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第4次産業革命のインパクトと 求められる施策とは 平成28年10月 経済産業省 製造産業局 参事官(デジタル化・産業システム担当) 徳増 伸二 プラス

第4次産業革命のインパクトと 求められる施策とは · 第4次産業革命のインパクトと 求められる施策とは 平成28年10月. 経済産業省 製造産業局

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第4次産業革命のインパクトと 求められる施策とは

平成28年10月

経済産業省 製造産業局 参事官(デジタル化・産業システム担当)

徳増 伸二

も の づ く り 企 業+プラス

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実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可(IoT)

集まった大量のデータを分析し、新たな価値を生む形で利用可能に(ビッグデータ)

機械が自ら学習し、人間を超える高度な判断が可能に(人工知能(AI))

多様かつ複雑な作業についても自動化が可能に(ロボット)

→ これまで実現不可能と思われていた社会の実現が可能に。

これに伴い、産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性。

データ量の増加 処理性能の向上 AIの非連続的進化

世界のデータ量は 2年ごとに倍増。

ハードウェアの性能は、 指数関数的に進化。

ディープラーニング等 によりAI技術が 非連続的に発展。

業績 今、何が起こっているのか?①~技術のブレークスルー~

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
ロボット
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第1次産業革命 第2次産業革命 第3次産業革命 第4次産業革命

動力を獲得 (蒸気機関)

動力が革新 (電力・モーター)

自動化が進む (コンピュータ)

自律的な最適化が可能に (大量の情報を基に人工知能が 自ら考えて最適な行動を取る)

• この技術のブレークスルーは、 ① 大量生産・画一的サービスから、個々のニーズに合わせたカスタマイズ生産・サービスへ(個別化医療、即時オーダーメイド服、各人の理解度に合わせた教育)

② 社会に眠っている資産と、個々のニーズを、コストゼロでマッチング(Uber、Airbnb等) ③ 人間の役割、認識・学習機能のサポートや代替(自動走行、ドローン施工管理・配送) ④ 新たなサービスの創出、製品やモノのサービス化(設備売り切りから、センサーデータを活用した稼働・保全・保険サービスへ)、データ共有によるサプライチェーン全体での効率性の飛躍的向上(生産設備と物流・発送・決済システムの統合)を可能にする

⑤ 第4次産業革命の技術は全ての産業における革新のための共通の基盤技術であり、様々な各分野における技術革新・ビジネスモデルと結びつくことで、全く新たなニーズの充足が可能に。(ゲノム編集技術×バイオデータ=新規創薬、新種作物、バイオエネルギー等)

今、何が起こっているのか?②~第四次産業革命~

2

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
こうした動きは削除 ①から⑤のあいだあける
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サイバーフィジカル システム

生産 現場

受発注 工程

製品開発 工程

設備開発 工程

技術開発 工程

CAI

PDM

SCM

CAx

CRM

ERP

CAx

Simulation

MES

PLM

QMS/CRM

出所:“The German Standardization Roadmap Industrie 4.0, DKE/VDE”をもとにベッコフが作成

出典:ベッコフ資料

独:インダストリー4.0 ~ものづくりを中心としたコンセプト~

3

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
工程というバーチャルな概念がフィジカルな世界と交わるのが生産現場であるため,ここを担うのがサイバーフィジカルシステムであると捉え,複数の方向からの全体最適化を行い,その汎用的な仕様を標準化するというのがインダストリー4.0の実現手段として検討されています.
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※1 CAD/ CAM/CAE: Computer Aided Design /Manufacturing/Engineering ※2 Supervisory Control And Data Acquisition

PLM (Product Lifecycle Management)

設計から保守までをデジタル化して、共通プラットフォームを構築することによって一貫したシミュレーションが可能になり、手戻りを防ぎ、設計から製造までのリードタイムが短縮できる。 → 日本企業もこの方向を志向するが、工程間の連携は不十分。

CAD/CAMによる模型の試作(出典:木村鋳造所HP)

製品設計 生産設計 生産・生産管理 販売・保守

デジタルマニュファクチャリング (3D-CAD/CAM/CAE※1)

生産監視制御 (SCADA ※ 2)

データ分析 サービス

◆ 日本企業は、各工程のデジタル化(各企業が設計に活用する3D-CAD/CAM、各企業の生産システム、コマツ等の保守システム)は進めているが、それらは横に繋がっていない。

◆ 欧米ではそれらを横に繋げるソフトウェアツールを活用しており、欧米勢(独:シーメンス、仏: ダッソ-、米:PTC(パラメトリック・テクノロジー・コーポレーション))が独占。

①開発・生産工程管理

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製造実行(MES※)

機器制御 (コントローラ、FA機器)

受発注

生産管理

生産

ERP (Enterprise Resource Planning) ~Production Engineering の流れ

◆技術で勝ってビジネスで負ける日本 ~ 企業の競争力は、『技術力』から『市場ニーズへの対応力』へ ◆すなわち、多様な顧客ニーズを反映した製品をロットサイズ1から市場に迅速に提供する方向へ ◆そのためには、デジタル化でマーケットと生産を直接つなぐ、『変種変量生産』が必要。

※Manufacturing Execution System

物流

業務・計画システム ERP

製造実行システム MES

制御システム PLC

受発注、納期、コスト、会計等企業全体の業務計画の

管理を行う

ERPの計画に基づき、製品

の仕様やロット数等工場全体の生産工程の管理を行う

MESの指示を受け、特定の工程や設備の制御を行う

何をいつまでに いくつ作るか?

