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CopyrightⒸ2020 JCTEA All rights reserve 一般社団法人 日本CATV技術協会
注 意 事 項
1.試験時間は 60分 です。
2.解答は別に配布する解答用紙(マークシート)の該当する欄のみを使用して下さい。
解答をこの問題用紙に記入しても採点されません。
3.解答要領はマークシート方式となっています。
4.解答用紙に受講・受験番号、氏名を HB の黒鉛筆かシャープペンシルで記入し、併せて
受講・受験番号の該当する数字をマークして下さい。
(記入例)
受講・受験番号
1 2 3 - 4 5 6 7
● ① ① ① ① ① ①
② ● ② ② ② ② ②
③ ③ ● ③ ③ ③ ③
④ ④ ④ ● ④ ④ ④
⑤ ⑤ ⑤ ⑤ ● ⑤ ⑤
⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ⑥ ● ⑥
⑦ ⑦ ⑦ ⑦ ⑦ ⑦ ●
⑧ ⑧ ⑧ ⑧ ⑧ ⑧ ⑧
⑨ ⑨ ⑨ ⑨ ⑨ ⑨ ⑨
⓪ ⓪ ⓪ ⓪ ⓪ ⓪ ⓪
5.解答用紙にマークする場合は、次の注意事項をよく読んでマークして下さい。
① HB の黒鉛筆かシャープペンシルを使用し、次のマーク記入例の「良い例」にならって、
正解として選んだ記号のあるマークの枠内を濃く塗りつぶして下さい。
ボールペン、万年筆等でマークした場合は、採点できませんので、使用しないで下さい。
(マーク記入例)
良い例 ● 悪い例 ○ ○ ○ ○ ○
② 一つの問に対する解答は一つだけです。
従って マークするのは、一つの問につき一ケ所のみです。
③ マークの訂正をするときは、跡が残らないように消しゴムで完全に消して下さい。
④ 解答用紙は折り曲げたり汚さないようにして下さい。
r04
CATV技術者(エキスパート)資格試験
シ ス テ ム 科 目
2020年
次のページ以降は試験問題になりますので、試験開始の合図があるまで開かないで下さい。
試験問題を解答する前に、必ずページ数の不足、不揃い、印刷不鮮明などがないか試験問題
用紙の確認をして下さい。
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(システム)1/15
《 問題は次ページからです 》
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問1. 次の文章は、CATV システムを構成する機器と同軸ケーブルに関する記述である。
a ~ e の数値として も適切なものを解答選択肢から選び、解答用紙の同じ記号にマークし
て答えよ。
(1)図 1-1 は 2 台の同一性能の幹線増幅器間のレベルを示したものである。
使用されている幹線ケーブルの減衰量が周囲温度 20℃、70MHz において 19dB/km の場合、
増幅器間の距離は a m である。
図 1-1 システム構成図
(2)このとき幹線増幅器 2 の 770MHz における入力レベルは b dBμV である。
ただし、同軸ケーブルの誘電体損失は無視できるものとする。
(3)図 1-1 で周囲温度が-30℃となったとき、幹線増幅器 2 の 770MHz における入力レベル
は c dBμV となる。
ただし、温度変化に伴う増幅器の性能に変化はないものとする。
幹線増幅器 1
98dBμV [770MHz] 88dBμV [ 70MHz]
a m
b dBμV [770MHz]
81 dBμV [ 70MHz]
TA1 出力レベル
TA2 入力レベル
4 分配器
幹線増幅器 2
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(4)同軸ケーブル内を信号が伝わる場合、伝搬速度は空中の電波の速度(𝑣=3×108 m/s)と
異なり、絶縁体の比誘電率 𝜀の平方根に逆比例する。したがって、同軸ケーブル内の信号波
の速度 𝑣 〔m/s〕は以下の式(1-1)で示される。
𝑣 √ √
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1-1)
また、この関係からケーブル内波長λg〔m〕は以下の式(1-2)で示される。
ここで、𝑓 は周波数〔MHz〕
𝜆 ・√ √ √
・・・・・・・・・・(1-2)
このように、同軸ケーブル内の波長は空中波長に比べて √
になる。
比誘電率 𝜀は、ポリエチレンでは 2~3 程度、通常の発泡ポリエチレンで 1.5 程度、 高発
泡ポリエチレンで 1.2 程度である。
比誘電率εが 1.4 の同軸ケーブル内の信号波の速度 𝑣 は d ×107〔m/s〕であり、
同軸ケーブル内の 770MHz の波長 𝜆 は e 〔cm〕となる。
a ~ e の解答選択肢
