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愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~ 平成 26・27 年度 愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修より 平成28年3月 公益財団法人 愛知県健康づくり振興事業団 あいち介護予防支援センター

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愛知県高齢者虐待対応

演習ワークブック

~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

平成 26・27 年度 愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修より

平成28年3月

公益財団法人 愛知県健康づくり振興事業団

あいち介護予防支援センター

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目次

愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブックの活用にあたって ・・・・・・・ 1

事例1 『一生懸命介護する夫から妻への虐待事例』 ・・・・・・・・・・・・・ 3

(平成 27 年度愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修)

事例2 『ひきこもりがちな息子から母への虐待事例』 ・・・・・・・・・・・・・ 25

(平成 26 年度愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修)

解説

相談・通報と受付後の対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

相談内容の共有(市町村・包括) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57

コアメンバー会議 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59

緊急対応・分離 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61

虐待対応の終結 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62

養護者支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63

虐待の発生予防・再発防止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64

様式集 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

あいち介護予防支援センター作成

○高齢者への虐待発見チェックリスト

○事実確認のための打ち合わせシート

○虐待の有無・緊急性の判断シート

○高齢者虐待対応支援計画書

社団法人日本社会福祉士会作成

○相談・通報・届出受付票(総合相談)

○高齢者虐待情報共有・協議票

○事実確認票‐チェックシート

○事実確認項目(サイン)

○アセスメント要約票

○高齢者虐待対応会議記録・計画書(1)(2)~コアメンバー会議用

○高齢者虐待対応ケース会議記録・計画書(1)(2)

○高齢者虐待対応評価会議記録票

参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84

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本書の作成にあたって

当センターは愛知県の委託を受け、平成 22 年 4 月に発足しました。以来、「虐待を受けた、

あるいは受ける恐れのある高齢者と養護者」に対し、迅速かつ適切な対応・支援を行える市

町村及び地域包括支援センター職員の人材育成を目的として、高齢者虐待防止対応人材養成

研修の開催や『愛知県版高齢者虐待対応マニュアル(各論編:初動期対応を中心として)』

(以下マニュアル)や映像版DVD、医療機関向けリーフレットの作成、市町村や地域包括

支援センターへの相談支援を行ってきました。

しかし、県の調査や研修アンケートから、虐待対応における市町村格差が未だにあること

や、関係機関との連携がうまく取れないこと、職員の入れ替わりによって虐待対応の経験が

蓄積されないという課題が見えてきました。そこで、当センターの研修が新人研修としても

活用されていることから、研修と同等の学習が各職場において行える教材があれば、より効

果的な人材育成を図ることができるのではないかと考えました。

教材開発にあたり研修アンケートを分析すると、毎年取り入れている初動期対応の演習の

参考度が最も高く、あらゆる経験年数・職種・機関の受講者において効果的であることがわ

かりました。そこで、演習形式の学習ができる教材として本ワークブックを作成しました。

各職場でのOJTや地域包括支援センターが主催する勉強会などでご活用ください。 なお、本ワークブックを作成するにあたり御協力いただいた、研修講師及び関係者の皆様

に厚くお礼申し上げます。

本書の特徴

・本書に掲載した演習事例は、平成26年度・平成27年度愛知県高齢者虐待防止対応

人材養成研修を基本としています。

・高齢者虐待の通報から終結までの一連の流れについて、基本的な考え方や方法、判断の

法的根拠または現時点での一般的な対応を各段階に応じて学ぶことができます。

・虐待予防の視点を入れ、どの時期にどのような支援をすると虐待が防げたのか、事例を

振り返って考えられる演習内容としました。

・解説にはマニュアルの該当ページ数を記載しています。マニュアルを参照しながらワー

クを進めていくことで、より理解が深まります。

・グループでの演習だけでなく、個人でも学習できます。

本書では、高齢者虐待対応のシミュレーションを行います。

大切なのは、どんな事例でも組織的に考え、根拠と責任をもって判断することです。

そのために、各展開で悩みながら答えを出す過程を学んでいただくことがこの演習の

一番の目的です。

愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブックの活用にあたって

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本書の活用方法

本書は大人数の研修でも使用できるワーク内容で構成していますが、個人での演習など

様々な活用が可能です。以下に活用例を示しますので、参考にしてください。 ①研修での演習に ・本書を研修資料として、グループワークによる演習を行うことができます。各事例ペー

ジの「演習の進め方」を参考に進めてください。 ・所属機関内の多職種や、医療機関やケアマネジャー等の関係機関との研修で活用するこ

とで、虐待対応における共通認識を持ち実際の事例でのスムーズな連携が期待できます。 ・グループワーク後、各グループが発表することで、研修参加者全員で課題や悩みを把握

しましょう。 ②グループでの演習に ・職場内におけるOJTや勉強会など、少人数のグループで演習する場合、グループ内で

進行役を決めて進めていきます。OJTで活用する場合は、指導者が進行しましょう。 ・虐待対応について個人個人の理解を深めるとともに、グループでの共通認識を持つこと

ができます。 ・グループワーク後の「発表」は省き、解説に進んでもかまいませんが、一人では気付か

なかったこと(グループワークをして気付いたこと)などを発表し合ってもよいでしょう。 ③個人での演習に ・ワークを全て個人ワークで進めることで、一人での演習も可能です。 ・高齢者虐待対応について、自分がどこまで理解し実践できているかを確認し、自分がす

べきこと、できることを把握しましょう。 ・虐待対応は一人ではできません。一人では行き詰った部分や分からなかった部分は、ど

こで得られる情報なのか、誰が知っていてどう尋ねるとよいか等も考えてみるとよいで

しょう。 ④時間や目的に合わせて 各事例には5つのワークがありますが、全てのワークを十分に行うには、演習時間を長く

確保する必要があります。演習時間が長時間とれない場合や、困っている特定の部分だけ演

習したい場合(例えば、コアメンバー会議についてだけ演習したい等)は、演習したいワー

クを選び、その他のワークを省いて解説及び次の展開へ進めてもよいでしょう。

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事例1

一生懸命介護する夫から妻への虐待事例

(H27 年度愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修)

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演習の進め方

1.演習の目的の確認

始める前に、演習で学ぶ目的とポイントを共有します。

2.全体の役割分担

・演習全体の進行役とタイムキーパーを決めてください。

・進行役の指示で演習を進めます。

3.グループ内における役割分担

・実際の会議を想定し、各ワークを行う際の司会と書記を決めてください。

・発表がある場合は発表者も決めてください。

4.演習の流れ

・事例の展開 ⇒ ワーク ⇒ 解説 の順に進めていきます。

・全体の研修時間などに合わせて時間配分を決め、進めていきます。

・解説にマニュアルの該当ページや根拠法が記載されていますので、適宜参照してください。

5.注意事項

・事例の展開に沿って演習を進めるため、進行役の指示があるまでページをめくらないよう注意してくだ

さい。

・演習の目的は、事例について深く掘り下げることではなく、高齢者虐待の対応の要点を学習することで

す。事例の詳細に関して記載のない部分については、各グループで想像して進行するようにしてくださ

い。

・高齢者虐待の通報から終結までの一連の流れについて、初動期対応を中心に、基本的な考え

方と法的根拠を学習する。

・グループで話し合うことで、それぞれの立場での役割について理解する。

・虐待の要因から、予防の方法について考える。

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□全体の進行: □グループワーク役割分担表

ワーク1 ワーク2 ワーク3 ワーク4 ワーク5 司会 書記 発表

※ワークごとに役割を変えなくてもかまいません

(注)時間配分表は目安として、実際のワークの進み具合に合わせて進行しましょう。 時間配分表、ワークシートはp18~p23 にあります。必要に応じて活用してください。

全体 : ~ : (5分)

  :  ~  :   (2分)

  :  ~  :   (5分) 個人ワーク

  :  ~  :   (10分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 全体発表

  :  ~  :   (10分) 解説

  :  ~  :   (3分)

  :  ~  :   (25分) グループワーク

  :  ~  :   (10分) 発表

  :  ~  :   (5分) 解説

  :  ~  :   (3分)

  :  ~  :   (10分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説

  :  ~  :   (2分)

  :  ~  :   (20分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説・経過説明

  :  ~  :   (20分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説・全体まとめ

≪事例1 研修・グループ演習用 時間配分例≫

: ~ : (180分) 

オリエンテーション(ワークの進め方・役割分担)

: ~ : (32分)相談・通報の受付

経過説明

ワー

ク1

  :  ~  :  (43分)相談受付後の対応から

コアメンバー会議

経過説明

ワー

ク2

  :  ~  :  (28分)コアメンバー会議後

の対応から緊急対応

経過説明

ワー

ク3

  :  ~  :  (37分)

やむを得ない事由による措置から虐待対応の終結

経過説明

ワー

ク4

  :  ~  :  (35分)虐待事例を振り返る ワ

ク5

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6

6

【相談内容】 デイサービス利用時、本人から「家に帰りたくない」「死んだほうがまし」といった発言があった。た

たかれたようなアザらしいものはないが、夫から何かと厳しく言われることが原因のようで、このまま

帰していいのか、気になったデイサービス職員からケアマネジャーへ報告。ケアマネジャーも、夫から

妻への威圧的な態度が気になっていたが、夫なりに一生懸命介護しているため、ケアマネジャーとして

介護者との関係が崩れるのが心配で、見守るに留めていた。 デイサービスからの報告を受け、ケアマネジャーはこのままでよいのか、今後どう対応していったら

よいか、地域包括支援センターへ相談した。 【世帯の状況】 本人と夫の二人暮らし。 本人(76 歳):70 歳で脳梗塞を発症してから左半身麻痺。車椅子使用。要介護2。週 2 回デイサービス

利用。自宅内は住宅改修し車椅子で生活。月 1 回、総合病院へ夫の付添で通院している。 夫(78 歳):昔から亭主関白で本人に対し威圧的。仕事人間だった。唯一の趣味は一人で釣りに行くこと

だったが、妻の介護が必要になってからは行っていない。本人が半身麻痺になってからは、夫が家事・ 介護をこなす。

息子:夫とそりが合わず疎遠。結婚し県外で生活している。 ワーク1 通報先からの相談受理( 分)

★個人ワーク( 分)

①これを虐待の疑いと捉えますか?その根拠も考えてください。

②包括・市町村:相談を受けた地域包括は、この後どのように対応しますか?

保健所・社協・医療機関:「虐待の疑い」を感じた際に、市町村や包括へ「相談、通報」をするこ

とに対して、迷うことや困ることはありますか?

★グループワーク( 分)

★発表( 分)

解説(p55,57)

1.相談・通報の受付

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相談・通報・届出受付票(総合相談)

平成○年○月○日 対応者: 所属機関:

■電話 □来所 □その他(   )

□本人  □家族親族(同居・別居)続柄:    □近隣住民・知人 □民生委員

□地域包括支援センター □在宅介護支援センター ■介護支援専門員 □介護保険サービス事業所

□医療機関( )    □警察         □その他(          )

【主訴・相談の概要】

【本人の状況】

昭和 ○年 ○月 ○日

住民票登録住所 ■同左 □異

電話: その他連絡先: (続柄:    )

■自宅  □病院(        ) □施設(         ) □その他(        )

□非該当 □要支援( ) ■要介護(2) □申請中( 月 日) □未申請 □申請予定

■あり(デイサービス2回/週     )□なし

□あり(               )■なし

■一般( 高血圧、脳梗塞後遺症 ) □認知症(   ) □精神疾患(    ) □難病(    )

■無 □有(等級:  種別:    )

生活保護受給(■なし □あり)

【本人の意向など】※生活歴、キーパーソン、関係機関などわかる範囲で書き込む

【世帯構成】 【介護者の状況】

家族状況(ジェノグラム) ○○ 78 歳

■配偶者  □息子  □娘   □息子の配偶者 

◎ □ □娘の配偶者 □実兄弟 □実姉妹 □義兄弟  

□義姉妹   □孫   □その他(       )

○ ■同上

※長男は県外在住で疎遠

【総合相談としての対応】

□相談終了: □聞き取りのみ □情報提供・助言 □他機関への取次・斡旋(機関名:      ) □その他(          )

□相談継続: □権利擁護対応(虐待対応をのぞく) □包括的継続的ケアマネジメント支援 ■高齢者虐待(裏面記入) □その他(   )

 備考(                                                            )

様式:社団法人日本社会福祉士会 作成(出典:東京都国分寺市作成様式を参考に作成)

A票

相談年月日 ○○ A地域包括支援センター

相談者(通報者)

氏名 ○○ケアマネジャー 受付方法

住所または

所属機関名B居宅介護支援事業所

居 所

電話番号 0562-××-○○○○

本人との関係

 デイサービス利用時、本人が「家に帰りたくない」「死んだほうがまし」と発言。アザなどはないが、夫から何かと厳しく言われることが原因で、このまま帰していいのか気になったデイサービス職員からケアマネジャーが報告を受けた。ケアマネジャーも、夫から妻への威圧的な態度が気になっていたが、夫なりに一生懸命介護しており、ケアマネジャーとして介護者との関係が崩れるのが心配で見守るに留めていた。デイサービスからの報告を受け、ケアマネジャーとして今後の対応をどうしたらよいか相談したい。

氏 名 ○○ 性別 女 生年月日 年齢 76歳

現住所A市○○町○○

0562-○○-×××× 不明

介護認定

利用サービス介護保険 介護支援専門員 ○○

介護保険外 居宅支援事業所 B居宅介護支援事業所

主疾患

身体状況 左半身麻痺。室内外にて車椅子使用。自走可。 障害手帳

経済状況 年金受給

その他特記事項

長男がいるが、県外在住で疎遠。夫と関係悪く、十数年連絡を取って

いないため、本人も長男の現況がわからない。

氏名 年齢

続柄

連絡先

電話番号 職業

記載例

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地域包括内で相談し、市役所の高齢者虐待担当課へ虐待の疑いとして報告した。市担当課職員と地域

