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秘められた超音波の力
~キャビテーション~
●目的
医療などでよく使われている超音波について、より詳しく知りたいと思った。
?キャビテーションとは?
液体中の圧力差により、短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。泡が消滅す
る瞬間に衝撃波を発生させる。超音波洗浄機は、水中に超音波を発生させ定常波を作り圧
力差を生じさせる現象を利用し、物体の表面の汚れを落とすことができる。
●予備実験
アルミホイルを超音波洗浄機にかけて、超音波洗浄機が出すキャビテーションの力を検
証した。全体的に傷ができ、所々穴が開いた。
●実験1
振動数の違いによって破壊力に違いがでるかを検証した。
予備実験から洗浄機(26kHz 36kHz)でアルミホイルが破壊できると分かったので、
5分間かけたときにアルミホイルの質量の減少を測定した。
~結果~
26kHz:0.63g→0.53g(14%減少)
36kHz:0.62g→0.59g(5%減少)
この実験より振動数が小さいほうが破壊力が大きくなることが分かった。
●実験2
アルミホイルを破壊する実験ではアルミホイルの傷にむらができた。超音波の定常波に
よって、超音波の強い場所と弱い場所ができたと考えられる。
このことから超音波の波長を測定した。
26kHzの超音波洗浄機での結果、傷の間隔は 2.9cmであった。これは半波長λ/2と考え
られるので。波長λは 5.8cmと求めることができた。
水中での 26kHzの超音波の波長を公式で求めると、λ=(水中での音速 1500m/s)/(振動数
26kHz)=5.8cmとなる。実験結果はこれとよく一致した。
赤い線が傷
この間隔が 2.9cm!
●実験3
文献を調べた結果キャビテーションは生物の細胞も破壊できるということがわかったの
でハムを洗浄機にかけてみた。
~結果~
26kHz 36kHz
全体的に傷ができた。 あまり傷はできなかった。
生物の細胞も破壊することができた。
また、生物の細胞もアルミホイル同様に振動数の小さい26kHzのほうが破壊力が大
きかった。
●実験4
OHPシートを油性マジックで塗り、洗浄機で洗浄してみた。36kHz、26kHz双
方で行った。
~結果~
残念ながら36kHz、26kHzの洗浄機両方で油性マジックの汚れを落とすことが
できなかった。
●他に行った実験
○雪の深さを計測する
超音波の性質を利用して雪の積雪量を測れるか実験してみた。
~結果~
新雪で計測すると、計測できなかった。超音波が雪に吸収されものと考えられる。
圧雪で計測できるか実験した結果、正しく計測できた。表面で超音波が跳ね返ってい
るようだ。
○霧を作る
水中から水面に進む超音波よって水面に水柱が発生する。水柱の表面に表面波が発
生し、この表面波の先端から水滴が飛散して霧となる。この表面波をキャビラリー波
という。
~結果~
水の表面に発生した水柱を高速度カメラ(20倍)で撮影した。水柱の表面に表面波
発生しているのが確認できた。
○パラメトリックスピーカー
パラメトリックスピーカーは超音波の指向性を利用して特定の範囲だけに音波を伝え
ることができる。
これを用いて音が指向性を持つ様子を観察してみた。
~結果~
超音波によって運ばれた音が指向性を持つことを観察できた。
●考察
いままでの実験で強力な超音波にはいろいろな性質があることがわかった。キャビテー
ションのの実験 1より、振動数の小さい超音波洗浄機の方が破壊力が強いことがわかった。