㋐ 21 ㋑ 25 ㋒ 28 ㋓ 30 ㋔ 33
㋕ 37 ㋖ 72 ㋗ 75 ㋘ 77 ㋙ 87
㋚ 90 ㋛ 91 ㋜ 368 ㋝ 380 ㋞ 526
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問2.図 2-1 は光・同軸ハイブリッド型(HFC)CATV システムの構成例である。主要構成と
してヘッドエンド装置 HE、光伝送システム、幹線分岐増幅器 A1、A2、延長増幅器 A3、A4
から成り立っている。
それぞれの入出力レベル及び性能を表 2-1 の通りとしたとき、a ~ e の数値又は語句と
して も適切なものを解答選択肢から選び、解答用紙の同じ記号にマークして答えよ。
延長増幅器 A3、A4 の利得調整は MGC、伝送信号はデジタル有線テレビジョン信号
( 64QAM )、システムの特性インピーダンスは 75Ω、熱雑音帯域幅は 5.3MHz とする。
図 2-1 HFC CATV システムの構成例
表 2-1 HFC CATV システムの性能
項 目 ヘッドエンド
HE 光伝送
システム
幹線分岐増幅器 A1、A2 延長増幅器
A3、A4 幹 線 増幅部
分 岐 増幅部
入力レベル dBμV - - 62 61
出力レベル dBμV - - 84 85 108
雑音指数 dB - - 8 - -
CN 比 dB 52 52 a 49 45
4 分配器
D1
ヘッドエンド装置 HE
E/O O/E
光伝送システム 幹線分岐増幅器 幹線分岐増幅器
延長増幅器 延長増幅器
A4A3
A1 A2
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(1) 幹線分岐増幅器 A1 の幹線出力端子における単体の CN 比は a dB である。 (2) 幹線分岐増幅器 A1 の分岐出力端子における総合の CN 比は b dB である。
(3)表 2‒1 に示した信号レベルで 80 波を伝送した場合、延長増幅器 A4 の出力端子における
総合電力の求め方は次の通りである。ただし、全ての信号は同一レベルとする。
① 各チャンネルの電圧レベル〔dBμV〕と電力レベル〔dBm〕との関係は以下である。
P〔dBm〕= E〔dBμV〕- c 〔dB〕
② 全チャンネル同一レベルの場合、波数加算は次式で求められる。
総合電力 PΣ= P〔dBm〕 + d
③ したがって、総合電力 PΣ〔dBm〕 = e dBm
a ~ e の解答選択肢
㋐ 17.0 ㋑ 18.2 ㋒ 19.2 ㋓ 37.3
㋔ 44 ㋕ 46 ㋖ 49 ㋗ 52
㋘ 108 ㋙ 108.8 ㋚ 109
㋛ 10lo𝑔 ㋜ 10log10(80)
㋝ 20lo𝑔 ㋞ 20log10(80)
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問3.次の文章はデジタル放送の概要に関する記述である。a ~ e の語句として も適切なも
のを解答選択肢から選び、解答用紙の同じ記号にマークして答えよ。
(1) 図 3-1 はデジタル放送の基本構成を示したものである。図の ① ~ ④ に
該当する語句の正しい組合せは、表 3-1 の中の a である。
表 3-1 デジタル放送基本構成における機能組合せ
解答
選択肢
語 句
① ② ③ ④
㋐ 符号付加 スクランブル デスクランブル 符号分離
㋑ スクランブル 符号分離 符号付加 デスクランブル
㋒ 符号分離 スクランブル デスクランブル 符号付加
㋓ スクランブル 符号付加 デスクランブル 多重分離
㋔ スクランブル 符号分離 多重分離 デスクランブル
図 3-1 デジタル放送の基本構成
多重化
&
スクラン
ブル
デジタル
復調
①
誤り訂正
多重分離
デジタル
②
誤り訂正
③
④
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(2)次の文章はデジタル放送で使用されている PSI/SI の説明である。この説明で ① ~⑤
に該当する語句で、表 3-2 の中で正しい組合せは b である。
〔説 明 文〕
デジタル放送は複数の番組が多重化されたストリームであるため、所望の番組を選択・分
離するための PSI(Program Specific Information)、SI(Service Information)と呼ば
れる番組配列情報が付加される。
① には、MPEG-2 Systems に規定される ② (どのような番組サービスがある
かの情報)、 ③ (サービスを構成するコンポーネント(映像、音声、字幕などの要素)
の情報)、CAT(限定受信に関する情報)、NIT(周波数や変調に関する情報)の 4 つのテ
ーブルがあり、受信機が多重化ストリームから所望の番組を選択・分離し、映像・音声に復
