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大学生のキャリア形成過程における Planned Happenstance Skills と精神的健康度の関連 田 島 祐 奈・岩 瀧 大 樹・山 﨑 洋 史 Relation between Planned Happenstance Skills and mental health In college students of career formation process Yuna TAJIMA, Daiju IWATAKI and Hirofumi YAMAZAKI 群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 66 巻 231240 2017 別刷

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大学生のキャリア形成過程における

Planned Happenstance Skills と精神的健康度の関連

田 島 祐 奈・岩 瀧 大 樹・山 﨑 洋 史

Relation between Planned Happenstance Skills and mental health In college students of career formation process

Yuna TAJIMA, Daiju IWATAKI and Hirofumi YAMAZAKI

群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編

第 66巻 231―240頁 2017 別刷

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大学生のキャリア形成過程における

Planned Happenstance Skills と精神的健康度の関連

田 島 祐 奈 1)・岩 瀧 大 樹 2)・山 﨑 洋 史 3)

1)昭和女子大学2)群馬大学教育学部附属学校教育臨床総合センター

3)昭和女子大学大学院(2016年 9月 30日受理)

Relation between Planned Happenstance Skills and mental healthIn college students of career formation process

Yuna TAJIMA1), Daiju IWATAKI2) and Hirofumi YAMAZAKI3)

1)Showa Women’s University2)Center for Cooperative Research and Development on School Education Faculty of Education, Gunma University

3)Showa Women’s University Graduate School(Accepted September 30th, 2016)

問題と目的

 近年,新規学卒者における離職率の高さや,非正

規雇用であるフリーター,ニートの増加が社会的問

題として取りざたされるようになっている。その要

因として雇用の問題に加え,太田・岡村(2006)は,若年者自身の職業観や意識変化の要因を指摘する。

また,加澤・広岡(2007)は,若者たちの進路発達の未熟さを問題の背景とし,学校・大学時代に,か

なり多くの生徒・学生が自らの進路について,積極

的に考える態度を形成していないこと,無気力で無

目的な学校・大学生活を過ごして,卒業後のスムー

ズな社会の移行を果たせずにいること,働く意味が

わからず,職業や労働に対し,消極的,否定的な態

度を取り,卒業と同時に親へのパラサイト生活に移

行し,独立・自活しようとしないことなどを挙げて

いる。文部科学省(2004)も進路意識が希薄なまま,

とりあえず進学したり就職したりする者の増加を問

題視している。さらに,福田ら(2011)も,青年期の職業決定・未決定のプロセスや要因を明らかにす

るとともに,職業決定の対処法を探ることに主眼を

置き,その支援方法を探求している研究の多さを報

告する。

 しかし,実際には,就きたい仕事を明確に思い描

くことができないまま就職活動を進め,予期せぬ出

あいによって就職することもあれば,目標を掲げ意

欲的に就職活動に取り組んでも,希望とは異なる意

図していなかった仕事に就くこともあろう。下村

(2008)は,このように「計画的に『決める』のではなく,『偶然を活かす』」ことが重要になると報告し

ている。これは,卒業時の決定のみならず,何らか

の理由で離転職をした場合など,再度決定が必要に

なる場合においても有効であるとされる。この「偶

然を活かす」という考えは,Krumboltzら(1999)

群馬大学教育学部紀要 人文・社会科学編 第 66巻 231―240頁 2017 231

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によって「Planned Happenstance」として概念化されている。

 この概念は 1999年に上記の Krumboltzらによって発表され,新しいキャリア理論として注目を集め

た。Planned Happenstance Theoryでは,進路選択は本人が計画的に統制するのではなく,偶然の出来

事が重要な役割を果たし,これに積極的に対応する

ことで,結果として人生が豊かになり,キャリア形

成に大きな影響を与えると考える(Krumboltzら,1999)。さらに, Krumboltz & Levin(2004)では,自分のキャリアデザインに反し,意図していなかっ

