演習の違いは?1-4 卒業に必要な単位数1-5 授業計画と履修登録とは?1-6 卒業までの4年間の大切な行事は?1-7 ビジネス・リーダー養成プログラムへの参加は?1-8 履修した授業の成績はいつどのようにわかる?1-9 教員への質問はどうすればよい?1-10 大学で自主学習する場所は?

2-1 自分の「専門」をつくる2-2 科目の「性格」を考えて履修する2-3 科目の性格とその科目表における位置づけ2-4 科目表の見方と卒業要件2-5 2年生での「まずい」科目選択の具体例2-6 基礎共通科目、国際言語文化科目の履修2-7 「グローバル・コミュニケーションⅠ・Ⅱ」の履修登録について

3-1 科目間の関係  経営学関連科目  会計学関連科目  商学関連科目 3-2 履修モデル  経営戦略(企業の事業展開)を中心に勉強するために  経営組織(企業の人間的側面)を中心に勉強するために  財務会計を中心に勉強するために  管理会計を中心に勉強するために  マーケティングを中心に勉強するために  ファイナンスを中心に勉強するために  「国際化」(企業経営の国際的展開)を中心に勉強するために  「情報」を中心に勉強するために

経営学部専門教育科目表等

……………………………………………………1………………………………………………………1

……………………………………3………………………………………………………3……………………………………………………4

…………………………………………5……………………………5……………………………5

……………………………………………6………………………………………………6

…………………………………………………………7………………………………………………8

…………………………………8……………………………………………………9

……………………………………10…………………………………11

……………12

………………………………………………………………13……………………………………………………………13……………………………………………………………15………………………………………………………………16…………………………………………………………………17

……………………18…………………19

…………………………………………20…………………………………………21

…………………………………22……………………………………23

……………24……………………………………………25

……………………………………………………26

目 次

新入生のための講義入門―大学での講義の受け方― 1

2年生からの時間割作成方法―経営学部専門科目の履修を中心に―2

科目間の関係と履修モデル3

付録4

表 2

はじめに

 甲南大学経営学部は、2010年4月に開設50周年を迎えました。わが国の大学において、

経営学部という名称の学部の開設は甲南大学が全国で4番目にあたります。50年を超える

経営学教育の伝統が現在の学部教育につながっています。

 われわれの学部は経営学に関する専門知識および分析能力の教授を通じて、「ヒト・モノ・

カネ・情報等からなる組織(企業)の存続・発展のあり方について、自律的な洞察力を有し、社

会に貢献するビジネスパーソンの養成」を教育の基本方針としています。これを実現するた

め、講義形式による各種の専門科目の他、研究発表やディスカッションを中心とする演習科

目、実務に直接触れることを意図し、インターンシップを組み込んだ実務的な科目等を開講

しています。

 この手引きは、経営学部での授業科目の履修について説明しています。みなさんは、この

冊子を利用し、

 ●それぞれの講義をより実り豊かに履修するにはどうすべきか

 ●それぞれの科目をどのような順番で履修すべきか

といったことを考え、日々の授業に臨むことを、われわれは期待しています。

 みなさんが4年間の経営学部での教育により、教育目標で謳われている能力をそなえた

「経営学徒」となって卒業できることを、われわれは切に望んでいます。

2017年4月1日

経営学部長

杉 山 善 浩

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1-1 大学と高校の授業の違い

 大学での授業は、高校までの授業と異なります。たとえば、次のような点です。

  ☆これが最も重要ですが、高校では学校側が1週間の時間割を決めていますが、大学

   では、各自で自分の時間割を作ります(ただし、外国語や体育など一部の授業は大学

   側の指定があります)。しかも、作成した時間割をWEBで入力(これを履修登録とい

   います。)しないと、授業を受けても成績評価の対象にならず、単位を得ることができ

   ません。

  ☆高校の授業時間は、1回あたり45分または50分ですが、大学では90分で2倍です。

  ☆高校の授業期間は、1科目が3学期にわたって1年間続きますが、大学は前期と後期

   に分かれ、1科目が前期と後期の両期間を通じて1年間行われるものと、前期だけ、ま

   たは、後期だけの半年間で行われるもの、さらに、主に夏休み期間だけに行われるも

   の、以上3種類あります。

  ☆高校の授業の成績は、それぞれの学期の最後に5段階評価または10段階評価で表

   されます。大学では、1科目の成績は、秀(90-100点)、優(80-89点)、良(70-79点)、

   可(60-69点)、不可(59点以下)で表されます。成績表(学修簿)は、授業それぞれにつ

   いて秀・優・良・可・不可で表示され、素点(みなさんがとった点数)は表示されません。

1-2 単位、配当年次とは?

