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国家プロジェクトである関西文化学術研究都市も、まちびらきから約 30 年が経ち、成熟段階を迎えつつあり ます。居住人口の高齢化と人口停滞が進みつつあり、持続性を備えたネオ・ニュータウンへの転換が求められ ています。高の原駅前センターゾーン内に残されている約 3.2ha の用地について、まちの将来に備えた整備方 向の立案、時代ニーズを取り込んだ土地利用計画の提案、想定される立地施設毎の発生交通量と周辺道路に与 える交通問題の検証、周辺住宅地と調和した開発のモデルスタディと誘導手法となる地区計画案の立案、地元 木津川市との協議・調整等を通じて、目指す将来像づくりを行い ました。「生き続けるニュータウン」づくりに向けた、駅前センタ ー地区の貴重なリザーブ用地の有効利用のモデルとして、民間活 力による活用が期待されます。 発注者:(独)都市再生機構/担当:柴田明宏 Project report 7:明舞センター地区「コムボックス明舞」オープン (株)PPI計画・設計研究所 〒540-0021 大阪市中央区大手通 2-2-2 トーンアップビル 7F TEL 06-6949-0901 FAX 06-6949-0902 E-mail:[email protected] URL:http://www.ppi-osaka.com (ホームページ上でも P-voice が御覧になれます) 発行責任者:三好庸隆 編集担当者:内田善久、柴田明宏 Project report 8:相楽地区センター用地土地活用方策案検討業務 編集・発行 関西では大阪駅北側の「うめきた」が本格開業し、 平日休日を問わず、沢山の来街者で賑わっていま す。また、郊外の彩都や関西文化学術研究都市等 のニュータウンでも、新しい施設の立地、新規開 発の動きが見られ、景気上向きの動きを感じます。 この流れが本格的な動きとなり、関西経済、日本 経済全体が回復し、元気になっていくことを期待 したいと思います。(柴田) 編集後記 企画・計画室から この 1 年間、企画・計画室では、成熟段階を迎えた関西文化学術研究都市のセンター地区でのリザーブ用地 の有効活用方針等の検討、歴史的な寺内町での住民まちづくり活動の支援、民間戸建住宅開発地での公園計 画ワークショップ等といった「まちづくり計画」と共に、「のせでん アートライン妙見の森 2013」では沿線 地域と連携したアートイベントの企画・運営に関わりました。特に、アートラインでは地域密着型鉄道会社 がこれまで築いてきた地域との信頼関係をベースに、地域の環境要素を活かした作品を制作する作家の方々、 地域住民、能勢電鉄の社員の方々とのコラボレーションが見事にマッチして大成功に終わりました。今後も 様々な主体の総合力によるまちづくりに関わっていきたいと思います。 企画・計画室室長 柴田明宏 2011 年度の事業提案競技で採択された我々の案は,その後実施設計・施工に入り,2013 年 3 月 7 日に兵庫県 知事を迎える中で,「コムボックス明舞」という名称のもとに無事オープンを迎えることができました。主な 建築情報は次のとおりです。 ・事業主体 – ダイワロイヤル株式会社 ・基本構想・基本計画—PPI 計画・設計研究所 ・実施監修 —PPI 計画・設計研究所 ・実施設計・施工 —大和ハウス工業株式会社 ・敷地面積 —14,377.84m 2 (約 1,300 坪) ・延床面積 —10,022.58m 2 (約 3,030 坪) ・階数・高さ・構造 —4階・17m・重量鉄骨造 建築というハード面のみならず,提案で示したソフト面も概ね実現することができています。オープン後,一 週間位はどこにこれだけの人がおられたのか、と思うくらいの盛況ぶりでした。 発注者:ダイワロイヤル㈱/担当:三好庸隆 「コムボックス明舞」オープニング の様子。明舞団地を兵庫県下の郊外 ニュータウン再生モデルとして位置 づけている兵庫県井戸知事も参列。 「コムボックス明舞」の外観 (2013年4月27日)。 高の原駅前センター地区の対象用地 郊外鉄道と郊外住宅地 Vol.15(2012 年冬)では「不安の郊外/希望の郊外」のタイトルを掲げ、郊 外ニュータウンの再生や、都市構造再編の問題提起をさせていただきました。 また文中最後に、郊外鉄道沿線の生活圏のアイデンティティ構築、ブランド力 強化に基づく郊外住宅地再活性化の試みを手掛けつつあることに少し触れま した。 その後、そのことは<のせでんアートライン妙見の森2013>というアー トイベントとして企画がまとまり、昨年 2013 年 9 月 14 日から 11 月 24 日まで の 72 日間に渡り実施することができました。 このアートイベントは、2013 年 4 月からスタートした能勢電鉄開業 100 周年 記念イベント群の最後を盛り上げるイベントとして位置づけられました。私を 含む主催者側の意気込みとしては、これからの100年を視野に能勢電鉄沿線 の魅力再発見や、その沿線に拡がる既存住宅地や、戸建てを中心とした大規模 郊外ニュータウンの再活性化に向けての契機づくりとしての意味が有りまし た。 近年増加してきている地域おこしをねらったアートイベントの多くは、地方 自治体や実質的にそれに準じる機関が主体となっているケースが多いなかで、 今回は郊外インフラである鉄道会社が自ら主体となったことに大きな意味が あると私は考えています。 もっとも、この企画は100年記念事業という位置づけ故に実現したもので、 継続に向けては費用面等多くのハードルが残ってはいます。またこのような試 みを通じて郊外生活圏の「ブランド・誇り」の形成に向けてはより一層沿線住 民の方との創造的・共創的コラボレーションが欠くことは出来ません。次の挑 戦課題はこのあたりにあると考えています。 Winter Spring 2013・2014 VOL.16 PPI 計画・設計研究所 P‐voice PPI計画・設計研究所 取締役会長 武庫川女子大学生活環境学部 教授 大阪大学招聘教授・工学博士 <のせでんアートライン妙見の森2013>終了後の招待アーティスト、地域の方々と能勢電鉄の方々との懇親会の様子 (2013 年 12 月上旬、能勢電鉄主催) 撮影:武庫川女子大学大学院生 大井理惠 招待アーティスト作品のいくつか 相沢和広 ふうせんサウンドプロジェクト <巨人の耳> 鈴木貴博(能勢電鉄との共同作品) <北極星入口駅> 田中直樹<Spine> ※撮影:三好庸隆

