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2014/7/4
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吸着式デシカント除湿・空調の基礎と応用
金沢大学 理工研究域 機械工学系
児 玉 昭 雄
まえがき
• このデシカント空調に関する資料は、金沢大学理工研究域機械工学系 環境科学研究室の学生教育用に作成したものです。
• 本目的以外に使用して生じた不利益等については一切責任を負いません。
• 資料内の図面等を引用する際には、ご連絡をお願いします。なお、二次引用はお断りします。もとの情報を引用願います。
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冷房による消費エネルギーと二酸化炭素排出量
家庭部門:電力1.32×1010kWh 750万トン業務部門:電力2.45×1010kWh
ガス1×1011MJ 2000万トン石油1×1010MJ熱1.2×1010MJ
CO2排出係数:電力0.561kg/kWh,ガス0.0494 kg/MJ,石油0.0684 kg/MJ(太陽熱や排熱が含まれる熱エネルギーは計算から除外)
冷房時期を6月~9月の4ヶ月間とし、冷房装置の稼動時間を午前9時~午後9時の12時間とすると、民生部門の冷房が消費する電力は
3.8×1010kWh/12時間×120日=2.6×107kW=2600万kW
家庭部門と業務部門の電気駆動エアコンの消費電力を半減⇒大規模火力発電(平均出力70万kW)20基が削減(代替)可能
引用:エネルギー・経済統計要覧(日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット編)2010年度版
日本経済新聞 平成24年2月20日
「ゼロ・エネルギー・ビル」 創エネ+省エネ
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電力需要に占める空調の割合は大きい
冷房
暖房
換気
0
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30
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
空気温度 [℃]
絶対
湿度
[g/kg(D
A)]外気
室内
給気
(混合)
換気(外気導入)は空調負荷を増加させる
22℃50%8g/kgDA
26℃50%11g/kgDA
35℃50%
20g/kgDA
1g/kgDAの除湿は空気温度を2.5℃下げることと等価
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安全安心な空調と省エネルギー
• がまんする(28℃空調)
• 電力駆動エアコン(ヒートポンプ)の高性能化
定格COP(=冷房・暖房出力/消費電力)≒7
• 地中熱の活用(予冷・予熱)
• 排熱・太陽熱の活用(熱駆動型空調)
吸収冷凍機(水→蒸発→水蒸気→吸収液)大型
吸着冷凍機(水→蒸発→水蒸気→吸着剤)
デシカント空調機(仕組みは比較的簡単)
室外へ排気
外気
デシカントローター 顕熱交換ローター空気加熱器
室内からの還気
快適空気
各種排熱,太陽熱など
25-30oC 30-40oC 40-60oC 70-90oC吸着材ローター
• デシカントロータ(除湿)=30rph程度でゆっくり回転
• 顕熱交換器=水蒸気吸着熱の回収(再生空気の予熱)
デシカント空調のしくみ 典型例:2ロータ式デシカント空調
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Hu
mid
ity (
g/k
g)
Temperature (oC)
100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
2
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0
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60
80
100
120 140 160
Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
空気線図(中温部)
給気側流路再生側流路
還気⑤
③
⑥
排気⑧
②熱交換
熱交換 ⑦加熱
温度 [℃]
絶対
湿度
[g/kg
DA
]
相対湿度 [%]
エンタルピ[kJ/kg-DA]
(A点:吸着除湿限界)
A給気④ 冷却
外気①
2ロータ式デシカント空調システム内の空気状態変化
再熱除湿とデシカント除湿方式のどちらが得か?
