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第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概 念を深めるとともに,数を用いる能力をいっそう高めることをねらいとしている。 児童はこれまでに,第1学年で「20 より大きい数」を,第2学年の2学期までに「100 より大 きい数」を学習し, 1000 までの数について理解してきている。これまでの学習の中では,段階を 追って数を拡張していく際,10 ずつ, 100 ずつに数をまとめてとらえさせることにより,単位に なる数が 10 個集まると1つ大きな位へと進むという十進位取りの考え方の定着を図ってきた。 また,この十進位取りをもとに,命数法,記数法(1000 までの数を表すこと),数の構成(100 を3個,10 を2個,1を5個合わせた数は 325),相対的な大きさ(230 10 23 こあつめた 数),数の系列(10 とびや 50 とびで数を表す),そして,大小(520 465 はどちらが大きいか) などについても学習を進めてきた。 学習の過程としては,まず具体物を実際に数え,実感をもって数の大きさをとらえた。1年時 には,ノートやサインペンなど身の回りにあるものを算数の授業だけでなく,日常的に何度も数 える活動をしてきた。また,あさがおの種が取れたときには,いくつとれたか数える活動を行っ た。2年時には,自分たちが育ててきた麦を数える活動を行い,量感を養ってきた。そして,そ こででてきた数をタイルや数カードといった半具体物で表し,抽象化を図っていった。さらに, 数直線を用いることによって,数の構成,系列,順序についても理解していった。 指導にあたっては,扱う数は大きくなるがその仕組みは変わらないので,これまで学習してき た数え方や表し方を,本単元にも適用し,数の概念を拡張する経験をさせていきたい。そのため に,今回もこれまで数えてきた麦を使って,実際に数える活動から入っていく。また,タイルや 数カードなどの半具体物や数直線を用いて,数の順序や大きさを視覚的にとらえさせていきたい。 そして,それらを使うことによって,1つの数を他の数と関係づけて,構成や系列,順序などの 視点から多面的にとらえることができるように指導していきたい。さらに,児童はこれまで学習 したこと,体験したことなどを家の人に伝えるということを日常的に行ってきた。そこで,本単 元でも,毎時間学習した数字を家の人に伝えるという活動を取り入れていく。そうすることで, より意欲的に学習に取り組み,また,言葉で伝えることをとおして学習のふり返りができると考 えている。

第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

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Page 1: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

第2学年 算数科学習指導案

1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう

2.単元について

本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

念を深めるとともに,数を用いる能力をいっそう高めることをねらいとしている。

児童はこれまでに,第1学年で「20 より大きい数」を,第2学年の2学期までに「100 より大

きい数」を学習し,1000 までの数について理解してきている。これまでの学習の中では,段階を

追って数を拡張していく際,10 ずつ,100 ずつに数をまとめてとらえさせることにより,単位に

なる数が 10 個集まると1つ大きな位へと進むという十進位取りの考え方の定着を図ってきた。

また,この十進位取りをもとに,命数法,記数法(1000 までの数を表すこと),数の構成(100

を3個,10 を2個,1を5個合わせた数は 325),相対的な大きさ(230 は 10 を 23 こあつめた

数),数の系列(10 とびや 50 とびで数を表す),そして,大小(520 と 465 はどちらが大きいか)

などについても学習を進めてきた。

学習の過程としては,まず具体物を実際に数え,実感をもって数の大きさをとらえた。1年時

には,ノートやサインペンなど身の回りにあるものを算数の授業だけでなく,日常的に何度も数

える活動をしてきた。また,あさがおの種が取れたときには,いくつとれたか数える活動を行っ

た。2年時には,自分たちが育ててきた麦を数える活動を行い,量感を養ってきた。そして,そ

こででてきた数をタイルや数カードといった半具体物で表し,抽象化を図っていった。さらに,

数直線を用いることによって,数の構成,系列,順序についても理解していった。

指導にあたっては,扱う数は大きくなるがその仕組みは変わらないので,これまで学習してき

た数え方や表し方を,本単元にも適用し,数の概念を拡張する経験をさせていきたい。そのため

に,今回もこれまで数えてきた麦を使って,実際に数える活動から入っていく。また,タイルや

数カードなどの半具体物や数直線を用いて,数の順序や大きさを視覚的にとらえさせていきたい。

そして,それらを使うことによって,1つの数を他の数と関係づけて,構成や系列,順序などの

視点から多面的にとらえることができるように指導していきたい。さらに,児童はこれまで学習

したこと,体験したことなどを家の人に伝えるということを日常的に行ってきた。そこで,本単

元でも,毎時間学習した数字を家の人に伝えるという活動を取り入れていく。そうすることで,

より意欲的に学習に取り組み,また,言葉で伝えることをとおして学習のふり返りができると考

えている。

Page 2: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

【教材の関連図】

1年

2年

4年

3年

なかまづくり

かずのなまえ

なんばんめ

いくつといくつ

10 より大きい数

・1つの数を他の数と関連づけてみること。

・20までの数の数え方,読み方,書き方

・数の構成,大小,順序 あわせていくつ ふえるといくつ

のこりはいくつ ちがいはいくつ

たしざん

ひきざん

・1つの数を他の数と関連づけてみること

・加法・減法を用いた式の表し方,読み方

・加法・減法計算

何十の計算

・数の構成に基づく数の数え方と

加減計算

3けたの数

・1000 までの数の命数法,記数法

・「百のくらい」の用語と位取り

・数の構成,相対的な大きさ,系列,順序,

大小

・数の構成に基づいた加減計算

4けたの数(本単元)

・10000 までの数の命数法,記数法

・「千のくらい」の用語と位取り

・数の構成

・数の相対的な大きさ

・数の系列,順序,大小

・数の構成による十進構造の初歩

大きい数のしくみ

(一億までの数)

・一億までの命数法,記数法

・位取りの原理

・数の構成,系列,順序,大小

・10 倍,100 倍,10でわった数の表

し方

20 より大きい数

・100 までの数

・「一(十)のくらい」の用語

・数の構成,大小,系列

・数の構成に基づく数のかぞえ方

大きい数のしくみ

(千兆までの数)

・兆の位に及ぶ数の命数法,記数法

・位取りの原理

・数の構成,系列,順序,大小

・10 倍,100 倍,10でわった数の表

し方

・十進位取り記数法と十進構造の意

Page 3: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

3.児童の実態 男子 12 名,女子 14 名,計 26 名の学級である。落ち着いて話を聞く児童が多く,意欲的に学

習に取り組むことができる集団である。間違いをおそれてなかなか発言できない児童もいたが,

間違いも受け入れられる学級づくりに努めることにより,2年生になってから,積極的に発言す

る児童が増えてきた。 算数科の学習では,課題を理解するのにやや時間のかかる児童もいるが,最後まで投げ出さず

に問題に取り組む姿勢が身に付いている。また,学習したことを使って,考え方を絵や図で表す

ことをできるだけ取り入れてきた。その結果,自分の考えをもてるようになったり,友だちの意

見を聞いて,自分の考えと比較しながら発言したりすることもできるようになってきている。

1000 までの数を学習した際には,実際に数を数えたり,タイルや数カード操作を楽しんで行った

りしていた。それらを使うことによって思考が深まり,たくさんの意見が出てきて,友だちのよ

さにも気づくことができた。 本単元を学習するにあたって,算数科の学習に対する意識調査,レディネステストを行った。

結果は次のとおりである。 (1)【意識調査の結果から】(平成 22 年 11 月 10 日実施) 1.算数は好きですか。 2.計算問題は好きですか。

24(92%)

1(4%) 1(4%) 00

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きでは

ない

好きではない

(人)

24(92%)

1(4%) 0 1(4%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きでは

ない

好きではない

(人)

3.お話問題は好きですか。 4.形の問題は好きですか。

17(65%)

7(27%)

2(8%)0

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きでは

ない

好きではない

(人)

22(85%)

3(12%)0 1(4%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きでは

ない

好きではない

(人)

Page 4: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

5.算数はよくわかりますか。 6.問題を解くとき,前に学習したことを使って

いますか。

18(69%)

8(31%)

0 00

5

10

15

20

25

30

よくわかる

どちらかといえばよくわか

どちらかといえばよくわか

らない

よくわからない

(人)

14(54%)12(46%)

0 00

5

10

15

20

25

30

使っている

どちらかといえば使ってい

どちらかといえば使ってい

ない

使っていない

(人)

7.問題を解く時,絵や図をかいていますか。 8.算数の時間,手を挙げて発表していますか。

7(27%) 6(23%)9(35%)

4(15%)

0

5

10

15

20

25

30

かいている

どちらかといえばかいてい

どちらかといえばかいてい

ない

かいていない

(人)

17(65%)

8(31%)

1(4%) 00

5

10

15

20

25

30

発表している

どちらかといえば発表して

いる

どちらかといえば発表して

いない

発表していない

(人)

9.友達と一緒に学習することは楽しい。

22(85%)

1(4%)3(12%)

