3
ソリューション概要 株式会社 NTT データビジネスコンサルティン グ (NDBC) とザカティーコンサルティング株式 会社の 2 社の経営統合により、 2009 7 1 日に総合コンサルティングファームとしての再ス タートをきりました。顧客企業に提供している サービスの中でも特に重要度が高いのが、 SAP 製品にかかわるコンサルティング/テクノロジー /アウトソーシング。 SAP ジャパンのチャネル パートナーおよびサービスパートナーとして、顧 客企業が日本市場でもグローバル市場でも成果 を挙げられるような支援を提供しています。 ○プロファイル SAP 製品をベースとする基幹系システムの仮想化 SAP ERP/SAP ESS 用の本番/開発・検証用サー バーの統合 ○シナリオ ○ソフトウェアとサービス Microsoft® Windows Server® 2008 Microsoft® Windows Server® 2003 Microsoft® SQL Server® 2008 Microsoft® SQL Server® 2005 SAP ERP SAP ESS SAP Solution Manager SAP TREX ○メリット ○ユーザーコメント 1 台のサーバーで複数の業務システムを稼働さ せることができるため、コスト面で大きな効果が ありました。弊社はコンサルタント企業ですから、 ショーケースとしての効果にも期待しています」 株式会社クニエ マネージング ディレクター 横山 公一 氏 SAP ERP/SAP ESS の導入に欠かせない本番/開発 /検証用サーバーを Hyper-V で統合することによ り、サーバーの導入コストやデータセンターに支 払う費用を圧縮することができました。また、 Hyper-V SAP ERP/SAP ESS の組み合わせをコ ンサルタント企業が自ら社内で使用することに より、「その成果をショーケースとして顧客企業 に示すことができる」「同じ組み合わせのソ リューションで自信をもって顧客企業に勧められ る」といった副次的な効果も得られています。 コンサルティング企業が着手した自らのビジネス可視化 Hyper-V 上で SAP ERP/SAP ESS を稼働させる方法で サーバーのコストを圧縮し、将来の拡張を容易にする NTT グループの総合コンサルティング ファームとして、SAP 製品にかかわるコンサルティン /テクノロジー/アウトソーシングを顧客に提供している株式会社クニエ——。そのクニエが 自らのビジネスの可視化を進めるために選んだのは、社内業務を SAP 製品で再構築するとい IT 戦略でした。システムの再構築にあたっては、コストを抑制するために、SAP 製品を仮 想システム上で稼働させる方式を選択。仮想システムには、システムの構築や運用管理がやり やすく、コスト面でも有利な Hyper-V™ を採用することにしました。再構築プロジェクトは、 2008 7 月にスタート。SAP 認定コンサルタント資格を持つ社内の上級コンサルタントを活 用することにより、会計業務が 10 月、給与計算業務が 2009 4 月に完成。今後も、経費精 算や内部統制などのさまざまな業務を Hyper-V 上の SAP 製品で稼働させていこうと株式会社 クニエは考えています。 導入背景と狙い SAP 製品を扱う総合コンサルティング ファームが ビジネス可視化のために自社にも SAP 製品を導入 株式会社クニエ 株式会社クニエ (以下、クニエ) は、NTT データグループに属する 2 社の経営統合によって 2009 7 1 日に誕生した総合コンサ ルティング ファームです。母体となったのは、株式会社 NTT データビジネスコンサルティング (NDBC) とザカティーコンサル ティング株式会社の 2 社。1997 2 月設立の日本アーンスト & ヤングコンサルティングを源流とするザカティーコンサルティン グは、グローバルなビジネスを展開する企業向けの経営コンサル ティングに強みを持つコンサルタント企業として知られていまし た。 そうしたクニエが顧客企業に提供しているサービスの 1 つに、 SAP 製品にかかわるコンサルティング/テクノロジー/アウトソー シングがあります。「弊社は SAP ジャパンのチャネル パート ナーおよびサービス パートナーとして、お客様が日本とグローバ ルの両方の市場で戦略的に成果を上げられるようにお手伝いして います」と語るのは、マネージングディレクターを務める横山 一氏。日本市場における SAP 製品の普及状況について、「SAP 品を導入される中堅企業も増え、Windows Server および SQL Server との組み合わせで使われるケースが非常に多くなりまし た」と、語ります。 さらに、2008 7 月、クニエは自らも SAP 製品を導入するとい IT 戦略を新たに策定しました。「それまで使っていた財務会計 パッケージは管理会計の機能が弱く、以前から不満を感じていま した」(横山氏) というのが、その主な理由。ビジネスのさらなる 可視化を実現するには、SAP ERP (統合業務パッケージ) などを 使って社内の業務システムを再構築する必要があると考えたので す。「弊社は製造業ではないので、まずは、会計業務を SAP ERP の財務会計 (FI) と管理会計 (CO) 2 モジュールで再構築するこ とにしました」と語るのは、システム設計にあたった広木 太氏 (ディレクター)。「システム の設計と構築には、社内に延べ 140 名以上いる SAP 認定コンサルタント資格の有資格者を 活用すれば良いと考えていました」 株式会社クニエ マネージング ディレクター 横山 公一 氏 株式会社クニエ ディレクター 広木 太 氏

