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第5回(6/18)
画像ファイルを理解する
点描画と線画
• 画像は大きく二種類に分けられる
– 点描画:点の集まりで構成された画像(ビットマップ)
– 線画:線の集まりで構成された画像(ベクトルデータ)
• 点描画のほうがよく使われる
– デジカメ写真などは点描画
– Windowsペイントは点描画しか作成できない
• 線画は変形に強い
– 画像の変形をしても形が崩れない(汚くならない)
– Word(ワープロ)の「挿入-図形」は線画
– 「メタファイル」というファイル形式は線画
点描画を変形すると
• ペイントで描いた斜め45度の直線
– 変形を繰り返すとガタガタになってしまう
– 「縦横比」を保っていると劣化度合いが小さい
点描画(点で構成される画像)
• ピクセル・ドット・画素
– どれもひとつの点を意味する
– 「ビット」も点を意味する(正確には別物だが…)
• 解像度
– 点が多ければ画像はきれい(解像度が高い)
– dpi(dot per inch)は1インチあたりの点の数
• 解像度と情報量
– 基本的には画像の情報量は画素数に比例
– 圧縮された画像はその限りではない
点描画の主なファイル形式
• Windows10のペイントで扱える形式
– ビットマップ(bmp)、JPEG、GIF、TIFF、PNG
– JPEG以下は画像のいろんな圧縮形式
• 使用頻度が高いのはJPEGとGIF
– JPEG:デジカメやカメラ付き携帯で使われる形式
– GIF:Webページのイラストで使われる形式
• JPEG(ジェイペグ)とGIF(ジフ)は使い分ける
– GIFは256色限定なのでイラスト向き
– JPEGは写真向け(1677万色)
– JPEGの拡張子はJPGまたはJPEG
JPEGとGIFの特徴
• JPEGもGIFも画像圧縮技術
– 圧縮方法が根本的に違う
– GIFは可逆圧縮だがJPEGは非可逆圧縮
– 可逆=元に戻せる 非可逆=元に戻せない
• JPEGは写真向き、GIFはイラスト向き
– JPEGは色の微妙な変化に強い
– GIFは同じ色のベタ塗りに強い
• JPEGは圧縮率を変えることが可能
– 高圧縮率・低画質⇔高画質・低圧縮率
PNGという画像形式
• PNG(Portable Network Graphics)の経緯
– GIFに代わる画像形式として1996年に発表された
– Unisysという会社がGIFの特許料を徴収し始めたため
– 2004年で特許の有効期限が切れた
– PNGの優位性がなくなったので普及が進まなかった
• PNGの特徴
– フルカラーでも256色でも使える
– 可逆圧縮なので画質劣化がない
• PNGの弱点
– フィーチャーフォン(ガラケー)では表示できない
ペイントでの保存形式
• とりあえず、以下の形式だけ覚えればよい
– JPEG:写真向け(1677万色)
– GIF:イラスト向け(256色)
– PNG:標準
– BMP:無圧縮
– JPEGを選ぶと拡張子は「JPG」という3文字となる
無圧縮画像のいろいろ
• ペイントでの無圧縮画像はBMP形式
– ペイントでは「ビットマップ」と表現されている
– 色数が4種類ある(2色、16色、256色、1677万色)
• 色数を落とすと警告が出る
– 画質の低下は当然
– 状況によって適切な判断をしよう
GIF保存時にも警告が出る
• GIF形式で保存しようとすると警告が出る
• その理由
– GIFで保存すると自動的に256色になるため
• 自分で描いたイラストでは問題はない
– そんなに色数は使っていないから
– 写真の場合は画質が低下する
– 写真ならJPEGかPNGで保存しよう
点描画の解像度と大きさ
• 点の集まりの画像は点の数で大きさが決まる
– 正確に言えば正方形の集まり
– 点の数のことを解像度(画素数)と呼ぶ
• 解像度は画像のサイズを示すが
– 点の大きさはディスプレイによって異なる