 授業科目にはそれぞれ「単位」が設定されています。

 たとえば、「会計学総論」は4単位です。「会計学総論」は1週間に90分の授業が2回、15週

間にわたって行われます。つまり、前期で1回90分の授業が30回行われることになります。

 これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授

業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

1回90分の授業が15回行われることになります。

 以上の例から、

  「 会 計 学 総 論 」 :1回90分の授業が30回で「4単位」

  「ファイナンス入門」 :1回90分の授業が15回で「2単位」

ということがわかります。このように「単位」は授業全体の総時間数を表しています。

 ただし、「単位」の認定は、授業時間数だけでなく、みなさんが授業時間と同じ時間の予習

および復習を行ったことを前提としています。つまり、たとえば、90分間(実時間)の授業を受

けるために、前日までに90分の予習(実時間)を行い、授業後に90分の復習(実時間)をする

ということなのです。ですから「単位」は、「大学での授業時間+自宅での予習時間+復習時

間」の全体に対して与えられます。

 「2単位」の場合、実際の総授業時間数22時間30分、総予習時間数22時間30分、総復習時

間22時間30分、以上合計で67時間30分の学習の結果として「2単位」を得ることができます。

 また、4年間の勉学によって、卒業するのに必要な単位数が定められています。つまり、み

なさんがどのような授業をどれぐらい履修すればよいのかを判断するための基礎になって

いるのがこの「単位」なのです。

 さらに、授業科目には「配当年次」が定められています。たとえば、「会計学総論」も「ファイナ

ンス入門」も配当年次は「1」です。これは、1年生とそれ以上の学年の人が履修できるというこ

とを意味しています。別の例で、「経営戦略論」の配当年次は「2」です。これは、2年生とそれ以上

の学年の人が「経営戦略論」を履修できますが、1年生は履修できないことを意味しています。

 本冊子26ページに掲載している「専門教育科目表」を詳しく見ると、1年生配当科目は、Ⓐ

選択必修科目の20単位分とⒷ選択必修科目の「経営学総論」、「マーケティング総論」、「会

計学総論」12単位分(3総論と呼びます)、ならびに「簿記演習」の合計34単位分で、ほぼ全学

生がこれらの全科目を履修することが予想されて配置されています。これに対してほとんど

の専門科目は2年生以降の配当となっており、「どの科目を、どのような順番で選択するか?」

という問題は、事実上、2年生以降に生じることになります。それを考える際にポイントとなる

新入生のための講義入門―大学での講義の受け方― 1

 ここでは入学したての1年生を念頭に、大学での勉強がよりスムーズに進むように、講義の受け方や「単位」の意味といったことを説明していきます。

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ことに関しては、「2.2年生からの時間割作成方法」で詳しく説明され、具体的な履修例は、

「3-2履修モデル」で示されていますので、是非とも参考にしてください。

1-3 授業科目の種類:講義と演習の違いは?

 授業科目には「講義」と「演習」があります。

 「講義」(これを単に授業と呼ぶことが多い)では、教員が各自の専門領域について教科書

や参考書をもとに授業を行うものです。学生は、教員の説明をもっぱら聴き、不明点があれ

ば質問します。また、多くの講義が100人から300人位の出席者です。

 これに対して「演習」(これは通常「ゼミ」(ゼミナールの略称)と呼びます)は、教員から学生

への一方向の説明だけではなく、学生が主体的に勉強した内容や調べてきた内容を発表し、

みんなで議論しあうものです。教員は、学生の発表内容や議論を良い方向に導く役割です。

また、出席者は、各「演習」に所属する人だけで、教員1人に数名から20名位までの学生で、

少人数で行われます。

 「講義」で専門的知識を身に着け、「演習」で専門的知識を基礎に、各自が問題意識をもっ

て自ら調べ、調べた結果を発表し、他の学生と意見交換を行うというのが、大学での勉強の

スタイルです。そして、2年半の演習の成果として「卒業論文」を執筆することになります。

 「講義」だけを履修して卒業必要単位を集めていくということも可能ですが、是非とも「演

習」を受講し、大学での学びを充実したものにしてください。

1-4 卒業に必要な単位数

 卒業のために修得すべき科目と単位は以下の通りです。

  ①基礎外国語:英語4単位 第2外国語4単位(1年生配当)

  ②体育:基礎体育学演習2単位(1年生配当)

  ③基礎共通科目、または、国際言語文化科目:16単位(2年生以降配当)

  ④専門科目:102単位(1~4年生配当)

 ①基礎外国語と②体育は1年生開講で、それぞれクラス指定されています。また、これらの

科目に関しては、1-2で説明した単位の計算と、違った形で単位が算出されるため注意が必

要です。③基礎共通科目、または、国際言語文化科目は、1年生の後期のはじめにどのコー

スに所属するかを選択し、それぞれのコースで開講されている科目の中から、そのコースの

ルールに基づいて16単位揃える必要があります。④専門科目は1年生から開講されていま

すが、1年生配当科目は比較的数が少なく、あまり選択の余地はありません。これは今後勉

強を進める基礎として、全員にこれらの科目を取ってほしいというわれわれの意図を反映し

ています。圧倒的多数の専門科目は2年生以降に始まり、各人が自分の意志でそれを選択し

て受講していくことになります。そのため、2年生以降は、カリキュラムの意図をよく理解し、

十分考えて履修計画を立てる必要がありますが、詳しくは、2節で説明しています。

1-5 授業計画と履修登録とは?

