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第九章 SAP HANA SAP最新動向全9冊800ページ ITライブラリーより pdf 100冊) http://itlib1.sakura.ne.jp/ 一般社団法人 情報処理学会 正会員 腰山 信一 [email protected]

第九章 SAPHANAと SAP最新動向全9冊800ページitlib1.sakura.ne.jp/test380/pdfichuran/0180/9-hana.pdfSAP ERP の今後の動向 実際にないものをあるかのように見せで使う

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第九章

SAP HANA と

SAP最新動向全9冊800ページ

ITライブラリーより (pdf 100冊)http://itlib1.sakura.ne.jp/

一般社団法人

情報処理学会 正会員

腰山 信一

[email protected]

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他の章は下記をクリックして

PDF一覧からお入り下さい。

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目次番号 180番 SAP 基本からSAP HANAまで

全9冊 800ページ

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SAP ERPの今後の動向

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SAP ERP の今後の動向

実際にないものをあるかのように見せで使う「仮想化」、自分のパソコンの中身と関連システムを外に出し、モパイルデバイスでインターネットを介して使う「クラウド」。

そしてこれまでのデータベース管理システムでは記録や保管、即時検索が難しい巨大なデータ群「ビッグデータ」。

これらにSAP ERP はどう対応していくのでしょうか。

まだ全貌が明かされていない新しい技術、サービスを含めた今後の展開をご紹介します。

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クラウド時代のSAPサポート

現在、 SAPのクラウドにおけるサポートとして、2つのパターンを発表していますので、ご紹介します。

日本での展開

SAPの統合ERPパッケージ、SAP Business All-in-One をベースにSAPジャパンが クラウド型サービスの展開を発表したのは早く 2011年4月です。

クラウド型サービスとは、SAPの新しい提供モデルとして登場した サブスクリプション・ベースト・ホスティングというサービスを表します。

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SAP ERPを「購入して使う」のではなく、「月額制サービスとして利用する」ためのソリューションです。

クラウド型サービスの特徴を簡単に挙げておきましょう。

情報システム部門の工数の削減

SAP ERPに比べ、従来の「導入」や「開発」は不要なので、ハードウエアの購入やアドオン開発などもありません。

短期間で本番運用が開始できます。

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使用に応じた料金支払い

これまでは将来の高負荷・高利用に合わせて機器を購入していたので、初年度はシステムの利用に対して 過剰なシステム機材投資になっていました。しかしクラウド型であれば、小さく始めて徐々に大きくできます。

オンラインサポート

24時間 X 365日のオンラインサポートを保障します

自動更新

IFRS 、法改定、バージョンアップに自動で対応します。

24 Hours

365 Days

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現時点では対応業種が 限定されている

現時点では、化学・素材等の製造業、食品加工業、アパレル、電子部品製造業、機械組立、商社・卸全般 だけに対応しています。

総括として、日本での導入実績はあるものの、これからのサービスと言えます。

また、SAPの認定は受けていますが、対応業種・自由度が制限されているため、自社で利用できるかどうかを判断する必要があります。

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ワールドワイドな展開

2012年2月に、 SAP社は SuccessFactor というクラウドのパイオニアで、HCM (人的資本管理) に強い企業を買収しました。

SuccessFactor の機能については、下記の通りです。

人員管理

SuccessFactor のコアに当たるHR(人的資源)ソリューションである「Employee Central」と連携した給与ソフトウェエアを追加しました。

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BPO (ビジネス・プロセス・アウトソーシング) サービスを提供するプラットフォームとして活用されています。

SuccessFactor の人材管理ソリューション やコアHRソリューションにグローバルな給与ソリユーションが加わることで、クラウド内で包括的なアプリケケーションスィートを 提供できると SAPは考えています。

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財務経理

SAP Financials OnDemand ソリユーションを発表しています。 中核的な財務、受注から入金、請求書発行から支払いといった、各種プロセスの管理を行う大企業の顧客をターゲットとしています。

さらにモバイル機器から直接費用の確認・処理を行えるようにするため、統合機能とモバイル機能を備えたSAP Travel OnDemand ソリユーションを提供しています。

