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燃料用バイオエタノール（ブラジル）燃料用バイオエタノール（ブラジル）

2004年3月

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目次目次

燃料用バイオエタノール利用概況 p.3燃料用バイオエタノールの歴史 p.4最近の動向 p.5バイオエタノール製造・流通（イメージ図） p.6砂糖キビ p.7砂糖キビ関連データ p.8バイオエタノール生産の流れ p.9バイオエタノール関連情報 p.10バイオエタノール関連データ p.11参考資料 p.12

2004年3月

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ブラジル燃料別自動車販売台数（千台）

0

250

500

750

1,000

1,250

1,500

1,750

2,000

2,250

1975

1978

1981

1984

1987

1990

1993

1996

1999

2002

年

（千

台）

ガソリン

エタノール

ディーゼル

合計

燃料用バイオエタノール利用概況燃料用バイオエタノール利用概況

一般のガソリンスタンドではガソリン、軽油、純エタノール（E100）を販売

現在国内で販売されているガソリンには25％の無水エタノールを混合（E25）

– エタノール混合率はガソリン、エタノール、砂糖キビの価格・生産量・需給などの動向を見ながら、20％～25％の範囲内で政府が調整

E100には含水エタノールを使用

それぞれの燃料に対応する車（ガソリン車、E100車、ディーゼル車等）を販売

無水・含水エタノールともに砂糖キビを原料に製造

2004年3月

出典：ANFAVEAﾃﾞｰﾀより作成

エタノール混合率の変遷

5%

25%

11%10%11%10%

18%20%

23%20%

12%

20%

15%

20%22%

18%

22%

13%

22%24%

22%24%

20%22%

24%25%

20%

25%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

1931

年2月

1966

年9月

1976

年7月

1997

年1月

1977

年6月

1977

年6月

197

7年10

月

1978

年2月

1978

年5月

1978

年8月

1981

年4月

198

1年10

月

198

1年12

月

1982

年1月

1984

年6月

1989

年3月

1989

年8月

1989

年9月

1992

年9月

1998

年5月

1999

年1月

199

9年12

月

2000

年8月

2001

年5月

2002

年1月

2002

年6月

2003

年1月

2003

年5月

ブラジル エタノール混合率の変遷

出典：UNICAﾃﾞｰﾀより作成

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燃料用バイオエタノールの歴史燃料用バイオエタノールの歴史

