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1 あさひかわ緩和ケア講座 2012 あさひかわ緩和ケア講座 2012 第2講 包括的アセスメント 全人的対応 旭川医科大学病院 緩和ケア診療部 阿部泰之 あさひかわ緩和ケア講座 2012 苦痛を理解する必要性 「苦痛の緩和」と「病気の治療」は同 等の責務と認識しなければならない Cassell EJ. N Engl J Med. 1982 あさひかわ緩和ケア講座 2012 苦痛を理解する重要性 通常の医療の課程 症状検査・探索病態理解介入(治療) では“苦痛”に関してはどうだろうか? 一般の人が期待するほど、医療者は苦痛をどう捉 え、どう治療・ケアしていくかを学習していない あさひかわ緩和ケア講座 2012 包括的アセスメントの重要性 苦痛を包括的にアセスメントすることは重要 苦痛を診断し適切に介入するため 共有過程でチームのメンバーシップ向上 治療手段になりえる 医療者と患者・家族の信頼関係の深化 あさひかわ緩和ケア講座 2012 3.苦痛(問題点)に優先度をつける 4.ケア・プランニング、マネジメント 2.苦痛の概念化・系統化 1.積極的傾聴・スクリーニング 包括的アセスメントのプロセス フィードバック

第2講 包括的アセスメント 全人的対応 - Asahikawa …...1 あさひかわ緩和ケア講座2012 あさひかわ緩和ケア講座2012 あさひかわ緩和ケア講座2012

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あさひかわ緩和ケア講座 2012あさひかわ緩和ケア講座 2012

あさひかわ緩和ケア講座 2012

あさひかわ緩和ケア講座 2012あさひかわ緩和ケア講座 2012

第2講 包括的アセスメント全人的対応

旭川医科大学病院

緩和ケア診療部 阿部泰之

あさひかわ緩和ケア講座 2012

苦痛を理解する必要性

• 「苦痛の緩和」と「病気の治療」は同

等の責務と認識しなければならない

Cassell EJ. N Engl J Med. 1982

あさひかわ緩和ケア講座 2012

苦痛を理解する重要性

• 通常の医療の課程症状→検査・探索→病態理解→介入(治療)

• では“苦痛”に関してはどうだろうか?一般の人が期待するほど、医療者は苦痛をどう捉え、どう治療・ケアしていくかを学習していない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

包括的アセスメントの重要性

• 苦痛を包括的にアセスメントすることは重要

– 苦痛を診断し適切に介入するため

– 共有過程でチームのメンバーシップ向上

– 治療手段になりえる

– 医療者と患者・家族の信頼関係の深化

あさひかわ緩和ケア講座 2012

3.苦痛(問題点)に優先度をつける

4.ケア・プランニング、マネジメント

2.苦痛の概念化・系統化

1.積極的傾聴・スクリーニング

包括的アセスメントのプロセス

フィードバック

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2

あさひかわ緩和ケア講座 2012

1.積極的傾聴・スクリーニング

• 苦痛や望みを聴取

• 価値判断をしない傾聴の姿勢とともに、系統だった慎重な質問

• 苦悩や人生の意味・価値は千差万別なので、“本人の思うところ”が重要であり、過度の一般化は危険

• 幅広い視点から捉えることが重要

あさひかわ緩和ケア講座 2012

苦痛を幅広い視点から捉える

• これまでの人生経験や、価値観、文化などのすべてが影響をあたえる

• 一つの側面のみに注目してしまうと、他の重要な側面を見逃してしまう

• 誰かがひとりで完璧に苦痛をアセスメントすることはできない

• 多職種で収集した情報を統合していく

あさひかわ緩和ケア講座 2012

焦点化により他の側面は見逃される

疼痛緩和のみに焦点があてられると・・・

• 抑うつ状態であること

• オピオイド製剤のためのお金がないこと

• 「痛み=死期が近い」と恐れていること

• 「痛みを感じること=生の確認」と捉えていること

これらは見逃される!