た仕事に就くことも多いが,それに対してオープン

マインドになり満足感を得ていく事例も多く報告さ

れている。

 そこで,予期せぬ出来事である偶然をキャリア形

成に結びつけるには,選択肢に対して視野を広げて

おく,悪い選択肢であるときは固執しない,結果が

みえなくてもやってみる,失敗を恐れない・間違え

てもそれを活かす,まずは行動を起こして自分の運

をつくりだしていくといった考えや取り組みの重要

性が挙げられる(Krumboltz & Levin,2004)。以上をまとめると,キャリア形成においては,「楽観性

(新しい機会が出現し,達成可能であると考えるこ

と)」,「柔軟性(態度と環境を変えること)」,「忍耐力

(障害に直面しても努力すること)」,「リスクテイキ

ング(不確実な結果をにらみつつ行動すること)」,

「好奇心(新しい学習機会を調査すること)」の 5つのスキルを成長させる必要があると言い換えること

ができよう(Krumboltzら,1999)。 酒井(2016)は,偶然を絶好の機会と捉え,それを自らのキャリア形成に積極的に取り込んでいくた

めには,日頃から柔軟な姿勢と積極的な行動の継続

が望ましいと述べている。しかし,この柔軟な姿勢

と積極的な行動を継続するためには,身体的・精神

的な健康が望まれると言えよう。

 大学生が位置する青年期は,アイデンティティの

確立や精神的自立が求められるが,小柳(1998)は現代学生の特徴として,軽度の対人恐怖の増加,青

年期の長期化,および強迫性の不適応化の 3点を挙げている。さらに,三木(2014)は,スチューデン

トアパシーをはじめ対人恐怖・ひきこもりなどの適

応障害や,精神疾患発症があらわれやすい時期であ

ることを明らかにしている。これらのことから,現

代の大学生の傍目で見る以上に精神的に困難さを抱

える様子が推察される(西山・笹野,2004)。身体的・精神的不調は不登校の引き金となり,留年や休

学,退学へと発展する危険性があることからも,大

学生における精神的健康度の低下については早期発

見や,適切な予防と対処が必要だと考える。

 福田ら(2011)は,職業決定過程においても精神的健康度は影響し,その際,精神的健康度に常に留

意する必要があると述べている。学生相談の主訴が

進路相談であっても,実は精神的健康の低下に学生

自身が苦しんでいる例も報告されている。実際に,

就職活動における面接時のプレッシャーや,不採用

になったことによる挫折感,自信の喪失などはスト

レス状態を生み出し,学生たちの心身の健康に影響

を及ぼすと考えられる(北見・森,2010)。また,将来の方向性が定まっていない学生や混乱状態や猶

予状態の学生には抑うつ症状の存在やリスクに注意

が必要であるとされている(福田ら,2011)。したがって,精神的健康度の変化に注意を払いながら,

主訴をアセスメントし,個々に見合った資源を提供

しながらサポートをしていくことが望まれる。

 そこで,このような状況に対して大学の学生相談

機関や保健管理センターでは,入学後すぐに実施さ

れる健康診断のときから精神健康調査を用い,問題

を抱える可能性のある学生をスクリーニングして,

面接の機会を提供したり,来談を促したりして,早

期発見や早期対応に取り組んでいる。そのツールと

して大学の相談機関で最も活用されている精神健康

調査が University Personality Inventory (以下,UPI)である。これは,大学生を対象とし,かつての神経

症,その他学生の悩み,迷い,不満,葛藤などのメ

ンタルヘルスの実態を調査するスクリーニングテス

トとして作成されたものである。現在は新入生に限

らず,全学年,大学院と拡大傾向にある(早川,

2008)。中村ら(2000)では,入学後の UPI得点がその後の留年と関連していることを報告している。

また,小塩ら(2007)は,入学時の UPIの結果から,

田 島 祐 奈・岩 瀧 大 樹・山 﨑 洋 史232

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入学直後に精神健康上の諸問題,身体的兆候を自覚

している学生ほど早期退学に結びつきやすい傾向に

あり,退学の有無と UPI得点が関連することを明らかにしている。そこで,本研究では,この UPIを使用し,学生の精神的健康度を測定することとす

る。

 以上のことから,大学生へのキャリア形成には

Planned Happenstanceが大きく影響していると予想され,その際に精神的健康への配慮や,それらのバ

ランスを鑑みることが必要であると考える。そこで,

本研究では,大学生の Planned Happenstanceに関わる5つのスキルをPlanned Happenstance Skills(以下,PHS)として取り上げ,精神的健康の関連を検討し,適切な支援体制や,円滑なキャリア選択およびキャ