デシカント空調プロセスの構成
• デシカントローター(除湿機)・・・除湿(潜熱処理)
• 熱交換器(回転式,直交式,…) ・・・ 顕熱処理
• 給気出口の冷却装置・・・ 顕熱処理(潜顕分離空調)
(気化冷却,冷却コイル,ヒートポンプ蒸発器など)
• 再生入口の冷却装置・・・ 顕熱処理(給気温度低下)
(気化冷却,冷却コイル,ヒートポンプ蒸発器など)
• 給気入口の予冷装置,予除湿装置
(全熱交換器など)・・・ 予冷予除湿による除湿負荷低減
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「デシカントロータ」
吸着材壁厚さ;0.2mm程度
空気流路3mm
2mm
デシカント(desiccant)=除湿材
水蒸気吸着材(温度差、相対湿度差で吸放湿)
• LiCL系ロータ:1960年ごろMunters社で開発
• シリカゲルローター:セラミック繊維ペーパーあるいはガラス繊維紙をハニカムマトリクス化し後にシリカゲルを含浸合成
• 合成ゼオライト系ローター:無機系バインダー等を用いてハニカムマトリクスに担持
• 高分子収着剤:ポリアクリル酸系高分子主鎖を親水性の高い特殊架橋により三次元構造化
• スポンジ酸化チタン:酸化チタンを網目状に変化させたもの40℃で水蒸気脱離が可能とされる。
• 三菱樹脂AQSOAシリーズ:S字形吸着等温線
• 稚内珪質頁岩+吸湿塩:安価
吸着材デシカントローター
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• 吸着平衡関係(吸着等温線)は相対湿度の関数
吸着材デシカントローターの基礎知識(1)
相対湿度[%]
吸着
量[k
g-H
2O
/kg
-吸着
剤]
有効
吸着
量[-
]qa
qd
吸着等温線
10%
再生空気100%80%
除湿対象空気
室温~100℃領域では温度の影響は小さい(例外あり)吸着平衡-脱着平衡の吸着量差=有効吸着量体積基準の吸着量とすることでより実用的
吸脱着方向の吸着平衡関係に違いが生じる「ヒステリシス」
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g/k
g)
Temperature (oC)
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Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
排気
外気
• 除湿・再生(水蒸気の吸脱着)は断熱進行
吸着材デシカントローターの基礎知識(2)
再生空気
除湿空気
排気の相対湿度が吸着対象空気の相対湿度を上回るには平衡以上の水蒸気を吸着しておく必要がある
除湿空気の相対湿度が再生空気の相対湿度を下回るには平衡吸着量以下にまで再生されねばならない
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g/k
g)
Temperature (oC)
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100120 140 160
Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
排気
外気
• 水の蒸発潜熱より大きい吸着熱,ロータ熱容量によって除湿側はエンタルピー増加、再生側は減少
吸着材デシカントローターの基礎知識(3)
再生空気
除湿空気
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g/k
g)
Temperature (oC)
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100120 140 160
Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
排気
外気
• 除湿側空気風量と再生空気風量には最適比が存在
吸着材デシカントローターの基礎知識(4)
再生空気
除湿空気
再生空気風量の削減省エネルギー再生限界到達による除湿性能の低下
除湿量
脱着量=除湿量×(除湿/再生風量比)
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吸着材デシカントローターの基礎知識(5)