包括職員、ケアマネジャーが事実確認のために、デイサービス利用中の本人、次いで、自宅にいる夫を

訪問し話を聞いた。その結果、次のことがわかった。 ⇒次頁「3.コアメンバー会議に向けた事実確認」へ

2.相談受付後の対応

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【ケアマネジャーから把握した本ケースの経緯】

脳梗塞発症後、市内の総合病院からリハビリ病院を経て、自宅へ退院した。 退院当初は自宅内では装具をつけ、手すりをつたって歩いていたが、転倒して右大腿部を骨折、

再入院となり、リハビリを受け退院となったが、足の痛みや筋力の低下、転倒の不安から室内でも

車いすを使用することが多くなった。手すりがあれば立位や移乗をすることが可能だが、衣類の着

脱や清潔の保持には一部介助が必要な状態である。入院中、夫は毎日見舞いに来ては、本人のリハ

ビリに付き添う等、熱心に関わっていた。本人が自宅内で車椅子を使うようになってから、「怠けて

いる」「できないふりをしている」と本人に向かって言うようになった。

【デイサービスで本人の思いを確認する】 ケアマネジャー、地域包括、行政職員がデイサービスの個室で本人から話を聞く。 昔から夫にはあまり言い返さず従ってきた。専業主婦だったため、家事ができなくなったことを

夫に申し訳なく感じている。一方で、できないことを強要され、怒られる生活に限界も感じている。 毎日朝晩、着替えを遠くの床へ投げられ、拾って着替えろと命令される。着替えたくないと言っ

ても許されず、下着姿になるのを待っている。拾おうとして転倒してもしばらく助けてくれず、助

けてくれてもなじるようなことばかり言う。トイレでズボンの着脱を手伝ってくれず、間に合わず

に汚れてしまうことがあるが、汚すと大きな声で怒鳴る。動かない左手でお椀を持つように言われ

たり、食事をこぼすと怒られたり……。 夫が怒らずにトイレや着替え等を手伝ってくれて、自宅での生活が穏やかに送れたらいいと思っ

ているが、夫が変わることはないだろうと諦めている。息子は夫との関係が悪く、十数年ほとんど

連絡を取っていないので、頼ることはできないし迷惑をかけたくない。

【夫の性格や自宅の様子をケアマネジャー等に確認する】

ケアマネジャーやデイサービス職員の話では、自宅はいつも片付いており、夫の対応も職員に対

しては丁寧であるが、几帳面で神経質なところがあり、話し出すと一方的に話し出す。途中で意見

されると思いを強く訴える傾向があるとのこと。

【自宅で夫の思いを尋ねる】 高齢者世帯のため、介護の状況を把握するという理由で、地域包括と行政関係者で自宅を訪ねる。 訪問時、自宅内はきちんと片付いており、夫の対応は礼節が保たれていた。 夫は、「本人が脳梗塞を起こして体が不自由になってから、色々自分で勉強した。再発しないよう、

食べるものにも気を遣い、薬は絶対に飲み忘れないよう管理している。日頃の生活で体を使うこと

が一番のリハビリだ。すべて本人のためにやっていることなのに、本人が思った通りに動かずイラ

イラする。昔から本人はすぐ人に頼るところがあるので、デイサービスの職員やケアマネジャーに

は、本人を甘やかさないよう伝えている」と話した。 「自分の言うとおりにやらないからどんどん悪くなる」「つい大きな声を出してしまうが妻が言う

ことを聞かないからだ」とまくし立てる場面もあり、「妻のせいで釣りにも行けなくなった。自分の

時間も犠牲にして介護しているのに、少しもよくならない」「介護や家事で疲れは感じるが、これぐ

らいは当たり前だ」とも話す。本人が甘えているだけなので、極力サービスを受けるべきではない

と思っている。

3.コアメンバー会議に向けた事実確認

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1010

事実確認した内容をもとに、翌日、コアメンバー会議を開くこととなった。 ※コアメンバー会議とは

虐待の有無と緊急性の判断を行い、その判断に基づいて当面の支援方針(支援内容と役割分

担)を決定するための市町村と地域包括との話し合いの場です。

ワーク2 コアメンバー会議( 分)

★グループワーク

①コアメンバー会議は、誰に出席してもらいますか?虐待の要因を考えて、選出してください。( 分)

会議出席者 虐待の要因

②実際の会議をイメージして話し合ってください。( 分)

・虐待と判断しますか?

・虐待と判断した場合、緊急性はありますか?根拠も考えてください。

・本人と養護者への当面の支援内容は?

要因をもとに今後の生活を考えてください。誰が、どのように支援するとよいですか?

虐待事実: ( なし ・ あり )

根拠:

緊急性: ( なし ・ あり )

根拠:

目標(どんな生活を送れるとよいか) 支援内容(誰が・どのように) 期日

本人

養護者

★発表( 分)

解説(p59)

4.コアメンバー会議

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1111

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1212

コアメンバー会議で、解説p59「◎虐待事実の判断・緊急性の判断のポイント」のとおり協議

した結果、独自の介護感を持ち、介護への思いが強く、言葉での暴力及び着替えに対する強要は心

理的及び身体的虐待にも値すると判断。 緊急性については、精神的な負担や無理なリハビリの強要から体に負担を感じていることは事実

であるが、生命の危険性が切迫、早急に進行する状態とまでは考えにくいと判断した。 本人には、介護サービスの利用を広げ、夫からの不適切な関わりを減らしていく。定期的に様子

をうかがい、見守っていくことを提案し、不安の解消につなげることとした。 養護者には、介護に対する思いが強く一人で抱え込みストレスを抱えている。現在の介護方法を

見直していくことが必要な状態であり、役割分担して介護サービス利用を広げるとともに、今まで

の介護方法を見直す機会を作っていくこととした。 また、身体的虐待が発生する等、緊急的な対応が必要になったらすぐにコアメンバー会議を開き、

分離も視野に入れ対応することとした。 本人が定期受診している総合病院の医療ソーシャルワーカーへ市の担当者が連絡を取り、虐待と

して対応していることを伝え主治医への連絡と協力を依頼した。本人の身体機能について夫が正し

い認識を持てておらず困っていることを相談すると、主治医から夫へ説明してくれることになった。

市の保健師と地域包括が夫を定期的に訪問すると、徐々に愚痴を話してくれるようになった。 介護について養護者の思いを傾聴する。そのうえで、妻の自立を促すのはよいが無理をさせるこ

とで体に負担をかけることは逆効果であること。介護疲れの解消にサービスの利用を増やしてもよ

いこと、趣味を再開することなどを提案していった。市で行っている家族会も紹介したが、「人付き

合いは苦手」と言って興味を示さなかった。 本人には地域包括とケアマネジャーから会議の結果を説明し、何かあればすぐに相談するよう伝

えた。本人は虐待という言葉にショックを受けつつも、「みなさんが見守ってくれているなら安心。

最近、夫が着替えを投げることがなくなった」と安堵した様子で話した。 デイサービスセンターやケアマネジャーにも、変わったことがあればすぐに報告するよう依頼し

た。

5.コアメンバー会議の決定に基づく対応

6.対応後の経過

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ショートステイの利用およびデイサービス利用日数を増やすよう話を進めていたある日、デイサ

ービスでの入浴に際し着替えを行ったときに本人の体にアザを職員が発見した。本人に確認すると、

「夫に殴られた、もう家には帰りたくない」「でも私がいなくなったら夫が探し回るだろう。怖い」

と泣きながら訴えた。デイサービス職員はすぐにケアマネジャーに報告。ケアマネジャーは地域包

括へ連絡した。 地域包括はすぐに市役所の担当課へ連絡し、市職員、地域包括、ケアマネジャーが、デイサービ

スで本人の様子と意向を確認した。 本人によると、「昨晩、トイレで転倒し、立ち上がれず衣類とトイレを汚してしまったところ、激

昂した夫に殴られた。腕を強引に掴み引き起こされたので腕も痛い」とのことだった。本人の話の

通り、腕や足に数か所のアザがあった。「夫はその後、湿布を貼ってくれたが、怒りがおさまってい

る感じではない。家に帰るのが怖い。きっとまた手を上げるだろう。だが、逃げても連れ帰される

に決まっている」と訴えた。 ワーク3 緊急対応( 分)

★グループワーク( 分)

①この後、どのように対応しますか?(今までと同じでよいですか)

★発表( 分)

解説(p61)

7.緊急事態

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1414

コアメンバー会議内で決めていた夫からの暴力が高まった場合等においては、本人の了解を基に、

施設への緊急入所をすすめることとした。 今回は面会制限をかけるため、老人福祉法第11条により特別養護老人ホームへ「やむを得ない

事由による措置」での入所とした。 夫へは、市担当課から、妻については当面は施設でお預かりすることとなったことを伝えた。夫

は、手を上げたことは認めたが、「虐待などしていない。妻を返せ!」と大声でまくしたてた。市担

当課が繰り返し説明し、負担やストレスを少しでも解消し、それぞれの生活を守るためであること、

再び夫婦二人で安心して暮らせるよう支援したいことを伝え、夫に理解を求めた。 夫は市役所やケアマネジャー、デイサービスへ何度も電話し本人の居場所を問いただしたり、市

内の入所施設を訪ねたりした。解説p61「◎養護者の不当要求への具体的対応」のとおり、あら

かじめ市担当課によって夫への対応を統一していたため、本人の居場所が夫に伝わることはなかっ

た。夫へは市職員と地域包括がこまめに訪問し声を掛けたが、当初は職員へも怒りを向け、本人の

居場所を問うのみで話を聞こうとしなかった。

2 週間が経過し、本人は施設での生活を安心して送れるようになった。夫と長期間離れて暮らすこ

とが初めてとのことで、逆に自宅で一人で暮らす夫のことを心配するようになった。 夫も徐々に落ち着き、訪問した職員へ「妻は元気か」と尋ね、職員が本人の様子を伝えたり、本

人からの手紙や写真を見せることで訪問を受け入れるようになった。 自宅内は以前と比べ雑然としていた。本人へ手を上げてしまったことについては、「自分もかっと

なって手を出したことは後悔している」「家事や介護も完璧にやらなければ気が済まず疲れていた。

もっと介護サービスを使うべきだった」「一人での生活は張り合いがない」と打ち明けた。 市担当課は、再び在宅で二人暮らしができるようになるため、今後の対応について個別ケース会

議を開くことにした。 ※個別ケース会議とは

コアメンバー会議で決められた支援の実施後、それを評価し、新たに集まってきた情報をふまえ、

虐待対応の終結に向けて虐待の要因解消を行っていくための支援方針を決定する会議です。

8.やむを得ない事由による措置

9.措置後の支援・個別ケース会議

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ワーク4 終結に向けての支援

★グループワーク

①個別ケース会議のメンバーは誰にしますか? 本人、養護者それぞれに援助チームが必要とな

ります。想定される方をメンバーに加えていきましょう。

②虐待対応の終結に向けて、どのような支援が必要だと思いますか?

支援内容 担当者 期日

★発表( 分)

解説(p62,63)

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1616

本人は、施設で不安と負担のない生活を送ることで少しずつ表情も明るくなってきた。「たまには

おいしいコーヒーが飲みたい」等生活に対する希望もでてきた。「夫にも会ってみたい、夫が厳しく

しなくなれば家に帰りたい」といったことも話すようになった。 夫に対しては、市職員と地域包括が訪問を継続し、面談を行っていった。今までの介護は自分本

位であったこと、妻の健康状態から無理強いをしたことについて少しずつ理解し始めていった。 また、夫は以前関心を示さなかった社会福祉協議会が行っている介護者家族の会へ顔を出すよう

にもなった。自分一人で頑張りすぎていたことに気付き、趣味の釣りを再開し、今まで自分には関

係ないと思っていた介護サービスにも興味を持ち始めた。 その後、本人と施設の了解のもと、夫の様子を見ながら、まずは市役所の相談室で日時を区切っ

て本人と夫の面接を行い、その後施設での面会、自宅への外出、外泊まで行えるようになっていっ

た。外泊中、夫から本人へは「以前は悪かった」という言葉がかけられ、口調も柔らかく、穏やか

に過ごすことができた。本人は夫の変化を感じ、夫との生活への不安がなくなった。 改めて市担当課と地域包括は個別ケース会議を開催。自宅での様子を関係者で共有し、夫に精神

的な余裕ができ、本人が安心して自宅で暮らせるようになったと判断し、虐待対応を終結すること

を決定した。同時に、措置入所の解除を行い介護保険による入所契約に切り替えて、在宅介護の準

備が整い自宅へ退所するまでの期間、入所を継続した。

10.虐待対応の終結

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1717

ワーク5 虐待予防について( 分)

★グループワーク( 分)

改めて、事例1を振り返ってみましょう。虐待が起こった背景や要因は何だったでしょうか。

そのうえで、虐待の発生を予防するためにできることを考えましょう。

①虐待が発生した要因や背景を書き出してみましょう。

②本人、家族、及び地域の中でどのような取り組みがされると、虐待を未然に防ぐことができ

るでしょうか?

③その取り組みは、誰が行うとよいでしょうか?(本人、家族、近隣住民、関係機関、行政な

ど)

★発表( 分)

解説(p64,65)

虐待発生要因や背景 具体的な取り組み内容 担当者

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18

全体 : ~ : ( 分)

 :  ~  :   (  分)

 :  ~  :   (  分) 個人ワーク

 :  ~  :   (  分) グループワーク

 :  ~  :   (  分) 全体発表

 :  ~  :   (  分) 解説

 :  ~  :   (  分)

 :  ~  :   (  分) グループワーク

 :  ~  :   (  分) 発表

 :  ~  :   (  分) 解説

 :  ~  :   (  分)

 :  ~  :   (  分) グループワーク

 :  ~  :   (  分) 発表

 :  ~  :   (  分) 解説

 :  ~  :   (  分)

 :  ~  :   (  分) グループワーク

 :  ~  :   (  分) 発表

 :  ~  :   (  分) 解説

 :  ~  :   (  分) グループワーク

 :  ~  :   (  分) 発表

 :  ~  :   (  分) 解説・全体まとめ

ワー

ク4

ワー

ク5

経過説明

ワー

ク2

ワー

ク3

経過説明

経過説明

  :  ~  :  (  分)(コアメンバー会議後の対

応から、緊急対応)

(やむを得ない措置から措置後の対応)

  :  ~  :  (  分)(虐待事例を振り返る)

  :  ~  :  (  分)(相談受付後の対応から

コアメンバー会議)

(虐待対応の終結)

  :  ~  :  (  分)

≪事例1 研修・グループ演習用 時間配分表≫ : ~ : ( 分) 

オリエンテーション(ワークの進め方・役割分担)

: ~ : ( 分)(相談・通報の受付)

ワー

ク1

経過説明

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19

事例1

ワーク1 書記用ワークシート

①これを虐待の疑いと捉えますか?その根拠も考えてください。

②<包括・市町村>

相談を受けた地域包括は、この後どのように対応しますか?