リア決定を行う上での心理的援助への検討資料を得

ることを目的とする。

方  法

1.調査対象者

 首都圏の国公私立大学に在籍する学生 228名(男子 110名,女子 118名)から有効回答を得られた(有効回答率 96%)。

2.調査時期

 2015年 5月

3.調査方法

 メンタルヘルスに関するオリエンテーションの一

部を利用し,質問紙法による一斉方式を用いた。実

施前に,対象学生に対して,研究の目的や統計処理

に関する説明を行い,倫理面に配慮した。無記名,

即時記入,即時回収。約 10分。

4.調査内容

 ⑴ フェイスシート(性別・年齢)

 ⑵ PHS 尺度

 山田・伊田(2003),松岡ら(2003),藤田ら(2010)をもとに,岩瀧ら(2012)によって作成された

PHS尺度(35項目)を使用した。この尺度は,前述の Krumboltzらによって提唱されたキャリア論である「Planned Happenstance」をもとに,キャリアデザインに求められるスキルとしての検証をするた

めに学生を対象として作成された尺度であり,「好奇

心」,「忍耐力」,「柔軟性」,「楽観性」,「リスクテイキン

グ」の 5因子で構成されている。回答は,「1.全くあてはまらない~4.よくあてはまる」の 4件法で求めた。

 ⑶ UPI

 全国大学保健管理協会によって作成された 60項目を使用した。質問項目はその訴えの内容によって,

「精神・身体的訴え」16項目,「うつ傾向に関するもの」20項目,「対人面での不安に関するもの」10項目,「強迫傾向や被害・関係念慮に関するもの」10項目の 4グループに分類される。本研究でも,学生の精神的健康を詳細に検討するべく上記の分類を用いる

とともに,向社会性尺度として,菊池(1988)を参考に 10項目を加え,計 70項目を質問項目として用いた。なお回答は,「はい(○)」,「いいえ(×)」の

2件法で求めた。

結  果

1.各尺度の因子構造の検討・確認

 ⑴ PHS

 35項目に対して探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)を行った結果,先行研究と同様の

「好奇心」,「忍耐力」,「柔軟性」,「楽観性」,「リスクテ

イキング」の 5因子構造が得られた。それぞれの因子におけるα係数に関しても,.78~ .89の値が得られたため,使用に十分と判断した。

 ⑵ UPI

 数々の先行研究において,既に 4グループに分類されていることから,本研究でも同様の 4つのグループとし,向社会性を加えた計 5グループに分類し,使用した。グループごとに,「はい」を 1点,「いいえ」を 0点として,その個人の合計得点を算出した。

大学生のキャリア形成過程における Planned Happenstance Skillsと精神的健康度の関連 233

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2.男女差の検討

 PHSおよび UPIにおける各因子の合計得点を算出した(Table 1)。なお数値は合計得点を項目数で除したものである。

Table 1 各変数の記述統計量(N=228)

平均値 SDPHS   楽観性 2.42 0.52   リスクテイキング 2.19 0.66   柔軟性 2.46 0.52   忍耐力 2.81 0.52   好奇心 2.86 0.51UPI   精神・身体的訴え 2.29 2.26   抑うつ傾向 4.50 3.99   対人不安 2.22 2.37   強迫傾向・被害関係念慮 1.42 1.79   向社会性 5.83 2.40

 次に,性別による PHSおよび UPI得点を比較した(Table 2)。その結果,PHSの「リスクテイキング」において,女性より男性の方が有意に高いことが示

された。また,UPIの「精神・身体的訴え」において,男性より女性の方が有意に高いことが示された。

3.PHS と UPI の関連

 PHSと UPIの関連を把握するため,相関分析を

実施した(Table 3)。PHSの「楽観性」,「リスクテイキング」,「忍耐力」とUPIの「精神・身体的訴え」,「抑うつ傾向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係念慮」

との間に有意な弱い負の相関が確認された。加えて,

「楽観性」と「忍耐力」は,「向社会性」とも有意な弱

い正の相関が認められた。「好奇心」は,「抑うつ傾向」

と負の弱い相関,および「向社会性」と有意な弱い

正の相関が認められた。一方,PHSの「柔軟性」はUPIのどの下位尺度とも相関が確認されなかった。 次に,それぞれの PHSの得点を平均値(M)で高群(以下 H群),低群(以下 L群)に分類し,UPI得点を比較した(Table4)。その結果,「楽観性」の高い群において,「精神・身体的訴え」,「抑うつ傾

