Upload
others
View
3
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
目 次
第1章 我が国石油化学工業の現状
石油化学工業を巡る諸情勢 1
最近の化学工業の動向 1
近年の石油化学工業の動向 3
原料問題 4
~エチレン原料の消費動向 4
需給問題~世界の需給見通し 6
~エチレン系誘導品の需給見通し-6
~プロピレン系誘導品の
需給見通し 8
~日本の需給見通し 10
国際化問題 13
~中国による反ダンピング調査 13
税制等制度面における状況 16
石油化学工業の収益動向 18
総合化学大手5社の収益動向 18
第2章 石油精製各社の事業動向
石油製品の需給実績と予測 22
石油備蓄動向 23
石油精製設備動向 25
石油精製各社の事業動向 28
出光興産 28
ENEOS 31
大阪国際石油精製 45
鹿島石油 46
コスモ石油 48
昭和四日市石油 53
西部石油 54
太陽石油 56
東亜石油 57
富士石油 59
第3章 エチレンセンターの動向
旭化成・水島 64
出光興産・千葉 67
出光興産・徳山 70
ENEOS/東燃化学・川崎 73
昭和電工・大分 77
住友化学・千葉 80
東ソー・四日市 83
丸善石油化学・千葉 86
三井化学・市原 89
三井化学・大阪 92
三井化学・岩国大竹 95
三菱ケミカル・茨城 98
三菱ケミカル・三重 101
三菱ケミカル旭化成エチレン・水島 104
目次1
第4章 石油化学各社の事業動向
旭化成 108
ADEKA 120
出光クレイバレー 127
出光興産 127
宇部エムス 132
宇部興産 133
宇部丸善ポリエチレン 141
AGC 142
SDPグローバル 147
NSスチレンモノマー 149
NUC 150
ENEOS(石化部門) 151
大分ケミカル 157
大阪石油化学 158
大阪ソーダ 159
岡山ブタジエン 162
鹿島アロマティックス 162
鹿島塩ビモノマー 163
鹿島ケミカル 163
カネカ 164
川崎化成工業 171
関東電化工業 173
協同酢酸 175
クラレ 176
クレハ 183
KHネオケム 188
京葉エチレン 190
京葉ポリエチレン 190
京葉モノマー 191
広栄化学 191
サンアロマー 193
三洋化成 194
CMアロマ 199
JSR 200
JNC 206
JFEケミカル 210
ジャパンコーティングレジン 213
ジャパンコンポジット 213
昭和電工 214
信越化学工業 223
新第一塩ビ 230
新日本理化 231
住化コベストロウレタン 233
住化ポリカーボネート 233
住友化学 234
住友精化 243
第一工業製薬 245
ダイキン工業 249
ダイセル 251
大洋塩ビ 259
太陽石油 260
千葉ケミカル製造 261
千葉ブタジエン工業 261
DIC(ディーアイシー) 262
DIC EP 268
DSポバール 269
帝人 269
テクノUMG 279
デンカ 280
東亞合成 288
東ソー 294
東邦化学工業 304
東洋スチレン 307
東洋紡 308
東レ 315
東レ・デュポン 326
トクヤマ 327
徳山積水工業 333
徳山ポリプロ 334
日油 335
日鉄エポキシ製造 337
日鉄ケミカル&マテリアル 338
日本イソブチレン 343
日本エイアンドエル 343
目次2
目次3
日本エクスラン工業 345
日本エステル 346
日本エポキシ樹脂製造 346
日本エボリュー 347
日本エラストマー 347
日本合成アルコール 348
日本酢ビ・ポバール 349
日本触媒 349
日本ゼオン 357
日本ブチル 364
日本ポリエチレン 365
日本ポリプロ 367
BASF出光 369
BASFジャパン 370
PSジャパン 371
プライムポリマー 373
ポリプラスチックス 376
本州化学工業 380
丸善石油化学 381
水島パラキシレン 386
三井化学 386
三井化学SKCポリウレタン 398
三井・ケマーズ フロロプロダクツ 399
三井・ダウ ポリケミカル 400
三菱ガス化学 401
三菱ケミカル 408
三菱ケミカル旭化成エチレン 428
ユニチカ 429
第5章 欧米化学企業の事業動向
アクゾ ノーベル 435
アルケマ 436
イーストマン ケミカル 440
イネオス 442
エクソンモービル・ケミカル 446
エボニック・インダストリーズ 449
オキシケム 453
クラリアント 454
クレイトンポリマーズ 457
ケマーズ 458
コベストロ 459
シェブロン フィリップス 464
セラニーズ 466
ソルベイ 469
ダウ 472
ディー・エス・エム 476
デュポン 479
トタル 483
ヌーリオン 485
パーストープ 487
ビーエーエスエフ 489
ビーピー 498
ヘンケル 500
メルク 503
ライオンデルバセル 504
ランクセス 507
ルーサイト 511
ロイヤル・ダッチ・シェル 512
目次4
第6章 主要石化製品の需給動向
主要製品(ナフサ・石油化学製品)の
需給実績 517
基礎原料 524
エチレン 524
プロピレン 528
ブタジエン 530
芳香族(BTX) 531
中間原料 536
アセトアルデヒド 536
酢酸 537
酢酸エチル 537
酢酸ビニル 538
ポリビニルアルコール(PVA)539
エチレンオキサイド(EO)