企画・計画室から P‐voice · 2020. 7. 11. · 美容院の外観 設計室から 業務リストの中に最近では新築計画に代わって、刷新計画・活性化計画・建替計画という単語がよく目につ

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Page 1: 企画・計画室から P‐voice · 2020. 7. 11. · 美容院の外観 設計室から 業務リストの中に最近では新築計画に代わって、刷新計画・活性化計画・建替計画という単語がよく目につ

国家プロジェクトである関西文化学術研究都市も、まちびらきから約 30 年が経ち、成熟段階を迎えつつあり

ます。居住人口の高齢化と人口停滞が進みつつあり、持続性を備えたネオ・ニュータウンへの転換が求められ

ています。高の原駅前センターゾーン内に残されている約 3.2ha の用地について、まちの将来に備えた整備方

向の立案、時代ニーズを取り込んだ土地利用計画の提案、想定される立地施設毎の発生交通量と周辺道路に与

える交通問題の検証、周辺住宅地と調和した開発のモデルスタディと誘導手法となる地区計画案の立案、地元

木津川市との協議・調整等を通じて、目指す将来像づくりを行い

ました。「生き続けるニュータウン」づくりに向けた、駅前センタ

ー地区の貴重なリザーブ用地の有効利用のモデルとして、民間活

力による活用が期待されます。

発注者:(独)都市再生機構/担当:柴田明宏

Project report 7:明舞センター地区「コムボックス明舞」オープン

(株)PPI計画・設計研究所 〒540-0021 大阪市中央区大手通 2-2-2

トーンアップビル 7F TEL 06-6949-0901 FAX 06-6949-0902 E-mail:[email protected] URL:http://www.ppi-osaka.com (ホームページ上でも P-voice が御覧になれます)

発行責任者:三好庸隆 編集担当者:内田善久、柴田明宏

Project report 8:相楽地区センター用地土地活用方策案検討業務

編集・発行

関西では大阪駅北側の「うめきた」が本格開業し、

平日休日を問わず、沢山の来街者で賑わっていま

す。また、郊外の彩都や関西文化学術研究都市等

のニュータウンでも、新しい施設の立地、新規開

発の動きが見られ、景気上向きの動きを感じます。

この流れが本格的な動きとなり、関西経済、日本

経済全体が回復し、元気になっていくことを期待

したいと思います。(柴田)