向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係念慮」の得点

が有意に低く,「向社会性」の得点が有意に高いこと

がと示された。「リスクテイキング」においては,「精

神・身体的訴え」,「抑うつ傾向」,「対人不安」,「強迫

傾向・被害関係念慮」に H<Lが有意であることが示された。「忍耐力」の高い群において,「抑うつ傾

向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係念慮」の得点

が有意に低く,「向社会性」の得点が有意に高いこと

がと示された。「好奇心」においては,「抑うつ傾向」

に H<Lが,「向社会性」に L<Hが有意であることが示された。一方,「柔軟性」においては,UPIのどの項目とも有意な関係が認められなかった。

Table 2 PHSおよび UPI因子における性差の比較

男性(n = 110) 女性(n = 118)t値 比較

M SD M SDPHS   楽観性 2.49 0.51 2.36 0.52 1.93   リスクテイキング 2.34 0.65 2.06 0.64 3.28** 女性<男性

   柔軟性 2.45 0.54 2.47 0.50 0.25   忍耐力 2.81 0.55 2.81 0.49 0.01   好奇心 2.85 0.52 2.87 0.51 0.17

UPI   精神・身体的訴え 1.84 1.93 2.70 2.46 2.97** 男性<女性

   抑うつ傾向 4.20 4.27 4.77 3.70 1.08   対人不安 2.03 2.32 2.40 2.41 1.18   強迫傾向・被害関係念慮 1.31 1.80 1.53 1.79 0.91   向社会性 5.65 2.42 5.99 2.38 1.06

**p<.01

田 島 祐 奈・岩 瀧 大 樹・山 﨑 洋 史234

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Table 3 PHS,UPIの相関係数PHS UPI

楽観性 リスクテイキング 柔軟性 忍耐力 好奇心 精神・身

体的訴え抑うつ傾向 対人不安 強迫傾向被

害関係念慮 向社会性

楽観性 ― .315** .145* .424** .159* ―.332** ―.472** ―.506** ―.486** .370**リスクテイキング ― ―.064 .187** .083 ―.229** ―.244** ―.337** ―.219** .114柔軟性 ― ―.171** ―.272** .121 .036 .026 ―.046 ―.021忍耐力 ― .412** ―.143* ―.400** ―.281** ―.217** .381**好奇心 ― ―.094 ―.188** ―.045 ―.037 .229**精神・身体的訴え ― .488** .440** .452** .032抑うつ傾向 ― .689** .704** ―.206**対人不安 ― .714** ―.143*強迫傾向・被害関係念慮 ― ―.188**向社会性 ―

**p<.01,*p<.05

Table 4 PHS2群による UPI得点の t検定結果

楽観性

M SD M SDt値 比較

L群(n = 108) H群(n = 120)精神・身体的訴え 2.88 2.52 1.75 1.84 3.83*** H < L抑うつ傾向 5.97 4.09 3.17 3.39 5.60*** H < L対人不安 3.26 2.59 1.28 1.68 6.75*** H < L強迫傾向・被害関係念慮 2.13 2.12 0.78 1.09 5.92*** H < L向社会性 5.19 2.44 6.41 2.22 3.96*** L < Hリスクテイキング L群(n = 118) H群(n = 110)

精神・身体的訴え 2.65 2.45 1.89 1.96 2.60* H < L抑うつ傾向 5.23 4.13 3.71 3.68 2.92** H < L対人不安 2.89 2.60 1.50 1.86 4.67*** H < L強迫傾向・被害関係念慮 1.70 1.92 1.12 1.60 2.51* H < L向社会性 5.59 2.54 1.12 1.60 1.55

柔軟性 L群(n = 113) H群(n = 115)精神・身体的訴え 2.19 2.16 2.38 2.35 0.66抑うつ傾向 4.63 4.11 4.37 3.88 0.50対人不安 2.42 2.41 2.03 2.33 1.24強迫傾向・被害関係念慮 1.62 1.88 1.23 1.69 1.67向社会性 5.92 2.28 5.74 2.52 0.57