– 解像度と見た目の大きさは同じではない
– 解像度は正確には「鮮明さ」を表わす
– 液晶テレビの26インチも40インチも解像度は同じ
• 参考(一般的な液晶テレビの解像度)
– 1366×768(105万画素)または1920×1080(207万)
解像度を考える
• デジカメやスマホは1000万画素以上があたり前
– 現在のスマホカメラ主流は1200万画素ぐらい
– 解像度の一例:4032×3024(1219万2768画素)
• パソコンやテレビのほうが小さい
– 縮小しなければ全体が表示できない
– 縦横比も違うので、余白が生じたりする
• そこで
– トリミング(周囲削除)やリサイズ(縮小)が必要
• 4:3から16:9へ
– ワイド画面が普及して縦横比の主流は16:9へ
解像度の特別な呼び方
• VGA(640×480という解像度)
– パソコンが普及し始めた1980年代の標準解像度
– VGA(Video Graphics Array)と呼ばれる
– 正確には解像度を意味する用語ではない
• VGAから派生する解像度
– QVGA(Quarter VGA):320×240:画素数VGAの1/4
(10年前のガラケーはこの程度)
– SVGA(Super VGA):800×600:VGAより大きい
– WVGA(Wide VGA):800×480:VGAの幅を広げた
(初期のスマートフォンはこの程度)
VGAだけは数字を覚えておこう
縦横比(アスペクト比)
• 縦横比にはいろいろある
横 縦 比率 主な用途
4 3 1.333 アナログテレビ、デジタル写真
1.414 1 1.414 印刷用紙
3 2 1.5 アナログ写真、日の丸(国旗の半数)
1.618 1 1.618 黄金比(美しいとされる縦横比)
5 3 1.667 映画(フランス)
16 9 1.778 デジタルテレビ
1.85 1 1.85 映画(アメリカ)
2 1 2 英国国旗(国旗の25%は2:1の縦横比)
解像度を知っておこう
• 自分の使っている情報機器の解像度を知ろう
– パソコン、スマホ、テレビなどいろいろあるはず
• パソコンの解像度を知る簡単な方法
– デスクトップのスクリーンショットを取得
– その画像の解像度(キャンバスサイズ)を調べる
• 縦横比は記憶しておこう
– 4:3なのか、16:9なのか、16:10なのか、3:2なのか
• カタログスペックの解像度は「最大解像度」
– 解像度は設定によって変えることが可能
点描画の情報量
• 基本的な考え方(圧縮しない場合)
– 情報量=点の数(画素数)×点ひとつの情報量
– 点ひとつの情報量は色数によって異なる
• 白黒画像(2色)
– 白か黒かの2種類しかない→1ビット(2進数1桁)
• 256色(8ビットカラー)
– 2進数8桁で表現できる(2x2x2x2x2x2x2x2=256)
• フルカラー(24ビットカラー)約1677万色
– 2進数24桁で表現できるのは16,777,216色
– 人間が識別できる色数を超えているとされる
点描画情報量の計算
• 無圧縮点描画の情報量を計算する
– キャンバスサイズ400×300のフルカラーだと
– 単位がビットならば24x400x300=2880000
• ビットとバイト(bitとbyte) 1byte = 8bit
– どちらも情報量を表わす単位
– 速度はbit、量はbyteで表わすことが多い
– 「1byte=8bit」と考えておけばよい(以前は違った)
• フルカラー400×300の計算
– 24×400×300÷8=360000バイト
– 現実には若干これより増える
ファイルの情報量を確認する
• 保存したファイルの情報量を見るには
– ファイルを右クリック → プロパティ
• プロパティ(property)
– 「特性」という意味だがIT用語では「属性」
情報量はここ
課題4413(画像の情報量)
• レベル1 作成:4413.png
– フルカラーBMPファイルのプロパティ画面を画像化
