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小特集・CAD/CAMシステムとその適用 U.D.C.〔る58.512.2.011.5る:る81.322 +占21.049.73:占21.757-52:占81. 制御盤・配電盤・整流器盤におけるCAD/CAM システム CAD/CAMforControIEquipment.Switchboards・and Rectifierboards シ【ケンス,実装,酷線設計などの電気設計自動化技法は従来からいろいろと開 発されているが,近年のコンビュ”タグラフイツクスや対話形図形処理端末機器の 急速な進歩に伴い,よl)広範囲の作業の自動化 より使いやすくフレキシブルな自 動化が可能となった。 特に,バ、ソナ処理によるDAと時分割処理による対話形CADシステムとの連携, あるいはCAD/CAM一貫システム化の面で自動化機能が拡張し,設計・製造工柑 での極めて重要なツ”ルとして実用化されつつある。 本論文では制御盤,配電盤,軽流器磐などいわゆる盤製品を対象としたCAD/CAM システムの主な機能について概要を紹介する。 lI 磐製品は,電力,鉄鋼,_上下水道,一般産業設備など各種 プラントの運転・稼動状子兄を監視して境遇制御を行なう,い わば中松神経的な役割を担う製品である。その生産形態は多 種・少量受注生産で,生産過程の中では特に設計業務の比率 が極めて高い。 設計業務は,機能設計(制御方式・制御ロジックの設計)と ハードウェア設計(実装・配線設計)に分かれるが,製品の多 様化・大規模榎雉化に伴って前者の作業比率が増大する傾向 にある。また,現場作業は組立配線作業が主体である。 これら一連の生産過料三の一貫した自動化を目的として,CAD/ CAM(ComputerAidedDesign/ComputerAidedManufactur- ing)システムを開発・適用拡大中であり,以下にその概要に ついて述べる。 盤CAD/CAMの構成 磐一貫自動化システムは,図1に示すように,設計自動化 とそれにリンクした製造自動化,及び各種ドキュメントのオ ンラインIR(情報検索)で構成している。 (1)設計自動化は,シーケンス,実装,配線設計という一連 の設計作業を,初期データを入力するだけで計算機が自動設 計(バ、ソナ処理)するいわゆるDA(DesignAutomation)システ ムと,図形入力装置(タブレソ=やグラフイソクディスプレ イなどを使って対話形で編集設計する対話形CAD(タイムシ ェアリングシステム処理)システムとの連動方式である。 (2)製造自動化システムは,設計自動化の出力データを磁気 ディスク,磁気テープ,紙テープなどを媒体として受け,製 缶・組立・配線・チェックラインの各種自動機へのNC(数値 制御)データの編集と自動機群管理を行なうシステムであり, 後述の4.に配線自動化の一例を薪R介する。 (3)オンライン情報検索は,設計・製造業務を側面的に支援 するもーので,信頼性データ,原価・工程・部品データ,設計 諸元などのドキュメントを,オンラインキャラクタディスプ レイにより自動検索するシステム(ADM:Adaptable Data Man昭er)であるが,本論文では省略する。 小林克己* 方α~ざ〟ん言∬。占。封。ざJlよ 橋山督司** r。克郎5ムg〃α5的。mα 吉原 進*** s〃5・以m加y。βん才んαγ。 設計自動化の内容 3.1 シーケンス自動化の考え方 (1)シ”ケンスは,主回路から制御回路まで, 実際の物(機器) の触甚とは関係なく,機能・操作・動作が分かりやすいよう に,機器間の電1く的なつながりを表わすとともに、実装・軋 ⊂⊃ シーケンス自動化 実装・配線設計 ⊂互⊃ 図形・実装 (変更・追加) NC シーケンス 実装図 配線図 テープ 統合データ /ヾ - 信頼性=弓 品IR 製造自動化 デN !C 検査(日動化 H--80 自 動機群管王里 H-08 注:略語説明 DA(Des唱n A]tOmatLon) CAD(Compリーer Aided Des唱∩) NC(数値制御) H-80(日立制御用コンピュータHIDIC80) H-08(日立制御用コンピュータHIDIC O8) lR(情報検索) 図l 盤一貫自動化全体構成 DA・CAD・CAM連動システムと,それ を支援するオンライン情報検索で構成Lている。 * 日立製作所人みか工場 ** 口荘製作所日立工場 *** 日立製作所日立研究所

制御盤・配電盤・整流器盤におけるCAD/CAM - HitachiPBS 34 5R 5RP 5ES 5ES 5E 5RP 5E 5ES 5R 34N 入力情報 図4 一貫自動イヒ入力データ イングする。S・PBL-1-2=5RP

