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平成 29年度 研究集録 研究主題 自分の思いを豊かに表現する図画工作科の指導 ~題材の教材化や資料・発問の工夫を通して~ 福岡市立小学校図画工作科研究委員会

研究集録...平成29年度 研究のまとめ 項目・内容 ページ はじめに 目 次 Ⅰ 研究の基本的な考え方 1 主題設定の理由 1 2 主題の意味 2 3 研究の目標

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Page 1: 研究集録...平成29年度 研究のまとめ 項目・内容 ページ はじめに 目 次 Ⅰ 研究の基本的な考え方 1 主題設定の理由 1 2 主題の意味 2 3 研究の目標

平成 29年度

研究集録

研究主題

自分の思いを豊かに表現する図画工作科の指導

~題材の教材化や資料・発問の工夫を通して~

福岡市立小学校図画工作科研究委員会

Page 2: 研究集録...平成29年度 研究のまとめ 項目・内容 ページ はじめに 目 次 Ⅰ 研究の基本的な考え方 1 主題設定の理由 1 2 主題の意味 2 3 研究の目標

平成29年度 研究のまとめ

項目・内容 ページ

はじめに

目 次

Ⅰ 研究の基本的な考え方

1 主題設定の理由 1

2 主題の意味 2

3 研究の目標 2

4 研究の仮説と内容 2

5 研究の実際 3,4

Ⅱ 研究の実際

1 第6学年の指導の実際と考察(東部) 5 ~10

2 第6学年の指導の実際と考察(中部) 11~18

3 第3学年の指導の実際と考察(西部) 19~27

Ⅲ ・全体考察 28

・研究同人 29

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平成29年度 図画工作科研究委員会

平成29年度 研究主題自分の思いを豊かに表現する図画工作科の指導~工作・立体における題材の出合いを大切にした教材化と

資料や発問の工夫を通して~

1 主題設定の理由

○ 昨年度の成果と課題から

・ 「資料の内容や提示の工夫」については,発想させるためには,文を穴埋めにし

たり,視覚資料だけではなく,音や動作化などを取り入れたりするなど複合的な要

素を組み合わせることで,子ども達が題材への期待感を高め,イメージをふくらま

せることができることがわかった。

資料を,気付かせたい要素に絞ったシンプルなものにし,視覚的にとらえやすい

ように色や形を工夫した。視覚的にとらえさせるだけではなく,子ども達の思いに

沿うように,資料を操作させることで,その効果を実感させることもできた。

しかし,題材から想定される課題と資料の関連,教えることと学ばせることの観

点から,どんな資料をどんなタイミングで出すのかを吟味していくことなど課題も

見られる。

・ 「提示資料と関連した発問の工夫」については,自分の表したい思いとつなげな

がら資料を見ることができるように,子ども達の思いを図工ノートや対話から把握

し,その思いを引き出すことができる様な発問を工夫した。また,自分の思いを確

認させてから,資料を提示し発問を工夫していくことで,自分の表現にどういかせ

ばいいのか子どもたちに考えさせることができ,子どもたちが資料を自分の表現活

動に有効に活用することができていた。

・ 「言葉かけの工夫」については,全体への発問や個に応じた言葉かけを「どのよ

うな目的でどのような方法で」していくかを明らかにしていった。また,子どもた

ち一人一人の思いや子どもたちに寄り添いながら,子ども達の無自覚な行動が価値

づけられ,子ども達も自分の表現を再認識し自覚していけるような教師の問いかけ

や言葉かけを工夫していった。子どもがもっているよさを引き出すために,子ども

がつくっている作品の中からよさを教師が見つけ,「ここ素敵だね。どういう風に

したの。」などと技法を確認するような問いかけをしたたり,「この表現,色を重

ねているから深い感じがするね。」などと表現の工夫がもたらしている効果などを

子どもに伝えることで,他の所にもよさをいかしていけるようになった。しかし,

まだまだ奥が深く,困っているときや自信をもって表現しているときの見極めや,

学級全体へも表現方法を広げるような言葉かけも今後の課題であると考える。

2 主題の意味

(1)「自分の思い」とは

自分の「表したいこと」である。自分の夢や願い,経験や見たこと,伝えたいこと,動くものな

どの児童が表したいと思うことである。低学年において表したいことは,自分の感じたことや想像

したことが中心になるが,中学年から高学年になるにつれて,見たことや伝えたいことなどに広が

る。

-1-

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(2)「豊かに表現する」とは

発想,構想段階では,感じたこと想像したことなどから自分の表したいことを見つけ,それを自

分の思いや用途などを考え合わせながら,色を選んだり,形をつくったり,計画を立てたりするこ

とを示す。表現段階では,発想,構想したことを実現するために,材料や用具の特徴を生かして使

うとともに,様々な表し方を工夫するなどの創造的な技能を働かせることを示す。

3 研究の目標

自分の思いを豊かに表現させるために,題材や資料・発問の工夫を明らかにしていく。

4 研究の仮説と内容

(1)研究の仮説

立体・工作に表す学習において,題材の工夫や,提示する資料,全体あるいは個に応じた発問の工夫

を行えば,自分の思いを豊かに表現していくことができるであろう。

(2)研究の内容

◯ 題材の工夫

教科書の題材をそのまま指導するのではなく,この題材でどんな力を身につけていくの

か,子どもが主体的に表現していくためには,どんな出合わせ方をすればいいかなど指導

者側がその題材について深く研究していく。

※育てたい基礎・基本,題材との出合わせ方,流し方(組み立て)をこんな風に工夫

○ 資料の内容や提示の工夫

まずは,この題材で「どのような力を身につけさせたいか」を明確にし,そのために,「どの

ような資料をどのように提

示したらよいか」明らかにしていく。また,以下のような場面での「資料の吟味」や「資料の提

示方法」「資料の量や出すタイミング」等についても明らかにする。

・児童の意欲を喚起する資料 ・表現の思いを発現させる資料

・課題を明確にさせる資料 ・表現の問題点や課題を明らかにさせる資料

・基礎,基本を習得させる資料 ・問題点の解決や課題の達成に活かされる資料 など

○ 提示資料と関連した発問の工夫

上記のような提示資料から,児童が,思いを掘り起こしたり,描きたいものを思いついたりと

いった感受・発想を促すための発問の目的と方法を明らかにする。

○ 発問の工夫

全体への発問や個に応じた言葉かけを「どのような目的で,どのような方法で」と,自分の

思いを豊かに表現していくことができるのかを明らかにする。

目 的 方 法

・児童の意欲を喚起させるために

・安心させるために

・自信をもたせるために

・表現方法を広げさせるために

・悩みを解消させるために など

・児童にたずねながら,児童から引き出すような

・受容していくような(大切にしたいことに沿って)

・児童が,自分の思いに立ち返るような

・児童の思いに寄り添うような

・直接,活動を促すような など

-2-

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5 研究の実際

期 日 会 場 内 容

5月22日(月)

15:00~17:00

教育センター

〔全員参加〕

○ 研究委員会総会

全体会…委員長,副委員長,担当主事の紹介

研究の方向性,内容について

分散会…研究委員紹介,研究の方向性

研究組織づくりと年間計画

6月5日(月)

15:00~17:00

教育センター

〔全員参加〕

○ 研究組織の確認

○ 研究主題・副主題の提案

○ 各部の研究計画作成

○ 各部全研提案授業題材検討

7月3日(月)

15:00~17:00

教育センター

〔全員参加〕

○本年度の研究内容について

○各部の授業づくり

7月31日(金)

14:00~17:00

三筑小学校

〔中部地区〕

○中部授業研(全研)の指導案審議

○実技研修及び教材研修

8月1日(火)

13:30~17:00

照葉小学校

〔東部地区〕

○東部授業研(全研)の指導案審議

○実技研修及び教材研修

8月7日(月)

9:00~17:00

百道浜小学校

〔西部地区〕

○西部授業研(全研)の指導案審議

○実技研修及び教材研修

8月8日(月)

9:00~17:00

三筑小学校

〔中部地区〕

○中部授業研(全研)の指導案審議

○実技研修及び教材研修

8月17日(木)

9:00~12:00

照葉小学校

〔東部地区〕

○東部授業研(全研)の指導案審議

○実技研修及び教材研修

8月25日(金)

14:00~17:00

愛宕小学校

〔全員参加〕

○各部授業研の指導案審議

○模擬授業

9月19日(火)

13:30~17:00

百道小学校

〔全員参加〕

○全体授業研究(西部地区提案)

3年題材「トントン ドンドン くぎうち名人」

授業者 百道小学校 吉田 かなえ

○全体協議会

○今後の全研提案授業に向けて

-3-

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10月17日(火)

13:30~17:00

照葉小学校

〔全員参加〕

○全体授業研究(東部地区提案)

6年題材「アミアミアミーゴ」

授業者 照葉小学校 山﨑 理恵

○全体協議会

○今後の全研提案授業に向けて

11月7日(火)

13:30~17:00

三筑小学校

〔全員参加〕

○全体授業研究(中部地区提案)

6年題材「くるくるクランク」

授業者 三筑小学校 河野 茉莉香

○全体協議会

○県児童画審査に向けて

11月21日(火)

