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「微分積分 2問題集」
サンプルページ
この本の定価・判型などは,以下の URL からご覧いただけます.
http://www.morikita.co.jp/books/mid/005591
※このサンプルページの内容は,初版 1 刷発行時のものです.
i
まえがき
本書は,高専テキストシリーズの『微分積分 2』に準拠した問題集である.各節は,[まと
め]に続いて,問題を難易度別に配置した.詳しい構成は,下記のとおりである.
まとめ いくつかの要項
原則的に,教科書『微分積分 2』にある枠で囲まれた定義や定理,公式に対応したものであ
る.ここに書かれていることは,問題を解いていく上で必要不可欠であるので,しっかりと
理解してほしい.
A 問題 教科書の問レベル
教科書の本文中の問に準拠してあり,問だけでは足りない分を補う役割を果たしている.こ
れらの問題が解ければ,これ以後の学習に必要な内容が修得できるように配慮してある.
B 問題 教科書の練習問題および定期試験レベル
教科書で割愛された典型的な問題も,この中に例題として収録し,直後にその理解のための
問題をおいている.また,問題を解く上で必要な[まとめ]の内容や関連する[A]の問題などを参照できるように,要項番号および問題番号を ☞で示している.
C 問題 大学編入試験問題レベル
過去の入試問題を参考にして,何が問われているかを吟味した上で,それに特化した問題に
作り替えたものである.基礎的な問題から応用問題まで,その難易度は幅広いが,ぜひチャ
レンジしてほしい.
マーク 関数電卓や数表を用いる問題
一般的には,数表を用いて解くものであるが,現代では早く解けることも大事なので,必要
に応じて関数電卓を活用することを勧める.
解 答
全問に解答をつけた.とくに[B],[C]問題の解答はできるだけ詳しく,その道筋がわかる
ように示した.
数学は,自らが考え問題を解くことによって理解が深まるものである.本書を活用するこ
とで,自分で考える習慣を身につけ,『微分積分 2』で学習する内容の理解をより確実なもの
にしてほしい.また,大学編入試験対策にも役立つことを願っている.
2012年 10月
高専テキストシリーズ 執筆者一同
ii
目 次
第 1章 いろいろな微分法と積分法
0 既習事項の確認 ························································································11 曲線の媒介変数表示と極方程式 ·····································································62 いろいろな積分法···················································································· 16
第 2章 関数の展開
3 関数の展開 ···························································································· 22
第 3章 偏微分法
4 偏導関数 ······························································································· 27
5 偏導関数の応用 ······················································································ 33
第 4章 2重積分6 2重積分 ······························································································· 38
第 5章 微分方程式
7 1階微分方程式······················································································· 47
8 2階微分方程式······················································································· 55
解答第 1章 いろいろな微分法と積分法 ································································· 64
第 2章 関数の展開 ····················································································· 79
第 3章 偏微分法························································································ 82
第 4章 2重積分 ························································································ 88
第 5章 微分方程式 ····················································································· 94
6 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
1 曲線の媒介変数表示と極方程式
まとめ
1.1 媒介変数表示:座標平面において,点 P(x, y)の x座標,y 座標がそれぞ
れ tを変数とする連続関数 x = f(t), y = g(t)で表されているとする.tの値
が変化すると点 P(f(t), g(t))も変化し,点 Pはある曲線 Cを描く.このとき,{x = f(t)y = g(t)
を曲線 Cの媒介変数表示という.tを媒介変数またはパラメータと
いう.
1.2 媒介変数表示された曲線の接線ベクトル:平面上を運動する点 Pの描く曲
線 Cが,媒介変数表示
{x = f(t)
y = g(t)によって表されているとする.f(t), g(t)
が微分可能であるとき,v(t) =
(f ′(t)
g′(t)
)を点 Pの時刻 tにおける速度ベクト
ル,または曲線 Cの接線ベクトルという.
1.3 接線の方程式:媒介変数表示
{x = f(t)
y = g(t)で表された曲線 C 上の点
P(f(t0), g(t0)) における接線の方程式は,f ′(t0) �= 0, g′(t0) �= 0 であると
き,次の式で表される.
x− f(t0)f ′(t0)
=y − g(t0)g′(t0)
または y =g′(t0)f ′(t0)
{x− f(t0)} + g(t0)
1.4 媒介変数表示された曲線と面積:関数ϕ(x)がa � x � bで連続で ϕ(x) � 0
であるとき,曲線 y = ϕ(x)と x軸,および 2直線 x = a, x = b で囲まれた
図形の面積は S =∫ b
a
y dx で求めることができる.この曲線が媒介変数表示{x = f(t)
y = g(t)(α � t � β)で表されるときは,x = f(t) と置換することによっ
て,面積 S を計算することができる.ただし,f ′(t) �= 0とする.
1 曲線の媒介変数表示と極方程式 7
1.5 媒介変数表示された曲線の長さ:媒介変数表示
{x = f(t)
y = g(t)(α � t � β)
で表された曲線の長さ Lは,次のようになる.