00

5

10

15

20

25

30

楽しい

どちらかといえば楽しい

どちらかといえば楽しくな

楽しくない

(人)

意識調査の結果を見ると,「算数は好きですか。」の問いに,92%が「好き」,4%が「どち

らかといえば好き」と回答している。「算数はよくわかりますか。」の問いには,69%が「よく

わかる」,31%が「どちらかといえばわかる」と回答している。算数が好きな理由として,「計

算が好きだから」「考えるところが好きだから」「かけ算がおもしろいから」「数字が好きだから」

Page 5: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

などをあげ,ほとんどの児童が算数の学習に意欲的に取り組み,充実感を味わっていることがわ

かる。 授業においては,全員が既習事項を生かして問題に取り組み,96%の児童が「手を挙げて発表

している(どちらかといえば発表している)」と答えている。これらのことから,授業に積極的に

参加し,進んで問題解決しようとする姿がうかがえる。 学び合いに関しては,89%が「友だちと一緒に学習することは楽しい(どちらかといえば楽し

い)」と答えている。理由として,「みんなと学習すると楽しくなるから好き」「友だちとやると,

いろいろな答えが出るから楽しい」「まちがえても『がんばれ。』と言ってくれるから楽しい」「わ

からないとき,ヒントを出してくれるから楽しい」などをあげ,お互いの考えを伝え合いながら

問題解決していくことのよさを感じていることがわかる。

(2)【レディネステストの結果から】(平成 22 年 11 月 19 日実施)

〈レディネステスト〉

1.空位のある3位数を数字で表す問題

①八百六を数字で書く。

②百のくらいの数字・十のくらいの数字

2.3位数の数の構成と,相対的な大きさを問う問題

①320 は,100 を□こ,10 を2こあわせた数

②270 は,10 を□こあつめた数

3.3位数同士の数の大小を比べる問題

①(598 589)

②(606 660)

4.「何十 + 何十」,「百何十 - 何十」の加減計算

①70+60 ②80+50 ③140-60

④180-90 5.未習の,4位数を数字で表す問題

①千二百六十四

②四千二百

空位のある3位数を数字で表すことは全員が正解し,位取りについてもほとんどの子が理解し

ている。また,数の構成を問う問題や,数の大小を問う問題についても正答率が高いことから,

数の表し方としくみについての理解はほぼできていると考えられる。

しかし,数の相対的な大きさを除法的にとらえる問題では正答率が低く,同じ数を単位を変え

て表すことが,児童にとって理解しにくいことであるという実態がわかる。そして,未習の4位

数を数字で表す問題では,扱う数が大きくなったことによる思考の困難さが予想できる。

これらの実態をふまえ,本単元では,実物や半具体物を使用した算数的活動を多く取り入れた

り,既習事項を基にていねいに指導したりすることにより,数の概念についての理解を確実なも

のにしていきたい。

Page 6: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

<レディネステスト結果一覧>

① ① ② ① ② ① ② ③ ④ ① ②

806 8 0 3 27 598 660 130 130 80 90 1264 4200

1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

5 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

6 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

7 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

8 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

9 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 120 ○ ○ ○ ○

10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 70 ○ ○

11 ○ ○ ○ 30 ○ ○ ○ ○ 120 ○ ○ ○ ○

12 ○ 八 百 30 70 ○ ○ ○ 120 ○ ○ ○ ○

13 ○ ○ ○ ○ 7 ○ ○ 140 ○ ○ ○ ○ 41200

14 ○ ○ ○ ○ 7 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

15 ○ ○ ○ ○ ○ 589 ○ ○ ○ ○ ○ 12064 4020

16 ○ ○ 6 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 12064 4020

17 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 120604 4020

18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 12614 ○

19 ○ ○ ○ ○ 70 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 12614 4121

20 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 120062 ○

21 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 140 ○ ○ ○ 1200614 ○

22 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 113 113 200 217 12604 ○

23 ○ ○ ○ ○ 10 ○ ○ ○ ○ 20 10 260 42

24 ○ ○ ○ 32 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 1206104 4120

25 ○ ○ ○ ○ 7 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10002064 40020

26 ○ ○ ○ 30 7 ○ ○ 140 120 200 ○ 12060104 40200

2 3

番号 正        答

4 51

26 25 24 21 19 25 26 22 21 23 23 14 17

100 96 92 81 73 96 100 85 81 88 88 54 65

正答数(人)

正答率(%)

Page 7: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

4.単元の目標 10000 までの数についてその表し方を理解し,数の概念についての理解を深めるとともに,数

を用いる能力をいっそう高める。 【関心・意欲・態度】・10000 までの大きい数に関心をもち,進んで数を書いたり読んだりしよ

うとする。 【数学的な考え方】 ・10000 までの数の表し方を,既習の 1000 までの数のしくみ (十進位取り記数法)から類推して考える。 【表現・処理】 ・10000 までの数を読んだり書き表したりすることができる。 【知識・理解】 ・10000 までの数について,数の読み方や書き表し方,数の構成や系列,