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ity (
g/k
g)
Temperature (oC)
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120 140 160
Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
空気線図(中温部)
OARA(50oC) RA(80oC)
SA
SA
SV=
60
5
外気再生
• ロータ通過風速(面風速)は2~4m/sで操作されることが多い・・・通過風速[m/s]/ロータ長さ[m] =SV[s-1]
SVを小さくすれば限界値に近づくしかし、処理空気風量に対する装置サイズが大きくなる
SV=10~20程度で操作されることが一般的
0
20
40
60
80
0 20 40 60 80
Tri=80 oC, Hri=23 g/kg(DA)Tpi=35 oC, Hpi=23 g/kg(DA)Up=Ur=1-3m/s, L=0.05-0.2mbp: br = 1:1O
pti
mal
ro
tati
on
sp
eed
[rp
h]
0
20
40
60
80
0 20 40 60 80
Tri=50 oC, Hri=23 g/kg(DA)Tpi=35 oC, Hpi=23 g/kg(DA)Up=Ur=1-3m/s, L=0.05-0.2mbp: br = 1:1O
pti
mal
ro
tati
on
sp
eed
[rp
h]
Space velocity Up /(L・bp)[s-1]
0
20
40
60
80
0 20 40 60 80
Tri=80 oC, Hri=11.2 g/kg(DA)Tpi=35 oC, Hpi=20 g/kg(DA)Up=Ur=1-3m/s, L=0.05-0.2mbp: br = 1:1O
pti
mal
ro
tati
on
sp
eed
[rp
h]
SV=10-20において最適回転数はSVに比例
但し、SVが大きくなると最適値は明確でなくなる再生温度が低い場合(=除湿量が少ない場合)も最適値は不明瞭
Up/L [s-1]
外気再生
還気再生
外気再生
吸着材デシカントローターの基礎知識(6)
• 出口湿度が最小となる最適回転数が存在する
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吸着材デシカントローターの基礎知識(7)
• 除湿出口/再生出口空気状態は回転方向に変化する
吸着
再生開始,吸着終了
再生終了,吸着開始
回転方向に吸着量・温度分布
↑
均一温湿度空気
再生
均一温湿度の再生空気↓
回転方向に吸着量・温度分布
除湿性能は平均値で評価
① ②③
④⑤
①②③
④
⑤
20 4080 60
10
15
20
20 30 40 50 60温度 [℃]
絶対
湿度
[g/
kg-D
A]
Relative humidity[%]
①
②③
④⑤
OA
(30oC, 15g/kgDA)
(50oC, 15g/kgDA)
RA①
②③④
⑤
吸着ゾーン出口空気状態 : 回転方向変化は①→⑤再生ゾーン出口空気状態 : 回転方向変化は①→⑤
• 除湿出口/再生出口空気状態は回転方向に変化する
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デシカント空調プロセスの構成
• デシカントローター(除湿機)・・・除湿(潜熱処理)
• 熱交換器(回転式,直交式,…) ・・・ 顕熱処理
• 給気出口の冷却装置・・・ 顕熱処理(潜顕分離空調)
(気化冷却,冷却コイル,ヒートポンプ蒸発器など)
• 再生入口の冷却装置・・・ 顕熱処理(給気温度低下)
(気化冷却,冷却コイル,ヒートポンプ蒸発器など)
• 給気入口の予冷装置,予除湿装置
(全熱交換器など)・・・ 予冷予除湿による除湿負荷低減
予冷予除湿
OA
冷却除湿
SA
冷却
RA
・給気温度が下がる・再生エネルギーが増加・再生空気湿度が上昇し、吸着剤再生に不都合
(直接水噴霧気化冷却の場合)
・給気温度が下がる・従来空調機と組合せることで温度制御が容易・給気湿度が上昇する(気化冷却の場合)
・除湿機に入る空気の相対湿度が上昇し、吸着性能向上
導入外気と同量の還気が利用できる