<保健所・社協・医療機関>

「虐待の疑い」を感じた際に、市町村や地域包括へ「相談、通報」をすることに対して、迷うことや困る

ことはありますか?

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20

事例1

ワー

ク2

記用

ワー

クシ

ート

会議

出席

虐待

の要

虐待

事実

あり

根拠

緊急

性:

なし

根拠

目標

(ど

んな

生活

を送

れる

とよ

いか

支援

内容

(誰

が・

どの

よう

に)

本人

養護

グル

ープ

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21

事例1

ワーク3 書記用ワークシート

この後、どのように対応しますか?(今までと同じでよいですか)

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22

事例1

ワー

ク4

記用

ワー

クシ

ート

①個

別ケ

ース

会議

のメ

ンバ

②虐

待対

応終

結に

向け

ての

支援

支援内容

担当

期日

本人

養護者

グル

ープ

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23

事例1

ワー

ク5

記用

ワー

クシ

ート

①虐待が発生した要因や背景を書き出してみ

まし

ょう

②本人、家族、及び地域の中でどのような取

り組

みが

され

ると

、虐

待を

未然

に防

ぐこ

とが

でき

るで

しょ

うか

③その取り組みは、誰が行うとよいでしょう

か?

(本

人、

家族

、近

隣住

民、

関係

機関

、行

政な

ど)

虐待

発生

要因

や背

具体

的な

取り

組み

内容

当者

グル

ープ

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24

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2525

事例2

ひきこもりがちな息子から母への 虐待事例

(H26 年度愛知県高齢者虐待防止対応人材養成研修)

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2626

演習の進め方

1.演習の目的の確認

始める前に、演習で学ぶ目的とポイントを共有します。

2.全体の役割分担

・演習全体の進行役とタイムキーパーを決めてください。

・進行役の指示で演習を進めます。

3.グループ内における役割分担

・実際の会議を想定し、各ワークを行う際の司会と書記を決めてください。

・発表がある場合は発表者も決めてください。

4.演習の流れ

・事例の展開 ⇒ ワーク ⇒ 解説 の順に進めていきます。

・全体の研修時間などに合わせて時間配分を決め、進めていきます。

・解説にマニュアルの該当ページや根拠法が記載されていますので、適宜参照してください。

5.注意事項

・事例の展開に沿って演習を進めるため、進行役の指示があるまでページをめくらないよう注意してくだ

さい。

・演習の目的は、事例について深く掘り下げることではなく、高齢者虐待の対応の要点を学習することで

す。事例の詳細に関して記載のない部分については、各グループで想像して進行するようにしてください。

・高齢者虐待の通報から終結までの一連の流れについて、初動期対応を中心に、基本的な考え

方と法的根拠を学習する。

・グループで話し合うことで、それぞれの立場での役割について理解する。

・虐待の要因から、予防の方法について考える。

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2727

□全体の進行 □グループワーク役割分担表

ワーク1 ワーク2 ワーク3 ワーク4 ワーク5 司会 書記 発表

※ワークごとに役割を変えなくてもかまいません

(注)時間配分表は目安として、実際のワークの進み具合に合わせて進行しましょう。 時間配分表、ワークシートはp46~p51 にあります。必要に応じて活用してください。

全体  :  ~  :  (5分)

  :  ~  :   (2分)

  :  ~  :   (3分) 個人ワーク

  :  ~  :   (10分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説

  :  ~  :   (3分)

  :  ~  :   (25分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (5分) 解説

  :  ~  :   (3分)

  :  ~  :   (25分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説

  :  ~  :   (4分)

  :  ~  :   (5分)

  :  ~  :   (3分)

  :  ~  :   (20分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説

  :  ~  :  (2分)虐待対応の終結   :  ~  :   (2分)

  :  ~  :   (20分) グループワーク

  :  ~  :   (5分) 発表

  :  ~  :   (10分) 解説・全体まとめ

経過説明

  :  ~  :  (35分)(虐待事例を振り返る) ワ

ーク5

  :  ~  :  (9分)コアメンバー会議の決定に基づく対応

(やむを得ない措置)

経過説明

解説

  :  ~  :  (38分)分離後の対応から個別ケース会議

経過説明

ワーク4

  :  ~  :  (38分)相談内容の共有から

事実確認

経過説明

ワーク2

  :  ~  :  (43分)事実確認から

コアメンバー会議

経過説明

ワーク3

≪事例2 研修・グループ演習用 時間配分例≫

: ~ : (200分) 

オリエンテーション(ワークの進め方・役割分担)

  :  ~  :  (30分)相談・通報の受付

経過説明

ワーク1

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2828

【相談内容】 市内のI総合病院医療ソーシャルワーカー(以下 MSW)から、高齢者虐待の疑いのある患者がいると

のことで、地域包括支援センターに電話が入った。

本日午前中に受診した高齢者(女性)の腕にあざがあり、主治医が本人に理由を尋ねたところ、「長男

に叩かれた」と話したため、医師の依頼で MSW が面接。 本人は暴力を受けている事実を認めながらも

「自分が怒らせるから悪い」と言い、長男が怒る原因は自分にあるからと長男をかばっていた。本人の

話では、長男から耳や髪を引っ張られたり叩かれたりし、食事の準備や家のことで本人の動きが悪いと

「怒られる」とのことだった。 【世帯の状況】 本人と長男の二人暮らし。 本人(73 歳):I総合病院には月1回程度受診している。高血圧、膝関節痛などで内科、整形外科を受

診。受診は市のバスを使用し単独でしている。円背あり、歩行時はシルバーカー使用。 長男(47 歳):無職でひきこもりがちらしい。病歴不明。 長女:結婚し2子をもうけ、市外に住んでいる。

ワーク1 通報先からの相談受理( 分)

★個人ワーク( 分)

地域包括・市町村:通報を受けた地域包括職員は、この後どのように対応しますか?

追加で医療機関に確認することはありますか。

保健所・社協・医療機関:「虐待の疑い」を感じた際に、市町村や包括へ「相談、通報」をするこ

とに対して、迷うことや困ることはありますか?

★グループワーク( 分)

★発表( 分)

解説(p55)

1.相談・通報の受付

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2929

相談・通報・届出受付票(総合相談)

平成  年○月 ×日 △時~△時△分 対応者: 所属機関:

■電話 □来所 □その他(   )

□本人  □家族親族(同居・別居)続柄:    □近隣住民・知人 □民生委員

□地域包括支援センター □在宅介護支援センター □介護支援専門員 □介護保険サービス事業所

医療機関(MSW)    □警察         □その他(          )

【主訴・相談の概要】

【本人の状況】

昭和 年 ○月 ×日

住民票登録住所 ■同左 □異

電話: その他連絡先: (続柄:    )

■自宅  □病院(        ) □施設(         ) □その他(        )

□非該当 □要支援( ) □要介護( ) □申請中( 月 日) ■未申請 □申請予定

□あり(               )■なし

□あり(               )■なし

■一般( 高血圧、膝関節痛 ) □認知症(   ) □精神疾患(    ) □難病(    )

■無 □有(等級:  種別:    )

生活保護受給(■なし □あり)

【本人の意向など】※生活歴、キーパーソン、関係機関などわかる範囲で書き込む

【世帯構成】 【介護者の状況】

家族状況(ジェノグラム) ○○ 47 歳

□配偶者  ■息子  □娘   □息子の配偶者 

◎ ■ □娘の配偶者 □実兄弟 □実姉妹 □義兄弟  

□義姉妹   □孫   □その他(       )

□ ○ □ ■同上

□ □

長女世帯は市外在住

【総合相談としての対応】

□相談終了: □聞き取りのみ □情報提供・助言 □他機関への取次・斡旋(機関名:      ) □その他(          )

□相談継続: □権利擁護対応(虐待対応をのぞく) □包括的継続的ケアマネジメント支援 ■高齢者虐待(裏面記入) □その他(  )

 備考(                                                            )

様式:社団法人日本社会福祉士会 作成(出典:東京都国分寺市作成様式を参考に作成)

相談者(通報者)

I総合病院 電話番号

介護支援専門員

相談年月日

○○○○-××-○○○○

73歳年齢

主疾患

介護保険外

現住所

居宅支援事業所

身体状況

性別

年齢

連絡先

氏名

続柄

A票

住所または

所属機関名

氏名

氏 名

×× MSW

生年月日

 本日内科を受診された際、腕にあざがあることを主治医が発見し、理由を尋ねたところ本人が「長男にたたかれた」と言ったため、医師から勧められてMSWと面談を行った。長男から暴力を受けている様子であったため、虐待の疑いとして包括に相談したもの。 本人は暴力を受けている事実を認めながらも「自分が怒らせるから悪い」と言い、長男が怒る原因は自分にあるからと長男をかばっていた。耳、髪を引っ張られる、たたかれると言っていた。食事の準備や家のことで本人の動きが悪いと「怒られる」と言っていた。

○地域包括支援センター△△

受付方法

無職でひきこもりがちらしい(病歴不明)。

 I総合病院には月1回程度受診している。高血圧、膝関節痛などで内科、整形外科を受診。受診は市のバスを使用し単独でしている。長女が市外に住んでいるらしい。

円背あり。膝痛あるが、シルバーカーで自力歩行可

年金受給

介護認定

介護保険利用サービス

職業電話番号

その他特記事項

経済状況

なし

居 所

○○

本人との関係

不明

障害手帳

A市○○町 市営住宅3階

○○○○-○○-××××

記載例

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3030

通報を受けてすぐに地域包括支援センター内で相談内容を共有した後、「虐待の疑い」として、市高齢

福祉課への第一報とともにコアメンバー会議開催に向けての調整を依頼していくこととした。地域包括

支援センターから市高齢福祉課高齢者虐待担当職員に電話し、虐待の疑いのある事案について通報があ

った旨を伝え、今後の対応について協議した。

ワーク2 事実確認の方法と役割分担( 分)

★グループワーク( 分)

コアメンバー会議の開催に向け、行政機関と地域包括はどのような事実確認を行いますか。

①事実確認として、どのような情報を集める必要がありますか。

②事実確認の方法と担当者を決めて下さい。

③訪問調査をする場合、どのようなメンバーで、どのような訪問理由を用いますか。

事実確認の方法 担当者 訪問調査の場合の訪問理由

2.相談内容の共有(市町村・地域包括)

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3131

★発表( 分)

・事実確認の方法を決める際に「迷ったこと・悩んだこと」があれば、一緒に発表して下さい。

解説(p57)

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3232

事実確認のための打ち合わせシート

①≪市町村の庁内関係部署からの情報収集項目≫ ※確認結果を()内に記載

世帯構成

介護保険

福祉サービス等

経済状況

関係機関等

その他

②≪事実確認の方法と役割分担≫

事実確認の方法

□ケース会議等 (担当:         )

(担当:         )

■関係機関 民生委員 (担当:高齢福祉課○○)

医療機関 (担当:包括 ○○)

市営住宅担当課 (担当:高齢福祉課○○)

(担当:         )

□その他関係者 (担当:         )

事実確認期限

立入調査の必要性

③≪コアメンバー会議の開催について≫

開催日時

市町村

地域包括

■介護認定の有無( 認定申請なし )□担当居宅介護支援事業所(                      )■介護保険料所得段階(  第5段階    )■介護保険料収納状況(  滞納なし    )□その他(                         )

面接調査

高齢者氏名 : ○○ ○○ 様シート作成者:(地域包括 ○○ ) 打ち合わせ日時 :  ○年 ○月 ○日 シート作成日   :  ○年 ○月 ○日

聞き取り

事実確認中に予測されるリスクと対応法・自宅訪問時に長男から訪問を拒否されて本人と面談できない可能性あり。

■住民票(長男、本人の二人世帯。夫は5年前他界)□その他(                  )

□生活保護の利用(  なし  )■障害者手帳の有無( 身 ・ 知 ・精  いずれもなし )■障害福祉サービス利用状況( 利用なし  )

【被虐待者本人】■訪問  □来所面接者(包括:○○社会福祉士、市高齢福祉課:○○係長)

【養護者】■訪問  □来所面接者(市高齢福祉課:○○係長、○○主事)

■収入状況( 年金のみ  )■年金受給の有無( あり:老齢厚生年金  )■国民健康保険収納状況( 滞納なし    )□その他(                     )

■主治医・医療機関( I総合病院 内科    )□保健所・保健センターの関与(   なし   )□他機関(                         )の関与

あいち介護予防支援センター作成  参考: 社団法人日本社会福祉士会『高齢者虐待対応ソーシャルワークモデル実践ガイド』

場所 高齢福祉課

出席者

    ○年 ○月 ○日  00:00  ~

    ○年 ○月 ○日 午前△△時まで  ※48時間以内のコアメンバー会議開催を踏まえて設定する

高齢福祉課 課長、係長、主事

センター長、社会福祉士

■不要  □要検討 (理由:訪問時の状況から面会が難しいようであれば立入り調査を検討する)

記載例

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3333

【事実確認の方法と役割分担】 翌々日にコアメンバー会議を開催する予定とし、p32の事実確認のための打ち合わせシートを用い、

事実確認の方法と役割分担を決めた。

1.自宅訪問による面接調査:市高齢福祉課、地域包括支援センター

2.民生委員からの聞き取り:市高齢福祉課

3.医療機関からの聞き取り:地域包括支援センター

4.市営住宅担当者からの聞き取り:地域包括支援センター

【自宅訪問による面接調査:市高齢福祉課、地域包括支援センター】 翌日、市高齢福祉課と地域包括支援センター(係長及び担当者)で自宅を訪問した。

《本人への面談》担当:地域包括支援センター職員、市高齢福祉課 係長(保健師)

市の健康診断が未受診であったため、健康状態の把握のため訪問した旨を伝え、本人の了解を得て

居間にて面談を行う。部屋の中は物が多く、床はほこりやごみが落ちており、掃除はしっかりされて

いないようだったが生活スペースは確保されていた。買い物や調理は自分でしていると言うが、最近

は膝が痛いので掃除は十分にできていないと言う。目視できる範囲の傷、あざについては腕のあざ2

ヶ所であった。あざの理由について尋ねるも、はっきりと答えが返ってこなかった。

地域包括支援センターからヘルパー等の介護サービスやデイサービスの利用を勧めるも、「お金がか

かるし…」と黙ってしまう。経済状況を尋ねるも「何とかやってるから大丈夫」と繰り返し、詳細は

聞き取りができなかった。

《養護者への面談》担当:市高齢福祉課 担当者、係長(保健師)

養護者(長男)は自室から出てくる様子がなかったため、ドア越しに声掛けを行った。

本人の健康のことで訪問したと説明するが、「病院も行っとるし、何も問題ないだろ」「来る必要な

いわ」と怒っている様子であった。母親に「そうだろう!?」と強く同意を求める場面もあり、本人

は無言でうつむいていた。市からは「何か困りごとがあれば相談して下さい」と言い残し、面談は終

了した。

【民生委員からの聞き取り:市高齢福祉課 担当者】 数年前のことだが、本人がお金がないから貸してほしいと言って来たことがある。年金が入る直前で、

必ず返すということだったので、2回程(5千円程度)貸したことがあるが、すぐ返してくれた。お金

の管理をきちんとするよう諭したので、最近は借りに来ることはない。

1 年前くらいから会話中に同じことを繰り返し話すことがあり、少し気になっている。

長男が働かないから困る、怒りっぽいと言っていた。長男とはほとんど会わないが、訪問時に見かけ

るとあいさつはする。

3.コアメンバー会議に向けた事実確認

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3434

事実確認・情報収集の結果を受けて、予定通り市高齢福祉課の招集によりコアメンバー会議を開催した。

※コアメンバー会議とは

虐待の有無と緊急性の判断を行い、その判断に基づいて当面の支援方針(支援内容と役割分担)

を決定するための市町村と地域包括との話し合いの場です。

ワーク3 コアメンバー会議( 分)

★グループワーク

①コアメンバー会議は、誰に出席してもらいますか?虐待の要因を考えて、選出してください。( 分)

会議出席者 虐待の要因

②実際の会議をイメージして話し合ってください( 分)

・虐待と判断しますか?