L =∫ β
α
√(dxdt
)2
+(dydt
)2
dt =∫ β
α
√{f ′(t)}2 + {g′(t)}2 dt
1.6 関数のグラフで表された曲線の長さ:曲線 y = f(x) (a � x � b) の長さ
Lは,次のようになる.
L =∫ b
a
√1 +(dydx
)2
dx =∫ b
a
√1 + {f ′(x)}2 dx
1.7 極座標と極方程式:平面上に点Oと,Oを端点とする半直線OXを定める.
点 O以外の点 Pに対して,Oから Pまでの距離を r,2直線 OX, OPのなす
角を θとするとき,rと θの組 (r, θ)を点 Pの極座標という.点Oを原点また
は極といい,半直線OXを始線という.曲線上の点の極座標 (r, θ)が r = f(θ)
を満たすとき,これを曲線の極方程式という.
1.8 直交座標と極座標の関係:平面上の点 Pの直交座標 (x, y),極座標 (r, θ)
の間には,次のような関係式が成り立つ.
{x = r cos θ
y = r sin θ
⎧⎨⎩r =
√x2 + y2
tan θ = yx
(ただし x �= 0)
θは点 (x, y)が属する象限の角を選ぶ.
1.9 極方程式で表された図形の面積:曲線 r = f(θ) (α � θ � β)と 2つの半
直線 θ = α, θ = β で囲まれた図形の面積 S は,次の式で表される.
S = 12
∫ β
α
r2 dθ = 12
∫ β
α
{f(θ)}2 dθ
1.10 極方程式で表された曲線の長さ:曲線 r = f(θ) (α � θ � β)の長さ L
は,次の式で表される.
L =∫ β
α
√r2 +
(drdθ
)2
dθ =∫ β
α
√{f(θ)}2 + {f ′(θ)}2 dθ
8 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
A
Q1.1 次の媒介変数表示から tを消去した方程式を求め,どのような曲線であるかを
述べよ.また,点 P(0)の座標を求め,tの値が増加するときの点 P(t)の動く方向
を,曲線上に矢印で示せ.
(1)
{x = t− 2
y = 2t+ 1(2)
{x = 2 − t
y = 2t2 + 1(3)
⎧⎨⎩ x = 4 − t2
y = t2
(4)
{x = 3 cos(π − t)
y = 3 sin(π − t)(5)
{x = cos t
y = 2 sin t
Q1.2 媒介変数表示された曲線
{x = t2
y = t3(−1 � t � 1) を描け.
Q1.3 次の媒介変数表示された曲線の,( )内に指定された tの値に対応する点にお
ける接線ベクトルを求めよ.
(1)
{x = t− t3
y = 1 − t4(t = 1) (2)
{x = t2 − 1
y = 2 sin 2t
(t = π
2
)
(3)
{x = 2 cos t
y = 3 sin t
(t = π
3
)(4)
{x = log t
y = t2 + 1(t = e)
Q1.4 アステロイド
{x = cos3 t
y = sin3 tの,次の tの値に対応する点における接線ベクト
ルを求めよ.
(1) t = π6
(2) t = π4
(3) t = 2π3
(4) t = 5π4
Q1.5 次の曲線の,( )内に与えられた tの値に対応する点における接線の媒介変数
表示,および媒介変数を消去した方程式を求めよ.
(1)
{x = t− 2
y = 2t2 + 1(t = 1) (2)
{x = tet
y = t2(t = 1)
(3)
{x = 2 sin t
y = 2 sin 2t
(t = π
6
)(4)
{x = t− sin t
y = 1 − cos t
(t = 3π
2
)
Q1.6 次の図形の面積を求めよ.
(1) 曲線
{x = 3ty = 1 − t2
と x軸が囲む図形
1 曲線の媒介変数表示と極方程式 9
(2) 曲線
{x = t2
y = 2t2 − t3(0 � t � 2)と x軸が囲む図形
(3) 曲線
{x = t3
y =√t
(0 � t � 2),直線 x = 8,x軸が囲む図形
(4) 曲線
{x = 2 cos ty = 3 sin t
(0 � t � π)と x軸が囲む図形
Q1.7 次の曲線の長さを求めよ.
(1)
{x = t2
y = 2t(0 � t � 1) (2)
⎧⎨⎩x = t2
y = 13t3
(0 � t � 1)
(3)
{x = 6t2
y = t3 − 12t− 3(0 � t � 2)
Q1.8 次の曲線の長さを求めよ.
(1) y = 23√x3 (0 � x � 3) (2) y = x3
6+ 1
2x
(12
� x � 2)
(3) y = ex2 + e−
x2 (0 � x � 2)
Q1.9 次の極座標をもつ点の直交座標 (x, y)を求めよ.