環境は少ない(外気混合再生)
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熱源が必要 (コジェネレーション排熱、エアコン排熱、太陽熱)
デシカント本体は「除湿暖房」装置であり、単独では機能しない⇒ 冷却(顕熱処理)装置が必要⇒ 冷却装置が排熱源であれば、より理想的
特殊事情
•空調で相対湿度100%になる部分を避けたい(病院)•冷気漏れの活用(スーパーマーケット)
室内潜熱負荷が大 室内潜熱負荷が小
•プール•映画館や劇場•飲食店客席•学校
換気量大
換気量大外気負荷
換気量小
導入メリットなし
•事務所•デパート•工場
■デシカント空調の適用対象
■ヒートポンプとの組合せ(凝縮熱の利用)
ヒートポンプの運転挙動や熱バランスに合致したデシカント部の設計・操作が必要
ドレンレス空調が可能
デシカント除湿性能の向上(小型・高性能化)
ヒートポンプ凝縮器
外気
排気
給気デシカントローター 顕熱交換器
還気
ヒートポンプ蒸発器
ヒートポンプ凝縮器
外気
排気
給気
デシカントローター 顕熱交換器
還気
ヒートポンプ蒸発器
後冷却
予冷・予除湿
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太陽熱:1kW/m2
60kW
太陽熱を利用した換気型空調システム→12kWの冷房性能
■太陽熱駆動(Desiccant Evaporative Cooling)
外気
4000m3/h給気
還気(外気)
4000m3/h排気
太陽熱温水器集熱面積:36-60m2
仰角:30°設置方角:南
吸着剤壁
シリカゲル + ガラス繊維
厚さ;0.2mm
空気流路
ピッチ;2mm x 3mm
除湿機直径:1.22m
厚さ:0.2m
ハニカム面
太陽熱駆動デシカント空調システム概略図
■太陽熱駆動(Desiccant Evaporative Cooling)
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高湿度条件・晴天日の性能
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.080.00.00
時刻 [h]
温度
[oC
]日
射量
[kW
/m2]
除湿
量[g
/kg (
DA
)]
空気温度,除湿量の時間変化 (晴天日)
再生空気
外気
温水器出口
給気
除湿量
日射量
給気・再生側空気風速: 2m/s
回転速度
・除湿機: 25rph
・顕熱交換器: 450rph
循環水流量:25L/min
除湿量
南中時刻付近で最大.
(最大4.0g/kg(DA)程度)
夕刻になるにつれて減少.
給気温度
実験時間中を通して25oC程度.
外気に対して約10oC低下.
日射条件:安定
外気湿度:17.4g/kg
(相対湿度:51.0%)
デシカント空調システムの課題
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• 熱源が必要⇒排熱や太陽熱だけではなく、電気ヒートポンプとの組
合せも合理的である。
• 多種多様な流路およびシステム構成⇒状況に応じて最適プロセスの導入が必要
• 高い,大きい⇒質の低いエネルギー駆動であれば、装置が大きくな
るのは仕方ないと思うが、それでは社会技術になれない
• 従来システムでも調湿は可能⇒熱駆動=省エネだけでは売れない
■デシカント空調の現状
■デシカント空調プロセスへの要求
• 除湿性能の向上
• 低温度熱駆動
• 小型化
低温排熱の有効な活用先であることに間違いないサイズ・コストもデシカントロータの使い方次第
この要求をできる限り、簡素な構成で、低コストで・・・至難の技
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除湿ローター内では空気流れ方向に相対湿度が低くなっていく
ある程度低い相対湿度でも
吸着能力が要求される
■吸着材に求められること
低い再生温度(高い相対湿度)での水蒸気脱着を容易にしたい
目標とする空気の相対湿度以下では吸着能力は不要?
■三菱樹脂AQSOA吸着材
S字形吸着等温線+温度依存性低温再生でも有効吸着量が大きい⇒水蒸気脱着が容易
湿度図表で等相対湿度線=等吸着量線ではない湿度図表上に等吸着量線を被せると得意とする空気状態変化が
現れる(予想できる)!?