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  • 小特集・CAD/CAMシステムとその適用 U.D.C.〔る58.512.2.011.5る:る81.322+占21.049.73:占21.757-52:占81.323〕:る21.31る.34

    制御盤・配電盤・整流器盤におけるCAD/CAMシステム

    CAD/CAMforControIEquipment.Switchboards・andRectifierboards

    シ【ケンス,実装,酷線設計などの電気設計自動化技法は従来からいろいろと開

    発されているが,近年のコンビュ”タグラフイツクスや対話形図形処理端末機器の

    急速な進歩に伴い,よl)広範囲の作業の自動化 より使いやすくフレキシブルな自

    動化が可能となった。

    特に,バ、ソナ処理によるDAと時分割処理による対話形CADシステムとの連携,

    あるいはCAD/CAM一貫システム化の面で自動化機能が拡張し,設計・製造工柑

    での極めて重要なツ”ルとして実用化されつつある。

    本論文では制御盤,配電盤,軽流器磐などいわゆる盤製品を対象としたCAD/CAM

    システムの主な機能について概要を紹介する。

    lI 緒 言

    磐製品は,電力,鉄鋼,_上下水道,一般産業設備など各種

    プラントの運転・稼動状子兄を監視して境遇制御を行なう,い

    わば中松神経的な役割を担う製品である。その生産形態は多

    種・少量受注生産で,生産過程の中では特に設計業務の比率

    が極めて高い。

    設計業務は,機能設計(制御方式・制御ロジックの設計)と

    ハードウェア設計(実装・配線設計)に分かれるが,製品の多

    様化・大規模榎雉化に伴って前者の作業比率が増大する傾向

    にある。また,現場作業は組立配線作業が主体である。

    これら一連の生産過料三の一貫した自動化を目的として,CAD/

    CAM(ComputerAidedDesign/ComputerAidedManufactur-

    ing)システムを開発・適用拡大中であり,以下にその概要に

    ついて述べる。

    凶 盤CAD/CAMの構成

    磐一貫自動化システムは,図1に示すように,設計自動化

    とそれにリンクした製造自動化,及び各種ドキュメントのオ

    ンラインIR(情報検索)で構成している。

    (1)設計自動化は,シーケンス,実装,配線設計という一連

    の設計作業を,初期データを入力するだけで計算機が自動設

    計(バ、ソナ処理)するいわゆるDA(DesignAutomation)システ

    ムと,図形入力装置(タブレソ=やグラフイソクディスプレ

    イなどを使って対話形で編集設計する対話形CAD(タイムシ

    ェアリングシステム処理)システムとの連動方式である。

    (2)製造自動化システムは,設計自動化の出力データを磁気

    ディスク,磁気テープ,紙テープなどを媒体として受け,製

    缶・組立・配線・チェックラインの各種自動機へのNC(数値

    制御)データの編集と自動機群管理を行なうシステムであり,

    後述の4.に配線自動化の一例を薪R介する。

    (3)オンライン情報検索は,設計・製造業務を側面的に支援

    するもーので,信頼性データ,原価・工程・部品データ,設計

    諸元などのドキュメントを,オンラインキャラクタディスプ

    レイにより自動検索するシステム(ADM:AdaptableData

    Man昭er)であるが,本論文では省略する。

    小林克己* 方α~ざ〟ん言∬。占。封。ざJlよ

    橋山督司** r。克郎5ムg〃α5的。mα

    吉原 進*** s〃5・以m加y。βん才んαγ。

    田 設計自動化の内容

    3.1 シーケンス自動化の考え方

    (1)シ”ケンスは,主回路から制御回路まで, 実際の物(機器)

    の触甚とは関係なく,機能・操作・動作が分かりやすいよう

    に,機器間の電1く的なつながりを表わすとともに、実装・軋

    ⊂⊃

    シーケンス自動化

    実装・配線設計

    作 番 手 配

    設 計

    ⊂互⊃

    図形・実装

    デー タ

    対 話 編 集

    (変更・追加)

    図 形 入 力

    NC

    シーケンス 実装図 配線図 テープ

    這製統合データ

    /ヾ-

    信頼性=弓

    部 品IR

    製造自動化

    デN

    !C

    検査(日動化

    検 査

    H--80 自 動機群管王里 H-08

    注:略語説明

    DA(Des唱n A]tOmatLon)CAD(Compリーer Aided Des唱∩)NC(数値制御)

    H-80(日立制御用コンピュータHIDIC80)

    H-08(日立制御用コンピュータHIDICO8)lR(情報検索)