どのように 作るか?

どのように 作ったか?

何をいつまでに いくつ作ったか?

②サプライチェーン管理

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海外プレイヤーの戦略には、①サービスを起点とするものと、②ものづくり(製品)を起点とするものの2つの動きが存在。

①ネット上の強み(様々なサービス(検索・広告、商取引等)のプラットフォーム)をテコにリアルな事業分野(ロボット、自動車等)へ拡大(ネットからリアルへ)

②リアルの強み(現場の生産設備・ロボット等)をテコに、現場データのネットワーク化を通じた新たなプラットフォーマーを目指す動き(リアルからネットへ)

出所:平成26年度ものづくり基盤技術の振興施策

製造分野の事例

ネットから リアルへ

リアルから ネットへ

海外プレイヤーのグローバル戦略

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アマゾン : EC事業者からロジスティクス事業への進出

• 人工知能を搭載した自立型自動走行ロボットが、米国内10カ所の物流センターで、約1万5千台が稼働。商品ピックアップを自動化。

• 物流センターの自動運転の効率化のため、「アマゾンピッキングチャレンジ」(日米欧の研究機関やメーカー約30チームが参加するコンペ)を実施。

• EC事業で培ったロジスティクスのノウハウを活かし、フルフィルメントサービス(在庫保管、注文処理、出荷、カスタマーサービス等を代行)を展開。従来の物流事業者を脅かす可能性。

• ドローンの本格普及に向けて、連邦航空宇宙局(NASA)主催の会合でドローン専用の空域を設定するよう提唱。(2015年7月)

グーグル : 人工知能、決済、ウェアラブル端末等多岐に亘

る取組みを実施 • 拡大するサービスと部門を再編し、機動的に組織運営を行うため、持株会社「アルファベット(Alphabet)」を設立。自動車事業については「グーグル・オート(Google Auto)」として分社化。

• 次期OS「Android M」に、電子決済システム「Android Pay」やパーソナルアシスタントシステム「NoW on tap」を搭載予定。

• 業務用にグーグル・グラス(Google Glass)の供給を開始。ドイツの宅配サービス大手DHLがオランダにある自社倉庫で試験的に導入。

• 独自のIoT 環境の構築のため、IoT デバイス用OS「Brillo」を発表。Brillo はWi-Fi などの無線通信をサポートするほか音声認識をベースとする音声操作にも対応し、幅広い製品への活用を想定。

インテル : IoTを自社チップの用途拡大の契機に

• ドローンメーカーに積極的に投資(米Airware社、米Precison社、中Yaneec社)、自社のチップの応用を拡大する戦略を実施。

• 洋服のボタン大となる超小型コンピュータ「Curie(キュリー)」を発表。小型組み込み機器にインテル社の技術を浸透させることを目指す。

ボッシュ : 非自動車分野のM&Aが急増。 • 非自動車M&Aの件数は、2008年以降17件に上る。

• スマートホーム、モビリティ、つながる工場等に強みを持つミドルウェア企業を買収。(2015年2月)

シーメンス : 産機メーカから生産工程プラットフォーマーへ • 3D CADやMESソフトウェアを提供する企業を次々と買収。デジタル環

境におけるものづくりのプラットフォームを提供するソフトウェア企業に。 • 製品ライフサイクルマネジメントや製造自動化に係るソリューションを一気通貫で提供できる体制を構築。

IBM : ハードウェアからIoTを支える総合ソリューション企業へ

• IoTデバイスから得られる情報を整理・分析できる情報処理基盤(IoT Foundation)をリリース。(2014年10月)

• ニューラル・ネットワーク学習等の処理を高速で行える、人間の脳のニューロンを模して作った「ニューロシナプティック・チップ」を発表

海外プレイヤーの動き

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【製造現場・ハードウェア】

【ソリューション】

【IT基盤・ソフトウェア】

クラウド基盤 OS ミドルウェア AI データベース

機械装置 (工作機械等) センサー 制御装置 ロボット

自社作成MES等

予知保全 設計・ 提案支援 遠隔保守 共同受注 生産

最適化 多品種少量化

大企業・中小企業共通(例) 中小企業(例)

今、何がおきているのか?