14:00~17:00

愛宕小学校

〔一部参加〕

○ 県 児 童 画 展 搬 入 会 場 設 営

○ 県 児 童 画 展 搬 入 受 付 業 務

11月24日(金)

15:00~17:00

愛宕小学校

〔全員参加〕

○県児童画展の作品を通した研修

・絵画における色彩指導等

○ 県 児 童 画 展 審 査 補 助

11月25日(土)

8:30~17:00

百道浜小学校

〔全員参加〕

○県児童画展の作品を通した研修

・絵画における色彩指導等

○ 県 児 童 画 展 審 査 補 助

12月6日(水)

16:00~17:00

三筑小学校

〔中部地区〕

○中部授業研(全研)の振り返り・まとめ

1月 4日(水)

10:00~12:00

※ 1月 8 日 (月 )祝 日 と 分 担

県立美術館

〔分担参加〕

○県児童画展の作品を通した研修

・他郡市の絵画作品鑑賞等

○展示・搬出補助

1月15日(月)

15:00~17:00

百道浜小学校

〔全員参加〕

○研究の成果と課題の視点協議

○研究紀要等の

○各部で全研授業のまとめの作成

2月19日(月)

15:00~17:00

百道浜小学校

〔西部地区〕

○ 本年度全研授業(西部提案)まとめ

○研究紀要原稿作成・仕上げ

東住吉小学校

〔東部地区〕

○ 本年度全研授業(東部提案)まとめ

○研究紀要原稿作成・仕上げ

3月 1日(木)

15:00~17:00

教育センター

〔全員参加〕

○ 各部から研究のまとめの報告

○ 次年度研究の方向性についての協議

-4-

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Ⅱ-1 第6学年の指導の実際と考察

1 題材名 「編んでつくろう!私は子どもデザイナー!!」 (立体に表す)

2 指導観

○ 本題材は, 紙バンドや毛糸などの特性を生かして,編む,組むなど伝統的な技法を使い,つくりた

いものを考え,色や形,材料の大きさを選びながら,自分の思いを表すことをねらいとしている。編み

方の回数や順番を変えたり,自分の好みの色を選びながら組み合わせたりしながら作品に変化をつける

ことができるので,自分の個性を発揮しやすい題材である。

また,生活に必要なものはほとんど揃っている子どもたちが,昔から生活に役立ち,伝えられてきた

伝統的な技法や工芸品を知り,今の時代でもこのような技法が身の回りに使われていることに気づくこ

とのできる題材である。

○ 本学級の児童は,図工の学習が「好き・どちらかと言えば好き」と感じる児童が 19人,「嫌い・どち

らかと言えば嫌い」の児童が 17 人で,全体的に意欲の差が見られる。「好き・どちらかと言えば好き」

の理由としては,「考えながらつくることが楽しい,自分の思いが表せられる,想像することが好き」と

いうものが挙げられた。また,「嫌い・どちらかと言えば嫌い」の理由としては,「思った通りにできな

い,絵を描いたり作ったりすることが下手,イメージすることが苦手」というものが挙げられた。1学期

に,立体に表す「くるくるクランク」では,つくりたいもののイメージをして試行錯誤しながらつくる

ものの,うまく表すことができない姿が多く見られた。児童にとって編んだり組んだりしてものをつく

る活動は初めての経験であるが,最初に2本の紙バンドから様々な方法で形を変えてみたり,動画を見

て編み方を体験したりすることで,興味・関心をもつことができると考える。

○ 本題材の指導にあたっては, 発想・構想の段階では,まず, 児童が2本の紙バンドを操作したり,

編み方の参考動画を見たりする体験から,紙バンドには,「丸める・曲げる・折る・切る・細くする等」

の特性があり,紙バンド数本を縦横に編めば面ができ,それを丸めたり曲げたり組み合わたりすると,

立体になることに気づかせる。また,編んだり組んだりしたものが実際に生活の中で使われていること

を知り,「飾ったり使ったりするもの」をテーマにつくりたいもののイメージをふくらませるようにし

ていく。つくりたいもののイメージは,十分に試し活動をさせた上で,絵や言葉に表すようにさせる。

表現の段階では,まず, つくりたいもののイメージに合わせて,技を使いながら,生活を楽しくす

るものをつくっていけるようにする。

発想・構想,表現段階を通して,以下の場の工夫を行う。

ア 発想を広げる場の工夫

○ 単色の紙バンドに触れる時間を設定する。(発想・構想)

○ 紙バンドを自由に試す時間を設定する。(発想・構想)

○ 3種類の編み方の動画を見る時間を設定する。(発想・構想)

イ 表したいものを明確にする場の工夫

○ 教師の参考作品を提示する場を設定する。(発想・構想)

○ 参考作品・資料・児童の作品を鑑賞できる時間や場を設置する。(表現)

○ 技やコツ,形,色,大きさなどの工夫を取り入れる資料を掲示している場を設置する。

(表現)

ウ 必要な技能を習得する場の工夫

○ 基本の編み方やコツなど,技を確認できる資料を掲示している場を設置する。(表現)

○ 端の始末やボンドのつけ方等,技能習得の資料を掲示している場を設置する。(表現)

鑑賞の段階では,形や色,編み方,装飾などに視点を置き,互いの作品から表現のよさや美しさを見

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つける活動を行う。その際に,実際に入れる小物類を中に入れたり,吊るしたり飾ったりしたうえで,

実際に使ったり飾ったりするイメージをもち,よさや美しさを共有できるようにする。また,自分の作

品を友達に認められる体験を通して,自己肯定感を感じられるようにする。

3 目標

○ 紙バンドを様々な方法で組み合わせたり編んだりして,主体的に生活を楽しくするものをつくろうとする

ことができる。 (造形への関心・意欲・態度)

○ 生活を楽しくするものを思いつき,目的や用途,大きさや形,色などを考えることができる。

(発想や構想の能力)

○ 紙バンドを主材料として,「編む・組み合わせる」等の特性を生かしたつくり方を考え,自分のイメージ

に合うものをつくることができる。 (創造的な技能)

○ 自分や友達の作品の工夫しているところなどを話し合い,そのよさや美しさを感じ取ることができる。

(鑑賞の能力)

4 学習指導の実際と考察(全6時間)

段階

時間子どもの学習活動の様子 育む基礎・基本と主な手立て

1 材料と出合い,紙バンドを使った“かざったり使ったりで

きるもの”のアイデアを出し合う。

(1) 紙バンドを見たり触ったりして,様々な表現方法を思

いつくこと。

(2) 紙バンドを操作する試し活動から,「編む」などの

技を見つける。

○ 編み方の工夫に気付くこと。

○ 試しの活動や題材名から,単元の学習内容の見通しを

もつこと。

○ 参考の編み方の動画を見ること。

※ 児童の意欲を高められるよ

うに,材料との出合いの場と

して実物を見せ,どのような

印象かを尋ね,紙バンドを提

示する。

※ 様々な表現方法を思いつか

せるために紙バンドを一人に

一本ずつ与え,操作させる。

※ 紙バンドを使ってできる技

を共有する。

※ 紙バンドを操作しながら気

づいた技の中から,「この中

で,今まで学習したことのな

い技は何かな。」と発問する。

※ 3つの編み方の参考動画を

提示する。同じ動画を各班の

タブレットに記録し,活動中

に振り返ることができるよう

にする。

<動画の資料>

3つの編み方の参考動画を説明

しながら見せた。

平織り

三つ編み

球体

端をしっかりと固定して,上,下,上,下と順番に編んでいきます。

この中で,今まで学習したことのな

い技は何かな。

材料との出合い①

材料との出合い②児童が思いついた

様々な表現方法

動画で説明する様子

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(3) 紙バンドを編んだり組んだりして,自分のつくりたい

ものを考える。

○ 試し活動を生かして,イメージをふくらませ,用途や

形を考えながらつくりたいもののイメージをふくらま

せること。

(4) ミニ鑑賞会をして,自分の思いを表すために必要な形

や大きさを考える。

○ アイデアボードに自分の思いを言葉や絵で表した

付箋を貼り,各グループで出たアイデアを見て回る。

※ 実際に材料を操作しながら

自分のつくりたいものを決め

られる活動の場を設定する。

※ 少人数グループにすること

で,編み方のコツやイメージ

を交流しながら活動できるよ

うにする。

※ 自分の表したいもののイメー

ジが定まってきた児童には,そ

れを表現するための編み方や形

などの具体的な言葉かけを行

う。また,表したいものがイメ

ージできない児童には,友達の

作品を見たり動画を見たりする

ことを助言する。

※ 自分のアイデアを付箋とアイ

デアボードを使って交流するこ

とで,自分のつくりたいものを

より明確にしたり,よりよいも

のをつくるためのヒントを得た

りすることができるようにす

る。

考察1

○ 編むことに抵抗がある児童には,めあての「編む」以外に「見つけた技を使っていいよ。」

と声をかけることで,意欲を失わずに活動することができた。

○ 紙バンドを使って形にできていない児童に対して,「何がつくれそう?」「何に使えそう?」

と発想を促すような言葉かけをすることで,児童の思いを引き出しながら次の支援の言葉か

けをしていくことができた。また,児童の「~できそう」といった思いに寄り添う「それを

試しに作ってみたら。」といった言葉をかけることができた。そのことにより,その児童の活

動がスムーズに進むことができた。

○ 意欲を喚起させるために「その編み方,おもしろいね。」「それ,どんな風に編んだの。」と

声をかけることで,近くの児童も興味をもち,真似してみたりアイデアのヒントにしたりす

る様子が見られた。

ぼうしができそうだな。測っ

てみよう。<動画の資料>

タブレットで動画を見ながら試

しに作っている。

<グループの学習形態>

友達と協力している。

ここをホッチキスで留めて。

<発問・言葉かけ>

丸いものってどんなものがあるか

な?