    図l 盤一貫自動化全体構成 DA・CAD・CAM連動システムと,それ

    を支援するオンライン情報検索で構成Lている。

    *日立製作所人みか工場

    **

    口荘製作所日立工場*** 日立製作所日立研究所

  • 472 日立評論 VO+.62 No.7(柑80-7)

    運転方案

    新 設 計

    シーケンス

    論 理 設 計 標準回路組合せ

    標 準

    シーケンス

    オプション追記

    既 納

    シーケンス

    部 分 修 正

    運転方案記号化

    プール代数式

    標準パターン登錦

    パターン

    抽出コード

    記号設計方式 編集設計方式

    デー タ

    ベー ス

    標 準 化

    ラフスケッチ

    対話設計方式

    図2 シーケンス自動化の考え方 標準化の程度に応じて記号設計

    編集設計及び対話設計を併用する。

    線・試験・保守に必要なデータを包含した図面であり,磐設

    計の基本となるものである。

    (2)したがって,シーケンス自動化システムは,一貫自動化

    の最上流に位置し,単にシーケンス図を出力するだけでなく,

    下流のシステムへのデータ源としての役割が重要となる。

    (3)国2に自動化の考え方を示すが,設計の作業方法に対応

    して三つの自動化方式を開発した。すなわち,新設計論理主

    体のシーケンスに対しては記号設計方式,標準回路の組合せ

    設計には自動編集設計方式,両者を支援する対話設計方式の

    3システムであり、標準化の程度とか製品規模の大小によっ

    てこれらを併用することにより,設計の作業性,システムの

    処ヲ翌性の両面での効率化をねらっている。

    (4)3システムの概要と相互間リンケージを図3に示す。以

    下,各方式の概要について説明する。

    3.2 記号設計システム

    (1)シーケンス自動化のソースドキュメントは,運転方案(顧

    客との製品仕様折合せの過程で作成)であるが,その記述方法

    を文章形式から記号形式(フロー化)に改め,記号化運転方案

    (図4上段)に基づいて,制御の流れを簡単な文法(ブール代数

    表現)でコーディングしたデータ(同図下段)を初期入力するこ

    とによ「),シーケンスロジ、ソクを自動的にゼネレートする方

    式である。

    (2)記号化運転方案のシンボル例と入力データコーディング

    文法(特殊記号)の主なものを次に示す。

    (a)記号化運転方案シンボル例

    表1にシンボル例を示す。

    (b)入力データコーディング文法(表2参鞘)

    (3)マスタファイル内答

    (a)パターン情報:図象シンボル,標準パターン,標準図

    (b)器具情報:形式別仕様(接点構成,操作スイッチ,展開

    図パターンなども含む。)

    (c)ユニット情報:ユニット仕様(リレー取付座標,コネク

    タ取付座標なども含む。)

    6

    (d)その他:標準盤データ,熟語(漢字)パターンなど。

    (4)7Dログラム的には、次の四つのStepで構成している。

    (a)Stepl:入力処理と入力データの合理性チェック

    (b)Step2:シーケンスロジック作成,CADリンケージ,

    機能シーケンス作図

    (C)Step3:リレー・PI/0(プロセス入出力)実装,コネク

    タ割付,接続データ編集

    (d)Step4:シート分吉山 デバイス決定,接点表・カム展

    開図作成、CADリンケージ,最終シーケンス作図

    (5)出力は,リレーシーケンス,PI/0シーケンス,標準図リ

    記 号 設 計 対 話 形 C A D 編 集 設 計

    数式入力 実装マスタ標準図

    ラフスケッチ

    標準パターン

    マスタ

    標準

    コード

    合理性チ ェ ック

    数 式 朝 訳

    シーケンス自動作成

    対 話 修 正

    実 装 処 理

    接 点 表 作 成

    接 続 情 報 編 集

    対 話 修 正

    図 形 入 力

    対 話 編 集

    図 面 デ ー タ

    (機能シーケンス)

    最終シーケンス

    対 話 編 集

    図 面 デ ー タ

    (最終シーケンス) 珍

    標準パターン抽出

    標準パターン配置

    標準パターン接続

    対 話 修 正

    リレー

    シーケンス

    Pし/0

    リレー

    シーケンス

    計装リレー

    シーケンス

    リレー

    ユニット

    実 装 図

    G::⊃実装リスト

    標 準 図

    転記リスト

    計器リスト

    実装・配線設計

    注:略語説明 Pl/0(プロセス入出力)

    図3 シーケンス自動化フロー 変更設計への弾力性と使いやすさを

    ねらい,DAとCADの連動方式とLている。

    記号化運転方案(又はメモシーケンス)

