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物理科学11物理科学112012/01/16 @K402教室

物理科学Ⅱ-20120123(第11回).ppt [互換モード]radphys4.c.u-tokyo.ac.jp/.../introductory-physics-11-1.pdfシュレディンガー方程式(1926) 量子力学の“運動方程式”にあたる方程式

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物理科学Ⅱ(第11回)物理科学Ⅱ(第11回)

2012/01/16 @K402教室

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前回のまとめ:量子力学の世界前回のまとめ:量子力学の世界

粒子と波の二重性

光は波としての性質だけではなく、粒子としての性質をもつ

電子は粒子としての性質だけではなく、波としての性質をもつ

これらは粒子であり波であるというよりは、むしろ、粒子でも波でもなく、我々が観測するときに私たちが普段考える粒子のようにふるまったり 波のようにふるまったりしているように見えうにふるまったり、波のようにふるまったりしているように見える、と言ったほうが正確

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電子をつかった二重スリットの実験電子をつかった二重スリットの実験

日立の外村らが行った実験

非常に弱い電子線を2重スリットに通し、後ろのスクリーンにあたった位置を観測した

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電子は粒子でもあり波でもある!電子は粒子でもあり波でもある!

http://rdg.ext.hitachi.co.jp/rd/moviee/doubleslite.wmv

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シュレディンガー方程式(1926)シュレディンガー方程式(1926)量子力学の“運動方程式”にあたる方程式

波動関数 の二乗が、その粒子がそこにいる「確率」を与える(波動関数の確率解釈)

この方程式は波の運動を表す方程式と同じ形をしている

の方程式を解い 求められる は波のように反→ この方程式を解いて求められる は波のように反射し、干渉し、回折する

→ がこの方程式の解であれば も→ がこの方程式の解であれば、 もこの方程式の解である

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古典力学と量子力学の違い古典力学と量子力学の違い

古典力学では

質点 位置 を求めるために ト 運動方程式 質点の位置 x(t) を求めるために、ニュートンの運動方程式

を解く

量子力学では

波動関数 (x, t) を求めるために、シュレディンガー方程式

を解くを解く

波動関数の振幅の二乗 が、時刻 t に数 振

a から b までの地点に質点を見出す確率を与える

全ての知り得る情報を持ち 方程式を厳密に解いたとしても 全ての知り得る情報を持ち、方程式を厳密に解いたとしても、質点の位置 x(t) を決めることはできない

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波動関数の確率解釈波動関数の確率解釈

シュレディンガー方程式を解き 上のような波動関数が得られたと

xA B C

シュレディンガー方程式を解き、上のような波動関数が得られたとします。これは

x =A のあたりで粒子が見つかる確率は高いのあたりで粒子が見 かる確率は低いx =B のあたりで粒子が見つかる確率は低い

ことを示しています。 粒子を観測したら粒子は C にいました 粒子を観測したら粒子は C にいました

問:では、この直前には粒子はどこにいたのでしょう?( ) ( 限りなく近 と ろ) た(1)C(に限りなく近いところ)にいた(2)波動関数の振幅の二乗がゼロでないところ全てに同時にいた

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波動関数の確率解釈波動関数の確率解釈

シュレディンガー方程式を解き 上のような波動関数が得られたと

xA B C

シュレディンガー方程式を解き、上のような波動関数が得られたとします。これは

x =A のあたりで粒子が見つかる確率は高いのあたりで粒子が見 かる確率は低いx =B のあたりで粒子が見つかる確率は低い

ことを示しています。 粒子を観測したら粒子は C にいました 粒子を観測したら粒子は C にいました

問:では、この直前には粒子はどこにいたのでしょう?( ) ( 限りなく近 と ろ) た(1)C(に限りなく近いところ)にいた(2)波動関数の振幅の二乗がゼロでないところ全てに同時にいた

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量子力学における観測の役割量子力学における観測の役割

シュレディンガー方程式を解き 上のような波動関数が得られたと

xA B C

シュレディンガー方程式を解き、上のような波動関数が得られたとします。これは

x =A のあたりで粒子が見つかる確率は高いのあたりで粒子が見 かる確率は低いx =B のあたりで粒子が見つかる確率は低い

ことを示しています。 粒子を観測したら粒子は C にいました 粒子を観測したら粒子は C にいました

問:この直後にもういちど観測すると粒子はどこにいるのでしょう?

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量子力学における観測の役割量子力学における観測の役割観測する前の波動関数

観測した後の波動関数

(1) C で観測される が正解です

xA B C

(1) C で観測される が正解です。そうじゃないと、測定を繰り返す意味がなくなって実験屋さんとしては困ります

これはこの波動関数が観測されたことによって、その形を変えて C の周りでだけ振幅が大きい関数にな た ということえて C の周りでだけ振幅が大きい関数になった、ということを表しています。

これを観測による「波動関数の収縮」と言いますこれを観測による「波動関数の収縮」と言います

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量子力学の観測問題量子力学の観測問題

量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式は波動関数の時間発展を記述します動関数の時間発展を記述します

しかし、波動関数はある物理量(先ほどの例では位置)がどの値をとっているかということは確率的にしか教えてくれませの値をとっているかということは確率的にしか教えてくれません(取り得る値には無数の可能性があります)

観測によって、波動関数は「突然」収縮して、物理量がある決ま 値を 状態 変 ます れ デ ガ 方まった値をとる状態に変化します。これはシュレディンガー方程式とは無関係に起こるものです

何が波動関数を収縮させるのか?未解決の難問です 少数の粒子から成りたつミクロな系と、多数の粒子から成り立つマ 少数の粒子から成りたつミクロな系と、多数の粒子から成り立つマ

クロな系の相互作用の過程で収縮する?