号してモニタなどへ出力するために必要な情報を提供するもので、当ネットワークで放送中
の現番組の配列とストリーム構成、視聴に対する制御情報などを伝送する。
④ は、 ① を補完するもので、時刻情報、 ⑤ による番組一覧表示や予約録
画など、さまざまな機能を提供するテーブルがある。現番組および次番組以降に予定して
いる番組タイトルや内容、放送時刻、音声モード、視聴条件などの情報を伝送する。
表 3-2 デジタル放送における PSI/SI の用語例
解答選択肢 語 句
① ② ③ ④ ⑤
㋐ PSI PAT MMT SI EPG
㋑ SI EPG PAT PSI MMT
㋒ SI PSI EPG PMT PAT
㋓ PSI PAT PMT SI EPG
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(3)次の文章はデジタル放送で使用されている多重化方式の説明である。この説明で①~④
に該当する語句で、表 3-3 の中で正しい組合せは c である。
〔説 明 文〕
複数の符号化された映像や音声の信号を、一定の決まりに従って信号列(ビットストリーム)
に並び替えることを「多重化」という。その多重化された複数の番組には、PSI/SI(番組
配列情報)が付加され、有料放送などに対応し番組信号などを ① するスクランブル
エンコーダを経由して出力される。複数の番組の情報(映像・音声・データなど)は、
ある単位に束ねられ、 ② の一連の信号列に組み立てられる。デジタル放送開始時は
MPEG-2 Systems と呼ばれる多重化方式による ③ のみであったが、4K・8K 映像
サービスに際して IP との整合性の良い ④ が追加されている。
表 3-3 デジタル放送における多重化方式の例
解答選択肢 語 句
① ② ③ ④
㋐ 暗号化 3 次元空間 MMT TLV
㋑ 符号化 時間軸上 TLV MPEG-2 TS
㋒ 暗号化 時間軸上 MPEG-2 TS MMT・TLV
㋓ 符号化 3 次元空間 MMT・TLV MPEG-2 TS
(4)次の文章はデジタル有線テレビジョン放送の受信者端子の性能に関する説明文である。
この説明に該当する数値で、表 3-4 の中で正しい組合せは d である。
① 搬送波のレベルの 低値は 1 搬送波の 64QAM で ① dBμV、1 搬送波
の 256QAM で ② dBμV と規定されている。
② CN 比は 1 搬送波の 64QAM で ③ dB 以上、1 搬送波の 256QAM で ④ dB 以上と規定されている。
表 3-4 デジタル有線テレビジョン放送の主な性能値(一部)
解答選択肢 数 値
① ② ③ ④
㋐ 49 55 26 32
㋑ 49 57 26 34
㋒ 48 55 24 32
㋓ 48 57 24 34
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(5)次の文章は変調方式などとアクセス制御に関する説明である。この中で間違った説明文
は e である。
㋐ ケーブルテレビでは、伝送路性能が良いため、より多くの情報を送ることができる
ITU-T 勧告 J.83AnnexC である 64 値や 256 値の QAM(Quadrature Amplitude
Modulation:直交振幅変調)方式が採用されている。1 シンボルあたり 6 ビット(64 値)
の情報を伝送できる多値多相変調方式を 64QAM と呼んでいる。ケーブルテレビのデジタ
ル伝送の標準伝送方式の 1 つとしてこの 64QAM が採用されている。
㋑ 地上デジタルテレビジョン放送では、地上での電波伝搬で生じる反射に対して強い
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式が採
用されている。なお、OFDM は多数の搬送波を用いるマルチキャリアの多重化方式であ
って変調方式ではない。OFDM では一連のデータが数千のデータに分割され、おのおの
QPSK や 64QAM などで変調された数千の搬送波として並列にデータを伝送する。
㋒ 番組の信号などを暗号化し、その暗号を特定の受信者だけが解除して番組を視聴できる
仕組みを限定受信システム(CAS:Conditional Access System)という。映像等スクラ
ンブルならびに映像等デスクランブルに用いるブロック暗号方式は、開始当初のデジタル
放送〔衛星(BS・CS)、地上、ケーブルテレビ〕で鍵長 64 ビットの MULTI-2 が、
4K・8K 放送のための広帯域衛星(BS/110 度 CS)等で鍵長 128 ビットの AES あるいは
Camellia が用いられ、鍵の構造は前者が 3 重鍵、後者は 4 重鍵である。