/エチレングリコール(EG) 540
トリクロロエチレン 541
パークロロエチレン 542
合成エタノール 543
オクタノール
(2-エチルヘキサノール) 543
ブタノール 544
イソプロピルアルコール
(IPA) 545
プロピレンオキサイド(PO) 546
プロピレングリコール(PG) 547
ポリプロピレングリコール
(PPG) 547
アクリロニトリル(AN) 548
エピクロルヒドリン(ECH) 550
フェノール 551
アセトン 552
ビスフェノールA(BPA) 553
アクリル系製品 555
アクリル酸/高吸水性樹脂
(SAP)/アクリル酸エステル
メチルイソブチルケトン
(MIBK) 559
メチルエチルケトン(MEK) 559
無水マレイン酸 560
1,4-ブタンジオール
/テトラヒドロフラン(THF) 561
ポリテトラメチレンエーテル
グリコール(PTMEG) 562
無水フタル酸 563
スチレンモノマー(SM) 564
パラキシレン(PX) 565
高純度テレフタル酸(PTA)
/ジメチルテレフタレート
(DMT) 567
シクロヘキサン 569
カプロラクタム(CPL) 569
トリレンジイソシアネート
(TDI) 571
アニリン 571
ジフェニルメタンジ
イソシアネート(MDI) 572
メタノール 573
合成洗剤原料 574
アルキルベンゼン 574
ノルマルパラフィン 574
合成高級アルコール 575
合成樹脂 576
低密度ポリエチレン(LDPE)577
高密度ポリエチレン(HDPE)580
ポリプロピレン(PP) 581
ポリスチレン(PS) 584
ABS樹脂 585
AS樹脂(SAN) 588
塩化ビニル樹脂
(PVC/VCM) 589
目次5
塩化ビニリデン樹脂(PVDC)591
メタクリル樹脂
(PMMA/MMA) 592
ナイロン樹脂 595
ポリアセタール(POM) 597
ポリカーボネート(PC) 598
変性ポリフェニレンエーテル
(PPE) 600
ポリブチレンテレフタレート
(PBT) 601
ポリフェニレンサルファイド
(PPS) 603
ケイ素樹脂(シリコーン) 604
フッ素樹脂 606
石油樹脂 609
ポリウレタンフォーム 611
エポキシ樹脂 611
フェノール樹脂 614
ユリア樹脂 615
メラミン樹脂 616
不飽和ポリエステル(UP) 616
合成ゴム 618
SBR 626
NBR 627
ブタジエンゴム(BR) 628
イソプレンゴム(IR) 629
クロロプレンゴム(CR) 630
ブチルゴム(IIR) 632
EPゴム(EPDM) 632
ラテックス 634
合成繊維 635
ポリエステル繊維 637
アクリル繊維 638
ナイロン繊維 639
ポリプロピレン繊維 640
ビニロン繊維 641
ポリウレタン弾性繊維 642
PAN系炭素繊維 643
第7章 環境問題と化学各社の環境会計
環境問題を巡る内外の動き 645
国連気候変動枠組条約(COP) 647
気候変動枠組条約 647
京都議定書 647
これまでの経緯 647
COP会合の概要 647
パリ協定 648
プラスチック廃棄物と
リサイクルの現状 649
廃プラスチックの現状と
有効利用 649
容器リサイクルの現状と計画 653
ペットボトル 653
再生PETの利用状況 654
PET樹脂のマテリアルフロー 655
マテリアルリサイクル 657
発泡スチロールのリサイクル 657
エネルギー回収のLCA評価 659
プラ工連のプラスチック資源
循環戦略 660
産業系廃プラの排出・処理状況 660
化学各社の2019年度環境会計 662
目次6
第8章 関連会社・研究所・技術移転リスト
旭化成 667
ADEKA 671
出光興産 674
宇部興産 675
AGC 676
ENEOS 677
大阪ソーダ 678
カネカ 678
川崎化成工業 680
関東電化工業 680
クラレ 681
クレハ 682
広栄化学 683
三洋化成 683
JSR 685
JNC 689
JFEケミカル 691
昭和電工 691
信越化学工業 693
新日本理化 696
住化コベストロウレタン 696
住化ポリカーボネート 696
住友化学 697
住友精化 705
第一工業製薬 705
ダイキン工業 706
ダイセル 707
DIC 708
帝人 710
デンカ 712
東亞合成 713
東ソー 714
東邦化学工業 717
東洋紡 718
東レ 719
東レ・デュポン 722
トクヤマ 722
日油 724
日鉄ケミカル&マテリアル 725
日本触媒 726
日本ゼオン 728
日本ポリエチレン 730
日本ポリプロ 730
BASFジャパン 731
ポリプラスチックス 732
本州化学工業 733
丸善石油化学 733
三井化学 733
三井・ダウ ポリケミカル 738
三菱ガス化学 738
三菱ケミカル 741
ユニチカ 747
■2019年の非ナフサ原料への対応とエチレン生産実績
企業名 工場非ナフサ
原料
最大受入
可能量
2018年使用率
2019年使用率
2018年エチレン生産実績
非ナフサ系生産量
2019年エチレン生産実績
非ナフサ系生産量
千葉 - - (3%) (3%) 367,000 11,010 291,000 8,730
徳山 - - (3%) (3%) 614,000 18,420 621,000 18,630