・・・情報の流れ

• 製造業のバリューチェーンを「製造現場・ハードウエア」、「ソリューション」、 「IT基盤・ソフトウェア」の層に分類。 • 欧米企業も含め、今後の競争の主戦場であり、利益の源泉となるのは「ソリューション」層であるとの認識。「IT基盤・ソフトウェア」と「製造現場・ハードウェア」からの「ソリューション」層のポジション確保のせめぎ合いが起きている。

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GE ○自社製品にセンサーを取り付け、そのデータを取得・分析することで異常発生やメンテナンスの時期を予測しユーザーに通知。新製品開発にもデータを活かす。 <効果の例>

・エアアジア(マレーシア)では、1000万ドルの航空燃料費を節約。2017年には3000万ドルを節約できる見込み。

○上記のデータ分析システム「Predix」を外販し、競合他社も使用可能とすることで、他社も含めた機器の運用データの掌握を目指す。

インダストリアル・インターネット・コンソーシアム ○GE等の米企業5社が発起人となり、IoT関連技術の標準化団体として設立。米独

日の約250の企業・団体が参画。 米: GE、IBM、インテル、シスコ、AT&T 等 独: シーメンス 等 日: 三菱電機、東芝等

製品設計 生産設計 生産(操作・制御) 販売・保守

航空機エンジン等製造物に取り付けたセンサーから取得したデータを分析、活用し、機器制御の効率化や保守の高度化を目指す動きが進展。GEは、製造物に付加したサービスで稼ぐ方向へビジネスモデルを転換。

この動きを推進するため、GE等の米企業5社が発起人となり、インダストリアル・インターネット・コンソーシアムを提唱。

(製品のライフサイクル)

インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)

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IoT/BD/AIが製造業にもたらす変化

シミュレーション 例:モデルベース開発、最適工場設計、サプライチェーンとの連携 3Dプリンティング試作開発

販売予測 個別受注

最適利用 例:自動走行

予知保全(製品)

生産プロセスの柔軟性と最適稼働

サプライチェーン管理 例:検査、トレーサビリティ 技能の形式知化 予知保全(プラント) マス・カスタマイゼーション

他産業への波及

(ビッグデータの2次利用)

例:保険(自動車)、ヘルスケア(携帯電話、家電、住宅機器)

設計・開発 (製品/工場ライン)

製 造

保守/整備

使 用

設計ツール/データの共有

販 売

製造データの共有

協業/外注

高付加価値化 期間短縮 コスト削減 リスク削減

多様なニーズへの対応 リードタイム削減 在庫圧縮

省エネ・省資源 品質向上

生産性向上

ビジネスモデル 生産性向上

ビジネスモデル

ビジネスモデル

協業/外注

販売データの共有

製品データの共有

モノ サービス

他企業・他産業への波及(システムの汎用化による販売・サービス提供、デファクト化) 例:生産方式、生産システム構築、データ分析ツール

自社

他社

保守コスト削減

ソリューション提案 短納期化 在庫圧縮

ビジネスモデル

ビジネスモデル

ネットワーク

①経営資源の集中投入(自前主義からの脱却) ②スピード経営 ③中長期の戦略的視点

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【事例② FA用部品、金型部品の受注製作品を1個からでも、確実短納期で供給 ミスミグループ本社(株)】

FA用部品、金型用部品の製造・販売を行うミスミグループ本社は、顧客のニーズに応じた受注製作品をたとえ部品1個からでも確実短納期で供給。

同社の製造会社である(株)駿河生産プラットフォームを中心に、日本、中国、ベトナムの3極体制による独自の生産システムを構築。

800垓(1兆の800億倍)のバリエーションの受注製作品を、早いもので当日中に顧客のもとに発送。

【事例③ 世界で1着のパーソナルオーダーに対応する デジタルプロダクションシステム セーレン(株)】

総合繊維業のセーレンは、パーソナルオーダーから大量生産まで、あらゆるニーズに対応する柔軟な生産を可能にするデジタルプロダクションシステムを構築。

顧客が店頭で自分好みの 生地やデザインを選ぶと、 データが即座に工場に送ら れ、自動的に生産を開始。 世界で1着のパーソナルオーダー を短納期で生産。

【事例① 生産ラインの導入前シミュレーション 島根富士通(株)】

生産ラインの構築前シミュレーションによって、1台ごとに仕様の異なるノートPCを生産可能なラインを構築。

年間200万台の規模でノートPCを生産する日本で唯一の工場。中国の1/10の人員で生産が可能。

【事例④ オーダーメイド・システムキッチン パナソニック(株)】 パナソニックは、ウェブ上で簡単にオーダーメイド・システムキッチンのオーダーが可能な「WEBハウズ」サービスを、10万社を超える工務店に提供。

すべての部材が3次元設計されており、これらを組み上げていくことでキッチンの商品コスト、ランニングコスト等を設計段階で把握可能。

設計システムのオープン化により、工務店の担当者がタブレットで3Dイメージを作成し、顧客に提供。さらに生産現場にも直結させ、短納期対応を実現。

設計~開発~製造のデジタル化(具体例)

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【事例⑤ 生産ラインの見える化 オムロン(株)】

オムロンは、生産ラインの各装置のデータを集め、同社製コントローラー「Sysmac」を通じて解析。生産ラインのムダを見える化。

【事例⑥ ベテラン設計士のノウハウをシステム化(株)LIXIL】 LIXILは、ベテラン設計士等に蓄積され暗黙知となっている各種ノウハウを見える化し、ITで一元管理する「開発設計NAVI」を導入。

過去の類似製品の 設計方法や設計ノウ ハウ等を効率的に 参照することが可能 となり、設計期間の 短縮や若年層の育成 に貢献。

【事例⑦ YKKグループ】

YKKグループは、設備総合効率という共通の指標を設け、世界中の約50ヶ所の工場で約3万台の生産設備データを統合し活用する”YKK integrated IoT”を推進。