編集後記

企画・計画室から

この 1 年間、企画・計画室では、成熟段階を迎えた関西文化学術研究都市のセンター地区でのリザーブ用地

の有効活用方針等の検討、歴史的な寺内町での住民まちづくり活動の支援、民間戸建住宅開発地での公園計

画ワークショップ等といった「まちづくり計画」と共に、「のせでん アートライン妙見の森 2013」では沿線

地域と連携したアートイベントの企画・運営に関わりました。特に、アートラインでは地域密着型鉄道会社

がこれまで築いてきた地域との信頼関係をベースに、地域の環境要素を活かした作品を制作する作家の方々、

地域住民、能勢電鉄の社員の方々とのコラボレーションが見事にマッチして大成功に終わりました。今後も

様々な主体の総合力によるまちづくりに関わっていきたいと思います。 企画・計画室室長 柴田明宏

2011 年度の事業提案競技で採択された我々の案は,その後実施設計・施工に入り,2013 年 3 月 7日に兵庫県

知事を迎える中で,「コムボックス明舞」という名称のもとに無事オープンを迎えることができました。主な

建築情報は次のとおりです。

・事業主体 – ダイワロイヤル株式会社

・基本構想・基本計画—PPI 計画・設計研究所

・実施監修 —PPI 計画・設計研究所

・実施設計・施工 —大和ハウス工業株式会社

・敷地面積 —14,377.84m2(約 1,300 坪)

・延床面積 —10,022.58m2(約 3,030 坪)

・階数・高さ・構造 —4階・17m・重量鉄骨造

建築というハード面のみならず,提案で示したソフト面も概ね実現することができています。オープン後,一

週間位はどこにこれだけの人がおられたのか、と思うくらいの盛況ぶりでした。

発注者:ダイワロイヤル㈱/担当:三好庸隆

「コムボックス明舞」オープニングの様子。明舞団地を兵庫県下の郊外ニュータウン再生モデルとして位置づけている兵庫県井戸知事も参列。

「コムボックス明舞」の外観(2013年4月27日)。

高の原駅前センター地区の対象用地

郊外鉄道と郊外住宅地

Vol.15(2012 年冬)では「不安の郊外/希望の郊外」のタイトルを掲げ、郊

外ニュータウンの再生や、都市構造再編の問題提起をさせていただきました。

また文中最後に、郊外鉄道沿線の生活圏のアイデンティティ構築、ブランド力

強化に基づく郊外住宅地再活性化の試みを手掛けつつあることに少し触れま

した。

その後、そのことは<のせでんアートライン妙見の森2013>というアー

トイベントとして企画がまとまり、昨年 2013 年 9 月 14 日から 11 月 24 日まで

の 72 日間に渡り実施することができました。

このアートイベントは、2013 年 4 月からスタートした能勢電鉄開業 100 周年

記念イベント群の最後を盛り上げるイベントとして位置づけられました。私を

含む主催者側の意気込みとしては、これからの100年を視野に能勢電鉄沿線

の魅力再発見や、その沿線に拡がる既存住宅地や、戸建てを中心とした大規模

郊外ニュータウンの再活性化に向けての契機づくりとしての意味が有りまし

た。

近年増加してきている地域おこしをねらったアートイベントの多くは、地方

自治体や実質的にそれに準じる機関が主体となっているケースが多いなかで、

今回は郊外インフラである鉄道会社が自ら主体となったことに大きな意味が

あると私は考えています。

もっとも、この企画は100年記念事業という位置づけ故に実現したもので、

継続に向けては費用面等多くのハードルが残ってはいます。またこのような試

みを通じて郊外生活圏の「ブランド・誇り」の形成に向けてはより一層沿線住

民の方との創造的・共創的コラボレーションが欠くことは出来ません。次の挑

戦課題はこのあたりにあると考えています。

Winter Spring 2013・2014 VOL.16 PPI 計画・設計研究所 P‐voice

PPI計画・設計研究所 取締役会長 武庫川女子大学生活環境学部 教授 大阪大学招聘教授・工学博士

<のせでんアートライン妙見の森2013>終了後の招待アーティスト、地域の方々と能勢電鉄の方々との懇親会の様子

(2013 年 12 月上旬、能勢電鉄主催) 撮影:武庫川女子大学大学院生 大井理惠

招待アーティスト作品のいくつか

相沢和広

ふうせんサウンドプロジェクト

<巨人の耳>※

鈴木貴博(能勢電鉄との共同作品)