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問4.次の文章は、FTTH 型 CATV システムの「強度変調方式の歪み」に関する記述である。
a ~ e の語句として も適切なものを、解答選択肢 ㋐ ~ ㋞ から選び、解答用紙の同じ
記号にマークして答えよ。
(1)光送信機で発生する歪みで、 も留意しなければならない歪みは LD(レーザーダイオー
ド)の電流-光出力特性の a による歪みである。また、LD に重畳する RF 信号電
流が過大に入力されると、光パワーの振幅がゼロを境にして切り取られたような形となる。
これを b (切り取られた)歪みという。この歪みが発生すると、光受信機側で O/E 変
換(光→電気変換)した際に高周波の雑音が発生する。
(2)光増幅器(EDFA)では、LD の c と EDFA の利得特性のうねりが d す
ると歪が発生する。LD の c が発生している場合、光波長が変調されるが、EDFA
の利得特性は平坦ではないため、光強度も変調成分を発生させる。この光強度の変調成分
により元来の変調信号に歪(特に 2 次歪み)を発生させる。
(3)高強度の光を光ファイバに入射すると、物質と光の相互作用が高まることで、電界の振
幅と電子の振動振幅とが比例しなくなり、異なる周波数成分をもつようになる。これを非
線形光学効果という。非線形光学効果のうち、特に光ファイバ伝送に影響をもたらす誘導
ブリュアン散乱と誘導 e 散乱がある。
a ~ e の解答選択肢
㋐ クリッピング ㋑ チャーピング ㋒ ブリュアン ㋓ ホッピング
㋔ マルチ ㋕ ラマン ㋖ 収束 ㋗ 線形効果
㋘ 相互作用 ㋙ 光スペクトル ㋚ 非直線性 ㋛ 複合
㋜ 分散 ㋝ 変調度 ㋞ 誘導
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【空白ページ】
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問5.図 5-1 は FTTH 型 CATV システムにおける光受信機入力電力と光系統の CN 比の関係
(計算値)を示したもので、1チャンネルあたりの変調度が 9%、7%、及び 5%時につい
て記載したものである。a ~ e の数値として も適切なものを、設問の解答選択肢から
選び、解答用紙の同じ記号にマークして答えよ。なお、計算条件は以下の通りである。
・雑音帯域幅:5.3 MHz
・光受信機入力信号の相対強度雑音:-155 dB/Hz
・PD の光・電気変換効率:0.85 A/W
・PD の暗電流:2 nA
・光受信機の入力換算雑音:10 pA √Hz⁄
図 5-1 変調度と光系統の CN 比
30
35
40
45
50
55
60
65
-16 -14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2
光系
統の
CN比
(dB
)
光受信機入力電力 (dBm)
変調度1
変調度2
変調度3
V-ONU の受光電力 (dBm)
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(1)変調度が 5%で V-ONU の受光電力が-11dBm のとき、光系統の CN 比は約 a dB である。V-ONU の受光電力を-11dBm のまま変調度を 7%にすると、光系統の CN 比は 約 b dB となる。V-ONU の受光電力が-12 dBm より低くなると、受光電力 2dB の変化に対し CN 比は約 c dB 変化する。
また、V-ONU の受光電力が-10dBm のとき CN 比を 47dB にするには変調度を d
%にする必要がある。
(2)CATV システムでは伝送チャンネル数が多くなるとひずみの量が増加するため、1 チャン
ネル当たりの変調度を下げる必要があり、総合変調度という考え方が取られている。
総合変調度 M は下式で求められる。
𝑀 𝑚 𝑛 𝑚 𝑛 𝑚 𝑛 ・・・
ここで、ma:a 波の変調度、na = a 変調度(ma)の波数、
mb:b 波の変調度、nb = b 変調度(mb)の波数、
mc:c 波の変調度、 nc = c 変調度(mc)の波数、 …
変調度 5%のデジタル信号 10 チャンネル、変調度 4%のデジタル信号 15 チャンネルと変調
度 3%のデジタル信号 20 チャンネルを変調すると、総合変調度 M は e %となる。
a ~ e の解答選択肢
㋐ 2 ㋑ 4 ㋒ 5 ㋓ 7 ㋔ 9
㋕ 22 ㋖ 24 ㋗ 26 ㋘ 28 ㋙ 30
㋚ 35 ㋛ 40 ㋜ 43 ㋝ 46 ㋞ 48
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(システム)14/15