経営トップ層が方針を明確に示し、その達成のための手段としてのIoT活用を製造部門や情報部門に浸透させていったことが成功 の鍵。

生産工程の見える化・最適化(具体例)

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【事例⑧ 顧客の発注予測による発送作業の効率化 サンコーインダストリー(株)】

ねじの専門問屋のサンコーインダストリーは、扱うねじの種類の増加(合計71万種)に対応するため、顧客の発注パターンを分析。

発注の「癖」の分析により、顧客ごとの最終発注のタイミングを判定し、梱包・ 発送作業を効率化。 残業時間の半減、欠品 点数の4割削減、売上高 3割増等の成果を得た。

【事例⑨ センサーデータの活用による故障予知 ダイキン工業(株)】 ダイキン工業は、業務用空調機に取り付けたセンサーから様々なデータをリアルタイムで取得。独自の診断ロジックを活用し故障予知を行うサービスを提供。

機器の異常停止を事前に防ぐとともに、最適なタイミングで補修・保全を行うことでランニングコストを低減。

電力使用量も含めた稼働 状況の見える化により、 省エネ運転支援も含めた パッケージ提案が可能に。

【事例⑩ 製造物の遠隔監視によるメンテナンス効率化 (株)オー・ド・ヴィ】 飲料水自動販売機の製造・販売・保守等を手掛けるオー・ド・ヴィは、スーパーマーケット等に設置する自動販売機に取り付けたFOMAモジュールから機器の稼働状況を遠隔監視。

自動販売機の稼働率 上昇や顧客満足度の 向上、メンテナンスの 省力化を達成。結果、 業務規模拡大も可能に。

販売情報の活用~サービス提供/運用・保守(具体例)

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【事例⑪ サプライチェーン情報の統合による生産リードタイムの大幅圧縮 ハーレー・ダビッドソン(米)】

ハーレー・ダビッドソンは、カスタムバイクの生産合理化のため、生産システムを刷新。

発注を即座に生産計画に反映、部品の発注や在庫管理、生産ラインの稼働管理までを一元管理することで、サプライチェーンを最適化。

ワーカーには作業指示を適切に送り、非熟練技能者でも効率よく作業できる環境を実現。こうした取組の結果、生産リードタイムを21日から6時間へ短縮。

【事例⑫ ビジネスモデルの転換で新規顧客を獲得 ケーザー・コンプレッサー(独)】

圧縮空気のコンプレッサーを製造販売するケーザー・コンプレッサーは、コンプレッサーの販売に加えて圧縮空気販売を開始。

顧客に代わって機械を運用し、供給した空気の容量に応じて課金するシステム とすることで、これまでコンプ レッサーを購入していた大口 の圧縮空気ユーザーに加え、 小口ユーザーの開拓に成功。

【参考 SAPのビジネスモデル】 上記2件は、ともに独SAP社の生産システムやビジネスモデル提案によって単なるコスト競争から脱却し、顧客への新たな付加価値提供によって差別化を実現したもの。

SAPの強みは、案件・業種・国境を越えて広く適用可能なアーキテクチャーモデルに基づいたシステムを構築している点。これにより、各種案件で得たノウハウやプラクティスをアーキテクチャモデルにフィードバックし、常にモデルを改善することを可能としている。また、幅広い業種への導入は思いもかけないイノベーションを生む可能性も秘める。各社ごとに特化したシステム開発を行う傾向の強い我が国IT産業にも示唆を与える。

新たなビジネスモデル(具体例)

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・ センサーから稼働状況を取得。 ・ 機械内蔵の端末を通じ、オイルや部品の交換時期を顧客に伝達。

・ 同じ情報をコマツの販売代理店にも同時に発信。

・ドローンで実測した3次元データを用いつつ、建機を自動制御し、土木工事の省力化と工期短縮を実現。

アフターサービスの強化 Komtrax(コムトラックス)

<建設機械の稼働率向上に向けたサポートビジネス>

<高性能な建設機械の単体売り>

製品の単体売り

衛星

メーカー、代理店、顧客

KOMTRAXシステム端末

位置情報

稼働情報

多様なサービス

情報化施工 <労働力不足下での 施工効率向上ビジネス>

モノ サービス ソリューション

新たなビジネスモデル(具体例) 【事例⑬ コマツ】 高性能な建設機械の単体売りから、アフターサービスの強化(コムトラックス)による建設機械の稼働率の向上、更には、労働力不足に対するソリューションとして緻密で効率的な施工管理の提供へと、変化する顧客ニーズに対応してビジネスモデルを変化。