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顧客管理

マーケティング機能、ソーシャル販売機能、構成ツールとカスタマイズツール、SAP Customer Relationship Management(SAP CRM)アプリケーション等のSAP Business Suite ソフトウエアへの連係機能が採用されています。

ユーザー企業がSNS の能力をフル活用できるように、CRMソリユーションのポートフォリオを拡大しています。

マーケティング部門とサービス部門の両方のプロフエッショナルに対するマルチチャネル型のアプローチの一環として、FacebookやTwitter等のSNSを通じて企業とユーザーとのコミユニケーションを支援するため、SAP Social Customer Engagement

OnDemand ソリューションの一般提供も開始しています。

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サプライ

戦略的なソーシング、サプライヤー、契約ライフサイクル管理向けのソリューションとして、 SAP Business Suite と連携するSAP Sourcing onDemand

ソリューションや、ネットワークペースの請求書管理、調達から支払いまでのプロセスの情報管理のためのSAP lnformation lnterchange OnDemand

ソリューションに力を入れています。

総括として先にご紹介した 日本企業からのクラウド・サービスは、SAP

Business All-in-Oneをベースに、ドイツ本社ではSAP Business Suiteをベースにしています

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機能は、SAP Business Suite の方が使いやすく、拡張性も高いです。

その意味では日本企業の展開しているSAPクラウドサポートは今後の機能面での広がりを 期待したいところです。

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そしてクラウド・プラットフォーム「 SAP HANA Cloud 」ヘ

5年前の 2012年10月、クラウド型アプリケーション開発プラットフォーム、SAP HANA Cloud が発表されました。

構成はSAP HANA AppServices (ネイティブSAP AP HANA、 Java、そのほかの迅速な開発を支援するサービスを使って 次世代アプリケーションを開発できるようにするサービス)、 SAP HANA DBServices(クラウドでDaaSを提供する) などが含まれます。

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SAP HANA Cloud の最初のアプリケーション・サービス「SAP NetWever

Cloud」は、既存アプリケーションの拡張機能や新規アプリケーションを開発するためのツールを提供するJavaベース・サービスです。

既存のSAP製品と ネイティブな統合、アイ

デンティティ管理、クラウドおよびオンプレミス・アプリケーションへのアクセスを 容易に

するシングル・サインオンといった機能が利用できます。

しかも、 NetWeaver Cloud は、使用に制

限がない開発者ライセンスが無料で提供されています。

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SAP HANA cloud は米国のクラウド・プラットフォームSelesforce.com

の「Force.com」や「Heroku」などの対抗に あるかはまだ不明ですが、感心深いことだと思います。

補足: オンプレミス

企業の業務システムなどで、自社で用意した設備でソフトウェアなどを導入・利用すること。 自社運用。

もともとこのような形態が一般的だったため特に名称は無かったが、近年、インターネットなどを通じてメーカーなどが用意した環境を遠隔利用するクラウドコンピューティングやSaaS/PaaSなどが普及してきたた

め、これらと対比する文脈で従来の方式を意味する用語として広まりました。

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クラウド版 SAP NetWeaver

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クラウド版SAP NetWeaver

SAPのクラウド戦略は、先に述べたように「人員管理」「財務経理」「顧客管理」「サプライ」の 4つの領域にフォーカスしています。

クラウドサービスを提供すると共に、エンド・ツー・エンドの統合を行うためにPaaSとして「NetWeavr Cloud」 を展開します。

SAP NetWeaver Cloud の 6つのポイント

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パーシステンシー (永続) サービス

HANAやSybase ASE を使って、永遠にデータを維持、保存します。

ドキュメント・サービス

企業向け コンテンツ管理システム(CMS)へのアクセスがCMISのDocument Services API で実装されています。 デバッグ用途で ローカルのDocument service もサポートしています。

クラウド接続サービス

SAP Business Suite やオンプレミスのシステムとのセキュアな統合をします。

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補足: Sybase ASE

Adaptive Server Enterprise (ASE) は、Sybaseの中核的な製品でありエンタープライズ級の用途向けの関係データベース管理システム (RDBMS) 製品である。