川崎 - 30% (3%) (3%) 417,000 12,510 429,000 12,870
川崎(東燃化学)
LPG - (3%) (3%) 426,000 12,780 509,000 15,270
昭和電工 大分ブタン重質NGL
65% 21% 15% 599,000 125,790 687,000 103,050
東ソー* 四日市 プロパン 15% 1% 1% 484,000 4,840 486,000 4,860
丸善石油化学 千葉 LPG 30% (3%) (3%) 530,000 15,900 536,000 16,080
京葉エチレン 千葉 - - (3%) (3%) 627,000 18,810 720,000 21,600
市原重質NGLLPG
40% 1.8% 0.2% 630,000 11,340 535,000 1,070
大阪 LPG 23% 11.8% 8.3% 381,000 44,958 451,000 37,433
三菱ケミカル 茨城 LPG 20% 0% 2% 476,000 0 567,000 11,340
AMEC** 水島重質NGLLPG
20% 0% 0% 595,000 0 525,311 0
6,146,000 276,358 6,357,311 250,933
4.5% 3.9%
国内合計
非ナフサ比率合計(計算値)
ENEOS
(注1)( )内の精製系3社は一律3%と仮定(注2)東ソーは1%と仮定*東ソーのみ2019/4~2020/3の年度実績**AMECは三菱ケミカル旭化成エチレン
出光興産
三井化学
ナフサ使用比率の推移
90.0%
91.0%
92.0%
93.0%
94.0%
95.0%
96.0%
97.0%
98.0%
99.0%
100.0%
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
需給問題(新値未公表のため前年版を再掲)
世界の需給見通し
■エチレン系誘導品の需給見通し
経済産業省素材産業課のまとめによると、
世界のエチレン系誘導品需要はエチレン換算
で2017年実績の1億4,970万トン(前年比5.4
%増)から2023年には1億8,250万トンへと年
平均3.4%の成長が続く見通し。地域別では
中国やアセアンが牽引するアジアで4.2%の
成長率が見込まれるほか、絶対量は小さいも
のの中東やアフリカ、CISも増加するなど、
日本を除く世界の地域で増加が見込まれる。
ただし、中国やインドの成長率は何れも前年
の見込み値(中国が6.1%増、インドが5.8%
増)より下方修正されており、アジア全体の
成長率も前年予測より0.9ポイント下回るな
ど、米中経済摩擦の影響が織り込まれている。
2023年までに稼働開始する可能性の高い新
6
第1章 我が国石油化学工業の現状
ENEOS(2020年6月JXTGエネルギーから改称) 本 社 東京都千代田区大手町1-1-2TEL 03-6257-5000
〈室蘭事業所〉~2019年3月末で生産停止 北海道室蘭市陣屋町1-172(0143-55-1111)
装 置 区 分 設 備 能 力技 術 備 考
装 置 名 装 置 内 容 (BPSD)
常圧蒸留装置 第1常圧蒸留装置 (180,000) 2014/3停止減圧蒸留装置 減圧蒸留装置 (65,000) 2014/3停止接触分解装置 FCC装置 (30,000) UOP 2019/3停止接触改質装置 第2接触改質装置 (36,000) 〃 〃水素化脱硫装置 灯油水素化脱硫装置 (42,500) 〃 〃
減圧軽油水素化脱硫装置 (42,500) 〃第2ナフサ水素化精製装置 (64,000) 〃
水素化分解装置 水素化分解装置 (21,000) 〃重質油脱硫装置 残油脱硫(RDS) (16,000) CRC 〃[他の主要装置] LPG回収装置 (580t/d) 99/11より停止
第2水素製造装置 (1,230,500/d) トプソー 2014/11停止第2硫黄回収装置 (130t/d) パーソンズ 2014/3停止第3 〃 (220t/d) 〃 2019/3停止粗キシレン製造装置 (20,000) 〃キュメン製造装置 (4,200) Mobil Badger 〃ベンゼン抽出装置 (9,000) UOP 〃
〈仙台製油所〉 仙台市宮城野区港5-1-1(022-363-1111)
装 置 区 分 設 備 能 力技 術 備 考
装 置 名 装 置 内 容 (BPSD)
常圧蒸留装置 常圧蒸留装置 145,000 99/8、25,000b増強減圧蒸留装置 減圧蒸留装置 60,000接触分解装置 RFCC装置 43,000 ケロッグ 2002/11、3,000b増強接触改質装置 連続触媒再生式改質装置 36,000 UOP 2007/10完成、2008/9
(CCR) に6,000B増強レニフォーマー (18,000) CRC 2014/10、不均化装置
に改造水素化脱硫装置 ナフサ水素化脱硫装置 (18,000) 2010/7より休止
〃 36,000 2008/9、6,000b増強FCCG脱硫装置 31,000 2004/8完成灯軽油水素化脱硫装置 12,500 AXENS 2005/3、1,500b増強
重質油脱硫装置 灯油水素化脱硫装置 21,500 〃 2005/3、3,500b増強減圧軽油脱硫装置 40,000 CRC 2003/9、5,000b増強
