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全米レクリエーション公園協会 (NRPA) CONGRESS & EXPO 2006 視察報告概要 浅野 祥三(償却日本レクリ工ーション協会) 後藤 剛彦(側日本レクリ工ーション協会) 山崎 律子 (附余暇問題研究所) 1 .はじめに (財)日本レクリエーション協会(以下日本レ ク協会と記す)は、全米レクリエーション公園協 会(以下 NRPA と記す)との聞に 1992 年に締結 された「公園・レクリエーション分野における専 門家・技術者及び市民の国際交流に関する議定 書」に基づき、毎年相互の大会において職員・関 係者の交流事業を実施している。 今年度は、 2006 年(平成 18 年) 9 16 日から 18 日まで青森県で開催された日本レク協会主催 の「第 60 回全国レクリエーション大会 INあお もり J に、 NRPA 評議員会議長のロナルド・リー マン夫妻と元 NRPA 会長ロパート・ホール氏が 参加し、視察された 。 日本からは、日本レク協会 事務局長浅野祥三、組織部プロテ eユーサー後藤剛 彦、(株)余暇問題研究所代表取締役山崎律子が、 同年 10 10 日から 14 日にワシントン州シアトル 市で開催された iNRPA CONGRESS & EXP02006J (以下コングレスと記す)を視察し - 94 た。 今回の視察では、 NRPA のコングレスの他、往 路途中サンフランシスコに立ち寄り、 NGO 組織 が支援する高齢者用住居等の見学、さらにコング レス開催期間中にシア トル公園・レクリエーショ ン部管轄の 2 箇所のコミュニテイセンターを訪問 し、見学 した 。 ここでは、 NRPA のコングレスの他に、上記の 施設等の視察について報告する 。 シアトルコンベンション & トレードセンタ 一入口

全米レクリエーション公園協会 (NRPA)全米レクリエーション公園協会(nrpa) congress & expo 2006 視察報告概要 浅野 祥三(償却日本レクリ工ーション協会)

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全米レクリエーション公園協会 (NRPA)

CONGRESS & EXPO 2006視察報告概要

浅野 祥三(償却日本レクリ工ーション協会)

後藤 剛彦(側日本レクリ工ーション協会)

山崎 律子 (附余暇問題研究所)