丸める編み方を使って何かつ

くりたいな…

<アイデアボード>

紙バンドでつくれそうなものの

アイデアを付箋に書き出す。

<ミニ鑑賞会>

グループを周り,どんなアイデ

アが出てきたかを共有する。

活動の様子②活動の様子①

活動の様子③活動の様子④

ミニ鑑賞会 アイデアボード

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<場の設定①>

製作過程が分かる実物資料

<場の設定①>技の実物資料

○ 編み方のヒントが分かる資料として,「平織り,三つ編み,球体」の3つの編み方の動画を提

示した。児童にとって編み方の理解が簡単になり,分からなければ何度も見返すことができた。

また,動画があることで編み方に悩む時間を減らすことができた。

○ 紙バンドを操作しながら気づいた技の中から,「今まで使ったことのない技はどれだろう。」

と発問することで,紙バンドでできる様々な表現方法の中から「編む」という方法に目を向け

ることができた。

○ 丸める方法を使った編み方の参考動画を見て,「これじゃ立てられない。」と発言した児童

に「曲げたりしてもいいよ。」という発想が広がるような言葉かけをすることによって,自分

の発想を「丸める」から「丸めて底を曲げる」に広げることができていた。

● 自分のつくりたいものをより明確にしたり,よりよいものをつくるためのヒントを得たり

するために,自分のアイデアを付箋に書く作業に時間がかかった。児童の発想は,つくりな

がら作品に表れていたので,書く必要はなかったかもしれない。「ミニ鑑賞会」として,学習

時間の最後に友達の作品を見て回るだけで,工夫しているところが伝わったようだった。

● 編むことの良さを価値づけることができていないので,第2時以降に実物資料を見せたり

触れたりすることで,編むと丈夫になることや模様が美しくなることなどに気づかせる。

2~5 自分のつくりたいもののイメージをもち,紙バンドで

つくる。

(1) 「編む・組み合わせる」等紙バンドの特性を生かした

つくり方を考え,自分のイメージに合うものをつくるこ

と。

(2) 必要に応じて活用することで,課題解決をしたり,つ

くりたいもののイメージを膨らませさらに工夫したり

しながらつくること。

※ 以下の場(①,②,③)の

工夫を行い,児童が制作中に

行き詰まった場合やより工夫

したい時などに活用できるよ

うにする。

・場の設定①「技能支援の参考

作品・資料コーナー」として,

基本の編み方が分かる資料

(動画),製作過程が分かる

実物資料,技の実物資料を掲

示する。

※ 自分の思いに近づけようと

している児童が課題を解決し

たりイメージを膨らませたり

するために,場の活用を促す。

・場の設定②「補充・交換の材

料コーナー」として,予備の

紙バンドを置いておく。

<場の設定①>

基本的な編み方が分かる資料(動画)