忍耐力 L群(n = 118) H群(n = 110)精神・身体的訴え 2.55 2.41 2.00 2.05 1.86抑うつ傾向 5.70 4.37 3.20 3.05 5.04*** H < L対人不安 2.65 2.57 1.75 2.05 2.93** H < L強迫傾向・被害関係念慮 1.72 2.00 1.10 1.48 2.68** H < L向社会性 5.15 2.38 6.55 2.22 4.59*** L < H

好奇心 L群(n = 117) H群(n = 111)精神・身体的訴え 2.42 2.39 2.14 2.11 0.92抑うつ傾向 5.20 4.12 3.76 3.72 2.76** H < L対人不安 2.42 2.43 2.01 2.29 1.31強迫傾向・被害関係念慮 1.54 1.81 1.30 1.77 1.02向社会性 5.21 2.36 6.49 2.28 4.17*** L < H

***p<.001,**p<.01,*p<.05

大学生のキャリア形成過程における Planned Happenstance Skillsと精神的健康度の関連 235

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考  察

1.性差

 PHSでは,「リスクテイキング」において,女性より男性の方が有意に高いことが示された。した

がって,不確定な結果を見据えたり,失敗を恐れず

に取り組んだりする意欲は男性の方が高いと示唆さ

れる。小塩(2003)は,女性よりも男性の方がリスクテイキング行動が多く,友人のリスクテイキング

行動からの影響を受けやすいことを報告している。

友人と遊ぶことを中心とした付き合い方である共有

活動が,中学・高校・大学を通じて,一貫して女性

よりも男性によくみられるという可能性があげられ

(榎本,1999),本研究でも先行研究と類似した知見が得られたと言えよう。

 また,中井ら(2007)や三浦・青木(2009)の先行研究において,UPIの「精神・身体的訴え」において男性 <女性という性差は認められているものの,「抑うつ傾向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係