1 .はじめに

(財)日本レクリエーション協会(以下日本レ

ク協会と記す)は、全米レクリエーション公園協

会(以下NRPAと記す)との聞に 1992年に締結

された「公園・レクリエーション分野における専

門家・技術者及び市民の国際交流に関する議定

書」に基づき、毎年相互の大会において職員・関

係者の交流事業を実施している。

今年度は、 2006年(平成 18年)9月16日から

18日まで青森県で開催された日本レク協会主催

の「第60回全国レクリエーション大会 INあお

もりJに、 NRPA評議員会議長のロナルド・リー

マン夫妻と元NRPA会長ロパート・ホール氏が

参加し、視察された。日本からは、日本レク協会

事務局長浅野祥三、組織部プロテeユーサー後藤剛

彦、(株)余暇問題研究所代表取締役山崎律子が、

同年10月10日から 14日にワシントン州シアトル

市で開催された iNRPA CONGRESS &

EXP02006J (以下コングレスと記す)を視察し

-94

た。

今回の視察では、 NRPAのコングレスの他、往

路途中サンフランシスコに立ち寄り、 NGO組織

が支援する高齢者用住居等の見学、さらにコング

レス開催期間中にシア トル公園・レクリエーショ

ン部管轄の 2箇所のコミュニテイセンターを訪問

し、見学した。

ここでは、 NRPAのコングレスの他に、上記の

施設等の視察について報告する。

シアトルコンベンション & トレードセンタ一入口

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コングレスのスケジュール

コングレスの参加受付

2. NRPAのコングレスの概要

今回のコングレスは、 10月10日-14日にわた

って、ワシントン州シアトルコンヴェンション&

トレードセンター(以下WSCTCと記す)を主会

場に開催され、アメリカ国内の各州、市町の行政

担当者(公園・レクリエーション管理運営等に関

わる専門家)をはじめ、市民委員代表者、大学研

究者・教育者、大学院生、大学生その他、展示会

への出品関係者、コングレスのスポンサー関係者、

さらに日本、カナダなどの海外からの参加者を含

め、約9000名が参加した。

シアトル市内中心部にある巨大な WSCTCをメ

イン会場に、開会式、表彰、基調講演、教育セ ッ

ション、展示会が行われ、開会式後に WSCTCに

隣接するフリーウウェイ公園において歓迎交流パ

ーテイ、 13日に市内のシアトルセンターにおい

て閉会パーテイが催された。

その他に、国際委員会、海外からの参加代表の

ための歓迎会、ゴルフトーナメント、パブリ ッ

ク・マーケ ット(売庖設置)、フリーウェイ公園

でのレジャーパーク(情報提供)、市民ボランテ

イア認証式、 26のオフサイト見学コースなどの

多彩なプログラムが実施され、心配された天候も、

シアトルでは珍しく晴天に恵まれ、屋外でのプロ

グラムも順調に展開された。

1 )国際委員会

NRPAの国際委員会は、開会式当日の午前中に

メイン会場のすぐ隣のシェラトンホテルにおいて

開催された。会議の司会進行は、かつて議定書に

基づいて 1997年に第51回全国レクリエーション

大会 IN北九州の視察のために来日したシャロン

ハブラー委員長により進められた。この委員会に

は日本から、今回の視察代表の浅野、後藤、山崎

のほかに、日本レク協会顧問の高橋和敏氏も加わ

った。会議では、ロンドンで開催されたIFPRA

(国際公園・レクリエーション管理行政連合)の

会議報告、「第60回全国レクリエーション大会 I

Nあおもり」について、現NRPA評議委員会議

長のロナルド・リーマン夫妻とともに出席したロ

ノtート・ホール氏より報告があった。さらに、現

在交流議定書の協定を結んでいる、日本、カナダ、

ニュージーランド、オーストラリア、メキシコ、

ブラジル各国との交流の状況における課題や今後

のあり方等についての協議や次回の会議の開催に

ついての確認などが話し合われた。

-95-

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2 )ゼネラルセッションプログラム(開会

式典、表彰、基調講演)