・虐待と判断した場合、緊急性はありますか?根拠も考えてください。

・本人と養護者への当面の支援内容は?

要因をもとに今後の生活を考えてください。誰が、どのように支援するとよいですか?

虐待事実: ( なし ・ あり )

根拠:

緊急性: ( なし ・ あり )

根拠:

目標(どんな生活を送れるとよいか) 支援内容(誰が・どのように) 期日

本人

養護者

★発表( 分)

解説(p59)

4.コアメンバー会議

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3535

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3636

 計

画書

作成

者 

( 

市高

齢福

祉課

 主

事 

○○

 )

 会

議日

時 

計画

作成

日 

計画

評価

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出席

※話

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□一

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■あ

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支援

機関

・担当

者等

期限

1本

人の

意思

が明

確で

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い(自

宅で

長男

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る場

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助け

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言え

ない

本人

が安

心し

て意

志の

表明

がで

きる

包括

 ○

○社

会福

祉士

高齢

福祉

課 

○○

係長

○月

○日

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〃○

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1引

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もり

生活

が長

く、

精神

的に

不安

定精

神科

の受

診高

齢福

祉課

 ○

○係

長 

  

  

  

  

○○

主事

○月

○日

2家

事を

母親

に依

存し

て生

活し

てい

たた

め、

家事

がで

きな

い生

活支

援高

齢福

祉課

 ○

○係

長障

害福

祉課

 精

神保

健福

祉士

○月

○日

3母

親の

心身

機能

の低

下に

対す

る理

解が

低い

母親

の心

身状

況に

つい

て理

解す

る高

齢福

祉課

 ○

○係

長 

  

  

  

  

○○

主事

○月

○日

4母

親が

いな

くな

ると

不安

が強

くな

り取

り戻

そう

とす

る恐

れあ

り当

面は

別々

に生

活す

る必

要性

があ

るこ

とを

理解

して

もら

う 

  

  

〃○

月○

総 合 的 な

支 援 方 針

養護

者本

人の

話を

じっ

くり

聞く

。面

会制

限を

続け

る。

1.

長男

と離

れた

場所

で本

人の

意思

確認

を行

う必

要が

ある

ため

、保

健セ

ンタ

ーに

て本

人と

面談

を行

う。

2.

頭部

に身

体的

暴力

から

と思

われ

る傷

もあ

りリ

スク

が高

いた

め、

やむ

を得

ない

事由

によ

る措

置入

所の

準備

を進

める

3.

長男

の精

神的

な状

況に

関す

る精

査と

、生

活支

援の

必要

性に

つい

て検

討を

進め

る。

  

作成

:あ

いち

介護

予防

支援

セン

ター

 様

式参

考:社

団法

人日

本社

会福

祉士

会『高

齢者

虐待

対応

ソー

シャ

ルワ

ーク

モデ

ル実

践ガ

イド

高 齢 者

長男

のい

ない

場所

で安

心で

きる

状態

を確

保し

、本

人の

意思

確認

を行

う。

暴力

の状

況に

つい

て引

き続

き事

実確

認を

行う

金銭

管理

の状

況に

つい

て本

人、

養護

者よ

り情

報収

集を

行う

養 護 者

支援

者と

の信

頼関

係を

構築

し、

精神

科受

診を

促す

精神

科受

診、

診断

結果

次第

で、

障害

者向

け支

援サ

ービ

スの

利用

を検

討す

高齢

化に

よる

身体

機能

の低

下等

につ

いて

客観

的に

繰り

返し

説明

する

高齢

者本

人の

状況

(意

見・希

望)

長男

が自

宅に

いる

中で

の面

談で

は、

「大

丈夫

だか

ら」と

繰り

返し

、落

ち着

きの

ない

様子

だっ

た。

養護

者の

状況

(意

見・希

望)

母親

につ

いて

は「病

院も

行っ

とる

し、

何も

問題

ない

」と

の認

識。

介護

予防

教室

等の

利用

は「お

金が

ない

」と

。養

護者

自身

につ

いて

の希

望は

不明

対象

課 

 題

目 

 標

具体

的な

役割

分担

何を

・どの

よう

高齢

者虐

待対

応支

援計

画書

  

 高

齢者

氏名

 :

○○

 ○

  

: 

H 

○年

 ○

月 

○日

  

: 

H 

○年

 ○

月 

○日

  

: 

H 

○年

 ○

月 

○日

会議

目的

緊急

性の

判断

と今

後の

支援

方針

の決

定市

高齢

福祉

担当

課(○

○課

長、

○○

係長

(保

健師

)、

○○

主事

)包

括(○

○セ

ンタ

ー長

、○

○社

会福

祉士

記載

Page 39: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

3737

コアメンバー会議の結果、頭部に身体的暴力を受けたと思われる傷もありリスクが高いことから、解

説p59「◎虐待事実の判断、緊急性の判断のポイント」のとおり、高齢者が生命、健康、生活が損な

われるような状態に置かれていると考え、虐待の事実及び緊急性ありと判断した。

本人は長男が自宅にいる中での面談では、「大丈夫だから」と繰り返し、落ち着きのない様子だったた

め、長男と離れた場所で意思確認を行う必要があると考え、保健センターにて本人と面談を行うことと

した。また、頭部に傷がありリスクが高いため、やむを得ない事由による措置入所の準備を進めること、

長男に対しては、精神的な状況に関する精査と、生活支援の必要性について検討を進めていくことを決

めた。

コアメンバー会議の決定に基づき、各担当が役割分担に従って虐待対応を進めた。

※次ページ「高齢者虐待対応支援計画書」参照

1.高齢者本人と保健センターで面談を実施(担当:地域包括支援センター職員、高齢福祉課係長)

本人に、外出した際に立ち寄ってもらうよう伝えてあったことから、本人自ら来所したタイミング

で面談を行った。

面談時、顔面(目の上)にあざがあったため、あざの理由等について聞き取りを行ったところ、長

男に殴られたと答える。腕に強くつかまれたようなあざもあり、このまま自宅に戻ることは危険だと

判断。

本人に対して、一時的に施設入所するよう説得し、本人了承のもと、高齢福祉課が老人福祉法第11

条による措置入所の手続きを進めた。

2.措置入所(担当:高齢福祉課担当者)

かねてから準備をしていた通り、同日、B養護老人ホームへ措置入所とした。

自宅訪問時の長男の様子から、行政の介入に拒否的な様子であったため、念のため面会制限をかけ

ることとした。

3.養護者(長男)への対応

入所後、当日に市町村職員が自宅を訪問するが返事がなかったため、母親を施設で預かっている旨

を記した手紙を玄関に置いておく。長男が本人の捜索願を出す可能性を考え、市町村職員から警察署

に一報を入れ事情を伝えた。

翌日、長男が高齢福祉課窓口に来所。高齢福祉課職員、係長が相談室にて対応。

昨日母親が帰宅しなかったことについて、「お前らが連れて行ったんだろ!?」「母親を返せ!」「こ

れからどうやって生活しろっていうんだ!」「どこにやった!?」と大声で怒鳴り込む。

虐待防止法に基づき措置したことを告げ、まずは養護者の話を聴取した。

今後についてはじっくり相談することとし、後日訪問すると伝えた。

解説(p61)

5.コアメンバー会議の決定に基づく対応

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3838

措置後も引き続き、地域包括職員が施設入所中の本人に意思確認を行った。

養護者への支援については、市高齢福祉課が主体となり、訪問による面談や来庁時の面談を繰り返し

行った。2ヶ月経過後、虐待対応に関する評価会議を開催した。

○今後の対応に関する第2回虐待対応会議の開催

虐待を再発防止するにあたっての目標、役割分担に従った実施状況等について確認を行った。

評価会議の詳細については、「高齢者虐待対応評価会議記録票」にまとめた。

※次ページ「高齢者虐待対応評価会議記録票」参照

~2ヶ月後の状況~

○養護者(長男)の状況

市担当者が何度も訪問しているうちに信頼を寄せるようになり、体調に関する相談等もするようにな

る。市担当者の同行により市内の精神科クリニックを受診し、「うつ病」の診断を受けた。

母親を施設に入所させたことについて、市に対して不満はあるようだが自分自身の生活に関する不安

が強かったため、生活支援サービス等に関する情報提供、相談支援が行われたことにより徐々に落ち着

きを見せ始める。

○本人の状況

2か月が経過し、やはり自宅に戻りたいとの意思が強く、長男の心配だけでなく夫の仏壇の世話など

が心配だと訴える。施設入所中に認知症に関する検査を実施したところ、長谷川式スケール 18 点で軽度

認知症ということが判明した。介護認定については、要介護1の判定が出た。

6.分離後の対応

7.対応後の経過

Page 41: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

3939

計画

評価

: 

 1

 回

会議

日時

: 

 ○

年○

月○

日 

  

△時

 △

分~

  

△時

 △

出席

判定 3

1.

虐待

が発

生し

てい

42

.虐

待の

疑い

があ

33

.一

時的

に解

消(再

発の

可能

性が

残る

54

.虐

待は

解消

した

25

.虐

待は

確認

され

てい

ない

様式

:社

団法

人日

本社

会福

祉士

会 作

成(

出典

:東

京都

老人

総合

研究

所「

支援

計画

書(第

2版

)」

を参

考に

作成

市高

齢福

祉担

当課(○○

課長

、○

○係長

(保

健師

)、○

○主

事)

包括

(○

○センター長

、○

○社

会福祉

士)

 5

.そ

の他

(  

  

  

  

  

  

  

  

  

 )

 3

.現

在の

支援

計画

内容

に基

づき

、支

援を

継続

 4

.ア

セス

メン

ト、

支援

計画

の見

直し

 2

.包

括的

・継

続的

ケア

マネ

ジメ

ント

支援

に移

今後

の対

市役

所等

での本

人、養護

者との面

会の設

定を検

討し、面

会の

状況

により措

置解

除の

検討

も併せ

て進

める。

□変

更あ

り 

■変

更な

し(

変更

内容

: 

  

  

  

○,○

月に週

1回程

度訪問

して面

談(市

○○

支援

を要

する

状況

高齢

者本

人の

状況

(意見

・希

望)

養護

者の

状況

(意見

・希

望)

自分

自身

の生

活へ

の不

安が

強く

、「母

親を

返し

て欲

しい

」と

の言

葉が

多く

聞か

れる

。措

置を

した

市担

当課

への

不満

はあ

るが

、面

談を

繰り

返す

中で

当初

のよ

うな

攻撃

性は

みら

れな

くな

った

 養

護者

支援

の必

要性

  

■あ

り 

 □

なし

7養

護者

 3

.心

理的

虐待

 4

.性

的虐

 5

.経

済的

虐待

長男

から

の暴

力に

対し

て、

「痛

かっ

た」と

言うが

、「自

分も

悪い

から

」と

言う。

「長

男の

こと

が心

配」「施

設の

生活

は嫌

だ」と

言い

、家

に帰

りた

いと

の訴

えが

強い

新た

な支

援計

画の

必要

対応

方針

の変

更の

有無

、変

更内

1本

人本人

が安

心して意

志の

表明

ができる

○/○

に保健

センターにて面

談し意

思確

認(包

括○

○、市

○○)

長男の

いない場面

での

面談

では、虐待

の事

実を認

め、

施設入

所についての意

思確

認には

、一

時的

な入所

に同

意され

る。入

所後

、2度

に渡り面談

した際には

「家に帰

りたい」との言

葉が

聞かれ

る。

■変

更あ

り 

□変

更な

し(

変更

内容

:入

所に

より

意志

表示

はで

きる

よう

にな

った

ため

、希

望と

する

再統

合に

向け

て検

討を

進め

る)

経済

的支

援策検

討施

設入所

後の

面談

にて経

済状

況の

聞き取

りを行

った(包

括○

○)

 6

.そ

の他

 1

.身

体的

虐待

 2

.放

棄・放

■変

更あ

り 

□変

更な

し(

変更

内容

:受

診継

続す

る)

■変

更あ

り 

□変

更な

し(

変更

内容

:概

ね理

解が

得ら

れた

課題

番号

目標

実施

状況

(誰

がど

のよ

うに

取り

組ん

だの

か)

目標

達成

状況

(日

付)

(達

成し

た目

標の

内容

とそ

の根

拠=

確認

した

事実

を記

載)

■変

更あ

り 

□変

更な

し(

変更

内容

:措

置済

み)

4養

護者

精神

科の

受診

○,○

月に週

1回程

度訪問

して面

談し、受診

勧奨

。(市

○○

)△

月△

日、△

日に市内

メンタル

クリニックを保健

師同

行で

受診。「うつ病」と診

断が

出る。

面談時

に繰り返し説

明する。暴力

をふ

るっていたことは

認めるが、「もうたたか

ないから、戻

して欲しい」との

要望が

強い。

□変

更あ

り 

■変

更な

し(

変更

内容

: 

  

  

  

評価

結果

のま

とめ

( 26年

7月

14日

現在

の状

況)

母親

の心

身状況

について理

解する

○,○

月に週

1回程

度訪問

して面

談(市

○○

)面

談時

に高齢

者の

身体機

能について繰り返し説明

。一

定の理

解は

得られ

た。

当面

は別

々に生活

する必

要性が

ある

ことを理

解してもらう

会議

目的

2本

暴力

の状況により、施設入所等による

一時

的分

離○

/○

に保健

センターにて面

談し意

思確

認(包

括○

○、市

○○)

顔面へ

の傷

を確認

し、同日

付けで措

置分離

を行った。

 1

.虐

待対

応支

援の

終結

虐待

種別

施設

生活

の中

で本

人が

繰り返し同

じことを言

う等

、認知

症の

疑いがみ

られるため、判

断力

について精査していく。

□変

更あ

り 

■変

更な

し(

変更

内容

: 

  

  

  

6養

護者

高齢

者虐

待対

応評

価会

議記

録票

記入

年月

日 

○年

○月

○日

コア

メン

バー

会議

で作

成し

た対

応計

画実

施後

の評

価と

対応

計画

の見

直し

5養

護者

生活

支援

○,○

月に週

1回程

度訪問

して面

談(市

○○

)障

害サ

ービス利

用に向けて調

整を進めている。障害

者相

談支援

専門

員が

訪問を実

施。

F票

3本

長男が

「小遣

い」として消

費しているお金もあるが、詳

細は

不明

。本人

に聴

取しても、把握

できていないようで答

えられ

ない。

記載

Page 42: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

4040

評価会議により、虐待の再発防止に関する目標については、サービスの導入等で達成できること

となったため、高齢者本人、養護者の希望もふまえ再統合に向けて進めることとなった。

自宅に戻るにあたり、地域で支援する専門職等による個別ケース会議を開催した。

ワーク4 終結に向けての支援

★グループワーク

①個別ケース会議のメンバーは誰にしますか?