基本的な編み方の動画を各班

のタブレットに記録し、活動中

に振り返ることができるよう

にする。

実物資料を見たり触った

りしながら編み方の参考

にできるようにする。

第一時の試しの活動で児童が思いつい

た様々な技を常時提示しておき、表現

方法のヒントになるようにする。

製作の様子① 製作の様子②

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(3) 紙バンド以外の材料を使って装飾する。

・場の設定③「工夫のための参

考作品・資料の場・コーナー」

として,技や飾り,色の工夫

を意識できる資料,友達の作

品や参考作品を見る場の設

定・コーナーの設置を行う。

※ 児童の実態に沿って,必要

な参考作品・資料コーナーを

つくる。

考察2

〇 友達の参考作品を廊下に掲示することで,他のクラスの児童の作品を自然と鑑賞したり,自

分の作品に工夫を取り入れたりしていた。また,様々な編み方を見ることで,自分の課題を解

決することができていた。

〇 場の設定①で,実物資料を置くことで,端の編み方を考える姿が見られた。また,動画コー

ナーを設置することで,慣れるまではそれを見て編んでいる姿が見られた。

〇 活動中に,「編み方を組み合わせたの,面白いね。」「この部分に色を入れたの素敵だね。」「編

む組み合わせを工夫したね」などと児童の思いに寄り添うような言葉かけをすることで,自信

をもってつくる姿が見られた。

● 動画は,児童にとって編み方の理解が簡単になり,分からなければ何度も見返すことができ

るという点では良かったが,決まったパターンの編み方になってしまった。児童の発想を広げ

るためには,編んだ後の技の組み合わせを考えさせる手立てが必要だった。

6 互いの作品を鑑賞し,作者の思いをもとに表現のよさや美

しさを味わう。

○ 形や色,編み方,装飾などに視点を置き,互いの作品から

表現のよさや美しさを見つけること。

※ 形や色,つくり方のよさ

や美しさ,飾る時や使う時

の様子に視点を置いて鑑賞

させる。

<場の設定②>

予備の紙バンド

※余った,使わない紙バンドを置く

コーナーを前に設置。一定時間経

過後,欲しい人で分ける。

<場の設定③>

○友達の参考作品が見られる資料 ○技や飾り,色の工夫を意識できる資料

製作の様子③

オブジェの置き場も三つ編みを

使って編んでいて面白いね。

バッグ オブジェ かご 財布 小物入れ

色を二色使って編んでいるよ。

裂いたりねじったり

しながら三つ編みで

編んでいるね。

同じ編み方しか使っ

ていないのに、違う大

きさのボールを中に

入れているのが面白

いね。

色の組み合わせを

考えながら編んで

いるね。

編んでお財布

を作った発想

がすごい。

取っ手がついて

いると持ち運び

ができるね。

壁面に飾った作品 飾り付けの工夫の掲示資料

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5 成果と課題

(1)成果

① 題材の工夫

○ 題材との出合いとして,1人に1本ずつの紙バンドを渡し,紙バンドを触るという活動を設定を

した。紙バンドを初めて触る児童も多く,初めはどんな風に使うのか疑問に思っている様子の児童

もいた。しかし,4人ずつのグループで座っていたことで,「意外に硬い。」「バッグとかに使われ

ているの見たことある。」「裂けるチーズみたい。」という発言がみられ,友達の発言から紙バンド

の特性に気づき,興味をもつ様子が見られた。このことから,1人に1本ずつの紙バンドを渡し,

紙バンドを触るという試しの活動の時間を設定したことと小グループでの学習形態にしていたこ

とは,紙バンドの特性に気づくことや興味をもたせることに有効であったといえる。

○ 児童の「裂けるチーズみたい。」という発言から,紙バンドを全員に二つに裂かせた。1本の紙

バンドが裂くことで2本になり,それによって「編む」という方法や紙バンドを使ったその他の様々

な方法に気づくことができた。このことから,紙バンドを裂かせたことは,紙バンドの特性をより

多く気づかせるのに有効であったといえる。また,紙バンドを何本も触らせるのではなく1本にし,

子どもの発言を拾い広げたことで「裂く」という方法に気づくことができたのもよかった。

② 資料の内容や提示の工夫

○ 編み方が分かる資料の提示を動画とする手立てをとった。動画をタブレットに記録し,各班に設

置した。結果として,教師の説明を待つのではなく,児童の知りたいタイミングで動画を見ること

ができたため,説明する時間の短縮につながった。さらに,動画なので分かりやすく,教師の見せ

たいポイントを見やすい方向から見せることができたため,この手立ては有効だといえる。

③ 提示資料と関連した発問の工夫

○ 紙バンドそのものを提示資料として用い,試しに操作することで,児童は様々な表現方法に気づ

いた。さらに気づいた方法の中から児童の興味関心を向ける発問をすることで,大切にする視点に

気づかせ,焦点化することができた。このことから,題材名へとも自然につながり,目的意識をも

った活動をさせることに有効であったと言える。

④ 発問の工夫

○ 児童の意欲を喚起させるための言葉かけをすることによって,発想が思い浮かばない児童も興味

をもち,真似してみたりアイデアのヒントにしたりする様子が見られた。

○ 自分の思いを広げさせるための言葉かけをすることによって,発想が思い浮かばない児童も自分

の表したいことが明確になったり,発想が浮かんでいる児童もさらに工夫を重ねたりすることがで

きた。

○ 自分の思いと資料をつなげさせるための言葉かけをすることによって,必要に応じて参考動画や

前時までの資料を見て,児童はつくりたいもののヒントを得ることができた。

(2)課題

① 題材の工夫

● 材料との出会わせ方はよかったものの,単元計画の発想・構想段階の時間が予定時間を超過し

てしまった。適切な試しの活動の内容や時間等の研究は今後も進めていく必要がある。

② 資料の内容や提示の工夫

● 準備した資料を提示して何を児童に捉えさせたいのか,伝えたいのかを明確にしてないと適した

資料とはならない。資料によっては活動の妨げになり得るものであるので,資料の提示するタイミ

ングや量においても熟慮した上で準備することが必要である。

③ 提示資料と関連した発問の工夫

● 発問の定義をしっかりと捉えた上で,子どもたちがよりスムーズな活動へとつながる発問の工夫を

する必要がある。

④ 発問の工夫

● 児童自身が自分の困り感を視覚化できるようにしておき,それに応じた発問を準備する必要がある。

その他

● 前もって,材料をどのように準備するかを検討しておく必要がある。

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+第6学年2組 図画工作科学習指導案

授業者:福岡市立三筑小学校 河野 茉莉香

1 題材名 「くるくるクランク」

2 指導観

○ 本題材は,針金を使ったクランクの仕組みを基に,その動きを生かしながらつくりたいものを発想し,

仕組みや動きから自分の思いにあった大きさや形をイメージして飾りをつけたり,仕組みを改良したり

して,動きのある面白いものを工作に表すことをねらいとしている。また,本題材は,A表現(2)と特

に関連が深く,「形や色,材料の特徴などを考えながら,表し方を構成して表す」題材であり,「表した

いことに合わせて,材料や用具の特徴を生かして使う」題材である。

クランクの仕組みを何度も動かして試すことで面白さを感じ,そこからイメージを広げてこだわりを

持ったり,手応えを感じたりしながらつくることの楽しさや喜びを味わうことができる題材である。さ

らに,様々な角度や方向から動きをとらえ,発想や構想を繰り返しながら自分の表したいことにより近

づけることができ,楽しさや面白さ,喜びを軸に自分なりの表現の追求を期待できる題材である。

○ 本学級の児童は,読書が好きで豊かな発想をする児童が多い。1学期には,「想像のつばさを広げ

て」で,『○○から見た世界』『こんな世界があったらいいな』など,自由に発想し絵に表している。

また,立体に表す「水の流れのように」では,水の流れ方を想像しながら,自分だけのオリジナル作

品を作ろうとする姿が見られた。本題材でも,シンプルな仕組みのクランクに,たくさん触れさせる

ことで,発想豊かに作品作りが出来ると思われる。また,針金やペンチを使う経験が浅いため,スム

ーズに回るクランク作りの過程を通して,新たな表現方法の習得につなげたい。

○ 本題材の指導にあたっては, 発想・構想の段階では,一つの凸で動くクランクを見せ,クランクの

面白さや仕組みに気付かせる。ペンチやきりの使い方を確認し,きれいに回るクランクにするために

は,『クランクの軸を一直線にする』ことや『クランクとストローのつけ方』をおさえクランクをつく

る。

表現の段階では,前時でつくったクランクを見合い,針金の曲げ方で様々な動きが表現できること

に気付かせクランクづくりをしていく。そのときに,様々な方向から動きをとらえるよう言葉かけを

し,さらに表現方法が広がるようにする。クランクが完成したら,動きを見ながら図工ノートに自分

のつくりたいものを絵や言葉でかかせる。動きを活かした表現ができるよう,ストローの動きが見え

やすいよう簡単な紙や,どのような場面を表現するのかを,それぞれの思いに沿ってかける図工ノー

トを準備する。最後に,図工ノートをもとに飾りをつけていき,自分の思いに合った表現が出来るよ

うにする。

鑑賞の段階では,互いの作品で遊んで,互いの作品のよさや面白さ,美しさを感じることができる

ようにする。

3 目標

○ クランクの仕組みを基に,動くおもちゃをつくることを楽しもうとしている。

(造形への関心・意欲・態度)

○ クランクの仕組みを基に,その動きを生かしながらつくりたいものを考えている。

(発想や構想の能力)

○ 思いや考えに合った動きになるように,仕組みや飾り方を工夫している。 (創造的な技能)

○ できた作品を動かしながら,クランクの仕組みの生かし方や動かし方や動きの面白さなどを感じ取

っている。 (鑑賞の能力)

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4 指導計画(全8時間)

段階

時間

学習活動と内容(○)

予想される児童の反応(・)

育む基礎・基本(共通事項を含む)と

※主な手だて

1 クランクの仕組みを知り,簡単なクランクをつく

る。

(1) ペンチで針金を 90 度に曲げる練習をする。

○ ペンチの使い方と曲げ方を知る。

(2) クランクの動きと構造を知る。

○ 資料2見て,動きの特徴と構造を知る。

○ クランクの特性を知る。

※ 教師が正しい用具の使い方を演示す

る。

何のための演示?

※ 『90度の曲げ方』を意識できるよう,

資料1を掲示しておく。

90度が大事な理由は?

どんな特徴?

※ 動きの特徴(構造もでは?)をつかむ

ため,凸一つのシンプルな仕組み(資料

2)を使う。

資料というより参考作品?

私は動きの特徴と構造は違うと思うのでまとめ

る必要はないと思う(それぞれ内容を)

※写真は,みせなければいけないところを

大きく。ここでは仕組み

※ どのような仕組みになっているのか興

味関心をもてるよう,クランク部分は隠

してみせる。(なぜこのような動きになる

のか,仕組みに興味をもつことができる

ように)→クランクの仕組みを隠した&

発問

※ クランクだけを箱から出して見せ,『軸

が一直線』になっていることに気付ける

ようにする。

クランクの仕組みって軸が一直線です

か?

山﨑先生の?については質問してみて下

さい。私は特殊な場合を除き一直線だと思

っていますが…

(本時

資料1 90度の曲げ方の資料

資料2 仕組みを知る資料 参考作品

①はさむ ②押さえる ③ペンチを曲げる

上にいったり

下にいったり

チンアナゴ!

何かの生物?

軸が一直線

凸が上に行くと

ストローが上に動く!

ストローがどう動いている?どんな動きしている?

どのような仕組みで こんな動きをしていると思う?

針金を曲げて

回している?

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(3) クランクをつくる。

○ 箱に穴をあけクランクをつける。

○ クランクにストローを付け着ける。?

クランクのどこに,どんなふうに?

(4) 本時の活動をふり返り,図工ノートをかく。

○ 本時の活動をふり返り,次時にどのような活動

をしたいかをかく。

うまく回らない時は

※ うまく回らなかったりした場合は,何

が原因で回らないのか資料3を振り返る

よう言葉かけをする。

資料3は何の資料か書いて(資料3)な

どとする

うまく回らない場合は軸が一直線になっ

ていない場合だけとは限らない。例えば

○ 穴の大きさが小さく遊びがない。

○ 凸部分の高さが高すぎはこの壁面や

天井部にあたる。

○ ストローのつけ方に問題がある 等

※ 自分のクランクにどのような工夫を加

えていきたいか,図工ノートにかかせ

る。

2 クランクを工夫してつくる。

(1) 友だちのクランク(資料5)や前時の図工ノート

から発想を広げる。

○ 『凸の数・向き・高さ・幅・間隔』の工夫に気

付く。

※ 前時の児童のクランクや図工ノートの

加えたい工夫から発想を広げていく。

発想を広げるために

何をしたのですか→前時に児童が作ったクランクや

図工ノートにかいた加えたい工夫

?友だちの作品を鑑賞する活動では?

見る・動かすのでは?

?見る視点を与えたのでは?

凸の数・向き・高さ・幅・間隔

資料4 ストローの付け方の資料

資料5 凸の向きの違い

資料の説明を!

資料3

クランクの

つくり方の資料

※軸が一直線

✖すき間 ✖直接つける ○すき間○小

友だちの作品を見て触って工夫を見つけてみよう!

回しやすい!

凸が二つある

凹凸をそろえた場合(3本そろっ

て上下する)と交互にした場合

(真ん中の 1本と左右の二本が

交互に上下する),90度ずつず

らした場合(1本ずつ順番に上

下する)

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(2)自分だけのクランクをつくる。

※子どもの活動内容と予想される児童の反応ですが

※資料の説明は?例えば,材料や用具は机の中心に置

くなど・・・

※ クランクの作り方に困っている児童

に,仕組みと動きがわかるよう資料5を提

示する。

資料5とはどんな資料か分からないので

友だちのクランクと(資料5)とかくか

これは,手立てでは?

この写真は?言葉かけの工夫ですか?

道具の使い方での言葉かけ?

クランクの作り方?

3 クランクの動きを見て,つくりたいものを決めてい

く。

(1) 友だちの作品を見て動きの工夫に気づく。

※手立ての時は,何のためにそれをするの

か書くといいですね。

※ 何のために?様々な方向からストロー

が出ているものと,ストローが様々な動

きをする児童の作品を提示する。

※ 何のために?作品の角度を変えて提示

する。

どんな動きをしている?

ペンチに沿って曲げると 直角になるよ!

横からもストローが

出ている。

バラバラに動いている。

うまく回らなかったりし

た場合は,何が原因で回

らないのか確認できるよ

うにする。

何を?下にしたら足み

たい。

クランクの動きを確

かめられるよう,ス

トローに貼る単純な

形を準備する。

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(2) クランクの付加修正をしていきながら,つくりたい

ものを決めていく。どんなことを付加修正?