問6.次の文章は、FTTH 型 CATV システムに関する記述である。a ~ f の数値又は語句とし
て も適切なものを解答選択肢から選び、解答用紙の同じ記号にマークして答えよ。
(1)光ファイバは、その中心部のコアと、その外側を取り巻くクラッドの2重構造となってお
り、コアの屈折率がクラッドの屈折率に比べてわずかに a ので、光がクラッドとの
境界面に臨界角以上で入射すると全反射し、クラッドに漏れることなく長距離にわたって伝
搬することが可能となる。
(2)光は、ガラスや水中、空気中など均質な媒質中では直進する。また、媒質中における光の
伝搬速度は、標準大気中(≒真空中)の伝搬速度(𝑐 =3×108 m/s)と異なる。屈折率 n の
媒質中における光の伝搬速度 𝑣 は、標準大気中の伝搬速度を𝑐 とすると式(6-1)で示さ
れる。
𝑣 〔m/s〕 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6-1)
また、屈折率 n の媒質中における光の波長λgは、標準大気中の波長を𝜆 とすると
式(6-2)で示される。
均質な媒質中における光の波長は、伝搬速度と同様に標準大気中の波長の になる。
𝜆 ×𝜆 〔m〕 ・・・・・・・・・・・・・・(6-2)
石英ガラスの屈折率 n=1.47 とし、大気中の波長 𝜆 =1540nm としたとき、石英ガラス
内での伝搬速度 vgは b ×108 m/s となり、波長 𝜆 は c ×103nm となる。
(3)光ファイバケーブルの減衰量は距離と波長で変化する。距離を 17km とすると、波長
1550nm 帯では d dB 程度、波長 1310nm 帯では e dB 程度の減衰となる。
(4)光ネットワークではレーザ光を使用するため、安全規格として、保守・点検時や光ファイバ
切断等の障害時の潜在的な危険性を考慮した「 f レベル」という概念にもとづいて
定められている(IEC 60825-2)。光伝送設備の設置区域は安全管理の面から 3 種類(管
理区域、制限区域および非制限区域)に分類され、区域ごとに f レベル等の規定が
なされている。
a ~ f の解答選択肢
㋐ 1.0 ㋑ 1.3 ㋒ 1.5 ㋓ 2.0 ㋔ 2.5
㋕ 3.4 ㋖ 4.4 ㋗ 5.1 ㋘ 6.8 ㋙ 8.5
㋚ 小さい ㋛ 等しい ㋜ 大きい ㋝ ハザード ㋞ リスク
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問7.次の文章は CATV システムの測定に関する記述である。a ~ f の数値又は語句として
も適切なものを解答選択肢から選び、解答用紙の同じ記号にマークして答えよ。
(1)CATV システムにおける漏えい電界強度は、省令※に定められた規格値は a mV/m
(デシベル表示で b dBμV/m)以下である。測定法は、半波長ダイポールアンテナ
と電測計またはスペクトラムアナライザを用い、被測定物と同じ高さで 3m 離れた位置の電
界強度を測定する。このときアンテナの偏波面を変えるだけでなく、回転させて電界強度が
大になる値を読み取る。(※ 有線一般放送の品質に関する技術基準を定める省令 第 8 条)
(2)電界強度 E〔dBμV/m〕は次式のように求める。
E =EIN - GA -20𝑙𝑜𝑔 +Lf + 6 ・・・・(7-1)
ここで、EIN:電測計の指示値〔dBμV〕(75Ω終端電圧値)
GA:アンテナ利得〔dB〕
λ/π:アンテナ実効長(λは波長、π= 3.14)〔m〕
Lf:同軸ケーブル損失〔dB〕
6:開放値への換算値〔dB〕
測定周波数を 610MHz、半波長ダイポールアンテナ(GA= 0 dB)、損失 2dB の同軸
ケーブル、終端値指示型のスペクトラムアナライザで測定した端子電圧が 8dBμV で
あったとすると、E の値は規格値 b dBμV/m 以下を満足して c 。
(3)デジタル信号を評価するのに BER や MER がある。 d はデジタル変調された信号
の変調誤差を示すもので、デジタル信号の品質劣化を総合的に評価するのに使用される。
e はデジタル信号の品質を 終的に評価するのに用いられるもので、伝送された全
ビット数に対する誤ったビット数の比である。
(4)光伝送システムの伝送損失測定には、光源と光パワーメータを用いる方法と OTDR を用い
る方法がある。OTDR は入射端に加えたパルス光が反射点までの距離の 2 倍に比例した時間
後に戻ってくることから、入射してから戻ってくるまでの時間と振幅を検出し演算処理を
行っており、光ファイバの接続部分の f も測定できる。
a ~ f の解答選択肢
㋐ 0.01 ㋑ 0.05 ㋒ 0.2 ㋓ 34 ㋔ 46
㋕ 51 ㋖ ABR ㋗ BER ㋘ CN 比 ㋙ MER
㋚ いない ㋛ いる ㋜ 誤差 ㋝ 損失 ㋞ 品質