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室内還気が十分量に使える条件では効果絶大
静置型 回転型
給気室内 室外
室内還気
外気
排気仕切板特殊加工紙
間隔板特殊加工紙
• 室内還気との全熱交換によって外気を予冷・予除湿
⇒ デシカントロータにおける除湿負荷の低減
⇒ デシカントロータの小型化,除湿性能の向上
■全熱交換器の導入
0
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g/k
g)
Temperature (oC)
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Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
空気線図(中温部)
給気側流路再生側流路
還気⑤
③
排気⑧
②
全熱交換
⑦加熱
温度 [℃]
絶対
湿度
[g/kg
DA
]
相対湿度 [%]
エンタルピ[kJ/kg-DA]
給気④冷却
外気①
⑤’
①’
⑥
■除湿機入口に設置した全熱交換器の効果
②
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20
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0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
空気温度 [℃]
絶対
湿度
[g/kgD
A]
外気OA
室内RA
給気SA
再生空気
(冷却除湿)
(デシカント除湿)
OA
凝縮器 デシカントロータ
SA
EA
RA
全熱交換器
蒸発器
■全熱交換器-ヒートポンプ-デシカント空調システム
排熱利用で除湿+再熱
97
3
6
2
5
4 1
8
顕熱交換器
気化冷却器
加熱器
除湿機
室 内
【標準型】
97
3
6
2
5
4
18
顕熱交換器気化冷却器
加熱器
除湿機
室内
全熱交換器
B
A
【全熱交換器導入型】
9
3
6
2顕熱交換器
5
4
気化冷却器8
1X
加熱器7
加熱器1
A
Y
Z
顕熱交換器除湿機 除湿機B
気化冷却器(有無を検討)【2段除湿型】
冷却により相対湿度が上昇した乾燥空気を2段目除湿機へ供給
2段除湿=低温再生と除湿性能向上を両立
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g)
Temperature (oC)
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Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
空気線図(中温部)
給気側
外気
給気
室内
外気と熱交換
還気と熱交換
除湿量が大きいほど給気風量は小さくできる・・・装置小型化
⇒ 一般空調では受入難い流路構成 産業用途(低露点製造)向き
中間冷却付き2段除湿による断熱除湿限界の克服
再生ゾーンは分割せず,除湿ゾーンのみ2分割熱交換器も給気側流路を2分割もちろん、熱交換器は他の形式でもよい
排気
吸着ロータ ヒータ
還気
外気給気
熱交換器
ハニカム吸着材
1つのデシカントロータで2段除湿をしてはどうか?
• 空気とデシカント材の疑似対向流操作を盛り込む
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■断熱除湿から等温除湿へ:断熱除湿限界の克服
0
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-10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1000
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Hu
mid
ity (
g/k
g)
Temperature (oC)
100 90 80 70 60 50 40 30 20 10
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60
80
100
120 140 160
Enthalpy (kJ/kg)
Relative Humidity (%)
空気線図(中温部)
等温除湿断熱除湿
温度 [℃]
絶対
湿度
[g/kg
DA
]
相対湿度 [%]
エンタルピ[kJ/kg-DA]A
除湿対象空気
BP断熱除湿限界
断熱除湿限界
等温除湿限界
等温除湿・・・アイデアは昭和末期の特許にも見られる▼低温度駆動が可能▼再生温度が低くなるほど、除湿量の差は顕著 吸着材温度をどうコントロールするか
HBデシカ素子
外気排気
給気
室内空気
加熱コイル
吸着ロータ
HBデシカント素子用フィン
一般的な熱交換器用フィン