あさひかわ緩和ケア講座 2012

焦点化により他の側面は見逃される

社会性のない患者への“対応”に焦点があてられると

• 身体的な症状があること

• せん妄状態にあること

• 「ひとりで居ること=心地よさ」であること

• 家族が感じている苦痛

これらは見逃される!

あさひかわ緩和ケア講座 2012

2.苦痛の概念化・系統化

• 意図的に枠組みをもつ

• 共通性、固定された特徴はある

– Cicely Saunders:Total Pain– EPEC-O text:8領域に分割

– その他・・

あさひかわ緩和ケア講座 2012

全人的苦痛

痛み他の身体症状

日常生活の支障

不安・怒りいらだちうつ状態

経済的な問題仕事上の問題家庭内の問題

生きる意味への問い死への恐怖自責の念

身体的な苦痛

スピリチュアルな苦痛

社会的な苦痛

全人的苦痛(Total pain)Dame Cicely Saunders

精神的な苦痛

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3

あさひかわ緩和ケア講座 2012

罹病期間中及び悲嘆における苦悩の分類EPEC-Oテキストより

あさひかわ緩和ケア講座 2012

とある男性の話

阿部さんは66歳の男性、2年前からの大腸がんの

治療を受けている。抗がん剤による口内炎に悩まさ

れている。骨盤の骨への転移が見つかり、放射線の

治療を予定している。骨盤はかなり痛く、妻に支えら

れないと歩けない。食欲が落ち、身体のだるさも強く

なっている。2週間ほど前から気分が滅入って、眠れ

ない日が続いている。しかし、心配をかけたくないの

で、家族の前では気丈にふるまっている。気がかり

は、お金のことであったり、家族の今後のことなどで

ある。 近、突然、死ぬことが怖くて仕方なくなると

きもある。

あさひかわ緩和ケア講座 2012

とある男性の話

阿部さんは66歳の男性、2年前からの大腸がんの

治療を受けている。抗がん剤による口内炎に悩まさ

れている。骨盤の骨への転移が見つかり、放射線の

治療を予定している。骨盤はかなり痛く、妻に支えら

れないと歩けない。食欲が落ち、身体のだるさも強く

なっている。2週間ほど前から気分が滅入って、眠れ

ない日が続いている。しかし、心配をかけたくないの

で、家族の前では気丈にふるまっている。気がかり

は、お金のことであったり、家族の今後のことなどで

ある。 近、突然、死ぬことが怖くて仕方なくなると

きもある。

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

患者が感じる苦痛とは?

• 病気に伴う苦痛

• 病気の作りだす環境によって生じる苦痛

• 治療そのものや副作用によって生じる苦痛

• 病気とは関係のない苦痛

• 苦痛によって生じる新たな苦痛

→苦痛は連鎖する

あさひかわ緩和ケア講座 2012

近代ホスピス運動の創始者C. Saundersは、進行がん患者との関わりの中から、患者が経験している複雑な苦痛を次のように表した

「患者の苦痛は単に身体的な側面だけでなく、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から構成されている(全人的苦痛 Total Pain)」