順序,大小などを理解する。 5.校内研究とのかかわり ~「できた」「わかった」を実感させる手立て~

【算数的活動の充実】

1000 を超える数を実際に扱うことは大変困難である。しかし,児童が数の大きさを実感を持っ

てとらえるためには,具体物を実際に数える活動は欠かせないと考える。そこで,生活科で収穫

した麦の数を数える活動を体験することをとおして,1000 を超える数の大きさをとらえ,量感を

育成していくことができるようにする。

その際,10 粒ずつの麦をケースに詰め,ケースを 10 束ねて皿に載せ 100 とし,さらにその皿

を 10集めて机に載せて 1000 とするというように十進数の構造を体験的に理解できるように進め

ていく。

次に,麦やケース,皿や机を絵カードとして使いながら,4けたの数の命数法と記数法を理解

した後,量感を感じられるタイル,より抽象化された数カードの使用へと段階的に進めていくこ

とで,具体物の操作から抽象化した十進位取りの原理へと導いていく。

数の相対的な大きさについてとらえる過程では,数カードを操作することで,十進位取り記数

法との関連をもたせ,数カードでの操作をさくらんぼ図(数の合成・分解を視覚的にとらえられる

図)を使ってまとめることで,操作と思考を結びつけながら理解を確かにしていく。

さらに,ドット図をもとにして,10000 までの数直線を作り,児童一人ひとりが数直線定規を

持ち,操作をくり返し行うことで,数の系列,順序,大きさを視覚的にとらえられるようにする。

また,数の構成を理解するために,数カードや数直線を使って合成や分解を行い,数の見方を深

めていく。

絵カード,タイル,数カード,数直線定規などの教具を操作したり,さくらんぼ図で思考を整

理したりしながら,数の構成の理解をより確かにし,多面的に数をとらえられるようにしていき

たい。

【生活科における学習活動に関連して】

2学年の生活科では,「やってみたい」「こうすればできる」という意欲と「自分たちででき

た」という自信を積み重ねながら,生活科の目標である「具体的な活動や体験をとおしての自立

への基礎」に向けて活動してきた。五感を使って考えたり観察したり,直接ものや人と関わった

りすることを意識して学習をすすめている。自分の気づきを絵や文で表現したり,それを発表し

合ったりすることをとおして,表現の質を高め,友だちの考えに「問い」をもつことで,思考す

る力を伸ばすことを目指して取り組んでいる。

Page 8: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

1学期の単元「小むぎをそだてよう」のふり返りの学習では,これまでの活動や観察を紙芝居

やクイズなどにまとめ,友だちや1年生に発表した。グループ活動の中で,互いの考えを交流し

たり,よりよい表現へと試行錯誤を重ねたりする中で,相手を意識して伝える力を身につけるこ

とができた。2学期の単元「ふれあいいっぱい大さくせん」では,二度の名人さんとのふれあい

をとおして,自ら課題をみつけ,さらに知りたい,学びたいと課題を追求して行く姿勢を身につ

け,その楽しさを実感することもできた。

このように,生活科で学習し,身につけてきた力が,他教科や生活全般においての自立した学

びの基礎となることは十分期待できる。算数科の学習においても,課題を自分なりにとらえるこ

と,自分で解決の方法を見つけようとすること,言葉や絵や図などで考えたり表現したりするこ

と,相手に分かるように伝えようとすること,相手の考えをよく聞き,問いを持ったり,考えを

さらに深めたりすることなど,生活科での学びを生かすことが十分にできると考えられる。今後

も,生活科と算数科,それぞれの学びを関連させた取り組みを続けていきたい。

【問題解決の過程を考慮した授業展開】

問題の把握のために導入部分では前時までの学習をふり返り,そこから新たな課題を設定する。

次に,問題を解決するために,既習事項を用いて考えることを大切にしていく。個人で考え,全

体で共有することで,新たな考えに触れ,確実な理解を図っていきたい。個人で問題を解決する

際の手がかりとして,また,全体で共有する際に数を視覚的にとらえるための教具として,タイ

ルや数カード,さくらんぼ図,数直線などの半具体物を,問題解決の過程に合わせて取り入れて

いく。

6.指導・評価計画(全 13 時間) 時 ねらい 主な学習活動 評価規準 ① 数のあらわし方としくみ 1 ・ 2

10000 未満の数の数え方

と命数法,記数法を理解

する。 4位数の位取りの原理を

理解する。

・2354 個の麦を工夫して数え

る。 ・2354 の数構成と命数法を理解

する。 ・数えた麦の数を数字で書き表

す方法を考え,記数法を理解す

る。 ・用語「千のくらい」を知る。

□関 身の回りのものを 10 や

100 や 1000 のまとまりに

して数えようとしている。

□知 10000 未満の数の命数法,

記数法や4位数の位取り

の原理を理解している。

3 空位のある4位数の記数

法を理解する。 4位数の位取りの原理と

記数法を理解する。

・2036 や 2300 を表す数カード

を見て,その数を数字で表す。 ・4位数を読んだり書いたりす

る。

□考 2位数,3位数の表し方か

ら類推して4位数の表し

方を考える。 □表 具体物の個数を位取りの

原理をもとに書き表すこ

とができる。 4

10000 未満の数の構成に

ついて理解を確実にす

る。

・4位数の,数の構成をもとに

した表し方(合成・分解)を練

習する。 ・4位数の構成を,等式を使っ

て表す。

□知 4位数の各位の数字はそ

れぞれ 1000,100,10,1

の単位の個数を示してい

ることを理解している。

Page 9: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

5 10000 未満の数の相対的

な大きさについて乗法的

にとらえ,理解する。

・100 を 18 個集めた数につい

て考える。 □知 100 をもとにした数の相対

的な大きさ(乗法的)を理

解している。 6 本

10000 未満の数の相対的

な大きさについて除法的

にとらえ,理解する。

・2300 は 100 をいくつ集めた

数かについて考える。 □知 100 をもとにした数の相対

的な大きさ(除法的)を理

解している。 7 10000 未満の数の相対的

な大きさについて乗法

的・除法的に表し,相互

関係をとらえる。

・1800 を,乗法的に見たり除法

的に見たりして,相互関係を考

える。

□考 100 をもとにした数の相対

的な大きさ(乗法的・除法

的)をとらえている。

8 10000 の構成,数の読み

方,書き方を理解する。

・拡大したドット図を使い,

1000 を 10 個集めた数を「一

万」といい,「10000」と書く

ことを知る。

□知 千を 10 個集めた数を「一

万」といい,10000 と書く

ことを理解している。

10000 までの数の系列,

順序について理解する。

・数直線を見て指示された目盛

りの数を読んだり,数直線上に

数を表したりする。 ・数直線上で 10000 付近の数を

読む。

□考 数直線の目盛りの大きさ

を,数の相対的な大きさを

もとにとらえている。 □表 数直線上に表された数を

読んだり,数を数直線上に

表したりできる。 10 10000 までの数の大小に

ついて理解する。 10000 までの数や系列

を,多面的にとらえるこ

とができる。

・5400 と 4650 では,どちらが

大きいかを考える。 ・数の大小を判断するには,何

の位に着目すればよいか考え

る。 ・7400 を,多様な見方でとらえ

る。 ・500 とびで数を数えたり,大

きい数から小さい数の順に2

とびで唱えたりする活動に取

り組む。

□考 10000までの数の構成や系

列について,他面的にとら

えている。 □知 同じけた数の数の大小を

判断するには,大きい位か

ら順に,同じ位どうしの大

小を比較すればよいこと

を理解している。

② 何百,何千の計算 1 100 を単位とする数の見

方を,何百±何百,千何

百-何百の計算に適用す

る。

・500+800,1200-400 の計算

のしかたを考える。 □考 100 を単位とした加法・減

法のしかたについて,既習

の内容をもとに考えるこ

とができる。

2 1000 を単位とする数の

見方を,何千±何千,一

万-何千の計算に適用す

る。 数構成を和や差でとらえ

ることができる。

・5000+3000,8000-2000,10000-4000 の計算のしかた

を考える。 ・5000+300,5300-300,5300-5000 の計算のしかたを考え

る。

□考 100 を単位とした加法・減

法のしかたについて,既習

の内容をもとに考えたり,

数構成にもとづいて計算

のしかたを考えたりする

ことができる。 ○まとめ

1 学習内容の理解を確認す

る。 ・「たしかめよう」に取り組む。 □知 基本的な学習内容につい

て理解している。

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7.本時の学習

(1)日 時 平成23年2月10日(木) 5校時(13 20~14 05): :(2)場 所 第2学年 教室

(3)ねらい 10000未満の数の相対的な大きさを除法的にとらえ,理解する。

(4 「できた 「わかった」を実感させる手立て) 」

数カードを使って100を単位として数をとらえさせる。数カードで操作したことをさく

らんぼ図で段階的に表していくことで,操作活動と思考を結びつけさせ,数カードの操作

がなくても,相対的に数をとらえられることを実感させる。

(5)展開

学 習 活 動 指導上の留意点と評価 資料

1.前時に学習した数字をふり返る。 ・教室の掲示を使いながら, 前時に学習し

つ 前時に学習した1800につい た数字の掲示

か てふり返る。

む ・100を10個集めると変身す

5 る,変身するとわかりやす

分 かったことを思い出させ

る。

2.学習課題をつかむ。 ・まず,今日学習する数字

2300は100をいくつあつめた数か考えよ (2300)を提示し,2300は

う。 1000をいくつと100をいく

つ集めた数かを確認し,机

上に2300の数カードを出さ

せる。そして,本時の課題

を提示する。

・前時の課題との違う点(前

時は100をいくつ集めたか

がわかっているが,本時は

いくつ集めるのかを求め

る)をおさえる。

3.数カードを使い,自力解決を図る。 ・1000を100にくずすことが 数カード

A: 1000 1000 できない児童がいた場合

↓ ↓ は,カードを換えていいこ

100 100 100 とを個別指導する。

100 100 100 ・1や10の数カードを出して

100 100 100 考えている児童には,学習

100 100 課題に戻らせる。

100 100 ・早くやり終わった児童に

100 100 は,数カードでしたことを

100 100 (100を10個 言葉で表せるように考えて

100 100 まとめておく考え方 おくことを指示する。)

100 100

100 100

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考 B:100を数えたしで23個並べる考え方

る 4.発表する

10 ○それぞれの考え方を前に出て説明する。 ・前に出てきて発表させる。

分 ・1000は100を10個集めた数なので,1枚の ・同じ考え方をした児童にも

1000のカードを100のカード10枚と換えて う一度説明させる活動も取,

もう1枚の1000のカードも同じようにす り入れる。

る。そうすると,100のカードは全部で23 ・数えたしの考えが出たとき

枚。 は,数が大きくなったとき 教師用の数カ

・100のカードを1枚ずつ数えていったら, にやりにくいことを説明す ード

23枚で2300になった。 る。 移動黒板

・2000は1000が2個。1000は100が10個だか ・言葉で説明するときは,A

ら,2000は100が20個。300は100が3個。 の板書をもとに説明させ

だから,合わせて23個になる。 る。

5.全員で確認し,2300についてまとめる。 ・全員でもう一度求め方を確

・変身しないのは300。 認することで,理解を深め

・100に変身したのは,2000。 させる。

・300は100が3個。

・2000は100が20個。

・あわせると,100が23個。

・1000を100に変身させることが大切。 ・大事なことを押さえなが

2300 ら,全員でさくらんぼ図を

作り上げていく。

2000 300 ・みんなで変身のじゅ文を確

↓ ↓ 認する。

100が20こ 100が3こ 「変身しないのは300。変

身するのは2000。300は

100を3個,2000は100を

。 。」20個 全部で100が23個

100が23こ ・変身のじゅ文を指名して言

わせたり,全員で言わせた

りする。

・2300は100を23個集めた数です。

○さくらんぼ図とまとめをワークシートに書 ワークシート

く。 ①

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6.適用問題①(5700は100をいくつ集めた数

か)に取り組む。

○ワークシートのさくらんぼ図に数字を入れ ・穴埋め式のワークシートに

る。 自分で数字を入れさせる。

5700 ・最初に,5700は1000の数カ

深 ードが5枚と,100の数カ

め ードが7枚で表せることを 5700のカード

る 5000 700 確認する。 を貼った黒板

25 ↓ ↓ (事前に1000のカードを5

分 100が50こ 100が7こ 枚,100のカードを7枚

貼ったボードを用意して

おく )。

100が57こ

○発表する。

, ,・まず 入れた数字を発表し

・5700は100を57個集めた数です。 次に言葉で説明させる。

・変身のじゅ文を言いなが

ら,全員で確認する。

7.適用問題②(4800は100をいくつ集めた

数か)に取り組む。

○さくらんぼ図を見ながら,頭の中で考えて

答えを出す。

4800

・途中の過程を頭の中で考え

させる。

・机間巡視をして,できてい

ない児童がいたときには,

さくらんぼ図をうめて考え

てもいいことを指示する。

100が48こ

○発表する。 ・ここでは答えだけ発表させ

る。

○さくらんぼ図の中に数字や言葉を入れる。

○発表する。 ・変身のじゅ文を言いながら

・4800は100を48個集めた数です。 確認する。

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知 100をもとにした数の

( )相対的な大きさ 除法的

を理解している。

☆(ワークシート)