 どのような授業科目を履修するか、それはみなさん自身が自ら計画します。自分で完成し

た授業計画(時間割表)は、必ず大学に申請しなければなりません。これを「履修登録」といい

ます。教員は授業の準備をしますが、どのくらいの人数の学生が自分の授業を履修するのか、

あるいは、履修に対する成績を評価しなければならない学生は、どの学生なのかなど、履修

登録によって知ることになります。

 前期は、集中講義を含む通年科目、前期科目、後期科目のすべてを登録できます。後期科

目は前期および後期に登録可能です。前期に登録したものも後期に追加・変更ができますの

で、前期にまず登録をしてください。

 「部活動やアルバイトで忙しかったから履修登録を忘れてしまいました。」という言い訳は

通用しません。履修登録をしないまま、授業に出ても、成績評価は行われず、その授業の単

位を修得することはできません。また、定められた履修登録期間が過ぎて、あとから履修登

録を行うこともできません。十分に気をつけてください。

 「専門演習Ⅰ」に関しては、2年後期にはじまり、事前に所属申込みをして決定された演習が

自動登録されます。「専門演習Ⅱ」は、「専門演習Ⅰ」と同一担当者の演習を継続して履修するこ

とになります。

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1-6 卒業までの4年間の大切な行事は?

 みなさんは、現在1年生の4月です。今後卒業までの間に忘れてはならない大切な行事は、

おおよそ以下の通りです。

 ◇ 1年生から4年生の毎年4月 : 履修登録 ◇ 1年生から4年生の毎年9月 : 履修登録 ◇ 1年生後期のはじめ : 基礎共通科目、国際言語文化科目コースへの応募(全員) ◇ 1年生の1月 : ビジネス・リーダー養成プログラムへの応募(希望者のみ) ◇ 2年生の4月 : ビジネス・リーダー養成プログラムの授業科目開始 ◇ 2年生の6月・7月 : 専門演習Ⅰ(ゼミナール)への応募 ◇ 2年生の9月 : 専門演習の開始 ◇ 4年生の4月と9月 : 卒業に必要な単位の修得状況の確認 ◇ 4年生の3月上旬 : 卒業判定結果の発表 ◇ 4年生の3月25日頃 : 卒業式

 なお、「専門演習Ⅰ」への応募方法等について、詳細は、2年生の前期に開催する「専門演習Ⅰ

申込説明会」において説明します。

1-7 ビジネス・リーダー養成プログラムへの参加は?

 ビジネス・リーダー養成プログラムへの参加には、条件があります。1年生のときの学業成

績が一定の条件を満たしている人で、かつ、選考試験で所定の成績をおさめた人です。詳細

は、入学時の新入生履修指導、1年生の10月と12月に説明会にてお話しますので、プログ

ラムへの参加希望の人は必ず出席してください。

 説明会の日程や場所は、掲示や、My KONANで案内がありますので注意してください。

1-8 履修した授業の成績はいつどのようにわかる?

 履修登録を行い、講義や演習に出席し、期末試験を受験した結果、その授業科目の成績

は、下記のいずれかの定められた日にわかります。

 前期だけの授業科目 ⇒ 毎年9月(前期末)

 通年の科目、後期だけの科目、集中講義 ⇒ 毎年3月(学年末)

 また、1年間の成績表(学修簿)は、みなさんの自宅あてに郵送で通知されます。

 なお、経営学部では、成績の修得状況が思わしくない学生については、その人に3月頃に

問い合わせを行い、4月頃に教員面談を実施し、改善できるよう指導しています。

 また、授業の成績について、1-2で説明した、秀・優・良・可・不可の評価以外に、GPA

(Grade Point Average)制度が導入されています。GPAとは、各自が履修した授業科目の

成績評価に対して、秀・優・良・可・不可の順番に、4、3、2、1、0点のGrade Point(基準点:G

P)を与え、単位数に応じて平均を求めた数値で、成績の状況をシンプルに示すことを意図し

て計算される評価指標です。GPAは、成績表(学修簿)にも掲載され、成績の良し悪しの尺度

として利用されることが多いです。(GPAを算出する計算式については、履修要項を参照し

てください。)

1-9 教員への質問はどうすればよい?

 教員への質問には、次の方法があります。

  ①授業時間内または終了後に直接質問する。

  ②シラバス(授業の内容の説明書。My KONANで閲覧できる。)に記載されている「オ

   フィスアワー」の曜日・時間帯に教員の研究室へ行って質問する。

  ③E-mailアドレスを公開している教員の場合は、メールで質問する。

 学生からの質問は大歓迎です。機会を見つけて遠慮なくどしどし質問してください。

1-10 大学で自主学習する場所は?