患者は“苦痛を感じている人間”である

全人的苦痛

人間+苦痛=患者 / 患者-苦痛=人間

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

全人的苦痛

痛み他の身体症状

日常生活の支障

不安・怒りいらだちうつ状態

経済的な問題仕事上の問題家庭内の問題

生きる意味への問い死への恐怖自責の念

身体的な苦痛

スピリチュアルな苦痛

社会的な苦痛

全人的苦痛(Total pain)Dame Cicely Saunders

精神的な苦痛

あさひかわ緩和ケア講座 2012

身体的苦痛

• 痛み

• 痛み以外の身体症状

• がんと関係があるもの・ないもの

– 手術・化学療法など治療による苦痛

– リンパ浮腫 ⇒ 病変そのものではないが関連

– 関節症による膝痛など ⇒ がんと関連しない

• 身体能力の低下に伴う苦痛

– 「トイレに移動するのが大変になった」

あさひかわ緩和ケア講座 2012

精神的苦痛

• 「いらいらする」

• 「そわそわして、何も手につかない」

• 「この先どうなるのか考えると不安だ」

• 病状を否認している

• 気分が落ち込んで憂鬱である

• せん妄で不穏となっている

あさひかわ緩和ケア講座 2012

社会的苦痛

• 「病気のために仕事に行けなくなった」

• 「家のローンが払えない」

• 「主婦としての役割をはたすことができない」

• 「子供に病気をどう伝えたらいいか」

• 「家で過ごしたい」

• 「(患者に)どう接してあげたらいいか」

あさひかわ緩和ケア講座 2012

「生」への問い

• 「私はなぜ生まれてきたのか」

• 「自分の人生にどんな価値があったのか」

「死」への問い

• 「人は何処へ行くのか」

• 「死後に罰せられるのではないか」

自分の存在が消失することに伴う苦痛

スピリチュアルな苦痛

あさひかわ緩和ケア講座 2012

入院による社会的苦痛

• 入院は患者の生活を一変させ、様々な社会的苦痛を生みだす

– 物理的環境に伴うもの

– 新たな人間関係、他患者との比較

– 休学、休職、離職

– 地域社会や家族・友人との隔絶

• 入院における社会的苦痛 2×2=4分類

阿部. 緩和ケア19:312-316, 2009.:参考資料1

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

スピリチュアリティの多義性

1. 宗教性「身体的、精神的、社会的の3領域と独立した第4領域として別の配慮を必要とするもの」

2. 全人格性「第4領域ではなく、3つの領域を包括するその人全体」

3. 実存性「生きる意味や目的、価値、信念といったもの」→“自分の内面の究極的な到達点”という見方

4. 大いなる受動性「何か大いなる聖なるものに生かされているという実感」→“自分の外の超越的な何か”という見方

あさひかわ緩和ケア講座 2012

参考資料:スピリチュアルペインの表現

精神的穏やかさの喪失 落ち着かない、心配だ、怒り 意味・目的の喪失 無駄だ、生きていても仕方ない 自分らしさ マイペースでいたい

こんなのは自分ではない 寂しさ・支えのなさ ○○と一緒にいたい

自分の気持ちをわかってほしい 家族の準備の心配 残される○○が心配

○○を残していくのがつらい 関係についての葛藤 ○○とのもめごとがある 負担をかけている思い 迷惑をかけたくない

つらいことを知らせたくない 身体的コントロールの喪失 何もできない、からだが動かない

情けない 認知的コントロールの喪失 しっかりしていたい

自分のことが決められない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

参考資料:スピリチュアルペインの表現

将来のコントロールの喪失 この先どうなるのか?先がわからない

役割の喪失 役に立ちたい仕事に戻りたい

楽しみの喪失 楽しいことが何もない 自分らしさの喪失 自分にあった介護をして欲しい

自分らしくありたい しておきたいこと 別れ、感謝を言いたい

葬式、相続の段取りをしておきたい 心の準備・死の不安 死がこわい、死にたくない

死後どうなるのか? 希望のなさ 何の希望もない 宗教・信仰に関する苦悩 神を信じられない(本当は信じたい)

死後に罰せられる

日本人の実存的苦悩に関する質的研究;森田ら(未公表)より

あさひかわ緩和ケア講座 2012

メディカルペイン

• 自らが患者に影響を与える医療環境の一部であるという認識

– 言葉の使い方、対応の所作は?

