第８回（４月）「アリババ創設者―馬雲」

登内七海

みなさん、こんにちは。長野県研修員の登内七海です。

日本では、コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が出され、家にいる時間が増えた人が多

いのではないかと思います。私は、もう 3 カ月ほど寮にいる生活が続いていますが、だから

こそ気づけたこと、挑戦できたことがあります。状況が良くなることを願って、頑張りまし

ょう！

今月は、中国のインターネット企業「阿里巴巴（アリババ）」を創設し、最初の CEO を務

めた馬雲について調べたことを紹介します。中国の生活の中で、インターネットは欠かすこ

とのできないものです。現在、中国での生活を支えてくれているシステムを作った馬雲とは

どのような人物なのでしょうか。

阿里巴巴（アリババ）とは

アリババは馬雲をはじめとする 18 人により、1999 年に浙江省杭州市に創立された会社

です。アリババの経営範囲は、電子サービス、インターネット支払い（電子マネー）、B2B

（Business-to-Business の略）インターネット取引市場および分散コンピューティング業務等

です。私が普段利用している「支付宝（電子マネー）」「淘宝（ネット通販サイト）」などのア

プリ会社の支援も行っています。アリババは中国最大、世界第 2 位のインターネット企業で

す。

（アリババ・ロゴマーク） （馬雲）

馬雲―インターネット会社をつくるまで

馬雲は、1964 年 9 月 10 日に浙江省杭州市で生まれました。12 歳の時、ラジオを買い、毎

日英語の放送を聞き、英語に興味を持つようになりました。13 歳になると喧嘩が原因で中学

校を転校しました。そして、大学試験に 2 度失敗し、3 度目の試験で大学にギリギリ入るこ

とができました。しかし、大学入学後は、人が変わったようにとても優秀な学生になりまし

た。1988 年に杭州師範学院外国語学部を卒業し、杭州電子工業学院にて英文と国際貿易の教

師として働いていました。この頃、杭州市の優秀青年教師となり、杭州の翻訳界で有名にな

り始めます。1992 年、多くの人が馬雲に翻訳を依頼するようになり、馬雲は翻訳会社を設立

します。1994 年、馬雲は偶々アメリカに行き、シアトルで外国人教師ビルと出会い、インタ

ーネットについて話し、創業する機会を模索し始めます。

馬雲―創業から現在

1995 年、馬雲は杭州電子工業学院を辞め、中国初のインターネット会社、杭州海博コンピ

ュータサービス有限会社を妻と何一兵の 3 人で設立しました。その後、「中国黄頁（インター

ネット）」を立ち上げ、浙江の経済文化をネット上で宣伝しました。そして、1999 年、50 万

元で創業を始め、アリババサイトを開発しました。馬雲は、早いうちからインターネット産

業の発展が企業間の電子取引にあることに気づいており、急速に会社を発展、拡大させてい

きました。2004 年には、中国の電子マネーのプラットフォームである、「支付宝」を創立し

ました。現在に至るまで、多くの新たなシステムを作ったり、学校を創設したり、海外に事

業を展開したりしています。また、名誉をある賞を数々受賞し、現在も多方面で活躍してい

ます。

私が中国に来て最も驚いたことの一つに、インターネットが発展し、生活の中に根付いて

いることが挙げられます。その発展の中心となっているアリババという名前を日常生活の中

で聞くことが非常に多く、それだけ中国の中で重要な会社であることを実感させられます。

若い頃は、苦労も多かった馬雲が、中国の人々の生活をより便利にする仕組みを作るまでの

道は、偶然で不可思議な気がします。そんな彼の生き方から、人生の面白さと文明発達の可

能性の広さ、人の持つパワーの凄さを感じます。

今月のできごと

4 月終わりに 35℃を超える日が続き、夏の訪れを感じます。日本全国よりも河北の方が、

気温が高いことに驚きました。また、最近は天気も良く、午後 7 時半ごろまで外が明るいの

で気持ちがいいです。

4 月の終わりから、ラマダンが始まり、イスラム教の留学生は大変そうです。日中にご飯

が食べられない分、夜ご飯を盛大に作っています。留学生活の中で中国だけでなく様々な国

や地域、宗教の文化に触れることができ、知見が広がります。

（大学の庭に咲いていた花）

参考文献：百度百科「阿里巴巴集团」「马云」