株式会社クニエ コンサルティング企業が着手した自らの ...download.microsoft.com/download/c/3/e/c3e3ca29-5054-494d... · 2018-10-16 · ンサルタント企業が自ら社内で使用することに

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 株式会社クニエ コンサルティング企業が着手した自らの ...download.microsoft.com/download/c/3/e/c3e3ca29-5054-494d... · 2018-10-16 · ンサルタント企業が自ら社内で使用することに

ソリューション概要

株式会社 NTT データビジネスコンサルティング (NDBC) とザカティーコンサルティング株式会社の 2 社の経営統合により、2009 年 7 月 1 日に総合コンサルティングファームとしての再スタートをきりました。顧客企業に提供しているサービスの中でも特に重要度が高いのが、SAP 製品にかかわるコンサルティング/テクノロジー/アウトソーシング。SAP ジャパンのチャネル パートナーおよびサービスパートナーとして、顧客企業が日本市場でもグローバル市場でも成果を挙げられるような支援を提供しています。

○プロファイル

・SAP 製品をベースとする基幹系システムの仮想化・SAP ERP/SAP ESS 用の本番/開発・検証用サー バーの統合

○シナリオ

○ソフトウェアとサービス・Microsoft® Windows Server® 2008・Microsoft® Windows Server® 2003・Microsoft® SQL Server® 2008・Microsoft® SQL Server® 2005・SAP ERP・SAP ESS・SAP Solution Manager・SAP TREX

○メリット

○ユーザーコメント「1 台のサーバーで複数の業務システムを稼働させることができるため、コスト面で大きな効果がありました。弊社はコンサルタント企業ですから、ショーケースとしての効果にも期待しています」

株式会社クニエマネージング ディレクター横山 公一 氏

SAP ERP/SAP ESS の導入に欠かせない本番/開発/検証用サーバーを Hyper-V で統合することにより、サーバーの導入コストやデータセンターに支払う費用を圧縮することができました。また、Hyper-V と SAP ERP/SAP ESS の組み合わせをコンサルタント企業が自ら社内で使用することにより、「その成果をショーケースとして顧客企業に示すことができる」「同じ組み合わせのソリューションで自信をもって顧客企業に勧められる」といった副次的な効果も得られています。