– 医療側のルール、都合ではないか

– 理想を押し付けていないか

阿部. 緩和ケア19:312-316, 2009.:参考資料1

患者の苦痛を取り除く可能性

患者に苦痛を与える可能性

表裏一体

あさひかわ緩和ケア講座 2012

全人的苦痛

痛み他の身体症状

日常生活の支障

不安・怒りいらだちうつ状態

経済的な問題仕事上の問題家庭内の問題

生きる意味への問い死への恐怖自責の念

身体的な苦痛

スピリチュアルな苦痛

社会的な苦痛

全人的苦痛(Total pain)Yasushi Abe

精神的な苦痛

医療側のルール・都合理想の押しつけコミュニケーション

メディカルペイン

あさひかわ緩和ケア講座 2012

3.問題点に優先度をつける

• 抽出された苦痛(問題点)の重症度・優先度を決定する

• 症状の強さ:NRSなどのスケールを使用

• 優先度に応じて、追加の詳細なアセスメントを行う

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

焦点化により他の側面は見逃される

疼痛治療のみに焦点があてられると・・

• 抑うつ状態であること

• オピオイド製剤のためのお金がないこと

• 「痛み=死期が近い」と恐れていること

• 「痛みを感じること=生の確認」と捉えていること

これらは見逃される!

あさひかわ緩和ケア講座 2012

• 身体的な症状があること

• せん妄状態にあること

• 「ひとりで居ること=心地よさ」であること

• 家族が感じている苦痛

これらは見逃される!

焦点化により他の側面は見逃される

ぶっきらぼうな患者の“対応”に終始すると・・

あさひかわ緩和ケア講座 2012

その他の評価1:STAS-JSupport Team Assessment Schedule (Japanese version)

• ケア効果の評価、患者・家族のモニタリング(継続評価・フィードバック)