コングレス 2日目に行われた開会式典は、 NRPA

評議委員会のロナルド・リ ーマン議長による開会

宣言から始まり、シアトル市長の短いながらユー

モアたっぷりの歓迎の挨拶の後、 NRPA関係者、

日本代表、さらに本コングレスのスポンサーの紹

介が手際よくスムースに行われた。

開会式式典会場

表彰は、各自治体公園・レクリエーション部に

おける管轄人口別に受賞候補の紹介があり、最後

の選考の末、ゴールドメダルが発表され、授与式

が行われた。この授与式では、各地元参加者から

の温かな声援や拍手で大変盛り上がった。その後、

広大な広さを持つコンペンションホールの 3箇所

に設置されたスクリ ーンに、来年2007年開催の

インデイアナポリスの紹介ビデオが上映された。

ゼネラルセッションプログラムの最終プログラ

ムである基調講演は、日系三世のジョン・ヨコヤ

マ氏とこの講演テーマで、ある「フライングフイツ

シュ・モンガーズ」のメンバーによる実演を交え

たプログラムが行われた。ヨコヤマ氏が実際にコ

ンサルテイングを行った“バイク・プレイス・マ

ーケット(シアトル市内の市場)..の活性化につ

いて「チームワークの必要性とコミュニケーショ

ンの大切さ」に関する基調講演を、軽妙なプレゼ

ンテーションと今ではシアトル名物にもなってい

る楽しいパフォーマンスを交え行われた。具体的

には「お客が買い上げた鮮魚を、庖員みんなが威

勢よく、大声をあげながら息を合わせて投げてキ

ャッチする」というパフォーマンスを、ステージ

上、ステージ脇の数箇所で、“魚を投げる"ので

はなく、“飛んでいる魚"の実演を会場の参加者

を交えて行われた。その場のチームワークにおけ

るリーダーシップとコミュニケーションの大切さ

を、ユーモアのある語り口とパフォーマンスで楽

しく伝えてくださった。

バイク・プレイス・マーケットのフライングフィッシュ・モンガーズのメンバー

3 )全体歓迎会

ウエルカム・パーティは、ピルの合間にありな

がら緑豊かな木々の合聞を通路がめぐるフリーウ

ウエルカム・パーティでの懇談

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ェイ公園において開催された。「過去に踏み入れ

よう jというテーマでビュッフェ形式で所々にか

がり火が備えられた通路で参加者同士が懇談した

り、ちょっとした広場では、バンドやダンスなど

のプログラムが行われ、懇談と交流の場を楽しく

盛り上げた。

4 )海外からの代表参加者のための歓迎会

国際委員会主催のこの歓迎会は、ウエルカム・

パーティの後、午後 9: 00からシェラトンホテ

ルのスイートルームで行われた。この会には、今

回の視察における各国の参加メンバー(日本、カ

ナダ、メキシコ、イギリス、フランス)のイ也に、

初めて展示会に出展した(社)公園施設業協会の

関係者数名も加わり、インフォーマルで和気あい

あいの雰囲気の中で情報交換、交流が行われた。

5 )展示会

大会 2日目から 4日目の 3日間にわたり、

WSCTCの4-5階 (LEVEL5)にて、約450の

企業、 NPO、大学等が出展する展示会が聞かれ

た。展示会場は非常に広く、受付にて配布された

プログラム(ガイドブック)が無ければ目的のブ

ースにたどり 着けないほどのスペースで実施され

ていた。

遊具の展示

ベッ ト順に企業名、連絡先、数行のメッセージが

紹介される他、 37のカテゴリ ー別の標記、ブー

ス番号順の標記、ブース番号記載の見取り図が紹

施設設営のポスター展示

遊具の展示

ニュースポーツ?の実演

-97一

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介されており、目的の場所にたどり 着けるよう配

慮されていた。

展示内容が37のカテゴリーに分かれている通.