ASEはUNIXプラットフォームでは、有力なRDBMS製品である。 Windows向けのバージョンも出荷されている。

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CMS

【 Contents Management System 】

Webコンテンツを構成するテキストや画像、レイアウト情報などを一元的に保存・管理し、サイトを構築したり編集したりするソフトウェアのこと。広義には、デジタルコンテンツの管理を行うシステムの総称。

Webサイトを構築するには、テキストや画像を作成するだけでなく、HTMLやC

SSなどの言語でレイアウトや装飾を行い、ページ間にハイパーリンクを設定するなどの作業も行う必要がある。 これらの要素を分離してデータベースに保存し、サイト構築をソフトウェアで自動的に行うようにしたものがCMSである。

CMIS

(Content Management Interoperability Services)企業向けCMSの相互運用仕様のこと。

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アイデンティティ・サービス

SAP NetWeaver Cloud とSAPアプリケーションを またぐユーザー認証が実装されています。

リモートからの モニタリングと管理

自動アラート検知機能、使用率、稼働レポート、ログツール、Webベースの運用コンソールがあります。

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メールサービス

SAP NetWeaver Cloud アプリケーションから直接メールが送信できる機能で、OSGiWeb アプリケーションのバンドルを使います。

以上のことからSAP NetWeaver Cloud と言いながらも、従来から展開しているSAPのプロプライエタリな SAP NetWeaver環境とは異なるオープンスタンダードな環境と見ていいと思います。

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統合プラツトフォームとしての SAP NetWeaver Cloud の戦略

クラウドでは、自分のアプリケーションを付加して機能を強化できるというメリットがあります。 SAPはオープン戦略を採り、 VMwareのPaaS 「Cloud Foundry 」と提携して、 SAPのプラットフォームだけではなく Cloud Foundry を通じて拡張できます。

SAPのクラウドの価値を拡張

するには、新しい開発者が必要で、Java や Rubyを使うた

くさんの技術者に呼びかけようとしてます。

このようにアプリケーションと統合との両方で、オープンな拡張を目指すのが新しい戦略です。

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次にクラウド化が遅れている日本ではそれほど問題はありませんが、米国で問題になりつつあるのが クラウドのサイロからの起案です。

これは利用部門が勝手にSaaSを導入して、顧客情報などの重要機密情報が、社外の複数のサイロにばらまかれている事態のことです。

クラウドが話題になり、SaaSの導入なら利用部門にはITの知識はほとんどいりません。 しかも料金は安く、IT関連費以外の予算で導入できます。

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そこで、 SAPはNetWeaver Landscape Vlrtuelization Management という、 SAP Business Suite ランドスケープを仮想化して、開発者テストに利用できるという 管理機能を提供しました。

このような製品を用意し、顧客に対して自社の準備が整ったら クラウドの導入ができるようにし、クラウドに移行できる準備ができていない場合は 既存のオンプレミスを仮想化し、プライベートクラウドから使用できるように勧めています。

SAPで プライベートクラウドから使い続ければ、「クラウドのサイロ」は起

きず、後にデータの統合もしやすくなる、という戦略です。

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補足: 0SGi

Open Service Gateway Initiativeの略。 開発話Javaモジュールの動的追加や実行を管理するための基盤システムのこと。

プロプライエタリ

開発者・開発企業などが製品やシステムの仕様や規格、構造、技術を独占的に保持し、情報を公開していないこと。 その情報独占者でなければ、開発・修正・改編・管理ができない状態となる。

プロプライエタリ(proprietary)は「専用の」「独自の」「独占的な」「所有権・占有権

のある」「非公開の」の意味で、コンピュータ関連用語としてはオープン(open)の対義語となります。

proprietary

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Cloud Foundry

Cloud Foundry とは、VMWareによって提供されているオープンソースのPlat form as a service(PaaS)ソフトウェア、およびそれを利用したパブリッククラウドサービスの名称です。

Ruby

Ruby(ルビー)は、まつもとゆきひろ氏 によ

り開発されたオブジェクト指向スクリプト言語であり、スクリプト言語が用いられてきた領域でのオブジェクト指向プログラミングを実現いています。

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ビッグデータ時代のSAP

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ビッグデータ時代の SAP

SNSに代表される FacebookやTwitter、YouTube等、ドキュメントや動画、スマートフォンの通信情報やWebのアクセスログ、GPSデータ、クレジットカード情報や電子マ