コンサルティング企業が着手した自らのビジネス可視化Hyper-V 上で SAP ERP/SAP ESS を稼働させる方法でサーバーのコストを圧縮し、将来の拡張を容易にするNTT グループの総合コンサルティング ファームとして、SAP 製品にかかわるコンサルティング/テクノロジー/アウトソーシングを顧客に提供している株式会社クニエ——。そのクニエが自らのビジネスの可視化を進めるために選んだのは、社内業務を SAP 製品で再構築するという IT 戦略でした。システムの再構築にあたっては、コストを抑制するために、SAP 製品を仮想システム上で稼働させる方式を選択。仮想システムには、システムの構築や運用管理がやりやすく、コスト面でも有利な Hyper-V™ を採用することにしました。再構築プロジェクトは、2008 年 7 月にスタート。SAP 認定コンサルタント資格を持つ社内の上級コンサルタントを活用することにより、会計業務が 10 月、給与計算業務が 2009 年 4 月に完成。今後も、経費精算や内部統制などのさまざまな業務を Hyper-V 上の SAP 製品で稼働させていこうと株式会社クニエは考えています。

導入背景と狙い

SAP 製品を扱う総合コンサルティング ファームがビジネス可視化のために自社にも SAP 製品を導入

株式会社クニエ

株式会社クニエ (以下、クニエ) は、NTT データグループに属する 2 社の経営統合によって 2009 年 7 月 1 日に誕生した総合コンサルティング ファームです。母体となったのは、株式会社 NTT データビジネスコンサルティング (NDBC) とザカティーコンサルティング株式会社の 2 社。1997 年 2 月設立の日本アーンスト & ヤングコンサルティングを源流とするザカティーコンサルティングは、グローバルなビジネスを展開する企業向けの経営コンサルティングに強みを持つコンサルタント企業として知られていました。そうしたクニエが顧客企業に提供しているサービスの 1 つに、SAP 製品にかかわるコンサルティング/テクノロジー/アウトソーシングがあります。「弊社は SAP ジャパンのチャネル パートナーおよびサービス パートナーとして、お客様が日本とグローバルの両方の市場で戦略的に成果を上げられるようにお手伝いしています」と語るのは、マネージングディレクターを務める横山 公一氏。日本市場における SAP 製品の普及状況について、「SAP 製品を導入される中堅企業も増え、Windows Server および SQL Server との組み合わせで使われるケースが非常に多くなりました」と、語ります。さらに、2008 年 7 月、クニエは自らも SAP 製品を導入するという IT 戦略を新たに策定しました。「それまで使っていた財務会計パッケージは管理会計の機能が弱く、以前から不満を感じていました」(横山氏) というのが、その主な理由。ビジネスのさらなる可視化を実現するには、SAP ERP (統合業務パッケージ) などを使って社内の業務システムを再構築する必要があると考えたのです。「弊社は製造業ではないので、まずは、会計業務を SAP ERP の財務会計 (FI) と管理会計 (CO) の 2 モジュールで再構築することにしました」と語るのは、システム設計にあたった広木 太氏 (ディレクター)。「システムの設計と構築には、社内に延べ 140 名以上いる SAP 認定コンサルタント資格の有資格者を活用すれば良いと考えていました」

株式会社クニエマネージング ディレクター横山 公一 氏

株式会社クニエディレクター広木 太 氏

Page 2: 株式会社クニエ コンサルティング企業が着手した自らの ...download.microsoft.com/download/c/3/e/c3e3ca29-5054-494d... · 2018-10-16 · ンサルタント企業が自ら社内で使用することに