8.本時のまとめをする。 ・2300のさくらんぼ図を使い

・2300はさくらんぼ図を使って考えたら, 変身のじゅ文を言いながら

ま 100を23個集めた数ということがわかった まとめる。。

と ・大事なことは,1000を100に変身させるこ

め と。

る ○家の人に今日学習したことをどのように伝 ・さくらんぼ図を見ながら説 ワークシート

5 えるか知る。 明しても,さくらんぼ図に ②

分 数字を入れて説明してもよ

いことを伝える。

(6)板書計画

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(8)本時ワークシート

ワークシート①

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ワークシート②

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第4学年 算数科学習指導案

1.単元名 箱の形を調べよう

2.単元について

本単元は,直方体,立方体の定義や構成要素を知り,その展開図,見取図について理解す

るとともに,面や辺の垂直と平行の関係について理解すること,立体図形を観察したり,構

成,分解したりすることをとおして図形についての見方を豊かにしていくことをねらいとし

ている。学習指導要領の改訂により,6年生から4年生に移行された単元である。

児童はこれまでに,1年生の「かたちあそび」で,身の回りにある立体を手でさわる,重

ねる,転がす,面を写し取るなどして,その特徴をとらえる学習をしてきている。3年生の

「箱の形」では,箱作りの活動をとおして,立体の面や辺,頂点などの構成要素に目を向け

させる学習を展開している。また,画用紙に面を写し取り,切り取った面をテープでつない

で,箱を組み立てる活動も行ってきている。この活動が本単元で学習する展開図の素地とな

っている。4年生の「四角形をつくろう」では,平面上での直線と直線の垂直,平行の関係

や四角形の性質を学習している。

本単元の指導にあたっては,これまでの学習を振り返り,面の形に目を向けさせながら,

身の回りの箱の形を分類する活動から導入を図る。それをもとに,直方体や立方体の定義や

特徴・性質を明らかにした後,立体を平面に置きかえる方法として,展開図をかく活動を行

う。その際には,具体物を用いた操作活動を行い,理解の助けとしていきたい。また,観察

したり,活動したりしたことを言葉にすることで,立体図形に対する認識を深めていきたい。

さらに,辺や面の平行,垂直の関係を調べていく。児童が直観で認識していることも,三角

定規をあてて,丁寧に確実に理解させていきたい。そして,平行,垂直の関係を生かし,見

取図をかいていく。箱全体の形をとらえられるように,透明の箱を見せてイメージをとらえ

させたい。日頃からパズルなどの遊びの中で図形をとらえる目が養えるような環境づくりに

努め,本単元の学習をとおして,立体図形についての見方を豊かにしていきたいと考える。

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【教材の関連図】 1年

3年

4年

5年

6年 中学1年

箱の形

・直方体,立方体の初歩的概念 ・直方体,立方体の面,辺,頂点の関係の

考察 ・平面図形と立体図形の関係 ・展開図の素地

直方体と立方体(本単元)

・直方体と立方体の概念と性質

・見取図の意味

・直方体と立方体の展開図,見取図

・直方体の辺や面,位置関係

垂直・平行と四角形

・直線の垂直・平行の概念,かき方 ・平行四辺形,台形,ひし形の性質,かき方

・対角線の概念

直方体と立方体の体積

・体積の概念

・直方体と立方体の体積の求め方と公式 ・いろいろな体積の単位

角柱と円柱

・角柱と円柱の概念と特徴

角柱と円柱の体積

・角柱,円柱の体積の求め方と公式 空間図形

・多面体(正多面体) ・角すい,円すい ・ねじれの位置 ・回転体 ・立体の展開図 ・立体の表面積と体積

ものの形

・身の回りの立体図形 ・面の形を使って絵をかく

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3.児童の実態 男子 22 名,女子 15 名,計 37 名の学級である。真面目で,意欲的に学習に取り組もうとする

児童が多い。数学的な思考力の高い児童がいる一方で,個別の支援が必要な児童もいて,学力

差は大きい。授業中の挙手,発言は多い方だが,自分の考えを言葉で説明するようなときには,

限られた児童になってしまう傾向がある。このような実態をふまえ,計算の仕方などを考える

学習では,既習の考え方を活用し,図や式,言葉でノートに考えをまとめさせている。また,

自分の考えを説明することに苦手意識をもつ児童には,上手に説明できた児童の文を紹介した

り,違う考えの友だちのやり方をメモさせたりして,参考にさせている。 図形の学習は好きな児童が多いが,苦手意識をもつ児童もいる。そのような児童には具体物

を使うことでイメージしやすいようにしてきた。また,日頃からパズルなどの遊びの中で図形

に親しめるようにしている。 本単元を学習するにあたって,算数の学習に対する意識調査,レディネステストによる実態

把握を行った。結果は以下のとおりである。 (1)【意識調査の結果から】(平成 22 年 11 月 19 日実施)

1.算数は好きですか。 2.計算問題は好きですか。

17(47%)

13(37%)

3(8%) 3(8%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きで

はない

好きではない

(人)

20(55%)

8(22%)6(17%)

2(6%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きで

はない

好きではない

(人)

3.文章問題は好きですか。 4.図形の問題は好きですか。

10(28%)12(33%)

10(28%)

4(11%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きで

はない

好きではない

(人)

9(25%)

19(53%)

5(14%)3(8%)

0

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえば好き

どちらかといえば好きで

はない

好きではない

(人)

Page 19: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

5.算数はよくわかりますか。 6.問題を解くとき,前に学習したことを使っ

ていますか。

15(41%)17(47%)

2(6%) 2(6%)

0

5

10

15

20

25

30

よくわかる

どちらかといえばよくわ

かる

どちらかといえばよくわ

からない

よくわからない

(人)

10(28%)

20(55%)

6(17%)

00

5

10

15

20

25

30

使っている

どちらかといえば使って

いる

どちらかといえば使って

いない

使っていない

(人)

7.自分の考え方や解き方を図や絵などに 8.自分の考えや解き方を説明している。 表している。

16(44%)14(39%)

6(17%)

00

5

10

15

20

25

30

表している

どちらかといえば表して

いる

どちらかといえば表して

いない

表していない

(人)

12(33%)10(28%) 11(31%)

3(8%)

0

5

10

15

20

25

30

説明している

どちらかといえば説明し

ている

どちらかといえば説明し

ていない

説明していない

(人)

9.友だちと一緒に学習することは楽しい。

意識調査の結果を見ると,「算数は好きです

か」の問いに,84%が「好き/どちらかといえ

ば好き」と回答している。「算数はよくわかり

ますか」の問いには,88%が「よくわかる/

どちらかといえばわかる」と回答している。

算数が好きな理由として,「計算が好きだか

ら」,「新しい問題をとくのが楽しいから。」「答

えは一つだけど,考え方はいくつでもある。

そのいろいろな考え方で答えを見つけるのが

好きだから。」などをあげ,ほとんどの児童が算数の学習に意欲的に取り組み,充実感を味わっ

ていることがわかる。一方,「算数は好きではない/どちらかといえば好きではない」理由とし

て,「計算が苦手だから。」「頭の中がごちゃごちゃになるから。」などがあげられている。

授業においては,多くの児童が,既習事項を生かして問題に取り組んでいることがわかる。

25(69%)

9(25%)

1(3%) 1(3%)

0

5

10

15

20

25

30

楽しい

どちらかといえば楽しい

どちらかといえば楽しく

ない

楽しくない

(人)

Page 20: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

また,自分の考えや解き方を図や絵などに表す力も育ってきている。しかし,自分の考えや解

き方を説明しているかについては,「どちらかといえば説明していない」31%,「説明していな

い」8%と多く,継続して取り組んでいきたい点である。

友だちと一緒に学習することに関しては,94%の児童が「楽しい/どちらかといえば楽しい」

と答えている。理由として,「いろいろな友だちの考えが出てきて,自分とはちがう考え方がわ

かるから。」「いろいろな答えが出て,それをどっちが合っているかをみんなで考えるのが楽し

いから。」「自分が友だちに教えてもらうこともあるし,友だちに教えてあげて,わかってくれ

るとうれしいから。」などをあげ,お互いの考えを伝え合いながら問題解決していくことの良さ

を感じていることがわかる。 (2)【レディネステストの結果から】(平成 22 年 12 月 21 日実施)

1 2(1) (2) (3) (4) (5) (6) (1) (2) (1) (2)