HBデシカ素子(HDE)
DESICAの構造とハイブリッドデシカント素子
■ヒートポンプ+吸着熱の積極的除去
商品化例:ダイキン工業“DESICA”http://www.daikinaircon.com/catalog/desika/
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新たな展開
吸着材壁厚さ;0.2mm程度
空気流路3mm
2mm
デシカント(desiccant)=除湿材
水蒸気吸着材(温度差、相対湿度差で吸放湿)
室外へ排気
外気
デシカントローター 顕熱交換ローター空気加熱器
室内からの還気
快適空気
各種排熱,太陽熱など
25-30oC 30-40oC 40-60oC 70-90oC吸着材ローター
• 50~80℃程度の熱で駆動可能な空調装置
• 空調にかかる電力消費の削減効果が期待される
• 低温排熱(50~100℃)温度域に適した蓄熱材不在
• パラフィン系(30~60℃)、キシリトール(94℃)よりも大きい蓄熱密度 (吸着材形状は重要検討項目)
加熱空気 湿潤排気
“蓄熱モード” ⇔ “放熱除湿”モード
湿潤空気乾燥空気
熱
熱
• 相対湿度差による水蒸気の吸脱着熱を利用
• 100数十℃の蒸気排熱(相対湿度100%)は、外気との相対湿度差を使って40~50℃昇温
低湿空気 湿潤排気
湿潤空気乾燥暖気
“昇温モード”
温度上昇
温度低下
相対湿度差を推進力とする“昇温モード”排蒸気の活用,農業利用(ビニルハウスの除湿暖房)
長周期温度スイングによる“蓄熱モード”蓄熱・熱輸送,電気自動車の冬季除湿暖房に適用
短周期温度スイングによる“除湿空調モード”省エネルギー空調,調湿と換気による快適空間維持
35℃40~60℃
20~25℃
28℃50~80℃40~60℃
従来はシリカゲルロータだけであったが、近年では細孔制御されたメソポーラスシリカ、ゼオライトをはじめとして新規デシカント材が続々開発され、市場投入されている
廃熱の価値が高まる 冷熱・冷房
利用も可能
デシカント技術=水蒸気の吸脱着による除湿と加湿、それにともなう潜熱/顕熱変換を応用
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農業温室(生育過程)における除湿需要
• キュウリやミニトマトのハウス抑制栽培
温室内の相対湿度を90%以下に制御 ~宮崎県農試~
多湿条件を好む べと病や褐斑病,葉カビ病の発生を抑制
省農薬,収穫量の向上
• 花き類(トルコギキョウ,スターチス)の灰色かび病防除効果~長野野菜花き試験場~
農業用温室の除湿方法
• 換気(外気導入)+熱交換
温室内よりも低い温度の空気が流入
• ヒートポンプ式除湿機
• 吸収液式除湿機
温室内で吸湿した吸収液を温室外で加温し、水蒸気を放出、温室内に再循環
• 吸着式除湿水蒸気吸着(除湿)の過程で「吸着熱」が発生⇒
冬季温室除湿には合理的な除湿暖房となる
2014/7/4
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吸着材デシカントロータによる連続除湿
吸着材壁厚さ;0.2mm程度
空気流路3mm
2mm
デシカント(desiccant)=除湿材相対湿度が高いほど
より大量の水蒸気を吸着する
通気抵抗小=空気の大量処理が得意
除湿/再生ゾーン分割&ロータ回転
• 除湿の駆動力=温室内外の相対湿度差=自然エネルギー
• 水蒸気吸着時に発生する吸着熱によって暖房効果も得られる
低湿空気 湿潤排気
湿潤空気乾燥暖気
“昇温モード”
除湿暖房
湿潤排気冬季の低湿度外気
温室内の湿潤空気
水蒸気の脱着
水蒸気の吸着&吸着熱の発生
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除湿
暖房 冬季外気
• 除湿+暖房効果⇒ボイラー用重油消費量の削減
• ビニルハウス内湿度制御による病気発生の抑制
除湿の駆動力=温室内外の相対湿度差
高湿度25~30℃相対湿度
90%
低湿度5~20℃相対湿度10~20%
吸着熱発生
除湿暖房実験(例);除湿量5g/m3, 温度上昇10℃
100
0
5
10
15
20
15 20 25 30 35 40 45
絶対
湿度
[g/k
g-D
A]
温度[℃]
相対湿度 [%]
再生空気
湿潤空気
理論値昇温幅
除湿限界
80
60
40
40
20
30
平均昇温幅 9.4℃
温度が高い部分を抽出(昇温幅 約12℃)
2014/7/4
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(予熱効果のみ)
性能向上施策とロータコストの削減
【性能向上策】相対湿度差の拡大浅層地中熱による外気(再生空気)の予熱
【低コスト化】汎用吸着剤(数百円/㎏)
+充填固定容器(樹脂性もOK)
吸着効率半減によって使用吸着剤量が倍増しても吸着剤コストは10万円程度に抑えることができる
おわりに