<北極星入口駅>※

田中直樹<Spine>※

※撮影:三好庸隆

Page 2: 企画・計画室から P‐voice · 2020. 7. 11. · 美容院の外観 設計室から 業務リストの中に最近では新築計画に代わって、刷新計画・活性化計画・建替計画という単語がよく目につ

設計室から

業務リストの中に 近では新築計画に代わって、刷新計画・活性化計画・建替計画という単語がよく目につ

くようになりました。それは、既存の社会ストックを有効活用しながら、新たな価値に変換してゆくプロジ

ェクトです。成熟化社会にあっては、将来の動向も見据えた長い時間軸の中で残されてきた価値と生き続け

る本当の価値を選別する深い洞察力が必要になってきます。建築業界は、長い停滞期から6年後の東京五輪

開催の新たな光明に少し元気を取り戻しつつあります。人手不足という体制的な状況の中で、目先の利益だ

けを追い求めていく姿勢は、もう改めなければならないと思います。今年一年、我々の設計集団が本当に必

要とされる価値を提示できるかを問われています。 PPI計画・設計研究所所長 内田善久

Project report 3:玉手山学園総合リハビリセンター 施設系

民間の学校法人が、地域医療への貢献や新設の保健医療学部の学部生実習・研究等へ

の活用の場として計画し、2013 年 9 月にオープンしました。初期の基本計画段階か

らプロジェクトに参画しました。核となる診療所としての機能と学生の実習・研究の

機能の融合、地域の方々が気軽に利用できるようにゾーニングや動線を大事にしまし

た。実施設計~竣工までは CM 的立場の総合監修として継続的に参画しました。オー

プン前の内覧会には、たくさんの地域の方々に参加して頂きました。今後この診療所

が更に発展し、学校法人と地域との交流の場になればと思います。

事業主:学校法人玉手山学園/担当:小城慎吾

Project report 1:近商ストア大和高田店 商業施設系

近鉄高田市駅の北部の旧サティ跡地で実施設計、工事監理を進めてきました近

商ストア大和高田店が 2013 年 4 月にオープンしました。外装は ALC 版を主に、

デザインパネルの張分けにより単調にならないよう工夫しています。高齢者が

多い商圏を考慮し、柔らかな色彩計画、購入したお惣菜やお弁当等をその場で

食べられるイートインコーナーの設置等、お客様の憩いの場になればと思い設

計しました。地域の方々の生活の一部となる施設として、非常にやりがいのあ

る仕事となりました。 事業主:㈱近商ストア/担当:寒川恵太

Project report 2:天理美容院 店舗系

2013 年 12 月に開店した天理市郊外型のヘアサロンです。オーナーは 20 代後半の

若いご夫婦で、店名は「salon de ceva(サロン ド シーバ)」。ceva とはフランス語の

「avec:共に、一緒に」を逆読みし、お客様と共に成長するお店への思いが込めら

れています。天井は登り梁の勾配天井、杉足場板のデザイン梁により、開放感と温

かみのある空間を演出しました。天井上部の排煙窓での重力換気により、夏場も心

地よい風が抜けます。インテリアは白を基調に茶を配置したフレンチアンティー

ク。仕上げはテイストの違う白系クロスでまとめ、アクセントクロスやデザイン梁

に茶色を配置しています。こだわったドアノブやブックシェルフなど、オーナーと

「共に、一緒に」創り上げました。 事業主:個人/担当:藤井英美、藤本万葉

Project report 4:西宮市戸建住宅地計画 一戸建て住宅地計画

甲陽園や甲東園を始め、西宮七園の一つに数えられる山手で、緑豊かさを活かした 34 戸の戸建住宅地開発プ

ロジェクトをお手伝いしています。コンセプトを具現化した 3 戸のモデル住宅と、販売用の基本プランを計

画します。六甲山系の清流のせせらぎ、心地よい山手の風、美しい夜景を味わえる類まれなる環境を敷地内

まで取り込むイメージを基本に、個性的な計画づくりを進めています。

事業主:㈱創建/担当:藤井英美

近商ストア大和高田店の外観

美容院の外観

美容院の内部

リハビリセンターの外観

神戸市土地分譲コンペに当選しました「エルガーデン西神中央」はご契約

が進み、あと残りわずかとなりました。1 つの街区の中でも、斜面

地住宅や既存道路にも接する二方向接続住宅といった各自「性格」

が異なる敷地性状、少しづつ大きさを変え変化を持たせた敷地形状

といったそれぞれの敷地に「個性」があるなかで、お客様の「想い」

に沿ったプランを提案して来れましたことをうれしく思います。

事業主:関電不動産㈱/担当:藤井英美

食肉センター(5施設)