15

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アフターサービス 3Dシミュレータ

製品設計工程において活用

生産プロセスにおける熟練技能の マニュアル化・データベース化

設計開発と生産現場間でデータを 共有し開発リードタイムを削減

生産工程全般の見える化 とプロセス改善等

上記に加え、人員の見える化と プロセス改善等

自社工場内もしくは取引先企業 との間でトレーサビリティ管理

海外工場でも生産プロセスに係る データ等の収集・活用(注

販売後の製品の稼働状況に 関する情報の収集・分析

発注に関する情報の収集・分析

製品の予知保全 サービスの活用

製品の運用ソリューションサービス

生産プロセスにおける データ取得と改善・向上

市場や運用に関する

情報の活用

新規事業への取組

設計・開発

販売

生産

リアルタイムで生産 ラインに反映

個別工程の見える化と プロセス改善等

※各項目における取組状況 右記にて得点化

・実施している:1点 ・その他:0点

→企業規模ごとに各項目 の得点状況の平均をグラフ化

製品開発工程において試作品を製作

少量多品種の製品を製作

生産時に判明した設計開発の 不具合をフィードバック

生産設計工程において活用

製品の稼動データや顧客の声を 設計開発や生産改善に活用

設計開発・生産・販売など複数部門

間での情報・データの共有

3Dプリンタ

我が国製造業の対応状況 • IoT等の技術の活用度合いは活用分野によって大きな違いがある。分野別に見ると「生産工程の見える化」等に比べアフターサービス(予知保全等)への活用は進んでいない。

【IoTの実施状況(企業規模別)】

0.5

資料:経済産業省調べ(15年12月)

注)海外工場におけるデータ収集・活用に関しては母数を海外拠点を有する企業に限定して得点を算出。

0.0

0.2

0.4

100人以下 101~300人 300人超

16

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ERP

MES

商品企画 研究開発 製品設計 生産

(加工組立) 流通・販売 アフター サービス

価値

ブランド

技術力 企画力 QCD競争力 顧客満足度

ブランド力

M2M

プロダクト・ライフサイクル マネジメント(PLM)

サービス・ライフサイクル マネジメント

モデルベース開発

CAD

設計 データ管理

サプライチェーン

マネジメント

顧客関係管理

修理用 部品在庫の最適管理

予知保全

サービス 顧客サービス履歴の管理

IoT/ビッグデータ

商品企画 研究開発 製品設計 生産

(加工組立) 流通・販売

アフター サービス

価値

ブランド

M2M

IoT/ビッグデータ

商品企画 研究開発 製品設計 生産

(加工組立) 流通・販売

アフター サービス

価値

ブランド

IoT/ビッグデータ

ERP

MES

プロダクト・ライフサイクル マネジメント(PLM)

サービス・ライフサイクル マネジメント

モデルベース開発

修理用 部品在庫の 最適管理

予知保全 サービス

顧客サービス履歴の管理

機器レベルの生産性向上 IoT/ビッグデータの恩恵も小規模

全社的生産性向上 IoT/ビッグデータを新事業創出に活用

価値レベルが低く、狭い範囲のIoT戦略 価値レベルが高く、広い範囲のIoT戦略

2013~2015年のデジタル投資内容の国際比較

現場レベル (機器-機器)

工場レベル (工場-工場、工場-本社)

企業レベル (市場-生産)

最適化レベル

【課 題】 日本は生産技術に強み。しかし、生産技術単体では、「設計開発」や「ソリューション」に比べ付加価値は小さい。

資料:PTCジャパン社資料を参考にMETI作成

デジタルものづくりの基盤とスマイルカーブ

17

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0 20 40 60

ビジネスモデルの変革

買収獲得

広告・マーケティング

新製品開発

国内への地域的拡大

従業員報酬と教育の増加

設備の拡張

国外への地域的拡大

最先端テクノロジー

日本 (n=100) グローバル (n=1278)

(%)

68

16

32

84

0 20 40 60 80 100

グローバル(n=1,405)

日本 (n=50)

そう思う そう思わない (%)

資料:アクセンチュア「グローバルCEO調査2015」

【競合がビジネスモデルを大きく変化させるか(今後12か月)】

18

【今後3年間に優先される投資分野】

62

16

38

84

0 20 40 60 80 100

グローバル(n=1,405)

日本 (n=50)

そう思う そう思わない (%)

資料:アクセンチュア「グローバルCEO調査2015」

【競合企業が現在の市場を一変させる 製品・サービスを打ち出すか(今後12か月)】

資料:KPMG「グローバルCEO調査2015」

付加価値が「もの」そのものから、「サービス」「ソリューション」へと移る中、単に「もの」を作るだけでは生き残れない時代に入った。海外企業がビジネスモデルの変革にしのぎを削る中、我が国企業の取組は十分とは言えない。

日本企業は技術力などの強みは引き続き強化していくと同時に、ビジネスモデルの変革についての積極的な意識や取組が求められている。ものづくりを通じて価値づくりを進める「ものづくり+(プラス)企業」になることが期待される。

「 ものづくり+(プラス)企業」への転換(ビジネスモデルの変革)の必要性

18

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「強み」領域へ特化したビジネスモデル • 設計~生産設計~生産までの垂直統合型以外にも、その一部の強み領域に特化した製造業のビジネスモデルは存在。そうしたプレイヤーへの業務アウトソーシングも増加。

• 質の高い多品種少量のものづくりをサービスする「製造受託事業者(EMS等)」生産設計に特化して工場をプロデュースする「ラインビルダー」、中小ものづくり事業と協業し生産能力を獲得する「ものづくりベンチャー」などが存在。

資料:経済産業省作成

例:沖電気(東京都港区)

例:ダイフク(大阪府大阪市)

例:京西テクノス(東京都多摩市)

例:Spiber(山形県鶴岡市)