    PBL

    ⊥旦

    非常停止

    PBS

    34

    5R

    5RP 5ES5ES

    5E

    5RP 5E 5ES 5R

    34N

    入力情報

    図4一貫自動イヒ入力データ

    イングする。

    S・PBL-1-2=5RP

    S/PBS-3-4/5R=5E

    S・5RP・Pl=5ES

    CS

    (コーディング例)

    記号化運転方案に基づき,女子がコーデ

  • 制御盤・配電盤・整流器盤におけるCAD/CAMシステム 473

    表l 記号化運転方案シンボル例 運転方案を記号表現するための基

    本シンボルを示す。

    BASIC SYMBOしFOR SYMBOLIC CONTROL DIAGRAM(SCD)

    MEMORY AND OR lNV TIM巨 DELAY ONE SHOT

    AsET

    C●

    RESET×

    。+ご1;

    AIA2

    ×

    A

    ×

    A

    TD

    ×

    A

    X

    表2 入力データコーディング用記号例 記号化運転方案をもとに,

    これらの記号と器具番号を用いて入力データをコーディングする。

    No. 記 号 説 明

    l a接点及びスイッチ類の接点.又はデータの区分

    2 / b接点

    3 コイル

    4 ロジックの終わり,一つの文の終わり,又は``=''はランプテシヾイス

    5 ++の後の文字は端子No.又はダブルコイルのセット,リセット

    の区別

    6 (()内は特ラ集リレー形式コード

    7 )

    8 く

    く 〉内は標準図内のユニット9 〉

    】0 l又は6特殊処理6カラムに▲`I,6''がある場合,ロジック最終リレ

    -の接点をディジタル入力

    ll 文の区切 C番S46のみ使用

    12 S始点を示L十電源の外側(内側はSS)。

    ロジックごとに必ず一つある。

    13 その他 (省略)

    ンケージ回路図,リレーユニット実装図などの各種図面のほ

    か,下手充システムである実装・配線設計で必要な器具デ【タ,

    及び接続データを,所定の入力フォーマットに編集して提供

    する。

    3.3 編集設計システム

    (1)標準図・標準回路パターンをマスタファイルに登録して

    おき,計測点リストあるいは作番パラメータ(製品機種コード、

    パターンコードなど)を初期入力して,パターンの才由出,シー

    ト上への配置,配置したパターン間の接続などの編集を計算

    機内部で処理し,シーケンス図を作成する方式である。

    (2)計装シーケンス,単線結線図は主として本システムで自

    動化している。

    (3)マスタファイル構成やCADリンケージによる変更・追

    加設計については,3.2と同様である。

    3.4 対話形シーケンスCADシステム

    シーケンスCADシステムは,目立図形処理端末システム

    HITAC G-710(以下,G-710と略す。)を使用して,単線結線

    図,展開接続図,論理回路図など各種シーケンスを対話形式

    で作成するシステムである。

    (1)G-710のハードウェア構成(図5)

    G-710は,図形処王里装置に内蔵したマイクロコンピュータ

    と大形ホスト計算機とを,通信回線を介してタイムシェアリ

    ングシステムで利用するインテリジェント形の対話システム

    である。

    CAD/CAM用アプリケ】ションパッケージの主要部分は

    大容量

    ディスク

    「‾‾‾‾-‾■‾

    スタイラスペン

    ベlパーテープリーグ

    大形計算機 プロッタ

    (オフライン)

    通信回線(9,600bps)

    マイクロコンピュータ

    _.__.___J

    グラフィック

    ディスプレイ

    lL_......___._..___

    L-_

    ハードコピー

    メニューシート

    キーボード

    _.___J

    ‥‾‾‾‾`'‾「

    I

    r-ラ言丁ぷ;担と許か

    I

    フィック

    スプレイ

    スタイラスペン!

    ______J

    No一 装 置 仕 様 (用 途)

    1日立マイクロコンビ

    ユータH旧IC O8E

    2グラフィックデイスプレイ

    画面サイズ:19′-0「25F,ラスタスキャンストレージ形

    3 タブレット 可視サイズ:A2(標準)

    4 スタイラスペン

    対話操作用特殊ペン(ダブレット上のX,Y座標やメニューシートのコマンド,シンボルなどをピッ

    クして対話操作する。)

    5 メニューシート図形処理コマンド,シンボル,文字・数字などのメ

    ニュー(具体例:本文3.4(2)参照)