(3) 動きを見ながら自分の思いを図工ノートに書

く。

○ つくったクランクに紙を貼りながら動きを見

て,自分の思いを図工ノートに書き残しておく。

どのような違うか分からないので明記したり,図工ノー

を付けたりするといいのでは。。。 →

※ ストローの動きを視覚化するために,

動く部分に○△□の単純な形の紙を貼り付

けられる準備をしておくことで,動き方に

気付きやすくなり,作品づくりのヒントに

なるようにする。

↑これは,(2)の際の手立てだと思うので

ずらしました。また,

・紙をはることで

→動きが視覚化(動きに気付き)

→発想しやすくなる

ということですか?整理して書いた方が分

かりやすいですね。

※ 発想を具現化できるよう,自分で書き

やすい図工ノートを選び,具体的にどの

ような場面を作るかかけるようにする。

考察1

○ どんな資料か書く(資料1)を提示しながら「はさむ」「押さえる」「曲げる」の合言葉で,たくさ

んの直角を作る材料遊びを取り入れたことで,ペンチの使い方やクランクの凸の数を増やしたり向き

を変えたりという発想にもつながり有効であった。

○ 資料2を「ストローがどう動いている?どんな動きをしている?」と発問しながら提示演示?する

ことで,ストローの動きに注目し「チンアナゴ!」「何かの生物?」といった想像をしたりするな

ど,発想を広げることができた。 「たり」を使用するときは,~たり,~たりと数回使うときで

す。なので,消します。

○ 動きへの発想が広がったところで「どのような仕組みで,こんな動きをしていると思う?」と動き

と仕組みを結びつける発問をし,針金の凸にストローを付けると上下の動きをするものができる仕組

みを理解した上で,クランクづくりができるよう促し有効であった。

○ 資料3,4を用いることで,きれいに回るクランクをつくるため必要な技能を学ばせ,製作中に継

続して提示することで困ったときの立ち返りにもなり有効であった。

○ 資料5を提示し,凸の向きでストローの動きが変わる工夫に気づくことができ,他の友だちの作品

を鑑賞してクランクづくりに入ると,自分にも様々な工夫ができそうだと意欲付けや発想の広がりに

もつながり有効であった。

○ 2時間目でできた作品の中から,ストローが様々な動きをする作品といろいろな方向からストロー

が出ている作品を見せることで,動きの工夫に気づくことができた。また,作品を見る角度を変える

ことで見立ての幅も広がり,自分の作りたいものを明確にしていくことができ有効であった。

○ 何のことでしょうか?箱の向きが違う二種類と,自由に思いをかける図工ノート全三種類を用意す

ることで,自分の思いにあった図工ノートを選択して書き残すことで,製作途中で作品づくりに立ち

返ることができた。

● 友だちの作品からクランクの工夫を見つける場面で,「見て,触って見つけよう」と発問したが,

漠然としていた。なので,次時につながる「どんな動きをするのかな」という発問や動きに着目する

発問をする必要がある。

● 針金を曲げるときの安全性を考慮して箱と同じぐらいの長さ(50cm程度)を使用した。しかし,

凸を増やしていくと長さが足りず,針金同士を繋げることが難しいので,制作意欲を削がないために

も,箱の二倍の長さ(70~80cm程度)の針金を準備するとよい。

4 自分の思いが表れるクランクづくりと,飾りつけ

をする。

(1) 簡単な飾りをつけた作品を見せる。

○ 動きを活かした飾りの付け方に気づく。

○ 飾りのつけ方を確認する。

※ 作品の美しさという視点から,接着部

分(セロハンテープなど)が見えないよ

うに接着することを抑える。

※ 飾りをつけた作品教師の作品?からス

トロー部分にどのような飾りをつければ

自分の思いがよく表れるか考えさせる。

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(2) 自分の思いにあった動きが表せるよう,クランク

の付加修正をしていきながら,飾りをつけていく。

○ 注目させるところを工夫しながら飾りをつけ

る。

↓教師?

どんな工夫?

※ 工夫して表現している児童を賞賛し,

意欲を高める。

よく見えないので写真を大き

く。作品を大きく。

↓子ども?

考察2

○ 資料6を提示することで,自分の表したい中でも『動かしたい部分』をストローの動きで見立てる

良さや面白さに気づくことができた。また,「接着部分(セロテープ)が見えない」「一つ一つ丁寧に

つくられている」ことに気づかせることもでき,それぞれが考えながら細かい工夫を取り入れながら

飾りを付けていくことができ有効であった。

○ これまでの資料全部を掲示し,いつでも見返しクランクと動きを確かめられる資料を置いておくこ

とで,クランクを付加修正する児童や表したい方(表し方?)に迷った児童などの立ち返りとなり作

品をさらに良いものにしていく資料としても有効であった。

↑手立ての中に入っていますか?手立てにも入れるといいと思います。また,その時の子ども達の様子

も一緒に。

○ 『動かしたい部分』に工夫して飾りを付けている児童の作品を全体に紹介したり,製作時にどのよ

うに作ったのか,何を表しているのかを聞きながら称賛したりすることで制作の意欲も高まり有効で

資料6 飾りを付けた作品

折り紙一枚一枚変えていて

~だから工夫されている

ね!

ストローの中に黒の折り紙

を入れて,首に見立ててい

るんだね!だから?

下の綿をイルカにくっつけて伸ばしたら

今 跳んでいるよう見える?

いくつものストローに繋げて紙を貼ったら

どんな動きになるのかな?

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あった。

● 多くの児童が自分の思いを明確にいた(した)段階で,教師が資料6を提示したため参考作品に思

いが流されることはなかったが,思いがまだ漠然としていた児童は資料6に流されてつくっていたの

でもっと単純な参考作品にするなど検討が必要である。

5 互いの作品で遊び,よさや面白さ,美しさを感じ

とる。

○ 自分や友達の作品のよさを見つける。

○ 工夫している点を伝え合う。

※ よさや面白さ,美しさを感じることが

できるように,互いの作品で遊んで鑑賞

させる。

視点として「よさ・おもしろさ・美し

さ」があったのですね?

ただ,遊んだだけでは,「おもしろさ・美

しさ」を感じることはできないか

も・・・「よさ」といってもいろいろある

ので,何か先生が意識させた「よさ」が

あったら書いて下さい。例えば,「クラン

クの仕組みを活かして,動きにあった」

とか

5 成果と課題

(1)成果

① 題材の工夫

○ 導入では,ペンチの使い方や針金の曲げ方を確認し,簡単なクランクづくりから始めた。そうする

ことで,本題材で必要な技能を学ぶ時間を確保することができた。次につくったクランクを動かしな

がら具体的な発想・構想ができるように学習の流れを工夫した。

○ 材料は手に入りやすい靴の空き箱を使用した。ダンボール素材でひっくり返すと無地になるため,

色や形の影響を受けることなく作品づくりをすることができた。針金は,操作しやすくクランクの動

きに耐える強度を考え,16 番の針金を採用した。また,本題材の実践を通して,長さは空き箱の2

倍程度の長さにすると好ましいことが分かった。

② 資料の内容や提示の工夫

○ クランクの工夫を見つけるために前時の子ども達の作品を資料として活用した。前時ですでに凸を

2つ以上にしていたもの,向きが上下逆になっているものなどがあったため,子ども達はそれらを工

夫としてとらえることができていた。友達がしていることだから「自分にもできそう」という思いを

もつことができた。

○ クランクをつくる際に必要な技能を確認するための資料①~⑤を提示した。これは題材を通して常

に掲示し,クランクと動きを確かめられる資料を置いておくことで,クランクを付加修正する児童や

表したい方に迷った児童などの立ち返りとなり作品をさらに良いものにしていく資料としても有効

であった。

○ 前時で針金が足りなくなり,つなげて長さをたしたいという子がいたため,急遽教師が作成した実

物資料を置いた。針金と針金をビニルテープでつなぎあわせるというものでは中で空回りしてしまっ

ていたため,針金で輪と輪をつくり,つなぎ合わせることにした。実際に実物を見ることで仕方が分

かり,困っていた子も助け合いながらつなげて長さをたすことができていた。しかし,今後は針金を

継ぎ足さないでいいように,箱の2倍の長さ(70~80cm 程度)の針金を準備するなど工夫が必要で

ある。

③ 提示資料と関連した発問の工夫

○ 回しやすいクランクをつくるためにはどうすればいいかを考えさせるために,子どもの作品を提示

しながら「先生も工夫を見つけたんだけど,何だと思う?」と発問した。ミニ鑑賞会で実際に回して

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いた子もおり,クランクの端を折ることで回しやすくなるということを子ども達が気づくことができ