株式会社クニエ

導入経緯

こうして SAP 製品の導入を決めたクニエは、続けて、そのための稼働環境をどのように構築するかの検討にとりかかりました。と言うのも、SAP 製品を使うには複数の環境を用意する必要があり、その構成法しだいで導入、運用コストが大きく左右されることがわかっていたからです。検討作業を担当した蔵谷 和彦氏 (シニア マネージャー) によれば、「SAP 製品では開発、検証、本番の 3 システム ランドスケープが基本ですから、サーバーは最低限 3 台は必要。最近は、もっとたくさんのサーバーを用意しておくのが普通です」とのこと。けれども、広木氏は「外部のデータ センターを借りて IT 基盤を構築しているクニエの場合、サーバーの台数を増やすことはコスト上の理由で難しい」と考えていました。そこで浮上したのが、稼働環境の一部に仮想サーバーを利用するという構成法です。「サーバーの性能が向上した今、仮想化によってサーバーの使用効率を高めるというのは自然な流れ。現在は SAP も仮想サーバー上での稼働を公式に認めており、本番環境は物理サーバー、開発、検証環境は仮想サーバーと使い分けるユーザーも増えています」というのが、横山氏の情勢判断。また、広木氏は、将来の拡張に向けた "俊敏性" を確保しておくためにも仮想化を採用するべきだと考えていました。「既にこの時から、会計の後もさまざまな業務を SAP 製品で稼働させていくという構想がありました。そうした拡張をスムーズに行うには、これまでのようにその都度サーバーの購入と再構築から始めるのではなく、仮想サーバーを追加するだけですぐに拡張できるようにしておきたかったのです」問題は、どの仮想システムの上で SAP ERP を稼働させるかという点にありました。クニエが検討を開始した 2008 年 7 月の段階では、同社が構想していた使い方—— Windows Server 2008 と Hyper-V の上で SAP ERP を稼働させ、データは SQL Server 2008 データベースに格納——は SAP 公認のものではなかったのです。もちろん、SAP の認定が得られるまでの暫定策として、別の仮想システム上で SAP ERP を稼働させるという対応も考えられました。「弊社は、Hyper-V が登場する前から、Windows Server 版の SAP ERP を仮想システム上で稼働させる案件をいくつも手がけてきました。ですから、今回の自社導入にあたっても、その選択肢は最後まで残しておき、どうしてもだめだった場合は Hyper-V 以外の仮想化システムで組み直せば良いと考えていました」と、蔵谷氏。けれども、最終的には、「同じソフトウェア ベンダーの製品群で統一した方がシステムの構築や運用管理がやりやすく、コスト面でも有利になる」(広木氏) との判断から、クニエは仮想化システムとして Hyper-V を選択することにしました。

株式会社クニエシニア マネージャー蔵谷 和彦 氏

本番/開発/検証サーバーを仮想サーバーで実現構築/運用が容易でコストが低い Hyper-V を選ぶ

もちろん、国内では初めての事例です」と成果を誇る横山氏。わずか 3 か月で完成にこぎつけることができた理由として、SAP 認定コンサルタント資格を持つ社内の上流コンサルタントを活用できたことと、SAP が提供するベスト プラクティスを基にほぼ標準構成のままで組み上げたことの 2 点を挙げます。半年後の 2009 年 4 月には、SAP ERP の人事管理 (HR) モジュールを利用した給与計算も始まりました。SAP 製品を基盤とする同社の業務システムは、現在、3 台の物理サーバー上に作られた計 9 個のチャイルド パーティション上で稼働中です (図 1)。その内訳は、SAP ERP と SAP ESS (従業員セルフサービス) の本番機、開発機、検証機で合わせて 6 パーティション、SAP Solution Manager (アプリケーション管理機能)、SAP TREX (検索エンジン)、SAP ERP のトレーニング用にそれぞれ 1 パーティションずつ。パーティションごとに異なる OS を組み込めるという Hyper-V の特長を活かして、SAP ERP のパーティションでは Windows Server 2008 と SQL Server 2008、SAP ESS のパーティションでは Windows Server 2003 と SQL Server 2005 を動作させています。仮想システムの運用管理をするためのツールとしては、バックアップ用に Hyper-V 対応の市販ツールと、チャイルド パーティション管理用に Hyper-V Manager を採用。「SAP ERP では SQL Server 2008 に新設されたデータ圧縮機能を利用したので、バックアップ時間が劇的に短くなりました」と、広木氏は語ります。