②虐待対応の終結に向けて、どのような支援が必要だと思いますか?

支援内容 担当者 期日

★発表( 分)

解説(p62,63)

9.個別ケース会議

Page 43: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

4141

Page 44: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

4242

会議

日時

: 

○年

○月

○日

  

△時

~△

出席

※記

入欄

が足

りな

い場

合は

、様

式を

追加

して

記入

様式

:社

団法

人日

本社

会福

祉士

会 作

成(

出典

:東

京都

老人

総合

研究

所「

支援

計画

書(第

2版

)」

、新

潟県

三条

市作

成様

式を

参考

に作

成)

障害

者相

談支

援専

門員

が訪

問を

繰り

返す

中で

信頼

関係

を築

く。

困っ

た時

は相

談す

る場

とし

て、

養護

者に

伝え

てい

く。

障害

者相

談事

業所

相談

支援

専門

員(現

在の

相談

を継

続)

・再

統合

の方

向性

で対

応可

能な

こと

から

準備

を進

める

。・評

価期

日を

○月

○日

とし

、そ

れま

でに

市役

所に

て面

会を

繰り

返し

、様

子を

みて

いく

。・面

会の

中で

再統

合が

困難

であ

る要

因が

考え

られ

れば

、対

応方

針を

再検

討し

てい

く。

関 係 者そ の 他 の 家 族

対応

が困

難な

課題

/今

後検

討し

なけ

れば

なら

ない

事項

等(虐

待終

結に

向け

た課

題等

を記

載)

計画

評価

予定

日 

  

  

○年

○月

○日

○月

末ま

でに

調整

、導

包括

から

長女

に連

絡○

月末

まで

に調

○月

末ま

でに

調整

引き

こも

りが

長期

化し

てい

るた

め、

対人

関係

、社

会生

活ス

キル

を含

め、

生活

リズ

ムの

改善

を図

る少

しず

つ人

と、

社会

と関

わり

をも

・外

出支

援の

ヘル

パー

との

買い

物を

検討

・精

神疾

患や

引き

こも

りの

方の

利用

でき

るフ

リー

スペ

ース

等の

利用

の検

討・就

労準

備の

支援

障害

者相

談事

業所

相談

支援

専門

員生

活困

窮者

自立

支援

担当

長女

の関

わり

が少

ない

長女

が定

期的

に自

宅に

入る

長女

に状

況の

説明

をし

て訪

問頻

度を

増や

して

もら

うよ

う伝

える

。通

帳管

理を

依頼

し、

週1回

程度

訪問

して

お金

を渡

す等

の支

援の

可否

を相

談。

養 護 者

1家

事が

でき

ない

簡単

な食

事程

度は

自分

で作

れる

ように

なる

障害

福祉

サー

ビス

によ

り、

ヘル

パー

を利

用し

、一

緒に

家事

をす

る。

障害

者相

談事

業所

相談

支援

専門

員市

、障

害福

祉課

32困

った

時の

相談

先、

相談

相手

をつ

くる

支援

者と

信頼

関係

を築

き相

談で

きる

体制

がで

きる

2金

銭管

理が

適切

にで

きな

いた

め、

年金

が入

る前

は経

済的

に苦

しく

なる

(長

男と

もめ

る原

因の

一つ

適切

に金

銭管

理が

実施

され

、長

男と

お金

のこ

とで

トラ

ブル

にな

らな

長女

に通

帳管

理を

依頼

でき

ない

か相

談し

てい

く。

対応

が難

しけ

れば

、日

常生

活自

立支

援事

業の

活用

等も

検討

する

。包

括か

ら長

女に

連絡

○月

末ま

でに

調整

1自

宅で

の生

活に

向け

て介

護サ

ービ

スの

導入

定期

的に

自宅

への

訪問

や外

出の

サー

ビス

を活

用し

安心

して

生活

する

介護

保険

によ

るデ

イサ

ービ

スと

ヘル

パー

を組

み合

わせ

た利

用を

勧め

る。

金銭

管理

によ

りサ

ービ

ス利

用料

の不

安を

払し

ょく

する

。ケ

アマ

ネ○

月末

まで

に調

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成市高齢福祉

担当課(○○課

長、○○係

長(保健師)、○○

主事)

包括(○○センター長、○○社会

福祉士)

障害者相談

支援センター 相

談支援専門

3養

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高 齢 者

記載

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4343

ケース会議の内容に従い、3ヶ月後には再統合することとなる。

再統合に向けて市役所での面談を定期的に実施したが、特にトラブルもなく過ごすことができ

たため、外泊を繰り返し、予定通り措置解除とし、本人は自宅に戻った。

在宅に戻って1ヶ月後に、再度評価会議を開催し、前回個別ケース会議で出された課題につい

ての対応状況、サービスの利用状況等について確認した。

養護者による暴力は再発しておらず、本人はデイサービスとヘルパーを利用し始めたことで表

情も明るくなり、担当ケアマネにもよく話をするようになった。

長男は障害者相談支援センター相談支援専門員が訪問するようになり、引きこもりがちではあ

るが、困った時には相談できる場所ができ、自分から電話をして話を聞いてもらうことができる

ようになった。

これらの状況を踏まえ、2回目の評価会議では虐待の発生要因が排除されたとし、虐待対応と

しては「終結」を迎えることとなる。今後は介護サービスの調整役であるケアマネジャーを中心

としつつも、地域包括支援センターのケアマネジャーへの包括的・継続的ケアマネジメントの対

象ケースとし引き続き様子を伺い再発への注意を払いながら生活支援を行なうこととなった。

10.虐待対応の終結

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4444

ワーク5 虐待予防について( 分)

★グループワーク( 分)

改めて、事例2を振り返ってみましょう。虐待が起こった背景や要因は何だったでしょうか。

そのうえで、虐待の発生を予防するためにできることを考えましょう。

①虐待が発生した要因や背景を書き出してみましょう

②本人、家族、及び地域の中でどのような取り組みがされると、虐待を未然に防ぐことができ

るでしょうか?

③その取り組みは、誰が行うとよいでしょうか?(本人、家族、近隣住民、関係機関、行政な

ど)

★発表( 分)

解説(p64,65)

虐待発生要因や背景 具体的な取り組み内容 担当者

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4545

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46

全体  :  ~  :  (  分)

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分) 個人ワーク

  :  ~  :   (  分) グループワーク

  :  ~  :   (  分) 発表

  :  ~  :   (  分) 解説

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分) グループワーク

  :  ~  :   (  分) 発表

  :  ~  :   (  分) 解説

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分) グループワーク

  :  ~  :   (  分) 発表

  :  ~  :   (  分) 解説

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分) グループワーク

  :  ~  :   (  分) 発表

  :  ~  :   (  分) 解説

  :  ~  :  (  分) 虐待対応の終結   :  ~  :   (  分)

  :  ~  :   (  分) グループワーク

  :  ~  :   (  分) 発表

  :  ~  :   (  分) 解説・全体まとめ

経過説明

ワー

ク3

経過説明

ワー

ク4

ワー

ク5

経過説明

経過説明

解説

  :  ~  :  (  分)相談内容の共有から

事実確認

≪事例2 研修・グループ演習用 時間配分表≫ : ~ : ( 分) 

オリエンテーション(ワークの進め方・役割分担)

  :  ~  :  (  分)相談・通報の受付

経過説明

ワー

ク1

経過説明

ワー

ク2

  :  ~  :  (  分)(虐待事例を振り返る)

  :  ~  :  (  分)分離後の対応から個別ケース会議

  :  ~  :  (  分)事実確認から

コアメンバー会議

  :  ~  :  (  分)コアメンバー会議の決定に基づく対応

(やむを得ない措置)

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47

事例2

ワーク1 書記用ワークシート

<包括・市町村>

相談を受けた地域包括は、この後どのように対応しますか?

<保健所・社協・医療機関>

「虐待の疑い」を感じた際に、市町村や包括へ「相談、通報」をすることに対して、迷うことや困ること

はありますか?

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48

事例2

ワー

ク2

記用

ワー

クシ

ート

①事実確

認と

して、

どの

ような

情報

を集め

る必

要があ

りま

すか。

②事実確

認の

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担当

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③訪問調

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、どの

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な訪問

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を用い

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事実確認

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担当者

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ープ

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49

事例2

ワー

ク3

記用

ワー

クシ

ート

会議出席

虐待の要

虐待事実

なし

あり

根拠:

緊急性:

・ あ

根拠:

目標(ど

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(誰

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期日

本人

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グル

ープ

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50

事例2

ワー

ク4

記用

ワー

クシ

ート

①個

別ケ

ース

会議

のメ

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②虐

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期日

本人

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グル

ープ

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51

事例2

ワー

ク5

記用

ワー

クシ

ート

①虐待が

発生

した要

因や

背景を

書き

出して

みま

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②本人、

家族

、及び

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など)

虐待

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グル

ープ

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52

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5353

解 説

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5454

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5555

相談・通報と受付後の対応 マニュアル p6~8

◎虐待対応は、虐待かどうかは、被虐待者の立場に立って判断することから始まります。虐待の第

一報が、常に明らかに「虐待」とわかるものではありません。相談を受けた者それぞれが、「虐待の

可能性」や「高齢者の権利擁護(不安のない安全で安心できる日常生活)の必要性」を感じるアン

テナを持つことが重要です。

◎相談を受けたら、まず問題を整理することから始めます。

≪相談受付時に相談者に確認すべきこと≫

①高齢者本人の状況

②養護者の状況

③高齢者と養護者や家族の関係

④介護サービスなどの利用状況や関係者の有無

⑤相談者・通報者の情報

⑥虐待の状況(いつごろからどのような内容、頻度等)

客観的な事実をより具体的に聞き出すことが重要です。

◎相談を受けた人が個人で判断せず、必ず組織的に判断することが大切です。通報内容の記録とと

もに、早めに上司(管理者)へ相談、報告 ⇒ 市町村虐待担当部署へ連絡します。地域包括内のミ

ーティング等も重要です。

◎虐待対応の責任は市町村にあるので、地域包括は、虐待の疑いがあると判断した場合、緊急性に

関わらず市町村へその日のうちに報告します。市町村も担当者一人で判断せず、組織的に判断し、

対応していく必要があります。(高齢者虐待防止法第9条)

◎施設、病院、保健所等の従事者には「高齢者虐待の早期発見等」の責務があります(高齢者虐待

防止法第5条)。早期発見に努め、高齢者保護のための施策に協力するよう努めなければなりません。

虐待の「判断」は不要です。まずは市町村や地域包括に相談・通報をしてください。

これらの従事者が養護者との関係悪化を恐れ、虐待と捉えることや通報することを躊躇しないよ

う、関係機関へ高齢者虐待防止のための正しい知識と対応を周知することも必要です。

◎虐待通報は、秘密漏示罪、守秘義務よりも優先されます。「疑い」の段階でも、通報を優先します。

(高齢者虐待防止法第7条)

◎高齢者虐待の定義についてはマニュアルp2、高齢者虐待防止法はマニュアルp88~93を参

照してください。

≪参考≫ 巻末 様式集

★相談・通報・届出受付票(日本社会福祉士会)

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5757

相談内容の共有(市町村・包括) マニュアル p9~15

◎相談受付後、市町村と地域包括はコアメンバー会議(虐待通報受理後48時間以内を目安とする)

に向けて事実確認を行います。市町村は、ケアマネジャーの情報だけで事実確認をせずに対応した

り、事実確認を地域包括任せにしてはいけません。

◎虐待相談を受けた市町村が第一に行うことは、「本人の状態確認と緊急性の判断」です。

既存のチェックシート等を活用し、個人の価値観を交えずに事実を把握し判断することが必要で

す。

◎事実確認の段取り、事前準備、事実確認の方法、市町村と地域包括の役割分担などについては以

下のとおりです。

・市町村・地域包括等、複数対応で実施。誰が養護者及び本人に面接するか、虐待の事実をどのよ

うに確認するかなど事前に役割を分担して臨む。

・場合によっては、立入調査や緊急対応も考慮する。

・本人との面接(事実確認)は養護者と別の環境で行うのが望ましい。

・本人や養護者の介入拒否で情報が得られない場合は、会話や行動から虐待の有無を推測し、状況

により改めて訪問する、他の親族の力を活用する等、事実確認の方法を工夫する。拒否の場合で

も、本人面接場面を早めに作るよう調整していくことが必要。

・世帯状況、収入状況、医療情報、近隣や民生委員、親族からの情報等の周辺情報の収集。

◎通報者が特定される情報を、養護者やその関係者に漏らしてはいけません。(高齢者虐待防止法第

23条)

