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第5&6回アーサナ講義資料 テーマ:前屈を理解+マスターしよう!
2017 MASA-YOGA ALL RIGHTS RESERVED
<今回のゴール> 前屈 のポーズの基本原則を理解し、それぞれを体得しましょう!
前屈のポーズは、「股関節の屈曲」(くっきょく)運動です。 股関節の屈曲を効果的に行うのに必要な要素をしっかりとマスターしましょう!
解剖学の本を一冊、購入していただき、参照していただくことでより理解が深まることと 思いますので、オススメします。
まず、原則は5つあります。
1. 前屈は股関節の屈曲である 2. 太ももの表を働かせる 3. 太ももを股関節に引き入れる 4. 下腹部を引き締める 5. 腸腰筋をしっかりと働かせる
これら5つをしっかりとみていきましょう。 その上で、
「基本ポーズ」の詳細を見ていきます。
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(1)前屈の原則 1. 前屈は股関節の屈曲運動である
腰椎だけでも5つ全体で60~80度前に曲がる(屈曲)ことができます。 この状態では、前に傾いているように見えるのですが、前屈は股関節を折り曲げる(屈曲)することによって行うものであることを理解しましょう。 腰椎の屈曲に頼っていると、腰を痛めかねないので、注意してください。
2. 太ももの表を引き締める
太ももの表を引き締めるとは、つまりは大腿四頭筋を引き締めるということになります。 大腿四頭筋、主に大腿直筋を引き締めると、相反抑制という反応によって、太ももの裏の筋肉群である「ハムストリングス」が緩みやすくなります(モジュール8の「柔軟性を徹底的にあげる!」で詳説します)。
① 大腿直筋 ② 外側広筋 ③ 内側広筋
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ハムストリングスは、太ももの裏にある筋肉群の総称で、「大腿二頭筋(長頭と短頭がある)」「半膜様筋」「半腱様筋」からなっています。 ハムストリングスは、大腿四頭筋の拮抗筋として働き、主に膝関節の屈曲や股関節の伸展を行います。 ハムストリングスが硬いと、座骨を下に引っ張ることになり、骨盤の後傾傾向を生み出し、前屈を妨げるこ
とになります。 このため、ハムストリングスを緩めておくことは、前屈を深めるという点において、必須となります
半腱様筋、半膜様筋、そして、大腿二頭筋長頭の起始は、坐骨結節、そして停止は頸骨内側部。そして、大腿二頭筋短頭の起始は大腿骨の裏側(大
腿骨粗線外側唇下方)で、停止は、腓骨頭と脛骨外側顆になります。
3. 太ももを股間節を引き込む
太ももを股関節に引き込むと、「腸腰筋」が働きます。腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋、そして、小腰筋(半分の人にはない)の総称です。 この腸腰筋が働くと、相反抑制によって、臀部が緩むため、前屈が深まりやすくなります。
いわゆる「お尻歩き」の動きで、腸腰筋を常に意識できるようにしておくことが有効でしょう。
4. 下腹部を引き締める
まず、理解したいのは、骨盤の前傾によって股関節の内旋が促されます。また、逆に骨盤の後傾は股関節の外旋が促されます。 前屈は骨盤の前傾であり、股関節の内旋が促されますが、そのままでの過度の内旋が継続されると、仙腸関節に負担がかかります。 下腹部を引き締めることは、恥骨の引き上げとなり、
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大腿二頭筋長頭
大腿二頭筋短頭
半腱様筋
半膜様筋
つまりは骨盤の後傾を促し、この過度な内旋継続からくる負担を和らげることになります。
また、腹部の筋肉の引き締めによって、体熱を生み出し、代謝も促されるとポーズの効果も高まりますので、下腹部を引き締めることが肝要です。
5. 腸腰筋をしっかりと働かせる
前屈というと、太ももの裏や臀部、またふくらはぎの筋肉を緩めることに、主眼が置かれがちです。 しかし、思い出してください。前屈は股関節の屈曲運動。つまり、屈曲をする筋肉、「屈筋」をしっかりと働かせることで、屈曲が深まります。 股関節の屈筋は、大腿四頭筋と共に腸腰筋です。特に腸腰筋を働かせることで、相反抑制による臀部の緩みがあるだけでなく、屈曲も促されて、劇的に屈曲角度に影響が出ます。
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(2)基本ポーズ 1. 「パスチモッターナアーサナ」(背面を伸ばすポーズ)
・つま先、膝を上に向けて、両脚を前に伸ばして、 坐ります。手は骨盤横に付け(カップハンドにしても良い)、左右の坐骨に均等に重心をかけましょう。・足親指の付け根を前に押し出して、太腿を1cm内旋し、太腿の面を働かせます。・太腿を股関節に引き込みます。・再度、坐骨で床を下に押し、下腹部を引き入れて、上半身を伸ば しましょう。・息を吸って、両腕を頭上に伸ばします。・息を吐きながら、骨盤を前に傾け、お腹を引き締め 前に伸びていきましょう。この時、再度太腿を働かせ、大腿骨を股関節に引き込みながら行います。・ある程度伸びたら、手を脚横に下ろし、背を少し丸め、体の背面全ての開きを感じながら、呼吸します。 ・ポーズから出る際は、息を吸いながら、腰に優しく上体を起こしましょう。
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2. 「ウッターナアーサナ」(立位前屈のポーズ)
・立位の状態から、息を吸って、両腕を上げます。下腹部を引き入れることによって、腰を守ります。・息を吐きながら、そけい部を深く折り曲げながら、骨盤を前に傾けて、前屈をしていきましょう。前屈の最中は、坐骨を斜め後ろから上方に向けて押し出す意識を持ちます。下腹部は引き入れ続け、上半身が重力に引かれてリリースされるのを感じます。・体が前屈したら、太腿前面の筋肉を働かせて、膝を伸ばします。吐く息と共に特にハムストリングスをリリースしていく意識を持ちましょう。・また、腸腰筋を働かせて、屈曲を深めます。・ポーズから出る際は、息を吸って、下腹部を引き入れ続け腰を守りながら、両腕を伸ばして上半身を起こします。吐く息で両腕を体側に戻しましょう。
イラスト協力:http://muscle-guide.info
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