(1)(2, π
6
)(2)(1, 3π
2
)(3)(2, 4π
3
)(4) (5, π) (5)
(2,− π
4
)(6)(√
2,− 3π4
)Q1.10 次の直交座標をもつ点の極座標 (r, θ)を求めよ.ただし,0 � θ < 2πとする.
(1)(2, 2
√3)
(2) (−2, 2) (3)(1,−√
3)
(4) (−4, 0) (5)(−√
2,−√2)
(6) (0,−4)
Q1.11 次の直交座標で表された図形の極方程式および θ の範囲を求めよ.
(1) 直線 x = 2 (2) 直線 y = 3
(3) 直線 x− y = 1 (4) 円 (x+ 2)2 + y2 = 4
(5) 円 x2 + (y − 3)2 = 9 (6) 円 (x+ 1)2 + (y − 1)2 = 2
Q1.12 ( )内に示された範囲で,次の極方程式で表された曲線を図示せよ.
(1) r = 2 (0 � θ � 2π) (2) r = θ2
(0 � θ � 2π)
(3) r = 4 sin θ (0 � θ � π)
10 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
Q1.13 次の曲線や半直線で囲まれた図形の面積を求めよ.
(1) r = θ2
(0 � θ � π),半直線 θ = π (2) r = 2cos θ
,半直線 θ = 0, θ = π3
(3) r = 2 sin θ(π4
� θ � 3π4
),半直線 θ = π
4, θ = 3π
4(4) r = 1 + sin θ (0 � θ � 2π)
Q1.14 次の曲線の長さを求めよ.
(1) r = 2θ (0 � θ � π) (2) r = e2θ (0 � θ � π)
(3) r = 2 cos θ(− π
2� θ � π
2
)(4) r = 1 + cos θ (0 � θ � π)
B
Q1.15 次の媒介変数表示から tを消去した方程式を求め,どのような曲線であるか
を述べよ.また,tの変化に応じて,曲線上の点 P(t)がどのように曲線上を移動し
ているかを調べ,図示せよ. ☞ Q1.1
(1)
⎧⎨⎩x =
√t+ 1
y = t2
+ 1(2)
⎧⎨⎩x = e−t + 1
y = et + 1
(3)
⎧⎨⎩x = cos t+ sin t
y = cos t− sin t(4)
⎧⎪⎨⎪⎩x = 1
t+ 1
y = t− 1t+ 1
Q1.16 次の媒介変数表示から tを消去した方程式を導け. ☞ Q1.1
(1)
⎧⎪⎪⎨⎪⎪⎩x = 1 − t2
1 + t2
y = 2t1 + t2
(2)
⎧⎪⎪⎨⎪⎪⎩x = 3t
1 + t3
y = 3t2
1 + t3
(3)
⎧⎨⎩x = 2 cos2 t
y = 3 sin2 t(4)
⎧⎨⎩x = tan t
y = 1cos t
Q1.17 次の媒介変数表示された曲線の接線ベクトル v(t)を求めよ.
☞ まとめ 1.2, Q1.3, Q1.4
(1)
{x = sin2 t
y = sin2 t tan t(2)
⎧⎪⎨⎪⎩x = 4t
1 + t3
y = 4t2
1 + t3
(3)
⎧⎪⎨⎪⎩x = 1
et + e−t
y = et − e−t
et + e−t
(4)
{x = cos t+ t sin t
y = sin t− t cos t
1 曲線の媒介変数表示と極方程式 11
Q1.18 曲線上の点 Pを通り,Pにおける曲線の接線と垂直な直線を,Pにおける曲
線の法線という.次の曲線の,与えられた t の値に対応する点における接線および
法線の方程式を求めよ. ☞ まとめ 1.3, Q1.5
(1)
⎧⎨⎩x = cos 3t
y = sin 2t
(t = π
6
)(2)
⎧⎨⎩x = cos3 t
y = sin3 t
(t = π
4
)
(3)
⎧⎨⎩x = 2et
y = et2
(t = 0) (4)
⎧⎨⎩x = sin−1 t
y = log√
1 − t2
(t = 1
2
)
例題 1.1 関数 f(t), g(t)が微分可能で,f ′(t) �= 0とする.x, y の関係が媒介変数
表示
⎧⎨⎩x = f(t)
y = g(t)で表されているとき,関数 x = f(t)の逆関数が存在すれば,y は
x の関数となる.このとき,合成関数の導関数と逆関数の導関数から,dydxを次の
ように表すことができる.
dydx
= dydt
dtdx
=
dydtdxdt
=g′(t)f ′(t)
(f ′(t) �= 0)
このことを用いて,x, y の関係が tを媒介変数として次の式で表されるとき,dydx
を求めよ.