• 医療者による代理評価

• 患者に負担を与えない

• 0から4の5段階で評価する

• http://plaza.umin.ac.jp/stas/

あさひかわ緩和ケア講座 2012

STAS-J :9領域のアセスメント

1.痛みが患者に及ぼす影響

2.痛み以外の症状が患者に及ぼす影響

3.不安が患者に及ぼす影響

4.不安が家族に及ぼす影響

5.患者自身の病状認識

6.家族の病状認識

7.患者と家族とのコミュニケーション

8.職種間のコミュニケーション

9.患者・家族への医療スタッフのコミュニケーション

STAS日本語版:参考資料2

あさひかわ緩和ケア講座 2012

その他の評価2:予後の予測

• 患者・家族の希望を聞き、これからのことを話し合うためには、予後を予測する必要がある

–実現可能な目標を設定するために

–これから起こってくる変化を捉えるために

あさひかわ緩和ケア講座 2012

医師の予測した予後と実際の予後

医師は患者の予後を楽観的にとらえる傾向にある

伝えた予後

日数

予測した予後

実際の予後

Lamont EB. Ann Intern Med. 2001; 134: 1096-1105

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

Palliative Prognostic Index

Palliative Performance Scale

10~2030~50≧60

42.50

経口摂取量* 著明に減少(数口以下)中程度減少(減少しているが数口よりは多い)正常

2.51.00

浮腫 ありなし

1.00

安静時呼吸困難 ありなし

3.50

せん妄 あり(原因が薬物単独、臓器障害に伴わないもの は含めない)なし

4.0

0

*:消化器閉塞のため高カロリー輸液を施行している場合は0点とする

Morita T. Support Care Cancer. 1999 ;7(3):128-33

あさひかわ緩和ケア講座 2012

Palliative Performance Scale起居 活動と症状 ADL 経口摂取 意識レベル

100

100%起居している

正常の活動が可能症状なし

自立

正常

清明90 正常の活動が可能

いくらかの症状がある

80 いくらかの症状はあるが努力すれば正常の活動が可能

正常または減少

70ほとんど起居

している

何らかの症状があり通常の仕事や業務が困難

60 明らかな症状があり趣味や家事を行うことが困難 時に介助 清明

または混乱50 ほとんど座位

か横たわっている

著明な症状がありどんな仕事もすることが困難

しばしば介助

40 ほとんど臥床 ほとんど介助 清明または混乱または傾眠

30

常に臥床 全介助

減少

20 数口以下

10 マウスケアのみ 傾眠または昏睡

Anderson F. J palliat Care. 1996; 12(1): 5-11

あさひかわ緩和ケア講座 2012

Palliative Prognostic Index

• 6点より大きい場合、予後が3週以内

– 感度82%、特異度75%– 陽性的中率71%、陰性的中率90%

• 4点より大きい場合、予後が6週以内

– 感度80%、特異度77%– 陽性的中率76%、陰性的中率81%

Morita T. Support Care Cancer. 1999 ;7(3):128-33

あさひかわ緩和ケア講座 2012

症例に当てはめてみましょう1

• 60歳 男性 大腸がん術後

• 食欲不振と体重減少が出てきている

• 腹水貯留を認め、画像検査にてがん性腹膜炎と診断

あさひかわ緩和ケア講座 2012

追加の情報

• 臥床していることが多いが、部屋の中はなんとか動いている

• 食事摂取は病院食2/5程度(高カロリー輸液は実施していない)

• 数日前より浮腫が出現している

• 呼吸困難の訴えはない

• せん妄は認められない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

Palliative Prognostic Index

Palliative Performance Scale

10~2030~50≧60

42.50

経口摂取量* 著明に減少(数口以下)中程度減少(減少しているが数口よりは多い)正常

2.51.00

浮腫 ありなし

1.00

安静時呼吸困難 ありなし

3.50

せん妄 あり(原因が薬物単独、臓器障害に伴わないもの は含めない)なし

4.0

0

合計点

予後 週3-6

4.5

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8

あさひかわ緩和ケア講座 2012

症例に当てはめてみましょう2

• 50歳 女性 乳がん術後

• 食欲不振と体重減少が出てきている

• 胸壁浸潤した腫瘍は露出し、連日の処置を必要としている

あさひかわ緩和ケア講座 2012

追加の情報

• 終日臥床しており、全介助

• 食事摂取はゼリーや氷を口に含むのみ(高カロリー輸液は実施していない)

• 浮腫は認めない

• 安静時の呼吸困難はない

• 失見当識を認める

あさひかわ緩和ケア講座 2012

Palliative Prognostic Index

Palliative Performance Scale

10~2030~50≧60

42.50

経口摂取量* 著明に減少(数口以下)中程度減少(減少しているが数口よりは多い)正常

2.51.00

浮腫 ありなし

1.00

安静時呼吸困難 ありなし

3.50

せん妄 あり(原因が薬物単独、臓器障害に伴わないもの は含めない)なし

4.0

0

予後 週

合計点10.5

3 未満あさひかわ緩和ケア講座 2012

阿部さんの話に戻ると

口内炎は口腔ケアを行ってひどくならずにすんでいる。

骨盤の痛みは放射線、鎮痛剤、コルセットの治療でだ

いぶ良くなり、妻に頼らず歩けるようになった。うつ状

態と診断されたが、薬を飲みだしてしばらくして気持ち

が軽くなり、食欲も出てきて、だるさも軽減している。

薬をまとめて出してもらうようにしたところ、高額療養

費の適用となり、お金もいくらか戻ってきた。医療者か

らも家族との話し合いを勧め、いろいろと話せるように

なってきている。2週に1回、カウンセリングを受けて、

精神的には落ちついている。

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

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9

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

不安 申し訳なさ

家族の心配

だるさ

阿部さんの苦痛

痛み

うつ状態金銭面 死の恐怖

食欲不振 不眠後悔

口内炎心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

家族の心配

阿部さんの苦痛

死の恐怖

後悔心配をかけたくない

苦痛をとることだけでいいの?