人間の「意識」が波動関数を収縮させる?

宇宙全体の波動関数を考えれば波動関数の収縮は起きていな 宇宙全体の波動関数を考えれば波動関数の収縮は起きていない?

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シュレディンガーの猫(1935)シュレディンガーの猫(1935)放射性原子の崩壊によって毒物の瓶が割れる仕組みになっている箱の中に閉じ込められた猫の波動関数ている箱の中に閉じ込められた猫の波動関数

猫は箱の中で「生きており また同時に死んでいる」状態!?猫は箱の中で「生きており、また同時に死んでいる」状態!?

箱を開けて猫の生死を確認すると(観測すると)突然猫は「生きている状態」または「死んでいる状態」に変わる!?き る状態」または 死 る状態」 変わる

猫が死んでいたら猫を殺したのは箱をあけた人?

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ちょっとだけ注意ちょっとだけ注意

「シュレディンガーの猫」に代表されるように、量子力学は、実在とは何か?観測とは何か?ということを私たちに問いかけることになりました

これは本質的に自然科学の問題であり、純粋な思考によって答がでるものではないと思われます。現在も理論的にも実験的にも研究が進められ る分野 すが的にも実験的にも研究が進められている分野ですが、この問題を議論するときには言葉遊びにならないように注意しましょう意しましょう

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量子力学のお題目量子力学のお題目

粒子と波の二重性

光は波としての性質だけではなく、粒子としての性質をもつ

電子や陽子は粒子としての性質だけではなく、波としての性質をも質をもつ

これらは粒子であり波であるというよりは、むしろ、粒子でも波でもなく 我々が観測するときに私たちが普段考える粒子のよでもなく、我々が観測するときに私たちが普段考える粒子のようにふるまったり、波のようにふるまったりしているように見える、と言ったほうが正確

不確定性原理不確定性原理

全ての物理量が正確に定まっている状態は原理的に存在しない

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量子力学のお題目量子力学のお題目

粒子と波の二重性

光は波としての性質だけではなく、粒子としての性質をもつ

電子や陽子は粒子としての性質だけではなく、波としての性質をも質をもつ

これらは粒子であり波であるというよりは、むしろ、粒子でも波でもなく 我々が観測するときに私たちが普段考える粒子のよでもなく、我々が観測するときに私たちが普段考える粒子のようにふるまったり、波のようにふるまったりしているように見える、と言ったほうが正確

不確定性原理不確定性原理

全ての物理量が正確に定まっている状態は原理的に存在しない

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誤差/不確かさについて再考誤差/不確かさについて再考

この授業の最初のころ、測定に関する不確かさの話をしました。

どんな測定にも、測定した値には不確かさが必ず含まれる

一回あたりの測定の不確かさの大きさは、同じ物理量を何回も測定し、その値のばらつきから知ることができる

測定装置を工夫することで 回あたりの測定の不確かさの 測定装置を工夫することで、一回あたりの測定の不確かさの大きさをいくらでも小さくすることができる

長さを測るのに、定規ではなくノギスを使う、顕微鏡を使う、など 長さを測るのに、定規ではなくノギスを使う、顕微鏡を使う、など

ある物理量の測定は、他の物理量の測定とは独立に行うことができる

これらはマクロな世界では常に成り立っています

ではミクロな世界(量子力学の世界)ではどうでしょう?

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波動関数の確率解釈波動関数の確率解釈

シュレディンガー方程式を解き 上のような波動関数が得られ

xA B C

シュレディンガー方程式を解き、上のような波動関数が得られたとします。これは

x =A のあたりで粒子が見つかる確率は高いx =B のあたりで粒子が見つかる確率は低い

ことを示しています。このとき どんなに位置を測定する測定器を工夫しても 測定 このとき、どんなに位置を測定する測定器を工夫しても、測定して得られる値はこの波動関数の広がりの分だけのばらつきをもっています。つまり、一般的には、「測定装置を工夫することで 回あたりの測定の不確かさの大きさをいくらでも小さくとで、一回あたりの測定の不確かさの大きさをいくらでも小さくすることができる」というのは成り立たないということになります。

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量子力学における観測の役割量子力学における観測の役割

では 赤線のような(幅が無限に狭い)波動関数ならどうで

xA B C

では、赤線のような(幅が無限に狭い)波動関数ならどうでしょう?このような波動関数に対しては、位置を測定する装置を工夫すればその測定値のばらつきは無限に小さくなるはずですです。