た。また本時では端を折り,回りやすいクランクを作った子が多かった。

○ クランクの動きへ視点を向けるために児童の作品を回しながら「どんな動きをしている?」と発問

をした。子ども達は「上にいったり,下にいったり」「チンアナゴ!」「何かの生き物」と様々な見方

で発言し,動きへの発想へ広げることができた。

④ 発問の工夫

○ クランクの動きから発想できず,困り感をもっている児童には「箱の向きをかえてみると,見え方

もかわってくるよ」と言葉かけをした。そうしたことで・・・

○ 『動かしたい部分』に工夫して飾りを付けている児童の作品を全体に(どのように?)紹介した

り,製作時に「どのように作ったのか,」「何を表しているのか」を聞きながら称賛したりすることで

制作の意欲も高まり有効であった。

(2)課題

● 資料の置き場(掲示する場)をもっと工夫するべきであった。○○コーナーなどといった名前をつ

け,いつでも子ども達が必要に応じて活用しやすい環境づくりが必要であった。

● 友だちの作品からクランクの工夫を見つける場面で,「見て,触って見つけよう」と発問したが,

漠然としていた。動きに着目する発問へ。次時につながる「どんな動きをするのかな」という発問を

する。

● クランクの工夫ばかりに目を向けた時間になってしまっていたので,こんなクランク=こんな動き

というように,また,クランクの工夫と動きをセットにした導入も考えられる。

● 発想のために置いていた○△□の折り紙の活用が少なかった。針金の形や長さ,折り紙の色にとら

われた発想をする子どもが多かった。

※前出の課題を考察していく。改善策もかいていく。

中部の先生へ

お疲れさまです。

赤色修正は,山﨑です。分からないところは聞いて下さい。

よろしくお願いします

高取小 山﨑 ひろみ

山﨑先生の方からすでに赤が入っているのであまり細かいところは書きません。指摘

のある通り,全体的にいえることは手だての目的や内容が明確に書かれていないところ

があるのでまずそこがわかるように書くということです。研究に携わった人間にとって

は当たり前だったり感じ取れるものだったりするものですが,研究を一般化するのが大

きな目的の一つになりますので,初めて見た人や図工を研究していない人が読んだとき

にもわかるようにする必要があります。

研究は,あくまで道半ばの過程をまとめていく形になりますのでうまくいかなかった

ことは課題として挙げていけばいいと思います。

つないだときの空回りなどは(キットを使わないと)意外と一般の先生でも失敗する

内容なのでこの紙面にあけないようだったらどこかに残しておくと(CD版の資料とか)

いいかもしれませんね。

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第3学年の指導の実際と考察

1 題材名 「トントン ドンドン くぎうち名人」

2 指導観

○ 本題材は,児童が金づちや釘を使う活動を楽しみながら,木切れを使ってつくりたいものを

発想し,発想したものを工夫して表すことをねらいとしている。また,本題材は,A表現(2)と

特に関連が深く,形や色,材料などを生かしたり,計画を立てたりするなど,工夫して表すこ

とができる。

また,本題材は金づちや釘,木切れに親しみながら,つくりたいものを発想し,表す題材で

あることから,友達と作品について話しながら自分の思いを明確にしたり,あれこれと試しな

がら思いを表現したりしやすい。よって,明確な手順通りに表すというよりも,試しながら表

したり,次第に表したいことや用途などが明確になったりするような中学年の発達段階に適し

ており,表現の広がりが期待できる題材である。

○ 本学級の児童は,1 学期に,「ハッピー小もの入れ」で,生活に役立つ小もの入れをつくるた

めの設計図を考え,紙粘土と絵の具を使って,表したいことを表すためにはどんな色や形にす

ればよいのか考えながら,楽しい作品をつくることができた。また,好奇心旺盛で,新しいも

のや経験したことのないものに高い興味を示す児童が多く,題材「うれしかったあのきもち」

では,3年生から始まった水彩絵の具の学習にも意欲的に取り組んでいる。その中で,水加減

や筆づかいなど,新しい知識・技能を1つ1つ身に付け,表現する楽しさを感じていた。

しかし,中には,自分の表したいことが明確にならなかったり,自分の思いと表現の工夫と

がなかなか結びつかなかったりする児童の姿も見られた。そのため,自分の作品に自信が持て

ず,満足することができていないという課題もあると考えている。そこで,今回の題材を通し

て,つくりたいものをつくる楽しさをさらに味わえるようになるとともに,新たな材料や用具

を使った表現方法の習得につなげたい。

○ 本題材の指導にあたっては, 発想・構想の段階では,まず,木切れを置いたり並べたりして

遊ぶ活動を取り入れる。その中で,階段状に積みたい,気に入った形で固定したいというよう

な,思いを満たすことのできないことがあることにも気づかせ,接合したいという思いも表出

させる。その際,木切れ同士を素早く確実に接合することができるという釘のよさや特性に気

づかせたい。次に,金づちや釘の正しい使い方を知り,ためしの活動をする。用具の使い方を

教師が演示する中で,「木切れ1つに釘を打つ」活動と「釘を使って木切れ同士を接合する」活

動を演示し,児童がどちらもためすことができるようにする。その際,使用する木切れの数を

2つまでに限り,児童が表現主題を決めずに試し打ちの活動に集中できるようにする。そし

て,できたためしの作品をもとに,見立ての活動をする。グループでの交流活動にすること

で,友だちの考えに触れ,イメージをより広げていくことができるようにする。見立てによっ

て広がったイメージをもとに,自分のつくりたいものを考え,決定する。

表現の段階では,自分の表したいものがより具体的になるように,さらに木切れを組み合わ

せたり,釘を打ったりする。その際,自分の思いに立ち返る言葉かけをすることで,児童が形

を確かめながらつくることができるようにする。釘の特徴をつかんだ上で,自分の表したいも

のを明確にし,表現していけるようにしたい。

鑑賞の段階では,自分や友達の作品の多様なよさに気付くことができるように,意図的なグ

ループを構成し,交流する。そして,自分の思いや表現の工夫を具体的に伝えることができる

ように,また友達の思いや表現の工夫に目を向けることができるように,これまでに提示して

きた視点を振り返り,想起させる。

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3 目標

○ 釘を打つことに関心をもち,金づちや釘を安全に使いながら,木切れを接合して表すことや

釘を使って飾ることに取り組むことができる。 (造形への関心・意欲・態度)

○ 釘を打ちながらその特徴に気付き,つくりたいもののイメージを広げ,釘の打ち方や並べ方・

木切れの並べ方や接合のしかたを考えることができる。 (発想や構想の能力)

○ 金づちや釘を正しく使い,釘の打ち方や木切れの接合のしかたを工夫することができ

る。

(創造的な技能)

○ できた作品について交流をし,自分や友達の作品の面白さや楽しさに気付くことができる。

(鑑賞の能力)

4 学習指導の実際と考察(全6時間)

段階

時間学習活動と内容(○)

育む基礎・基本(共通事項を含む)と

※主な手だて

1 木切れで遊んで,どのような活動ができそうか考

える。

(1) 木切れを積んだり並べたりしながら,そのおも

しろさを感じ,接合したいという思いをもつ。

○ 置いたり並べたりして木切れ同士を組み合わ

せることで,いろいろな形がつくれること

○ 木切れ同士を接続させないとできない形があ

ること

(2) 木切れ同士を接合する方法について考え,その

中に釘があることを知る。

○ 木は,釘を使って接合することができること

(3)題材名『トントン ドンドン くぎうち名人』を知る。

○ 活動の見通しをもつこと

※ 題材を身近に感じて,接着剤の存

在?接着の必要性?へとつないでい

けるように,材料を使って遊ぶ時間

を設定する。

※ 置いたり並べたりするだけではつ

くることのできない形を教師が提案

し,接着の必要性を感じさせる。

形→写真などあるといいですね

提案→言葉?参考作品?

※ 釘を使うことを提案し,題材名に

つなぐ。

2 用具の使い方を知り,ためしの活動をする。

(1)金づちや釘の正しい使い方を知る。

○ 体の中心で釘打ちをすること

○ 利き手と反対の手で釘を支え,はじめは小刻み

に打っていくこと

○ 釘が安定してから少し大きめに振り下ろしなが

ら打っていくこと

※ 正しい用具の使い方を教えるため

に,教師が演示する。(木材に釘を

打つ,木材同士をつなぐ)

※ 児童の体格や金づちのサイズに合

わせて,いくつかの種類の釘を準備

しておく。

並べて置いたら,迷路みたいになったよ。

1つの木だけで遊ぶより楽しい!

バランスがうまくとれないな。木と木をくっ

つけられたらいいのにな。

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用具の使い方やポイントがわかる資料(常掲)

(2)のりやセロテープで接続したときと比べて,釘のよ

さに気付く。

○ 釘は,素早く確実に接合することができること

3 金づちと釘を使って木切れ同士を組み合わせ,ため

しの作品をつくる。(木材は1つまたは2つを選ぶ)

○ 釘の並べ方や,木切れのつなぎ方を考えること

※この資料の説明は?

※ ボンドやテープ等の接着剤を使っ

た場合の課題に気づくことができる

ようにする。どうやったら気付くの

でしょうか?

※ 何をつくるか考えながら活動する

のではなく,正しく用具を使いなが

らたくさん釘を打ったり木片をつな

いだりするよう助言する。

※何か手立ては?

木材の数

発問など

この木と

この木を

くっつけ

てみよう

かな?