◎虐待対応において関係機関との情報交換が必要な場合、個人情報保護法の例外規定に基づき被虐

待者本人の同意なく個人の情報提供を行うことは可能です。(個人情報保護法第23条)(マニュア

ルp72)

≪参考≫ 巻末 様式集

★事実確認のための打ち合わせシート(あいち介護予防支援センター)

★虐待チェックリスト (愛知県高齢者虐待対応マニュアル総論編)

★高齢者虐待情報共有・協議票(日本社会福祉士会)

★事実確認票(日本社会福祉士会)

★アセスメント要約票(日本社会福祉士会)

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5959

コアメンバー会議 マニュアル p16~20

◎コアメンバー会議の出席者・内容について

・コアメンバー会議は、通報を受けてからできるだけ48時間以内に開催する。

・コアメンバー会議で決定する内容は以下4点

① 事実確認結果に基づく虐待の有無と緊急性の判断

② ①に基づく当面の支援方針と具体的な支援計画

③ 本人及び養護者への当面の支援に対する役割分担

④ 初動期における当面の具体的な支援の期限

・高齢者虐待防止事務を担当する市町村職員及び担当部局管理職、地域包括の担当職員の出席が必

須。

・必須メンバー以外の出席者(専門家等)を決めるポイント

立ち入り調査や分離など権限行使の判断をするために必要な場合、医師や弁護士等の専門家を

求めることは可能。ただし、参加を求める場合、開催期間が遅くなることは避ける。特に介護関

係者等含める必要はない。

◎虐待事実の判断、緊急性の判断のポイント

・高齢者虐待とは、「高齢者が他者からの不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命、健

康、生活が損なわれるような状態に置かれること」であり、あくまで高齢者の側に立って判断す

る。

・生命の危険性はあるのか、近々発生する可能性が否定できないかを情報をもとに確認し、根拠を

もって組織的に判断する。

・根拠となる情報が不足しており判断できない場合は、再度期限を区切り、事実確認が必要。

◎支援計画を立てる際のポイント

・「高齢者個人の生命や身体の安全の確保」が最優先。

・生命の危険性が高いと判断されれば、老人福祉法による措置を積極的に使い、分離に向けた支援

計画を立てる。

・事実確認ができず判断できない場合、不明な点の確認方法についても話し合う。

・場合によっては立入調査(高齢者虐待防止法第11条)についても検討する。

・具体的な役割分担と支援の期限(評価日)を決める。

≪参考≫ 巻末 様式集

★高齢者虐待対応支援計画書(あいち介護予防支援センター)

★高齢者虐待対応会議記録・計画書(1)(2)~コアメンバー会議用~(日本社会福祉士会)

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6161

緊急対応・分離 マニュアル p21~23、27~29、66~67

◎緊急事態が起こった場合は、対応を変える必要があります。予測される事態については、コアメ

ンバー会議で対応策を支援計画に入れておき、緊急事態を見逃さず、迅速に組織的な対応を行える

ようにしておきます。ケースによって分離・措置のタイミングや方法は違います。

◎異変に早く気づき適切な対応をするために、関係機関には行政が虐待と判断し動いていることを

伝えておくことが大切です。事前に情報を共有し、場合によっては具体的な依頼をすることで、医

療機関や介護事業所等は緊急時の対応を円滑に行うことができます。

◎やむを得ない措置について

市町村は、虐待防止法第9条2項において、「生命又は身体的に重大な危険が生じているおそれが

あると認められる高齢者を一時的に保護しなければならない」と規定されています。その保護・分

離の手段の一つとして、老人福祉法に基づく「やむを得ない事由による措置」があります。やむを

得ない事由による措置(11条による入所措置)を講じている場合には、虐待防止法により、養護

者に対して高齢者との面会を制限できます。従って、面会制限が必要な場合は、やむを得ない事由

による措置を適用しなければなりません。

・やむを得ない措置についての法的根拠は、老人福祉法第11条。

・やむを得ない措置を実施する場合、手続きや養護者への説明は行政が行う。

・認知症等で本人の判断力が低下している場合、本人が分離に同意しないが緊急性ありと判断さ

れる場合等には、積極的な措置権限行使が求められる(マニュアルp67)。

◎養護者の不当要求(電話や窓口来所による職員の拘束、罵倒、脅迫的発言、待ち伏せ等)への具

体的対応策

・市町村の高齢者虐待担当部署に窓口を一本化させ、組織的に対応していく。

・複数人で対応し、毅然とした態度で臨むとともに、やりとりを記録に残す。

・暴言や居座り行為などがあれば、警察へ通報し協力を求める。事前に警察に情報提供しておく

ことも一つの方法である。

(平成 23 年 3 月 日本社会福祉士会 発行『市町村・地域包括支援センター・都道府県のための

養護者による高齢者虐待対応の手引き』より)

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6262

虐待対応の終結 マニュアル p25~26,p30~33

◎虐待対応の終結の判断のポイント

・終結とは、高齢者虐待が解消し高齢者の生活が安定した状態と考える。高齢者を分離保護し、措

置入所や入院等したことで虐待対応が終結するわけではない。

・個別ケース会議で「家族の再統合」に向けて方針を決めていく。

・高齢者及び養護者に対し虐待対応の終結に向けて必要な支援計画を立てる。

◎個別ケース会議のメンバー

・コアメンバーに加え、事例対応の際に協力を得たい各機関の担当者や、アドバイスを求める専門

職等を集める。

・定期的にモニタリングを行い、支援計画の目標が達成されたかどうか会議で評価し、虐待対応の

終結を判断する。

◎措置による保護・分離後の支援の留意点

・分離期間は、本人の体力や気力の回復・安全確保のためだけではなく、今後の生活に向けた貴重

な時間として位置付ける。高齢者が退所に至るまで、措置を決定した市町村は責任が継続してい

るということを意識し、施設任せにしない。定期的な状況確認を市町村と地域包括で行う。

・施設では、スタッフとの安定した関係で本人が安心感を持ち、今後のことを本人が考えられるよ

うになることに留意。在宅生活を想定した機能評価も大切。

・養護者や家族の生活状況が改善しているか、どのような方法であれば高齢者が自宅や自宅以外で

生活が可能か等を検討し、養護者や家族との再統合の可能性について判断する。

・再統合イコール同居ではない。本人の思いを尊重し、本人の人権・権利の擁護から家族関係の再

構築を考え判断していく。

◎措置及び面会制限解除のタイミングと判断の留意点

・措置及び面会制限中は、養護者の今までの行為に対する振り返りをする機会としてとらえる。

・振り返りの内容により、段階的な面会制限の解除、本人の同意を得たうえでの外出や外泊を進め

ていく。選択の中には、自宅へ戻るだけではなく、措置を契約による入所に切り替えることで家

族の関係性を確保することもあり得る。その場合においても、段階的な面会にて十分な把握と個

別ケース会議での組織的判断が必要となる。

≪参考≫ 巻末 様式集

★高齢者虐待対応ケース会議記録・計画書(1)(2)(日本社会福祉士会)

★高齢者虐待対応評価会議記録票(日本社会福祉士会)

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6363

養護者支援 マニュアル p30~31,p34

◎養護者への関わり(支援)

市町村は、養護者に対して相談、指導及び助言を行うとともに、養護者の負担軽減のため、必要

な措置を講ずるとされています(高齢者虐待防止法第6条、14条)。

従って、養護者支援は市町村が中心となって行います。

◎養護者支援のポイント

・高齢者と養護者の利害対立への配慮

・虐待の発生要因と関連する課題への支援

・養護者支援機関へのつなぎ…養護者にも専門的なケアや支援が必要となる場合がある

◎養護者なりの理屈、思いがあります。自分が虐待をしているという意識がない場合もあります。

そのため、今まで行ってきた介護等を振り返る関わりが大切です。

・養護者の課題に合わせた援助チームを検討し、養護者と関係を結んでいけるように働きかける。

・その過程で、現実を直視し自分の世話や介護が不適切である、あったことへ意識を向けていく。

・そのうえで、虐待の再発の有無を含め高齢者との生活環境を検討する。

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虐待の発生予防・再発防止 マニュアルp55~p63

◎虐待事例を振り返り、背景要因を分析し、どうしたら防げたのか考えることが再発防止と新たな

虐待の発生を防ぐことにもつながります。個別の事例を踏まえながら、地域全体に目を向けた仕組

みや取り組みを考えていくことが予防的な対策となります。

◎虐待は、身近なところで誰にでも起きうることと考えます。虐待とはどういうメカニズムによっ

て引き起こされるのかを認識し、ハイリスク要因の解消に向け支援します。

◎関係機関内で高齢者虐待に関する認識を共有し、日頃から連携できる仕組みづくりが大切です。

ネットワーク等の体制整備についてはマニュアルp59~『虐待のない地域を目指して』参照。

◎住民に対しても、早期発見に向け、周りの注意や声かけ、市町村への通報等への認識を高めてい

くことも大切です。

① 虐待発生の要因や背景はなんでしょうか?

平成 27 年度愛知県高齢者虐待対応人材養成研修資料より

②どのような取り組みが地域で実施されると、虐待を未然に防ぐことができるでしょうか?

介護のストレスから虐待につながることも多くあります。介護者が一人で介護を抱え込まないために、

適切な介護サービスの利用促進や気軽に介護相談ができる機会、地域で孤立しない働きかけ等、色々な

取り組みが考えられる。

ア) 本人や家族に対して

・ Zarit 介護負担尺度などを活用し介護者のストレスを見える化する

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6565

・適切な介護や介護への負担軽減に向けた介護者教室の開催

・介護への本音を語ることができる介護者家族の会や認知症家族の会の設置

・過去に虐待や暴力を受けたことがある養護者が介護を行っている場合は、虐待の連鎖のリスク

があるので特に支援が必要。

イ) 地域住民に対して

・広報やリーフレットの作成、研修会等を通し、高齢者虐待の正しい知識を普及啓発し、日頃

から近隣への声かけや見守りの大切さの認識を高める

・早期発見や相談通報しやすいよう、相談窓口の周知と具体的な相談事案の例示

ウ) 関係機関、専門職等に対して

・介護支援専門員や民生委員等との定期的な情報交換会や事例検討を通し虐待対応への流れを

理解してもらうことで、適切な対応に結びつける

・虐待発生と認知症の関連性が高いことからも、認知症への適切な対応や家族支援についての

勉強会、研修会の開催

・虐待の発見対応に関して医療と介護関係者の連携強化

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6666

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6767

あいち介護予防支援センター作成

○高齢者への虐待発見チェックリスト

○事実確認のための打ち合わせシート

○虐待の有無・緊急性の判断シート

○高齢者虐待対応支援計画書

社団法人日本社会福祉士会作成

○相談・通報・届出受付票(総合相談)

○高齢者虐待情報共有・協議票

○事実確認票‐チェックシート

○事実確認項目(サイン)

○アセスメント要約票

○高齢者虐待対応会議記録・計画書(1)(2)~コアメンバー会議用

○高齢者虐待対応ケース会議記録・計画書(1)(2)

○高齢者虐待対応評価会議記録票

様 式 集

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68

《介護等日常生活上の世話の放棄、拒否、怠慢による虐待(自己放任含む)のサイン》

居住部屋、住居が極めて非衛生的になっている、また異臭を放っている。

部屋に衣類やおむつ等が散乱している。

寝具や衣服が汚れたままの場合が多くなる。

汚れたままの下着を身につけるようになる。

かなりのじょくそう(褥創)ができてきている。

身体からかなりの異臭がするようになってきている。

適度な食事を準備されていない。

不自然に空腹を訴える場面が増えてきている。

栄養失調の状態にある。

疾患の症状が明白にもかかわらず、医師の診断を受けていない。

《家族の状況に見られるサイン》

高齢者に対して冷淡な態度や無関心さがみられる。

高齢者の世話や介護に対する拒否的な発言がしばしばみられる。

他人の助言を聞き入れず、不適切な介護方法へのこだわりがみられる。

高齢者の健康や疾患に関心がなく、医師への受診や入院の勧めを拒否する。

高齢者に対して過度に乱暴な口のきき方をする。

経済的に余裕があるように見えるのに、高齢者に対してお金をかけようとしない。

保健、福祉の担当者と会うのを嫌うようになる。

《地域からのサイン》

自宅から高齢者本人や介護者・家族の怒鳴り声や悲鳴、物が投げられる音が聞こ

える。

昼間でも雨戸が閉まっている。

庭や家屋の手入れがされていない、または放置の様相(草が生い茂る、壁のペン

キがはげている、ゴミが捨てられている)を示している

郵便受けや玄関先等が、1週間前の手紙や新聞で一杯になっていたり、電気メー

ターがまわっていない。

電気、ガス、水道が止められていたり、新聞、テレビの受信料、家賃等の支払い

を滞納している。

気候や天気が悪くても、高齢者が長時間外にいる姿がしばしばみられる。

家族と同居している高齢者が、コンビニやスーパー等で、一人分のお弁当等を頻

繁に買っている。

近所づきあいがなく、訪問しても高齢者に会えない、または嫌がられる。

配食サービス等の食事がとられていない。

薬や届けた物が放置されている。

道路に座り込んでいたり、徘徊している。

《その他のサイン》

通常の生活行動に不自然な変化がみられる。

体重が不自然に増えたり、減ったりする。

ものごとや自分の周囲に関して、極度に無関心になる。

睡眠障害がみられる。

出展:愛知県高齢者虐待対応マニュアル総論編

高齢者への虐待発見チェックリスト

☆ 虐待が疑われる場合の高齢者の発する『サイン』として、以下のものがあります。複数

のものにあてはまると、疑いの度合いはより濃くなってきます。これらは例示ですので、

この他にも様々な『サイン』があることを認識しておく必要があります。

《身体的暴力による虐待サイン》

チェック欄 サイン例

身体に小さなキズが頻繁にみられる。

太腿の内側や上腕部の内側、背中等にキズやみみずばれがみられる。

回復状態が様々な段階のキズ、あざ等がある。

頭、顔、頭皮等にキズがある。

臀部や手のひら、背中等に火傷や火傷跡がある。

急におびえたり、恐ろしがったりする。

「怖いから家にいたくない」等の訴えがある。

キズやあざの説明のつじつまが合わない。

主治医や保健、福祉の担当者に話すことや援助を受けることに躊躇する。

主治医や保健、福祉の担当者に話す内容が変化し、つじつまがあわない。

《心理的障害を与える虐待のサイン》

かきむしり、噛み付き、ゆすり等がみられる。

不規則な睡眠(悪夢、眠ることへの恐怖、過度の睡眠等)を訴える。

身体を萎縮させる。

おびえる、わめく、泣く、叫ぶなどの症状がみられる。

食欲の変化が激しく、摂食障害(過食、拒食)がみられる。

自傷行為がみられる。

無力感、あきらめ、投げやりな様子になる。

《性的暴力による虐待のサイン》

不自然な歩行や座位を保つことが困難になる。

肛門や性器からの出血やキズがみられる。

生殖器の痛み、かゆみを訴える。

急に怯えたり、恐ろしがったりする。

ひと目を避けるようになり、多くの時間を一人で過ごすことが増える。

主治医や保健、福祉の担当者に話すことや援助を受けることに躊躇する。

主治医や保健、福祉の担当者に話す内容が変化し、つじつまが合わない。

睡眠障害がある。

《経済的虐待のサイン》

年金や財産収入等があることは明白なのにもかかわらず、お金がないと訴える。

自由に使えるお金がないと訴える。

経済的に困っていないのに、利用負担のあるサービスを利用したがらない。

お金があるのにサービスの利用料や生活費の支払いができない。

資産の保有状況と衣食住等生活状況との落差が激しくなる。

預貯金が知らないうちに引き出された、通帳がとられたと訴える。

Page 71: 愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック愛知県高齢者虐待対応 演習ワークブック ~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