このとき、この粒子の運動量を測定すると、その測定値のばらつきは無限に大きくなることが量子力学から導かれます

つまり、位置の測定値のばらつきが無限に小さいような状態は、運動量の測定値は無限に大きくなっています

位置の測定と運動量の測定は独立ではないのです 位置の測定と運動量の測定は独立ではないのです

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誤差/不確かさについて再考誤差/不確かさについて再考

この授業の最初のころ、測定に関する不確かさの話をしましたました。 どんな測定にも、測定した値には不確かさが必ず含まれる

一回あたりの測定の不確かさの大きさは 同じ物理量を何回 一回あたりの測定の不確かさの大きさは、同じ物理量を何回も測定し、その値のばらつきから知ることができる

測定装置を工夫することで、一回あたりの測定の不確かさの大きさをいくらでも小さくすることができる 長さを測るのに、定規ではなくノギスを使う、顕微鏡を使う、など

ある物理量の測定は 他の物理量の測定とは独立に行うこと ある物理量の測定は、他の物理量の測定とは独立に行うことができる

これらはマクロな世界では常に成り立っています

ミクロな世界(量子力学の世界)では下の二つはなりたちません

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量子力学における誤差・不確かさについて量子力学における誤差・不確かさについて

量子力学においては

1) 理想的な測定器を用いて、ある状態において物理量を測定し、また同じ状態を用意して物理量Aを測定し…ということを何回も繰り返して得られるとき 得られる測定量の広がり何回も繰り返して得られるとき、得られる測定量の広がり

2) 理想的な測定器を用いて物理量Aを測定すると、必ず測定量A が得られるような状態を 現実の(理想的ではない)測量A0が得られるような状態を、現実の(理想的ではない)測定器で測定したときに得られる測定量の広がり

3) ある物理量Aを測定したことによって 他の物理量Bがうけ3) ある物理量Aを測定したことによって、他の物理量Bがうける影響

は別々に考えなくてはなりませんは別々に考えなくてはなりません

マクロな世界では1)と3)はありません

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不確定性原理不確定性原理

例えば、位置と運動量の測定に対して、以下の不等式が成り立ちます

このとき、 は、前の1)の意味での不確かさ、のとき、 は、前の )の意味での不確かさ、つまり「理想的な測定器を用いて、ある状態において物理量を測定し、また同じ状態を用意して物理量Aを測定し…ということを何回も繰り返して得られるとき、得られる測定量の広がり」を表しています。

この原理は、全ての物理量が定まった値をとるような状態は存在しないということを示しています。

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ところで、先週、講義をしようとして、朝の新聞を見るとの新聞を見ると…

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ハイゼンベルグの不確定性原理ハイゼンベルグの不確定性原理

ハイゼンベルグが最初に不確定性原理を提唱したとき、彼は以下のような思考実験を用いて説明しました。

粒子の位置を知るために、光をあてて、その散乱を調べることにする

位置を正確に知るためには、できるだけ波長が短い光を用いる必要があるけ波長が短い光を用いる必要がある

ところが波長が短い光は高いエネルギーを持つので 粒子に当たるとよりギ を持つので、粒子に当たるとより多くの運動量を与えてしまう

その結果、粒子がもともと持っていたその結果、粒子 も も 持 て た運動量は分からなくなってしまう

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量子力学における誤差・不確かさについて量子力学における誤差・不確かさについて

量子力学においては

) 想的な測定器を ある状態 お 物 量を測定1) 理想的な測定器を用いて、ある状態において物理量を測定し、また同じ状態を用意して物理量Aを測定し…ということを何回も繰り返して得られるとき、得られる測定量の広がり何回も繰り返して得られるとき、得られる測定量の広がり

2) 理想的な測定器を用いて物理量Aを測定すると、必ず測定量A0が得られるような状態を、現実の(理想的ではない)測定 定 き 得 れ 定量 広が定器で測定したときに得られる測定量の広がり

3) ある物理量Aを測定したことによって、他の物理量Bがうける影響る影響

は別々に考えなくてはなりません

ハイゼンベルグの思考実験では、位置の不定性は2)の意味で、運動量の不定性は3)の意味で使われています

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この実験についてこの実験について

この実験では、例えば位置と運動量のように、独立ではない物理量について、2)や3)の意味での不定2)や3)の意味での不定性は小さくなりうることを示しましたしました

量子力学における「不確定性原理」は変わ ていま定性原理」は変わっていません

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量子力学の世界の簡単なまとめ量子力学の世界の簡単なまとめ

量子力学の世界では、私たちの常識とはかけ離れたような現象が起きます

粒子であり波である

全ての物理量が定まっている状態は存在しない

ある状態(=波動関数)の時間発展は決定論的に定まるが、その状態を観測したときの測定量は確率的にしか予言できなその状態を観測したときの測定量は確率的にしか予言できない

常識とはかけ離れているが 数学的にはきちんと記述で 常識とはかけ離れているが、数学的にはきちんと記述でき、また実験的にも確かめられています

現在も理論的考察・実験的検証が進められています 現在も理論的考察・実験的検証が進められています