あさひかわ緩和ケア講座 2012

苦痛の評価だけでなく・・・

• 評価するのは「苦痛」だけではない

–希望

–価値観

–コーピングスタイル(その人なりの対処法)

–支えとなるもの

• これらを含めて評価することが大切

あさひかわ緩和ケア講座 2012

希望

生の喜び

家族の支え

価値 支援

家族の心配

苦痛の解決だけではない

死の恐怖

後悔

心配をかけたくない

あさひかわ緩和ケア講座 2012

そのためには・・真の話し合い(関係性)

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

• これまでの人生経験や、価値観、文化などのすべてが影響をあたえる

• 一つの側面のみに注目してしまうと、他の重要な側面を見逃してしまう

• 誰かがひとりで完璧に苦痛をアセスメントすることはできない

• 多職種で収集した情報を統合していく

チームアプローチ

あさひかわ緩和ケア講座 2012

チームアプローチ

意見の集約

気付き

意見交換

相互承認

あさひかわ緩和ケア講座 2012

チームアプローチの利点

• 職種ごとの視点を生かせる

• 対応する“人の違い”も大切

• 多くのニーズに応えられる

• チームメンバーのメンタルケア

• 1+1≧2

あさひかわ緩和ケア講座 2012

がん疼痛の評価

あさひかわ緩和ケア講座 2012

国際疼痛学会 IASP

『痛みとは、なんらかの組織損傷が起こったり、差し迫ったり、またそれに引き続いてみられる不快な感覚および情動体験である。痛みは常に主観的なものである』

・組織が傷害されたとき起こる感覚,情動体験=痛み・原因が見当たらない感覚,情動体験=これも痛み・痛みは心と体の両面における現象である・痛みの感覚対象は自分自身・痛みを分かちあうことは原理的に不可能

痛みの定義

あさひかわ緩和ケア講座 2012

「画像上は何もない」「痛みの原因が見あたらない」「だからあれは精神的なものだ」「プラセボ使っとこう」

これはダメ!

痛みは抑うつ・不安などを引き起こし、その精神症状は疼痛の閾値に影響を与える反対に痛みの緩和はそれまであった精神症状の消失をもたらすことがある

痛みと精神症状は密接に関連している

「精神的なものだ」

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12

あさひかわ緩和ケア講座 2012

患者の痛みを信じること

• “痛み”は患者の主観的な情動体験

• 情報源は患者自身の報告

• 医療スタッフや家族が相談して評価は下せない

• 痛みに共感しながらも、適切な評価とそれに基づく対応が医療者の役目

– 鎮痛剤を使用すべき身体的な痛み?

– 病状に対する気がかりの反映?

– 退院後の生活を憂慮している?

• 慢性疼痛患者は自律神経症状を欠くため、外観からは痛くないように見えるのが普通

あさひかわ緩和ケア講座 2012

プラセボは使わない

• プラセボが効いたからといって「精神的な痛み」という診断ができるわけではない

• 一時的にあってもすぐに効果はなくなる

• 医療者-患者関係を損なう

評価・治療において有用性はないので使用しない

※使うのは、研究上のcontrol群としてのみ

あさひかわ緩和ケア講座 2012

がん患者の疼痛

• 進行がん患者の90%が疼痛を経験する

• 症状として も頻度が高い

• 70~80%は適切な鎮痛剤使用で緩和できる

0

10

20

30

40

50

60

70

疼痛

食欲不振

倦怠感

便秘

呼吸困難

嘔気

せん妄

登録時(N=494)入院時(N=331)

2002.1.1~12.31(国立がんセンター東病院)

あさひかわ緩和ケア講座 2012

転んで打撲した 運動後の筋肉痛 術後の創痛

時間が経てば基本的には消えていく痛み時間が経てば基本的には消えていく痛み

がんの痛みは、増強しながら続いていく痛み

医療者が手をのばさなければ、 期まで苦しみ続ける

お産の痛み これらも強い痛み

がん性疼痛は他の痛みと違うのか

あさひかわ緩和ケア講座 2012

評価副作用

効果

現在の病態

痛みの診断

心理社会・スピリチュアルな背景心理社会・スピリチュアルな背景

痛みの治療

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価・治療の流れ

あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

痛みの評価のkey component

6. 痛みの治療の副作用は?