長方形 6 2つずつ3組 8 各4つ 2 12 8 AB,BC AE,DH,CG

1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10 ○ × ○2 ○ 4 2つずつ2組 ○ 8 ○ ○ 6 AB…× ○3 ○ ○ ○ 12 ○ ○ ○ ○ × ○4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 8 6 × ○5 ○ ○ 4つずつ2組 ○ ○ 6 8 ○ × ○6 ○ ○ 2つずつ6組 ○ ○ 10 ○ 6 × ×7 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○8 ○ ○ 2つずつ1組 ○ ○ ○ ○ ○ × ×9 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × AE…×10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○11 ○ 5 2つずつ2組 20 2 ○ ○ 12 × ○12 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 13 6 × DH,CG…×13 ○ ○ 4つずつ1組 ○ ○ 6 ○ 6 × ×14 ○ ○ ○ ○ 4,2,2 ○ ○ ○ × DH…×15 ○ ○ 3つずつ3組 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○16 ○ ○ 3つずつ3組 ○ ○ ○ ○ ○ × 無答17 ○ 5 ○ ○ ○ 8 ○ 6 × ○18 ○ ○ 4つずつ2組 ○ ○ 6 8 16 × ○19 ○ ○ 2つずつ1組 12 ○ ○ ○ ○ × ×20 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 8 ○ × ○21 ○ ○ 2つずつ2組 ○ ○ 4 16 無答 BC…× ×22 ○ ○ 2つずつ1組 ○ 8 ○ 10 ○ BC…× ○23 ○ ○ ○ 7 ○ 4 ○ ○ AB…× ○24 ○ ○ 2つずつ2組 ○ ○ ○ ○ ○ AB…× ○25 ○ ○ ○ ○ ○ 6 ○ ○ ○ ○26 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○27 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○28 ○ 5 5つずつ?組 4 3,4,3 ○ ○ 4 ○ DH,CG…×29 ○ ○ ○ 12 ○ ○ ○ ○ ○ ○30 ○ ○ 2つずつ2組 ○ ○ 4 ○ 7 × DH,CG…×31 ○ ○ 3つずつ2組 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○32 ○ ○ 4つずつ2組 ○ ○ 6 8 ○ × ○33 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × ○34 ○ ○ 2つずつ1組 ○ ○ ○ ○ 6 × ○35 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 8 ○ ○ ○36 ○ ○ 2つずつ6組 ○ ○ ○ ○ 4 × ○

正答数(人)36 32 17 30 31 30 30 23 8 25

正答率(%)100 89 48 84 87 84 84 64 23 70

※3

番号正 答

Page 21: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

箱の形(直方体)の面の形については全員が正解し,面・頂点・辺の数についても 80%以上

の児童が正解している。しかし,(3)「形も大きさも同じ面は,それぞれいくつずつ何組あり

ますか」の問題では正答率が 48%と低くなっている。これは,答えの表現の仕方と,図から見

えない部分を読み取ることが難しかったためだと考えられる。

また,さいころの形(立方体)の棒の数については正答率 84%だが,粘土玉の数については

64%である。棒の数=辺の数であることは理解できるが,粘土玉の数=頂点の数であることは,

理解しにくかったためだと考えられる。

未習の直方体の辺と辺の位置関係についての正答率は,平行 70%,垂直 23%となっている。

平行な辺は見取図で平行に見えるため見つけやすいが,垂直は見取図で垂直に見えない辺があ

るため見つけにくいと思われる。

これらの実態をふまえ,本単元では導入で既習事項を再確認し,また単元全体で具体物を使

用した算数的活動を多く取り入れ,ていねいに指導していきたい。 4.単元の目標

直方体,立方体の概念について理解するとともに,展開図,見取図について理解し,立体図

形の観察と表現の能力を高め,空間概念の基礎を養う。

【関心・意欲・態度】 ・直方体,立方体の性質を,既習の図形の性質をもとにして調べよう

とする。

【数学的な考え方】 ・立体図形の構成要素に着目して,直方体,立方体の特徴や性質を考

える。

【表 現 ・ 処 理】 ・直方体,立方体の構成要素やそれらの位置関係がわかり,展開図や

見取図をかくことができる。

【知 識 ・ 理 解】 ・直方体,立方体の面や辺,頂点の数を知るとともに,その展開図の

見方がわかる。また,面や辺の垂直と平行の関係を理解する。

5.校内研究とのかかわり ~「できた」「わかった」を実感させる手立て~

【算数的活動の充実】

本単元では,これまで学んできた学習を振り返り,面の形に目をむけながら,身の回りのい

ろいろな箱を仲間分けする活動から導入をはかる。その活動をもとに,直方体や立方体の特徴

を調べ,それをまとめ,定義について理解する。次に,直方体と立方体の構成要素に着目し,

具体物をもとに特徴や性質を理解する。「平面」の意味を理解させるために,円柱の形のものと

比べる活動を取り入れていきたい。

「展開図」の学習では,直方体や立方体の展開図をかく活動を取り入れる。どうすれば直方

体や立方体になるのか,実物大の箱をじっくり見て,辺や面のつながりや位置関係を考えなが

ら,展開図をかかせる。児童が頭の中でイメージしたことを言葉にすることで,立体図形に対

する認識を深めていきたい。

また,身の回りにある箱を用いたり,身の回りから垂直や平行になっている面や辺を探した

りし,日常生活と関連づけながら授業を進めていきたい。

Page 22: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

【総合的な学習の時間における学習活動に関連して】

第3学年の「総合」においては,「太鼓堂のひみつをさぐろう!」という単元のもと,学校の

敷地内にある太鼓堂を見学し,児童が興味をもったことから学習を始め,課題設定の方法,追

究の仕方,表現・発信の方法について学習してきた。第4学年では,社会科で使用した校区地

図を使って,自分たちの校区が河川で囲まれていることを学年共通の疑問としてとらえること

から学習を始め,校区の河川と人々のつながりを含め,昔のくらしについて家族や近所の人へ

のインタビュー活動や町誌を使っての調べ学習を行ってきた。その中で,現在の河川がかつて

天井川だったことや洪水により大きな被害を受けたこと,ボロ電が走っていたことなどが明ら

かになった。児童は,調べていくうちに自らが疑問としていたことがわかる喜びを味わってき

ている。

また,調べてきたことを班の中で発表したり,班ごとにまとめ,クラスのみんなに発表した

りする活動を行った。そして,クラスの枠を外し,学年全体で同じ課題をもつ児童とグループ

を構成し,調べてわかったことをグループ内で発表したり,他の課題をもつ友だちに発表した

りして情報の共有化も行うなど,まとめたり,発表したりする活動を積み重ねてきている。「地

域から共に学ぶ会」では,参観者を意識しながら発表することを目標に発表を行った。

このように,「総合」で培ってきた追究・思考する力や表現する力,伝え合う力は,算数科に

おいても十分生かされていくと考えられる。「総合」で学んできた力を算数科での学びに生かし

ていくような学習を進めていきたい。

【問題解決の過程を考慮した授業展開】

問題の把握として,導入部分では前時の学習を振り返り,そこから新たな課題を設定してい

く。次に,問題を解決するために既習事項を用いて考えたり,自分の考えを具体的に説明した

りすることを大切にしていく。解決していく段階では,操作活動を取り入れ,課題に対して個

人で考えた後,全体で話し合うことをとおして共有化を図り,確実な理解につなげていきたい。

6.指導・評価計画(全8時間) 時 ねらい 主な学習活動 評価規準

①直方体と立方体 1 直方体,立方体の概念

を理解する。 ・身の回りのいろいろな箱を仲間

分けする活動をとおして,単元

の課題をとらえる。 ・箱の形の特徴を調べる。 ・「直方体」「立方体」の定義を知

る。

関箱の形に興味をもち,

その特徴を調べようと

している。 考箱の形を面の形に着目

して直方体と立方体の

集合に分けてとらえて

いる。

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2 直方体,立方体の特

徴,性質を理解する。

・直方体や立方体の面,辺,頂点

についての特徴,性質を調べる。 ・用語「平面」を知る。

関直方体,立方体の構成

要素を調べようとして

いる。 知直方体,立方体の特徴

や性質を理解している。

3 本

直方体の展開図をか

くことができる。

・展開図をかき,それを切り抜い

て直方体を組み立てる。 ・用語「展開図」を知る。

表直方体の展開図をかく

ことができる。

4 立方体の展開図をか

くことができる。

・展開図をかき,それを切りぬい

て立方体を組み立てる。 考立方体の展開図をかく

ことをとおして辺や面

のつながりや位置関係

をとらえている。 ② 面や辺の垂直・平行 1 直方体の面と面の垂

直,平行の関係を理解

する。 直方体の辺と辺の垂

直,平行の関係を理解

する。

・直方体の面と面の交わり方,並

び方を調べる。 ・直方体の辺と辺の交わり方,並

び方を調べる。

関直方体が積み重ねられ

る理由を考えようとし

ている。 表直方体の互いに垂直,

平行な面,垂直,平行な

辺をとらえることがで

きる。 2 直方体の面と辺の垂

直の関係を理解する。

学習内容の理解を深

め,興味を広げる。

・直方体の面と辺の交わり方を調

べる。 ・〔やってみよう〕身の回りのもの

の中から,垂直や平行になって

いる面や辺を探し出す。

関学習内容を適切に活用

して,活動に取り組もう

としている。 知直方体の面と辺の垂直

の関係を理解している。

3 直方体,立方体の見取

図をかくことができ

る。

・用語「見取図」を知る。 ・見取図をかく。

考見取図に表すことをと

おして,直方体や立方体

の大きさと辺の長さと

の関係をとらえている。

表直方体や立方体の見取

図をかくことができる。

③ まとめ 1 学習内容の理解を確

認する。

・「たしかめよう」に取り組む。 知基本的な学習内容につ

いて理解している。

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7.本時の学習 (1)日時 平成 23 年2月 10 日(木)5校時(13:20~14:05) (2)場所 第4学年 教室 (3)ねらい 辺や面のつながりや位置関係を考えながら,直方体の展開図をかくことがで