釘をいく

つか打っ

てみよう

かな。

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4 ためしの作品を見立てることでイメージを広げ,自

分の思いをもつ。

(1)前時につくった自分や友だちの作品を使って,グル

ープで見立てを行う。

○ つくったものが何に見えるか,何に似ているか

を考えること

○ 友だちの考えに触れ,イメージをより広げてい

くこと

○ 自分や友だちの見立てをもとに,自分のつくり

たいものを決めること

(2)自分のつくりたいものがよく表れるように,木

切れや釘をさらに組み合わせる。

○ つくりたいものの姿により近づくように,さ

らに組み合わせていくこと

これは活動では?

(3)本時の活動をふり返り,次時の活動を知る。

○ 自分のつくりたいものをたしかめること

○ 次時にしたいことを考えること

※ 「見立ての交流を行いながら自分

の表現主題を決めていく」というこ

とを伝えておく。見立ての交流は大

事です。どうしてそれをさせるのか

明記したらいいと思います。

※発問ですよね?

※ 見立てができるようになるための

資料教師の作品?を提示する。

・どんな?どれですか?

・発問もありますよね?

※ 3人のグループをつくり,互いの

ためしの作品を見立てながら交流さ

せる。ただのグループではなく,な

ぜ 3 人がいいのか明記

このままでは,活動

※ なんのために?組み合わせ方の

例,金づちや釘の使い方についての

資料を掲示する。

※ 主題が決定した児童から,ためし

の作品に釘を増やしたり,他のため

しの作品と組み合わせたり,使って

いない木片を加えたりしながら,作

品をより具体化していく。

手立てであれば,何のための手立て

ですか?大切なのは主題が決定した

児童から?

ほんとだ!言われてみたら○○にも見えるね。

この木を組み合わせたら別のものに見えるよ!

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これも活動では?

※ 自分のつくりたいものを,図工ノ

ートに簡単に書き留めさせる。

↓これの説明は?

考察1

○ 導入時に,木切れを使って遊ぶ活動を取り入れ,置いたり並べたり積んだりと自由に活動さ

せながら,木と木を接合したいという思いへとつながるようにした。このことで,「釘」とい

う新しい用具に,必要感を持って出合うことができた。

○ 用具の使い方を演示した後すぐに,試し打ちの時間をとった。「何をつくるか」ということ

は考えずに,金づちの使い方・釘の打ち方を練習するためだけの時間としてたくさん試し打ち

をしたことで,技能の習得につながったと考える。課題にも登場しますが

○ 金づちの使い方の資料提示により,前時に学習した金づちの使い方を想起し,活動をスムー

ズに進めることができた。

○ 題材名の「トントンドンドンくぎうち名人」を釘で表現したものを提示することで,児童の題

材への期待感を高め,イメージをふくらませることができた。

(釘で製作した題材名「トントンドンドンくぎうち名人」を提示したことで,児童の・・・・)

○ さまざまな形の木をたくさん準備し,児童が楽しんで活動できるようにした。(児童が楽し

んで〈楽しむだけではなく発想を広げるためとかも?〉活動できるように,さまざまな形の木

をたくさん準備した)見立ての活動,つくりたいものを決める段階,実際につくっていく段階

で,自分の思いに沿った材料を選んだり考えたりしながら活動できたと考える。*手立ての所

にも明記する↑↓

○ ?本時のゴールを明確にするための手立てか必要感をもっても立てる活動をするための手立

てか?主題決定の時間の初めに,本時の目標である「見立てをしながら自分の表現主題を決め

ていく」ことを伝えた(と発問した)ことで,本時の授業でのゴールが明確となり,必要感を

もって見立てる活動を行うことができた。

○ 見立ての活動を行う前に,教師のためしの作品を提示した。「いろいろな向きから見ると,一

つのものもいろいろなものに見えるね。」「見立てる時は,いろいろな向きから見て,何の形にな

るのか考えるといいね。」といった声かけで,児童は意欲的に様々な見立てを発表することがで

きた。また,この後の三人グループの見立ての活動も活発になった。

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○ グループで見立ての活動をすることで,自分が気付かなかった見立てに気付いたり,自分の

見立てを明確にしたりすることができた。構想の段階でお互いの見立て方を交流する場を設定

することは,児童の主題決定において有効である。~を~することができ。などどういう点で有

効だったかを書くといいと思います。

○ ためしの作品を組み合わせて見立てる活動を提案し,「『おためしの作品』と『おためしの作

品』」や,「『おためしの作品』と『新しい木片』と釘」などの組み合わせ方の例を資料として掲

示した。そうすることで,活動が滞っている児童の発想の手助けとすることができた。

○ 見立ての活動が停滞している児童に「何に見えたかな。」という~な言葉かけをしたり,主題

決定がなかなかできない児童には,「何に見えてきたかな。」「何を作るのかな。」と聞きたずね,

その反応に対して「楽しそうだね。」「おもしろそう。」「あと3分あるからゆっくり考えていい

よ。」などの児童が安心できる言葉かけを行うことができた。このように児童に寄り添う言葉か

けをしたことで,ほぼ全員が見立てることと表現主題を決定することができた。

● 釘という材料とに,必要感を持って出合わせたいという意図があったが,「釘=接合」とい

う考えがメインになってしまい,釘を飾りとして使うこともできるという題材のよさを生かし

きることができなかった。斜めに刺さった釘や曲がってしまった釘,通常では無駄と思えるつ

なぐことを目的としない釘も表現の方法の工夫のひとつとして価値づけ(資料で?発問で?)

をすることが必要だった。

● さまざまな形の端材をたくさん準備はしたが,いざ釘を打とうとすると折れてしまうものが

あった。児童の思いや活動を妨げないような材料の選別の必要がある。どんな物が有効?

● 自分の作りたいものがイメージできている児童は,ためしの作品があることで発想の妨げに

なっているので,新しい木片を使って活動をさせてもよかった。※成果にもあるので,書きぶり

を少しかえてみては・・・(自分の作りたいものがイメージできている児童は,ためしの作品が

なくても発想が広がっていたため,新しい木片を使って活動させても良かったと考える。)

● 自他のためしの作品を見立てることによりイメージを広げ,自分の作りたい物を考えさせる

活動を行った。しかし,組み合わせの際,使いたい作品が友達と重なってしまうことがあった。

自分が使いたいものが他の児童と重なった時は,すぐにそれと同じものが作れるように予備の

木片を準備しておく必要があった。

● 釘をうまく打てない児童がいたので,打ち方のコツを共有する時間を取ったり,最初にげん

のうの使い方をふり返ったりする必要があった。※成果にもあるので・・・(成果を→用具に

なれることができた。とするか・・・こちらの書きぶりも工夫して→打ち方のコツを共有する

時間をとったり,毎時間げんのうの使い方をふり返ったりすることで技能の習得につながった

と考える)

● くぎを斜めにして木に打ち込んで接合したいががなかなか接合できない児童がいた。表現主

題が決定し,発想が広がることでやりたい組み合わせ方や接合の仕方が増えたので,前時まで

にもっと押さえる必要があった。何を?

● 道具の使い方については,教師がつくった資料の提示だけではなく,途中で友達の作品を見

に行く時間を作ったり,「こんな時はこうしたらうまくいった。」という友達のアドバイスを掲

示したりすると,児童の自主的な学びにつながったと考える。※課題に挙げているのは,自主的

な学びができなかったからですか?何か自主的な学びをさせるための手立てはありましたか?