[他の主要装置] 重油直接脱硫装置 52,000 〃 2000/7、7,000b増強アルキレーション装置 9,000 ストラトコ水素製造装置 1,760,000â/d トプソーLPG回収装置 5,000t/d硫黄回収装置 110t/d
〃 450t/d パーソンズ第2ガソリン分留装置 12,500 コンプリモ第3ガソリン分留装置 26,400 2016/3、2,400b増強スルフォラン装置 10,000 UOP不均化装置(キシレン) 7,000 UOP 2017/9、1,000b増強
〈千葉製油所:旧東燃ゼネラル石油〉 千葉県市原市千種海岸1番地(0436-23-9580)
装 置 区 分 設 備 能 力技 術 備 考
装 置 名 装 置 内 容 (BPSD)
常圧蒸留装置 常圧蒸留装置 129,000 2017/3、23,000b削減減圧蒸留装置 減圧蒸留装置 83,000接触改質装置 マグナフォーマー 28,000 エンゲルハルド 2006/6、1,000b増強接触分解装置 RFCC装置 34,000 ケロッグ 99/10、4,000b増強水素化脱硫装置 ユニオンファイナー 28,000 UOP ナフサ脱硫用
ユニファイナー 20,500 〃 灯油脱硫用〃 13,000 〃
32
第2章 石油精製各社の事業動向
第3章 エチレンセンターの動向
本章の利用のしかた
1. エチレンセンターの掲載は、
旭化成・水島※
出光興産・千葉
出光興産・徳山
ENEOS/東燃化学・川崎
昭和電工・大分
住友化学・千葉※
東ソー・四日市
丸善石油化学・千葉
三井化学・市原
三井化学(大阪石油化学)・大阪
三井化学・岩国大竹※
三菱ケミカル・茨城
三菱ケミカル・三重※
三菱ケミカル旭化成エチレン・水島の五十音順とした。
2. 本章では、クラッカーを停止したセンター(※印)を含む工場ごとのオレフィン生産・需給
実績(エチレンとプロピレン)および一次誘導品ごとの消化状況を一覧表に、また基礎原料と
各種誘導品の関係をフローシートにまとめ、コンビナート地図と併せて掲載した。
フローシート中の生産能力は、原則定修年ベース(経済産業省公表値)の能力で、単位は年産
1,000トン。生産能力に付く( )は休・廃止能力と時期、< >は増設能力の完成時期を示す。
フローシート中にある の社名はセンター会社で、 の社名はパイプで結合さ
れたセンター内会社、また の社名はセンター外会社で、海上輸送もしくはタンクロー
リーなどによる供給を表している。
63
第3章 エチレンセンターの動向
旭化成・水島
▼概 要=隣接する三菱ケミカルとの折半
合弁会社「三菱ケミカル旭化成エチレン」を
通じてエチレン設備を保有。1970年代に合弁
会社・水島エチレンと山陽エチレン(1972年
4月に年産35万トンで始動)を共同で運営し、
輪番投資でオレフィンを確保してきた経緯が
ある。その後水島エチレンを旧三菱化学が、
山陽エチレンを旭化成が事実上管理・運営す
るようになり、それぞれが吸収合併した。
2011年3月、三菱化学と折半出資で「西日
本エチレンLLP」を設立し、両エチレン設
備の一体運営を開始した。その後2014年2月
にエチレン設備の三菱化学側への集約化で合
意し、旭化成が50万トン設備を2016年2月に
停止。西日本エチレンに代わり、同年4月よ
り合弁株式会社・三菱ケミカル旭化成エチレ
ンが三菱側の設備による水島地区クラッカー
の共同運営を開始、生産したオレフィンは両
社が半分ずつ引き取る体制となった。
▼近 況=2016年2月に停止したエチレン
能力は定修年で44万3,000トン、スキップ年
で50万4,000トンだった。未利用留分の有効
利用策として開発した技術のうち、C4ラフ
ィネート2を原料とするω(オメガ)技術プロ
ピレン5万トン設備を2006年に立ち上げたほ
か、α(アルファ)技術ベンゼン3万トン設備
を6万トンに倍増したが、同ベンゼン設備は
2012年3月のベンゼン事業撤退に伴い設備も
停止した。
エチレン設備の停止に伴い、水島を中心と
する国内石化事業の大規模再編を実施。2014
年8月に川崎のAN15万トン設備を停止し、
水島の10万トン設備は他製品の生産に特化し
た。水島においては、2015年5月に旧旭化成
イーマテリアルズのエポキシ樹脂3万7,100
トンを停止した。同12月にはABS樹脂6万
5,000トンとSBラテックス2万4,000トンを
停止。さらに2016年3月には老朽化していた
SM32万トン系列を停止し、その後廃棄した。
2019年度のエチレン消費量は前年度比2万
トン(6.6%)減の28万5,000トンと、臨時定修
の影響で減少。うち自社PE(ポリエチレン)
向け消費量は19万2,000トン、SM(スチレン
モノマー)向けも9万3,000トンと減少した。
一方、プロピレン消費量は1万3,000トン
(5.5%)減の22万3,000トンで、うち自社のA
N向け消費量は18万3,000トンと減少した。
▼誘導品の動き=エチレン系誘導品はLD
PE、HDPE、SMなどがあり、全ての製
品を自社で手掛けている。このうちHDPE
では超高分子量タイプの「サンファイン」を
手掛けており、LiB用セパレータ「ハイポ
ア」の原料として自消している。SMは老朽
化した第1系列15万トンを2007年10月に停止
し、第2系列32万トンも2016年3月で停止、
すでに両系列とも撤去済みであり、第3系列
39万トンのみの生産体制となっている。
プロピレン系誘導品には自社のAN、大阪
ソーダのアリルクロライドがある。C4につ
いては、岡山ブタジエン(旭化成50%/日本