ネーの購入情報等、データのボリュームや種類は増加し続けています。

このようなデータをリアルタイムに活用する「ビッグデータ*時代」にSAP社はどのような考え方を 提唱しているのかをご紹介します。

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データ爆発

とどまるところを知らない

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ライフログ

画像・動画

Webサイト

携帯電話の出荷数国内:3328万台全世界:約13億台GPSデータ

センシングログ

スマートメーター(利用履歴)

非接触IC-R/W

音声

ユーザー数5億人以上全世界1日に3億のつぶやき

ソーシャルメディア(投稿情報/人間関係)

ユーザー数10億人以上1日に10TBずつ増加

1日86万件以上の投稿

ビッグデータ

文字

2016年の世界のデータ量1.8ゼッタバイト

(1.8兆GB)

(閲覧履歴)

POS・自販機・各種カード(購買履歴)RFID(無線ICタグ)

電話・コールセンター(通話履歴)

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オフィスデータ

業務の各システムや、グループウエアから提供される膨大なデータ群

CRM

Flat Files

Legacy Systems

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ライフログ

付加情報

関係性・分析情報

他者との関係(絆)・評判・信用情報

提供・利用することに応じて記録される情報

利用履歴分析など

行動情報

利用履歴

購買履歴、移動履歴ロケーション、写真

基本属性

住所、クレジットカード番号、

趣味、所属企業、役職

IDコード(識別子/クレデンシャル)

提供・利用する上で必要な情報

付加情報

関係性・分析情報

他物との関係・性能情報

トラッキング履歴分析など

行動情報

利用履歴

機械・器具、車両・信号など

の動作トラッキング履歴、

IDコード

(識別子/クレデンシャル)製造番号などID / パスワードなど

動植物データ

日記、つぶやき

基本属性

製造年月日、製造場所製造環境、など

天候など環境データ

センシングログ(マシン)

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定性(非構造化)データ

定量(構造化)データ

他社データ

ソーシャルメディア

(ブログ、SNSなど)

レビューサイトなど

各種DBなど

自社データ

テキストマイニング

蓄積・分析

データマイニング

競合データ

売上データ

購買データ

SFAデータ

社内データ

データ収集・加工

ビッグデータ(ライフログ)の活用の各段階

マーケティング

業務プロセス

プレセールス(商品企画など)

セールス(商品販売)

アフターセールス(顧客サポートなど)

市場データ

分析・加工

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シンプル化

企業内に複数のデータベースが散在する状態で、ビッグデータを活用した場合、以下の問題が生じやすくなります。

(A) データの揺れの発生

(B) データタイミングの不整合性

(C) 分析速度の低下

(D) 新規分析システムの構築の困難

(E) 管理コストの増大

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既存技術が複雑化しているので、破壊的技術、ブレークスルーの導入のためには、全体最適と個別最適の双方の実施を提唱しています。

基本アーキテクチャを一新し、コンバージド・システムの発想を取り入れることが、ビッグデータ活用に生きてくるとしています。

補足: コンバージド・システム Converged Systems

集中型のシステムのことです。

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スケーラビリティの確保

ビッグデータにおける、データの急激な増加が意味することは、規模の拡張を指すことではありません。

スマートフォンの通信情報を例にすれば、通話記録に加え、通話先のデータ、通話位置情報など、データは多様化しています。

分析対象の増加こそがビッグデータの本質であり、あらゆる可能性に対応できるシステム構築を目指しています。

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データが増えても対応できるアーキテクチャであり、製品の進化と共に対応できるインフラも必要だとしています。

システム構築の最終的なゴールを見据えずに行う、場当たり的にシステムを増改築することはビジョンの欠落を意昧します。

例えば、これまで避けてきた問題には、次のようなものがあります。

(A) 各部門が個別に業務システムを持ち、システム統合や標準化ができない「部門間調整の回避」

(B) 各部門が個別にシステムを持ちたがる「自前主義」

(C) できる限り システムを業務に合わせようとする「過剰品質」

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ビッグデータ対応のタイミングで、これまで避けてきた問題を解決し、データベースの統合、合理化、スケールを見据えた情報基盤の強化を進めるべきと思います。