念慮」における性差は確認されていない。冨永ら

(2001)でも,「精神・身体的訴え」を除き,精神的健康度の平均値に男女差は認められなかったと報告

されており,本研究でも「精神・身体的訴え」のみ

において,男性より女性の方が有意に高いことが示

された。よって,先行研究と同様の結果が得られた。

2.PHS と UPI の関連

 ⑴ 楽観性

 「楽観性」の高い群において,「精神・身体的訴え」,

「抑うつ傾向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係念

慮」の得点が有意に低く,「向社会性」の得点が有意

に高いことが示された。したがって,困難な出来事

や不運な出来事に直面した際に前向きに考えるなど,

新しい機会に対して視野を広げることが可能な者は,

精神的に安定し,社会性も高いと言える。先行研究

においても,失敗経験時において楽観傾向が高い者

は悲観傾向が高い者よりも抑うつが低いこと(藤原,

2006)や,楽観傾向が精神的健康を促進する(小平ら,2003)と報告されており,この内容は本結果を支持する要因と言えよう。

 さらに,張・外山(2015)では,楽観性の高い者は,経験したネガティブな出来事をポジティブに捉

える肯定的解釈といったコーピング方略を用い,そ

の結果,精神・身体的健康を促進するというプロセ

スを報告している。この報告を参考にすると,楽観

性の高い者は困難な出来事に遭遇した際に,その出

来事自体を肯定的に解釈することができると推察さ

れる。本研究では,楽観性と精神的健康の媒介を想

定せず,プロセスのついての検討は行わなかったが,

本研究においても,コーピング方略として肯定的解

釈が存在する可能性があると示唆されるため,今後

の研究課題の一つであると言える。

 また,岩瀧ら(2015)では,目標達成が可能でも不可能であっても,ポジティブな要因を見つけ出し,

楽観的に捉えられる者は,自ら援助を要請できる他

者を探したり,非言語表現を活用しつつ,自己の問

題を効果的に伝えたりするスキルが高いと報告して

いる。以上のことから,楽観性の高い者は問題解決

への積極的なアクションをして援助要請をすること

でメンタルヘルスを維持していると推察される。

 ⑵ リスクテイキング

 「リスクテイキング」の高い群においては,「精神・

身体的訴え」,「抑うつ傾向」,「対人不安」,「強迫傾

向・被害関係念慮」の得点が有意に低いことが示さ

れた。このことから,物事対して失敗を恐れずにア

クションを起こそうとする者は精神的健康度が高い

と推察される。「リスクテイキング」には,「他人に

とって難しい課題でも,自分は簡単にできる方だ」,

「たいていのことは人並み以上にうまくできる方だ」

などの項目も含まれており,これらは自己を肯定的

に捉え,自尊感情や自己評価の高さを表している内

容である。Taylor& Brown(1994)では,自己についてより高い評価をもつと,人が健康に過ごすため

の重要な条件であると報告されていることから,本

研究の結果を支持すると捉えられよう。

 また,「リスクテイキング」については,ポジティ

ブ・イリュージョンを用いることでの介入が考えら

れる。これは,自己高揚的動機に基づいた認知バイ

アスであり,「実際に存在するもの・ことを,自分に

田 島 祐 奈・岩 瀧 大 樹・山 﨑 洋 史236

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都合よく解釈したり想像したりする精神的イメージ

や概念である」と定義される。大島・南部(2011)は,ポジティブ・イリュージョンと精神的健康およびリ

スクテイキング行動との関連を検討し,その結果,

ポジティブ・イリュージョンは,精神的健康を保ち

つつ,リスクに関して誤った判断を起こさないよう

にするという望ましい効果が得られることを報告す

る。したがって,ポジティブ・イリュージョンを増

加させ,自己をより高く評価することで,リスクに

対しても適切な判断を行いつつ,時には失敗を恐れ

ずに何度も立ち向かっていくことができれば,結果

的に精神的・身体的健康の維持に繋がると考えられ

る。

 ⑶ 忍耐力

 「忍耐力」については高い群において,「抑うつ傾

向」,「対人不安」,「強迫傾向・被害関係念慮」の得点

が有意に低く,「向社会性」の得点が有意に高いこと

が示された。特に「向社会性」の高さからは,困難

な出来事に遭遇した場合にもそれに立ち向かい努力

することができる者は,対人関係においても良好で

あることが予想される。これは,岩瀧・山﨑(2015)で報告されているコミュニケーションスキルが高い

者は援助要請スキルが高いという結果を支持するも

のである。ゆえに,壁にぶつかったときに辛抱強く

取り組みことができる者は,コミュニケーションス

キルを活用し,自ら適切に他者に援助を求めている

と判断できる。

 メンタルヘルスとの関連においては,例えば和田

(1998)により,忍耐はストレスを多く感じている者が対処方法として選択することが述べられている。

したがって,忍耐力の高い者はストレスを感じる場

面に遭遇しても,それに辛抱強くアクションを起こ

し続けていることが推測される。

 さらに,高井(2007)は,忍耐的強さをもつ者は,意欲的に生き,日々の生活における課題に積極的に

取り組むだけでなく,苦しみの中にさえ意味を見出

していこうとする意味志向性があり,肯定的な自尊

感情を形成する要因の一つであることを報告する。

以上のことから,忍耐力の高さが,ネガティブなイ

ベントに陥っても,その中から自己の成長のみなら

ず,精神的・身体的な健康にも繋がることが予測さ

れる。

 ⑷ 好奇心

 「好奇心」の高い群においては,「抑うつ傾向」得