り、実に様々なものが展示されていた。大きなも

のではジャングルジムのような遊具や遊具のフロ

アー材、ユニークな動きをする噴水、芝刈り機や

パギ一等の車の展示も自に付いた。小さなもので

は、バスケットボールやフットボール、ゴjレフ等

のスポーツ用具、公園に設置するゴミ箱、南京錠、

コンピュータ一等、公園に関するありとあらゆる

ものが出展されていると感じられた。

展示会では展示だけでなく、実際に触ったり、

体験できるものも多数あり、参加者は手にとって

担当に質問したり、体験自体を楽しんでいた人も

おり、お祭りさながらの雰囲気であった。

6 )教育セッション、レジャーシンポジウ

ム等

メイン会場の WSCTCの会議室をフルに活用

し、 5日間にわたって、「積極的ライフスタイル」

「文化的アーツ・多様性JIリーダーシップ・マネ

ジメントJI経済的インパクト・発展Jr環境管理

経営JI手段・方法Jという 6領域の分類で、 251

テーマのセッションが行われた。さらに、レジャ

ーリサーチ・シンポジウム (LRS)も、教育セツ

ションの中に配置された。

また今年は、アメリカ・キャンプ協会との協力

で、“野外活動"“新キャンプ・ディレクター・オ

リエンテーション"がセッションの中に入った。

日本で開催される展示会でよく見られるが、企 7)閉会式

業名等をベンや帽子、パック等に印字した物品を クロージング・パーテイは、シアトル市のシン

並べ、参加者に配布していた。 ボル、スペース・ニ一ドルがあるシアトルセンタ

展示会場は複数の大きな部屋に分かれていた ー内のエクスペリエンスミュージックプロジェク

が、その内の lつは大学の展示場となっており、 ト及びサイエンス・フィクション・ミュージアム

19の大学が出展し、各大学で実施されているプ の施設内で行われた。ピュ ッフェスタイルで、迷

ログラムやカリキュラムの特色等を紹介されてい 路のような会場を十二分活用し、コーナーでの音

た。 楽プログラム、映像プログラムなど、施設の機能

なお、今回、(社)公園施設業協会が日本から を最大限活用してのパーティであった。コングレ

始めてブースを出展され、参加者に遊具等を PR ス最後の夜、これまで全国レク大会などの視察で

されていた。 日本を訪れている NRPA評議員議長ロナルド・

各大学の展示コーナー ク口ージング・パーティ会場での巨大なスクリ ーン

-98-

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リーマン夫妻、ジョナサン・コーヘイジ夫妻、

NRPA元会長ロパート・ホール夫妻らと、懇親を

深めることができた。

3.その他の視察報告

今回の視察では、 NRPAコングレス&エキスポ

の他に、往路のサンフランシスコでの高齢者関連

施設とコングレス開催期間中にシアトル市内のコ

ミュニティセンターの視察を行った。

1 )サンフランシスコ及び近隣地区におけ

る高齢者向け住居施設

サンフランシスコ在住で都市計画のコンサルタ

ントの志賀宏記氏とヘザー ・グラデイング氏の立

案・案内により、市内テンダーローイン地区(低

所得高齢者層居住)を散策し、次の 2地区の高齢

者関連施設を視察した。

①サンフランシスコ・テンダ一口一イン地区メル

シーハウジングズ・ドロシーデイコミュニティ

センター

サンフランシスコの低所得者が多いテンダー

ローイ ン地区においてHUD(低所得者の高齢

者の入居に対して支援している非営利組織)が

所有している施設で、 62歳以上の中国人とラ

集会室において、志賀宏記氏による通訳

BONSAIガーデン

テン系移住者が24世帯、 75名が入居している。

特徴としては、中庭に洋風庭園 (BONSAIガ

ーデン)を入居者が作り、手入れをしている。

また集会室では週 l回パーテイやアートプログ

ラムの作品展示されたり、カフェの開庖、市街

地への買出しプログラム、週 1回の看護士訪問

等のプログラムなどが組まれている。さらに無

資格だが毎日 4-6名のアクティピテイ・ワー

カーなどのボランテイアが、入居者のサポート

をしている。

また、施設内にはコンビュータールームの設

置されており、入居者が自由に利用している。

この施設は、市街地にあるが、治安等の関係で

入り口から呼び出し、鍵を開けてもらい訪問す

る形態になっている。

②マリーン群ティブ口ン EAS'sセシリアプレイ

スホーム

今回のサンフランシスコでの視察・案内を担

当してくれたヘザー・グラデイング氏がマネー

ジャーを勤めるやや中所得者(収入 19.000-

31.000ドル)向けホームを視察した。

周辺に高級住宅が見える、景色の良い環境に

ある 16戸のコテージ風の住居で、その中のー

住居を見学させていただくことができた。70

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コミュニテイルーム兼事務所

ホームの中のベッドスペース

歳代と見受けられるご婦人が入居されており、

20平米程度の広さでキッチン、居間、ベット

スペース、 シャワールームとこじんまりと整理

されて、ゆったりと した快適な生活をおく って

おられる様子が印象的であった。

半円状に建てられた 16戸のホームに固まれ

た中央に、コミュニティールーム兼事務所があ

り、リビング風のっくりでピアノ、映像機器、

お茶セットなどが備えられており、入居者が自

由に利用できるようになっている。

3 )シアトル公園レクリエーション部管轄

のコミュニティセンターの視察

シアトルには大小130の公園(一部計画段階の

ものを含む)があるが、 NRPAのコングレスの期

間中に、シアトル公園・レクリエーション部管轄

の二つのコミュニティセンターを視察した。

それぞれのセンターでは、ニュースポーツ、レ

ク・ダンス、筋力トレーニング、クラフト、カー

ドゲームなど、元気な高齢者向け、要支援高齢者

向けのプログラムを視察した。

①レニエ ・コミュニティセンター(比較的低所得

者層が多い地区)