 自主学習したい場合、次の場所があります。

  ①図書館の閲覧室

  ②5号館3階の独修エリア

 また、演習などで共同研究したい場合、5号館5階の演習室を借りることや、共同学修

エリアを利用することもできます。

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2-1 自分の「専門」をつくる

 本冊子の26ページの専門教育科目表を見れば明らかなように、いくつかの例外を除いて、

専門科目の大多数は2年生配当科目となっています。みなさんは2年生になった途端、専門

科目に関しては、40科目以上の科目から選択することが可能になりますが、2年生の専門科

目の登録制限は、「専門演習Ⅰ」を除いて30単位になっていますので、専門科目は、4単位科

目で7科目を履修することになります。つまり、2年生になった途端、実に、40科目から7科目

を選ぶ「科目選択」の問題が生じます。1年生の配当科目は限られており、時間割は、ほとん

どの学生が似通ったものとなると思われます。これに対して、2年生以降、みなさんが作る時

間割は、それぞれの考え方によって、それぞれが全く違ったものとなることになります。ここ

で、科目を選択し、時間割を作るときの「考え方」の中心になるべきものは、「自分の専門をつ

くる」ということです。

 このことは、せっかく大学教育を受けるのですから、「大学時代に○○を専門に勉強した」

と胸を張って卒業できるようになろうということを意図しています。そのためには、履修に当

たって自分の「専門」を意識的に持ち、体系的に科目の履修を進める必要があります。通常、

「専門」は演習で勉強し、卒業論文のテーマとした研究領域を指しますが、それは演習での指

導だけで完成されるわけではありません。経営学部では非常に多様で多くの科目を開講し

ていますが、いくつかの専門領域に分けられる科目群が存在します。それぞれの専門に関わ

る専門科目群を体系的に履修することにより、より深く、そして、より包括的に自分の専門領

域を極めることができます。

 3節では「履修モデル」として、各種の研究領域を説明し、それに関連する科目群を示して

います。それぞれ、40単位程度の科目群となっています。卒業必要単位はその倍以上の単

位数ですので、「専門」以外の科目も当然履修する必要があります。みなさんには、演習が属

する科目を中心に自分の専門分野を深めながら、さらにもう一つ位、サブ専門分野を想定し

て、履修計画立てることをお勧めします。

2-2 科目の「性格」を考えて履修する

 経営学部開講の専門科目は4単位開講の形をとっており、基本的には自己完結的な形で

受講できる科目が多数派です。しかしながら、それぞれの科目は、その専門分野において、

以下のどれかの機能を果たすことが期待されて設置されており、科目間の関係を念頭に履

修を進めていくことが必要です。

 専門教育科目表を見ると、主要専門科目は以下の3つのカテゴリーに分けられています。

 Ⓐ選択必修:科目表の、「基礎演習」~「情報処理概論Ⅱ」

 Ⓑ選択必修:科目表の、「経営学総論」~「グローバル・コミュニケーションⅡ」

 Ⓒ選択必修:科目表の、「経営史」~「実践的経営シミュレーション演習」

 一般に、それぞれの専門の中核となる「専門科目」は、専門教育科目表のⒷ選択必修科目

とⒸ選択必修科目がこれに該当しますが、専門分野に応じて、その位置づけが微妙に変化

するため、履修に当たっては注意が必要です。各科目は、その専門分野において、

 ①前提となる基礎知識を得るための科目

 ②ある研究領域を学ぶために早い時期に修得しておいた方が好ましい基礎的な専門科目

 ③自分の専門に隣接する領域に属する専門科目

といった機能を果たすことになります。

2-3 科目の性格とその科目表における位置づけ

 基本的には、専門教育科目表のⒶ選択必修に属する科目は、①の機能を果たすことを意

2年生からの時間割作成方法―経営学部専門科目の履修を中心に-2

 1年生の時間割は比較的自由度が低く、どの科目を取るかあまり考える必要はありませんでしたが、2年生になると選択の幅が圧倒的に広がります。専門科目に関してだけでも、巻末の科目表に記載されている科目だけで、2年生は40科目近くの科目から選択して履修することになります。さらに、2年生から基礎共通科目、または、国際言語文化科目も履修することになります。2年生になるとこれらの科目を自分で選んで登録し、履修していく必要があります。そのためここでは、みなさんが2年生進級後に直面する、これらの科目の履修計画の参考となることを説明してきます。