19

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技術革新のスピードが

速く、製品の技術が

陳腐化しやすい

20.7%

顧客や市場のニーズ

の変化が速い

53.5%

コモディティ化しやすい4.6%

業界が過当競争

に陥っている

15.9%

模倣品が出回ってい

1.7%

規制や国際ルールなど

の変化に対応する必

要がある

1.4%

その他2.2%

(n=831)

-10%

-5%

0%

5%

10%

価格競争に陥らない事業領域

へのシフト

ライフサイクルを長期化するための

ブランド戦略、差異化戦略

B to CからB to Bへの事業領域

のシフト

モノからサービスへのシフト

知的財産の権利保護強化 マーケティングの強化

自社に有利なルール形成

その他

特にない

増加(n=478) やや増加(n=906) 横ばい(n=1109) やや減少(n=594) 減少(n=452)

【ライフサイクルの短縮要因】

【ライフサイクルの最適化の取組と 過去3年の業績(営業利益)動向】

資料:経済産業省調べ(15年12月)

資料:経済産業省調べ(15年12月)

資料:経済産業省調べ(15年12月)

【自社の主要製品のライフサイクルの変化(10年前との比較)】

備考:全体平均とのポイント差をグラフ化。

21.7

34.7

16.3

18.2

30.2

26.9

25.8

26.2

72.0

58.9

68.9

79.1

68.5

68.3

68.5

69.3

6.4

6.4

14.9

2.7

1.2

4.8

5.7

4.6

0 20 40 60 80 100

一般機械

電気機械

輸送用機械

鉄鋼業

化学工業

非鉄金属

金属製品

その他

(n=5

03)

(n=4

99)

(n=3

63)

(n=1

10)

(n=1

62)

(n=1

04)

(n=6

47)

(n=1

,18

1)

短くなっている あまり変わらない 長くなっている

(%)

変わる外部環境~短縮傾向にある製品ライフサイクル~ 過去10年で全業種において、製品ライフサイクルは短縮傾向。

こうした中、ライフサイクル最適化に向けた取組が業績を左右。

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【5年前と比較した意思決定のスピードの変化】 【10年前と比較した主要製品における開発のリードタイムの変化】

【クラスター区分ごとの特徴】

備考:IoT活用に向けた取組の実施状況を点数化し、左記の特徴にて最も積極的な企業群をクラスターE、最も消極的な企業群をクラスターAとして分類。

【各クラスター毎の従業員規模別構成比率】

資料:経済産業省調べ(15年12月)

IoTの活用度合い

区分 特徴

クラスターA

【IoTの総合的な導入・活用度合いが最も低い】 IoTの活用については総じて消極的であり、特に「生産」部門や「販売」部門における取組度合いが低い。

クラスターB

【IoTの総合的な導入・活用度合いがやや低い】 IoTの活用については総じて消極的であるが、「生産」部門における活用には比較的、積極姿勢が見られる。

クラスターC

【IoTの総合的な導入・活用度合いは中庸】 「部門間連携」や「販売」部門でのIoT活用に積極的である。

クラスターD

【IoTの総合的な導入・活用度合いがやや高い】 「3Dシミュレータ」を最も積極的に活用している。 「部門間連携」でのIoT活用に積極的である。

クラスターE

【IoTの総合的な導入・活用度合いが最も高い】 IoTの活用全般に対して総じて積極的であり、特に「3Dプリンタ」の活用状況は極めて高い。

• 企業規模に関わらず、IoTを積極的に活用している企業ほど、経営のスピードが速く、製品開発のリードタイムが短くなっている。

• 従業員100人以下の中小企業においても積極的にIoTの活用を行っている企業がいる。

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・ 何ができるのかわからない

・ 技術がわかる人がいない/相談する相手もいない

・ データを共有することへの不安(買い叩かれるのではないか? 競争力を失うのでは?等)

・ そもそもデータは誰のもの?

・ セキュリティが心配

・ データや通信方法の仕様が違いつながらない/多様な仕様のどれに合わせたらいいのか?

・ 投資する余裕がない/安価で簡単に使えるシステムがない

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“つながる”上での問題(例)

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① ユースケースの創出 スマート工場実証事業(平成28年度予算5億円)等により、IoTを活用したユースケース創

出に挑戦する意欲的な製造企業を応援 ② 規制・制度改革 ③ サイバーセキュリティ ④ 国際標準化への貢献(IEC/ISO) ⑤ 中小企業への導入支援 中小企業がIoTを活用して経営課題を解決できるよう、「スマートものづくり応援隊」に相談できる

拠点の整備を今年度から開始。 ⑥ 人材育成 ⑦ 国際協力 「日独IoT・インダストリ4.0協力に係る共同声明」を4月末に発出。政府間、プラットフォーム間、

研究機関間で日独協力を深化・具体化。また、米国や他の欧州諸国等との連携構築にも取り組む。

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政策的課題と対応

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①ユースケースの創出: スマート工場実証事業

• 我が国製造業が、生産現場の状況を見える化し、変化の早い市場ニーズに柔軟な対応を行えるような基盤整備を行う。

• 具体的には、それぞれ形式の異なる生産機械や設備の稼働情報を、生産管理や品質管理等に反映し、最適な生産や在庫、物流等に対応させるためのデータ伝達の共通フォーマットを作成する。

