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画像データの解析による配管腐食評価システム
2019年度 JPECフォーラム
2019年5月8日
アクセンチュア株式会社
ー禁無断転載・複製 Copyright © 2019 Accenture. All rights reserved.
Copyright © 2019 Accenture. All rights reserved. 2
アクセンチュアのご紹介
弊社の組織と提供サービス
Operating Groups各業界の歴史、固有課題やテクノロジーに精通したプロフェッショナルが、それぞれのお客様に応じた各分野におけるサービスを提供
通信・メディア・ハイテク本部
素材・エネルギー本部製造・流通本部 金融サービス本部公共サービス・医療健康本部
Growth Platforms先端技術やソリューション、サービスに特化したプロフェッショナルが業界横断でサービスを提供
戦略コンサルティング本部テクノロジー
コンサルティング本部オペレーションズ本部
• 戦略立案コンサルタント• 業界戦略コンサルタント• 人材・組織マネジメント
コンサルタント• セールス/マーケティング戦略
コンサルタント• 財務・経営管理コンサルタント
• ITコスト削減専門家• テクノロジー・コンサルティング• システムインテグレーション
エンジニア• デジタルアプリ構築(デザイナー・開発者)• プラットフォーム構築・専門家
• ビジネス・プロセス・アウトソーシングエンジニア
• インフラサービスエンジニア
デジタルコンサルティング本部
• カスタマ・エクスペリエンス・デザイン(UI/UX専門家)
• EC・デジタルマーケティング専門家
• ビッグデータアナリティクス専門家• データサイエンティスト
• Device専門家• IIoT専門家
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アクセンチュアの石油・化学業界における実績
弊社の石油化学産業グループでは、石油化学製品や特殊化学製品、ポリマー・プラスチック製品、天然ガス製品、農薬など、さまざまな業界との部門を超えた連携を行っています。
Fortune誌『Global 500』
にランキング入りした化学企業7社のうち、6社と事業を展開。
世界規模の中核的研究拠点(インド)
の専門家が弊社の化学ソリューションの開発・支援に従事
1500名以上
業界企業が現在(および今後)直面している重要な問題に関する調査・意見書を発行 主な産業連携先
強固な連携によるエコシステム
SAP・Yokogawa・EmersonORACLE・Microsoft・avanade …
業界向けの非常に革新的かつ差別化されたエンドツーエンドの事業サービスを大規模に展開
にわたる経験
世界最大手の石油化学企業との連携実績
の企業の顧客
の熟練した実務専門家
• アクセンチュアのアセット&オペレーションズサービス• アクセンチュアの化学企業向け事業サービス
30年以上 150社以上 3500名以上
欧州化学工業連盟(CEFIC)
米国化学工業協会(ACC)
欧州石油化学協会(EPCA)
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デジタルプラント取り組みへの4つのフレームワーク
アクセンチュアでは、プラントのデジタル化を以下の4つのフレームワークを用いてコンサルティングをしています。
Digital Infrastructure
Wireless環境の整備 サイバーセキュリティ
Digital AssetDigital Worker
モバイルを活用した保全作業・点検作業管理
作業員の安全管理・トラッキング
作業手順書のデジタル化
設備・機器のデータ分析による予知保全
ドローン活用、画像解析による設備の外観異常検知
Digital Operation
保全許可(Work Permit)業務のワークフロー化(電子化)
用役バランスの最適化管理画像解析による工場入館管理
Intelligent Operations Center
直作業引継ぎのデジタル化
技術図書のデジタル化
AR/VRを活用したトレーニング
デジタルプラットフォームの構築
人の仕事の仕方を変える 設備能力を最大限引き出す 運転を最適化・効率化する
「短期間」+「大規模」の業務改革を支援するためのインフラ
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目次
1.取組み概要
2.配管腐食評価システムのご紹介
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1.取組み概要~プラント操業を取巻く現状
労働集約的な業務はデジタル技術で代替し、従来以上の安全・安定操業を継続
社員はより高度な戦略・企画業務へシフト
人材不足が加速(特に優秀層)
• ベテラン勇退に伴うノウハウの喪失
• 海外プラントへのミドル層派遣
• 全産業横断で人材獲得競争が過熱
国内のプラントは引続き安定操業が求められる
• 設備老朽化が進行
• 海外・新規事業拡大を進めながらも、需給を満たすべく今後も主力事業として継続
デジタル技術の実用化が進展
• ドローン、ロボティクス、形態素解析等、新しい技術の活用拡大(他社)
• 規制緩和の動き(スーパー認定、ドローン活用ガイドライン等)
<プラント操業を取り巻く環境>
<今後のプラント操業の方向性(弊社認識)>
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(参考)配管腐食に起因した災害事例
近年、国内プラントで配管腐食による災害が多発。各社とも対応を模索している状況。
電力会社
➢ 7原発12基で、中央制御室の空調配管が腐食により開口。重大事故時に放射性物質が流入して運転員が被曝する恐れ。(2018年)
➢ 配管が腐食し開口、蒸気漏れトラブルにより発電・送電を停止。(2018年)
素材会社➢ 腐食していた配管根元が破損、配管から噴き出したアンモニア水を浴びた社員
3人が死傷。(2017年)
石油化学会社➢ 配管腐食が原因で可燃性のガスが漏れ、製造ラインを停止。(2018年)➢ ブタジエン製造施設の外部腐食劣化により破孔、ガスが漏洩。(2014年)