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9 10

図して設置されており、上級生に進級後、どのような専門を極めようとしても大丈夫なように

全1年生が全科目を履修することを期待して、1年生配当科目となっています。②の色彩が強

い科目は、専門教育科目表のⒷ選択必修科目ですが、この中で、「経営学総論」、「会計学総

論」、「マーケティング総論」は、②の意味での重要性が圧倒的に大きいだけではなく、専門に

関わらず、全ての経営学部学生が基礎知識として持っておくべきであると考えられる科目で

あるため、全学生が修得することが期待されており、1年生配当科目になっています。したがっ

て、みなさんには、これらの3科目に関しては、たとえ1年生で単位修得に失敗したとしても、

再履修用クラスにおいて、是非ともすべてを単位修得して卒業することを期待しています。

 残りのⒷ選択必修科目である、「経営管理論」、「経営戦略論」、「財務諸表論」、「原価計算」、

「商学基礎論」は、それ自体が専門科目であるだけでなく、他の科目を勉強する上での基礎

知識となる可能性が高い科目となっていますが、何を専攻するかによって、その位置づけが

変化するため、専門に応じて、「とり方」を考える必要があります。例えば、「財務諸表論」は、

財務会計を専攻するにあたっては、②の色彩が非常に強い、基礎的な専門科目となります。

ところが、管理会計を専攻するにあたっては、同じ会計分野であるにもかかわらず、直接的

な関係は希薄となり、③の隣接する領域に属する科目程度の位置づけになります。

 このように、科目の位置づけを理解して履修を進めることは、「専門を意識する」ことに他

ならないことですが、そうすることが、逆に、各科目の勉強をスムーズにし、単位を修得しや

すくすることを意味していることにも注目してください。つまり、「専門を意識する」ことは、こ

のような、卒業必要単位を揃えやすくするといった、「実用的な意味」も持っているのです。

2-4 科目表の見方と卒業要件 さて、経営学部は専門科目102単位を卒業要件としますが、各人が意識して自らの専門

領域を形成していくという上記の考え方に基づいて、選択必修の卒業必要単位数が決めら

れています。

 まず、経営学部の専門科目とみなされる科目は、本冊子の26ページの専門教育科目表に

あるように、いくつかのカテゴリーに分けられています。2-2で説明したⒶ選択必修科目、Ⓑ

選択必修科目、Ⓒ選択必修科目の他に、以下の科目があります。

 その他の科目 科目表の「一般」、「キャリアデザイン」に分類されている科目と、科目表に

        ないが卒業必要単位に算入される科目。科目表の、経営学特論a~インター

        ナショナルOCAの他、本冊子28ページに記されている外国語科目等の、

        科目表にないけれども卒業必要単位に算入される科目

 「教職科目」 教員免許の修得にかかわる科目

 卒業のためには、Ⓐ選択必修を8単位以上、Ⓑ選択必修を20単位以上、Ⓒ選択必修を50

単位以上とりながら、合計102単位修得することが必要です。つまり、Ⓐ~Ⓒ選択必修科目

を78単位修得した上で、さらに、「自由選択科目」として24単位とることになります。この自

由選択科目である24単位には、上記の「その他の科目」と必要な単位数を超えて修得したⒶ

~Ⓒ選択必修科目の単位が当てられます。

 Ⓐ選択必修科目は、1年生開講で、全学生が受講するべくクラス指定で開講されています

ので、ほぼ全員が機械的に履修することになります。2年生以降、Ⓑ選択必修科目とⒸ選択

必修科目から選択して履修を進めることになりますが、その際、専門を明示的に持たずに、

場当たり的に選択を進めることがないように、卒業必要単位数が決められています。

2-5 2年生での「まずい」科目選択の具体例 専門を意識せずに、場当たり的に科目選択をすることが、卒業必要単位を揃えにくくする

ことを、簡単な例で示しましょう。

 例えば、A君は優秀で、1年生で履修した科目の全てに合格し、次ページの表だけの単位

を修得しているとします。

 このA君が、専門を意識せず、とりあえず2年生の間にⒷ選択必修の卒業要件を満たすこ

とだけを考えて、2年生でⒷ選択必修科目ばかり5科目(20単位)を履修し、合格したとしま

す。この場合、Ⓑ選択必修科目の修得単位数は1年生で修得した12単位と合わせて、32単

位になります。その結果、卒業のために必要なⒷ選択必修科目の20単位は揃いますが、残り

の12単位は自由選択科目として扱われます。

 ところが、自由選択科目に該当する単位は、1年生ですでに14単位取っているため、合計

で26単位となり、2単位分は卒業必要単位としてカウントされないことになります。

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 また、3年生以降、キャリア科目や各種の特論科目の単位を修得しても、これも卒業必要

