Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
特別講義:今夏必出の教育トピック2020年3月4日(水)時事通信出版局・教員試験フォーラム2020於:一ッ橋ホール
植竹 丘(共栄大学)
0.教員採用試験と教育改革
1.学校の「働き方改革」
2.PISA20183.平成30年度問題行動調査結果
contents2
0.教員採用試験と教育改革
「教育時事」
≒「教育改革」,「教育政策」
「これからどのような変化が予想されるのか?」
教職教養対策と小論文・面接対策の両側面
出題者・採点者・面接者の発想
「対応できる人間なのか?」
「初任者に一から指導するの面倒臭いなぁ」
3
1.学校の「働き方改革」4
1.学校の「働き方改革」5
平成31(2019)年1月25日中央教育審議会「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」
教員の業務削減
一年単位の変形労働時間制の導入
文部科学省「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」
1日の勤務時間( 「超勤4項目」以外の自主的・自発的な勤務も含め,外形的に把
握することができる在校時間及び職務として行う研修や児童生徒の引率等の職務に従事している時間の合計)を超えた時間(「超過勤務」)の1か月の合計が45時間を,1年間の合計が360時間を超えないようにすること.
教員に求められる役割の変化6
出所:中央教育審議会「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」2015年12月21日,p.26.
教員の業務削減7
業務の分類
出所:答申p.29.
1.学校の「働き方改革」(cont.)8
令和元(2019)年12月4日公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)改正
①変形労働時間制の適用(休日のまとめ取り等)
学期中の業務の縮減に加え,かつて行われていた夏休み中の休日のまとめ取りのように集中して休日を確保すること等が可能となるよう,公立学校の教員については,地方公共団体の判断により,一年単位の変形労働時間制の適用を可能とする.
②業務量の適切な管理等に関する指針の策定
公立学校の教員が所定の勤務時間外に行う業務の多くが,超過勤務命令によらないものであること等を踏まえ,文部科学大臣は,公立学校の教師の健康及び福祉の確保を図ることにより学校教育の水準の維持向上に資するため,教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針を定めるものとする.
2.PISA20189
国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2018年調査国際結果の要約」2019年12月.
2.PISA2018:調査の概要10
実施主体:OECD(経済協力開発機構)
調査対象:15歳児(日本では高1) 調査間隔:2000年から3年ごと
調査分野:読解力,数学的リテラシー,科学的リテラシーの3分野(2018年調査は読解力が中心分野)
調査方法:前回2015年調査からコンピュータ使用型調査に移行.
調査時期:2018年調査は同年6~8月に実施
2.PISA2018:日本の結果11
三分野
数学的リテラシー及び科学的リテラシーは,引き続き世界トップレベル.調査開始以降の長期トレンドとしても,安定的に世界トップレベルを維持しているとOECDが分析.
読解力は,OECD平均より高得点のグループに位置するが,前回より平均得点・順位が統計的に有意に低下.長期トレンドとしては,統計的に有意な変化が見られない「平坦」タイプとOECDが分析.
読解力
読解力の問題で,日本の生徒の正答率が比較的低かった問題には,テキストから情報を探し出す問題や,テキストの質と信ぴょう性を評価する問題などがあった.
読解力の自由記述形式の問題において,自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに,引き続き,課題がある.
生徒質問調査から,日本の生徒は「読書は,大好きな趣味の一つだ」と答える生徒の割合が OECD平均より高いなど,読書を肯定的にとらえる傾向がある.また,こうした生徒ほど読解力の得点が高い傾向にある.
質問紙 社会経済文化的背景の水準が低い生徒群ほど,習熟度レベルの低い生徒の割合が多い傾向は,他の
OECD加盟国と同様に見られた.
生徒のICTの活用状況については,日本は,学校の授業での利用時間が短い.また,学校外では多様な用途で利用しているものの,チャットやゲームに偏っている傾向がある.
2.PISA2018:日本の平均得点の推移12
出所:国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)2018年調査国際結果の要約」2019年12月.
3.平成30年度問題行動調査結果13
文部科学省初等中等教育局児童生徒課「平成30年度
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」令和元(2019)年10月17日.
3.平成30年度問題行動調査結果
14
問題行動調査の内容
暴力行為
いじめ
不登校 等
問題行動調査からの出題
①前年度調査結果との比較(増減)
②長期的趨勢(ピーク)
③学年進行との関係(ピーク,増減)
④その他(不登校の原因,いじめの態様,発見のきっかけ等)
3.平成30年度問題行動調査結果(cont.)①前年度調査結果との比較
15
学校の管理下・管理下以外における暴力行為発生件数の推移
出所:平成30年度問題行動調査結果,p.7.
3.平成30年度問題行動調査結果(cont.)②長期的趨勢
16
出所:平成30年度問題行動調査結果,p.71.
不登校児童生徒数の推移
学年別いじめの認知件数
出所:平成30年度問題行動調査結果,p.30.
3.平成30年度問題行動調査結果(cont.)③学年進行との関係
17
18
いじめの認知件数と学年進行との関係の推移(2010-8)
出所:「問題行動調査」各年版より報告者作成
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
3.平成30年度問題行動調査結果(cont.)③学年進行との関係
19
学年別不登校児童生徒数
出所:平成30年度問題行動調査結果,p.72.
「いずれにせよ」20
横着せずに原資料を熟読すること.
まずは「概要」から
教員は「人様の人生をどうこうする」罪深い職業.
どれだけ勉強しても「しすぎる」ことはない