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SAP HANA 誕生

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SAP HANA SP4 へ

5年前の2012年6月、SAPジャパンは ニーズを先取りして、ビッグデータ解析機能を強化した「SAP HANAインメモリデータベース」の 最新サービスパックとしてSAP HANA SP4を発表しました。

ビジネス向け関数群や予測分析関数群の追加や機能強化が行われ、構造、非構造化された コンテンツから テキスト検索をします。

ビッグデータ解析機能は、オープンソース統計言語「R」との連係機能の強化と、HANA向け独自関数群「Predictive Algoritm Library (Pal)」「Business Function Library (BFL)」を拡充しています。

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現在はない機能ですが、将来は収益機会や高度な予測分析をしてビッグデータ解析に対応しようとしています。

SAP HANAは「リアルタ

イム」という要素を最重視した設計となっています。

「リアルタイムにデータをロードし、リアルタイムに計算、分析し、リアルタイムに実行される」というのがコンセプトです。

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SAP HANAは、いくつかの要素技術と 独自技術を融合させることで、パフォーマンスを 向上させています。

さらに、SAP HANAの開発に当たって インテルとの

パートナーシップに基づき、大量のアプリケーションコードがチップ上で最適に動作するように設計しています。

まず「カラムストア」を使うことで50~ 100倍の処理性能が期待でき、さらに超配列処理 (MPP : Massively Parallel Processing) という大規模な配列分散処理により、データベースの処理性能を数倍に引き上げようとしています。

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「SAP HANA」は、強力な演算エンジン と データベースをメインメモリー上に統合し、メモリー上でデータを処理することで大量データの リアルタイム分析を可能とする SAP社のソフトウェア製品です。

業務データや分析用データ、Webデータなど各種データを対象に分析可能でたとえば、小売業の製品発注における計画、予測立案や価格設定の最適化などを迅速に実現します。

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「SAP HANA」は、大量データをサーバーのメインメモリーでリアルタイムに処理する インメモリー・コンピューティング技術です。

これは、メモリー大容量化、マルチコア化、分散並列処理技術、高度圧縮技術、カラム型技術 といったハードウェア、ソフトウェアのテクノロジーの飛躍的な進化により、実現された技術です。

大規模なデータベースからデータを吸い上げて 加工・集計し、モバイルで利用するまでにかかっていた作業時間を大幅に短縮し、わずか数秒で必要なデータを利用できるようになります。

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インメモリデータベース(in-memory database, IMDB)

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ハイブリッド型の インメモリデータベース

グラフの水色の線が一般的なディスク型データベースのスループット値で、ピンクの線がインメモリデータベースのスループット値。 このパフォーマンステストは、同一のハードウェア・OS構成で実施され、ディスク型が約1万6000TPS

だったのに対し、インメモリ型では約14万TPSという優れた結果が得られました。

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B+ツリー構造 と Tツリー(カスタマイズVtrieツリー)構造

Tツリー(Vtrie)では、検索データを見つけるまでのパスを少なくすることで高速化を実現しています。

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補足:

パーシステンス :persistence

パーシステンスとは永続性のこと。主にデータの永続、保持と意味で使われます。

プログラムは メモリ上でデータを管理しますが、メモリはプログラムが終了すればデータも失われます。

そのためプログラムが終了してもなんらかの方法でデータを保存しておくことを パーシステンスといいます。

データの永続化は通常のデータであれば簡単ですが、構造化され他のデータと複雑にリンクされている オブジェクト・データを パーシステンスするのは大きな課題となっています。

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データ永続性の保証の仕組み

チェックポイント間でサーバに障害が発生しても、ディスク上に一貫したデータのスナップショットが存在するので復旧できる。

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補足: カラムストア

列指向のデータベース:

通常のデータベースが行指向で追加・更新・削除のようなトランザウション処理が得意なのに対し、カラムストアは列を抜き出して捜査する集計処理が得意です。

配列分散処理

並列処理 1つの問題を分敵して複数の

コンピューターで、高速に並列に処理するように実現したシステムです。 負荷分散、機能分散など。

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SAP HANA

SAP HANAでは、ビツグデータの分析を容易にするほか、SAP製データウェアハウス構築ソフト「SAP BW」のデータベースとして利用が可能です。ここでは HANAの機能についてご紹介します。