単位にカウントされなくなります。つまり、2年生以降、Ⓑ選択必修科目の卒業必要単位20

単位をどの科目で揃えるかについて、やみくもに単位を取りにかかるのではなく、上述の自

分の専門に照らして何をどのように勉強するべきかを学生に考えさせることを意図して、各

卒業必要単位数は設定されています。

 このように、2年生以降、圧倒的な数の科目数から選択して履修を進めることになります

が、自分の専門を意識して(2-1)、科目の性格を理解した上で(2-2、2-3)履修を進めること

を誘導するべく卒業要件は決められていますので(2-4、2-5)、みなさんには、本冊子やシラ

バスを熟読し、より実りが多い形で履修計画を立てることを希望します。

2-6 基礎共通科目、国際言語文化科目の履修

 2年生以降、履修する科目として、専門科目の他に、基礎共通科目、または、国際言語文化

科目があります。これらの科目は、1年生後期に決定しているコースに関して、2年生以降配

当で、卒業のために16単位必要とされます。

 専門科目の卒業必要単位数が102単位以上であるのと比べると、比較的少ない単位数で

すが、この単位を揃えられずに卒業できないケースも多く、慎重に履修する必要があります。

制度上は2年生から4年生の間の3年間で単位を揃えればいいことになっていますが、上級

生になると演習を中心に専門分野の勉強が忙しくなる可能性が高いので、できるだけ早く、

できれば2年生の間に16単位揃えてしまうことをお勧めします。

 なお、1年生と2年生の専門科目の履修登録科目の単位制限が、それぞれ、32単位と30単

位と、3・4年生と比べて少なく設定されているのは、1年生の時は語学や体育演習を履修し、

2年生では基礎共通科目、または、国際言語文化科目を履修することを想定してのことです。

2-7 「グローバル・コミュニケーションⅠ・Ⅱ」の履修登録について

 「グローバル・コミュニケーションⅠ・Ⅱ」(各4単位)は、 BerlitzやECCといった専門学校と提

携して開講されている全学共通科目です。これらの科目は、専門学校での講義と同様の講

義が開講され、通常の大学教育では達成しにくい、実践的な英語力の養成を期待して設置

されている科目です。

 将来の就職先がどのような企業であれ、このような能力は、経営学部卒業生として是非と

も持っていたい能力です。経営学部では、学生がこれらの科目を履修することを、他学部以

上に、強く推奨しています。つまり、26ページの科目表にあるように、3総論と同様のカテゴ

リーの科目であるⒷ選択必修科目として、卒業必要単位に合計8単位算入できる科目として

います。

 経営学部2年生を対象として、200人程度の定員が特別に確保されていますが、開講クラ

ス数等の関係で、1年生の1月に次年度の履修申込みを行います。詳しくは、「基礎演習」等で

アナウンスしますので注意しておいて下さい。

 なお、「グローバル・コミュニケーションⅠ・Ⅱ」を履修するためには、「英語クラス分けレベル

チェックテスト」を受験しておく必要があります。このテストは、この科目だけではなく、国際

言語文化科目であるいくつかの中級英語を履修する際にも受験しておく必要があり、1年生

の10・11月ごろに、国際言語文化センターによって実施されるものです。詳しくは「College

English」の時間等でアナウンスがありますので、経営学部学生はできうる限りこの試験を受

けておくようにしておいて下さい。

[A君が1年生で履修した科目と修得した単位数]科目名基礎演習入門簿記 ファイナンス入門経済学入門統計学入門 Ⅰ統計学入門 Ⅱ情報処理概論 Ⅰ情報処理概論 Ⅱ経営学総論会計学総論マーケティング総論IT基礎

442222224442

単位

Ⓐ選択必修科目:20単位卒業必要Ⓐ選択必修  8単位修得       残り 12単位

Ⓑ選択必修科目:12単位修得

その他の科目:2単位

自由選択科目合計14単位修得

Page 9: 経営学部授業への いざない · これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授 業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

13 14

3-1 科目間の関係

 26ページの専門教育科目表に記載されているように、経営学部の専門科目は、経営学系

統、会計学系統、商学系統に分類されています。以下では、系統ごとに、開講科目の位置づ

けを示します。

 経営学関係の科目は、経営管理に関する科目群、企業の各職能別に考察する科目群、企

業経営の国際化に関する科目群、特定のタイプの組織に注目した科目群に分類できます。経

営学総論を全ての基礎科目としますが、歴史に関わる科目として、経営学の対象である企業

の歴史を学ぶ経営史や経営学の成り立ちを歴史的に考察する経営学史が置かれています。

 企業の運営のあり方、すなわち、経営管理を取り扱う科目は、経営管理論を基礎科目とし

て、経営戦略論、経営組織論、経営科学が配置されています。また、環境との関連で経営管

理を論じた科目として、経営環境論があります。

 さらに、企業の職能別の領域に注目した科目として、次の3科目が置かれています。すな

わち、経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」に関して、ヒトの側面に注目した経営労務論、モ

ノの側面に注目した工業経営論、カネの側面に注目した経営財務論、情報の側面に注目し

たビジネスシステム論がこれに該当します。

 また、会社の属性に注目し、特定のタイプの組織の経営問題を取り扱った科目として、製

造業を取り扱う工業経営論、ベンチャー企業を取り扱うベンチャービジネス、中小企業を取

り扱う中小企業論、NPO等の非営利組織を取り扱う非営利組織論があります。

 さらに、国際的な企業活動に焦点を当てた科目群は、国際経営論を基礎科目としながら、

国際ビジネス事情やアジアに注目したアジア経営論が設置されています。

科目間の関係と履修モデル3 ここでは、学生諸君が2年生以降の履修計画をうまくたてられるように、経営学部で開講されている専門科目の科目間の関係や位置づけと、各専門分野の説明とそれに属する科目群を簡単に説明します。

経営学関連科目

経営学総論 経営管理論 経営戦略論経営組織論

アジア経営論国際ビジネス事情

経営科学環境経営論

経営財務論

経営労務論

ビジネスシステム論

国際経営論

工業経営論

ベンチャービジネス

中小企業論

非営利組織論

経営学史

経営史

経営管理

職能別

国際化

特定のタイプの企業の経営問題

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 会計学関係の科目は、会計学総論と入門簿記を全ての基礎としながら、財務会計に関す