(1)
⎧⎨⎩x = t− t3
y = 1 − t4(2)
⎧⎨⎩x = 2 cos t
y = 3 sin t
解 (1) dxdt
= 1 − 3t2,dydt
= −4t3 なので,dydx
= 4t3
3t2 − 1
(2) dxdt
= −2 sin t,dydt
= 3 cos t なので,dydx
= − 3 cos t2 sin t
Q1.19 x, yの関係が媒介変数表示
⎧⎨⎩x = f(t)
y = g(t)で表されているとき,
d2y
dx2 =(g′(t)f ′(t)
)′· 1f ′(t)
(f ′(t) �= 0)
が成り立つことを示せ.またこのことを用いて,次の (1)から (4)において dydx
,d2y
dx2
12 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
を求めよ.
(1)
⎧⎨⎩x = t2 − 1
y = t3 − 3t(2)
⎧⎨⎩x = 4 cos2 t
y = 2 sin t
(3)
⎧⎨⎩x = e−t cos t
y = e−t sin t(4)
⎧⎨⎩x = tan−1 t
y = log√
1 + t2
Q1.20 次の媒介変数表示された曲線と,x軸で囲まれた図形の面積を求めよ.
☞ まとめ 1.4, Q1.6
(1)
{x =
√t
y = 4t− t2(0 � t � 4) (2)
{x = sin ty = 1 + cos 2t
(− π
2� t � π
2
)
(3)
{x = cos t+ sin ty = cos t− sin t
(− 3π
4� t � π
4
)
例題 1.2曲線
⎧⎨⎩x = t2
y = 2t− t2(0 � t � 2) と
x軸で囲まれた図形を,x軸のまわりに回転してで
きる回転体の体積を求めよ.
解 回転体の体積は,V = π
∫ b
a
y2 dx を x = f(t) として置換積分することで計算され
る.t = 0のとき x = 0, t = 2 のとき x = 4 なので,V = π
∫ 4
0
y2 dx を x = t2 として
置換積分すると,
V = π
∫ 2
0
(2t − t2
)2 · 2t dt = π
∫ 2
0
(8t3 − 8t4 + 2t5
)dt = 32
15π
Q1.21 次の曲線と x軸で囲まれた図形を,x軸のまわりに回転してできる回転体の
体積を求めよ.
(1) 曲線
⎧⎨⎩x = 2 sin t
y = 1 + cos 2t
(− π
2� t � π
2
)
(2) 楕円
⎧⎨⎩x = 2 cos t
y = 3 sin t(0 � t � π)
1 曲線の媒介変数表示と極方程式 13
(3)
⎧⎨⎩x = t− sin t
y = − cos t
(π2
� t � 3π2
)
(4)
⎧⎨⎩x = cos t+ sin t
y = cos t− sin t
(− 3π
4� t � π
4
)
Q1.22 次の曲線の長さ Lを求めよ. ☞ まとめ 1.5, Q1.7
(1)
⎧⎪⎨⎪⎩x = 1 − t2
1 + t2
y = 2t1 + t2
(0 � t � 1) (2)
{x = e−t cos ty = e−t sin t
(0 � t � π)
(3)
{x = 2 cos t− cos 2ty = 2 sin t− sin 2t
(0 � t � π) (4)
⎧⎨⎩x = sin−1 t
y = log√
1 − t2
(0 � t � 1
2
)
Q1.23 次の曲線の長さ Lを求めよ. ☞ まとめ 1.6, Q1.8
(1) y = x2
2− log x
4(1 � x � e) (2) y =
√x(
14
� x � 12
)Q1.24 次の直交座標で表された図形の極方程式および θの範囲を求めよ.
☞ まとめ 1.8, Q1.11
(1) x2 + y2 = 2y (2) (x2 + y2)2 = 2xy
Q1.25 次の曲線や半直線で囲まれた図形の面積 S を求めよ. ☞ まとめ 1.9, Q1.13
(1) r = 2 + cos 2θ (0 � θ � π),半直線 θ = 0, θ = π
(2) r = 2 + 3 sin θ (0 � θ � π),半直線 θ = 0, θ = π
(3) r = 2 cos θ2
(0 � θ � π),半直線 θ = 0
(4) r = 21 + cos θ
(0 � θ � 2π
3
),半直線 θ = 0, θ = 2π
3
14 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
Q1.26 次の曲線の長さ Lを求めよ. ☞ まとめ 1.10, Q1.14
(1) r = θ2 (0 � θ � 2π) (2) r = cos3 θ3
(0 � θ � 3π
2
)
Q1.27 極方程式 r = 11 + a cos θ
で表される曲線は,|a| < 1のとき楕円,a = ±1
のとき放物線,|a| > 1のとき双曲線であることを証明せよ. ☞ まとめ 1.8
C
Q1.28 曲線
⎧⎨⎩x = t− sin 2t
y = 1 − cos 2t(0 < t < π)について, dy
dx,d2y
dx2 を tを用いて表せ.
(類題:東京農工大学)
Q1.29 曲線
⎧⎨⎩x = e−t
y = t2e−tについて,次の各問いに答えよ.
(類題:東京農工大学)
(1) dydx
,d2y
dx2 を tを用いて表せ.
(2) dydx
= 0となる tの値,およびそのときの x, y の値を求めよ.