きる。 (4)「できた」「わかった」を実感させる手立て 直方体の面の形や数を振り返り,実物大の箱をよく観察するとともに,直方体の展開図

について話し合うことをとおして,面や辺のつながりや位置関係をイメージし,展開図を

かかせる。 (5)展 開 過程 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 と 評 価 資 料

5 分

1.前時の学習を振り返る。 ・ 面が6つあった。 ・ 同じ形の面が2つずつ3組あった。

3㎝・4㎝の長方形が2つ。(ピンク) 3㎝・5㎝の長方形が2つ。(黄色) 4㎝・5㎝の長方形が2つ。(水色)

・ 同じ形の面は向かい合っていた。 2.学習課題をつかむ。

・ 前時を振り返り,直方体の面の

形や数を確認する。 ・ 3年生の時の学習を思い出し,

箱を作るには面の形を紙にかい

てから組み立てていくことを確

認する。 ・ 6面を切り取らないように辺に

そって切り開いた図をかいて作

ることを伝える。 ・ 箱を1面だけ開いて見せ,切り

開いた図を想像させる。

・前時に使

った直方

体の箱

・見取図

・3組の面

・拡大した

3㎝

4㎝5㎝

切り開いた図をかいて, 直方体の箱をつくろう。

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考 え

15

3.3㎝・4㎝・5㎝の直方体の展開図

をかく。 ○ 切り開いた形を想像しながら,面を

どう組み合わせていくと直方体の展

開図になるか考える。 ・ ピンクの面の隣に水色の面がくる。 ・ 同じ長さの辺をつなげる。 ○ 直方体の展開図をかく。 (例1) (例2) (例3)

・ 2面まで一斉で組み合わせてい

く。

・ 辺や面のつながりや位置関係を

考えながらかくようにさせる。

・ 2面かいてある用紙の続きに展

開図をかかせる。 ・ 実物大の箱をよく見て,切り開

いた形を想像しながらかかせ

る。 ・ 展開図のかけない児童には,用

紙の上に箱を置かせ,切り開い

た形をイメージしながらかくよ

うにさせる。 ・ 早くできた児童には同じ形の面

に色をつけさせる。

・マス目入

り の ケ

ント紙

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深 め る 20

4.展開図について話し合う。 ○ かいた図が,組み立てられるか話し

合い,展開図をかくときに大事なこ

とを考える。 ・ 面は6つ。 ・ 同じ長さの辺がつながるようにか

く。 ・ 同じ形の面が向かい合うようにか

く。

5.展開図を切り抜き,組み立てて直方

体の箱を作る。 ○ 用語「展開図」とその意味を知る。

・ かいた展開図を発表させ,箱に

なりそうか想像させる。 ・ 同じ形の面の位置や,辺のつな

がりに目を向けさせる。 ・ 違う形の展開図をかいた児童が

いたら取り上げる。

・ 一斉での話し合いをもとに,か

いた展開図が直方体になりそう

かペアで確認させ,間違ってい

た場合,かき直すようにさせる。

・ 面を切りはなさないように,ま

わりにだけはさみを入れるよう

に注意させる。 表 直方体の展開図をかくこ

とができる。 ☆(展開図)

・ 直方体や立方体などを切り開い

て,平面の上に広げた図を展開

図ということをおさえる。

まとめる5分

6.本時の学習内容を振り返る。 ○ 辺や面のつながりに気をつけながら

展開図をかき,箱を作れたことを振

り返る。 ・ 展開図をかいて,直方体の箱をつく

ることができた。

・ 辺や面のつながりや位置関係に

気をつけながら,展開図がかけ

たことを確認する。

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(6)板書計画

2/10

(7)本時のワークシート

3㎝

4cm 5㎝

切り開いた図をかいて,

直方体の箱を作ろう

同じ長さの辺をつなげる。

同じ形の面が向かい合うようにかく。

組み立てたとき

てん開図…直方体や立方体などを

切り開いて平面の上に

広げた図

面が6つ

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21

第6学年 算数科学習指導案

1.単元名 変わり方を調べよう

2.単元について

本単元は,これまで「比例」という言葉を使用せずに扱ってきた比例関係にあることがらを 「比,

例」という観点でとらえ直し,その性質や特徴を明らかにし,比例の関係を理解することをねらいとし

ている。

児童はこれまでに 「比例」の素地となる見方や考え方について低学年から学習してきている。乗法,

の学習に際し,例えば,完成した九九表を見て 「4の段の答えは,2の段の答えの2倍になっている,

(被乗数が2倍になると,積も2倍になる 」ことをとらえたり 「代金が数量に比例すること」を暗黙) ,

のうちに前提として問題を解決したりしている。面積や速さの学習でも 「比例」という言葉こそ使わ,

ないが,その比例関係にふれている。

本単元では,まず伴って変わる2量を探し出し,その2量の変化の特徴を見つけることから学習を始

める。その後 「一方の量(□)の値が2倍,3倍,…になると,それに伴ってもう一方の量(○)の,

値も2倍,3倍,…になるとき,○は□に比例する」ということで比例を定義し,さらに比例関係にあ

る○と□の表から 「□が1増すと,○は定数分増す 「○は□の定数倍になっている 「□が ,, 」 」

,…になると,○も , ,…になる」などの性質を扱っていく。このような性質を理解する

ことで,よりいっそう比例関係の理解を深めていく。比例関係の表現方法については,表,式,グラフ

を扱う。

指導にあたっては,伴って変わる2量の関係を表に表したり,表から式に表したりする活動をとおし

て,比例関係をより明確にしたり一般化してとらえたりできるようにさせたい。さらに,比例関係をグ

ラフに表すことをとおして,比例を視覚的にとらえて考察させたり,比例のグラフは原点を通る直線に

,なることを理解させたりしたい。また,直接数えきれないものの数量を,比例の関係を使って立式し

。工夫して求める学習をとおして,比例の関係を活用すれば能率的に測定できるよさを実感させていく

本単元の学習をとおして,小学校における数量関係の学習をまとめるとともに,中学校における関数

の考えの素地を育成していきたい。

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【教材の関連図】

5年

⑪平行四辺形と三角形の面積 ⑭円周と円の面積

・底辺が一定の平行四辺形の高さと面積 ・円周=直径×3.14の式の意味と

の関係の考察 関係の考察

6年

⑫比例(本単元) ⑪比

・変化する2つの数量の対応する数値間の ・比の意味と表し方

関係の考察 ・比の相当関係とその利用

・比例の意味とその特徴

・比例のグラフ

中学1年

比例,反比例(式,グラフ)

一次関数

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3.児童の実態

男子 17名,女子 14 名,計 31 名の学級である。真面目で,学習に落ち着いて取り組む集団である。

また,友達の発言や気づきから学ぼうとする意欲を持つ児童が多い。自分なりの言葉で学習内容をま

とめたり,発表したりすることに戸惑う場面も見られたが,徐々にその傾向が改善されてきている。

一学期の学習「単位量あたりの計算」では,問題文から読み取れる2量を全体で確かめ,数直線に

表して式を導き出す活動を行ってきた。また,授業中に思いついた考えや,つぶやきについてはノー

トに書き,学びの履歴がわかるノートづくりが行えるよう日頃から指導してきている。その結果,自

分の考えをまずはノートに書き,その上で疑問や自分の考えを友達に伝えようとする姿勢が見られる

ようになった。しかし,学習内容を的確に表現し,筋道立てて考えを述べる力にはまだ課題が見られ

るのが現状である。

本単元を学習するにあたって,算数の学習に対する意識調査,「比例」のレディネステストを行っ

た。結果は以下の通りである。

(1)【意識調査の結果から】(平成 22 年 12 月2日実施)

1.算数は好きですか。 2.計算問題は好きですか。

3.文章問題は好きですか。 4.図形の問題は好きですか。

9(32%)

18(64%)

1(4%) 00

5

10

15

20

25

30

好き

どちらかといえ

ば好き

どちらかといえ

ば好きではない

好きではない

(人)

16(57%)

10(36%)

2(7%) 0051015202530

好き

どちらかといえ

ば好き

どちらかといえ

ば好きではない

好きではない

(人)

4(14%)

15(54%)

8(29%)

1(3%)

051015202530

好き

どちらかといえ

ば好き

どちらかといえ

ば好きではない

好きではない

(人)

23(82%)