69

《介護等日常生活上の世話の放棄、拒否、怠慢による虐待(自己放任含む)のサイン》

居住部屋、住居が極めて非衛生的になっている、また異臭を放っている。

部屋に衣類やおむつ等が散乱している。

寝具や衣服が汚れたままの場合が多くなる。

汚れたままの下着を身につけるようになる。

かなりのじょくそう(褥創)ができてきている。

身体からかなりの異臭がするようになってきている。

適度な食事を準備されていない。

不自然に空腹を訴える場面が増えてきている。

栄養失調の状態にある。

疾患の症状が明白にもかかわらず、医師の診断を受けていない。

《家族の状況に見られるサイン》

高齢者に対して冷淡な態度や無関心さがみられる。

高齢者の世話や介護に対する拒否的な発言がしばしばみられる。

他人の助言を聞き入れず、不適切な介護方法へのこだわりがみられる。

高齢者の健康や疾患に関心がなく、医師への受診や入院の勧めを拒否する。

高齢者に対して過度に乱暴な口のきき方をする。

経済的に余裕があるように見えるのに、高齢者に対してお金をかけようとしない。

保健、福祉の担当者と会うのを嫌うようになる。

《地域からのサイン》

自宅から高齢者本人や介護者・家族の怒鳴り声や悲鳴、物が投げられる音が聞こ

える。

昼間でも雨戸が閉まっている。

庭や家屋の手入れがされていない、または放置の様相(草が生い茂る、壁のペン

キがはげている、ゴミが捨てられている)を示している

郵便受けや玄関先等が、1週間前の手紙や新聞で一杯になっていたり、電気メー

ターがまわっていない。

電気、ガス、水道が止められていたり、新聞、テレビの受信料、家賃等の支払い

を滞納している。

気候や天気が悪くても、高齢者が長時間外にいる姿がしばしばみられる。

家族と同居している高齢者が、コンビニやスーパー等で、一人分のお弁当等を頻

繁に買っている。

近所づきあいがなく、訪問しても高齢者に会えない、または嫌がられる。

配食サービス等の食事がとられていない。

薬や届けた物が放置されている。

道路に座り込んでいたり、徘徊している。

《その他のサイン》

通常の生活行動に不自然な変化がみられる。

体重が不自然に増えたり、減ったりする。

ものごとや自分の周囲に関して、極度に無関心になる。

睡眠障害がみられる。

出展:愛知県高齢者虐待対応マニュアル総論編

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70

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71

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72

 計

画書

作成

者 

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:社

団法

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本社

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齢者

虐待

対応

ソー

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ル実

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イド

具体

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役割

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73

  年  月  日  時 分~  時 分 対応者: 所属機関:

□電話 □来所 □その他(    )

□本人  □家族親族(同居・別居)続柄:    □近隣住民・知人 □民生委員

□地域包括支援センター □在宅介護支援センター □介護支援専門員 □介護保険サービス事業所

□医療機関       □警察         □その他(          )

【本人の状況】

□明治□大正□昭和  年  月  日

住民票登録住所 □同左 □異

電話: その他連絡先: (続柄:    )

□自宅  □病院(        ) □施設(         ) □その他(        )

□非該当 □要支援( ) □要介護( ) □申請中( 月 日) □未申請 □申請予定

□あり(               )□なし

□あり(               )□なし

□一般(     ) □認知症(     ) □精神疾患(     ) □難病(     )

□無 □有(等級:  種別:    )

生活保護受給(□なし □あり)

【本人の意向など】※生活歴、キーパーソン、関係機関などわかる範囲で書き込む

【世帯構成】 【介護者の状況】

家族状況(ジェノグラム) 歳

□配偶者   □息子  □娘   □息子の配偶者 

□娘の配偶者 □実兄弟 □実姉妹 □義兄弟  

□義姉妹   □孫   □その他(       )

□同上

【主訴・相談の概要】

 □家から怒鳴り声や泣き声が聞こえたり、大きな物音がする〔疑い〕

 □暑い日や寒い日、雨の日なのに高齢者が長時間外にいる〔疑い〕

 □介護が必要なのに、サービスを利用している様子がない〔疑い〕

 □高齢者の服が汚れていたり、お風呂に入っている様子がない〔疑い〕

 □あざや傷がある〔疑い〕

 □問いかけに反応がない、無表情、怯えている〔疑い〕

 □食事をきちんと食べていない〔疑い〕

 □年金などお金の管理ができていない〔疑い〕

 □養護者の態度(                                           )

 □その他(具体的内容を記載)

 相談者(通報・届出者)は □実際に目撃した  □怒鳴り声や泣き声、物音等を聞いて推測した

              □本人から聞いた  □関係者(         )から聞いた

【今後の対応】

 □相談終了: □聞き取りのみ □情報提供・助言 □他機関への取次・斡旋(機関名:            ) □その他(               )

 □相談継続: □権利擁護対応(虐待対応を除く) □包括的継続的ケアマネジメント支援 □高齢者虐待  □その他(               )

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都国分寺市作成様式を参考に作成)

相談・通報・届出受付票(総合相談)

受付方法

電話番号

氏名

住所または所属機関名

相談年月日

職業

障害手帳

介護支援専門員

虐待の可能性

連絡先

その他特記事項

相談内容

電話番号

居宅介護支援事業所

本人との関係

年齢性別

氏名 年齢

続柄

 備考(                                                                                  )

相談者(通報者)

情報源

生年月日 歳

居 所

氏 名

現住所

経済状況

介護認定

利用サービス介護保険

主疾患

身体状況

介護保険外

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74

【虐待の可能性(通報段階)】

 □身体的虐待の疑い □放棄・放任の疑い □心理的虐待の疑い □性的虐待の疑い □経済的虐待の疑い

 □虐待とは言い切れないが不適切な状況(                           )

【情報収集依頼項目】

 □住民票       □その他(                      )

 □生活保護の受給   □障害者手帳の有無(身・知・精)□障害福祉サービス利用状況   □

 □主治医・医療機関  □保健所・保健センターの関与  □他機関(          )の関与

 □(                     )   □(                     )

※情報収集依頼によって得られた情報は、アセスメント要約票へ集約し整理する

【事実確認の方法と役割分担】

 ※訪問時の状況や聞き取りした内容を「事実確認票」へ記載

     年  月  日  時迄 ※48時間以内のコアメンバー会議開催を踏まえて設定する

※事実確認の方法と役割分担に関する協議が終わったら「事実確認」へ

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都国分寺市作成様式を参考に作成)

 □課税状況      □国民年金           □障害年金         □国民健康保険納付状況

面接調査

  協 議 者:                       協議方法(電話 訪問 その他)

□関係者・関係機関1(             担当:      )事実確認の

方法

 養護者:□自宅訪問 □来所 □その他の場所(       ) 面接者(    ,   )

  協議日時:    年   月   日   時   分  

□関係者・関係機関2(             担当:      )

世帯構成

  依頼日時:    年   月   日   時   分  

  依 頼 先:                       依頼方法(電話 訪問 その他)

事実確認期限

その他

事実確認中に予測されるリスクと対応方法

 高齢者:□自宅訪問 □来所 □その他の場所(       ) 面接者(    ,   )

□ケース会議等   (            担当:       )

関係者からの聞き取り

□関係者・関係機関3(             担当:      )

高齢者虐待情報共有・協議票

関係機関等

福祉サービス等

虐待の可能性(通報段階)

 □後期高齢者医療制度保険料納付状況          □水道料金滞納状況     □公営住宅家賃滞納状況経済状況

介護保険  □介護認定の有無   □担当居宅介護支援事業所    □介護保険料所得段階    □介護保険料納付状況

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75

確認者: 確認日時:  年  月  日  時 ~  年  月  日  時

□男 □女 年齢 歳

 □居宅 □来所(□行政 □地域包括支援センター) □その他(      )

確認時の同席者の有無  □無  □有(氏名:            )

【本人】

【養護者】

【第三者】:(         )

 1.虐待が始まったと思われる時期:     年    月頃

 2.虐待が発生する頻度:

 3.虐待が発生するきっかけ:

 4.虐待が発生しやすい時間帯:

※裏面の事実確認項目(サイン)を利用して事実確認を行う。

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都健康長寿医療センター研究所作成様式を参考に作成)

事実確認票-チェックシート

性別

発言内容や状態・行動・態度など(見聞きしたことをそのまま記入)

 虐待の全体的状況

発生状況

   年  月  日生高齢者本人氏名

確認場所

生年月日

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76

※1:「通」:通報があった内容に○をつける。「確認日」:行政および地域包括支援センター職員が確認した日付を記入。※2:「確認項目」の列の太字で下線の項目(例「外傷等」)が確認された場合は、『緊急保護の検討』が必要。

通 確認項目 サイン;当てはまるものがあれば○で囲み、他に気になる点があれば(  )に簡単に記入

確認方法(番号に○印またはチェック)確認者(カッコ内に「誰が」、「誰(何)から」を記入)

1.写真、2.目視、3.記録、4.聴き取り、 5.その他

頭部外傷(血腫、骨折等の疑い)、腹部外傷、重度の褥そう、その他(  )

部位:           大きさ:                

全身状態・意識レベル 全身衰弱、意識混濁、その他(           )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

脱水症状 重い脱水症状、脱水症状の繰り返し、軽い脱水症状、その他(       )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

栄養状態等 栄養失調、低栄養・低血糖の疑い、その他(           )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

身体に複数のあざ、頻繁なあざ、やけど、刺し傷、打撲痕・腫張、その他(   )

部位:           大きさ:        色:        

体重の増減 急な体重の減少、やせすぎ、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

出血や傷の有無 生殖器等の傷、出血、かゆみの訴え、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

衣服・寝具の清潔さ 着の身着のまま、濡れたままの下着、汚れたままのシーツ、その他(         1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

身体の清潔さ 身体の異臭、汚れのひどい髪、皮膚の潰瘍、のび放題の爪、その他(       1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

適切な食事菓子パンのみの食事、余所ではガツガツ食べる、拒食や過食が見られる、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

適切な睡眠 不眠の訴え、不規則な睡眠、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

行為の制限自由に外出できない、自由に家族以外の人と話すことができない、長時間家の外に出されている、その他(    )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

不自然な状況資産と日常生活の大きな落差、食べる物にも困っている、年金通帳・預貯金通帳がない、その他(      )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

住環境の適切さ 異臭がする、極度に乱雑、ベタベタした感じ、暖房の欠如、その他(        1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

恐怖や不安の訴え 「怖い」「痛い」「怒られる」「殴られる」などの発言、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

保護の訴え「殺される」「○○が怖い」「何も食べていない」「家にいたくない」「帰りたくない」などの発言、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

強い自殺念慮 「死にたい」などの発言、自分を否定的に話す、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

あざや傷の説明 つじつまが合わない、求めても説明しない、隠そうとする、その他(         1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

金銭の訴え「お金をとられた」「年金が入ってこない」「貯金がなくなった」などの発言、その他(    )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

性的事柄の訴え 「生殖器の写真を撮られた」などの発言、その他(          )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

話のためらい 関係者に話すことをためらう、話す内容が変化、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

おびえ、不安 おびえた表情、急に不安がる、怖がる、人目を避けたがる、その他(        1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

無気力さ 無気力な表情、問いかけに無反応、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

態度の変化家族のいる場面いない場面で態度が異なる、なげやりな態度、急な態度の変化、その他(        )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

適切な医療の受診 家族が受診を拒否、受診を勧めても行った気配がない、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

適切な服薬の管理本人が処方されていない薬を服用、処方された薬を適切に服薬できていない、その他(          )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

入退院の状況 入退院の繰り返し、救急搬送の繰り返し、その他(           )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

適切な介護等サービス必要であるが未利用、勧めても無視あるいは拒否、必要量が極端に不足、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

支援のためらい・拒否 援助を受けたがらない、新たなサービスは拒否、その他(          )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

費用負担サービス利用負担が突然払えなくなる、サービス利用をためらう、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

支援者への発言「何をするかわからない」「殺してしまうかもしれない」等の訴えがある、その他(          )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

保護の訴え 虐待者が高齢者の保護を求めている、その他(             )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

暴力、脅し等 刃物、ビンなど凶器を使った暴力や脅しがある、その他(             )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

高齢者に対する態度 冷淡、横柄、無関心、支配的、攻撃的、拒否的、その他(         )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

高齢者への発言「早く死んでしまえ」など否定的な発言、コミュニケーションをとろうとしない、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

支援者に対する態度援助の専門家と会うのを避ける、話したがらない、拒否的、専門家に責任転嫁、その他(         )

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

精神状態・判断能力 虐待者の精神的不安定・判断力低下、非現実的な認識、その他(       )1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

その他1、2、3、4、5

(      )が(     )から確認した

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都健康長寿医療センター研究所作成様式を参考に作成)

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

身体の状態・けが等

養護者の態度等

サー

ビスなどの利用状況

話の内容

1、2、3、4、5(      )が(     )から確認した

事実確認項目(サイン)