    図5 G-710のハードウェア構成 端末側で基本的な図形処理を行なう

    分散方式を示す。

    大形計算機側に置き,基本的な図形処理,通信制御,コマン

    ドパラメータの取込み・チェック,基本コマンドの実行など

    のプログラムはマイクロコンピュータ側に置く分散方式をと

    っている。

    これにより,大形計算機のハードウェア・ソフトウェアリ

    ソースを利用した「アプリケ】ションシステムの融通性+(シス

    テムの大規模化,既存DA・CAD・CAMプログラムとの

    連垂わ,新規プログラムの短期開発などへの対応)と,マイクロ

    コンピュータの分散処理機構を通じての「対話性の良さ+とを

    兼備させている。

    (2)メニューシート

    ンーケンスCAD用のメニューシートは,4杖で構成され

    ている。1枚巨=ま作番タイトルデ【タ入力用,2校目はシン

    ボル配置・接続などの作画用,3紋日は器具番号など番号類

    入力用,4校目は各種コメント入力用に分かれておr),(3)に

    述べる会話操作手順に沿った形で作られている。図6は2枚

    目と3枚目の一部である。

    (3)会話処理手順

    不特定多数の設計者自身が,コンピュータと会話する形で

    処理結果を判断しながら設計を進めるものであり,設計者に

    よって,あるいは製品機種とかシーケンスの種類によって作

    業手順は異なるが,標準的な例(図7)について述べる。

    (a)Stepl:作番,設計者名など,作番ファイルのアイデ

    ンティフィケーションを行なう。ここで定義されたタイト

    ルデータは,下i充の実装・配線CADシステムヘリンクす

    るためのキーワードとなる。

    (b)Step2:回路図を編集・変更設計するステッ70である。

    ラフスケッチ区lをもとに,タブレットとスタイラスペン操

    作により,シンボルの配置とパスの接続を行なって新規の

    回路図を作成する方法と,既に対話生成してファイルに登

    7

  • 474 日立評論 VO+.62 No.7(柑80-7)

    PHASE-ⅠⅠ No,30 器 具 ♯ 線 ニ 回路区分 特 殊 緑 特殊端子 口AWSリンク

    アテンション 一・・・・・・・・・・●

    図面

    交‡染

    P

    H

    A

    S

    0

    か12NAME

    XR13

    RENAME

    1

    No

    恕×R60

    RE

    NAME

    触3

    N仙1E

    回 「Jo3

    「+兆1E

    HM HC ′一、S12′一、

    __r、+?TB2緋

    0.3

    緑径

    [コ

    シートNo

    mm

    2

    mrFl

    4

    ●‾-

    メニュー

    交控Ⅰ

    屑 テ 層 表:不 モード

    表示 濃有

    き実濫 LC LTT†2

    ++ 轡コネ,タA21

    線種I #転送 削除 許可 禁止

    Tフイ・ノクス

    グリッド

    設定

    ⅠⅠフェーズ

    チェ・ノク

    シート

    チェ・ノク

    エラー

    メ・ン・セージ

    削除

    自動

    付=

    自動

    付三FB +S

    ′/

    1lバー

    A

    極性 + ×

    1フロート

    グリッド

    設定11Ⅰ

    CRT

    文字

    ノート払1式

    PT CTJ、PS】2

    特殊

    表 示

    I /D2A

    qt「i肌IE ON】oFFKB

    円・円弧

    の中心

    文字絵点

    エリア

    サイズ

    変更Ⅳ

    ファイル

    SAVEJOAD

    シート羊

    変更申 削除 削除 +A HA プ「t3削除

    R巨NAトJE 慧ニ.:三削除CTOl

    配線指定0 1 A

    2 3PHASE-1 No.20

    ライ7ラリイ

    フレームサイズ

    回転

    反享転

    素子

    配置ユニット

    子回路端 子 パス 素子 メ

    ニJアテンション

    図面

    交換

    P

    H

    A

    S

    E

    0ラ

    7

    ノイ

    ひENTRY

    l

    2→

    l

    [∃自由 ユ

    虹耳生成 士

    ○ (⊃0・・・・・・一・・・・・0 車 鑑:訂 主 噌

    4 5

    メニュー

    交換

    1層 デ ー

    タ 層 表 示 モード

    表示 ま÷ † 一匹}バス上 虐淘削除移動

    [] □ Ot ヱ匹 幸 蔓 享】…¢6 7

    転送 削除 許可 禁止

    †フィックス

    グIj・ノド

    試疋

    ⅠⅠフェース

    チエ・ソク

    シート

    チエ・ソク

    エラー

    メソセージ

    削除

    線レベル

    CHK

    凸FETCH

    1← 素

    コートノ

    配害● ● 0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一・・・・企 ト 引 主:…

    ㊤8 9

    1フロート

    グlトント

    設定

    Il】線大

    チェ・ノク

    CRT

    文字

    DAWS

    リンク′くス

    変更

    DA\りS

    リンクパス

    チェ・・/ク

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    シートプ7

    l

    COPY 1.5 J∝〕削除

    .現×

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    口 ト 蔓風 ◎KB

    円・円弧

    の中心

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    7 「 イ ル シート壬

    変更

    ;埼削除

    2ーーう

    日月移動

    亡コ生成

    一粁〉ケー

    削除加- 嘩 車風 ∈]キャンセルSAVE しOAD

    lパラノ¶タ

    人力粁

    コア

    キ十ンセル

    素子

    メニュー

    交換

    「べF■

    ;メ・-:x:

    格車勺

    イ、ll

    [Ⅹ]諸子惜正

    lON 本 虚 患 凸く・・・ケ×絹 削陪 せ割下某 ○一ナ○移動

    全パラ

    メータ

    入力終

    雷移動

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    外部特

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    匝];格モート 匡1示絶大さ(PLOT )l

    l

    }

    調

    整く≠事

    X等分

    わたり

    亡コ子回路

    バス自動

    配き崇 軒圏 引享駄- 窃実 擬 標準 頂「 中 大全文

    修正

    ハード

    コピー

    ‡Y等分

    内諾;

    成 臣:ヨユニソ■卜 ヰ 圏 喜董翰 巨標準 (CRT)

    図6 シーケンスCADシステム用コマンドメニューシート シンボル配置,接続と器具番などの付春用メニュー例を示す。

    表3 作図支援機能例 会話処王里用作図支援機能の代表例を挙げ,その

    概要を示す。

    ステップ1

    シンボル

    叫手車標準回路

    1●.●■■+

    r魁仙

    器具マスタ

    AA15

    宅郎熟 語

    TEISl

    停止

    STOP

    /号番線

    タイト ル設定

    ステップ2

    回 路 図 作 成

    ステップ3

    記号・番号の付番

    ステップ4

    器具形式の指定

    器具照合チェック

    ステップ5

    コメ ント 指定

    ステップ6

    シ ー ト 間

    合‡里性チェック

    くの【

    82

    10

    (0

    7

    DD7つん

    PlOO

    26X

    \器具番号

    端子番号

    Dl

    \シンボル

    シーケンス図凡例

    作番ファイル

    国図7

    シーケンスCADの作業手順 ステップ2~5までの繰返Lで図

    面を作成L,最後にステップ6で全体チェックを行なう。

    シ ン ボ ル シンボルの回転・拡大・縮小配置と変更・移動・削除

    2

    l

    自動整形

    図示線

    ラフに配置Lたシンボルの位置を,一直線上,又は等間

    隔にLたり,シンボル間をつなぐパスを垂直・水平に自

    動補正する。

    3 図示線の種類(実線,点線,鎖線など)と太さの指定

    4 ブロック処理

    グラフィックディスプレイ画面上の任意の睾巨匪】の回王洛匡1

    を,任意の位置への移動,コピー及び削除することがで

    きる。

    録されているシーケンス図をグラフィ ックディスプレイに

    表示し,これに追加,変更を加えて作成する方法があり,

    設計作業内容に応じて任意に選択あるいは組合せすること

    ができる。

    会話処理の高効率・高信頼性化のための多くの作図支援

    機能が準備されているが,表3にその一部を要約する。

    (c)Step3:線番号,端子番号などを自動付番(又は対話付

    番)する。文字の方向,大きさ及び位置を自動変更できる。

    (d)Step4:対話作成したシーケンス図の合理性チェック

    と接点表・カム展開図の自動作成・表示。

    (e)Step5:補足説明用コメント(和文・英文)の指定。

    (f)Step6:複数のシートで構成されるシーケンスの場合,

    二接続の番号などについて全シートにわたる照合チェックを

    行なう。

    以上の結果,シーケンス図と器具表(器具の手配・管理用)を

    プロッタに出力するとともに,下i充のシステムである対話形

    実装・配線CADに実装・接続データを提供する。

  • 制御盤・配電盤・整流器盤におけるCAD/CAMシステム 475

    (a)

    自動設言

    ケ 苦3×藁帯*コ窒ン 33X 53X

    *l肌;ス

    廿---一NlOOLl

    (二こに回路を追加する)