– BMPファイルのキャンバスサイズは400×300ピクセル
• 手順
– ペイントで400x300の画像を作成(白紙でかまわない)
– ファイルの種類を「24ビットビットマップ」にする
– そのファイルのプロパティを表示する
– プロパティ画面のスクリーンショットを撮る(Alt+PrtSc)
– 新規ペイントに貼り付ける
– ファイル名を「4413」、形式を「PNG」で保存→提出
課題4413のポイント
• 課題4413の注意
– 最初に保存するBMPファイルの名前は適当でよい
– 見本では「400x300bmpフルカラー」としているが
• ペイントへの貼り付け時
– キャンバスサイズを小さくしておくこと
– そうすれば、キャンバスが自動的に広がってくれる
課題作成見本
課題4414(3種類の色数)
• レベル2 作成:4414.png
– 3種類のBMPファイルのプロパティ画面を画像にする
– BMPファイルのキャンバスサイズは400×300ピクセル
• 3種類のBMPファイル
– 色数とファイル名を変えて保存する
– 「24ビットビットマップ」:前課題で作ったものを使う
– 「256色ビットマップ」:新たに作成
– 「モノクロビットマップ」:新たに作成
• 手順
– 前課題の手順を繰り返せばよい
課題4414の見本
• キャンバスサイズは適当でよいが
– 余白はできるだけ少なくしてください
– 見本のキャンバスサイズは1500x800(あくまで参考)
課題4415(8色の情報量)
• レベル4(できる人だけ) 作成:4415.png
– 400x300の8色bmpならどの程度の情報量になるか
– 計算で求めて、それに近いサイズの画像を作る
– プロパティ画面(全般と詳細)を画像化
• 8色ビットマップはペイントでは作れない
– 作ったとしたらどの程度の大きさになるかを計算
– それにできるだけ近い画像を作って保存
– プロパティのスクリーンショットを撮って画像化
– プロパティ画面は「全般」と「詳細」の2画面を合成
課題4415の見本
• こんな風になるはず
– 肝心の箇所は隠している
– プロパティの「詳細」にはキャンバスサイズや色数が表示される
• 詳細画面の例
↓
現実にはありえない
• 「8色ビットマップ」は現実にはありえない
– BMP形式として8色は定義されていない
• 実際に定義されている色数
– 2色・16色・256色・65536色(非公式)・1677万色
• 課題4405は『もしあったら』が前提
– もし8色があれば、情報量は2色の何倍になるか?
– これさえわかれば、同じようなサイズの画像は作れる
– だから、2色で作るのが簡単
課題4415は理解できる人だけ
• 課題4415は文系学生には難しい
– 情報科学の基礎概念が必要
– ただし高校情報科の指導要領範囲内ではある
• 本当は文系でも必須の知識
– 知らないと社会に出てから困るかもしれない
• 知らなくてもパソコン操作はできる
– 『頭がパニック』の人は飛ばしておこう
画像のトリミング
• トリミングとは
– 画像の周囲の不要部分を削除すること
• ペイントでのトリミング
– 必要な部分を範囲選択
– イメージグループにある「トリミング」をクリック
ペイントでのトリミング
• 範囲選択をして「トリミング」をクリックする
– キャンバスサイズが小さくなることに注目
トリミングの実際
• 左がトリミング前、右がトリミング後
– キャンバスサイズは当然小さくなる
課題4416(トリミングの練習)
• レベル2(必須) 作成:4416.png
– 適当な画像のトリミング前とトリミング後を並べる
• 条件
– 元画像の横幅は600ピクセル以下とする
– 見本画像の周囲にある枠線は不要
課題4416の注意
• ペイントひとつだけでは作成不可能
– ペイントを2つ以上起動すること
– ひとつはトリミングを実行する
– もうひとつはトリミング前と後の画像を貼り付け
• 素材はどんなものでもよい