インメモリ技術を活用した分析アプライアンス

SAP HANAは、インメモリデータベース技術を利用してデータ処理を高速化するアブライアンス製品です。

HANAは、「High-Performance Analytic

Appliance」の略で、演算エンジンとデータベースを インメモリ上に統合、ビジネスに特化した使いやすいデータモデリングツールと組み合わせています。

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一般的なBI (ビジネスィンテリジェンス) システムでは、ERP (統合基幹業務システム) や CRM(顧客情報管理システム) 等の業務系システムからデータをロードし、 分析しやすいように データを加工・集計し、目的別のデータマートにクエリを かける という仕組みです。

基本的には、 業務システムからの データロードに バッチ処理で約1日、データ加工集計で 数時間から1日、ユーザーがかけたクエリ処理に数分から数十分と、それぞれ時間がかかります。

HANAはSAP社が買収した「Sybase」のリアルタイム同期、 SAPのインメモリ、BusinessObjects のリアルタイム検索等、

それぞれの技術を活用し、すべての工程を数秒で処理することができます。

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補足: データマート【 Data Mart 】

企業のあらゆる情報を格納した データウェアハウスから、特定の部門が必要とするデータを抜き出した 部分集合(サブセット)。

データマートの実体は、データベースとその解析・視覚化ツールの組み合わせです。

データマートは開発部門、営業部門、経理部門など各部門ごとに構築され、それぞれの部門の要求に応じて解析・視覚化が行えるようになっています。

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クエリー 【 query 】

データベース管理システムに対する処理要求 (問い合わせ) を文字列として表したもの。データの検索や更新、削除などの命令をシステムに発行するのに使われます。

検索クエリーでは、対象となるテーブルやデータの抽出条件、並べ方などを指定します。 一度作成したクエリーは保存しておいて何度も使うことができるようになっているものが多いです。 リレーショナルデータベースでは、クエリーの記述にSQLという言語を使うことがほとんどです。

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BW用データベース

現在、 BW用のデータベースとして 日本オラクル社の「Oracle Database」 や、IBM社の「DB2」、日本マイクロソフトの「SQL server」等を利用できます。

HANA SP3 から これらのデータベースの代わりに HANAを選択できるようになります。

バックアップやリストア、セキユリティ、監査、意見管理といった管理機能も強化され、データ分析やシミュレーションを支援する関数群である 「ビジネス ファンクションライブラリ」や「予備アルゴリズムライブラリ」 も提供されています。

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このほかにも ERPのデータを リアルタイムで複製 (レプリケーション) する「SLT」 と呼ぶ機能も搭載され、SAP以外の製品のデータも SAP ERPのデータと同じく、リアルタイムに複製が可能になります。

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HANAのこれからの可能性

インメモリデータベース を「ビッグデータ」 のソリューションと位置付けるのは実のところ、かなり無理があります。 メインメモリに収まる程度のデータは、例えテラバイト であっても小さいものです。

近年、 Amazon Web Services (AWS)上で 展開するSAP HANA One プラットフォームの提供を開始しました。 AWS Marketplace から利用できます。

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AWSで 提供されるSAP HANA One とアプライアンス製品の「SAP HANA Platform Edition」フルバージョンと、同等の機能を利用できるというSAPジャパンの発表です。

SAP HANA One では小規模なデータセットを対象とした環境を、クラウド上に数分で構築できることから、独立系ソフトウェアベンダ や スタートアップ企業での採用を期待しています。

パーシステンスサービスを利用すれば、SAP Sybase ASE やSAP HANAに データ蓄積ができます。

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そして従来のHANAにも 機能強化が行われています。 データベースの中にHTML5 やJavaScript に対応したアプリケーションサーバーを組み込むことで アプリケーションレイヤーを削減し、データ処理を高速化することを狙っています。

併せて開発環境である SAP HANA Studio も機能強化を行い、データ処理ではSQLScript を、ロジック制御ではJavaScriptを、 UI(ユーザーインターフェイス)開発では HTML5を 同一の開発環境下で 実装できるように なっています。