レニエ・コミュニティセンターでは、子ども

から高齢者まで様々なプログラムが組まれてい

るが、視察時には、比較的元気な高齢者による

ピックルボール (Pickleball)というテニスに

似たスポーツを楽しまれている様子と、いわゆ

るレクリエーションダンスの教室の様子を見学

させていただいた。

ピックルボールは、ユニホ ックのボールより

日本からのツアー参加者もレクダンス教室に参加

ピックルボールを楽しむ利用者

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も一回り大きいボールをパドルテニスに似た木

製のラケッ トで打ち合うスポーツであるが、元

気な利用者は、スマッシュ、 ボレーなどのラリ

ーが続き、かなりの運動量を得ていた。 レクリ

エーションダンスでは、インス トラ クターの動

きに合わせ、難しいステップも見事にこなして

いた。

ここでは日系、中国系の利用者が多いとのこ

とであった。

②クイ ーンアンコミュニティセンター (比較的富

裕層が多い地区)

クイーンアンコミュニテイセンターでも、年

齢層に応じたプログラムが展開されているが、

視察時には、編み物やカー ドゲームを楽しまれ

ている様子と、ウェイトトレーニングの様子を

見学させていただいた。

編み物では、 101歳のご婦人を含めた20名程

度の利用者が、私たちの訪問に笑顔で応えてい

ただき、毛糸の帽子を丁寧に編まれていた。編

み物、カードゲームを楽しむ部屋では、他にも

生け花や陶芸等の教室も開催されているが、壁

には fwALKS WITH DOGSJのチラシが貼ら

れており、愛犬と、あるいはセンターが貸し出

す犬との散歩を楽しもうというプログラムも紹

介されていた。

fWALKS WITH DOGSJのスケジ‘ュール表

トレーニングマシーンにおE戦

その後、ウェイトルームも見学させていただ

き、 60歳後半の女性に、ルーム内にある様々

なトレーニ ングマシーンの使用方法を実演して

いただいた。ここでは 10数種のマシーン等が

あり、それらをサーキットトレーニング的に、

体験されている。実演いただいた女性は、バラ

ンスボールの上に補助無しで乗ったり、 20Kg

程度の重りを片足で(大腿部の筋力)で持ち上

げたりするなど、日頃のトレーニングの成果を

見せていただいた。

なお、ここには室内プールも併設されており、

高校生の水泳教室も行われていた。

4.今回のコングレスに参加して

-今回のコングレスに参加して、アメリカと日本

のレクリエーションの歴史、行政の構造が異な

るために、単純に日米の比較はできないとはい

え、規模もさることながら、コングレスを開催

している意味は非常に大きく、開催地の行政、

市民が一体となってコングレスを支えているこ

とを肌で実感した。

-101-

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-アメリカの場合、縦割り行政ではなく、 「公

園・レクリエーションjという大きな括りとな

っていることにより、「レクリエーションjが

市民の生活に直結し、暮らしの重要な一部にな

っているという点も、さまざまな場面を通じて

強く印象づけられた。

・コングレス全体の開催資金は、“GAMETIME"

など公園の施設・遊具などの開発企業等300社

以上のスポンサーによるものであるが、この点、

経済事情が異なるにせよ、日本の大会開催にお

ける企業との連携を検討する上で、参考に値す

るものと思われる。

-国際委員会での国際関係の重視か否かという論

議は、日本においても当てはまると思われる。

しかしながら、他の国との交流は、日本のレク

リエーション運動における発展・進歩にとって

も必要不可欠の課題である思われる。

-今回のコングレスのような大会を企画 ・運営す

る立場の視点で見た時に、式典、表彰、基調講

演、歓迎パーティ、閉会パーテイなどの人々が

集う場や機会の中に、いかに参加者同士を楽し

く交流させるかということへのきめ細かい気配

りやプログラムの中での映像や音、装飾などの

工夫、ユニークな演出など、多くの学ぶべきも

のがあり、今後の大会等の企画、運営における

参考となった。

最後に、 何と言っても、いつでもどこでもスタ

ッフはもちろん、多くの参加者が、速い固から来

た我々に気さくに声をかけてくださり、温かい笑

顔で迎え、もてな してくださ ったことに対 して、

感謝をしたい。

102一