導入によって得られた効果と今後の展望

サーバー台数を減らすことによってコストを削減今後は可用性向上やストレージ仮想化も推進する

Hyper-V の上で SAP 製品を稼働させる構成法を選ぶことにより、クニエはビジネスの可視化を高いコスト効率で成し遂げることができました。本稼働を始めた業務システムについて、横山氏は「1 台のサーバーで複数の業務システムを稼働させることができたため、コスト面で大きな効果がありました。弊社はコンサルタント企業なので、ショーケースとしての効果にも期待しています」と評価。「サーバーの調達コストも抑えられましたし、全体がハーフラックに収まってしまうのでデータセンターの費用も圧縮できました。自分たちが実際に使っているソフトウェアですから、コンサルティングの場面でも自信を持ってお客様にお勧めできます」というのが、広木氏のコメントです。

システムの概要

3 台の物理サーバーに 6 パーティションを設けて2 組の本番/開発/検証用サーバーを稼働させる

このような構想に基づいて設計・構築された会計業務システムは 2008 年 10 月にカットオーバーし、早速、毎日の実務で使われ始めました。「Hyper-V 上で SAP ERP を本稼働させたのは、弊社が世界で 2 例目。

図 1  Hyper-V 上で SAP ERP/SAP ESS を動作させているクニエの社内業務システム。 2 セットの本番、開発、検証環境とその他のアプリケーションを 3 台の物理サーバー 上で稼働させています。

Page 3: 株式会社クニエ コンサルティング企業が着手した自らの ...download.microsoft.com/download/c/3/e/c3e3ca29-5054-494d... · 2018-10-16 · ンサルタント企業が自ら社内で使用することに

株式会社クニエ

導入についてのお問い合わせ

本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/japan/windowsserver2008/casestudies/v-qunie.mspx本ケーススタディに記載された情報は制作当時 (2009 年 6 月) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/japan/■マイクロソフト カスタマーインフォメーションセンター 0120-41-6755(9:30~12:00 13:00~19:00 土日祝日、弊社指定休業日を除きます)※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。

Microsoft、Microsoft ロゴ、MSDN、Windows、Windows Server、 Windows Vista は米国 Microsoft Corporation の米国および/またはその関連会社の商標です。その他、記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。マイクロソフト株式会社 〒151-8583 東京都渋谷区代々木 2 丁目 2 番 1 号 小田急サザンタワー

図 2  Hyper-V と SAP 製品の運用管理を統合。SAP Solution Manager の出力を System Center につなぎ込むことにより、統合管理を可能にします。

会計と人事管理の 2 業務の再構築が無事完了したことを受けて、クニエはその他の業務についても同じやり方で社内業務システムに追加していこうと考えています。2009 年 7 月には SAP ESS (従業員セルフサービス) を利用した経費精算を本稼働させると共に、ユーザー インターフェイスを Interactive Forms by Adobe に切り替える予定。同時期に、内部統制ツールとなる SAP Solutions for GRC の利用も始まります。基盤となる仮想システムについては、可用性向上が今後の課題。「まずは、Quick Migration を利用してサーバー間のフェールオーバーができるようにし、Windows Server 2008 R2 がリリースされた段階で Live Migration にアップグレードしたい」と、広木氏は考えています。また、仮想化の対象をネットワークやストレージへと広げるという構想も既にスタート。「iSCSI 方式の仮想化ストレージを導入することによって、

プロビジョニングや情報ライフサイクル管理 (ILM) を実現したい」と、広木氏は抱負を語ります。さらに、システム運用管理の領域では Microsoft System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) を始めとする System Center 製品との連携も計画中。SAP Solution Manager での監視結果を System Center 製品に送り込むことにより、Hyper-V と SAP 製品の両方を統合的に管理するというプランです (図 2)。ビジネスの可視化に効果のある ERP パッケージを、低コストで導入したい——。そのように望む企業にとって、クニエが自ら実践している「Hyper-V の上で SAP ERP」という使い方は良いお手本となるに違いありません。