る科目群、管理会計に関する科目群に分類できます。財務会計に関する科目群には、財務諸

表論を基礎科目として、会社の簿記問題等に注目した中級簿記、財務諸表に対する監査を

取り扱う監査論、利益(所得)に係る税金の側面を取り扱う税務会計、会計基準等の国際的

側面を取り扱う国際会計論、財務会計の理論面を取り扱う企業会計理論、企業会計の歴史

的側面を取り扱う会計史が配置されています。

 また、管理会計に関する科目群には、原価計算、管理会計を基礎科目として、原価計算の

簿記問題等に注目した工業簿記、企業の会計システム等を取り扱う情報会計システム論、

財務諸表を利用した分析を取り扱う財務諸表分析が配置されています。

 商学関連科目は、大きく二つの系統に分けることができます。

 一つは、企業を取り巻く金融市場および企業の資金の調達と運用に関する内容を中心に

して学習するものです。この系統の基礎は、企業をはじめとする経済主体の意思決定行動に

ついて、市場理論的に分析する商学基礎論です。これを基礎として、不確実性下でリスクを

どのように管理するかを分析するリスクマネジメント、金融市場全体の動向を分析する金融

論、経済主体の資金運用行動と資産価格を中心として分析する証券論が置かれています。

 もう一つは、商業に関する学習を系統的に行うものです。この系統の基礎は、商業を学ぶ

上での基幹科目となるマーケティング総論及び前述の商学基礎論で、これらの基礎知識を

前提に、経済主体の消費行動を分析する消費者行動論、情報化社会におけるマーケティン

グに対する基本的な考え方を分析するマーケティング管理論、グローバル・マーケティング

の分析を行う国際マーケティング論、商業流通に関して専門的に学ぶ流通システム論が置

かれています。

会計学関連科目

会計学総論 財務諸表論 監査論税務会計

管理会計情報会計システム論財務諸表分析

国際会計論企業会計理論会計史

中級簿記

原価計算

工業簿記

入門簿記財務会計

管理会計

商学関連科目

商学基礎論 マーケティング総論

ファイナンス入門

マーケティング管理論流通システム論

金融論証券論

リスクマネジメント

消費者行動論国際マーケティング論

マーケティング

金融

Page 11: 経営学部授業への いざない · これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授 業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

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 企業の事業展開とは、「企業が目標を定め、具体的にどの分野で活動するかを決め、そこ

でどのように他社と競争し、事業を展開していくのかについて理解する領域」です。企業は

世界情勢や経済状況の変化に常に適応していかなければなりません。また、国内外の他社

と競争し、存続していかなければなりません。そのためには、自社の強み・弱み・脅威・機会な

どを正確に把握し、現状に適し、利益を生み出す事業を展開していかなければなりません。

それを実現させるためには、様々な知識が求められます。そのような、企業の事業展開に求

められるビジネスセンスを身に付けることを目的とします。

3-2 履修モデル

 以下では、学生諸君が自分の「専門」をつくるための参考となるよう、ある専門分野を

形成する科目群とそれぞれの科目の中でのその位置付けを示す、「履修モデル」を掲載し

ています。アカデミックな世界で一般的な、伝統的な専門分野である、経営戦略、経営組

織、財務会計、管理会計、マーケティング、ファイナンスの6つの履修モデルと、より現

代的な視点に立って科目を体系化している、国際化と情報をキーワードとした履修モデル

です。

経済学入門

経営財務論

工業経営論

国際経営論

アジア経営論

マーケティング管理論

リスクマネジメント

統計学入門 Ⅰ・Ⅱ

経営学総論 マーケティング総論

経営戦略論Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修

経営戦略(企業の事業展開)を中心に勉強するために

Page 12: 経営学部授業への いざない · これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授 業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

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 財務会計の目的は、企業外部の利害関係者に意思決定に役立つ会計情報を提供するこ

とです。また、会社が出資者に分配する際、分配可能な剰余金の計算の基礎として財務会計

が必要となります。さらに、法人税、住民税、事業税といった利益(所得)に係る税金にとって

も財務会計が基礎となります。このように、様々な役立ちを持つ企業の損益計算をいかに適

正に行うかを考える学問が財務会計です。

入門簿記

中級簿記

監査論

税務会計

国際会計論

情報会計システム論

財務諸表分析

企業会計理論

会計史

会計学総論

財務諸表論 原価計算

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修

 企業の人間的側面とは、「企業を構成し、そこで活動する“ヒト”に焦点を当て、その現象や

行動を理解する領域」です。経営資源はヒト・モノ・カネ・情報と言われますが、その中で唯一、

意思を持つのが“ヒト”です。それゆえ、これらの経営資源の中で最も扱うのが難しいのが“ヒ

ト”と言えるでしょう。“企業は人なり”という言葉があるように、“ヒト”は、企業の重要な資源

であり、競争優位を発揮する源泉になります。それゆえ、企業組織における“ヒト”の重要性や

マネジメントについて組織(トップや人事部)と個人(従業員)の双方の視点から捉えます。

経済学入門

経営学史

経営労務論

経営組織論

非営利組織論

消費者行動論

統計学入門 Ⅰ・Ⅱ

経営学総論

経営管理論Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修

財務会計を中心に勉強するために経営組織(企業の人間的側面)を中心に勉強するために

Page 13: 経営学部授業への いざない · これに対して、「ファイナンス入門」は2単位です。「ファイナンス入門」は1年生の前期に授 業がありますが、1週間に90分の授業が1回、15週間にわたって行われます。つまり、前期で

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 マーケティングとは、「企業組織と消費者の相互作用活動」に関わる研究領域を意味し、ビ

ジネス・スクールでは、戦略論やファイナンスと並ぶ、有力な専門領域になっています。企業

組織が、競合企業との競争状態の中でどのような活動を進めていくのか、その「企業内活

動」を中心に取り扱う戦略論や、それにかかわる意思決定や市場における評価のメカニズム

を学ぶファイナンスとは異なり、企業組織外との取引関係を主に勉強します。また、経営学や

経済学、社会学、心理学との関係も深く、そこで学んだ考え方や諸概念を用いて議論が展開

されることが多く、マーケティング論は学際的な研究分野です。

 管理会計の目的は、企業内部の経営管理者に経営管理に役立つ会計情報を提供すること

です。たとえば、経営管理者が自社の部下の業績を評価したり、自社製品の価格を決定したり

する際の材料として、貨幣単位で表示された会計情報が必要となります。合理的で賢明な業

績評価や意思決定を、会計情報を用いてどのように行うかを考える学問が管理会計です。

消費者行動論

マーケティング管理論

流通システム論

国際マーケティング論

マーケティング総論

商学基礎論

経営戦略論

経営管理論

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修経済学入門 入門簿記

管理会計

経営財務論

経営組織論

統計学入門 Ⅰ・Ⅱ

経済学入門 統計学入門 Ⅰ・Ⅱ

ファイナンス入門

会計学総論

原価計算

経営戦略論

経営管理論

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修Ⓒ選択必修

マーケティングを中心に勉強するために管理会計を中心に勉強するために

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 経営学部の開講科目は多様であり、「企業経営の国際化」をキーワードとして、企業経営の