16世紀： ポルトガルによるブラジル入植とともに砂糖キビ栽培、砂糖生産、

砂糖輸出を開始

1931年： 政府によるエタノール燃料の普及政策の提示

– 公用車へのE10、一般車へのE5利用

– エタノール工場設備の輸入関税の一年間減免、等

1932年： 政府による砂糖キビ・砂糖、エタノールに関する直接介入の開始

（生産計画、割当、価格統制、備蓄、低利融資、補助等）

1933年： ガソリンへのエタノール混合開始

1939年： 国内に石油発見

1973年： 第一次石油ショック

当時石油輸入依存度が80-90%だったため対外債務が増大

1974年： Camposでの海底油田発見 （石油輸入依存度の低減要因）

（石油ショックを受け、石油輸入依存度を低下させるため、国内石油開発を本格化）

1975年： PROALCOOL（国家アルコール燃料計画）の制定

– 石油ショック対策として燃料エタノール利用を本格化

– エタノール生産、流通に関する補助の実施

– 含水エタノールの販売価格がガソリンの60％-70％となるよう価格を設定

1979年： 第二次石油ショック、E100車の販売開始 （石油の輸入依存度78％）

1989年： 前年の新連邦法制定を受け、各種規制緩和を実施

（砂糖･エタノールに関する一部規制のみ存続）

1993年： 石油の輸入依存度が約49％まで低下 （02年には約9％）

2004年3月

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最近の動向最近の動向

1998年

– 5年以内に公用車は再生可能燃料を使用する意向を発表

– 燃料用エタノール省庁間委員会設置

（農業供給畜産省、開発商工省等）

2001年： 現行のガソリン規格の制定

2002年： 現行の無水・含水エタノール規格の制定

2003年：

– 任意のエタノール混合率で走行可能なFlex Fuel Vehicle車の

販売開始

2004年3月

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…ブラジル国内の流れ

…輸出の際の流れ

砂糖キビ砂糖・エタノール工場でのエタノール生産

工場からの出荷

油槽所での受入･貯蔵ガソリンスタンドへ配送

港湾貯蔵基地

海上輸送

ガソリンとエタノールを混合

(ローリーその他流通手段にて出荷）自動車に給油

バイオエタノール製造・流通（イメージ図）バイオエタノール製造・流通（イメージ図）

2004年3月

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砂糖キビ砂糖キビ特徴：

– イネ科の多年草（一回の作付けで平均5.5年間にわたり収穫）

– 作付けしてから1.5年で収穫可能、その後は1年毎に収穫

– 他の作物よりも比較的天候の影響を受けにくく、天候が砂糖キビの収率に与える影響は10％-15％程度

– 適地： 気温（年間平均気温20℃以上、収穫期14℃以上）

降水量(1,100-1,500mm)、肥沃な土壌、平坦な土地

収穫時期： 中南部は5-11月、東北部9-3月

生産者： 砂糖キビ農場所有者もしくは砂糖・エタノール生産者

作付面積： 約5百万ha（国土面積850百万ha、可耕面積320百万ha、耕作面積48百万ha）

収率： 平均 78 Ton/ha （最高 115 Ton/ha）生産増加要因：

– 需要見込みに合わせた作付け面積の拡大（アマゾン保護区等の熱帯林地域ではなく主に中南部の牧草地、草原等が新規作付けの候補）

– 収率の向上

（品種改良、肥料、除草剤、天敵虫利用による虫害対策、灌漑敷設等による農業対策の実施）

砂糖キビ作付見込地

2004年3月

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ブラジル砂糖キビ生産量

0

50

100

150

200

250

300

350

90/91

91/92

92/93

93/94

94/95

95/96

96/97

97/98

98/99

99/00

00/01

01/02

収穫期

百万

TO

N

砂糖キビ作付け面積

0

1

2

3

4

5

6

1992

年

1993

年

1994

年

1995

年

1996

年

1997

年

1998

年

1999

年

2000

年

2001

年

百万

ha

砂糖キビ関連データ砂糖キビ関連データ

出典：農業畜産供給省ﾃﾞｰﾀより作成

出典：FAOﾃﾞｰﾀより作成

2004年3月

ブラジル砂糖キビ価格

0

5

10

15

20

25

30

1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年

R$（R

$=約

40円

）

中南部作付け地域

東北部作付け地域

ブラジル 砂糖キビ主要作付け地域

（国内エタノール生産の約89％が中南部）

・・・主要作付け地域・作付け拡大見込み地域

ブラジル砂糖キビ作付け面積

アマゾン保護区

出典：UNICAﾃﾞｰﾀより作成

出典：UNICAﾃﾞｰﾀより作成

9

バイオエタノール生産の流れバイオエタノール生産の流れ

受入時の糖度検査 受入・荷降ろし 破砕

搾汁（Cane Juiceの抽出）醗酵 搾汁への酵母投入

蒸留･エタノール生産

酵母の分離・再利用

製糖工程

出荷貯蔵

糖蜜の発生・エタノール生産への利用

バガス発電

砂糖生産

バガスを燃料にした蒸気、発電（工場の動力源）

2004年3月

搾りかす（バガス）の発生

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バイオエタノール関連情報バイオエタノール関連情報生産工場： 約300ヶ所の砂糖・エタノール併産工場もしくはエタノール工場

生産者： 複数の工場を所有するグループ企業・組合や単一工場所有者（民間資本）

– 大規模生産者例： 12工場を傘下におさめるグループ企業（株式会社）

役員9名、農業部門を含む従業員2万人

雇用創出： 約100万人

生産期間： 中南部5～11月、東北部9～3月、（24時間稼動）

– 砂糖キビの長期保存はできないため、通常は収穫後3日以内に搾汁

– よって収穫期とエタノール生産は同一時期

変換率： 約80㍑/砂糖キビ1Ton生産余力： 3.8百万KL（最大生産量15.4百万KL、01/02年期生産量約11.6百万KL）

増産要因： 砂糖キビ・砂糖・エタノールの需給と価格

政府方針：

– 石油輸入依存度の低下、エタノール産業の成長に伴い直接介入から間接介入に転換

– エタノールの安定的な需給均衡を図るための政策• エタノール混合率の調整（20～25％）

• エタノールの戦略的備蓄

• エタノール生産者による在庫確保のための低利融資

• 砂糖・エタノール需給見通しに基づく生産目標の設定と業界への指導

– その他の施策• E100車購入の際のIPI（工業品製品税）の減免

• エタノール販売にかかわるICMS（商品流通サービス税）の減免（一部地域のみ）

2004年3月

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サンパウロ市　ガソリン・エタノール　消費者価格

0.000

0.500

1.000

1.500

2.000

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002

年

R$/

リッ

トル

（R

$=約

40円

） ガソリン（エタノール混合） 含水エタノール

ブラジルエタノール価格（工場渡し/KL当たり）

050

100150200250300350400

1999年

2月

1999年

6月

1999年

10月

2000年

2月

2000年

6月

2000年

10月

2001年

2月

2001年

6月

2001年

10月

2002年

2月

2002年

6月

2002年

10月

2003年

2月

2003年

6月

2003年

10月

US

$

含水 無水

バイオエタノール関連データバイオエタノール関連データ

出典：ESALQﾃﾞｰﾀより作成

出典：UNICAﾃﾞｰﾀより作成出典：UNICAﾃﾞｰﾀより作成

2004年3月

ブラジル砂糖・エタノール生産量

0

5

10

15

20

25

Seas

on

71/7

2

73/7

4

75/7

6

77/7

8

79/8

0

81/8

2

83/8

4

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6

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8

89/9

0

91/9

2

93/9

4

95/9

6

97/9

8

99/0

0

砂糖

（百

万Ton

）エ

タノ

ール

（百

万KL)

Sugar Alcohol

ブラジルエタノール生産

0

2

4

6

8

10

12

90/9

1

91/9

2

92/9

3

93/9

4

94/9

5

95/9

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96/9

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97/9

8

98/9

9

99/0

0

00/0

1

01/0

2

収穫期

百万

KL

含水 無水

出典：ANPﾃﾞｰﾀより作成

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参考資料参考資料

Ethanol: A Sound Energy Alternative– 2004年2月、Alfred Szwarc, Unica

Ethanol Application as Vehicular Fuel in Brazil– 2004年2月、Henry Joseph Jr. Volkswagen Brazil-ANFAVEA

ブラジルの石油事情– 2003年12月、日本エネルギー経済研究所、森田雄二

Brazilian Ethanol Market– 2003年9月、Coimex

Brazilian Ethanol and Sugar Market– 2003年7月、Antônio de Pádua Rodrigues - Alfred Szwarc, Unica

石油開発資料2002– 石油公団、石油鉱業連盟

2004年3月