ゼオン50%出資)でブタジエンを抽出して合
成ゴムに使用するほか、スペントC4から自
社でTBA(ターシャリーブチルアルコール)
を生産し、川崎のMMAモノマー向けに供給
している。石油化学事業の体質強化を図るた
め、2012年3月のクラッカー定修時に合わせ、
ベンゼン(30万トン)とアンモニア(32万トン)
を停止し、外部購入に切り替えた。設備停止
により浮いたC4、C5留分は、ωプロセスに
よるプロピレン製造設備(5万トン)に回し、
同設備の稼働率向上を図った。
64
第3章 エチレンセンターの動向
ENEOS/東燃化学・川崎コンビナート原料系統図
東京ガス 都市ガス
オフガス昭和電工 アンモニア
エチレン 日本ポリエチレン HDPE 125LLDPE 50
ENEOS (千葉)LDPE JX ANCI 不織布
95LDPE 130
NUC EVA (35~LDPEの内数)
LLDPE/HDPE 120エチレングリコール
180日本触媒 エチレンオキサイド エタノールアミン エチレンイミン ポリエチレンイミン
324 50 3 10エチレングリコールエーテル
14
日本乳化剤 界面活性剤、グリコール類
ナフサP-P サンケミカル 界面活性剤、ウレタン灯 油
日本合成アルコール 合成エタノール 70千・
イソプロパノール85
イソプロピルエーテル0.8
昭和電工 アクリロニトリル(60)プロピレン
(姫路) SAP 320日本触媒 アクリル酸 アクリル酸エステル
540 130(千葉)
ENEOS 住友化学 PO
404サンアロマー ポリプロピレン
東 燃 化 学 127 新日本理化 THPA 9
491 日本ブチル ブチルゴム 98 昭和電工 CR 23 スルフォラン0.6
MEK 100日本ゼオン NBRほか合成ゴム
ブテン1 10
ブタジエン 81 旭化成 SBR・BRB-B留分 115 168
ポリブテン 20 (鹿島)サン・ペトロケミカル ENB
ポリイソブチレン 7 20C5留分 ジシクロペンタジエン
C5系石油樹脂 17 DCPD系石油樹脂 5
ベンゼン111(川崎)、60(浮島)
トルエン分解ガソリン 67
キシレン40
ノルマルヘキサン 10千・
水添系石油樹脂 20
改質生成油 オルソキシレン70 (東海)
パラキシレン 東 レ PTA350 265
C9留分 日本合成樹脂 石油樹脂18
アルキルベンゼン(ソフト型)(86)(2019/5停止)
ノルマルパラフィン75 日 本 触 媒 高級アルコール
18 C重化学工業通信社
76
第3章 エチレンセンターの動向
昭和電工・大分のオレフィンバランス
一 次 誘 導 品
生産能力 2019年オレフィン会 社 名 製 品 備 考
(t/y) 消費量(t) 前年実績
〈エチレン〉 日本ポリエチレン L D P E 124,700 *112,000 *107,0002019年生産実績 〃 H D P E 199,000 *181,000 *183,000
687,000(599,000) 昭 和 電 工 A L D 48,000 2017/11にダウンサイジセンター外受給 〃 酢酸ビニル 175,000 ング(16万→4.8万t)
800( 20,000) 〃 酢酸エチル 100,000 115,000 117,000 2014/6に稼働センター外供給 〃 E V A 13,000
▲166,000(▲101,000) 〃 エマルジョンNSスチレンモノマー S M 190,000
*120,000 *108,000〃 S M 232,000
そ の 他 *4,300 *3,000 ※消費量523,000tは在庫
合 計 521,800 t ※523,000 518,000 取り崩し(1,200t)を含む
〈プロピレン〉 サ ン ア ロ マ ー P P 281,000 *235,000 *225,000 2016/9に連結子会社化2019年生産実績 昭 和 電 工 アリルアル 70,000 45,000 42,000
425,000(365,000) コールFCC回収分受給 大 分 ケ ミ カ ル アクリル酸 140,000 *74,000 *70,000 2014/1に8万t増設
42,000( 24,000) 住 友 化 学 レゾルシン 10,000 *5,300 *8,000センター外受給
0(10,000)センター外供給
▲105,000(▲54,000)
合 計 362,000 t 362,000 378,000
( )内は前年値 (注)製品別のオレフィン消費量は小社推定値を含む C重化学工業通信社
昭和電工・大分コンビナート工場配置図
78
第3章 エチレンセンターの動向
三 菱 ケ ミ カ ル
本 社 東京都千代田区丸の内1-1-1(パレスビル) TEL 03-6748-7300 単位:t/y
生 産 品 目 生産能力 技 術 受 給 原 料 原 料 購 入 先 備 考
【小名浜工場】 旧日本化成の工場ホルマリン 66,000 自社/トプソ メタノール 輸入
脂肪酸アマイド 3,000 自社 アンモニア、硬化油 外部、自社
熱硬化性樹脂 40,000 自社 尿素、フェノール 外部トリアリルイソシアヌレート 2,000 自社 シアン酸ソーダ、アリ 『タイク』、2011/6に増設
ルクロライド
アンモニア水 - 自社 アンモニア 外部
高品位尿素水 23,000・ 自社 尿素 外部 2004/12生産開始
【茨城事業所】エチレン 485,000 ルーマス ナフサ 鹿島石油 1号機(34.3万t)2014/5停止、2号