国際化を多様な側面から勉強していくことも可能です。企業経営の国際化にともなう諸問

題について、経営管理、財務会計、マーケティングといった、企業経営の諸側面に注目した科

目の他、世界の各地域に注目した科目も設置されています。この種の科目を履修していくこ

とにより、国際化する企業経営の状況を理解できるだけでなく、そこを舞台として活躍する

ためのグローバル・マインドが形成されることが期待されます。

マーケティング総論

経営学総論 会計学総論

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

 ファイナンスとは、「金銭の流れに関する諸活動」に関わる研究領域を意味し、ビジネス・ス

クールでは、マーケティングや会計学と並ぶ、有力な専門領域になっています。金銭の流れ

に関する「記録のあり方」を中心に取り扱う会計学とは違い、それにかかわる意思決定や市

場における評価のメカニズムを勉強します。経済学や会計学と関係が深く、そこで学んだ考

え方や諸概念を用いて議論が展開されます。

経営財務論

リスクマネジメント

金融論

証券論

管理会計

会計学総論

商学基礎論

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修

Ⓒ選択必修

国際経営論

アジア経営論

国際ビジネス事情

国際会計論

国際マーケティング論

経済学入門 統計学入門 Ⅰ・Ⅱ

ファイナンス入門

ファイナンスを中心に勉強するために 「国際化」(企業経営の国際的展開)を中心に勉強するために

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経 営 学 部

 情報系の科目としては、「情報処理概論Ⅰ・Ⅱ」「ビジネスシステム論」「経営科学」「情報処理Ⅰ・

Ⅱ」および「情報会計システム論」が開講されています。1年生配当の「情報処理概論Ⅰ・Ⅱ」を履

修することで、情報処理技術(Information Technology; IT)の基礎を学ぶことができます。

ITは企業の経済活動の様々な側面に用いられています。2年生以降に配当されている情報

系の科目は、学生の皆さんの関心領域に応じて受講して下さい。ITのビジネス一般における

利用については、「ビジネスシステム論」を、また、ITの会計における利用については「情報会

計システム論」を受講して下さい。

情報処理概論Ⅰ・Ⅱ

経営科学

ビジネスシステム論

情報会計システム論

情報処理Ⅰ・Ⅱ

会計学総論 経営学総論

マーケティング総論

商学基礎論

Ⓑ選択必修

1年生配当

2年生以降配当

Ⓐ選択必修

Ⓒ選択必修

「情報」を中心に勉強するために

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卒業必要単位数

1 経営学部経営学科の学生は、次に定めるところに従って単位を修得しなければならない。

2 2年次にビジネス・リーダー養成プログラムに所属した場合は27ページの専門教育科目

 の単位も上記1に含まれる。

3 次の科目については、専門教育科目として卒業必要単位数に充てることができる。ただ

 し、選択必修の単位数に充てることはできない。

 (1) 外国語科目のうち、中級外国語、上級外国語及び海外語学講座の単位、8単位以内

   (ただし国際言語文化科目を選択した者が履修するコース中の外国語科目の中級外

    国語を除く)

 (2) 英語英米文学科「English Studies Ⅰ~Ⅷ」の単位、8単位以内

 (3) 生涯スポーツについては、2単位以内

 (4) 「IT基礎」、「IT応用」の4単位

 (5) 「エリアスタディーズ Ⅰ~Ⅹ」については、4単位以内

16単位

8単位

2単位

102単位以上

128単位以上

基礎共通科目または国際言語文化科目

外国語科目       

保健体育科目       

専門教育科目

合計

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経営学部履修登録科目の単位制限

(1)平成29年度入学生

1 経営学部の学生が履修する授業科目において、登録単位制限を受ける科目及び単位数

 は次のとおりである。

(注)1 登録単位制限は前期履修登録・後期履修登録の単位数を合わせたものである。

  2 専門教育科目表とは、自己の入学年度に適用される専門教育科目表である。

2 次に掲げる科目の単位についてはこの制限を受けない。

 (1) 「インターンシップ」「実践ボランティアⅠ」「実践ボランティアⅡ」

「インターナショナルOCA」

 (2) “省略”

 (3) ビジネス・リーダー養成プログラム所属学生については、ビジネス・リーダー養成プ

    ログラム専門教育科目表の全科目

 (4) 「専門演習Ⅰ」「専門演習Ⅱ」

経営学部専門教育科目表に記載の科目

基礎共通科目(選択したコースの科目及び各コースの共通科目)

1年次 2年次 3年次 4年次

32単位以内

30単位以内

16単位以内

44単位以内

44単位以内

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経営学部授業へのいざない

~ 授業科目履修の手引き ~(2017年度版)

甲南大学 経営学部