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SAP HANA Studioは、今後はモデリング や デバッグ作業の改善、チーム開発環境支援のほか、リポジトリブラウザ や プロジェクト管理機能の追加が予定されています。

SAP HANA One でも SAP HANA Studio が使えます。

SAPが真の意昧で「ビッグデータ」の分析を推進するのであれば、Sybaseの技術をより 強く活用できた時であると思います。

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HTML5

Webページの記述などに用いるマークアップ言語、HTMLの第5版。WHATWGの提唱した仕様を元に、Web関連技術を標準化しているW3Cで仕様の検討・標準化が進められています。

従来、動画やアニメーションなどを含むマルチメディアコンテンツや、操作性や表現力に優れたWebアプリケーション(RIA)は、JavaアプレットやFlash、Silverlightなど特定の技術やプラグインを必要としていましたが、HTML5を利用すれば標準仕様に則ってこうしたWebコンテンツを開発することができ、HTML5対応Webブラウザで閲覧・利用することができるようになると期待されています。

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JavaScript

Sun Microsystems社とNetscape Communications社が開発した、Webブラウザなどでの利用に適したスクリプト言語(簡易プログラミング言語)。 Sun社のJava言語に似た記法を用いることが名称の由来だが、直接の互換性は無い。

従来は印刷物のような静的な表現しかできなかったWebページに、動きや対話性を付加することを目的に開発され、主要なWebブラウザのほとんどに搭載されています。

ブラウザ以外のソフトウェアにも簡易な制御プログラムの記述用言語として移植されており、Microsoft

社のWindowsやWebサーバソフト「IIS」、Macromedia社の「Flash」などに、JavaScriptあるいは類似の言語の処理系が内蔵されています。

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アプリケーションレイヤー

アプリケーション層 【 application layer 】 第7層 / layer 7 / レイヤ7 / L7

OSI参照モデルの第7層に位置し、ネットワークアプリケーションのうち ユーザが直接接する部分です。

ネットワーク経由での送受信を行うプログラムとユーザ との 入出力を行うプログラムの間の通信にあたります。

セッション層からアプリケーション層までの通信方式は 単一のプロトコル(例えばHTTP)で定められていることが多いです。

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SQLScript

SQLというデータベースに使う コマンドのこと。

スクリプト 【 script 】

台本、脚本、原稿、手書き、筆記体などの意味を持つ英単語です。コンピュータプログラムの種類の一つで、機械語への変換や実行可能ファイルの作成などの過程を省略または自動化し、ソースコードを記述したら即座に実行できるようなプログラムのことをスクリプトといいます。

そのようなプログラムを記述できるプログラミング言語のことをスクリプト言語といいます。

通常、人間が書いたプログラム(ソースコード)はコンパイラなどでコンピュータが解釈できる機械語などのコードに変換され、必要なライブラリを結合するなどの操作をして実行可能なプログラムが生成されます。

スクリプトではこの過程をソフトウェアなどが自動的に行なってくれるため、プログラムの作成者は記述したコードをすぐに実行に移すことができます。

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補足: リポジトリブラウザ

SAPシステムにおいて開発作業を組織し、管理するための中心的なツールです。

MDX

Multi Dimensional Expressions

多次元データベースからデータを取り出すために 使用されるクエリ言語です。

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SQL 【 Structured Query Language 】

リレーショナルデータベースの操作を行うための言語の一つです。 IBM社が開発したもので、ANSI(アメリカ規格協会)やISO(国際標準化機構)によって標準として規格化されています。

DSL

DSL 【 Domain Specific Language 】 ドメイン固有言語 / ドメイン特化言語

特定の作業の遂行や問題の解決に特化して設計されたプログラミング言語のことです。

DSLはC言語やJavaのような汎用プログラミング言語、UMLのような汎用モデリング言語など、さまざまな領域に対応するように作られている汎用言語とは対極に位置づけられるものです。

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BICS

BI Consumer Service の略。 BWのフロントエンドツールBExのためにSAPが開発した BW専用のAPIです。

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SAP HANA 総括

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