    (b) セみ

    P4801

    ∂33X 男53× N。8。1

    童; 莞33X才珊‾PlOOLll l

    33× 53X 壬肌:10

    (c) セみP48Dl

    sし齢£過ぎ N48。1

    鮎 憲X2㌢重量AはP肌1(d) セ牙

    sし甥だ;三選…三×ニ芸言1カム展開図

    盈櫻A一覧A,買A三1ニ接点表l33Xl圭…l去l53嶋呂…‡書】

    図8 DA・CAD連動による変更設計 自動設計で作成したシーケンス

    をグラフィックディスプレイに表示L,対話形で変更・追加を行なう。

    (4)DA/CAD連動による変更設計例

    3.2,3.3で述べた記号設計DA,編集設計DAとシーケン

    スCADシステムとをデータベース(作番ファイル)を介して

    リンケージし,各設計作業フェーズで発生する追加・変更に

    弾力的に対応することが可能である。

    例えば,3.2(4)の自動処理ステップのうち,Step2,Step

    4でシーケンス図をプロッタ出力する前に,必要に応じてグ

    ラフィックディスプレイに表示し,対話形式で図面のチェッ

    ク,変更及び追加設計を行なうことができる。変更設計手順

    の一例を以下に示す(図8)。

    (a)まず,自動設計結果をホスト計算機から端末グラフィ

    ックディスプレイに伝送し表示する〔図8(a)で左から2列目

    と3列目の間に回路を追加したい場合の操作手順を以下に

    示す〕。

    (b)3列目の回路の表示範囲(左下と右上の*1,*2印)と

    移動させる位置(*3),及び移動コマンドを,スタイラス

    ペンでタブレットから指示して追記するスペースを作る〔図

    8(b)〕。

    (C)追記すべきシンボルをメニューシートからピック(スタ

    イラスペン操作)して画面上の所定の位置に酉己置し,次に直

    線をピックしてシンボル間や母線とのつなぎを指示する〔図

    8(C)〕。

    (d) 自動付番コマンド,接点表コマンドを実行させ,線番

    号,端子番号,接点表及びカム展開図を表示する。

    (e)結果をホスト計算機に伝送し,自動設計システムにフ

    ィードバックする。

    実装設計自動化

    実装

    データ

    シーケンス自動化

    合理性チ ェ ック

    表 面 実 装

    内 部 実 装

    マスタ

    ファイル

    対話形実装CAD

    対話形配線CA[)

    配線設計自動化

    配線

    データ

    合理性チェ ック

    盤 外 配 線

    鮮 肉 配 線

    製 造 自 動 化

    図9 実装・配線設計自動化 シーケンス自動化と連動L,自動・対話

    形の組合せで盤内外の配線t実装設計を行なう。

    CB34C

    CX

    C□〕

    .m□Ud】

    2

    -◆-7--■

    24

    .或...

    (a)正面図(隠れ緑点線)

    MK

    72

    M24

    CTTUNIT

    UCG

    52∪

    42

    XCG

    HFG-1

    (b)斜視図(隠れ繰消去)

    TB18

    図10 計画図CADシステムによる三次元器具配置 グラフィックデ

    ィスプレイ上に表示した任意の二つの面を見ながら.対話形で器具を実装配置する。

    3.5 実装・配線設計自動化

    磐♂)表面や内部に取リf小ナる器具・ユニットの配置計画,

    及び盤内部・盤間・盤外機器間の配線設計を自動化すると同

    時に,CAMへのリンクデータを作成する。そのシステム機

    能を図9に示す。

    (1)実装CADシステム

    盤内の器具配置計画を会話形式で行なうシステムであり,

    3次元の配置問題を扱うことができるので,器具を奥行方向

    に複雑に配置するような製品の場合特に有効である。特長と

    しては,

    (a)任意の相対する二つの面を表示して配置できる。

    (b)断層図,斜視図,隠れ線処理など3次ノ亡処理機能を利用

  • 476 日立評論 VOL.62 No.7=980-7)