外傷等

あざや傷

表情・態度

生活の状況

確認日

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77

対応計画    回目用

Ⅰ.高齢者本人の情報  面接担当者氏名:

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都健康長寿医療センター研究所作成様式を参考に作成)

 1ヶ月に本人が使える金額    万円

高齢者本人の希望

【生活状況】

食  事(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)調  理(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)移  動(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)買  物(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)掃除洗濯(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)入  浴(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)排  泄(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)服薬管理(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)預貯金年金の管理(□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)医療機関の受診 (□一人で可 □一部介助 □全介助 □不明)

【その他特記事項】

【エコマップ】

 疾病・傷病 :

 【健康状態等】

既往歴:

虐待発生リスク

同別居の状況: □同居  □別居

 居所:  □自宅 □入所・院

養護者氏名:

 意思疎通:□可能  □特定条件のもとであれば可能(        ) □困難  □不明 話の内容:□一貫している   □変化する) 生活意欲:□意欲や気力が低下しているおそれ(無気力、無反応、おびえ、話をためらう、人目を避ける、等)

居所・今後の生活の希望

性格上の傾向、こだわり、

対人関係等

高齢者の状態

アセスメント要約票

 居所の希望:□在宅  □入所  □不明   /  分離希望: □有  □無  □不明

高齢者本人氏名: 性別・年齢: □男 □女     歳

性別・年齢: □男 □女     歳  高齢者本人との関係:

 金銭管理 :□自立  □一部介助(判断可) □全介助(判断不可) □不明

アセスメント要約日:     年     月     日 要約担当者:

 受診状況:                    服薬状況(種類): 

 受診状況:                    服薬状況(種類): 

 金銭管理者:□本人  □その他(          )

 要介護認定 : □非該当  □要支援(  ) □要介護(  ) □申請中(申請日:  年  月  日) □未申請

  避難先・退避先   :□助けを求める場所がある(     )  □ない

【成年後見制度の利用】

  成年後見人等:□あり(後見人等:     ) □申立中(申立人:    /申立年月日:    ) □なし

 具体的な状況(生活費や借金等):

 収入額 月   万円(内訳:    )  預貯金等   万円    借金   万円

 診断の必要性: □内科 □精神科 □外科 □整形外科 □その他(         ) 具体的症状等⇒

  □生活保護受給  □介護保険料滞納  □国民健康保険料滞納  □後期高齢者医療制度保険料滞納  □その他(           )

【経済情報】

  □介護保険  □自立支援法   □その他(                             )

【危機への対処】

  危機対処場面において:□自ら助けを求めることができる  □助けを求めることが困難

【各種制度利用】

 精神状態  : □認知症(□診断あり □疑い) □うつ病(□診断あり □疑い)  □その他(        )

 障害    : □身体障害 □精神障害(□あり □疑い) □知的障害(□あり □疑い)  

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78

  □借金トラブルがある □被虐待高齢者の年金に生活費を依存

社団法人日本社会福祉士会 作成 VerⅡ-2(出典:東京都健康長寿医療センター研究所作成様式を参考に作成)

既往歴:

  □良好(     )  □挨拶程度  □悪い  □関わりなし  □不明 

Ⅲ.家族関係(家族歴、家族の抱える問題、家族の中の意思決定者、問題が起こったときの対処方法等)

  平均睡眠時間:およそ   時間

  1日の介護時間:□ほぼ1日中  □必要時のみ  □不明

【介護負担】

【就労状況】

  □就労(就労曜日  ~   就労時間  時~  時)、雇用形態(□正規、□非正規)  □非就労  □不明

  受診状況:                     服薬状況(種類): 

  介護期間(いつから始まったか、負担が大きくなった時期やきっかけ、最近の生活行動の変化など)※期間と負担原因を明確に

  収入額 月   万円(内訳:    )  預貯金等   万円   借金   万円

Ⅱ.養護者の情報  面接担当者氏名:

  診断の必要性: □内科 □精神科 □外科 □整形外科 □その他(         )  具体的症状等⇒

  性格的な偏り:

  受診状況:                     服薬状況(種類): 

【養護者の希望】 居所の希望:□在宅  □入所  □不明   /  分離希望: □有  □無  □不明

【健康状態等】

  疾病・傷病:

【近隣との関係】

  被虐待高齢者に対する介護意欲: □あり □なし □不明   介護技術・知識: □高い □低い □不明 

【経済状況】

介護の代替者 : □あり □なし □不明 

  □生活保護受給  □介護保険料滞納  □国民健康保険料滞納  □後期高齢者医療制度保険料滞納  □その他(           )

〔全体のまとめ〕:Ⅰ~Ⅳで抽出された虐待発生の要因の結果を踏まえて、分析、課題を整理する。           ※計画書(1)の「総合的な対応方針」、計画書(2)の「対応困難な課題/今後検討しなければいけない事項」に反映するⅠ.高齢者本人

Ⅱ.養護者

Ⅲ.家族関係(家族歴、家族の抱える問題、家族の中の意思決定者、問題が起こったときの対処方法等)

Ⅳ.その他(近隣・地域住民等との関係、地域の社会資源、 関係者・関係機関の関わり等)

Ⅴ.今後の課題

Ⅳ.その他(近隣・地域住民等との関係、地域の社会資源、関係者・関係機関との関わり等)

※計画書(1)の「関連機関等連携マップ」で集約する

※計画書(1)の「関連機関等連携マップ」で集約する

  障害    : □身体障害 □精神障害(□あり □疑い) □知的障害(□あり □疑い)  

虐待発生リスク

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79

課 

長係

 長

担当

出席

□虐

待の

事実

なし

  

  

 □

判断

でき

□虐

待の

事実

あり

□緊

急性

なし

  

  

  

 □

判断

でき

ず 

  

□緊

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あり

  

  

□入

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重篤

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衰弱

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齢者

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常的

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 □

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 □

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□認

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対応

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同生

活介

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□小

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多機

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介護

  

  

  

□養

護老

人ホ

ーム

  

  

  

□特

別養

護老

人ホ

ーム

  

 □

  

 □

検討

中(

理由

: 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

□成

年後

見制

度ま

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日常

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自立

支援

事業

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□経

済的

支援

(生

活保

護相

談・

申請

/各

種減

免手

続き

等)

( 

  

  

□そ

の他

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

社団

法人

日本

社会

福祉

士会

作成

 V

erⅡ

-2(出

典:東

京都

健康

長寿

医療

セン

ター

研究

所「支

援計

画書

(第2版

)」を

参考

に作

成)

対応

の内

高齢者虐待対応会議記録・計画書(1)~コアメンバー会議用

緊急

性の

判断

総合

的な

対応

方針

※「ア

セス

メン

ト要

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体の

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緊急

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判断

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裁 

欄(例

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

高齢

者本

人の

意見

・希

計画

作成

者氏

計画

作成

者所

属 

  

  

  

  

  

  

  

  

地域

包括

支援

セン

ター

第1

初回

計画

作成

日 

  

 年

  

  

月 

  

 日

会議

日時

: 

  

 年

  

 月

  

 日

  

 時

  

分~

  

 時

  

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

虐待

事実

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高齢

者本

人氏

名  

   

  

 

  

  

 殿

会議

目的

虐待

事実

の判

断 

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□放

棄・放

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虐待

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虐待

 □

経済

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□そ

の他

養護

者の

意見

・希

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80

課 

長係

 長

担当

 ※

記入

欄が

足り

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場合

は、

様式

を追

加し

て記

社団

法人

日本

社会

福祉

士会

作成

 V

erⅡ

-2(出

典:東

京都

健康

長寿

医療

セン

ター

研究

所「支

援計

画書

(第3版

)」、

新潟

県三

条市

作成

様式

を参

考に

作成

第2

表高齢者虐待対応会議記録・計画書(2)~コアメンバー会議用

対象

優先

順位

目標

対応

方法

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何を

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課題

高 齢 者

実施

日時

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評価

養 護 者 関 係 者そ の 他 の 家 族

計画

評価

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日 

  

  

  

年 

  

  

月 

  

  

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今後

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81

課 

長係

 長

担当

出席

社団

法人

日本

社会

福祉

士会

作成

 V

erⅡ

-2(出

典:東

京都

健康

長寿

医療

セン

ター

研究

所「支

援計

画書

(第2版

)」を

参考

に作

成)

決 

裁 

欄(例

会議

日時

: 

  

 年

  

 月

  

 日

  

 時

  

分~

  

 時

  

計画

作成

段階

  

  

 見

直し

  

 措

置解

除 

  

虐待

終結

計画

作成

日 

  

 年

  

  

月 

  

 日

計画

の作

成回

数: 

  

 回

目 

(初

回計

画作

成日

  

  

年 

  

月 

  

日)

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

高齢

者虐

待対

応ケース会

議記

録・計

画書

(1)

関連

機関

等連

携マ

ップ

高齢

者本

人の

意見

・希

※「ア

セス

メン

ト要

約票

」の

Ⅲ、

Ⅳを

集約

する

養護

者の

意見

・希

総合

的な

対応

方針

※「ア

セス

メン

ト要

約票

」全

体の

まと

めよ

※支

援の

必要

性 

 □

あり

  

 □

なし

  

□不

会議

目的第

1表

計画

作成

者氏

高齢

者本

人氏

名  

   

  

 

  

  

 殿

計画

作成

者所

属 

  

  

  

  

  

  

  

  

地域

包括

支援

セン

ター

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82

課 

長係

 長

担当

 ※

記入

欄が

足り

ない

場合

は、

様式

を追

加し

て記

入社

団法

人日

本社

会福

祉士

会 作

成 

Ver

Ⅱ-2(出

典:東

京都

健康

長寿

医療

セン

ター

研究

所「支

援計

画書

(第2版

)」、

新潟

県三

条市

作成

様式

を参

考に

作成

決 

裁 

欄(例

計画

評価

予定

日 

  

  

  

年 

  

  

月 

  

  

関 係 者

対応

が困

難な

課題

/今

後検

討し

なけ

れば

なら

ない

事項

など

(虐

待終

結に

向け

た課

題等

を記

載)

養 護 者対象

高 齢 者

優先

順位

そ の 他 の 家 族

実施

日時

・期

間/

評価

高齢

者虐

待対

応ケース会

議記

録・計

画書

(2)

第2

課題

対応

方法

(具

体的

な役

割分

担)

何を

・ど

のよ

うに

関係

機関

・担

当者

等目

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83

課 

長係

 長

担当

出席

判定

社団

法人

日本

社会

福祉

士会

作成

 V

erⅡ

-2(出

典:東

京都

健康

長寿

医療

セン

ター

研究

所「支

援計

画書

(第2版

)」を

参考

に作

成)

会議

目的

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

所属

: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

名所

属: 

  

  

  

 氏

目標

及び

対応

方法

の評

価目

標及

び対

応方

法に

変更

の場

合、

( 

 )内

に記

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

 4

.そ

の他

(  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

)

  

3.

その

他( 

  

  

  

  

  

  

  

  

 )

今後

の対

  

2.

包括

的・継

続的

ケア

マネ

ジメ

ント支

援に

移行

 1

.虐

待対

応の

終結

 2

.現

在の

虐待

対応

計画

内容

に基

づき

、対

応を

継続

 3

.ア

セス

メン

ト、

虐待

対応

計画

の見

直し

  

1.

権利

擁護

対応

(虐

待対

応を

除く

)に

移行

新た

な対

応計

画の

必要

性評

価結

果の

まと

め( 

  

 年

  

 月

  

 日

現在

の状

況)

養護

者の

状況

(意見

・希

望)

 5.

経済

的虐

 養

護者

支援

の必

要性

  

□あ

り 

 □

なし

高齢

者本

人の

状況

(意見

・希

望)

 6.

その

 3.

心理

的虐

 4.

性的

虐待

虐待

発生

のリス

ク状

虐待

種別

 1.

身体

的虐

 2.

放棄

・放

□□ □□

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

計画

作成

者氏

名会

議日

時: 

  

 年

  

 月

  

 日

  

 時

  

分~

  

 時

  

□目

標達

成 

□目

標の

継続

  

□対

応方

法の

継続

  

  

  

□目

標の

変更

  

□対

応方

法の

変更

( 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

課題

番号

目標

実施

状況

(誰

がど

のよ

うに

取り

組ん

だか

)計

画通

りの

役割

分担

・対

応方

法を

実施

した

場合

には

、□

にチ

ェッ

ク確

認し

た事

実と

日付

高齢者虐待対応評価会議記録票

決 

裁 

欄(例

高齢

者本

人氏

  

  

 

  

  

  

殿

計画

作成

者所

属 

  

  

  

  

  

  

  

  

地域

包括

支援

セン

ター

計画

評価

: 

  

回目

記入

年月

日 

  

  年

  

 月

  

 日

【判

定欄

に該

当番

号を

記入

1.

虐待

が発

生し

てい

2.

虐待

の疑

いが

ある

3.

一時

的に

解消

(再

発の

可能

が残

る)

4.

虐待

は解

消し

5.

虐待

は確

認さ

れて

いな

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84

・社団法人日本社会福祉士会『市町村・地域包括支援センター・都道府県のための養護者に

よる高齢者虐待対応の手引き』中央法規出版 2012 年

・日本弁護士連合会高齢者・障害者の権利に関する委員会編『高齢者虐待防止法 活用ハン

ドブック第2版』民事法研究会 2014 年

・あいち介護予防支援センター ホームページ(刊行物)

http://www.ahv.pref.aichi.jp/kaigo/kankoubutu.html

・社団法人 日本社会福祉士会 ホームページ

http://www.jacsw.or.jp/01_csw/07_josei/2008/chohyo.html

参 考 資 料

帳票・マニュアルのダウンロード

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愛知県高齢者虐待対応演習ワークブック~通報から分離・措置及び終結までを学び、虐待予防について考える~

製作・発行 あいち介護予防支援センター

〒470-2101 愛知県知多郡東浦町大字森岡源吾山 1-1

電話 0562-84-1177 FAX 0562-84-1660

E-mail [email protected]

協 力 塚本鋭裕(デイパーク大府/愛知県社会福祉士会高齢者・障害者虐待対応委員会委員長)

石川敦男(実法(みのり)法律事務所)

小林 哲朗(名城病院医療福祉相談部/愛知県医療ソーシャルワーカー協会副会長)

神野 拓郎(豊橋市中央地域包括支援センター)

発行年月 平成28年3月

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