点が有意に低く,「向社会性」の得点が有意に高いこ

とが示された。自ら行動を起こしてチャンスをつく

り出していくことができる者は,気分が安定してお

り,対人関係も積極的で良好であると考えられる。

また,好奇心が高い者は,失敗したとしても再度ト

ライする意欲があり,成功をした際に得られる達成

感大きく,さらなるチャレンジへの原動力にもなろ

う。田島ら(2016)でも,好奇心が高く社交的である者は,一歩前に踏み出し,例え失敗しても,柔軟

に粘り強く取り組む力が備わっていることを明らか

にしている。よって,成功体験を通して好奇心はよ

り高まり,ひいては精神的健康にも繋がると推測さ

れる。

 実際に,西川ら(2015)によると,日常生活における様々な機会に対する中長期的な取り組みや,

様々な出来事への積極的な受け入れに関する好奇心

は健康に良い効果をもたらすとされている。この報

告は本研究の結果を支持するものであり,例えば,

進路選択場面における積極的な受け入れが高い者ほ

ど精神的健康にポジティブな効果をもたらすと考え

られよう。

 ⑸ 柔軟性

 「柔軟性」においては,UPIのどの項目とも有意な関係が認められなかった。したがって,本研究で

は悪い選択に固執せず,自らの態度や環境を変える

ことは,精神的健康には直接的には影響しない可能

性が示された。しかし,加藤(2001)では,コーピングの柔軟性に富む者は抑うつ傾向が低く,精神的

に健康であるという,両者の関連が認められており,

本研究と先行研究とでは異なる結果となった。その

理由としては,三野・金光(2006)の述べている,一般的には精神的健康状態を良好に保つためには柔

軟な対処が必要であるとされているが,状況に対し,

大学生のキャリア形成過程における Planned Happenstance Skillsと精神的健康度の関連 237

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ただ単に依存的に対処を変更することは好ましくな

く,むしろ固執的な対処の方が好ましいという結果

を参考にすることができる。目標の変更や再設定な

どを柔軟に行うことで精神的健康の維持や回復も見

込まれるが,一度立ち止まり,熟考し,再び同じ目

標に取り組むことでも精神的健康の改善は可能であ

ると思われる。

 ⑹ まとめと今後の課題

 本研究では,PHSの 5つのスキルのうち,「楽観性」,「リスクテイキング」,「忍耐力」,「好奇心」を高

めることで精神的健康を維持できる可能性が推測さ

れた。今回は「柔軟性」については特筆すべき結果

は得られなかったが,「柔軟性」についても置かれた

状況を適切に把握した上で検討することが可能であ

れば,精神的健康にプラスの影響を与えうることも

見込まれるであろう。「Planned Happenstance」は,いつ何時出あうかわからない偶然の出来事をいかに

自己のキャリア形成に取り込んでいくかという概念

である。そのために,5つのスキルをある程度バランスよく習得する必要があろうが,そのスキルの向

上は精神的健康を高めることに繋がると期待される。

同様に,精神的に健康であるということは,予期せ

ぬ出来事を惹きつけキャリア形成に結びつける原動

力になると言えよう。

 そこで,5つのスキルを習得するために,大学機関で可能なサポートや資源を以下に提言していく。

 まず,「楽観性」や「好奇心」については,学生相

談室やキャリア支援センター等の機関において,学

生が選択肢を広げられたり,新たに惹きつけられた

りするような,企画の立案,情報発信の提案が挙げ

られる。さらに,学生が自分のレベルに見合う情報

を受け取れるよう,様々な領域にわたる講座の開催

が挙げられる。それらを通して,成功体験をより多

く経験させることでスキルの向上に繋がると考える。

岩瀧(2014)でも,楽観性の高い者は,自己のキャリアへの興味や関心が高かったり,自己のキャリア

形成に影響のあった出来事を自覚したりしているこ

とが明らかにされており,先述した取り組みは効果

的であると予測される。さらに、岩瀧・山﨑(2016)

では,グループエクササイズの実践において,楽観

性などが向上する可能性について検証している。今

後,さらなる研究の成果が期待されるアプローチで

あろう。

 「リスクテイキング」については,失敗を恐れる

ことなく何度もトライできるようなプレゼンテー

ションやディベートを取り入れた授業運営によって,

上記の学生同士で高め合うようなピアラーニングの

手法を取り入れることも期待される。「柔軟性」や

「忍耐力」については,グループワークなどを通して,

自分と他者の関係において柔軟に対応する力や,辛

抱強く向き合う関係性を習得することが可能である

と考える。

 加えて,自己の状況を適切に見極めるためのサ

ポート,客観的な立場からのアドバイスが可能とな

るキャリア支援センターでの個別支援などが考えら

れる。学生自身の取り組みに加え,教員,職員の連

携および学生相談室やキャリア支援センター,保健

管理センターの連携といった大学全体がチームと

なって学生を支援していく体制を整えることが求め

られると言えよう。

 今後は本研究にコーピングなどのネガティブな出

来事や困難な出来事に遭遇した際の対処方略スキル

に関する内容を含め研究を行うことで,認知行動療

法を取り入れた介入の展開も可能と思われる。例え

ば,アサーションやストレスコントロール力を身に

つけられるようなワークプログラムを取り入れ,そ

れを日常で般化させていくことで,5つのスキルの向上およびメンタルへルスを高めることに繋がると

考える。

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