(3) y を xの関数と考えたときの極値を求めよ.
Q1.30 媒介変数 tを用いて⎧⎨⎩x = t2 − 3
y = t3 − 3t
と表される曲線の概形は,右図のようになる.この曲線につ
いて,次の各問いに答えよ. (類題:京都大学)
1 曲線の媒介変数表示と極方程式 15
(1) dydx
, d2y
dx2 を tを用いて表せ.
(2) この曲線が上に凸になる tの範囲を求めよ.
(3) tを消去して,この曲線の xと y だけの方程式を導き,曲線が x軸に関して対
称であることを示せ.
(4) この曲線で囲まれる図形の面積 S を求めよ.
Q1.31 媒介変数 θを用いて⎧⎨⎩x = 2 cos θ − cos 2θ
y = 2 sin θ + sin 2θ(0 � θ � 2π)
と表される曲線の概形は,右図のようになる.この曲線に
ついて,次の各問いに答えよ. (類題:大阪大学)
(1) dxdθ
= 0 となる θの値を求めて,x = 2 cos θ − cos 2θ の増減表をかけ.
(2) dydθ
= 0 となる θの値を求めて,y = 2 sin θ + sin 2θ の増減表をかけ.
(3) 図の点 P, Q, S, T は θのどのような値に対応する点かを示し,それぞれの点の
座標を求めよ.
(4) この曲線が x軸に関して対称になることを用いて,この曲線で囲まれる図形の
面積 S を求めよ.
Q1.32 媒介変数 tを用いて⎧⎨⎩x = π sin t
y = −t cos t
(0 � t � π
2
)
と表される曲線と x軸で囲まれる図形の面積 S を求めよ. (類題:東北大学)
Q1.33 2曲線 C1, C2 がそれぞれ
C1 : y =(ex − e−x
2
)2
, C2 : y = −x2
で与えられているとき,次の問いに答えよ. (類題:九州大学)
(1) 2曲線 C1, C2 のグラフの概形を描け.
(2) 直線 x = 1と 2曲線 C1, C2 で囲まれた図形の周の長さ Lを求めよ.
Q1.34 方程式 (x2 + y2)3 = 4(x2 − y2)2 で与えられている曲線について,次の各問
いに答えよ. (類題:首都大学東京)
16 第 1 章 いろいろな微分法と積分法
(1) この曲線の極座標 (r, θ)を用いた極方程式を求めよ.
(2) − π4
� θ � π4の範囲で,この曲線の概形をかけ.
(3) − π4
� θ � π4の範囲で,この曲線が囲む図形の面積 S を求めよ.
Q1.35 極方程式 r = 2 sin θ (0 � θ � π)で表される曲線について,次の各問いに答
えよ. (類題:名古屋大学)
(1) この曲線の θによる媒介変数表示を求めよ.
(2) dydx
, d2y
dx2 を θを用いて表せ.
(3) θ = π6に対応する点における接線の極方程式を求めよ.
2 いろいろな積分法
まとめ
2.1 台形公式:区間 [a, b]で連続な関数 f(x) に対して,[a, b]を n等分した点
を a = x0 < x1 < · · · < xn = b とする.Δx = b− an
とし,yk = f(xk)
(k = 0, 1, 2, · · · , n) とおくとき,次の式が成り立つ.∫ b
a
f(x) dx �{
12
(y0 + yn) + (y1 + y2 + · · · + yn−1)}Δx
2.2 広義積分:次の各式で,右辺の極限値が定まるとき,その値を左辺の記号
で表す.このように拡張して定義された定積分を広義積分という.
(1) 積分区間の端点で被積分関数が定義されていない場合の広義積分
f(x)が下端 aで定義されていない場合∫ b
a
f(x) dx = limε→+0
∫ b
a+ε
f(x) dx
f(x)が上端 bで定義されていない場合∫ b
a
f(x) dx = limε→+0
∫ b−ε
a
f(x) dx
(2) 積分区間が [a,∞) または (−∞, b] の場合の広義積分
[a,∞)の場合∫ ∞
a
f(x) dx = limM→∞
∫ M
a
f(x) dx
(−∞, b]の場合∫ b
−∞f(x) dx = lim
M→∞
∫ b
−Mf(x) dx
38
第4章 2重積分
6 2重積分まとめ
6.1 2重積分:領域Dを小領域Dk (k = 1, 2, . . . , n)に分割し,Dk内に任意の
点 (xk, yk) をとる.Dk の面積を ΔSk とするとき,関数 f(x, y) の領域 D に
おける 2重積分を次のように定める.∫D
f(x, y) dS = limn→∞
n∑k=1
f(xk, yk)ΔSk
ただし,n→ ∞のとき,各小領域は限りなく小さくなるものとする.6.2 2重積分の性質(I):kを定数とするとき,次のことが成り立つ.