• また、現場情報をITアプリケーションにつなげるために、中堅、中小企業も利用可能なデータ活用ツールの普及を図る。

• こうした取り組みを率先して実証する工場を支援する

生産管理 設備の稼働監視

共通フォーマット化

ロボットや工作機械、コントローラーなど 生産現場の各種機械からデータを収集

高度なインテグレーションなしにデータの一元管理が可能に

物流の最適化

変化の早い市場ニーズ

生産現場の最適化

ビジネス全体の最適化

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④国際標準化への貢献 ドイツでは、国際標準化もにらみ、リファレンス・アーキテクチャー・モデル(RAMI4.0)の作成とそれに沿った事例創出を進めている。

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中小製造業がロボット、IoT等について「スマートものづくり応援隊」に相談できる拠点の整備を、本年度から開始 ⑤中小企業への導入支援(スマートものづくり応援隊)

• 中小企業にとっては、自社の業務をどのように改善し、その際、IoT・ロボット等の新しい技術をどのように活用していけばよいかが分からないことが多い。このため、

① 「伴走型」で中小企業に支援を行える専門人材を育成・派遣する。 ② 専門人材を派遣する前提として、派遣する人材を育成するスクールを開催し、人材のクオリティーを確保。 ③ 例えば、IoTやロボットに知見を有する人材に対して現場カイゼンのノウハウを教えたり、カイゼン活動に秀でた大手製造業OBに対してIoT・ロボット導入のノウハウを教えることを想定。

スクールでの研修 生産技術に 秀でた企業O

リードタイムの短縮 ・仕掛在庫の極小化 ・作業動線の短縮 ・多能工化の推進 ・作業の合理化 ・製造指示の作成 等

企業OBの海外流出防止

下請け生産からの脱却

中小企業に派遣

身の丈に合ったロボット・IoT活用促進

IoT・ロボット等に知見ある人材 + 現場カイゼン

ノウハウ

IoT・ロボット導入ノウハウ +

全国の拠点整備を本年度から開始

事例:カイゼン×ロボットによる生産性向上の例 北九州産業学術推進機構

(FAIS) 「生産技術」と「ロボット技術」に通じたコーディネータ2名が連携して中小企業の生産性向上(カイゼン 活動+ロボ導入)

FAISでは、備えられたロボットを実際に動かして生産の効率化を実験できる。ロボット・IoTは「手の届かない高度なツール」との苦手意識を変え、中小企業の身の丈に合った活用を推進。

スマートものづくり応援隊 ・ 企業でのカイゼン活動 ・ IoT・ロボット導入支援

拠点で相談受付

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⑦国際協力 過去2年、二国間IoT連携が急速に進展(独中、独米、独仏、独日(+印、チェコ(欧州)等))。 ドイツがこの流れを牽引。二国間に加え多国間の場も活用(EU、G7、G20、ダボス 等)

2015 2016 2017

G7 G20 ダボス

第四次産業革命 WG(~2018)

デジタル大臣会合 (2017年4月)

2015.7.14 独中I4.0覚書 (BMWi-工業情報化部)

2016.4.28 日独共同声明 (BMWi-経済産業省)

産業サイバーセキュリティ、国際標準化(ユースケース共有)、規制改革、中小企業(相互交流+支援組織 相互アクセス)、人材、研究開発(AIST-DFKI)

2016.4.26 独仏共通行動計画 シナリオ・ユースケース共有(オンラインマップ) 独仏共通国際標準化ロードマップ(-2016末)

テストベッド相互アクセス(共同プロジェクト)、教育・研究協力

2016.3.2 PFI4.0-IIC協力 標準化(RAMI-IIRA相互運用性確保) テストベッド相互アクセス(共同プロジェクト)

政府 PF

研究機関

政府 PF

政府

PF

・ RRI国際シンポジウム@東京(2017年初旬) ・ CeBIT2017パートナー国(2017年3月) ・ チェコロボット企業ミッション訪日(2017年3月)※独企業が関与 ・ 日独米アカデミックWS@ミュンヘン(2017年4月) ・ G20デジタル大臣会合@ドイツ(2017年4月) ・ ハノーヴァーメッセ@ハノーヴァー(2017年4月) ・ ドイツ中小企業ミッション訪日(2017年中)

日独主要日程

中国製造2025

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日独間のIoT/Industrie 4.0に関する協力

日独首脳会談 共同記者会見(平成28年5月4日) 安倍総理冒頭ご発言

「日独は科学技術とイノベーションで世界をリードしています。先週、経済産業省と経済エネルギー省の間でIoTとインダストリー4.0に関する共同声明が発表されたことを歓迎したいと思います。今後も日独で緊密に協力して、「第四次産業革命」を実現させたいと思います。」

安倍総理とメルケル首相

民間のプラットフォーム協力 ロボット革命イニシアティブ協議会とプラットフォームインダストリー4.0の間で連携強化に係る文書を4月28日に締結。

研究開発協力 産業技術総合研究所とドイツ人工知能研究所(DFKI)との間で研究協力のLoIを締結。

今後具体的な協力に向けて連携強化の調整を実施中。

日独政府間「共同声明」のポイント

経済産業省とドイツ経済エネルギー省の間で、IoT/インダストリー4.0協力に関する局長級対話を毎年実施。

IoT/インダストリー4.0に関心がある民間団体等の参加を得て、具体的に下記項目等で連携(詳細次ページ)