/自社 機、2014/2に3.6万t増強、その後1万t増,2018年春デボトルで4,000t増強
プロピレン 279,000 ルーマス ナフサ 鹿島石油 2014/2の2号機増強に伴い3万t/自社 増、2018/4デボトルで3,000t増
150,000 ルーマス エチレン、ブテン類 自社 OCTプロセス、2009/11稼動ベンゼン 159,000 自社/千代 分解ガソリン、リフォ 自社 2011/夏に17.9万t停止、2014/5に
田 ーメート K1Bz(7.4万t)停止エチレンオキサイド 300,000 シェル エチレン 自社エチレングリコール 318,000 シェル エチレンオキサイド 自社エチレンカーボネート 10,000 自社 エチレンオキサイド 自社 2013/9に5,000t、2017/7に2,000t
増キュメン 390,000 Badger ベンゼン、プロピレン 自社フェノール 280,000 自社 キュメン 自社アセトン 152,000 自社 キュメン 自社ビスフェノールA 100,000 自社 フェノール、アセトン 自社
【愛知事業所】PMMAフィルム 自社 PMMA 自社 『アクリプレン』ポリプロピレン繊維(f) 773t/m モンテジソン ポリプロピレン 日本ポリプロ他 『パイレン』炭素繊維 5,400 自社 プレカーサー 自社 『パイロフィル』2007/5に2,200t増炭素繊維プリプレグ 400万㎡ 自社 炭素繊維 自社 『パイロフィル』
【大垣工場】 旧日本合成化学の工場各種共重合樹脂 自社 酢酸ビニルモノマー、 自社 アクリル系溶剤型粘着剤『コーポ
アクリル酸エステル類 外部 ニール』他、2016/3Q増設
PVOHフィルム 4,300万㎡ 自社 ポリビニルアルコール 自社 『OPLフィルム』~偏光板用
2017/3Qに第7系列1,800万㎡増設
PVOHフィルム 自社 ポリビニルアルコール 自社 『ハイセロン』
【富山事業所】PMMAシート 30,000 自社 MMA 自社 『アクリライト』PMMA成形材料 27,500 自社 MMA 自社 『アクリペット』光学繊維 220 自社 MMA 自社 『エスカ』ジアセテート繊維(f) 3,000 『リンダ』
セラニーズ アセテートチップ ダイセル他トリアセテート繊維(f) 4,000 『ソアロン』
アセテート・トウ(s) 97.0 t/d セラニーズ アセテートチップ ダイセル他 『富士フィルタートウ』ポリアクリルアミド 6,000 自社 アクリルアミド 自社カチオンポリマー 8,000 自社
【滋賀事業所】ポリエステルフィルム 80,000 自社 ポリエステルチップ 自社 2010/3に1.5万t増設、山東地区
【三重事業所】アクリル酸 110,000 自社 プロピレン 自社アクリル酸エステル 116,000 自社 アクリル酸 自社合成エタノール 55,000・ シェル エチレン 自社、東ソー 精製系能力7万・SBR 42,000 導入技術 ブタジエン 岡山ブタジエン E-SBR1,4-ブタンジオール 2013/3に3万t停止
60,000 自社 ブタジエン 岡山ブタジエンTHF THFは2万t併産PTMG 35,000 自社 THF 自社フィルム用PET 100,000 自社 PTA、EG、DMT 自社、外部 2018/4/1に旧日本ユニペットを吸
収合併
409
第4章 石油化学各社の事業動向
【エ クソン モー ビル・ ケミ カル カン パニー
(EXXONMOBIL CHEMICAL COMPANY)】本社:米国テキサス州ヒューストン
〈沿 革〉旧エクソン・コーポレーション
(現エクソンモービル・コーポレーション)は
米ニュージャージー州ベイウェイの製油所で
イソプロピルアルコール(IPA)の商業生産
を1920年に開始したことから化学事業分野へ
進出した。これは当時の化学工業にとって極
めて画期的な製法で、従来の発酵法や石炭法
に代わる「石油化学工業」の幕開け技術と位
置づけられている。30年代には、今日でも石
油化学工業の基本的プロセスである石油分解
技術(スチームクラッキング)の商業運転に成
功、また同年代に開発したブチルゴムは、多
くの優れた特性を有し、63年に石油事業から
分離独立したエクソンの化学部門であるエク
ソン・ケミカル(現エクソンモービル・ケミ
カル)を飛躍的に発展させた。同社は、化学
事業をグローバルに統括している。
メタロセンを基にした「エクスポール」触
媒技術、「スーパーコンデンスモード・プロ
セス」による重合技術など、一連のポリマー
製造技術で世界の先陣を切っており、97年4
月に米ダウ・ケミカル(当時UCC)との折半
出資により設立されたユニベーション・テク
ノロジーズを通じ、世界の主要石化会社にポ
リエチレン関連の技術ライセンスを行ってき
たが、2014年末に同社を100%子会社化した。
メタロセン触媒システム「エクスポール」の
特許については、欧米の主要国をはじめ世界
各国で取得しており、日本でも98年3月に特
許を取得、ダウとのメタロセン関連特許係争
については99年6月に和解した。
事業再構築計画の一環として、石油添加剤
の「パラミン」事業部門を分離し、シェルの
同事業部門と合体、折半出資による「インフ
ィニアム」を99年1月に設立した。また99年
11月に統合した世界最大の石油企業「エクソ
ンモービル」の新発足に伴い、エクソン・ケ
ミカルもエクソンモービル・ケミカルとして