(1)∫
D
kf(x, y) dS = k
∫D
f(x, y) dS
(2)∫
D
{f(x, y) + g(x, y)} dS =∫
D
f(x, y) dS +∫
D
g(x, y) dS
6.3 2重積分の性質(II):領域Dが,境界線以外に共通部分をもたない 2つの
領域 D1, D2 に分解されるとき,次のことが成り立つ.∫D
f(x, y) dS =∫
D1
f(x, y) dS +∫
D2
f(x, y) dS
6.4 累次積分による 2重積分の計算:関数 f(x, y)が領域Dで連続であるとき,
f(x, y)の Dにおける 2重積分を∫∫
D
f(x, y) dxdyと表す.2重積分の値は次
のようにして計算することができる.
(1) D = {(x, y)| a � x � b, ϕ1(x) � y � ϕ2(x)} のとき,∫∫D
f(x, y) dxdy =∫ b
a
{∫ ϕ2(x)
ϕ1(x)
f(x, y) dy
}dx
6 2 重積分 39
(2) D = {(x, y)| c � y � d, ψ1(y) � x � ψ2(y)} のとき,∫∫
D
f(x, y) dxdy =∫ d
c
{∫ ψ2(y)
ψ1(y)
f(x, y) dx
}dy
6.5 ヤコビ行列式:変数変換 x = x(u, v), y = y(u, v) に対して,
J =
∣∣∣∣∣∣∣∂x∂u
∂x∂v
∂y∂u
∂y∂v
∣∣∣∣∣∣∣をこの変数変換のヤコビ行列式またはヤコビアンという.
6.6 変数変換と 2重積分:変数変換 x = x(u, v), y = y(u, v) によって xy 平
面の領域 Dが uv 平面の領域 D′ に対応しているとする.この変数変換のヤコ
ビ行列式を J とするとき,D上の 2重積分について次が成り立つ.∫∫D
f(x, y) dxdy =∫∫
D′f(x(u, v), y(u, v)) J dudv
6.7 極座標による 2重積分の計算:極座標への変換 x = r cos θ, y = r sin θに
よって,xy平面の領域Dが rθ平面の領域D′に対応するとき,次が成り立つ.∫∫D
f(x, y) dxdy =∫∫
D′f(r cos θ, r sin θ)r drdθ
6.8 重心の座標:xy平面の領域 Dの表す図形の重心の座標 (x, y)は,次のよ
うになる.
x = 1A
∫D
x dS, y = 1A
∫D
y dS
(ただし,A =
∫D
dS
)
A
Q6.1 次の 2重積分の値を求めよ.
(1)∫∫
D
(3x2 − xy) dx dy, D = {(x, y) | 0 � x � 1, 0 � y � 3}
(2)∫∫
D
(x+ y)3 dx dy, D = {(x, y) | −1 � x � 1, −1 � y � 1}
(3)∫∫
D
sin(2x− y) dx dy, D ={
(x, y)∣∣∣− π
3� x � π
3, 0 � y � π
2
}
40 第 4 章 2 重積分
(4)∫∫
D
ex−y dx dy, D = {(x, y)|0 � x � 1, −1 � y � 0}
Q6.2 次の積分領域 Dを図示し,2重積分の値を求めよ.
(1)∫∫
D
(x+ y) dx dy, D = {(x, y) | 0 � x � 3, 0 � y � 3 − x}
(2)∫∫
D
(2x+ y) dx dy, D ={
(x, y)∣∣∣ 0 � y � 1, 0 � x � 1 − y
2
}
(3)∫∫
D
y dx dy, D ={
(x, y)∣∣∣ 0 � x � π
2, 0 � y � sinx
}
(4)∫∫
D
y dx dy, D ={(x, y)
∣∣ 1 � y � 4, 0 � x � √y}
Q6.3 次の累次積分の順序を変更せよ.
(1)∫ 3
1
{∫ 1
−1
f(x, y) dx}dy (2)
∫ 2
0
{∫ x2
0
f(x, y) dy
}dx
(3)∫ 3
1
{∫ 2x+1
3
f(x, y) dy}dx (4)
∫ 1
0
{∫ 0
−yf(x, y) dx
}dy
Q6.4 次の 2重積分の値を求めよ.∫∫D
(x+ y)2(y − x) dx dy, D = {(x, y) | 0 � x+ y � 1, 0 � y − x � 1}
Q6.5 極座標を用いて,次の 2重積分の値を求めよ.
(1)∫∫
D
√x2 + y2 dx dy, D =
{(x, y)
∣∣x2 + y2 � 9, y � 0}
(2)∫∫
D
x3 dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 + y2 � 4, x � 0, y � 0}
(3)∫∫
D
1x2 + y2 + 1
dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 + y2 � 1, 0 � y � x}
Q6.6 次の立体の体積を求めよ.
(1) 平面 x = 1, y = 2, 曲面 z = x2, および xy平面,yz平面,zx平面で囲まれた
立体
(2) 5つの平面 y = 0, y = x, x = 1, z = x+ y, z = 0によって囲まれた立体
(3) 2つの平面 z = x+ 1, z = 0と円柱 x2 + y2 = 1によって囲まれた立体
(4) 曲面 z = 4 − x2 − y2 と平面 z = 0とで囲まれた立体
Q6.7 次の領域 Dの表す図形の重心の座標を求めよ.