① 産業サイバーセキュリティ ② 国際標準化 ③ 規制改革 ④ 中小企業 ⑤ 人材育成 ⑥ 研究開発

プラットフォーム間、研究機関間でも協力推進

本年4月28日、METIと独・経済エネルギー省の間で「日独IoT/インダストリー4.0協力に係る共同声明」を締結。5月4日の日独首脳会談において本声明の締結を歓迎。

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日独共同声明の詳細(可能性のある協力分野) ① 産業サイバーセキュリティ

両国企業(中小企業を含む)によるベストプラクティスの共有 制御システムセキュリティに関する共同演習の実施 国際的な規制に関する協力

② 国際標準化 両国間でのユースケース(先進事例)の共有 標準やアーキテクチャーモデルに関する協力 ドイツが進めるアーキテクチャーモデル「RAMI4.0」を利用した国際標準づくりの推進

③ 規制改革 OECD、G7、G20等の多国間対話の場での協力 データの所有権を含め、データ活用やプライバシーに情報交換 IoT関連の規制(自動運転やスマートホームを含む)に関する協力

④ 中小企業

⑤ 人材育成 中小企業のためのIoTに関連する取組や政策に係る情報交換 上記情報に基づく共同プロジェクト(相互訪問やビジネスマッチング、中小企業支援拠点への相互アクセス等)

⑥ IoT/インダストリー4.0に関する研究開発 IoT関連技術の研究開発ロードマップに係る意見交換 研究機関間での共同プロジェクト(産業技術総合研究所とドイツ人工知能研究所との間で研究協力のLoIを 締結済み。今後具体的な協力に向けて連携強化の調整を実施中)

⑦ プラットフォーム ロボット革命イニシアティブ協議会とドイツのプラットフォームインダストリー4.0の間で相互アクセスを可能に 29

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【第1回日独標準化専門家会合】 ○ 日時:2016年9月29日(木) 15:30-16:40 ○ テレビ会議 (日本側経産省に参集、独側各サイトから参加)

○ 参加者: <ドイツ> ・Mr. Thomas Hahn (Siemens, Labs Network Industri4.0 Chair) ・Dr. Reinhold Pichler (DKE, Standard Council Industri4.0 Chair) ・Mr. Munz (KUKA) ・Dr. Peter Adolphs (Pepperl+Fuchs, PI4.0 Reference

Architecture, Standardization, Regulatory WG Chair)

<日本> ・佐藤文一 (経産省 製造産業局 審議官) ・木村文彦 (東大名誉教授、ISO/TC184日本代表) ・西岡靖之 (法大教授) ・野中洋一 (日立、ISO/TMB/SAG日本代表) ・小田信二 (横河電機、IEC/SMB/SG8日本代表) ・石隈徹 (アズビル、IEC/TC65日本代表) ・加納誠介 (産総研 製造技術研究部門副部門長)

【第1回日独 産業サイバーセキュリティ専門家会合】 ○ 日時:2016年10月5日(木) ○ CEATECの場を活用 ○ 参加者: <ドイツ> ・プラットフォーム・インダストリー4.0メンバー シーメンス組込みセキュリティ研究長 ドイツ富士通テクノロジーソリューション セキュリティ技術室 ・ZVEI サイバーセキュリティ政策・規制担当 ・VDMA 製品・ノウハウ保護責任者/ISO TC292委員 <日本> 経産省及びIPAの管理職 等

日独間のIoT/Industrie 4.0に関する協力の進捗状況

【ユースケース・オンライン・マッピング】

○ 日独の各々のユースケースを地図上に図示したオンラインマッピングを構築。

○ CEATECでβ版を公開。来年3月のCeBIT(ハノーバー)での本格公開に向け取組を推進。

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1.IoT推進コンソーシアム(ITAC)とインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)の協力 ・ 日 時:2016年10月3日(月) ・ 署名者:リチャード・マーク・ソーリィ代表(IIC) 村井 純会長(IoT推進コンソーシアム) ・ 内 容:IoT推進コンソーシアム(ITAC)と、米国のIICが、IoT分野の協力に係る覚書に署名。 今後、共通のアーキテクチャ理解に基づいた分野別の実証や、それを踏まえた標準化等に 向けた取組み等を推進。 2.IoT推進コンソーシアム(ITAC)とOpenFog Consortiumの協力 ・ 日 時:2016年10月3日(月) ・ 署名者:ジェフ・G・フェダーズ代表(OpenFog Consortium) 村井 純会長(IoT推進コンソーシアム) ・ 内 容:IoT推進コンソーシアム(ITAC)と、米国のOpenFog Consortiumが、IoT分野の 協力に係る覚書に署名。今後、特にリアルタイム性や大量のデータ処理等が求められる 分野のIoTソリューションを見据え、分散型コンピューティングを意識した実証や標準化等 に向けた取組み等を推進

日米間のIoTに関する協力

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