新発足した。
[従業員数]エクソンモービル全体で全世界
に7万4,900人(2019年末時点)
[海外拠点]ケミカル分野では世界16カ国で
生産活動を行っている。
〈事業内容〉石油化学製品の年産能力は、世
界計でエチレンが1,070万トン(前年比150万
トン増)、PEが1,060万トン(70万トン増)、
PPが270万トン(変化なし)、PXが410万ト
ン(変化なし)。2019年の生産実績はエチレン
が990万トン(前年実績904万トン)、PEが874
万トン(861万トン)、PPが241万トン(227万
トン)、PXが301万トン(335万トン)だった。
エクソンモービル・ケミカルは世界的組織
としてビジネス・ユニット制をとっており、
製品の開発から製造、販売、技術サービスに
至る総合的事業計画を世界的視野に立ち作成
・遂行する。各ビジネス・ユニットの活動を
支援するため、本社のもとに米国、ラテンア
メリカ、カナダを統括するエクソンモービル
・ケミカル・アメリカズ(テキサス州ヒュー
ストン)、ヨーロッパを統括するエクソンモ
ービル・ケミカル・ヨーロッパ(ベルギー・
ブリュッセル)、中東、アフリカを統括する
エクソンモービル・ケミカル・中東・アフリ
カ(ベルギー・ブリュッセル)、アジア太平洋
地域を統括するエクソンモービル・ケミカル
・アジア・パシフィック(シンガポール)の4
つの地域統括会社を設けている。
〈近年の動向〉
447
第5章 欧米化学企業の事業動向
581
第6章 主要石化製品の需給動向
高密度ポリエチレンの生産能力
会 社 名 工 場 生産能力 新増設計画 完 成 備 考
日本ポリエチレン 川 崎 125,400 日石化学法
水 島 98,800 三菱化学法
大 分 199,000 フィリップス法
プライムポリマー 市 原 203,000 チーグラー法
三 井 化 学 岩 国 8,500 超高分子量グレード、2018/8に1,000t増
旭 化 成 水 島 116,000 メタロセン法、LL併産4.7万t廃棄
東 ソ ー 四日市 125,000 自社技術ベッセル法
丸 善 石 油 化 学 千 葉 111,200 ワッカー/自社技術
J N C 石 油 化 学 千 葉 66,100 自社技術
N U C 川 崎 48,000 LL併産全12万t、UCC法
合 計 1,101,000
単位:t/y C重化学工業通信社
(注)日本ポリエチレンは日本ポリケム(三菱ケミカル100%出資)58%/日本ポリオレフィン(昭和電工65%/
ENEOS35%出資)42%出資。プライムポリマーは三井化学65%/出光興産35%出資。丸善石油化学と
JNC石油化学は販売業務を折半出資合弁の京葉ポリエチレンに統合。
ポリプロピレン(PP)
▼概要=ポリエチレンやPVC、PSと並
ぶ代表的な熱可塑性樹脂として自動車や電気
・電子部品、包装フィルム、コンテナ、日用
品雑貨など広範囲な用途を持つ。低比重で安
価な割に各種物性バランスが比較的高いこと
や、プラスチックの中ではリサイクルしやす
いことなどから、環境問題対策の面でも注目
されている。特に近年は自動車の軽量化用途
にPPコンパウンドが大きく成長している。
▼業界再編の状況=PP業界は汎用樹脂の
なかで再編が先行した。94年8月の昭和電工
と旭化成による日本ポリプロ設立(旭化成の
PP事業撤退)に始まった再編の動きは、94年
10月の三菱化学誕生(三菱化成工業と三菱油
化が合併、現三菱ケミカル)、95年6月の昭和
電工と日本石油化学(現ENEOS)のポリオ
ポリプロピレンの用途別需要実績
2016年 2017年 2018年 2019年 前年比
生 産 2,473,400 2,515,000 2,366,000 2,447,500 103.4
フ ィ ル ム 491,835 496,235 470,006 468,114 99.6
フ ラ ッ ト ヤ ー ン 22,582 22,483 19,336 19,264 99.6
射 出 成 形 1,318,297 1,350,894 1,238,547 1,345,084 108.6
中 空 成 形 18,448 24,218 23,223 23,005 99.1
繊 維 110,642 110,982 96,307 87,895 91.3
押 出 成 形 245,839 251,925 238,992 235,912 98.7
そ の 他 176,405 183,903 192,823 202,899 105.2
国 内 需 要 計 2,384,048 2,440,640 2,279,234 2,382,173 104.5
輸 出 150,328 128,381 119,009 116,857 98.2
出 荷 合 計 2,534,376 2,569,021 2,398,243 2,499,030 104.2
期 末 在 庫 538,100 529,800 365,967 601,800 164.4
単位:t、% 出所:出荷は経済産業省、生産・在庫は化学工業統計、輸出入は財務省貿易統計
649
第7章 環境問題と化学各社の環境会計
プラスチック廃棄物とリサイクルの現状
廃プラスチックの現状と有効利用
プラスチック循環利用協会の調査によると、
2018年は前年に続いて国内の樹脂製品消費量
と樹脂投入量が増加。一方で、精度向上に向
けて2018年版からフロー図の作成に用いる各
種係数の見直しを行った結果、廃プラスチッ
ク総排出量と有効利用量が減少し、廃プラス