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

あさひかわ緩和ケア講座 2012

限局して指し示せる?

どことは言えない拡がりがある?

痛みの範囲はどこまで? 他部位に放散する?

必ず視診・触診をする!〔皮膚の変化、圧痛の有無、組織の硬度などを確認〕

圧痛(+):痛みの原因はその局所にあり圧痛(-):痛みの原因は離れた場所にあり

痛みの部位の評価

あさひかわ緩和ケア講座 2012

皮膚知覚域 Dermatome

あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

あさひかわ緩和ケア講座 2012

痛みの質(種類)の評価

• 痛みの時間経過

• いつ始まったのか

• どれくらい続くのか

• 時間帯によって変化はないか

• 痛みの性質

• 患者さんの表現が大事

• 刺すような、灼ける、締められる

• チクチク、ジンジン、ズキン、ドーン

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一日中ずっと痛い 時々痛くなる

持続痛 持続痛+突出痛 突出痛

10

0

10

0

10

0

痛みの質(種類)の評価

痛みのパターン

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

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痛みのスケーリング●VAS(Visual Analogue Scale:ビジュアルアナログスケール)

●NRS(Numerical Rating Scale:数値的評価スケール)

●VRS(Verbal Rating Scale:カテゴリースケール)

●フェイススケール(Face Scale)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

痛みなし 軽度の痛み 中等度の痛み 強度の痛み 悪の痛み

0 1 2 3 4 5

痛みなし 想像できるもっとも強い痛み

10cmの直線

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スケーリングの落とし穴

• 想像と違っても数字を変えてはいけない

• 他患者と比較はできない

• 絶対値よりも、数字の変化に意味がある

• 痛みを数字で表すことに、多くの患者がはじめのうちは混乱する

• 治療の目標は「0点」という点数ではなく、ADL・QOLの維持向上である

あさひかわ緩和ケア講座 2012

どのスケールを使うか?

• スケールには長所と短所がある

• 個々の患者に合ったものを使う

• ひとりの患者に同じスケールを続ける

• スタッフ間で統一する

あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

あさひかわ緩和ケア講座 2012

痛みによって何に困っているか

• 食欲減退

• 情緒不安定

• 集中力の低下

• 話すらできない

• 書き仕事ができない

• 活動・動きの制限

• トイレに行けない

• 車の運転ができない

• 睡眠障害

• 対人関係の変化

など

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あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

あさひかわ緩和ケア講座 2012

痛みの感じ方を増強する因子(痛みの閾値を下げる因子)

痛みの感じ方を増強する因子(痛みの閾値を下げる因子)

痛みの感じ方を軽減する因子(痛みの閾値を上げる因子)

痛みの感じ方を軽減する因子(痛みの閾値を上げる因子)

不眠、疲労、不安、悲しみ、怒り、抑うつ、倦怠感、孤独感、過去の痛みの体験、社会的地位の喪失、痛みの原因が不明

十分な睡眠、不安の解消、他症状の緩和、理解、ふれあい、創造的活動、過去の痛みからの回復体験、痛みの原因が明白

痛みを修飾する因子

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医療者の関わり方、医療の環境が痛みの訴えを修飾している

痛みの訴えが弱くなる医療者への遠慮(特に医師に)モルヒネなど麻薬製剤への不安

病状の否定

病状への不安不十分な疼痛治療へのいらだち共感のない医師・看護師への怒り

痛みの訴えが強くなる

痛みを修飾する因子

あさひかわ緩和ケア講座 2012

1. どこが?(部位)

2. どんなふうに?(性質)

3. どのくらい?(強さ)

4. 何が困る?(痛みの影響)

5. 何が痛みを修飾している?