安全・安心・高品質な食肉生産施設であることはも

とより、高度衛生基準に準拠し、輸出認定取得等に

も対応した施設整備計画を行っています。 京阪神をはじめ但馬地域、九州地方の食肉センター

整備計画に関わっておりますが、地域畜産業との関

係性や、生産地、消費地等の立地特性を活かした計

画を行っています。 事業主:官庁・民間事業者/担当:井上比奈、小城慎吾

あぷり太田

「サービス付き高齢者向け住宅あぷり太田」は、平成

26 年冬 OPEN 予定の高齢者住宅です。事業主様とは

「小規模多機能ホームあぷり」、一昨年 OPEN しました

「サービス付き高齢者向け住宅あぷり志紀」と 3 件目

になり、“あぷりブランド”を一緒に創っています。

地域のお年寄りがいままでの生活環境をできるだ

け維持しながら、「施設」ではなく、「我が家」のよ

うに愛着を抱きながら介護を受けながらも人らし

い今までと変わらぬ暮らしが出来るような計画を

し、利用者・ご家族・スタッフが居心地の良い空間を目指

します。 事業主:㈱あぷり/担当:高 恵純

(仮称)北中振賃貸マンション

枚方市内で田園風景が残る場所での賃貸住宅です。

自然発生的に都市化した、所謂、大都市近郊の「ベ

ッドタウン」のスマートシュリンクは、いかにある

べきか。そのような、時代的要請と都市的文脈の中、

次の時代の都市ビジョンを見据えた、都市型の賃貸

住宅を提案することを考えています。元々は農地で

現在、計画、施工中の主なプロジェクト等

Project report 5:エルガーデン西神中央 シーズンヒルズ 戸建住宅地(68 戸)

あった狭小な変形敷地、敷地を横断する用水路の扱

い、厳しい事業収支、等々の悪条件を逆手にとって、

混沌とした街並に次の時代へのビジョンを予感さ

せる、地域のキービルディングとなることを目指し

ています。 事業主:民間事業者/担当:乗本佳則

(仮称)星田5丁目賃貸マンション

RC造 5階建て、住戸数 9戸の小ぶりの賃貸マンシ

ョンです。JR星田駅に近い立地のため、デザイン

性が感じられる建物を目指して計画しています。敷

地が若干成形ではないため、建物のボリュームを出来る

だけ確保するために、敷地形状に合わせた壁面形状

としたため、建物も成形な形となっていません、ま

た、通常の建物ボリュームからバルコニーを出すのでは

なく、ベイバルコニーとすることで建物ボリュームを見

せるデザインとしています。住戸は 1LDKタイプ、

約 35 ㎡が中心で、若い人や、新婚向けのプランと

なっています。

事業主:民間事業者/担当:田中由之

大学キャンパス計画(2題)

主体的に考える力(学士力)を育成する教育の質的

転換に向けて、創立70年を迎える柏原・玉手山学

園のキャンパス構想の一環として短大新校舎の基本

計画から建設会社の選定、及び全体監修に携わって

います。また、東大阪・村上学園では、将来のキャ

ンパス刷新計画に向けて、既存校舎の耐震診断調査

に関わりました。

事業主:民間学校法人/担当:乗本佳則、藤井英美、小城慎吾

Project report 6:駅前大規模商業施設改修設計 施設系

阪神間の鉄道駅前にある既存大型商業施設のリニューアル工事のデザイン設計を商業デザイン事務所と共同

で行いました。魅力ある商業施設づくりを目指すデザイン提案に対して、建築設計の観点で納まり検討・現

場調整等を行いました。商業デザイン事務所と組んで一緒に仕事をすることにより、商業施設としてのデザ

イン提案の視点、建築物としての建築設計の視点の2つの立場から、駅前の顔となる大規模商業施設の意匠

に向き合うことができ、貴重な経験を積むことができたと思っています。 事業主:民間事業者/担当:寒川恵太

住宅の街並み