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4 自分の思いが表れるように,工夫して表現する。

(1)図工ノートと制作途中の作品を見て,自分の思

いを確認する。

○ 自分のつくりたいものをふり返ること

どんな言葉をかけたのか吹き出しに書くといいですね

(2) つくりたいものがより具体的になるように,さ

らに木切れを組み合わせたり,釘を打ったりす

る。

○ 用具を正しく使うこと

○ 形や色などを確かめながらつくること

〈児童作品〉工夫しているところがわかれば書く

(3) 活動をふり返り,次時の活動を知る。

○ 自分の思いを表せたか,ふり返ること

※ 自分のつくりたいものをふり返ら

せ,思いに沿った表現ができるよう

にする。

※ 何の?特性に気付く言葉かけや必

要に応じて自分の思いに立ち返る言

葉かけを行う。

※ 金づちや釘の使い方についての資

料を掲示しておく。

※ 活動が滞る児童には,材料の選び

方や釘を使っての組み合わせ方を提

案する。

※ 自分の思いをふり返らせ,工夫の

ポイントを考える。

工夫のポイントを考えるための手立

てを書くといいのでは・・・これだ

けでは活動内容なので

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考察2

○ 金づちや釘の正しい使い方を示した資料を常掲したり,一人ひとりに持たせていたことで,

時々基本に立ち返り,確認する様子が見られた。

○ つくりたいものが決まってしまえば,活動が滞ることはあまりなかった。発想・構想に時間

をかけ,丁寧に取り組んだ成果だと考える。さまざまな形・大きさの木片を準備したことで,

児童はある程度自分の思いに沿って材料を選択することができた。←↓さっき課題に・・・・

○ ちょうどよい形の木片が見つからなかったり,釘を打つ際に割れてしまったりしても,そこ

にある他の木片を使って,さまざまな角度から見ながら「こうしたら○○に見える!」と自分

なりに修正しながらつくっていく姿があった。構想段階に,いろいろなものに見立てて交流す

る活動を設定したことで,「見方を変える」ことに意識を向けることができたのだと考える。

● 活動に夢中になると,どうしても基本的な技能がおろそかになることがあった。金づちの持

ち手の位置や,力のかけ方等,適宜ふり返るだけではなく,練習コーナーやアドバイスコーナ

ー等を設け,児童が自主的に学べる場づくりをすることも必要だと考えられる。

● 表現段階においても,木の強度に児童が困り感を抱く場面が多々あった。材料選定の時点

で,児童の力に合ったものを使っていくことが大切だと感じた。

*成果にもあるので,工夫もできたが,強度を考えた材質を準備しておくと更によかった。等と

書いてみては。。。。。

山﨑先生の方からすでに赤が入っているのであまり細かいところは書きません。指摘

のある通り,全体的にいえることは手だての目的や内容が明確に書かれていないところ

があるのでまずそこがわかるように書くということです。具体例なども少し挙げてわか

りやすくする必要もあるかもしれません。成果と課題のいずれにも挙がっている内容が

散見されますが,そこも指摘にある通り整理をしてわかりやすくしたいですね。結局,

やった方がいいのだろうか…と読んだ人も迷ってしまうでしょうから大きな課題がなけ

れば,成果を詳しく書いてそのうえで改善点を挙げていく形にするといいと思います。

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5 友達と作品を見せ合い,面白さや楽しさを感じと

る。

(1)友達と,作品を見ながら交流する。

○ 工夫している点を伝え合うこと

○ 自分や友達の作品のよさを見つけること

(2)学習をふり返り,図工ノートに活動や作品につ

いての感想を書く。

○ 活動していて思うようにできたこと

○ 自他の作品を交流して,気付いたことや思っ

たこと

〈鑑賞ノート〉

※ スムーズに進行するために,進行

カードを提示・配布する。

※ 学習全体をふり返って児童の頑張

りを賞賛し,他の題材にもいかして

いけるようにする。

5 成果と課題

(1)成果

① 題材の工夫

題材と出合わせる際,児童が題材を身近に感じることができるよう,木切れを使って自由に遊ぶ

活動を設定した。この活動を通して,児童の中からは,「木切れ同士をくっつけたい。」「木と木をく

っつけるためにはどうしたらよいのだろう。」という声が自然と聞かれ,接着の必要性をどの児童も

実感を伴って感じることができた。 ↓どのように比較しました

か?

また,テープやのり等の,木と木の接合が不可能な接着剤と釘とを比較し,釘なら素早く確実に

接合できるという良さや特性があることにも気付かせることができ,釘を使った学習への意欲を高

め,児童の主体的に表現活動において有効な手立てであったといえる。

② 資料の内容や提示の工夫

○ 金づちや釘の正しい使い方を示した資料を毎時間常掲して,児童が常に確認できるようにし

た。最初に確認した,正しい用具の使い方をいつも意識しながら作業を進めることができ,使

い方に気を付けて釘を打つ児童が多かった。また,同じ資料を図工ノートといっしょに児童一

人ひとりに配布し,手元でも確認しながら活動ができるようにした。「基礎・基本を習得左折た

釘の打ち方が

丁寧だね!

僕が工夫した

ところは・・・

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めの資料」として有効だった。

○ 見立てができるようになる資料どれですか?として,教師が作成したためしの作品を使っ

て,見る角度を変えたりひっくり返したりしながら児童に提示することで,「見立て」に対する

児童の興味を引きつけたり,その後のグループでの見立ての活動への見通しを持たせたりする

ことができ,磁土の活動が活発になった。

○ 児童が,見立てをもとに自分のつくりたいものを具体的に発想していくための資料として,

組み合わせ方の例を示した資料を提示した。ためしの作品にさらに釘を打ったり,新しい木片

を組み合わせたり,作品同士を組み合わせたりしていくことを提案し,色々な組み合わせ方が

あることを示した。このことで,ためしの作品1つからではできなかった発想を友達と交流さ

せることができ,主題決定という課題の達成に生かされる資料として有効だった。また,制作

に入ってからも,板書の資料を参考にしながらさまざまな組み合わせを考えていた。

③ 提示資料と関連した発問の工夫

○ 見立てができるようになる資料提示の際に,いろいろな角度から作品を見せながら,「あな

たの見立てを教えてください。」と発問した。「いろいろな向きから見ると,一つのものもい

ろいろなものに見えるね。」「見立てる時は,いろいろな向きから見て,何の形になるのか考

えるといいね。」と投げかけることで,児童は意欲的に様々な見立てを発表することができ

た。

○ 組み合わせ方の例を示した資料を提示する際に,教師が1つの例を示した後で,「他にはど

んな組み合わせがあるかな?」と発問した。おためし作品に新しい木片や釘を組み合わせる

ことで,自分のつくりたいものにより近づかせることができることに気付き,意欲的に取り

組むことができた。

④ 言葉かけの工夫

○ 机間指導の際,活動が停滞しがちな児童には,「何に見えるかな?」「向きを変えると」「組

み合わせると」などの発想を促す言葉かけや,「ここ素敵だね。」「ここが耳に見えるね。」な

どの自信を持たせる言葉かけをしながら机間指導を行った。児童に寄り添う言葉かけを行う

ことで,表現への自信につなぐことができ,全員が表現主題を決定することができた。ま

た,教師の言葉かけと同時に,児童同士でも「○○みたいだね。」「ほんとだ,○○に見える

ね。」など,互いの表現を認め合う言葉かけも聞かれた。~言葉かけと整理した書き方いいで

すね。

(2)課題どのようにしたらよかったか書けるといいですね。

● 正しい技能を教えることをは前提とした上で,「釘=接合」にこだわらず,題材の良さを生

かして,釘を使って飾ることの楽しさを教えたり,曲がったり斜めに刺さった釘についても

その飾りとしてのおもしろさを教師が価値づけたりすることも大切だと感じた。

● 技能面での個人差がどうしても出てくる。用具の正しい使い方や,釘を打つ際のコツ・注

意点について,全員で共有したり練習したりする時間や場づくり(友達のアドバイスコーナ

ー等)が必要だった。

● ためしの作品をつくって,それが何に見えるか見立ててから自分のつくりたいものをつく

る,という学習の流れだったが,見立てそのものが難しい児童や,ためしの作品からつくり

たいものへと発展させることに支援が必要な児童がいた。つくりたいものをつくるための学

習の流れについて,また苦手意識を持つ児童への個別の支援については,さらに検討が必要

と考える。

● 「見立て」をどれだけの児童が必要と感じていたのか,把握が難しい部分がある。ためし

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の段階ですでにつくりたいものが浮かんでいて,それに向かっている児童の存在も考えられ

る。見立てることの良さや必要性を児童が実感するには,その活動によって自分の既存の考

えからさらにイメージや作品の幅が広がった,というような成功体験が必要だと考えられ

る。

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平成29年度 教科等研究委員会 研究計画

( )委員会

研究主題

平成29年度

平成31年度

1 研究計画について

2 研究推進計画

5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月 1 月 2 月 3 月

備 考

提出期限 平成29年7月3日(月)

提出先 筥松小学校 校長 原 卓也(ポータルで送信)

※「備考」欄には、各研究委員会で開催する大会(市・県・九州・全国)があれば記入する。

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平成29年度 教科等研究委員会 本年度の反省

( )委員会

研 究

主題

研 究

成果

研 究

内容

・ 運

営 上

の 問

題点

そ の

※ 特に、教育委員会関係等依頼事項などによる課題や対応に苦慮した点(負担)が

ありましたら記述下さい。

提出期限 平成30年3月16日(金)

提出先 筥松小学校 校長 原 卓也(ポータルで送信)

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平成29年度 研究同人

研究委員長

研究副委員長

研究部長

東部地区 部長

中部地区 部長

西部地区 部長

東部地区

東部地区

東部地区

東部地区

中部地区

中部地区

中部地区

中部地区

西部地区

西部地区

西部地区

西部地区

西部地区

西部地区

的場 典子 (松島小学校 校長)

隈本 裕寿 (下山門小学校 教頭)

山﨑 ひろみ (高取小学校 教諭)

平山 浩三 (東住吉小学校 主幹教諭)

池田 裕美 (野多目小学校 教諭)

林田 公与 (百道浜小学校 教諭)

山﨑 理恵 (照葉小学校 教諭)

安部 春伊 (和白東小学校 教諭)

大塚 空 (香椎東小学校 教諭)

内海 愛 (千早小学校 教諭)

河野 茉莉香 (三筑小学校 教諭)

坂田 祐一 (南当仁小学校 教諭)

後藤 由加里 (当仁小学校 教諭)

藤原 理加 (西花畑小学校 教諭)

川﨑 亘 (七隈小学校 教諭)

大坪 千佳 (金山小学校 教諭)

吉田 かなえ (百道小学校 教諭)

佐 藤 彩 (壱岐東小学校 教諭)

平岡 美由紀 (西陵小学校 教諭)

後藤 理恵 (城原小学校 教諭)

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