– 自分で描いてもよいしネットで入手してもよい
– 自分で描く場合は余白を作らないこと
– トリミング状況がわかるような画像にすること
ネットの画像を使うには
• 課題4416に使う素材は
– インターネットから入手してもよいが
– 普通の写真は解像度が大きすぎる
– 小さな写真を選んでダウンロードする必要がある
• Google画像検索では
– 「大」「中」「アイコン」の3サイズの指定ができる
– 課題4416には「中」では大きすぎる
– 「アイコン」では小さすぎる
– Yahooを使うか裏技検索を使うとよい
– 次のスライド参照
指定サイズ画像の検索(1)
• Yahoo画像検索でのサイズ指定
– 検索ボタン横の「+条件指定」をクリック
– 「画像サイズ」の「サイズ指定」に数字を入力
指定サイズ画像の検索(2)
• Googleの“裏技”を使う
– どうしてもGoogleで検索したい場合
– 「imagesize」というオプションを使用する
• 640×480の画像を検索したい場合
– 検索キーワードに続けて「imagesize:640x480」と入力
– すべて半角で記述(コロン、横、小文字x、縦)
ファイル形式を指定した検索
• Google画像検索の場合
– 「ツール→種類」だとGIF形式を選べる
– 他の種類を選ぶには「設定」メニューから
– 「設定→検索オプション→ファイル形式」→8種類
• Yahoo画像検索の場合
– 条件指定の「ファイル形式」で選ぶ
– JPEG、GIF、PNGの3種類が選べる
Google検索での画像を使う
• 一覧画像を右クリックしただけではダメ
– 一覧画像をクリックすると少し大きく表示される
– それを右クリック
– 「名前を付けて画像を保存」などを選択
Yahoo検索での画像を使う
• 一覧画像を右クリックしただけではダメ
– 一覧画像をクリックすると大きく表示される
– それを右クリック
– 「名前を付けて画像を保存」などを選択
画像のリサイズ
• 画像は点の集まりでできている
– 640×480ならば約30万個の点(画素・ピクセル)
– これを少ない点の集まりにするのがリサイズ
• たとえば640×480を320×240にする(縦横半分)
– 2×2の点をひとつの点に間引く
– 4個の点の色の平均→1個の点
• Wordでのサイズ変更とは違う
– Wordは見かけ上の縮小表示
– リサイズして拡大すれば違いがわかる
1 1 2 21 1 2 23 3 4 43 3 4 4
1 23 4
リサイズ概念の理解
• 「320×240」を「80×60」にリサイズすると
– 画像を構成する点の数は16分の1になる
– 点の大きさが同じだと画像の面積は16分の1になる
– 画像の面積が同じだと画像は不鮮明になる
320×240
80×60
80×60
ペイントでのリサイズ
• サイズ変更をクリック
– 水平方向と垂直方向の数字を入力
• 縦横比は必ず維持する
– 縦横比を維持しなければ、縦や横に引き伸ばされた画像になってしまう
こうなってはダメ
課題4417(画像のリサイズ)
• レベル2(必須) 作成:4417.png
– 写真をリサイズして横640ピクセルにする(縦は不問)
– 元画像のプロパティ画面(詳細)と横に並べる
– 元画像の解像度が分かる箇所を撮ること
上が見本(左がプロパティ、右がリサイズ後の画像)
課題の提出
• 本日作成した課題はまとめてメール提出する
– 宛先:[email protected](これまで同様)
– 件名:木4課題0618
– 添付ファイル:完成したすべての課題
• 提出すべき課題
– 4413,4414,4416,4417
• できる人だけでよい課題
– 4415
課題一覧(第5回)
• 必ず提出する課題
– 課題4413(画像の情報量)
– 課題4414(3種類の色数)
– 課題4416(トリミングの練習)
– 課題4417(画像のリサイズ)
• できる人だけ提出する課題
– 課題4415(8色画像の情報量推定)