3(11%) 2(7%) 0051015202530

好き

どちらかといえ

ば好き

どちらかといえ

ば好きではない

好きではない

(人)

Page 31: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

5.算数はよく分かりますか。 6.問題を解くとき,前に学習したことを使ってい

る。

7.自分の考えや解き方を図や絵などに表して 8.自分の考えや解き方を説明している。

いる。

9.友だちと一緒に学習することは楽しい。

17(61%)

11(39%)

0 0051015202530

よくわかる

どちらかといえ

ばよくわかる

どちらかといえ

ばよくわからな

よくわからない

(人)

19(68%)

9(32%)

0 005

1015202530

使っている

どちらかといえ

ば使っている

どちらかといえ

ば使っていない

使っていない

(人)

13(46%) 14(50%)

1(4%) 005

1015202530

表している

どちらかといえ

ば表している

どちらかといえ

ば表していない

表していない

(人)

11(39%) 9(32%)6(22%)

2(7%)

05

1015202530

説明している

どちらかといえ

ば説明している

どちらかといえ

ば説明していな

説明していない

(人)

25(89%)

3(11%)0 0

05

1015202530

楽しい

どちらかといえ

ば楽しい

どちらかといえ

ば楽しくない

楽しくない

(人)

Page 32: 第2学年 算数科学習指導案第2学年 算数科学習指導案 1.単元名 1000 より大きい数をしらべよう 2.単元について 本単元は,10000 までの数の読み方,表し方,および数の大小や順序について理解し,数の概

意識調査の結果を見ると,「算数は好きですか。」の問いに,96%が「好き/どちらかといえば好

き」と回答している。算数が好きな理由として,「問題を解くことが楽しい」「計算や図形が好き」

などをあげている。また,「算数はよく分かりますか。」という問いに,全員が「よくわかる/どち

らかといえばよくわかる」と回答しており,ほとんどの児童が学習に意欲的に取り組み,充実感を味

わっていることがわかる。

好きな内容については,93%の児童が「計算問題が好き/どちらかといえば好き」と回答している

反面,「文章問題が好き/どちらかといえば好き」と回答している児童は 69%なっており,文章問題

に対して抵抗感のある児童が少なくないことが分かる。また,図形の問題については 93%の児童が「好

き/どちらかといえば好き」と回答している。

授業においては,全員が既習事項を使って問題に取り組んでいる。また,96%の児童が「自分の考

えや解き方を図や絵などに表している/どちらかといえば表している」と回答しており,児童が既習

事項を使って問題解決に取り組んでいることが分かる。

学び合いに関しては,全員が「友だちと一緒に学習することは楽しい/どちらかといえば楽しい」

と答えている。理由として,「いろいろな考えが出される」「自分が考えられなかった方法が出され

る」「一緒に学習すると,教え合える。」などをあげ,お互いの考えを伝え合いながら問題解決する

ことのよさを感じていることが分かる。

(2)【レディネステストの結果から】(平成 22 年 12 月 16 日実施)

〈レディネステスト〉

1.□にあてはまる数を書きましょう。

(1)5 と2 の比は,□:□です。

(2)4m と9m の比は,□:□です。

(3)18:6=3:□

(4)27:12=□:4

2.次の問題に答えましょう。

(1)時速 15km で走る自転車が,4時間に進む道のりは何 kmですか。

答え

(2)直径の長さが 10cm の円の,円周の長さは何 cmですか。

答え

3.時速 60km で走る自動車があります。次の問題に答えましょう。

(1)この自動車が,2時間,3時間,4時間走ると,それぞれ何 km 進みますか。下の表のあいてい

るところにあてはまる数を書きましょう。

走る時間 (時間) 1 2 3 4

進む道のり (km) 60

(2)走る時間が,1時間の2倍,3倍になると,進む道のりは 60km のそれぞれ何倍になりますか。

4.あなたは,「比例」という言葉を知っていますか。

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〈レディネステスト結果一覧〉

1 2 3 4

(1) (2) (3) (4)(1) (2)

(1) (2) 式 答え 式 答え

正答

5:2 4:9 1 9 15×4 60km 10×3.14 3.14cm 120,180,240 2倍,3倍になる 知っている

1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ (2倍) ○

3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5×5×3.14 79.5 ○ △ (2倍) ×

4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 10×10×3.14 314cm ○ ○ ○

5 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

6 ○ ○ 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 20 倍 ×

7 ○ ○ ○ ○ ○ 6km ○ ○ ○ ○ ×

8 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

9 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △(2倍になる) ×

11 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

12 ○ ○ ○ ○ ○ 80km ○ ○ ○ ○ ×

13 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △(2ばい) ×

14 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5×5×3.14 78.5 ○ ○ ×

15 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

16 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

17 ○ ○ ○ ○ 15÷4 3.75km ○ ○ ○ ○ ×

18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

19 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5×5×3.14 78.5cm ○ ○ ×

20 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

21 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

22 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

23 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

24 ○ ○ 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

25 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

26 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5×5×3.14 68.5cm ○ ○ ×

27 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ×

28 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ それぞれ5倍になる ×

29 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 3×3×3.14 28.26cm ○ ○ ×

30 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

正答数(人)

30 30 28 30 29 27 24 24 30 24 4

100 100 93 100 97 90 80 80 100 80 13

第1問~第3問の結果から,どの設問にも 80%以上の児童が正答しており,授業で学習した内容に

ついては,おおむね定着しているといえる。比較的,正答率の低い第2問の(2)の円周の長さを求める

問題の誤答としては,円の求積公式との混同があった。また,第3問の(2)の結果から,(1)の表にあ

てはまる数は書けているものの,伴って変わる数量であることを表現出来ない児童が数名いることが

わかった。第4問の「比例という言葉を知っていますか」は,未習の問題であるため,ほとんどの児

童が「知らない」と回答している。この結果から,比例の定義や性質については,段階を追って丁寧

に取り扱っていきたい。

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4.単元の目標

2つの伴って変わる数量の関係を表やグラフに表し,変化の特徴を調べることをとおして,比例の

関係を理解する。

【関心・意欲・態度 ・比例の関係に着目するよさに気づき,日常生活の中で目的に応じて,伴って】

変わる2つの数量の関係を調べようとする。

【数学的な考え方】 ・伴って変わる2つの数量の関係から,比例の関係になるものの根拠を明らか

にして見つけだす。

【表現・処理】 ・比例の関係を表やグラフに表して,調べることができる。

【知識・理解】 ・比例の意味や性質,グラフの特徴を理解する。

5.校内研とのかかわり ~「できた 「わかった」を実感させる手立て~」

【算数的活動の充実】

本単元では,まず,伴って変わる2量を探し出し,その2量の変化の特徴を見つけることから始める。

さらに,いくつかの比例関係にある問題を解決する活動をとおして,比例の定義,比例の性質を理解し

ていく。

,また,比例の関係にあるものを,表,式,グラフで表現することで比例の関係をより明確にしたり

一般化したり,視覚的にとらえて考察したりできるようにさせたいと考えている。

本単元では,比例の関係にある二つの数量を見つけたり,比例の関係を用いて問題を解決したりする

活動を行う。この活動は,比例の関係を活用することができるようにするとともに,算数を学ぶことの

楽しさや意義を実感できるようにすることもねらいとしている。

【総合的な学習の時間における学習活動に関連して】

3年生から始まったこれまでの「総合」の学習において, 地域をテーマに,自分たちが調べたこと,

発見したことを紹介するという活動を主軸にし,学ぶ楽しさや地域への愛着を育んできた。特に,今年

度は,自分の生まれ育った郷土の歴史に深く関心を持ち,理解する中で,考え方や学び方を学び,さら

には自分の生き方について考えることを目指してきた。

今年度の総合的な学習の時間では,富士川の歴史を様々な角度から調べていき,現在の町の様子と関

連付けていけるようなものの見方を思考したり,追究したりしてきた。また,内容を精選してわかりや

すく伝えるための表現方法や相手を意識した話し方などを工夫しながら,情報を発信するという活動を

とおして,表現することの楽しさや喜びを感じてきた。さらに,学習を進める過程で,グループ内で協

,力し,相談しながら追究方法や表現方法を工夫していくことはもちろん,聞き合うだけにとどまらず

疑問や考え方を交流し合うことでより深くかかわり,追究し合えるような活動をしてきた。学習をとお

。して,自分の中で何らかの変容を感じ取ることで自分に自信を持ち,学習する楽しさを味わってきた

これまでの「総合」の学習で得た力が,他教科や広く生活全般にわたって有効に発揮され,一人ひとり

の主体的な学びにつながることを期待している。

,算数科の学習においても,総合的な学習の時間で培った追究・思考する力,表現する力や伝え合い

学び合う力は十分生かされていくと考えられる 「総合」での学びと,算数科での学びを結びつけてい。

けるような学習を進めていきたい。

【問題解決の過程を考慮した授業展開】

。問題の把握として,導入部分では前時までの学習を振り返り,そこから新たな課題を設定していく

次に,問題を解決するために既習事項を活用して考えることを大切にしていく。解決していく段階では,

課題に対して個人で考え,全体で共有することで確実な理解を図っていきたい。比例関係を見つけるた

めには表や式,グラフに表すよさを味わわせる活動や,その表や式,グラフを使って言葉で説明し合う

活動を積極的に取り入れていきたいと意図している。

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6.指導・評価計画(全12時間)