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの評価のkey component

あさひかわ緩和ケア講座 2012

治療薬の副作用-NSAIDs-

• 胃腸障害(消化性潰瘍)

• PG製剤・PPIの使用

• ハイリスク患者はアセトアミノフェン・COX-2阻害薬の使用

• 腎機能障害

• 生じれば基本的に使用を控える

• 心不全・高血圧

• リスク評価が重要

あさひかわ緩和ケア講座 2012

• 便秘:ほぼ必発、耐性形成されない

• 嘔気・嘔吐:約30%で発生、1-2週で耐性形成

• 眠気:数日で耐性形成• (呼びかけても完全に覚醒しないのは真の鎮静 = 過量)

• 呼吸抑制:眠気の先にある

• 蕁麻疹:ヒスタミンの遊離作用による

• せん妄:腎機能変化時に起こりやすい

• 他の要因を見逃さない!

治療薬の副作用-オピオイド-

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治療薬の副作用-副作用対策の薬剤-

• 副作用対策の薬剤によって副作用が起こることがある

• 中枢性制吐剤による錐体外路症状

• プリンペランTM、ノバミンTMなど

• パーキンソニズム、アカシジア

• H2ブロッカーによるせん妄

• ステロイドの夜間投与による不眠

• 鎮痛補助剤(抗うつ薬)による口渇や便秘、尿閉

あさひかわ緩和ケア講座 2012

痛みの治療のバリア(障壁)

• 不適切な規制・管理

• 患者が痛みを気軽に報告できない雰囲気

• 内服をしたくないという患者の想い

• 疼痛治療など重要でないという信念

• 貧弱なアセスメント技術

• 知識の習得不足、普及の不足

• 根拠のない恐れ

• 副作用、中毒、耐性

あさひかわ緩和ケア講座 2012

薬物療法

抗がん治療侵襲的疼痛治療

精神療法

代替療法

痛みの閾値を上げる治療

直接的痛み治療

痛みの治療の種類

オピオイド鎮痛剤

NSAIDs 鎮痛補助剤

ステロイドアセトアミノフェン

理学療法

物理療法

放射線療法

抗がん剤治療精神療法

姑息的手術

神経ブロック漢方

椎体形成術リラクセーション

絵画療法

作業療法

ビスフォスフォネート

緩和的整形外科手術音楽療法

グループ療法

看護ケアマッサージ

鍼灸

アロマセラピー

リハビリテーション

日々のケア

声かけ

ADLのサポート

あさひかわ緩和ケア講座 2012

参考文献

• 恒藤 暁著. 最新緩和医療学. 大阪: 最新医学社, 1999

• 柏木哲夫ほか著. 緩和ケアマニュアル-ターミナルケアマニュアル改訂第4版-. 大阪: 最新医学社, 2001

• 木澤義之ほか訳. EPEC-O Participant’s Handbook. 日本緩和医療学会教育研修委員会, 2006

• Derek Doyle, et al. Oxford Textbook of Palliative Medicine third edition. London: Oxford university press, 2004

• 内富庸介監訳. 緩和医療における精神医学ハンドブック. 東京: 星和書店, 2001

• Derogatis LR, et al. The prevalence of psychiatric disorders among cancer patients. JAMA, 1983; 249:751-757

• Breitbart W. Psychiatric management of cancer pain. Cancer, 1989; 63: 2336-2342

• Forley KM, et al. The treatment of cancer pain. The New England Journal of Medicine, 1985; 313: 84-95

• Twycross RG, et al. Symptom Control in Far Advanced Cancer: Pain Relief. London: Pitman Brooks, 1983

• 川地香奈子著. 疼痛閾値を上げるケア. がん看護, 2007; 64: 238-239

• 岡崎寿美子著. 看護診断にもとづく痛みのケア第2版. 東京: 医歯薬出版, 2002

• 日本緩和医療学会がん疼痛治療ガイドライン作成委員会編. Evidence-Based Medicineに則ったがん疼痛ガイ

ドライン. 東京: 真興交易, 2000

• Twycross RG, et al. Symptom management in advance cancer 3rd edition. Abingdon: Radcliffe Medical Press,

2001

• 的場元弘著.がん疼痛治療のレシピ. 東京: 春秋社, 2007