(1) D = {(x, y) | 0 � y � 2x, 0 � x � 3}
6 2 重積分 41
(2) D ={(x, y)
∣∣ y2 � x � 1}
B
例題 6.1 aを正の定数とする.積分領域をD = {(x, y) ∣∣ (x− a)2 + y2 � a2 } とするとき,2重積分
∫∫D
x dx dy の値を,極座標に変換して求めよ.
解 (x−a)2+y2 � a2 より,x2+y2 � 2axとなるので,極座標に変換すると,r2 � 2ar cos θ
より,r � 2a cos θ を得る.このことから,xy 平面の領域 Dに対応する rθ 平面の領域を
D′ とすると,
D′ ={
(r, θ)∣∣∣ 0 � r � 2a cos θ, − π
2� θ � π
2
}となる.
したがって,∫∫D
x dx dy =
∫∫D′
r cos θ · r dr dθ =
∫ π2
− π2
{∫ 2a cos θ
0
r2 cos θ dr
}dθ
=
∫ π2
− π2
83
a3 cos4 θ dθ = 83
a3 · 3π8
= πa3
となる.
Q6.8 次の 2重積分の値を求めよ.
(1)∫∫
D
x2 dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 + y2 � x}
(2)∫∫
D
y dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 + y2 � 2y}
(3)∫∫
D
xy dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 + y2 � 2x, y � 0}
42 第 4 章 2 重積分
Q6.9 次の 2重積分の値を求めよ. ☞ まとめ 6.4, 6.6, 6.7, Q6.2, Q6.4, Q6.5
(1)∫∫
D
y dx dy, D ={(x, y)
∣∣x2 � y � x+ 6}
(2)∫∫
D
(3x+2y) dx dy, DはA(0, 0), B(3, 0), C(1, 2) を頂点とする三角形ABC
の内部
(3)∫∫
D
1√x2 + y2
dx dy, D ={(x, y)
∣∣ 1 � x2 + y2 � 2x}
(4)∫∫
D
ex+y dx dy, D = {(x, y) | |x| + |y| � 1}
(5)∫∫
D
(x+ y)8(x− y)8 dx dy, D = {(x, y) |x+ y � 1, x � 0, y � 0}
Q6.10 次の 2重積分の値を,[ ] 内に与えられた変数変換を用いて求めよ.
☞ まとめ 6.3, 6.4∫∫D
x2 dx dy, D ={
(x, y)∣∣∣∣ x2
4+ y2 � 1
}[x = 2r cos θ, y = r sin θ]
Q6.11 積分順序を変更して次の累次積分の値を求めよ. ☞ Q6.3
(1)∫ 2
√π
0
{∫ √π
y2
sinx2 dx
}dy (2)
∫ 1
0
{∫ π2
sin−1 y
1cosx+ 2
dx
}dy
Q6.12 球 x2+y2+z2 � 1と円柱 x2+y2 � 14
との共通部分の z � 0の部分の体積を求めよ.
☞ Q6.6
Q6.13 aを正の定数とする.
半球の内部 x2 + y2 + z2 � a2, z � 0 と円柱の内部
x2 + y2 � ax, z � 0 の共通部分のうち,y � 0 の部
分の体積を求めよ. ☞ Q6.6
6 2 重積分 43
Q6.14 円柱 x2 + y2 = ax (a > 0) と 2 つの平面
z = bx, z = cx (b > c) とで囲まれた部分の体積を
求めよ. ☞ Q6.6
例題 6.2 空間の領域 Dで連続な 3変数関数 f(x, y, z) に対して,3重積分∫∫∫D
f(x, y, z) dx dy dz
が 2重積分と同様に定義される.計算も 2重積分と同様に累次積分で求められる.
3重積分 ∫∫∫D
12x2yz dx dy dz,
D = {(x, y, z) | 1 � x � 2, 1 � y � x, 2 � z � x+ y}
の値を求めよ.
解 累次積分でかくと,∫∫∫D
12x2yz dx dy dz =
∫ 2
1
{∫ x
1
(∫ x+y
2
12x2yz dz
)dy
}dx
となる.これを計算すると,∫∫∫D
12x2yz dx dy dz =
∫ 2
1
{∫ x
1
[6x2yz2
]x+y
2dy
}dx
=
∫ 2
1
{∫ x
1
(6x4y + 12x3y2 + 6x2y3 − 24x2y) dy
}dx
=
∫ 2
1
(172
x6 − 15x4 − 4x3 + 212
x2)
= 4957
Q6.15 3重積分∫∫∫D
x dx dy dz,
D = {(x, y, z) | x+ y + z � 1, x � 0, y � 0, z � 0}
の値を求めよ.