時 ねらい 主な学習活動 評価規準

① 比例

1 比例の意味を理解する。 ・p.42~43のイラストを見て 「一方が変わ 関,

ればもう一方も変わる」関係を調べていく 2量の変わり方に興味を・

ことを確認する。 もち,その関係を調べよ2

・水そうに水を入れた時間と水の深さの変わ うとしている。

り方を,絵を見ながら調べる。 表

・時間が2倍,3倍,…になると,水の深さ 伴って変わる2量の関係

はどう変わるか調べる。 を,表を用いて調べるこ

・用語「比例」の意味を知る。 とができる。

比例の意味を理解してい

る。

3 比例の性質を理解する。 ・水そうに水を入れた時間と水の深さの変わ 考

・ り方を,表を使って調べる。 比例する2量の関係につ

4 ・時間が1分ずつ増えると,水の深さはどう いて,多様な見方で調べ

変わるかを調べる。 ている。

・時間が , ,…になると,水の深さ 知

比例の性質を理解してい

はどう変わるか調べる。 る。

・水の深さを時間でわった商はどうなるかを

調べる。

5 比例の関係に着目して問 ・水そうに40cmまで水を入れるのに何分か 考

題を解決する。 かるか考える。 比例の関係に着目して,

比例の関係かどうか確か ・比例の関係であることを確かめ,比例の性 手際よく問題を解決する

める。 質などを使って問題を解決する。 方法を考えている。

比例の関係を判定し,そ

の性質を用いて,問題を

解決することができる。

6 比例の関係をグラフに表 ・水の深さが水を入れる時間に比例する関係 表

・ して考察する。 をグラフに表して,その特徴を調べる。 比例の関係をグラフに表

7 グラフのかき方を身につ ・比例のグラフは,直線となり,原点を通る したり読んだりすること

け,特徴を理解する。 ことをまとめる。 ができる。

比例する2つの数量の関

係をグラフに表すよさに

気づき,グラフを利用す

ることができる。

比例のグラフは原点を通

る直線になることを理解

している。

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式で求めた2量の組み合

わせがグラフの上にある

ことを理解している。

比例の性質を活用し,問 ・比例の関係を用いて,数えることが困難な 考8

題を解決する。 数量の求め方を考える。 比例の関係という観点か本

ら,伴って変わる2量の時

関係を,表や式を用いて

考えている。

9 ・比例の関係を用いて,問題を解決するこ 表

とができる。 比例の関係を使って問題

を解くことができる。

② まとめ

10 学習内容を適用して問題 ・ 力をつけよう」に取り組む。 表「

を解決する。 学習内容を適用して,問

題を解決することができ

る。

学習内容の定着を確認 ・ たしかめよう」に取り組む。 知11 「

し,理解を確実にする。 ・ おもしろ問題にチャレンジ!」に取り組 基本的な学習内容を身に12 「

み,学習内容を基にじっくり考え,追究す つけている。

る。

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7.本時の学習

(1)日 時 平成23年2月10日(木)5校時(13:20~14:05)

(2)場 所 第6学年 教室

(3)ねらい 比例の関係を使って,重さから本数を求める方法を考える。

(4 「できた 「わかった」を実感させる手だて) 」

比例の性質と,それに伴う2量の関係を表した表をもとに,式を書いたり,式について話し合った

りすることをとおして,数えることが困難な数量の求め方を考えさせる。

(5)展 開

学 習 活 動 指導上の留意点と評価 資料等過程

1.前時の学習をふりかえる。

○前時の学習をもとに,比例の性質を学 ・比例する2量の関係を表やグラフに表

習したことを知る。 したことを確認させ,比例の性質をお

さえる。

2.学習課題をつかむ。

か ・くぎがた

む くさん入

・10本ずつ束にする。 った箱

・重さをはかる。 ・重さをはかる理由を問い,本数に伴っ

・くぎの本数が2倍,3倍,…になれ て重さが変わる比例関係を利用して問

ば,重さも2倍,3倍,…になるから 題を解決できる見通しを立てさせる。

重さをはかればいい。

・1本の重さを450倍する。

・上皿ばか

7 り

○くぎの重さが本数に比例することを確

かめる。

・表を提示し,450本分の重さを求める見

通しを立てさせる。

3.比例の関係を利用して,くぎの重さ

考 から本数を求める方法を考える。

え ○くぎ10本,50本の重さを表した表をも

る とに,自分の考えを式とことばで書 ・考えが思い浮かばない児童には,表に

く。 矢印を書き込んで考えるようにうなが

①450÷10=45 す。

18×45=810 ・ひとつできたら別の方法も考えてみる

②450÷50=9 ようにさせる。

90×9=810

③18÷10=1.810

分 1.8×450=810

④90÷50=1.8

1.8×450=810

⑤18÷10=1.8

□÷450=1.8

□=1.8×450

くぎ450本を全部数えないで用意する

にはどうしたらよいでしょう。

くぎの重さが本数に比例することを

使って,重さから本数を求める方法

を考えよう。

くぎの本数と重さ

本数(本) 10 50 450

重さ(g) 18 90 □

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=810

⑥90÷50=1.8

□÷450=1.8

□=1.8×450

=810

4.式を発表し合い,何を求めて計算し

ているのかを説明する。

○共通している点や違う点を考えなが ・指名した児童には板書させる。

ら,立式の方法や理由を全体で確認す ・他の児童に,それぞれの考えを説明さ

る。 せる。

①10本の45倍で450本。本数が45倍に増

深 えるに伴って重さも45倍になるので, ・式から説明させたり,説明から式を立

18gの45倍で計算する。 てさせたりして,表や式と,児童の発

め 言を対応させる。

②50本の15倍で450本。本数が15倍に増 ・それぞれの考えの中で,取り上げられ

る えるに伴って重さも15倍になるので, た比例の性質を明らかにさせる。

54gの15倍で計算する。

③10本の重さから1本の重さをもとめ, ・友達の立式の意味が理解できない児童

450本ぶんの重さを計算する。 には,全体で確認した表への書き込み

や,板書したキーワードをノートに記

④50本の重さから1本の重さをもとめ, 入させる。23

450本ぶんの重さを計算する。

⑤重さ÷本数=きまった数なので,1.8

はきまった数。450本分の重さをこの

式にあてはめて計算する。

⑥重さ÷本数=きまった数なので,1.8

はきまった数。450本分の重さをこの

式にあてはめて計算する。

(共通している点)

・答えが同じ810gになった。

・450本ぶんの重さがわかったので,重

さを利用すれば釘を用意できる。

・比例の関係を使って式にしている。

(違う点)

・釘1本あたりの重さをもとめている。

(③④)

・比例の表を横にみている (①②)。

(③④⑤⑥)・比例の表を縦にみている。

ま 5.本時の学習内容をふりかえる。

と ・釘の重さは本数に比例することを使う ・ここまでのノートをもとに,比例の性

め と,釘を全部数えなくてもおよその本 質を利用して問題を解決できたことを

る 数を用意することができる。 確認する。

5 ○学習のふり返りを記入する。 ・今日学んだことを自分の言葉で整理さ

分 せる。

考 比例の関係という観点から,伴っ

て変わる2量の関係を,表や式を用

いて考えている。

☆(ノート,発言)

友達の式を見て,友達の考えを

説明しよう。

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(6)板書計画

2/10 比例の考えを使おう

まとめ くぎの重さは本数に比例することを使うと,くぎを

全部数えなくてもおよその本数を用意することができる。くぎ450本を全部数えないで

本数(本) 10 50 450 本数(本) 10 50 450 本数(本) 10 50 450 本数(本) 10 50 450用意するにはどうしたらよい

重さ(g) 18 90 □ 重さ(g) 18 90 □ 重さ(g) 18 90 □ 重さ(g) 18 90 □だろう。

・10本ずつたばにする 450÷10=45 450÷50=9 18÷10=1.8 90÷50=1.8

・重さをはかる 18×45=810 90× 9=810 1.8×450=810 1.8×450=810

810g 810g 810g 810g

説明 説明 説明 説明くぎの重さが本数に比例する

10本の45倍で450本 50本の9倍で450本 10本分で18gだから 50本分で90gだからことを使って,重さから本数を

本数と重さは比例する 本数と重さは比例する 1本分は1.8g。それを 1本分は1.8g。それを求める方法を考えよう。

ので重さも45倍する。 ので重さも9倍する。 450倍する。 450倍する。

表を横にみる 表を横にみる 1本あたりの重さ 1本あたりの重さ

表を縦にみる

18÷10=1.8 90÷50=1.8

□÷450=1.8 □÷450=1.8

□=1.8×450 □=1.8×450

=810 =810

810g 810g