石油精製会社
➢ 潤滑油製造装置内の配管にて、生成したアンモニア水と硫化水素による腐食したことで、内部の水素ガスなどが漏れ出し、静電気で着火し火災が発生。(2017年)
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1.取組み概要~NEDO事業 協力各社の課題
標準化・効率化を狙い、取組みを推進。
標準化
効率化
腐食点検業務における課題
✓ 腐食進行箇所の評価は目視で実施しており、評価者のスキル・経験値に依存
✓ 熟練従業員の減少により評価レベルが低下し、誤評価や見逃しリスクが増大
✓ 日次等、定期的に実施。点検時は携行品準備や図面の印刷が都度必要で、負荷大
取組みの狙い
✓ 配管外面の画像をDeepLearningを用いて一律の基準で自動評価し、人による評価のバラつきを均一化
✓ 動画解析も実施可能にすることで、網羅性を向上し、見逃しリスクを削減
✓ モバイル1つで業務が完結するため、点検時の携行品準備や図面印刷負荷を削減
【図面サンプル】
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1.取組み概要~取組みの位置付け
画像解析技術(Deep Learning)を用い、外面腐食の腐食点検業務の自動化・効率化を目指す。また、実業務での利用に向け、仕組化まで実装する。
配管の腐食種類
現行業務
担当部門
位置づけ
A社における外面腐食管理業務
腐食点検 腐食検査
✓ 目視による腐食箇所の検出
⁻ 日常点検⁻ 定期点検
✓ 検査会社による検査
⁻ 詳細目視検査⁻ 計測⁻ 非破壊検査(放射
線検査等)
運転部門保全部門
(+検査会社)
✓ 検査が必要な箇所の抽出・スクリーニング
✓ 点検結果に基づく、保全要否・タイミング判断のための検査
画像解析技術(Deep Leaning)を用いた自動化・効率化
内面腐食
外面腐食
CUI
保温材配下の腐食
(上記に影響する)板金・保温材の損傷
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2.配管腐食評価システムのご紹介~システム概要
配管の外面腐食に対し、点検漏れ・評価のブレを無くす一次スクリーニングとしての活用を目的に、画像・動画から腐食状況を評価する腐食評価システムを開発。
➢ 現場で配管撮影(画像・動画)
撮影・収集1 アップロード2 腐食評価3 結果確認4
➢ クラウドのシステムへアップロード(ブラウザを利用)
➢ 腐食進行度をAIにて自動評価
➢ 結果確認し、詳細検査依頼
腐食あり
詳細検査
腐食評価
出典:配管技術(2019)
SAMPLE
SAMPLESAMPLE SAMPLE
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2.配管腐食評価システムのご紹介~解析のモデル(腐食評価モデル)
裸配管・保温材配管の画像・動画に対し、ピクセル単位で6段階評価するモデルを構築。
※腐食ランク毎にピクセル単位で正誤領域の重なり割合を元に算出した精度
評価結果
裸配管
保温材配管
✓ 配管外面の腐食進行度合を6段階で評価
✓ 評価精度は87.7%※
✓ 雨水侵入の可能性という観点で、板金間の隙間やシール不良、穴を検知し、6段階で評価
✓ 評価精度は82.3%※
モデル概要 評価結果画像 評価結果をオーバーレイ
プラント現場有識者より実務利用可能な評価精度・内容とのご意見を頂く
出典:配管技術(2019)
SAMPLE
SAMPLE
SAMPLE
SAMPLE
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2.配管腐食評価システムのご紹介~ユーザーからの声
実地検証にご協力頂いたA社様に加え、他元売会社様からも本取組みへポジティブなご意見を受領。石精業界に加え、他プラント産業でも展開・活用できる可能性を確認。
⚫ A社からのご意見➢ 広角画像・動画・ドローンの活用により怪しい箇所を網羅的にピックアップできれば効果は非常に
大きく、これが本当の意味での保安の確保・高度化であり、本取組には非常に期待している。
➢ これまで配管を一本づつ目視確認していたので、本システムにより短時間で広範囲を、網羅的に
確認できるようになれば、点検・検査のスピードも上がるので非常に有効。
⚫ B社からのご意見➢ 腐食評価システムを外面腐食点検の一次スクリーニングで利用することは価値がある➢ 外面腐食は特に石化業界が進んでいるので、外面腐食解析のニーズが高い
⚫ C社からのご意見➢ ローラー作戦で配管腐食検査を実施しているが、負荷が大きく、今後も継続的に実施しなけれ
ばならないため、ローラー作戦の一次スクリーニングに画像解析モデルは非常に有効
⚫ D社からのご意見➢ 事業自体に関心があり、目視点検し辛い箇所(高所・狭所等)への活用を期待している
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2.配管腐食評価システムのご紹介~今後の展望
精度向上・検知対象拡大
利便性向上
ロボティクスとの組合せ
✓ PoC拠点を拡大し、モデルに対する要望を抽出し、更なる精度向上に向け、モデルのチューニングを実施
✓ 配管に加え、タンク等の他構造物を対象にした解析モデル構築し、更なる点検業務負荷削減を目指す
✓ モバイル端末やネットワーク等のインフラ基盤の改善、及びシステム機能を拡充し、簡易な点検結果記録や後続部門連携を実現
✓ ドローンや自律走行車等のロボティクスを活用し、現場での1次点検作業負荷を削減しつつ、自動点検を活用した点検頻度増加により保安の高度化を実現
実業務への適用を目指し、今後は解析モデルの精度向上、システムの利便性向上、ロボティクス活用に向けた取組みを推進予定。
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ご清聴ありがとうございました
謝辞以上の発表に関する技術開発成果は、
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO*)からの委託事業の結果得られたものです。
*New Energy and Industrial Technology Development Organization