チック有効利用率は前年より2ポイント低い
84%となった。
2018年の樹脂国内生産量は、1,067万トン
と前年比で3.2%(35万トン)減少。国内生産
量は2007年まで1,400万トン超の水準だった
が、2008年のリーマンショックや2011年の東
日本大震災によって減少し、2012年以降はほ
ぼ横ばいが続いている。一方、国内樹脂製品
消費量は1,029万トンと1.7%(17万トン)増加。
2018年は樹脂の輸出・輸入ともに増加した中、
輸出量に比べて輸入量の伸びが大きかったほ
か、再生樹脂投入量(前年に生産されたリサ
イクル品が当年に国内流通したと考えられる
量)が76万トンと22.6%(14万トン)増加し、
国内消費量の増加につながった。一方、廃プ
ラスチック総排出量は、食品包装などの消費
量増加を背景に、一般系が429万トンと2.7%
(11万トン)増加した半面、係数の見直しを主
要因として産業系462万トンと4.8%(23万ト
ン)減少し、全体では891万トンと1.3%(12万
トン)減少した。
再資源化および処理・処分段階では、MR
が1.4%(3万トン)減の208万トン、ケミカル
リサイクル(CR)が2.2%(1万トン)減の39
万トン、サーマルリサイクル(TR)が4.1%
(21万トン)減の502万トンといずれも減少。
一方で未利用量(単純焼却・埋立処分)は10.5
%(14万トン)増の142万トンに増加した。
2018年における消費エネルギーの削減効果
は、有効利用しなかった場合と比較して185
PJ(ペタジュール)と推定され、一般家庭に
おける総消費エネルギー量の5.2%(304万世
帯分)に相当。同様にCO2削減貢献量は1,593
万トンで、家庭からの総排出量の6.4%(370
万世帯分)に相当する。
廃プラ総排出量の樹脂別内訳
単位:万トン
(注)ポリスチレン類にASやABS樹脂を含む
ポリエチレン
306
ポリプロピレン
197
ポリスチレン類
104
塩化ビニル樹脂
70
その他
215
2018年
合計891万トン
(24.2%)
(7.8%)
(11.6%)
(34.3%)
(22.0%)
第8章 関連会社・研究所・技術移転リスト
旭化成
会 社 名 本 社 所 在 地 電話番号 出資比率 主な事業内容
旭化成ホームズ 東京都千代田区神田神保町 03-6999-3000 100% 住宅の設計・監理・請負1-105(神保町三井ビルディ
ング)
旭化成建材 東京都千代田区神田神保町 03-3296-3500 100% 軽量気泡コンクリート、パイル、1-105(神保町三井ビルディ 断熱材などの製造・販売
ング)
旭化成エレクトロ 東京都千代田区有楽町 03-6699-3933 100% ホール素子、ホールIC、LSI、ニクス 1-1-2(日比谷三井タワー) 半導体集積回路などの製造・販売
旭化成ファーマ 03-6699-3600 100% 医薬品、診断薬などの製造・販売
旭化成メディカル 03-6699-3750 100% 人工腎臓(ポリスルホン膜人工腎臓「APS」)、白血球フィルター
「セパセル」、ウイルス除去フィルター「プラノバ」などの開発・製造・販売
ゾール・メディカル 269 Mill Rd., Chelmsford, 1-978-421-9655 *100% 医療・救急機関向け除細動器、自動
MA 01824-4105 USA (*Asahi 体外式除細動器、自動心肺蘇生シKasei HD. ステム、着用式除細動器、中心静脈US. Inc.) 留置型経皮的体温調節装置システ
ム、ITソリューションシステムなどの製造・販売
Sage Automotive 3 Research Drive, Suite 1-864-987-7778 100% 自動車内装材に用いる各種繊維製
Interiors,Inc 300 Greenville, SC 29607 品の開発・製造・販売
〈関係会社〉 (出資比率は旭化成によるもの)
会 社 名 本 社 所 在 地 電話番号 出資比率 主な事業内容
■基盤マテリアル事業本部岡山ブタジエン
東京都中央区日本橋本町 03-3278-0721 50% ブタジエンの製造・販売3-1-11(繊維会館)
ジェイカムアグリ 東京都千代田区神田須田町 03-5297-8900 22.75% 化学肥料の仕入れ・販売2-6-6
PSジャパン 東京都文京区小石川1-4-1 03-5689-6543 62.07% ポリスチレンの製造・販売・研究
三菱ケミカル旭化 東京都千代田区内幸町 03-6273-3921 50% 水島地区エチレンセンターの運営成エチレン 2-2-2
東西石油化学 韓国・蔚山 82-52-259-7606 100% アクリロニトリルと関連製品の製造・販売
旭化成ケミカルズ 韓国・ソウル 82-2-6137-9820 100% アジピン酸および「ハイポア」な
韓国 どの仕入れ・販売
PTT旭ケミカル タイ・マプタプット 66-2791-2400 50% アクリロニトリルとMMAの製造
・販売
■スペシャルティソリューション事業本部
旭化成エポキシ 東京都千代田区有楽町 03-6699-3354 100% エポキシ樹脂用潜在性硬化剤の製1-1-2(日比谷三井タワー) 造
旭化成ファインケム 大阪市北区中之島3-3-23 06-7636-3170 100% 各種化学製品の製造・販売
667
第8章 関連会社・研究所・技術移転リスト
P6P31P408P446P5817章8章