44 第 4 章 2 重積分
例題 6.3 右図のように,原点 Oと点 P(x, y, z)との距離を r,線分OPと z軸の正の方向とのなす角を
θ (0 � θ � π),点 Pから xy 平面に下ろした垂線と
xy平面の交点をQ,線分OQと x軸の正の方向との
なす角を ϕ (0 � ϕ � 2π)とする.このとき,
x = r sin θ cosϕ, y = r sin θ sinϕ, z = r cos θ
となる.(r, θ, ϕ)を極座標(球座標)という.次の問いに答えよ.
(1) 3変数の変数変換 x = x(u, v, w), y = y(u, v, w), z = z(u, v, w) に対して,ヤ
コビ行列式は
∣∣∣∣∣∣∣∣xu xv xw
yu yv yw
zu zv zw
∣∣∣∣∣∣∣∣と定義される.
上の変換のヤコビ行列式を求めよ.
(2) 3重積分においても,変数変換 x = x(u, v, w), y = y(u, v, w), z = z(u, v, w)
によって,xyz空間の領域Dが uvw空間の領域D′に対応しているとき,この変数
変換のヤコビ行列式を J とすると,∫∫∫D
f(x, y, z) dx dy dz=∫∫∫
D′f(x(u, v, w), y(u, v, w), z(u, v, w))|J | du dv dw
が成り立つ.
このことを使って,∫∫∫
D
√x2+y2+z2 dx dy dz, D=
{(x, y, z)|x2+y2+z2 �1
}の値を求めよ.
解 (1)
xr xθ xϕ
yr yθ yϕ
zr zθ zϕ
=
sin θ cosϕ r cos θ cosϕ −r sin θ sin ϕ
sin θ sin ϕ r cos θ sin ϕ r sin θ cosϕ
cos θ −r sin θ 0
= r2 sin θ
(2) 極座標に変換すると,積分領域は
D′ = {(r, θ, ϕ) | : 0 � θ � π, 0 � ϕ � 2π, 0 � r � 1} であるから,∫∫∫D
√x2 + y2 + z2 dxdydz =
∫∫∫D′
r · r2 sin θ dr dθ dϕ
=
∫ 2π
0
{∫ π
0
(∫ 1
0
r3 sin θ dr
)dθ
}dϕ
=
∫ 2π
0
{∫ π
0
14
sin θ dθ
}dϕ =
∫ 2π
0
12
dϕ = π
6 2 重積分 45
Q6.16 右図のように,点P(x, y, z)に対して,Pから xy平面
に垂直に下ろした垂線と xy平面の交点をQ,線分OQの長
さを r,OQと x軸の正の方向とのなす角を θ (0 � θ � 2π)
とするとき,(r, θ, t)を
x = r cos θ, y = r sin θ, z = t
と定め,これを円柱座標とよぶ.次の各問いに答えよ.
(1) この変換のヤコビ行列式を求めよ.
(2) 立体D ={(x, y, z)
∣∣x2 + y2 � z � 1}の体積は 3重積分
∫∫∫D
dx dy dz で求
められる.この体積を円柱座標を用いて求めよ.
Q6.17 領域 D ={(x, y)
∣∣ x2 + y2 � 4, x2 + y2 � 2x}の表す図形の重心の座標を
求めよ. ☞ まとめ 6.7, 6.8, Q6.7
Q6.18 a > 0とするとき,下の図形Dの重心Gの座標を求めよ. ☞ まとめ 5.8, Q6.8
Q6.19 単位面積あたりの密度が定数 ρ である平面図形Dを xy平面上においたとき,
Dの z 軸のまわりの慣性モーメントは I =∫∫
D
ρ ·(x2+y2) dx dy で与えられる.ま
た,Dの質量はM =∫∫
D
ρ dx dy で求められる.このことを用いて,Dが次のそれ
ぞれの図形の場合,Dの z 軸のまわりの慣性モーメント I,質量M に対して,与えら
れた等式が成り立つことを示せ.ただし,a, b は正の数とする. ☞ まとめ 6.8, Q6.7
(1) D = {(x, y)| x2 + y2 � a2} のとき,I = 12Ma2
(2) D = {(x, y)| − a � x � a, −b � y � b} のとき,I = 13M(a2 + b2)
監修者上野 健爾 京都大学名誉教授・四日市大学関孝和数学研究所長
理学博士
編集担当 上村紗帆(森北出版)編集責任 石田昇司(森北出版)組 版 ウルス印 刷 創栄図書印刷製 本 同
高専テキストシリーズ微分積分 2問題集 C© 高専の数学教材研究会 2013
2013 年 1月 31日 第 1版第 1刷発行 【本書の無断転載を禁ず】
編 者 高専の数学教材研究会発 行 者 森北博巳発 行 所 森北出版株式会社
東京都千代田区富士見 1–4–11(〒102–0071)電話 03–3265–8341/ FAX 03–3264–8709
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Printed in Japan/ISBN978–4–627–05591–9