    TBC2

    TB14

    BV

    2

    WLl-3.5

    1

    】∨一2YlV-2Y

    lV▼0.5Y

    T203

    U2

    lV¶0.5Y

    T202

    ∪2

    (a)自動配線結果

    TB21

    7

    TBC2

    TB14

    49F2 5

    49Fl

    】∨-0.5Y

    WLl-3.5

    1V-2Y

    l

    】∨-0.5Y

    T203

    ∪2

    lV-2Y

    49F2

    1

    1V-2Y。

    BV

    2

    lV-2Y

    T202

    ∪2

    49Fl

    (b)会話形で接続変更した結果

    図lト 配線表CADシステムのテざィスプレイ表示例

    をグラフィックディスプレイに表示し,チェック修正する。

    自動配線結果

    して配置結果の検討が容易にできる(図10は隠れ線処理を施

    した正面図と斜視図のグラフィックディスプレイ表示例で

    ある。

    (c)3次元配置データをもとに,会話形式で器具配置図面

    の編集,コメント追加,取付座標の自動計算及び表示を行

    ない,結果をプロッタに出力する。

    (d)器具配置情報を,配線表CADシステム,製缶・配線

    作業自動化機器用NCデータ作成システムに提供する。

    (2)配線CADシステム

    (a)シーケンス自動化システム及び実装自動化システムか

    ら提供される接続・実装データ,器具配置データを用いて

    盤内・外の配線ルートの決定,ケーブル,外部端子割付な

    どの配線処理を自動的に行なう。

    (b)自動配線結果(接続パターン)をグラフィックディスプ

    レイ端末に表示し,チェック,]妾続変更,電線追加などの

    変更作業を会話形式で行なえる。図11は,自動配線結果とそ

    の接続変更結果のグラフィックディスプレイ表示例である。

    (C)配線図,ライン表及び盤間表を出力するとともに,自

    動配線機・配線チェッカ用NCデータ作成システムにリン

    クする。

    B CAD/CAM連動例(図12)

    実装・配線設計とCAMとをリンクして,製造現場の各種

    自動機用NCデ【タを作成しているが,その一例として,実

    装図(3次元図面)からモデル配線チャート図(2次元図面)に

    展開し,モデル配線指示装置用データ(配線ルート,線径・線

    種など)を対話形で作成する方法について説明する。

    以下に述べる作業は,計算機と生産手順担当者が対話形式

    で行なう。

    (1)実装CADの出力である実装図をグラフィックデイスフロ

    レイ端末に伝送表示する。CAM用メニューとスタイラスペ

    ンを操作して,ダクトを配置し,実装図とは輝度を変えて表

    示する。

    (2)配置したダクト経路だけ再表示し,これにダクト番号を

    追記(スタイラスペン操作)する。

    (3)ダクトルートチェック7bログラムを起動させ,配線設計

    システムの出力データである弓妾続データとグラフィックディ

    スプレイ画面データとを突合せチェックし,エラーがあれば

    キャラクタディスプレイに表示して対話修正する。

    10

    計ル文装実

    (実装図表示)

    )∧B

    >∧A

    2[DT

    BT

    ④ (モデル配線チャート図)

    DI D5 D4

    TBl

    TB2

    D12

    D9

    DlO

    Dll

    D8 D6

    D2 D7 D3

    ダクト配置

    ダクト名記入

    線長計算

    二汐ハ元展開

    デN

    !C

    作成

    計几又

    ニ〓R線コし

    ▼内n

    D6

    車D5

    D7

    1呂

    D8 K

    D

    Dg

    ロ10

    AX8X

    甲D†1

    D2

    l

    D3D12

    TB2

    TBl

    700

    チェ ック③ (キャラクタディスプレイ)

    「配線データ ダクトノート回路区分

    TB好一Kズ/2 D卜D5-DlO HC

    TB劣-BX D2-Dll LT

    NC

    テープ

    図12 対話形CAM例(モデル配線指示データ) ①~②~③~④の

    順番で実装図(3・次元)からチャート図(2次元),NCデータを対話形で作成する。

    (4)線長計算プログラムにより,線長を(身の画面に追加表示

    する。

    (5)チェック確認後3次元一2次元展開プログラムを起動さ

    せてモデル配線チャート図を得る。グラフィ ックディスプレ

    イ画面で‾最終チェックを行なった後,プロッタ出力するとと

    もに画面情報をNCデータ作成システムにリンクする。

    なお本システムは,計画中の自動モデル配線機用NCデー

    タ作成にも利用できる。

    ■l 結 言

    以上,盤製品のCAD/CAMのf耽要について述べたが,一

    貫システムとしてはまだ十分とは言えない部分か多い。特に,

    DAとCADの連動機能,CADとCAMの一貫化機能など,

    システム間リンケージはいっそうの強化拡充が必要であり,

    自動化適用拡大努力と併行して,二れらの継続的な改善を進

    めている。

    一方,盤の製品形態が,従来のワイヤードロジックからマ

    イクロコンピュータ内蔵形に変化するに伴って,設計業務内

    答はシーケンス・配線設計作業からマイクロコンピュータソ

    フトウェア設計作業へと移行する方向にあり,更に製品の大

    規模・複雑化に伴って,システムエンジニアリング業務が増

    加の一途をたどっている。

    こうした趨勢に対処するためには,本論文で述べたCAD/

    CAMシステムのほかに,

    (a)マイクロコンビュ【タソフトウエア設計,コーディン

    グ及びデバッグの一貫した自動化

    (b)ドキュメント自動化などのシステムエンジニアリング

    業務支援ツールの開発

    (C)設計・製造・検査総合データベースの確立

    などを包含したトータルなCAM/CAMの開発を急ぐことが

    これからの重要な課;蜜である。